第11章 トラブルシューティング

このセクションでは、MTC (Migration Toolkit for Containers) のトラブルシューティングに使用するリソースについて説明します。

既知の問題については、MTC リリースノート を参照してください。

11.1. MTC ワークフロー

MTC (Migration Toolkit for Containers) の Web コンソールまたは Kubernetes API を使用して、Kubernetes リソース、永続ボリュームデータ、および内部コンテナーイメージを OpenShift Container Platform 4.8 に移行できます。

MTC は以下のリソースを移行します。

  • 移行計画に指定される namespace。
  • namespace スコープのリソース: MTC が namespace を移行する場合、サービスや Pod などのその namespace に関連付けられるすべてのオブジェクトおよびリソースを移行します。さらに、namespace に存在するものの、クラスターレベルに存在しないリソースがクラスターレベルに存在するリソースに依存する場合、MTC は両方のリソースを移行します。

    たとえば、SCC (Security Context Constraints) はクラスターレベルに存在するリソースであり、サービスアカウント (SA) は namespace レベルに存在するリソースです。SA が MTC が移行する namespace に存在する場合、MTC は SA にリンクされている SCC を自動的に識別し、それらの SCC も移行します。同様に、MTC は namespace の永続ボリュームにリンクされた永続ボリューム要求 (PVC)を移行します。

    注記

    クラスタースコープのリソースは、リソースによっては手動で移行する必要がある場合があります。

  • カスタムリソース (CR) およびカスタムリソース定義 (CRD): MTC は、namespace レベルで CR および CRD を自動的に移行します。

MTC Web コンソールを使用してアプリケーションを移行するには、以下の手順が必要です。

  1. すべてのクラスターに MTC (Migration Toolkit for Containers Operator) をインストールします。

    インターネットアクセスが制限されているか、またはインターネットアクセスのない制限された環境で Migration Toolkit for Containers Operator をインストールできます。ソースおよびターゲットクラスターは、相互に対するネットワークアクセスおよびミラーレジストリーへのネットワークアクセスがなければなりません。

  2. MTC がデータ移行に使用する中間オブジェクトストレージであるレプリケーションリポジトリーを設定します。

    ソースおよびターゲットクラスターには、移行時にレプリケーションリポジトリーへのネットワークアクセスがなければなりません。制限された環境では、Multi-Cloud Object Gateway (MCG) を使用できます。プロキシーサーバーを使用している場合は、レプリケーションリポジトリーとクラスター間のネットワークトラフィックを許可するように設定する必要があります。

  3. ソースクラスターを MTC の Web コンソールに追加します。
  4. レプリケーションリポジトリーを MTC の Web コンソールに追加します。
  5. 以下のデータ移行オプションのいずれかを使用して、移行計画を作成します。

    • Copy: MTC は、データをソースクラスターからレプリケーションリポジトリーにコピーし、レプリケーションリポジトリーからターゲットクラスターにコピーします。

      注記

      イメージの直接移行またはボリュームの直接移行を使用している場合、イメージまたはボリュームはソースクラスターからターゲットクラスターに直接コピーされます。

      migration PV copy
    • Move: MTC は、ソースクラスターからリモートボリューム (例: NFS) をアンマウントし、リモートボリュームをポイントするターゲットクラスターで PV リソースを作成し、その後にリモートボリュームをターゲットクラスターにマウントします。ターゲットクラスターで実行されているアプリケーションは、ソースクラスターが使用していたものと同じリモートボリュームを使用します。リモートボリュームは、ソースクラスターおよびターゲットクラスターからアクセスできる必要があります。

      注記

      レプリケーションリポジトリーはこの図には表示されていませんが、これは移行に必要です。

      migration PV move
  6. 以下のオプションのいずれかを使用して、移行計画を実行します。

    • 段階 移行は、アプリケーションを停止せずにデータをターゲットクラスターにコピーします。

      段階移行は複数回実行して、移行前にほとんどのデータがターゲットにコピーされるようにします。1 つ以上の段階移行を実行すると、カットオーバー移行の期間が短縮されます。

    • カットオーバー は、ソースクラスターでアプリケーションを停止し、リソースをターゲットクラスターに移動します。

      オプション:Halt transactions on the source cluster during migrationのチェックボックスのチェックを解除できます。

OCP 3 to 4 App migration

MTC カスタムリソースについて

MTC (Migration Toolkit for Containers) は以下のカスタムリソース (CR) を作成します。

migration architecture diagram

20 MigCluster (設定、MTC クラスター): クラスター定義

20 MigStorage (設定、MTC クラスター): ストレージ定義

20 MigPlan (設定、MTC クラスター): 移行計画

MigPlan CR は、移行されるソースおよびターゲットクラスター、レプリケーションリポジトリー、および namespace を記述します。これは 0、1 または多数の MigMigration CR に関連付けられます。

注記

MigPlan CR を削除すると、関連付けられた MigMigration CR が削除されます。

20 BackupStorageLocation (設定、MTC クラスター): Velero バックアップオブジェクトの場所

20 VolumeSnapshotLocation (設定、MTC クラスター): Velero ボリュームスナップショットの場所

20 MigMigration (アクション、MTC クラスター): データのステージングまたは移行時に毎回作成される移行。各 MigMigration CR は MigPlan CR に関連付けられます。

20 Backup (アクション、ソースクラスター): 移行計画の実行時に、MigMigration CR は各ソースクラスターに 2 つの Velero バックアップ CR を作成します。

  • Kubernetes オブジェクトのバックアップ CR #1
  • PV データのバックアップ CR #2

20 Restore (アクション、ターゲットクラスター): 移行計画の実行時に、MigMigration CR はターゲットクラスターに 2 つの Velero 復元 CR を作成します。

  • PV データの復元 CR #1 (バックアップ CR #2 の使用)
  • Kubernetes オブジェクトの復元 CR #2 (バックアップ CR #1 の使用)