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2.5.3. Vertical Pod Autoscaler Operator の使用について

Vertical Pod Autoscaler Operator (VPA) を使用するには、クラスター内にワークロードオブジェクトの VPA カスタムリソース (CR) を作成します。VPA は、そのワークロードオブジェクトに関連付けられた Pod に最適な CPU およびメモリーリソースを確認し、適用します。VPA は、デプロイメント、ステートフルセット、ジョブ、デーモンセット、レプリカセット、またはレプリケーションコントローラーのワークロードオブジェクトと共に使用できます。VPA CR はモニターする必要のある Pod と同じプロジェクトになければなりません。

VPA CR を使用してワークロードオブジェクトを関連付け、VPA が動作するモードを指定します。

  • Auto および Recreate モードは、Pod の有効期間中は VPA CPU およびメモリーの推奨事項を自動的に適用します。VPA は、推奨値で調整されていないプロジェクトの Pod を削除します。ワークロードオブジェクトによって再デプロイされる場合、VPA はその推奨内容で新規 Pod を更新します。
  • Initial モードは、Pod の作成時にのみ VPA の推奨事項を自動的に適用します。
  • Off モードは、推奨されるリソース制限および要求のみを提供するので、推奨事項を手動で適用することができます。off モードは Pod を更新しません。

CR を使用して、VPA 評価および更新から特定のコンテナーをオプトアウトすることもできます。

たとえば、Pod には以下の制限および要求があります。

resources:
  limits:
    cpu: 1
    memory: 500Mi
  requests:
    cpu: 500m
    memory: 100Mi

auto に設定された VPA を作成すると、VPA はリソースの使用状況を確認して Pod を削除します。再デプロイ時に、Pod は新規のリソース制限および要求を使用します。

resources:
  limits:
    cpu: 50m
    memory: 1250Mi
  requests:
    cpu: 25m
    memory: 262144k

以下のコマンドを実行して、VPA の推奨事項を表示できます。

$ oc get vpa <vpa-name> --output yaml

数分後に、出力には、以下のような CPU およびメモリー要求の推奨内容が表示されます。

出力例

...
status:
...
  recommendation:
    containerRecommendations:
    - containerName: frontend
      lowerBound:
        cpu: 25m
        memory: 262144k
      target:
        cpu: 25m
        memory: 262144k
      uncappedTarget:
        cpu: 25m
        memory: 262144k
      upperBound:
        cpu: 262m
        memory: "274357142"
    - containerName: backend
      lowerBound:
        cpu: 12m
        memory: 131072k
      target:
        cpu: 12m
        memory: 131072k
      uncappedTarget:
        cpu: 12m
        memory: 131072k
      upperBound:
        cpu: 476m
        memory: "498558823"
...

出力には、target (推奨リソース)、lowerBound (最小推奨リソース)、upperBound (最大推奨リソース)、および uncappedTarget (最新の推奨リソース) が表示されます。

VPA はlowerBound および upperBound の値を使用して、Pod の更新が必要であるかどうかを判別します。Pod のリソース要求が lowerBound 値を下回るか、upperBound 値を上回る場合は、VPA は終了し、target 値で Pod を再作成します。

2.5.3.1. VPA の最小値の変更

デフォルトで、ワークロードオブジェクトは、VPA が Pod を自動的に削除し、更新できるようにするためにレプリカを 2 つ以上指定する必要があります。そのため、2 つ未満を指定するワークロードオブジェクトの場合 VPA は自動的に機能しません。VPA は、Pod が VPA に対して外部にある一部のプロセスで再起動されると、これらのワークロードオブジェクトから新規 Pod を更新します。このクラスター全体の最小値の変更は、VerticalPodAutoscalerController カスタムリソース (CR) の minReplicas パラメーターを変更して実行できます。

たとえば、minReplicas3 に設定する場合、VPA は 2 レプリカ以下のレプリカを指定するワークロードオブジェクトの Pod を削除せず、更新しません。

注記

minReplicas1 に設定する場合、VPA は 1 つのレプリカのみを指定するワークロードオブジェクトの Pod のみを削除できます。この設定は、VPA がリソースを調整するために Pod を削除するたびにワークロードがダウンタイムを許容できる場合のみ、単一のレプリカオブジェクトで使用する必要があります。1 つのレプリカオブジェクトで不要なダウンタイムを回避するには、podUpdatePolicyInitial に設定して VPA CR を設定します。これにより、Pod は VPA の外部にある一部のプロセスで再起動される場合にのみ自動的に更新されます。または、Off に設定される場合、アプリケーションの適切なタイミングで Pod を手動で更新できます。

VerticalPodAutoscalerController オブジェクトの例

apiVersion: autoscaling.openshift.io/v1
kind: VerticalPodAutoscalerController
metadata:
  creationTimestamp: "2021-04-21T19:29:49Z"
  generation: 2
  name: default
  namespace: openshift-vertical-pod-autoscaler
  resourceVersion: "142172"
  uid: 180e17e9-03cc-427f-9955-3b4d7aeb2d59
spec:
  minReplicas: 3 1
  podMinCPUMillicores: 25
  podMinMemoryMb: 250
  recommendationOnly: false
  safetyMarginFraction: 0.15

1 1
動作させる VPA のワークロードオブジェクトのレプリカの最小数を指定します。最低数に満たない数のレプリカを持つオブジェクトは、VPA によって自動的に削除されません。