1.5. DNS 転送の使用

DNS 転送を使用して、次の方法で/etc/resolv.confファイルのデフォルトの転送設定を上書きできます。

  • すべてのゾーンにネームサーバーを指定します。転送されるゾーンが OpenShift Dedicated によって管理される Ingress ドメインである場合、アップストリームネームサーバーがドメインについて認証される必要があります。

    重要

    少なくとも 1 つのゾーンを指定する必要があります。そうしないと、クラスターの機能が失われる可能性があります。

  • アップストリーム DNS サーバーのリストを指定します。
  • デフォルトの転送ポリシーを変更します。
注記

デフォルトドメインの DNS 転送設定には、/etc/resolv.conf ファイルおよびアップストリーム DNS サーバーで指定されたデフォルトのサーバーの両方を設定できます。

手順

  1. default という名前の DNS Operator オブジェクトを変更します。

    $ oc edit dns.operator/default

    以前のコマンドを実行した後に、Operator は Server に基づく追加のサーバー設定ブロックを使用して dns-default という名前の config map を作成して更新します。

    重要

    zones パラメーターの値を指定する場合は、イントラネットなどの特定のゾーンにのみ転送してください。少なくとも 1 つのゾーンを指定する必要があります。そうしないと、クラスターの機能が失われる可能性があります。

    クエリーに一致するゾーンがサーバーにない場合には、名前解決はアップストリーム DNS サーバーにフォールバックします。

    DNS 転送の設定

    apiVersion: operator.openshift.io/v1
    kind: DNS
    metadata:
      name: default
    spec:
      servers:
      - name: example-server 1
        zones: 2
        - example.com
        forwardPlugin:
          policy: Random 3
          upstreams: 4
          - 1.1.1.1
          - 2.2.2.2:5353
      upstreamResolvers: 5
        policy: Random 6
        upstreams: 7
        - type: SystemResolvConf 8
        - type: Network
          address: 1.2.3.4 9
          port: 53 10

    1
    rfc6335 サービス名の構文に準拠する必要があります。
    2
    rfc1123 サービス名構文のサブドメインの定義に準拠する必要があります。クラスタードメインの cluster.local は、zones フィールドの無効なサブドメインです。
    3
    アップストリームリゾルバーを選択するためのポリシーを定義します。デフォルト値はRandomです。RoundRobin および Sequential の値を使用することもできます。
    4
    forwardPlugin ごとに最大 15 の upstreams が許可されます。
    5
    オプション: これを使用して、デフォルトポリシーを上書きし、デフォルトドメインで指定された DNS リゾルバー (アップストリームリゾルバー) に DNS 解決を転送できます。アップストリームリゾルバーを指定しない場合に、DNS 名のクエリーは /etc/resolv.conf のサーバーに送信されます。
    6
    クエリー用にアップストリームサーバーが選択される順序を決定します。RandomRound Robin、またはSequential のいずれかの値を指定できます。デフォルト値はSequentialです。
    7
    オプション: これを使用して、アップストリームリゾルバーを指定できます。
    8
    SystemResolvConfNetworkの 2 種類のアップストリームを指定できます。SystemResolvConf で、アップストリームが /etc/resolv.conf を使用するように設定して、NetworkNetworkresolver を定義します。1 つまたは両方を指定できます。
    9
    指定したタイプがNetworkの場合には、IP アドレスを指定する必要があります。address フィールドは、有効な IPv4 または IPv6 アドレスである必要があります。
    10
    指定したタイプが Network の場合、必要に応じてポートを指定できます。port フィールドの値は 165535 である必要があります。アップストリームのポートを指定しない場合、デフォルトでポート 853 が試行されます。
  2. オプション: 高度に規制された環境で作業する場合は、要求をアップストリームリゾルバーに転送する際に DNS トラフィックのセキュリティーを確保して、追加の DNS トラフィックおよびデータのプライバシーを確保できるようにする必要がある場合があります。

    重要

    zones パラメーターの値を指定する場合は、イントラネットなどの特定のゾーンにのみ転送してください。少なくとも 1 つのゾーンを指定する必要があります。そうしないと、クラスターの機能が失われる可能性があります。

    クラスター管理者は、転送された DNS クエリーに Transport Layer Security (TLS) を設定できるようになりました。

    TLS を使用した DNS 転送の設定

    apiVersion: operator.openshift.io/v1
    kind: DNS
    metadata:
      name: default
    spec:
      servers:
      - name: example-server 1
        zones: 2
        - example.com
        forwardPlugin:
          transportConfig:
            transport: TLS 3
            tls:
              caBundle:
                name: mycacert
              serverName: dnstls.example.com  4
          policy: Random 5
          upstreams: 6
          - 1.1.1.1
          - 2.2.2.2:5353
      upstreamResolvers: 7
        transportConfig:
          transport: TLS
          tls:
            caBundle:
              name: mycacert
            serverName: dnstls.example.com
        upstreams:
        - type: Network 8
          address: 1.2.3.4 9
          port: 53 10

    1
    rfc6335 サービス名の構文に準拠する必要があります。
    2
    rfc1123 サービス名構文のサブドメインの定義に準拠する必要があります。クラスタードメインの cluster.local は、zones フィールドの無効なサブドメインです。クラスタードメインの cluster.local は、 zones の無効な subdomain です。
    3
    転送された DNS クエリーの TLS を設定する場合、transport フィールドの値を TLS に設定します。デフォルトでは、CoreDNS は転送された接続を 10 秒間キャッシュします。要求が発行されない場合、CoreDNS はその 10 秒間、TCP 接続を開いたままにします。大規模なクラスターでは、ノードごとに接続を開始できるため、DNS サーバーが多くの新しい接続を開いたまま保持する可能性があることを認識しているか確認してください。パフォーマンスの問題を回避するために、それに応じて DNS 階層を設定します。
    4
    転送された DNS クエリー用に TLS を設定する場合、これは、アップストリーム TLS サーバー証明書を検証するための Server Name Indication (SNI) の一部として使用される必須のサーバー名です。
    5
    アップストリームリゾルバーを選択するためのポリシーを定義します。デフォルト値はRandomです。RoundRobin および Sequential の値を使用することもできます。
    6
    必須。これを使用して、アップストリームリゾルバーを指定できます。forwardPlugin エントリーごとに最大 15 の upstreams エントリーが許可されます。
    7
    オプション: これを使用して、デフォルトポリシーを上書きし、デフォルトドメインで指定された DNS リゾルバー (アップストリームリゾルバー) に DNS 解決を転送できます。アップストリームリゾルバーを指定しない場合に、DNS 名のクエリーは /etc/resolv.conf のサーバーに送信されます。
    8
    Network タイプは、このアップストリームリゾルバーが /etc/resolv.conf にリストされているアップストリームリゾルバーとは別に転送されたリクエストを処理する必要があることを示します。TLS を使用する場合、Network タイプのみが許可され、IP アドレスを指定する必要があります。
    9
    address フィールドは、有効な IPv4 または IPv6 アドレスである必要があります。
    10
    オプションでポートを指定できます。port の値は 165535 である必要があります。アップストリームのポートを指定しない場合、デフォルトでポート 853 が試行されます。
    注記

    servers が定義されていないか無効な場合、config map にはデフォルトサーバーのみが含まれます。

検証

  1. config map を表示します。

    $ oc get configmap/dns-default -n openshift-dns -o yaml

    以前のサンプル DNS に基づく DNS ConfigMap の例

    apiVersion: v1
    data:
      Corefile: |
        example.com:5353 {
            forward . 1.1.1.1 2.2.2.2:5353
        }
        bar.com:5353 example.com:5353 {
            forward . 3.3.3.3 4.4.4.4:5454 1
        }
        .:5353 {
            errors
            health
            kubernetes cluster.local in-addr.arpa ip6.arpa {
                pods insecure
                upstream
                fallthrough in-addr.arpa ip6.arpa
            }
            prometheus :9153
            forward . /etc/resolv.conf 1.2.3.4:53 {
                policy Random
            }
            cache 30
            reload
        }
    kind: ConfigMap
    metadata:
      labels:
        dns.operator.openshift.io/owning-dns: default
      name: dns-default
      namespace: openshift-dns

    1
    forwardPlugin への変更により、CoreDNS デーモンセットのローリング更新がトリガーされます。

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