第4章 OpenShift virtualization のインストール

4.1. OpenShift Virtualization のクラスターの設定

OpenShift Virtualization をインストールする前に、OpenShift Container Platform クラスターが以下の要件を満たしていることを確認してください。

  • クラスターは、Red Hat Enterprise Linux CoreOS(RHCOS)ワーカーを使用して オンプレミスのベアメタルインフラストラクチャー にインストールする必要があります。ユーザーによってプロビジョニングされる、インストーラーでプロビジョニングされる、または支援付きインストーラーによるインストールなどのインストール方法を使用してクラスターをデプロイできます。

    注記
    • OpenShift Virtualization は RHCOS ワーカーノードのみをサポートします。RHEL 7 ノードまたは RHEL 8 ノードはサポートされません。
    • ベアメタルクラウドプロバイダーが提供するインフラストラクチャーソリューションはサポートされません。
  • また、仮想マシンの高可用性 (HA) を維持するための 2 つのオプションを使用できます。

    • インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーを使用し、マシンのヘルスチェックをデプロイします。

      注記

      インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーを使用してインストールされ、MachineHealthCheck が適切に設定された OpenShift Virtualization クラスターで、ノードで MachineHealthCheck が失敗し、クラスターで利用できなくなると、そのノードは再利用されます。障害が発生したノードで実行された仮想マシンでは、一連の条件によって次に起こる動作が変わります。予想される結果や RunStrategies がそれらの結果に与える影響についての詳細は、「About RunStrategies for virtual machines」を参照してください。

    • インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーを使用していない場合は、モニタリングシステムを使用するか、資格のある人材がノードの可用性を監視するようにしてください。ノードが失われた場合は、これをシャットダウンして oc delete node <lost_node> を実行します。

      注記

      外部モニタリングシステムまたは資格のある人材によるノードの正常性の監視が行われない場合、仮想マシンは高可用性を失います。

  • ライブマイグレーションを有効にするには、共有ストレージが必要です。
  • コンピュートノードを、クラスター内でホストする仮想マシンの数およびサイズに応じて管理する必要があります。
  • OpenShift Virtualization を非接続環境でデプロイするには、Operator Lifecycle Manager をネットワークが制限された環境で設定する必要があります。
  • ネットワークが制限された環境で非接続クラスターを使用する場合、Red Hat が提供する OperatorHub にアクセスできるように Operator Lifecycle Manager でプロキシーサポートを設定する必要があります。プロキシーを使用すると、クラスターは OpenShift Virtualization Operator を取得できます。
  • クラスターで異なる CPU を持つワーカーノードを使用する場合、異なる CPU が異なるため、ライブマイグレーションに失敗します。このような障害を回避するには、各ノードに適切な容量を持つ CPU を使用し、仮想マシンでノードのアフィニティーを設定し、移行が正常に実行されるようにします。詳細は、必須のノードのアフィニティールールの設定について参照してください。
  • Red Hat Enterprise Linux 8 がすべての CPU をサポートしており、以下の要件を満たす必要があります。

    • Intel 64 または AMD64 CPU 拡張機能がサポートされている。
    • Intel VT または AMD-V ハードウェア仮想化拡張機能が有効化されている。
    • no-execute (NX) フラグが有効化されている。

OpenShift Virtualization はデフォルトで OpenShift Container Platform と連携しますが、以下のインストール設定が推奨されます。

注記

OpenShift Container Platform の評価版バージョンを取得するには、OpenShift Container Platform ホームページから評価版をダウンロードしてください。

4.1.1. OpenShift Virtualization の追加ハードウェア要件

OpenShift Virtualization は OpenShift Container Platform のアドオンであり、クラスターの計画時に考慮する必要のある追加のオーバーヘッドを強要します。各クラスターマシンは、OpenShift Container Platform の要件に加えて、以下のオーバーヘッドの要件を満たす必要があります。クラスター内の物理リソースを過剰にサブスクライブすると、パフォーマンスに影響する可能性があります。

重要

本書に記載されている数は、Red Hat のテスト方法およびセットアップに基づいています。これらの数は、独自のセットアップおよび環境に応じて異なります。

4.1.1.1. メモリーのオーバーヘッド

以下の式を使用して、OpenShift Virtualization のメモリーオーバーヘッドの値を計算します。

クラスターメモリーのオーバーヘッド

Memory overhead per infrastructure node ≈ 150 MiB

Memory overhead per worker node ≈ 360 MiB

さらに、OpenShift Virtualization 環境リソースには、すべてのインフラストラクチャーノードに分散される合計 2179 MiB の RAM が必要です。

仮想マシンのメモリーオーバーヘッド

Memory overhead per virtual machine ≈ (1.002 * requested memory) + 146 MiB  \
                + 8 MiB * (number of vCPUs) \ 1
             + 16 MiB * (number of graphics devices) 2

1
仮想マシンが要求する仮想 CPU の数
2
仮想マシンが要求する仮想グラフィックスカードの数

お使いの環境に Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) ネットワークデバイスまたは Graphics Processing Unit (GPU) が含まれる場合、それぞれのデバイスに 1 GiB の追加のメモリーオーバーヘッドを割り当てます。

4.1.1.2. CPU オーバーヘッド

以下の式を使用して、OpenShift Virtualization のクラスタープロセッサーのオーバーヘッド要件を計算します。仮想マシンごとの CPU オーバーヘッドは、個々の設定によって異なります。

クラスターの CPU オーバーヘッド

CPU overhead for infrastructure nodes ≈ 4 cores

OpenShift Virtualization は、ロギング、ルーティング、およびモニタリングなどのクラスターレベルのサービスの全体的な使用率を増加させます。このワークロードに対応するには、インフラストラクチャーコンポーネントをホストするノードに、4 つの追加コア(4000 ミリコア)の容量があり、これがそれらのノード間に分散されていることを確認します。

CPU overhead for worker nodes ≈ 2 cores + CPU overhead per virtual machine

仮想マシンをホストする各ワーカーノードには、仮想マシンのワークロードに必要な CPU に加えて、OpenShift Virtualization 管理ワークロード用に 2 つの追加コア(2000 ミリコア)の容量が必要です。

仮想マシンの CPU オーバーヘッド

専用の CPU が要求される場合は、仮想マシン 1 台につき CPU 1 つとなり、クラスターの CPU オーバーヘッド要件に影響が出てきます。それ以外の場合は、仮想マシンに必要な CPU の数に関する特別なルールはありません。

4.1.1.3. ストレージのオーバーヘッド

以下のガイドラインを使用して、OpenShift Virtualization 環境のストレージオーバーヘッド要件を見積もります。

クラスターストレージオーバーヘッド

Aggregated storage overhead per node ≈ 10 GiB

10 GiB は、OpenShift Virtualization のインストール時にクラスター内の各ノードについてのディスク上のストレージの予想される影響に相当します。

仮想マシンのストレージオーバーヘッド

仮想マシンごとのストレージオーバーヘッドは、仮想マシン内のリソース割り当ての特定の要求により異なります。この要求は、クラスター内の別の場所でホストされるノードまたはストレージリソースの一時ストレージに対するものである可能性があります。OpenShift Virtualization は現在、実行中のコンテナー自体に追加の一時ストレージを割り当てていません。

4.1.1.4. 例

クラスター管理者が、クラスター内の 10 台の (それぞれ 1 GiB の RAM と 2 つの vCPU の) 仮想マシンをホストする予定の場合、クラスター全体で影響を受けるメモリーは 11.68 GiB になります。クラスターの各ノードについて予想されるディスク上のストレージの影響は 10 GiB で示され、仮想マシンのワークロードをホストするワーカーノードについての CPU の影響は最小 2 コアで示されます。