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8.2. 基本的なビルド操作

8.2.1. ビルドの開始

以下のコマンドを使用して、現在のプロジェクトに既存のビルド設定から新規ビルドを手動で起動します。

$ oc start-build <buildconfig_name>

--from-build フラグを使用してビルドを再度実行します。

$ oc start-build --from-build=<build_name>

--follow フラグを指定して、stdout のビルドのログをストリームします。

$ oc start-build <buildconfig_name> --follow

--env フラグを指定して、ビルドに任意の環境変数を設定します。

$ oc start-build <buildconfig_name> --env=<key>=<value>

Git ソースプル に依存してビルドするのではなく、ソースを直接プッシュしてビルドを開始することも可能です。ソースには、Git または SVN の作業ディレクトリーの内容、デプロイする事前にビルド済みのバイナリーアーティファクトのセットまたは単一ファイルのいずれかを選択できます。これは、start-build コマンドに以下のオプションのいずれかを指定して実行できます。

オプション説明

--from-dir=<directory>

アーカイブし、ビルドのバイナリー入力として使用するディレクトリーを指定します。

--from-file=<file>

単一ファイルを指定します。これはビルドソースで唯一のファイルでなければなりません。 このファイルは、元のファイルと同じファイル名で空のディレクトリーのルートに置いてください。

--from-repo=<local_source_repo>

ビルドのバイナリー入力として使用するローカルリポジトリーへのパスを指定します。--commit オプションを追加して、ビルドに使用するブランチ、タグ、またはコミットを制御します。

以下のオプションをビルドに直接指定した場合には、コンテンツはビルドにストリーミングされ、現在のビルドソースの設定が上書きされます。

注記

バイナリー入力からトリガーされたビルドは、サーバー上にソースを保存しないため、ベースイメージの変更でビルドが再度トリガーされた場合には、ビルド設定で指定されたソースが使用されます。

たとえば、以下のコマンドは、タグ v2 からのアーカイブとしてローカルの Git リポジトリーのコンテンツを送信し、ビルドを開始します。

$ oc start-build hello-world --from-repo=../hello-world --commit=v2

8.2.2. ビルドの中止

Web コンソールまたは以下の CLI コマンドを使用して、ビルドを手動でキャンセルします。

$ oc cancel-build <build_name>

複数のビルドを同時にキャンセルします。

$ oc cancel-build <build1_name> <build2_name> <build3_name>

ビルド設定から作成されたビルドすべてをキャンセルします。

$ oc cancel-build bc/<buildconfig_name>

特定の状態にあるビルドをすべてキャンセルします (例: new または pending)。 この際、他の状態のビルドは無視されます。

$ oc cancel-build bc/<buildconfig_name>  --state=<state>

8.2.3. BuildConfig の削除

以下のコマンドで BuildConfig を削除します。

$ oc delete bc <BuildConfigName>

これにより、この BuildConfig でインスタンス化されたビルドがすべて削除されます。ビルドを削除しない場合には、--cascade=false フラグを指定します。

$ oc delete --cascade=false bc <BuildConfigName>

8.2.4. ビルドの詳細表示

web コンソールまたは oc describe CLI コマンドを使用して、ビルドの詳細を表示できます。

$ oc describe build <build_name>

これにより、以下のような情報が表示されます。

  • ビルドソース
  • ビルドストラテジー
  • 出力先
  • 宛先レジストリーのイメージのダイジェスト
  • ビルドの作成方法

ビルドが Source ストラテジーを使用する場合、oc describe 出力には、コミット ID、作成者、コミットしたユーザー、メッセージなどのビルドに使用するソースのリビジョンの情報も含まれます。

8.2.5. ビルドログへのアクセス

Web コンソールまたは CLI を使用してビルドログにアクセスできます。

ビルドを直接使用してログをストリームするには、以下を実行します。

$ oc logs -f build/<build_name>

ビルド設定の最新ビルドのログをストリームするには、以下を実行します。

$ oc logs -f bc/<buildconfig_name>

ビルド設定で指定されているバージョンのビルドに関するログを返すには、以下を実行します。

$ oc logs --version=<number> bc/<buildconfig_name>

ログの詳細レベル

詳細の出力を有効にするには、BuildConfigsourceStrategy の一部として、BUILD_LOGLEVEL 環境変数を渡します。

sourceStrategy:
...
  env:
    - name: "BUILD_LOGLEVEL"
      value: "2" 1
1
この値を任意のログレベルに調整します。
注記

プラットフォームの管理者は、BuildDefaults 受付コントローラーの env/BUILD_LOGLEVEL を設定して、OpenShift Online インスタンス全体のデフォルトのビルドの詳細レベルを設定できます。このデフォルトは、指定の BuildConfigBUILD_LOGLEVEL を指定することで上書きできます。コマンドラインで --build-logleveloc start-build に渡すことで、バイナリー以外のビルドについて優先順位の高い上書きを指定することができます。

ソースビルドで利用できるログレベルは以下のとおりです。

レベル 0

assemble スクリプトを実行してコンテナーからの出力とすべてのエラーを生成します。これはデフォルトの設定です。

レベル 1

実行したプロセスに関する基本情報を生成します。

レベル 2

実行したプロセスに関する詳細情報を生成します。

レベル 3

実行したプロセスに関する詳細情報と、アーカイブコンテンツの一覧を生成します。

レベル 4

現時点ではレベル 3 と同じ情報を生成します。

レベル 5

これまでのレベルで記載したすべての内容と docker のプッシュメッセージを提供します。