第4章 ロギング

クラスター管理者は、OpenShift Dedicated クラスターにロギングをデプロイし、それを使用してノードシステム監査ログ、アプリケーションコンテナーログ、インフラストラクチャーログを収集および集約できます。クラスター上の Red Hat が管理するログストレージなど、選択したログ出力にログを転送できます。デプロイされたログストレージソリューションに応じて、OpenShift Dedicated Web コンソールまたは Kibana Web コンソールでログデータを可視化することもできます。

注記

Kibana Web コンソールは現在非推奨となっており、将来のログリリースで削除される予定です。

OpenShift Dedicated クラスター管理者は、Operator を使用してロギングをデプロイできます。詳細は、ロギングのインストール を参照してください。

Operator は、ロギングのデプロイ、アップグレード、および保守を担当します。Operator をインストールした後に、ClusterLogging カスタムリソース (CR) を作成して、ロギング pod およびロギングをサポートするために必要なその他のリソースをスケジュールできます。ClusterLogForwarder CR を作成して、収集するログと、その変換方法および転送先を指定することもできます。

注記

内部 OpenShift Dedicated Elasticsearch ログストアは監査ログのセキュアなストレージを提供しないため、デフォルトで監査ログは内部 Elasticsearch インスタンスに保存されません。監査ログをデフォルトの内部 Elasticsearch ログストアに送信する必要がある場合 (Kibana で監査ログを表示するなど) は、監査ログのログストアへの転送 で説明されているように、ログ転送 API を使用する必要があります。

4.1. ロギングアーキテクチャー

ロギングの主なコンポーネントは次のとおりです。

Collector

コレクターは、Pod を各 OpenShift Dedicated ノードにデプロイするデーモンセットです。各ノードからログデータを収集し、データを変換して、設定された出力に転送します。Vector コレクターまたは従来の Fluentd コレクターを使用できます。

注記

Fluentd は非推奨となっており、今後のリリースで削除される予定です。Red Hat は、現在のリリースのライフサイクル中にこの機能のバグ修正とサポートを提供しますが、この機能は拡張されなくなりました。Fluentd の代わりに、Vector を使用できます。

ログストア

ログストアは分析用のログデータを保存し、ログフォワーダーのデフォルトの出力です。デフォルトの LokiStack ログストア、従来の Elasticsearch ログストアを使用したり、追加の外部ログストアにログを転送したりできます。

注記

Logging 5.9 リリースに、OpenShift Elasticsearch Operator の更新バージョンは含まれていません。ロギング 5.8 でリリースされた OpenShift Elasticsearch Operator を現在使用している場合、Logging 5.8 の EOL まで引き続き Logging で機能します。OpenShift Elasticsearch Operator を使用してデフォルトのログストレージを管理する代わりに、Loki Operator を使用できます。Logging のライフサイクルの日付について、詳細は Platform Agnostic Operator を参照してください。

可視化

UI コンポーネントを使用して、ログデータの視覚的表現を表示できます。UI は、保存されたログを検索、クエリー、および表示するためのグラフィカルインターフェイスを提供します。OpenShift Dedicated Web コンソール UI は、OpenShift Dedicated コンソールプラグインを有効にすることで提供されます。

注記

Kibana Web コンソールは現在非推奨となっており、将来のログリリースで削除される予定です。

ロギングはコンテナーログとノードログを収集します。これらは次のタイプに分類されます。

アプリケーションログ
クラスターで実行される、インフラストラクチャーコンテナーアプリケーションを除くユーザーアプリケーションによって生成されるコンテナーログ。
インフラストラクチャーログ
インフラストラクチャー namespace (openshift*kube*、または default) によって生成されたコンテナーのログ、およびノードからの journald メッセージ。
監査ログ
/var/log/audit/audit.log ファイルに保存されるノード監査システムである auditd によって生成されたログ、auditdkube-apiserveropenshift-apiserver サービス、および有効な場合は ovn プロジェクトからのログ。