1.5.5. データのライフサイクル

Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes は、オンプレミスのコンテナー化アプリケーションの開発および管理のアプリケーションプラットフォームです。この製品は、コンテナーオーケストレーターの Kubernetes、クラスターライフサイクル、アプリケーションライフサイクル、セキュリティーフレームワーク (ガバナンス、リスク、コンプライアンス) など、コンテナーを管理するための統合環境です。

そのため、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームは主に、プラットフォームの設定や管理に関連する技術データ (一部、GDPR の対象となるデータも含む) を処理します。また、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームは、プラットフォームの管理ユーザーに関する情報も扱います。このデータについては、GDPR 要件を満たす必要のあるお客様が対応できるように、本書全体で説明します。

このデータは、設定ファイルまたはデータベースとしてローカルまたはリモートのファイルシステム上のプラットフォームで永続化されます。Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームで実行するように開発されたアプリケーションは、GDPR の影響を受ける他の形式の個人データを扱う可能性があります。プラットフォームデータの保護および管理に使用されるメカニズムは、プラットフォームで実行されるアプリケーションでも利用できます。Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームで実行されるアプリケーションが収集する個人データを管理して保護するために、追加のメカニズムが必要な場合があります。

Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームとそのデータフローを最も良く理解するには、Kubernetes、Docker および Operator がどのように機能するか理解する必要があります。このようなオープンソースコンポーネントは、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームに不可欠です。Kubernetes デプロイメントは、アプリケーションのインスタンスを配置するの使用します。これらのアプリケーションのインスタンスは、Docker イメージを参照する Operator に組み込まれます。Operator にはアプリケーションの詳細が含まれ、Docker イメージにはアプリケーションの実行に必要な全ソフトウェアパッケージが含まれます。

1.5.5.1. Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームを使用したデータフローの種類

Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes はプラットフォームとして、複数の技術データを扱いますが、その内、管理者ユーザー ID とパスワード、サービスユーザー ID とパスワード、Kubernetes ノード名など、個人データとみなされる可能性があるものも含まれます。また、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームは、プラットフォームの管理ユーザーに関する情報も扱います。プラットフォームで実行されるアプリケーションにより、プラットフォームではまだ知られていない、他のカテゴリーの個人データが取り込まれる可能性があります。

このような技術データの収集/作成、保存、アクセス、セキュリティー設定、ロギング、削除の方法に関する情報は、本書で後述します。