1.5. 非推奨および削除された機能

以前のリリースで利用可能であった一部の機能が非推奨になるか、または削除されました。

非推奨の機能は依然として OpenShift Container Platform に含まれており、引き続きサポートされますが、本製品の今後のリリースで削除されるため、新規デプロイメントでの使用は推奨されません。OpenShift Container Platform 4.9 で非推奨となり、削除された主な機能の最新の一覧については、以下の表を参照してください。非推奨になったか、または削除された機能の詳細情報は、表の後に記載されています。

以下の表では、機能は以下のステータスでマークされています。

  • GA: 一般公開機能
  • TP: テクノロジープレビュー機能
  • DEP: 非推奨機能
  • REM: 削除された機能

表1.1 非推奨および削除機能のトラッカー

機能OCP 4.7OCP 4.8OCP 4.9

Package Manifest Format (Operator Framework)

DEP

REM

REM

Operator カタログの SQLite データベース形式

GA

GA

DEP

oc adm catalog build

DEP

REM

REM

oc adm catalog mirror--filter-by-os フラグ

DEP

REM

REM

v1beta1 CRD

DEP

DEP

REM

Docker Registry v1 API

DEP

DEP

REM

メータリング Operator

DEP

DEP

REM

スケジューラーポリシー

DEP

DEP

DEP

Cluster Samples Operator の ImageChangesInProgress 状態

DEP

DEP

DEP

Cluster Samples Operator の MigrationInProgress 状態

DEP

DEP

DEP

OpenShift Container Platform リソースの apiVersion でグループなしで v1 の使用

DEP

DEP

REM

RHCOS での dhclient の使用

DEP

DEP

REM

クラスターローダー

GA

DEP

DEP

独自の RHEL 7 コンピュートマシンの持ち込み

DEP

DEP

DEP

ビルドの BuildConfig 仕様の lastTriggeredImageID フィールド

GA

DEP

REM

Jenkins Operator

TP

DEP

DEP

Prometheus に基づく HPA カスタムメトリクスアダプター

TP

REM

REM

vSphere 6.7 Update 2 以前および仮想ハードウェアバージョン 13

GA

GA

DEP

Red Hat Virtualization (RHV) の instance_type_id インストール設定パラメーター

DEP

DEP

DEP

Microsoft Azure クラスターのクレデンシャルの作成

GA

GA

REM

1.5.1. 非推奨の機能

1.5.1.1. Operator カタログの SQLite データベース形式

カタログおよびインデックスイメージ用に Operator Lifecycle Manager(OLM) が使用する SQLite データベース形式は、関連する opm CLI コマンドを含めて非推奨になりました。クラスター管理者およびカタログメンテナーには、OpenShift Container Platform 4.9 で導入された新しい ファイルベースのカタログ形式 に習熟し、カタログワークフローの移行を開始することをお勧めします。

注記

OpenShift Container Platform 4.6 以降のデフォルトの Red Hat が提供する Operator カタログ は、現時点では引き続き SQLite データベース形式で提供されています。

1.5.1.2. vSphere 6.7 Update 2 以前のクラスターインストールおよび仮想ハードウェアバージョン 13 が非推奨に

VMware vSphere バージョン 6.7 Update 2 以前および仮想ハードウェアバージョン 13 へのクラスターのインストールが非推奨になりました。これらのバージョンのサポートは、OpenShift Container Platform の今後のバージョンで終了します。

ハードウェアバージョン 15 が、OpenShift Container Platform の vSphere 仮想マシンのデフォルトになりました。ハードウェアバージョン 15 は、今後の OpenShift Container Platform バージョンでサポートされる唯一のバージョンになります。

1.5.1.3. Red Hat Virtualization (RHV) の instance_type_id インストール設定パラメーター

instance_type_id インストール設定パラメーターは非推奨になり、今後のリリースで削除される予定です。

1.5.2. 削除された機能

1.5.2.1. メータリング

このリリースでは、OpenShift Container Platform Metering Operator 機能が削除されています。

1.5.2.2. ベータ版 API が Kubernetes 1.22 から削除

Kubernetes 1.22 では、以下の非推奨化された v1beta1 API が削除されました。v1 API バージョンを使用するようにマニフェストおよび API クライアントを移行します。削除された API の移行についての詳細は、Kubernetes documentation を参照してください。

表1.2 v1beta1 API が Kubernetes 1.22 から削除

リソースAPI主な変更

APIService

apiregistration.k8s.io/v1beta1

いいえ

CertificateSigningRequest

certificates.k8s.io/v1beta1

はい

ClusterRole

rbac.authorization.k8s.io/v1beta1

いいえ

clusterRoleBinding

rbac.authorization.k8s.io/v1beta1

いいえ

CSIDriver

storage.k8s.io/v1beta1

いいえ

CSINode

storage.k8s.io/v1beta1

いいえ

CustomResourceDefinition

apiextensions.k8s.io/v1beta1

はい

Ingress

extensions/v1beta1

はい

Ingress

networking.k8s.io/v1beta1

はい

IngressClass

networking.k8s.io/v1beta1

いいえ

Lease

coordination.k8s.io/v1beta1

いいえ

LocalSubjectAccessReview

authorization.k8s.io/v1beta1

はい

MutatingWebhookConfiguration

admissionregistration.k8s.io/v1beta1

はい

PriorityClass

scheduling.k8s.io/v1beta1

いいえ

ロール

rbac.authorization.k8s.io/v1beta1

いいえ

RoleBinding

rbac.authorization.k8s.io/v1beta1

いいえ

SelfSubjectAccessReview

authorization.k8s.io/v1beta1

はい

StorageClass

storage.k8s.io/v1beta1

いいえ

SubjectAccessReview

authorization.k8s.io/v1beta1

はい

TokenReview

authentication.k8s.io/v1beta1

いいえ

ValidatingWebhookConfiguration

admissionregistration.k8s.io/v1beta1

はい

VolumeAttachment

storage.k8s.io/v1beta1

いいえ

1.5.2.3. Descheduler v1beta1 API の削除

descheduler 用の非推奨の v1beta1 API は、OpenShift Container Platform4.9 で削除されました。descheduler v1beta1 API バージョンを使用するリソースを v1 に移行します。

1.5.2.4. RHCOS での dhclient の使用の削除

非推奨の dhclient バイナリーは RHCOS から削除されました。OpenShift Container Platform 4.6 以降、RHCOS は初回の起動時にネットワークを設定するために、initramfsNetworkManager を使用するように切り替えました。その代わりに、NetworkManager の内部 DHCP クライアントをネットワーク設定に使用します。詳細は、BZ#1908462 を参照してください。

1.5.2.5. lastTriggeredImageID フィールド更新を停止して無視

現在のリリースでは、buildConfig.spec.triggers[i].imageChage が参照する ImageStreamTag が新しいイメージを指定している場合は、buildConfig.spec.triggers[i].imageChange.lastTriggeredImageID フィールドの更新を停止しています。このリリースでは、buildConfig.status.imageChangeTriggers[i].lastTriggeredImageID フィールドが更新されました。

さらに、Build Image Change Trigger コントローラーは buildConfig.spec.triggers[i].imageChange.lastTriggeredImageID フィールドを無視します。

Build Image Change Trigger コントローラーは、buildConfig.status.imageChangeTriggers[i].lastTriggeredImageID フィールドと、buildConfig.spec.triggers[i].imageChange で参照される ImageStreamTag で参照されるイメージ ID との比較に基づいて、ビルドを開始します。

したがって、buildConfig.spec.triggers[i].imageChange.lastTriggeredImageID を検査するスクリプトとジョブを適切に更新します。(BUILD-190)

1.5.2.6. OpenShift Container Platform リソースの apiVersion でグループなしで v1 の使用

OpenShift Container Platform リソースの apiVersion のグループなしで v1 を使用するサポートが削除されました。*.openshift.io が含まれるすべてのリソースは API インデックス にある apiVersion 値と一致している必要があります。

1.5.2.7. Microsoft Azure のクレデンシャルの作成のサポートが削除されました

OpenShift Container Platform 4.9.24 以降、Microsoft Azure クラスターのミントモードで Cloud Credential Operator (CCO) を使用するためのサポートが OpenShift Container Platform 4.9 から削除されました。この変更は、2022 年 6 月 30 日に Microsoft が Azure AD Graph API を廃止する予定であるためであり、z-stream 更新でサポートされているすべてのバージョンの OpenShift Container Platform にバックポートされます。

ミントモードを使用する以前にインストールされた Azure クラスターの場合、CCO は既存のシークレットを更新しようとします。シークレットに以前に作成されたアプリ登録サービスプリンシパルのクレデンシャルが含まれている場合、そのシークレットは kube-system/azure-credentials のシークレットの内容で更新されます。この動作は、パススルーモードに似ています。

クレデンシャルモードがデフォルト値の "" に設定されているクラスターの場合、更新された CCO は、ミントモードでの動作からパススルーモードでの動作に自動的に変更されます。クラスターでクレデンシャルモードが明示的にミントモード ("Mint") に設定されている場合は、値を "" または "Passthrough" に変更する必要があります。

注記

ミントモードで必要な Contributor のロールに加えて、変更されたアプリ登録サービスプリンシパルには、パススルーモードで使用される User Access Administrator のロールが必要になりました。

Azure AD Graph API は引き続き利用可能ですが、OpenShift Container Platform のアップグレードバージョンの CCO は、以前に作成されたアプリ登録サービスプリンシパルをクリーンアップしようとします。Azure AD Graph API を廃止する前にクラスターをアップグレードすると、リソースを手動でクリーンアップする必要がなくなる場合があります。

Azure AD Graph API が廃止された後、クラスターがミントモードをサポートしなくなったバージョンの OpenShift Container Platform にアップグレードされた場合、CCO は関連する credentialsrequestOrphanedCloudResource 条件を設定しますが、エラーを致命的なものとして扱いません。この条件には、unable to clean up App Registration / Service Principal: <app_registration_name> と類似したメッセージが含まれます。Azure AD Graph API が廃止された後のクリーンアップでは、Azure CLI ツールまたは Azure Web コンソールを使用して手動で介入し、残りのアプリ登録サービスプリンシパルを削除する必要があります。

リソースを手動でクリーンアップするには、影響を受けるリソースを見つけて削除する必要があります。

  1. Azure CLI ツールを使用して、次のコマンドを実行し、 OrphanedCloudResource 条件メッセージから <app_registration_name> を使用するアプリ登録サービスプリンシパルをフィルター処理します。

    $ az ad app list --filter "displayname eq '<app_registration_name>'" --query '[].objectId'

    出力例

    [
      "038c2538-7c40-49f5-abe5-f59c59c29244"
    ]

  2. 次のコマンドを実行して、アプリ登録サービスプリンシパルを削除します。

    $ az ad app delete --id 038c2538-7c40-49f5-abe5-f59c59c29244
注記

リソースを手動でクリーンアップした後、CCO はリソースがクリーンアップされたことを確認できないため、OrphanedCloudResource 状態が持続します。