1.4. 主な技術上の変更点

OpenShift Container Platform 4.9 では、以下に示す顕著な技術的な変更点が加えられています。

etcd データの自動デフラグ

OpenShift Container Platform 4.9 では、etcd データは etcd Operator によって自動的にデフラグされます。

Octavia OVN NodePort の変更

以前のバージョンでは、Red Hat OpenStack Platform(RHOSP) デプロイメントでは、NodePort の開始トラフィックは、ノードのサブネットの CIDR に制限されていました。Octavia Open Virtual Network(OVN) プロバイダーを使用して LoadBalancer サービスをサポートするために、マスターおよびワーカーノードへの NodePort トラフィックを許可するセキュリティーグループルールがオープン (0.0.0.0/0) に変更されました。

OpenStack Platform LoadBalancer 設定の変更

Red Hat OpenStack Platform(RHOSP) クラウドプロバイダー LoadBalancer 設定はデフォルトで use-octavia=True になりました。このルールの例外は Kuryr を使用するデプロイメントです。この場合、Kuryr は独自に LoadBalancer サービスを処理するため、use-octaviafalse に設定されます。

Ingress コントローラーを HAProxy 2.2.15 にアップグレード

OpenShift Container Platform Ingress コントローラーが HAProxy version 2.2.15 にアップグレードされます。

CoreDNS がバージョン 1.8.4 に更新される

OpenShift Container Platform 4.9 では、CoreDNS はバージョン 1.8.4 を使用します。これにはバグ修正が含まれます。

クラウドプロバイダーのクラウドコントローラーマネージャーの実装

クラウドプロバイダーのデプロイメントを管理する Kubernetes コントローラーマネージャーには、プロバイダーとしての Azure Stack Hub のサポートは含まれません。クラウドコントローラーマネージャーの使用は基礎となるクラウドプラットフォームと対話するための推奨される方法であるため、このサポートを追加する計画はありません。その結果、OpenShift Container Platform の Azure Stack Hub 実装はクラウドコントローラーマネージャーを使用します。

また、本リリースは、テクノロジープレビュー として Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、および Red Hat OpenStack Platform(RHOSP) のクラウドコントローラーマネージャーの使用をサポートしています。OpenShift Container Platform に追加される新しいクラウドプラットフォームサポートも、クラウドコントローラーマネージャーを使用します。

クラウドコントローラーマネージャーの詳細は、Kubernetes documentation on this component を参照してください。

クラウドコントローラーマネージャーおよびクラウドノードマネージャーのデプロイメントおよびライフサイクルを管理するために、本リリースで Cluster Cloud Controller Manager Operator が導入されました。

詳細は、Red Hat Operators referenceCluster Cloud Controller Manager Operator エントリーを参照してください。

カナリアロールアウト更新の実行

OpenShift Container Platform 4.9 では、カナリアロールアウト更新を実行する新規プロセスが導入されました。このプロセスの詳細な概要は、Performing a canary rollout update を参照してください。

大規模な Operator バンドルのサポート

Operator Lifecycle Manager(OLM) は、大規模なカスタムリソース定義 (CRD) マニフェストなどの大量のメタデータを持つ Operator バンドルを圧縮し、etcd によって設定される 1 MB の制限未満に保つようになりました。

Operator Lifecycle Manager のリソース使用の削減

Operator Lifecycle Management(OLM) カタログ Pod はより効率的となり、少ない RAM を使用するようになりました。

"Extras" アドバイザリーからの Operator のデフォルト更新チャネル

RHBA-2021:3760 などの OpenShift Container Platform の "Extras" アドバイザリーに同梱される Operator は、Red Hat が提供するカタログに公開され、Operator Lifecyle Manager (OLM) で実行されます。OpenShift Container Platform 4.9 以降、これらの Operator はバージョン固有の 4.9 チャネルに加え、stable 更新チャネルに含まれるようになりました。

OpenShift Container Platform 4.9 および今後のリリースでは、stable はこれらの Operator のデフォルトチャネルになります。OLM でのこれらの Operator の更新チャネルの変更が、今後のクラスターのアップグレードで不要になるように、クラスター管理者は stable チャネルを使用する必要があります。

OLM ベースの Operator の詳細は、Red Hat-provided Operator catalogs および Understanding OperatorHub を参照してください。OLM での更新チャネルの詳細は、Upgrading installed Operators を参照してください。

Operator SDK v1.10.1

OpenShift Container Platform 4.9 は Operator SDK v1.10.1. をサポートします。この最新バージョンをインストールまたは更新するには、Installing the Operator SDK CLI を参照してください。

注記

Operator SDK v1.10.1 は Kubernetes 1.21 をサポートします。

以前に Operator SDK v1.8.0 で作成または保守された Operator プロジェクトがある場合は、Upgrading projects for newer Operator SDK versions を参照してプロジェクトをアップグレードし、Operator SDK v1.10.1 との互換性が維持されていることを確認してください。