第2章 OpenShift への 3scale のインストール

本セクションでは、OpenShift に Red Hat 3scale API Management 2.11 をデプロイする一連の手順を説明します。

オンプレミスデプロイメントの Red Hat 3scale API Management ソリューションは、以下の要素で設定されています。

  • 2 つの API ゲートウェイ: Embedded APIcast
  • 1 つの 3scale 管理ポータルおよび永続ストレージを持つデベロッパーポータル

3scale ソリューションをデプロイする方法は 2 つあります。

注記
  • 3scale のデプロイに operator とテンプレートのどちらを使用するかにかかわらず、まず Red Hat コンテナーレジストリーへのレジストリー認証を設定する必要があります。コンテナーレジストリー認証の設定 を参照してください。
  • 3scale Istio アダプターはオプションのアダプターとして利用可能で、これを使用すると、Red Hat OpenShift Service Mesh 内で実行中のサービスにラベルを付け、そのサービスを Red Hat 3scale API Management と統合することができます。詳細は、3scale アダプター に関するドキュメントを参照してください。

前提条件

OpenShift に 3scale をインストールするには、以下のセクションに概略を示す手順を実施します。

2.1. OpenShift に 3scale をインストールするためのシステム要件

本セクションでは、3scale - OpenShift テンプレートの要件を示します。

2.1.1. 環境要件

Red Hat 3scale API Management には、Red Hat 3scale API Management のサポート対象設定 に指定されている環境が必要です。

ローカルファイルシステムのストレージを使用している場合:

永続ボリューム

  • Redis および MySQL の永続用の 3 つの RWO (ReadWriteOnce) 永続ボリューム
  • デベロッパーポータルコンテンツおよび System-app Assets 用の 1 つの RWX (ReadWriteMany) 永続ボリューム

RWX 永続ボリュームは、グループによる書き込みができるように設定します。必要なアクセスモードをサポートする永続ボリュームタイプのリストは、OpenShift のドキュメント を参照してください。

コンテンツ管理システム (CMS) ストレージに Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) バケットを使用している場合は、以下を実行します。

永続ボリューム

  • Redis および MySQL の永続用の 3 つの RWO (ReadWriteOnce) 永続ボリューム

ストレージ

  • 1 Amazon S3 バケット
  • Network File System (NFS)

2.1.2. ハードウェア要件

ハードウェア要件は、用途のニーズによって異なります。Red Hat は、テストを行い個々の要件を満たすように環境を設定することを推奨します。OpenShift 上に 3scale の環境を設定する場合、以下が推奨されます。

  • クラウド環境へのデプロイメントには、コンピュートタスクに最適化したノードを使用する (AWS c4.2xlarge または Azure Standard_F8)。
  • メモリーの要件が現在のノードで使用できる RAM よりも大きい場合、非常に大きなインストールでは、Redis に別のノードが必要になることがある (AWS M4 シリーズまたは Azure Av2 シリーズ)。
  • ルーティングタスクとコンピュートタスクには別のノードを使用する。
  • 3scale 固有のタスクには専用のコンピュートノードを使用する。
  • バックエンドリスナーの PUMA_WORKERS 変数をコンピュートノードのコア数に設定します。