7.4.11.3.4. 詳細の RHCOS インストールリファレンス

このセクションでは、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) の手動インストールプロセスを変更できるようにするネットワーク設定および他の高度なオプションについて説明します。以下の表では、RHCOS ライブインストーラーおよび coreos-installer コマンドで使用できるカーネル引数およびコマンドラインのオプションを説明します。

7.4.11.3.4.1. ISO インストールのネットワークおよびボンディングのオプション

ISO イメージから RHCOS をインストールする場合、そのイメージを起動してノードのネットワークを設定する際に手動でカーネル引数を追加できます。ネットワークの引数が指定されていない場合、RHCOS が Ignition 設定ファイルを取得するためにネットワークが必要であることを検知する際に、DHCP が initramfs でアクティベートされます。

重要

ネットワーク引数を手動で追加する場合は、rd.neednet=1 カーネル引数を追加して、ネットワークを initramfs で有効にする必要があります。

以下の表は、ISO インストール用に RHCOS ノードでネットワークおよびボンディングを設定する例を示しています。この例では、ip=nameserver=、および bond= カーネル引数の使用方法について説明しています。

注記

順序は、カーネル引数の ip=nameserver=、および bond= を追加する場合に重要です。

ネットワークオプションは、システムの起動時に dracut ツールに渡されます。dracut でサポートされるネットワークオプションの詳細は、man ページの dracut.cmdline を参照してください。

表7.43 ISO インストールのネットワークおよびボンディングのオプション

詳細

IP アドレスを設定するには、DHCP (ip=dhcp) を使用するか、または個別の静的 IP アドレス (ip=<host_ip>) を設定します。静的 IP を設定する場合、各ノードで DNS サーバー IP アドレス (nameserver=<dns_ip>) を特定する必要があります。この例では、以下を設定します。

  • ノードの IP アドレス: 10.10.10.2
  • ゲートウェイアドレス: 10.10.10.254
  • ネットワーク: 255.255.255.0
  • ホスト名: core0.example.com
  • DNS サーバーアドレス: 4.4.4.41
  • auto-configuration の値を none に設定します。IP ネットワークが静的に設定されている場合には、自動設定は必要ありません。
注記

DHCP を使用して RHCOS マシンの IP アドレスを設定する場合、マシンは DHCP を介して DNS サーバー情報も取得します。DHCP ベースのデプロイメントの場合、DHCP サーバー設定を使用して RHCOS ノードが使用する DNS サーバーアドレスを定義できます。

ip=10.10.10.2::10.10.10.254:255.255.255.0:core0.example.com:enp1s0:none
nameserver=4.4.4.41

複数の ip= エントリーを指定して、複数のネットワークインターフェースを指定します。

ip=10.10.10.2::10.10.10.254:255.255.255.0:core0.example.com:enp1s0:none
ip=10.10.10.3::10.10.10.254:255.255.255.0:core0.example.com:enp2s0:none

オプション: rd.route= value を設定して、追加のネットワークへのルートを設定できます。

追加のネットワークゲートウェイがプライマリーネットワークゲートウェイと異なる場合、デフォルトゲートウェイはプライマリーネットワークゲートウェイである必要があります。

デフォルトゲートウェイを設定するには、以下の手順に従います。

ip=::10.10.10.254::::

追加ネットワークのルートを設定するには、以下を実行します。

rd.route=20.20.20.0/24:20.20.20.254:enp2s0

2 つ以上のネットワークインターフェースがあり、1 つのインターフェースのみが使用される場合などに、1 つのインターフェースで DHCP を無効にします。この例では、enp1s0 インターフェースには静的ネットワーク設定があり、DHCP は使用されない enp2s0 について無効にされます。

ip=10.10.10.2::10.10.10.254:255.255.255.0:core0.example.com:enp1s0:none
ip=::::core0.example.com:enp2s0:none

複数のネットワークインターフェースを持つシステムで、DHCP および静的 IP 設定を組み合わせることができます。

ip=enp1s0:dhcp
ip=10.10.10.2::10.10.10.254:255.255.255.0:core0.example.com:enp2s0:none

オプション: vlan= パラメーターを使用して、個別のインターフェースに VLAN を設定できます。

ネットワークインターフェースに VLAN を設定し、静的 IP アドレスを使用するには、以下を実行します。

ip=10.10.10.2::10.10.10.254:255.255.255.0:core0.example.com:enp2s0.100:none
vlan=enp2s0.100:enp2s0

ネットワークインターフェース上に VLAN を設定し、DHCP を使用するには、以下を行います。

ip=enp2s0.100:dhcp
vlan=enp2s0.100:enp2s0

各サーバーに nameserver= エントリーを追加して、複数の DNS サーバーを指定できます。

nameserver=1.1.1.1
nameserver=8.8.8.8

オプション: 複数のネットワークインターフェースを単一のインターフェースにボンディングすることは、bond= オプションを使用によってサポートされます。次の 2 つの例では、以下のようになります。

  • ボンディングされたインターフェースを設定する構文は bond=name[:network_interfaces][:options] です。

    name は、ボンディングデバイス名 (bond0) で、network_interfaces は物理(イーサネット)インターフェース (em1,em2) のコンマ区切り一覧を表します。options はボンディングオプションのコンマ区切りの一覧です。modinfo bonding を入力して、利用可能なオプションを表示します。

  • Bond= を使用してボンディングされたインターフェースを作成する場合は、IP アドレスの割り当て方法とボンディングされたインターフェースのその他の情報を指定する必要があります。

DHCP を使用するようにボンディングされたインターフェースを設定するには、ボンドの IP アドレスを dhcp に設定します。以下は例になります。

bond=bond0:em1,em2:mode=active-backup
ip=bond0:dhcp

静的 IP アドレスを使用するようにボンディングされたインターフェースを設定するには、必要な特定の IP アドレスと関連情報を入力します。以下は例になります。

bond=bond0:em1,em2:mode=active-backup
ip=10.10.10.2::10.10.10.254:255.255.255.0:core0.example.com:bond0:none

オプション: vlan= パラメーターを使用して、ボンディングされたインターフェースに VLAN を設定できます。

ボンディングされたインターフェースを VLAN で設定し、DHCP を使用するには、以下を行います。

ip=bond0.100:dhcp
bond=bond0:em1,em2:mode=active-backup
vlan=bond0.100:bond0

ボンディングされたインターフェースを VLAN で設定し、静的 IP アドレスを使用するには、以下を行います。

ip=10.10.10.2::10.10.10.254:255.255.255.0:core0.example.com:bond0.100:none
bond=bond0:em1,em2:mode=active-backup
vlan=bond0.100:bond0

オプション: ネットワークチーミングは、team= パラメーターを使用してボンディングの代替として使用できます。この例では、以下のように設定されています。

  • チームインターフェースを設定するための構文は、team =name[:network_interfaces]です。

    name はチームデバイス名(team0)でnetwork_interfaces は物理(イーサネット)インターフェース(em1、em2)のコンマ区切りの一覧を表します。

注記

チーミングは、RHCOS が RHEL の今後のバージョンで切り替わる際に非推奨になる予定です。詳細は、Red Hat ナレッジベースアーティクル を参照してください

ネットワークチームを設定するには、以下を実行します。

team=team0:em1,em2
ip=team0:dhcp
7.4.11.3.4.2. ISO インストールの coreos-installer オプション

RHCOS は、ISO イメージから RHCOS ライブ環境に起動した後に、コマンドプロンプトで coreos-installer install <options> <device> を実行してインストールできます。

以下の表は、coreos-installer コマンドに渡すことのできるサブコマンド、オプションおよび引数を示しています。

表7.44 coreos-installer サブコマンド、コマンドラインオプション、および引数

coreos-installer install サブコマンド

サブコマンド

説明

$ coreos-installer install <options> <device>

Ignition 設定を ISO イメージに埋め込みます。

coreos-installer install サブコマンドオプション

オプション

説明

-u--image-url <url>

イメージの URL を手動で指定します。

-f--image-file <path>

ローカルイメージファイルを手動で指定します。デバッグに使用されます。

-i--ignition-file <path>

ファイルから Ignition 設定を埋め込みます。

-I--ignition-url <URL>

URL から Ignition 設定を埋め込みます。

--ignition-hash <digest>

Ignition 設定の type-value をダイジェスト値を取得します。

-p--platform <name>

インストール済みシステムの Ignition プラットフォーム ID を上書きします。

--append-karg <arg>…​

インストール済みシステムにデフォルトのカーネル引数を追加します。

--delete-karg <arg>…​

インストール済みシステムからデフォルトのカーネル引数を削除します。

-n--copy-network

インストール環境からネットワーク設定をコピーします。

重要

--copy-network オプションは、/etc/NetworkManager/system-connections にあるネットワーク設定のみをコピーします。特に、システムのホスト名はコピーされません。

--network-dir <path>

-n を指定して使用する場合。デフォルトは /etc/NetworkManager/system-connections/ です。

--save-partlabel <lx>..

このラベル glob でパーティションを保存します。

--save-partindex <id>…​

この数または範囲でパーティションを保存します。

--insecure

署名の検証を省略します。

--insecure-ignition

HTTPS またはハッシュなしで Ignition URL を許可します。

--architecture <name>

ターゲット CPU アーキテクチャー。デフォルトは x86_64 です。

--preserve-on-error

エラー時のパーティションテーブルは消去しないでください。

-h--help

ヘルプ情報を表示します。

coreos-install install サブコマンド引数

引数

説明

<device>

宛先デバイス。

coreos-installer ISO Ignition サブコマンド

サブコマンド

説明

$ coreos-installer iso ignition embed <options> --ignition-file <file_path> <ISO_image>

Ignition 設定を ISO イメージに埋め込みます。

coreos-installer iso ignition show <options> <ISO_image>

ISO イメージから埋め込まれた Ignition 設定を表示します。

coreos-installer iso ignition remove <options> <ISO_image>

ISO イメージから埋め込まれた Ignition 設定を削除します。

coreos-installer ISO Ignition サブコマンドオプション

オプション

説明

-f--force

既存の Ignition 設定を上書きします。

-i--ignition-file <path>

使用される Ignition 設定。デフォルトは stdin です。

-o--output <path>

新しい出力ファイルに ISO を書き込みます。

-h--help

ヘルプ情報を表示します。

coreos-installer PXE Ignition サブコマンド

サブコマンド

説明

これらのオプションすべてがすべてのサブコマンドで使用できる訳ではないことに注意してください。

coreos-installer pxe ignition wrap <options>

イメージに Ignition 設定をラップします。

coreos-installer pxe ignition unwrap <options> <image_name>

イメージでラップされた Ignition 設定を表示します。

coreos-installer PXE Ignition サブコマンドオプション

オプション

説明

これらのオプションすべてがすべてのサブコマンドで使用できる訳ではないことに注意してください。

-i--ignition-file <path>

使用される Ignition 設定。デフォルトは stdin です。

-o, --output <path>

新しい出力ファイルに ISO を書き込みます。

-h--help

ヘルプ情報を表示します。

7.4.11.3.4.3. ISO または PXE インストールの coreos.inst ブートオプション

coreos.inst ブートパラメーターを RHCOS ライブインストーラーに渡して、ブート時に coreos-installer オプションを自動的に起動できます。これらは、標準のブート引数の追加として提供されます。

  • ISO インストールの場合、ブートローダーメニューで自動ブートを中断して coreos.inst オプションを追加できます。RHEL CoreOS (Live) メニューオプションが強調表示されている状態で TAB を押すと、自動ブートを中断できます。
  • PXE または iPXE インストールの場合、RHCOS ライブインストーラーのブート前に coreos.inst オプションを APPEND 行に追加する必要があります。

以下の表は、ISO および PXE インストールの RHCOS ライブインストーラーの coreos.inst ブートオプションを示しています。

表7.45 coreos.inst ブートオプション

引数詳細

coreos.inst.install_dev

必須。インストール先のシステムのブロックデバイス。sda は許可されていますが、 /dev/sda などの完全パスを使用することが推奨されます。

coreos.inst.ignition_url

オプション: インストール済みシステムに埋め込む Ignition 設定の URL。URL が指定されていない場合、Ignition 設定は埋め込まれません。HTTP プロトコルおよび HTTPS プロトコルのみがサポートされます。

coreos.inst.save_partlabel

オプション: インストール時に保存するパーティションのカンマ区切りのラベル。glob 形式のワイルドカードが許可されます。指定したパーティションは存在する必要はありません。

coreos.inst.save_partindex

オプション: インストール時に保存するパーティションのカンマ区切りのインデックス。範囲 m-n は許可され、m または n のいずれかを省略できます。指定したパーティションは存在する必要はありません。

coreos.inst.insecure

オプション: coreos.inst.image_url で署名なしと指定される OS イメージを許可します。

coreos.inst.image_url

オプション: 指定した RHCOS イメージをダウンロードし、インストールします。

  • この引数は実稼働環境では使用できず、デバッグの目的でのみ使用することが意図されています。
  • この引数は、ライブメディアに一致しないバージョンの RHCOS をインストールするために使用できますが、インストールするバージョンに一致するメディアを使用することが推奨されます。
  • coreos.inst.image_url を使用している場合は、coreos.inst.insecure も使用する必要があります。これは、ベアメタルメディアが OpenShift Container Platform について GPG で署名されていないためです。
  • HTTP プロトコルおよび HTTPS プロトコルのみがサポートされます。

coreos.inst.skip_reboot

オプション: システムはインストール後に再起動しません。インストールが完了するとプロンプトが表示され、インストール時に生じる内容を検査できます。この引数は実稼働環境では使用できず、デバッグの目的でのみ使用することが意図されています。

coreos.inst.platform_id

オプション: RHCOS イメージがインストールされるプラットフォームの Ignition プラットフォーム ID。デフォルトは metal です。このオプションは、VMware などのクラウドプロバイダーから Ignition 設定を要求するかどうかを決定します。例: coreos.inst.platform_id=vmware

ignition.config.url

オプション: ライブ起動の Ignition 設定の URL。たとえば、これは coreos-installer の起動方法をカスタマイズしたり、インストール前後にコードを実行するために使用できます。これはインストール済みシステムの Ignition 設定である coreos.inst.ignition_url とは異なります。