7.4.11. RHCOS のインストールおよび OpenShift Container Platform ブートストラッププロセスの開始

OpenShift Container Platform を独自にプロビジョニングするベアメタルインフラストラクチャーにインストールするには、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) をマシンにインストールする必要があります。RHCOS のインストール時に、インストールするマシンのタイプについて OpenShift Container Platform インストールプログラムによって生成された Ignition 設定ファイルを指定する必要があります。適切なネットワーク、DNS、および負荷分散インフラストラクチャーが設定されている場合、OpenShift Container Platform ブートストラッププロセスは RHCOS マシンの再起動後に自動的に開始されます。

RHCOS をマシンにインストールするには、ISO イメージまたはネットワーク PXE ブートを使用する手順のいずれかを実行します。

注記

このインストールガイドに含まれるコンピュートノードのデプロイメント手順は、RHCOS 固有のものです。代わりに RHEL ベースのコンピュートノードのデプロイを選択する場合は、システム更新の実行、パッチの適用、その他すべての必要なタスクの完了など、オペレーティングシステムのライフサイクルの管理と保守をすべて担当します。RHEL 7 コンピュートマシンの使用は非推奨となり、OpenShift Container Platform 4 の今後のリリースで削除される予定です。

以下の方法を使用して、ISO および PXE のインストール時に RHCOS を設定できます。

  • カーネル引数: カーネル引数を使用してインストール固有の情報を提供できます。たとえば、HTTP サーバーにアップロードした RHCOS インストールファイルの場所と、インストールするノードタイプの Ignition 設定ファイルの場所を指定できます。PXE インストールの場合、APPEND パラメーターを使用して、ライブインストーラーのカーネルに引数を渡すことができます。ISO インストールの場合は、ライブインストール起動プロセスを中断してカーネル引数を追加できます。いずれのインストールの場合でも、特殊な coreos.inst.* 引数を使用してライブインストーラーに指示を与えたり、標準のカーネルサービスをオンまたはオフにするために標準のインストールブート引数を使用したりできます。
  • Ignition 設定: OpenShift Container Platform Ignition 設定ファイル (*.ign) は、インストールするノードのタイプに固有のものです。RHCOS のインストール時にブートストラップ、コントロールプレーン、またはコンピュートノードの Ignition 設定ファイルの場所を渡して、初回起動時に有効にされるようにします。特別なケースでは、ライブシステムに渡すために個別の制限付き Ignition 設定を作成できます。この Ignition 設定は、インストールが正常に完了したことをプロビジョニングシステムに報告するなどの一連のタスクを実行する可能性があります。この特別な Ignition 設定は、インストール済みシステムの初回ブート時に適用される coreos-installer によって使用されます。標準のコントロールプレーンおよびコンピュートノードの Ignition 設定をライブ ISO に直接指定しないでください。
  • coreos-installer: ライブ ISO インストーラーをシェルプロンプトで起動できます。これにより、初回のブート前にさまざまな方法で永続的なシステムの準備を行うことができます。特に、coreos-installer コマンドを実行すると、追加するさまざまなアーティファクトを特定し、ディスクパーティションを使用し、ネットワークを設定できます。場合によっては、ライブシステムで機能を設定し、それらをインストールされたシステムにコピーできます。

ISO または PXE インストールを使用するかどうかは、状況によって異なります。PXE インストールには、利用可能な DHCP サービスとさらなる準備が必要ですが、インストールプロセスはさらに自動化することが可能です。ISO インストールは主に手動によるプロセスで、複数のマシンを設定する場合には使用しにくい可能性があります。

7.4.11.1. ISO イメージを使用した RHCOS のインストール

ISO イメージを使用してマシンに RHCOS をインストールできます。

前提条件

  • クラスターの Ignition 設定ファイルを作成している。
  • 適切なネットワーク、DNS および負荷分散インフラストラクチャーを設定している。
  • お使いのコンピューターからアクセスでき、作成するマシンからもアクセスできる HTTP サーバーがある。
  • ネットワークやディスクパーティションなどのさまざまな機能の設定方法について、高度な RHCOS インストール設定のセクションを確認している。

手順

  1. それぞれの Ignition 設定ファイルの SHA512 ダイジェストを取得します。たとえば、Linux を実行しているシステムで以下を使用して、bootstrap.ign Ignition 設定ファイルの SHA512 ダイジェストを取得できます。

    $ sha512sum <installation_directory>/bootstrap.ign

    出力例

    a5a2d43879223273c9b60af66b44202a1d1248fc01cf156c46d4a79f552b6bad47bc8cc78ddf0116e80c59d2ea9e32ba53bc807afbca581aa059311def2c3e3b  installation_directory/bootstrap.ign

    ダイジェストは、クラスターノードの Ignition 設定ファイルの信頼性を検証するために、後の手順で coreos-installer に提供されます。

  2. インストールプログラムが作成したブートストラップ、コントロールプレーン、およびコンピュートノード Ignition 設定ファイルを HTTP サーバーにアップロードします。これらのファイルの URL をメモします。

    重要

    HTTP サーバーに保存する前に、Ignition 設定で設定内容を追加したり、変更したりできます。インストールの完了後にコンピュートマシンをさらにクラスターに追加する予定の場合には、これらのファイルを削除しないでください。

  3. インストールホストから、Ignition 設定ファイルが URL で利用可能であることを確認します。以下の例では、ブートストラップノードの Ignition 設定ファイルを取得します。

    $ curl -k http://<HTTP_server>/bootstrap.ign 1

    出力例

      % Total    % Received % Xferd  Average Speed   Time    Time     Time  Current
                                     Dload  Upload   Total   Spent    Left  Speed
      0     0    0     0    0     0      0      0 --:--:-- --:--:-- --:--:--     0{"ignition":{"version":"3.2.0"},"passwd":{"users":[{"name":"core","sshAuthorizedKeys":["ssh-rsa...

    コマンドで bootstrap.ignmaster.ign または worker.ign に置き換え、コントロールプレーンおよびコンピュートノードの Ignition 設定ファイルも利用可能であることを検証します。

  4. RHCOS イメージミラーページからオペレーティングシステムインスタンスをインストールするために優先される方法で必要な RHCOS イメージを取得します

    重要

    RHCOS イメージは OpenShift Container Platform の各リリースごとに変更されない可能性があります。インストールする OpenShift Container Platform バージョンと等しいか、それ以下のバージョンの内で最も新しいバージョンのイメージをダウンロードする必要があります。利用可能な場合は、OpenShift Container Platform バージョンに一致するイメージのバージョンを使用します。この手順には ISO イメージのみを使用します。RHCOS qcow2 イメージは、このインストールではサポートされません。

    ISO ファイルの名前は以下の例のようになります。

    rhcos-<version>-live.<architecture>.iso

  5. ISO を使用し、RHCOS インストールを開始します。以下のインストールオプションのいずれかを使用します。

    • ディスクに ISO イメージを書き込み、これを直接起動します。
    • Lights Out Management (LOM) インターフェースを使用して ISO リダイレクトを使用します。
  6. オプションを指定したり、ライブ起動シーケンスを中断したりせずに、RHCOS ISO イメージを起動します。インストーラーが RHCOS ライブ環境でシェルプロンプトを起動するのを待ちます。

    注記

    RHCOS インストール起動プロセスを中断して、カーネル引数を追加できます。ただし、この ISO 手順では、カーネル引数を追加する代わりに、以下の手順で説明しているように coreos-installer コマンドを使用する必要があります。

  7. coreos-installer コマンドを実行し、インストール要件を満たすオプションを指定します。少なくとも、ノードタイプの Ignition 設定ファイルを参照する URL と、インストール先のデバイスを指定する必要があります。

    $ sudo coreos-installer install --ignition-url=http://<HTTP_server>/<node_type>.ign <device> --ignition-hash=SHA512-<digest> 12
    1 1
    コア ユーザーにはインストールを実行するために必要な root 権限がないため、sudo を使用して coreos-installer コマンドを実行する必要があります。
    2
    --ignition-hash オプションは、Ignition 設定ファイルを HTTP URL を使用して取得し、クラスターノードの Ignition 設定ファイルの信頼性を検証するために必要です。<digest> は、先の手順で取得した Ignition 設定ファイル SHA512 ダイジェストです。
    注記

    TLS を使用する HTTPS サーバーを使用して Ignition 設定ファイルを提供する必要がある場合は、coreos-installer を実行する前に内部認証局 (CA) をシステム信頼ストアに追加できます。

    以下の例では、/dev/sda デバイスへのブートストラップノードのインストールを初期化します。ブートストラップノードの Ignition 設定ファイルは、IP アドレス 192.168.1.2 で HTTP Web サーバーから取得されます。

    $ sudo coreos-installer install --ignition-url=http://192.168.1.2:80/installation_directory/bootstrap.ign /dev/sda --ignition-hash=SHA512-a5a2d43879223273c9b60af66b44202a1d1248fc01cf156c46d4a79f552b6bad47bc8cc78ddf0116e80c59d2ea9e32ba53bc807afbca581aa059311def2c3e3b
  8. マシンのコンソールで RHCOS インストールの進捗を監視します。

    重要

    OpenShift Container Platform のインストールを開始する前に、各ノードでインストールが成功していることを確認します。インストールプロセスを監視すると、発生する可能性のある RHCOS インストールの問題の原因を特定する上でも役立ちます。

  9. RHCOS のインストール後に、システムは再起動します。システムの再起動後、指定した Ignition 設定ファイルを適用します。
  10. 継続してクラスターの他のマシンを作成します。

    重要

    この時点でブートストラップおよびコントロールプレーンマシンを作成する必要があります。コントロールプレーンマシンがデフォルトのスケジュール対象にされていない場合、OpenShift Container Platform のインストール前に少なくとも 2 つのコンピュートマシンも作成します。

    必要なネットワーク、DNS、およびロードバランサーインフラストラクチャーが配置されている場合、OpenShift Container Platform ブートストラッププロセスは RHCOS ノードの再起動後に自動的に起動します。

    注記

    RHCOS ノードには、core ユーザーのデフォルトのパスワードは含まれません。ノードには、ssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain> を、install_config.yaml ファイルで指定したパブリックキーとペアになる SSH プライベートキーへのアクセスのあるユーザーとして実行してアクセスできます。RHCOS を実行する OpenShift Container Platform 4 クラスターノードは変更できず、Operator を使用してクラスターの変更を適用します。SSH を使用したクラスターノードへのアクセスは推奨されません。ただし、インストールの問題を調査する際に、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、デバッグまたは障害復旧に SSH アクセスが必要になることがあります。