5.3. データのコピー方法

MTC (Migration Toolkit for Containers) は、ソースクラスターからターゲットクラスターにデータを移行するために、ファイルシステムおよびスナップショットによるデータのコピー方法をサポートします。ご使用の環境に適した方法で、ストレージプロバイダーでサポートされる方法を選択できます。

5.3.1. ファイルシステムのコピー方法

MTC は、データファイルをソースクラスターからレプリケーションリポジトリーにコピーし、そこからターゲットクラスターにコピーします。

ファイルシステムのコピー方法では、間接移行に Restic を使用し、直接ボリューム移行に Rsync を使用します。

表5.2 ファイルシステムのコピー方法の概要

利点制限
  • クラスターで複数の異なるストレージクラスを使用することが可能
  • すべての S3 ストレージプロバイダーでサポートされている
  • チェックサムを使用したオプションのデータ検証
  • ボリュームの直接移行をサポートします。これにより、パフォーマンスを大幅に向上させることができます。
  • スナップショットのコピー方法よりも遅い
  • オプションのデータ検証は、パフォーマンスを大幅に低下させます。
注記

Restic および Rsync PV の移行では、サポートされている PV が volumeMode=filesystem のみであることを前提としています。ファイルシステムの移行に volumeMode=Block を使用することはサポートされて いません

5.3.2. スナップショットのコピー方法

MTC は、ソースクラスターのデータのスナップショットを、クラウドプロバイダーのレプリケーションリポジトリーにコピーします。データはターゲットクラスターで復元されます。

スナップショットコピー方式は、Amazon Web Services、Google Cloud Provider、および Microsoft Azure で使用できます。

表5.3 スナップショットのコピー方法の概要

利点制限
  • ファイルシステムのコピー方法よりも高速
  • クラウドプロバイダーはスナップショットをサポートしている必要があります。
  • クラスターは同じクラウドプロバイダーになければなりません。
  • クラスターは、同じ場所またはリージョンにある必要があります。
  • クラスターには同じストレージクラスがなければなりません。
  • ストレージクラスにはスナップショットとの互換性がある必要があります。
  • ボリュームの直接移行はサポートしません。