ロギング

OpenShift Container Platform 4.8

OpenShift Logging のインストール、使用法、およびリリースノート

Red Hat OpenShift Documentation Team

概要

本書では、OpenShift Logging のインストール、設定および使用方法について説明します。OpenShift Logging は、各種の OpenShift Container Platform サービスについてのログを集計します。

第1章 ロギングのリリースノート

ロギングの互換性

Red Hat OpenShift のロギングサブシステムは、インストール可能なコンポーネントとして提供され、コアの OpenShift Container Platform とは異なるリリースサイクルを備えています。Red Hat OpenShift Container Platform Life Cycle Policy はリリースの互換性を概説しています。

1.1. ロギング 5.4.9

本リリースには、OpenShift Logging バグ修正リリース 5.4.9 が含まれます。

1.1.1. バグ修正

  • この更新の前は、Fluentd コレクターは未使用の設定パラメーターを警告していました。この更新により、これらの設定パラメーターとその警告メッセージが削除されます。(LOG-3074)
  • この更新の前は、Kibana の OAuth cookie の有効期限は 24h に固定されていたため、accessTokenInactivityTimeout フィールドが 24h 未満の値に設定されていると、Kibana で 401 エラーが発生していました。今回の更新により、Kibana の OAuth cookie の有効期限が accessTokenInactivityTimeout に同期され、デフォルト値は 24h になります。(LOG-3306)

1.1.2. CVE

1.2. ロギング 5.4.8

本リリースには、RHSA-2022:7435-OpenShift Logging バグ修正リリース 5.4.8 が含まれます。

1.2.1. バグ修正

なし。

1.2.2. CVE

1.3. Logging 5.4.6

本リリースには、OpenShift Logging バグ修正リリース 5.4.6 が含まれます。

1.3.1. バグ修正

  • 今回の更新以前は、Fluentd は Kubernetes プラットフォームがログファイルをローテーションしたことを認識しない場合があり、ログメッセージを読み取らなくなっていました。今回の更新で、アップストリームの開発チームが提案する設定パラメーターを設定することにより修正されています。(LOG-2792)
  • この更新の前は、ClusterLogForwarder カスタムリソースに JSON 解析が定義されている場合、各ロールオーバージョブで空のインデックスが作成されていました。今回の更新により、新しいインデックスは空ではなくなりました。(LOG-2823)
  • 今回の更新の前は、Kibana カスタムリソースを削除した場合、OpenShift Container Platform Web コンソールは引き続き Kibana へのリンクを表示していました。今回の更新で、Kibana カスタムリソースを削除すると、そのリンクも削除されます。(LOG-3054)

1.3.2. CVE

1.4. ロギング 5.4.5

本リリースには、RHSA-2022:6183-OpenShift Logging バグ修正リリース 5.4.5 が含まれます。

1.4.1. バグ修正

  • 今回の更新以前は、Operator は Pod が準備状態にあることを確認しないことが原因で、クラスターの再起動時にクラスターが動作不能な状態になりました。今回の更新により、Operator は、再起動中に新しい Pod を準備完了としてマークしてから新しい Pod に移動を続けることで、問題を解決します。(LOG-2881)
  • 今回の更新以前は、複数行のエラー検出機能が追加されたことが原因で、内部ルーティングが変更され、レコードが間違った宛先に転送されていました。今回の更新により、内部ルーティングが正しくなりました。(LOG-2946)
  • 今回の更新以前は、Operator は引用符で囲まれたブール値でインデックス設定 JSON 応答をデコードできず、エラーが発生していました。今回の更新により、Operator はこの JSON 応答を適切にデコードできるようになりました。(LOG-3009)
  • この更新の前に、Elasticsearch インデックステンプレートは、ラベルのフィールドを間違ったタイプで定義していました。この変更により、これらのテンプレートが更新され、ログコレクターによって転送されると予想されるタイプと同じになりました。(LOG-2972)

1.4.2. CVE

1.5. Logging 5.4.4

本リリースには、RHBA-2022:5907-OpenShift Logging バグ修正リリース 5.4.4 が含まれます。

1.5.1. バグ修正

  • 今回の更新以前は、ラテン文字以外の文字が Elasticsearch で正しく表示されませんでした。今回の更新により、Elasticsearch はすべての有効な UTF-8 シンボルを正しく表示します。(LOG-2794)
  • 今回の更新以前は、ラテン文字以外の文字が Fluentd で正しく表示されませんでした。今回の更新により、Fluentd はすべての有効な UTF-8 シンボルを正しく表示します。(LOG-2657)
  • この更新以前には、コレクターのメトリックサーバーは、環境値によって公開された値を使用してアドレスにバインドしようとしました。今回の変更により、使用可能なインターフェイスであればどれでもバインドするように設定が変更されます。(LOG-2821)
  • 今回の更新以前は、cluster-logging Operator はクラスターに依存してシークレットを作成していました。このクラスターの動作は OpenShift Container Platform 4.11 で変更されたことが原因で、ロギングのデプロイメントに失敗しました。今回の更新により、cluster-logging Operator は必要に応じてシークレットを作成することで問題を解決します。(LOG-2840)

1.5.2. CVE

1.6. Logging 5.4.3

本リリースには、RHBA-2022:5556-OpenShift Logging バグ修正リリース 5.4.3 が含まれます。

1.6.1. Elasticsearch Operator の非推奨通知

logging サブシステム 5.4.3 では、Elasticsearch Operator は非推奨となり、今後のリリースで削除される予定です。Red Hat は、この機能に対して現在のリリースライフサイクル中にバグ修正とサポートを提供しますが、拡張機能の提供はなく、この機能は今後削除される予定です。Elasticsearch Operator を使用してデフォルトのログストレージを管理する代わりに、Loki Operator を使用できます。

1.6.2. バグ修正

  • この更新の前は、OpenShift ロギングダッシュボードは、アクティブなすべてのシャードではなく、アクティブなプライマリーシャードの数を表示していました。今回の更新により、ダッシュボードにはすべてのアクティブなシャードが表示されます。(LOG-2781)
  • この更新に、elasticsearch-operator が使用するライブラリーのバグには、DoS 攻撃の脆弱性が含まれていました。今回の更新により、ライブラリーがこの脆弱性を含まないバージョンに更新されました。(LOG-2816)
  • 今回の更新以前は、ログを Loki に転送するように Vector を設定するときに、Loki で TLS が有効になっている場合には、カスタムベアラートークンを設定したり、デフォルトトークンを使用したりすることができませんでした。今回の更新により、Vector は TLS が有効なトークンを使用してログを Loki に転送できるようになりました。(LOG-2786
  • 今回の更新以前に、ElasticSearch Operator は、oauth-proxy イメージを選択するときに、ImageStream カスタムリソースの referencePolicy プロパティーを省略していました。このようにプロパティーが省略されることが原因で特定の環境で Kibana のデプロイに失敗しました。今回の更新では、referencePolicy を使用することで問題が解決され、Operator は Kibana を正常にデプロイできるようになりました。(LOG-2791)
  • 今回の更新以前は、ClusterLogForwarder カスタムリソースのアラートルールで、複数の転送出力が考慮されていませんでした。今回の更新で問題が解決されました。(LOG-2640)
  • この更新の前は、ログを Amazon CloudWatch に転送するように設定されたクラスターが、拒否されたログファイルを一時ストレージに書き込んでいたため、時間の経過とともにクラスターが不安定になりました。今回の更新により、CloudWatch のチャンクバックアップが無効になり、問題が解決されました。(LOG-2768)

1.6.3. CVE

1.7. Logging 5.4.2

本リリースには、RHBA-2022:4874-OpenShift Logging バグ修正リリース 5.4.2 が含まれます。

1.7.1. バグ修正

  • 今回の更新以前は、空白の使用に一貫性がなかったため、oc edit を使用したコレクター設定の編集が困難でした。今回の変更により、Operator による更新の前に設定を正規化およびフォーマットするロジックが導入され、oc edit を使用して簡単に編集できるようになりました。(LOG-2319)
  • 今回の更新以前は、FluentdNodeDown アラートは、メッセージセクションにインスタンスラベルを適切に提供できませんでした。今回の更新では、部分的なインスタンスエラーの場合にインスタンスラベルを提供するようにアラートルールを修正することで、問題を解決します。(LOG-2607)
  • 今回の更新以前は、`critical` などの複数のログレベルで、ドキュメントにはサポート対象と記載されているにも拘らず、サポートされていませんでした。今回の更新により不一致が修正され、記載されているログレベルが製品でサポートされるようになりました。(LOG-2033)

1.7.2. CVE

1.8. Logging 5.4.1

このリリースには、RHSA-2022:2216-OpenShift Logging Bug Fix Release 5.4.1 が含まれます。

1.8.1. バグ修正

  • この更新の前は、ログファイルメトリックエクスポーターは、エクスポーターの実行中に作成されたログのみを報告したため、ログの増加データが不正確になりました。この更新では、/var/log/pods をモニターすることでこの問題を解決しています。(LOG-2442)
  • この更新の前は、コレクターは、ログを fluentd の転送レシーバーに転送するときに古い接続を継続的に使用しようとしたため、ブロックされていました。このリリースでは、keepalive_timeout 値が 30 秒 (30s) に設定されているため、コレクターは接続をリサイクルし、適切な時間内に失敗したメッセージの送信を再試行します。(LOG-2534)
  • この更新の前は、ログを読み取るためのテナンシーを強制するゲートウェイコンポーネントのエラーにより、Kubernetes namespace を持つログへのアクセスが制限され、監査ログと一部のインフラストラクチャーログが読み取れなくなることがありました。この更新により、プロキシーは管理者アクセス権を持つユーザーを正しく検出し、namespace なしでログへのアクセスを許可します。(LOG-2448)
  • 今回の更新の前は、system:serviceaccount:openshift-monitoring:prometheus-k8s サービスアカウントには、clusterrole および clusterrolebinding としてクラスターレベルの特権がありました。今回の更新により、ロールとロールバインディングを持つ openshift-logging namespace にサービスアカウントが制限されます。(LOG-2437)
  • この更新の前は、Linux 監査ログの時間解析は、キーと値のペアの順序に依存していました。この更新により、時間エントリーを見つけるために正規表現を使用するように解析が変更されます。(LOG-2321)

1.8.2. CVE

1.9. Logging 5.4

以下のアドバイザリーは、ロギング 5.4 に使用できます Logging subsystem for Red Hat OpenShift Release 5.4

1.9.1. テクノロジープレビュー

重要

Vector はテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat の実稼働環境におけるサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

1.9.2. Vector について

Vector は、ロギングサブシステムの現在のデフォルトコレクターに代わるテクノロジープレビューとして提供されるログコレクターです。

次の出力がサポートされています。

  • elasticsearch。外部 Elasticsearch インスタンス。elasticsearch 出力では、TLS 接続を使用できます。
  • kafka。Kafka ブローカー。kafka 出力は、セキュリティーで保護されていない接続または TLS 接続を使用できます。
  • loki。Loki: 水平方向にスケーラブルで可用性の高いマルチテナントログ集計システム。

1.9.2.1. Vector の有効化

Vector はデフォルトでは有効になっていません。以下のステップを使用して、OpenShift Container Platform クラスターで Vector を有効にします。

重要

Vector は、FIPS 対応クラスターをサポートしていません。

前提条件

  • OpenShift Container Platform: 4.10
  • Red Hat OpenShift のロギングサブシステム: 5.4
  • FIPS が無効

手順

  1. openshift-logging プロジェクトで ClusterLogging カスタムリソース (CR) を編集します。

    $ oc -n openshift-logging edit ClusterLogging instance
  2. logging.openshift.io/preview-vector-collector: enabled アノテーションを ClusterLogging カスタムリソース (CR) に追加します。
  3. ClusterLogging カスタムリソース (CR) にコレクションタイプとして vector を追加します。
  apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
  kind: "ClusterLogging"
  metadata:
    name: "instance"
    namespace: "openshift-logging"
    annotations:
      logging.openshift.io/preview-vector-collector: enabled
  spec:
    collection:
    logs:
      type: "vector"
      vector: {}
重要

Loki Operator はテクノロジープレビュー機能のみです。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat の実稼働環境におけるサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

1.9.3. Loki について

Loki は、水平方向にスケーラブルで可用性の高いマルチテナントログ集約システムであり、現在、ロギングサブシステムのログストアとして Elasticsearch の代替として提供されています。

1.9.3.1. Lokistack のデプロイ

OpenShift Container Platform コンソールを使用して LokiOperator をインストールできます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform: 4.10
  • Red Hat OpenShift のロギングサブシステム: 5.4

OpenShift Container PlatformWeb コンソールを使用して LokiOperator をインストールするには:

  1. LokiOperator をインストールします。

    1. OpenShift Container Platform Web コンソールで、OperatorsOperatorHub をクリックします。
    2. 使用可能な Operator のリストから LokiOperator を選択し、Install をクリックします。
    3. Installation Mode で、All namespaces on the cluster を選択します。
    4. Installed Namespace で、openshift-operators-redhat を選択します。

      openshift-operators-redhat namespace を指定する必要があります。openshift-operators namespace には信頼されていないコミュニティー Operator が含まれる可能性があり、OpenShift Container Platform メトリクスと同じ名前でメトリクスを公開する可能性があるため、これによって競合が生じる可能性があります。

    5. Enable operator recommended cluster monitoring on this namespace を選択します。

      このオプションは、namespace オブジェクトに openshift.io/cluster-monitoring: "true" ラベルを設定します。クラスターモニターリングが openshift-operators-redhat namespace を収集できるように、このオプションを選択する必要があります。

    6. Approval Strategy を選択します。

      • Automatic ストラテジーにより、Operator Lifecycle Manager (OLM) は新規バージョンが利用可能になると Operator を自動的に更新できます。
      • Manual ストラテジーには、Operator の更新を承認するための適切な認証情報を持つユーザーが必要です。
    7. Install をクリックします。
    8. LokiOperator をインストールしたことを確認します。OperatorsInstalled Operators ページにアクセスして、LokiOperator を探します。
    9. LokiOperatorStatusSucceeded であるすべてのプロジェクトにリストされていることを確認します。

1.9.4. バグ修正

  • 今回の更新以前は、cluster-logging-operator は、クラスタースコープのロールとバインディングを利用して、Prometheus サービスアカウントがメトリックをスクレープするための権限を確立していました。これらの権限は、コンソールインターフェイスを使用して Operator をデプロイする時にだけ作成され、コマンドラインから この Operator をデプロイする場合には欠落していました。この更新では、ロールとバインディングを namespace スコープにすることで問題を修正しています。(LOG-2286)
  • この更新の前に、ダッシュボードの調整を修正するための変更により、namespace 全体のリソースに ownerReferences フィールドが導入されました。その結果、設定マップとダッシュボードの両方が namespace に作成されませんでした。今回の更新では、ownerReferences フィールドを削除すると問題が解決し、コンソールで OpenShift Logging ダッシュボードを使用できるようになります。(LOG-2163)
  • 今回の更新以前は、cluster-logging-operator でダッシュボードなど、既存の Config Map と目的の Config Map が正しく比較されなかったため、メトリックダッシュボードへの変更がデプロイされていませんでした。この更新では、オブジェクトラベルに一意のハッシュ値を追加することで問題が解決します。(LOG-2071)
  • この更新の前は、OpenShift Logging ダッシュボードは、過去 24 時間に収集された上位のコンテナーを表示するテーブルに pod と namespace を正しく表示しませんでした。今回の更新では、pod と namespace が正しく表示されます。(LOG-2069)
  • この更新の前は、ClusterLogForwarderElasticsearch OutputDefault で設定されていて、Elasticsearch 出力に構造化キーがなかった場合、生成された設定に認証用の誤った値が含まれていました。この更新では、使用されているシークレットと証明書が修正されます。(LOG-2056)
  • この更新以前は、無効なメトリックへの参照が原因で、OpenShift Logging ダッシュボードに空の CPU グラフが表示されていました。この更新により、正しいデータポイントが選択され、問題が解決されました。(LOG-2026)
  • 今回の更新以前は、Fluentd コンテナーイメージには、実行時に不要なビルダーツールが含まれていました。この更新により、これらのツールがイメージから削除されます。.(LOG-1927)
  • この更新の前は、5.3 リリースでデプロイされたコレクターの名前が変更されたため、ロギングコレクターは FluentdNodeDown アラートを生成していました。この更新では、Prometheus アラートのジョブ名を修正することで問題を解決しています。(LOG-1918)
  • この更新の前は、コンポーネント名の変更のリファクタリングのために、ログコレクターは独自のログを収集していました。これにより、コレクターが自身のログを処理する潜在的なフィードバックループが発生し、メモリーとログメッセージのサイズの問題が発生する可能性があります。この更新では、コレクターログをコレクションから除外することで問題を解決しています。(LOG-1774)
  • この更新の前では、PVC がすでに存在する場合、Unable to create PersistentVolumeClaim due to forbidden: exceeded quota: infra-storage-quota というエラーを生成していました。この更新により、Elasticsearch は既存の PVC をチェックし、問題を解決します。(LOG-2131)
  • この更新の前は、elasticsearch-signing シークレットが削除されたときに Elasticsearch は準備完了状態に戻ることができませんでした。この更新により、Elasticsearch は、そのシークレットが削除された後、準備完了状態に戻ることができます。(LOG-2171)
  • この更新の前は、コレクターがコンテナーログを読み取るパスが変更されたため、コレクターは一部のレコードを間違ったインデックスに転送していました。この更新により、コレクターは正しい設定を使用して問題を解決するようになりました。(LOG-2160)
  • この更新の前は、namespace のリストがヘッダーサイズの最大制限に達したため、namespace が多数あるクラスターにより、Elasticsearch はリクエストの処理を停止していました。この更新により、ヘッダーには namespace 名のリストのみが含まれるようになり、問題が解決されました。(LOG-1899)
  • この更新の前は、OpenShift Container Platform Logging ダッシュボードには、Elasticsearch に x ノードがある場合の実際の値の x 倍のシャードの数が表示されていました。この問題は、出力は常に Elasticsearch クラスター全体に対するものであったにも拘らず、Elasticsearch Pod ごとにすべてのプライマリーシャードを出力し、その合計を計算していたために発生しました。この更新により、シャードの数が正しく計算されるようになりました。(LOG-2156)
  • この更新の前は、シークレット kibanakibana-proxy は手動で削除された場合、再作成されませんでした。この更新により、elasticsearch-operator はリソースを監視し、削除された場合は自動的に再作成します。(LOG-2250)
  • この更新の前に、バッファーチャンクサイズを調整すると、コレクターは、チャンクサイズがイベントストリームのバイト制限を超えているという警告を生成する可能性がありました。この更新では、読み取り行の制限を調整して、問題を解決することもできます。(LOG-2379)
  • 今回の更新以前には、OpenShift WebConsole のロギングコンソールリンクが ClusterLogging CR で削除されていませんでした。この更新により、CR を削除するか、Cluster Logging Operator をアンインストールするとリンクが削除されます。(LOG-2373)
  • 今回の更新以前は、コンテナーログパスを変更すると、元のパスで設定された古いリリースでは、このコレクションメトリックは常にゼロになりました。この更新では、収集されたログに関するメトリックを公開するプラグインが、問題を解決するためにいずれかのパスからの読み取りをサポートします。(LOG-2462)

1.9.5. CVE

1.10. ロギング 5.3.13

本リリースには、RHSA-2022:68828-OpenShift Logging バグ修正リリース 5.3.13 が含まれます。

1.10.1. バグ修正

  • この更新の前に、log-file-metrics-exporter コンポーネントによって生成されたログファイルサイズマップは、削除されたファイルのエントリーを削除しなかったため、ファイルサイズとプロセスメモリーが増加していました。今回の更新により、ログファイルサイズマップに、削除されたファイルのエントリーが含まれなくなりました。(LOG-3293)

1.10.2. CVE

1.11. Logging 5.3.12

本リリースには、OpenShift Logging バグ修正リリース 5.3.12 が含まれます。

1.11.1. バグ修正

なし。

1.11.2. CVE

1.12. ロギング 5.3.11

本リリースには、OpenShift Logging バグ修正リリース 5.3.11 が含まれます。

1.12.1. バグ修正

  • 今回の更新以前は、Operator は Pod が準備状態にあることを確認しないことが原因で、クラスターの再起動時にクラスターが動作不能な状態になりました。今回の更新により、Operator は、再起動中に新しい Pod を準備完了としてマークしてから新しい Pod に移動を続けることで、問題を解決します。(LOG-2871)

1.12.2. CVE

1.13. Logging 5.3.10

このリリースには、RHSA-2022:5908-OpenShift Logging バグ修正リリース 5.3.10 が含まれます。

1.13.1. バグ修正

1.13.2. CVE

1.14. Logging 5.3.9

本リリースには、RHBA-2022:5557-OpenShift Logging バグ修正リリース 5.3.9 が含まれます。

1.14.1. バグ修正

  • 今回の更新以前に、ロギングコレクターには、生成されたメトリクスのラベルとしてパスが含まれていました。このパスは頻繁に変更され、Prometheus サーバーのストレージが大幅に変更されました。今回の更新で、問題を解決し、ストレージの消費を減らすために、ラベルが削除されました。(LOG-2682)

1.14.2. CVE

1.15. Logging 5.3.8

本リリースには、RHBA-2022:5010-OpenShift Logging バグ修正リリース 5.3.8 が含まれます。

1.15.1. バグ修正

(なし。)

1.15.2. CVE

1.16. OpenShift Logging 5.3.7

このリリースには、RHSA-2022:2217 OpenShift Logging Bug Fix Release 5.3.7 が含まれます。

1.16.1. バグ修正

  • この更新の前は、Linux 監査ログの時間解析はキー/値ペアの順序に依存していました。この更新により、時間エントリーを見つけるために正規表現を利用するように解析が変更されます。(LOG-2322)
  • この更新以前には、一部のログフォワーダー出力は同じタイムスタンプでログを並べ替えることができました。この更新により、タイムスタンプが一致するエントリーを注文するためのシーケンス番号がログレコードに追加されました。(LOG-2334)
  • この更新の前は、namespace のリストがヘッダーサイズの最大制限に達したため、namespace が多数あるクラスターにより、Elasticsearch はリクエストの処理を停止していました。この更新により、ヘッダーには namespace 名のリストのみが含まれるようになり、問題が解決されました。(LOG-2450)
  • この更新の前は、system:serviceaccount:openshift-monitoring:prometheus-k8s には、clusterrole および clusterrolebinding としてクラスターレベルの特権がありました。この更新により、serviceaccount がロールとロールバインディングを持つ openshift-logging namespace に制限されます。(LOG-2481))

1.16.2. CVE

1.17. OpenShift Logging 5.3.6

本リリースには、RHBA-2022:1377 OpenShift Logging Bug Fix Release 5.3.6 が含まれます。

1.17.1. バグ修正

  • この更新の前は、キーなしで許容値を定義し、既存のオペレーターが原因で、オペレーターはアップグレードを完了できませんでした。今回の更新により、この許容範囲によってアップグレードの完了が妨げられることはなくなりました。(LOG-2126)
  • この変更の前は、コレクターがチャンクバイト制限が発行されたイベントを超えている場合に警告を生成することが可能でした。この変更により、アップストリームのドキュメントのアドバイスに従って、リードラインの制限を調整して問題を解決できます。(LOG-2380)

1.18. OpenShift Logging 5.3.5

このリリースには、RHSA-2022:0721 OpenShift Logging Bug Fix Release 5.3.5 が含まれます。

1.18.1. バグ修正

  • この更新の前は、OpenShift Container Platform から OpenShift Logging を削除した場合、Web コンソールは引き続き Logging ページへのリンクを表示していました。この更新では、OpenShift Logging を削除またはアンインストールするとそのリンクも削除されます。(LOG-2182)

1.18.2. CVE

1.19. OpenShift Logging 5.3.4

本リリースには、RHBA-2022:0411 OpenShift Logging Bug Fix Release 5.3.4 が含まれます。

1.19.1. バグ修正

  • この更新以前は、cluster-logging-operator でダッシュボードを含む既存の設定マップと目的の設定マップが正しく比較されなかったため、メトリックダッシュボードへの変更がまだデプロイされていませんでした。この更新では、オブジェクトラベルに一意のハッシュ値を追加することにより、ロジックを修正します。(LOG-2066)
  • この更新の前は、FIPS を有効にして更新した後、Elasticsearch Pod を起動できませんでした。この更新により、Elasticsearch Pod は正常に起動します。(LOG-1974)
  • この更新の前では、PVC がすでに存在する場合、Unable to create PersistentVolumeClaim due to forbidden: exceeded quota: infra-storage-quota. というエラーを生成していました。この更新により、elasticsearch は既存の PVC をチェックし、問題を解決します。(LOG-2127)

1.19.2. CVE

1.20. OpenShift Logging 5.3.3

本リリースには、RHSA-2022:0227 OpenShift Logging のバグ修正リリース 5.3.3 が含まれます。

1.20.1. バグ修正

  • 今回の更新以前は、cluster-logging オペレーターでダッシュボードを含む既存の設定マップと目的の設定マップが正しく比較されなかったため、メトリックダッシュボードへの変更がまだデプロイされていませんでした。この更新では、ダッシュボードの一意のハッシュ値をオブジェクトラベルに追加することで、ロジックを修正しています。(LOG-2066)
  • 今回の更新により、log4j の依存関係が 2.17.1 に変更され、 CVE-2021-44832 が解決されました。(LOG-2102)

1.20.2. CVE

例1.11 クリックして CVE を展開

1.21. OpenShift Logging 5.3.2

本リリースには、RHSA-2022:0044 OpenShift Logging のバグ修正リリース 5.3.2 が含まれます。

1.21.1. バグ修正

  • 今回の更新以前は、Elasticsearch は解析エラーが原因でイベントルーターからのログを拒否していました。今回の更新では、解析エラーを解決するようにデータモデルが変更されています。ただし、その結果、以前のインデックスが原因で Kibana 内で警告またはエラーが発生する可能性があります。kubernetes.event.metadata.resourceVersion フィールドが原因で、既存のインデックスが削除または再インデックスされるまでエラーが発生します。このフィールドが Kibana で使用されていない場合は、エラーメッセージを無視できます。古いインデックスを削除する保持ポリシーがある場合には、このポリシーにより、最終的に古いインデックスが削除されてエラーメッセージを停止します。それ以外の場合は、手動でインデックスを再作成してエラーメッセージを停止します。(LOG-2087)
  • 今回の更新以前は、OpenShift Logging Dashboard は、過去 24 時間に作成および収集されたコンテナーの上位を表示するテーブルに、間違った Pod の namespace を表示していました。今回の更新により、OpenShift Logging Dashboard に正しい Pod の namespace が表示されます。(LOG-2051)
  • この更新の前では、ClusterLogForwarder カスタムリソース (CR) インスタンスの outputDefaults.elasticsearch.structuredTypeKey に構造化キーがなかった場合、CR は出力シークレットをデフォルトのログストアとの通信に使用されるデフォルトのシークレットに置き換えていました。今回の更新では、定義された出力シークレットが正しく使用されます。(LOG-2046)

1.21.2. CVE

1.22. OpenShift Logging 5.3.1

本リリースには、RHSA-2021:5129 OpenShift Logging のバグ修正リリース 5.3.1 が含まれます。

1.22.1. バグ修正

  • 今回の更新以前は、Fluentd コンテナーイメージには、実行時に不要なビルダーツールが含まれていました。今回の更新により、これらのツールがイメージから削除されます。(LOG-1998)
  • 今回の更新以前は、無効なメトリックへの参照が原因で、ログダッシュボードに空の CPU グラフが表示されていました。今回の更新により、ロギングダッシュボードに CPU グラフが正しく表示されます。(LOG-1925)
  • 今回の更新以前は、Elasticsearch Prometheus エクスポータープラグインは、Elasticsearch ノードのパフォーマンスに影響を与える高コストのクエリーを使用してインデックスレベルのメトリックをコンパイルしていました。この更新で、パフォーマンスを向上させる、低コストのクエリーが実装されています。(LOG-1897)

1.22.2. CVE

1.23. OpenShift Logging 5.3.0

本リリースには、RHSA-2021:4627 OpenShift Logging のバグ修正リリース 5.3.0 が含まれます。

1.23.1. 新機能および機能拡張

  • この更新により、ログ転送の承認オプションが拡張されました。出力は、SASL、ユーザー名/パスワード、または TLS で設定できるようになりました。

1.23.2. バグ修正

  • 今回の更新以前は、syslog プロトコルを使用してログを転送した場合に、ルビーハッシュでエンコードされたキーと値のペアをシリアル化して⇒文字を含めてタブを #11 に置き換えました。今回の更新では、問題が修正され、有効な JSON としてログメッセージが正しくシリアル化されます。(LOG-1494)
  • 今回の更新以前は、複数行のエラー検出が有効な場合に、正しい Cloudwatch ストリームに転送されるように、アプリケーションログが正しく設定されていませんでした。(LOG-1939)
  • 今回の更新以前は、デプロイされたコレクターの名前が 5.3 リリースで変更されたため、アラート fluentnodedown が生成されていました。(LOG-1918)
  • 今回の更新以前は、1 つ前のリリース設定で発生したリグレッションが原因で、コレクターはシャットダウン前にバッファーされたメッセージをフラッシュしてコレクター Pod の終了と再起動を遅らせていました。今回の更新で、fluentd はシャットダウン時にバッファーをフラッシュしなくなり、問題が解決しました。(LOG-1735)
  • 今回の更新以前では、1 つ前のリリースで発生したリグレッションが原因で、JSON メッセージの解析が意図的に無効にされていました。今回の更新により、JSON 解析が再度有効になりました。また、解析された JSON メッセージの level フィールドをもとに、または正規表現を使用してメッセージフィールドから一致を抽出することで、ログエントリー level を設定します。(LOG-1199)
  • 今回の更新以前では、 Cluster Logging カスタムリソース (CR) は、必要なバッファースペースが使用できない場合でも、 total Limit Size フィールドの値を Fluentdtotal_limit_size フィールドに適用していました。今回の更新により、CR は 2 つの total Limit Size または 'default'値の小さい方を Fluentdtotal_limit_size フィールドに適用し、問題が解決されました。(LOG-1776)

1.23.3. 既知の問題

  • ログを外部 Elasticsearch サーバーに転送してから、ユーザー名とパスワードなどのパイプラインシークレットで設定された値を変更する場合に、Fluentd フォワーダーは新規シークレットを読み込むにもかかわらず、以前の値を使用して外部 Elasticsearch サーバーに接続します。この問題は、現在 Red Hat OpenShift Logging Operator がコンテンツの変更についてシークレットを監視しないために発生します。(LOG-1652)

    回避策として、シークレットを変更した場合には、以下を入力して Fluentd Pod を強制的に再デプロイできます。

    $ oc delete pod -l component=collector

1.23.4. 非推奨および削除された機能

以前のリリースで利用可能であった一部の機能が非推奨になるか、または削除されました。

非推奨の機能は依然として OpenShift Container Logging に含まれており、引き続きサポートされますが、本製品の今後のリリースで削除されるため、新規デプロイメントでの使用は推奨されません。

1.23.4.1. 従来の Fluentd および従来の syslog メソッドを使用したログの転送は削除されました

OpenShift Logging 5.3 では、ログを Syslog および Fluentd に転送する従来の方法が削除されています。バグ修正とサポートは、OpenShift Logging5.2 ライフサイクルの終了まで提供されます。その後は、新たな機能拡張は行われません。

代わりに、次にリリースされるレガシー以外のメソッドを使用してください。

1.23.4.2. 従来の転送方法の設定メカニズムは削除されました

OpenShift Logging 5.3 では、ログ転送のレガシー設定メカニズムが削除されました。レガシー Fluentd メソッドとレガシー Syslog メソッドを使用してログを転送できません。代わりに、標準のログ転送方法を使用してください。

1.23.5. CVE

例1.14 クリックして CVE を展開

1.24. Logging 5.2.13

このリリースには、RHSA-2022:5909-OpenShift Logging バグ修正リリース 5.2.13 が含まれます。

1.24.1. バグ修正

1.24.2. CVE

1.25. Logging 5.2.12

本リリースには、RHBA-2022:5558-OpenShift Logging バグ修正リリース 5.2.12 が含まれます。

1.25.1. バグ修正

なし。

1.25.2. CVE

1.26. Logging 5.2.11

本リリースには、RHBA-2022:5012-OpenShift Logging バグ修正リリース 5.2.11 が含まれます。

1.26.1. バグ修正

  • この更新の前は、CloudWatch 転送を実行するように設定されたクラスターが、拒否されたログファイルを一時ストレージに書き込んでいたため、時間の経過とともにクラスターが不安定になりました。今回の更新により、CloudWatch のチャンクバックアップが無効になり、問題が解決されました。(LOG-2635)

1.26.2. CVE

1.27. OpenShift Logging 5.2.10

このリリースには、OpenShift Logging バグ修正リリース 5.2.10 が含まれています

1.27.1. バグ修正

  • この更新の前では、一部のログフォワーダー出力は同じタイムスタンプでログを並べ替えることができました。この更新により、タイムスタンプが一致するエントリーを注文するためのシーケンス番号がログレコードに追加されました。(LOG-2335)
  • この更新の前は、namespace のリストがヘッダーサイズの最大制限に達したため、namespace が多数あるクラスターにより、Elasticsearch はリクエストの処理を停止していました。この更新により、ヘッダーには namespace 名のリストのみが含まれるようになり、問題が解決されました。(LOG-2475)
  • この更新の前は、system:serviceaccount:openshift-monitoring:prometheus-k8s には、clusterrole および clusterrolebinding としてクラスターレベルの特権がありました。この更新により、serviceaccount がロールとロールバインディングを持つ openshift-logging namespace に制限されます。(LOG-2480)
  • この更新の前は、cluster-logging-operator は、クラスタースコープのロールとバインディングを利用して、Prometheus サービスアカウントがメトリックをスクレープするための権限を確立していました。これらの権限は、コンソールインターフェイスを使用して Operator をデプロイする時にだけ作成され、コマンドラインから この Operator をデプロイする場合には欠落していました。これにより、このロールとバインディング namespace のスコープが設定され、問題が修正されます。(LOG-1972)

1.27.2. CVE

1.28. OpenShift Logging 5.2.9

本リリースには、RHBA-2022:1375 OpenShift Logging Bug Fix Release 5.2.9 が含まれます。

1.28.1. バグ修正

  • この更新の前は、キーなしで許容値を定義し、既存のオペレーターが原因で、オペレーターはアップグレードを完了できませんでした。今回の更新により、この許容範囲によってアップグレードの完了が妨げられることはなくなりました。(LOG-2304)

1.29. OpenShift Logging 5.2.8

このリリースには、RHSA-2022:0728 OpenShift Logging Bug Fix Release 5.2.8 が含まれます。

1.29.1. バグ修正

  • この更新の前は、OpenShift Container Platform から OpenShift Logging を削除した場合、Web コンソールは引き続き Logging ページへのリンクを表示していました。この更新では、OpenShift Logging を削除またはアンインストールするとそのリンクも削除されます。(LOG-2180)

1.29.2. CVE

例1.19 クリックして CVE を展開

1.30. OpenShift Logging 5.2.7

本リリースには、RHBA-2022:0478 OpenShift Logging Bug Fix Release 5.2.7 が含まれます。

1.30.1. バグ修正

  • 今回の更新以前には、FIPS を有効にして更新した後、Elasticsearch Pod を起動できませんでした。この更新により、Elasticsearch Pod は正常に起動します。(LOG-2000)
  • この更新の前では、永続ボリュームクレーム (PVC) がすでに存在する場合、Elasticsearch は Unable to create PersistentVolumeClaim due to forbidden: exceeded quota: infra-storage-quota. というエラーを生成しました。 この更新により、Elasticsearch は既存の PVC をチェックし、問題を解決します。(LOG-2118)

1.30.2. CVE

1.31. OpenShift Logging 5.2.6

本リリースには、RHSA-2022:0230 OpenShift Logging のバグ修正リリース 5.2.6 が含まれます。

1.31.1. バグ修正

  • 今回の更新以前のリリースにはフィルターの変更が含まれておらず、Fluentd をクラッシュさせる原因となっていました。今回の更新で、欠落していたフィルターが修正されました。(LOG-2104)
  • 今回の更新により、log4j の依存関係が 2.17.1 に変更され、 CVE-2021-44832 が解決されました。(LOG-2101)

1.31.2. CVE

例1.21 クリックして CVE を展開

1.32. OpenShift Logging 5.2.5

本リリースには、RHSA-2022:0043 OpenShift Logging のバグ修正リリース 5.2.5 が含まれます。

1.32.1. バグ修正

  • 今回の更新以前は、Elasticsearch は解析エラーが原因でイベントルーターからのログを拒否していました。今回の更新では、解析エラーを解決するようにデータモデルが変更されています。ただし、その結果、以前のインデックスが原因で Kibana 内で警告またはエラーが発生する可能性があります。kubernetes.event.metadata.resourceVersion フィールドが原因で、既存のインデックスが削除または再インデックスされるまでエラーが発生します。このフィールドが Kibana で使用されていない場合は、エラーメッセージを無視できます。古いインデックスを削除する保持ポリシーがある場合には、このポリシーにより、最終的に古いインデックスが削除されてエラーメッセージを停止します。それ以外の場合は、手動でインデックスを再作成してエラーメッセージを停止します。LOG-2087)

1.32.2. CVE

例1.22 クリックして CVE を展開

1.33. OpenShift Logging 5.2.4

本リリースには、RHSA-2021:5127 OpenShift Logging のバグ修正リリース 5.2.4 が含まれます。

1.33.1. バグ修正

  • 今回の更新以前は、syslog 経由で送信されたレコードは、ルビーハッシュエンコーディングのキーと値のペアをシリアル化して⇒文字を含め、タブを #11 に置き換えていました。今回の更新では、メッセージが適切な JSON として正しくシリアル化されます。(LOG-1775)
  • 今回の更新以前は、Elasticsearch Prometheus エクスポータープラグインは、Elasticsearch ノードのパフォーマンスに影響を与える高コストのクエリーを使用してインデックスレベルのメトリックをコンパイルしていました。この更新で、パフォーマンスを向上させる、低コストのクエリーが実装されています。(LOG-1970)
  • 今回の更新以前は、ログ転送が複数の出力で設定されている場合に、Elasticsearch がメッセージを拒否することがありました。これは、出力の 1 つを設定すると、メッセージの内容が 1 つのメッセージに変更されたために発生しました。今回の更新で、ログ転送は出力ごとにメッセージを複製するようになり、出力固有の処理が他の出力に影響を与えることはありません。(LOG-1824)

1.33.2. CVE

1.34. OpenShift Logging 5.2.3

本リリースには、RHSA-2021:4032 OpenShift Logging のバグ修正リリース 5.2.3 が含まれます。

1.34.1. バグ修正

  • 今回の更新以前は、一部のアラートに namespace ラベルが含まれていませんでした。このようにラベルが省略されていると、OpenShift Container Platform でアラートルールを作成するための OpenShift Monitoring Team のガイドラインに準拠しません。今回の更新では、Elasticsearch Operator のすべてのアラートに namespace ラベルが含まれ、OpenShift Container Platform でアラートルールを作成するための全ガイドラインに準拠します。(LOG-1857)
  • 今回の更新以前では、1 つ前のリリースで発生したリグレッションが原因で、JSON メッセージの解析が意図的に無効にされていました。今回の更新により、JSON 解析が再度有効になりました。また、解析された JSON メッセージの level フィールドをもとに、または正規表現を使用してメッセージフィールドから一致を抽出することで、ログエントリー level を設定します。(LOG-1759)

1.34.2. CVE

1.35. OpenShift Logging 5.2.2

本リリースには、RHBA-2021:3747 OpenShift Logging のバグ修正リリース 5.2.2 が含まれます。

1.35.1. バグ修正

  • 今回の更新以前では、 Cluster Logging カスタムリソース (CR) は、必要なバッファースペースが使用できない場合でも、 total Limit Size フィールドの値を Fluentdtotal_limit_size フィールドに適用していました。今回の更新により、CR は 2 つの totalLimitSize または 'default'値の小さい方を total_limit_size フィールドに適用し、問題が解決されました (LOG-1738)。
  • 今回の更新以前は、1 つ前のリリース設定で発生したリグレッションが原因で、コレクターはシャットダウン前にバッファーされたメッセージをフラッシュしてコレクター Pod の終了と再起動を遅らせていました。今回の更新で、fluentd はシャットダウン時にバッファーをフラッシュしなくなり、問題が解決しました。(LOG-1739)
  • 今回の更新以前は、バンドルマニフェストの問題が原因で、OpenShift Container Platform 4.9 の OLM を使用して Elasticsearch Operator をインストールできませんでした。今回の更新では、バンドルマニフェストが修正され、4.9 でインストールとアップグレードが再度可能になりました。(LOG-1780)

1.35.2. CVE

1.36. OpenShift Logging 5.2.1

本リリースには、RHBA-2021:3550 OpenShift Logging のバグ修正リリース 5.2.1 が含まれます。

1.36.1. バグ修正

  • 今回の更新以前は、リリースパイプラインスクリプトの問題が原因で、 olm.skip Range フィールドの値が、現在のリリース番号を反映するのではなく、 5.2.0 のまま変更されていませんでした。今回の更新 Deha、リリース番号の変更時にこのフィールドの値を更新するようにパイプラインスクリプトが修正されてます。(LOG-1743)

1.36.2. CVE

(なし)

1.37. OpenShift Logging 5.2.0

本リリースには、RHBA-2021:3393 OpenShift Logging のバグ修正リリース 5.2.0 が含まれます。

1.37.1. 新機能および機能拡張

  • 今回の更新では、アプリケーションおよびインフラストラクチャーを監視する Amazon CloudWatch にログデータを転送できるようになりました。詳細は、ログの Amazon CloudWatch への転送 を参照してください。(LOG-1173)
  • 今回の更新では、Loki (ログデータを水平方向にスケーラブルで可用性の高いマルチテナントログ集約システム) に転送できます。詳細は、Forwarding logs to Loki を参照してください。(LOG-684)
  • 今回の更新では、Fluentd 転送プロトコルを使用して TLS で暗号化された接続でログデータを転送した場合に、パスワードで暗号化された秘密鍵ファイルを使用して、クラスターログフォワーダー設定でパスフレーズを指定できるようになりました。詳細は、Fluentd 転送プロトコルを使用したログの転送 を参照してください。(LOG-1525)
  • 今回の機能拡張により、ユーザー名とパスワードを使用して外部 Elasticsearch インスタンスへのログ転送接続を認証できるようになりました。たとえば、サードパーティーが Elasticsearch インスタンスを操作するため、相互 TLS (mTLS) を使用できない場合に、HTTP または HTTPS を使用してユーザー名とパスワードを含むシークレットを設定できます。詳細は、Forwarding logs to an external Elasticsearch instance を参照してください。(LOG-1022)
  • 今回の更新では、OVN ネットワークポリシー監査ログを収集し、ロギングサーバーに転送できるようになりました。(LOG-1526)
  • デフォルトで、OpenShift Container Platform 4.5 で導入されたデータモデルは、複数の異なる namespace からのログを 1 つの共通のインデックスに送ります。今回の変更により、ログを最も多く生成した namespace を確認することが難しくなります。

    本リリースは namespace メトリクスを OpenShift Container Platform コンソールの Logging ダッシュボードに追加します。これらのメトリクスを使用すると、ログを生成する namespace、および指定のタイムスタンプで各 namespace が生成するログ数を確認できます。

    これらのメトリクスを表示するには、OpenShift Container Platform Web コンソールで Administrator パースペクティブを開き、ObserveDashboardsLogging/Elasticsearch に移動します。(LOG-1680)

  • 現在のリリース、OpenShift Logging 5.2 は 2 つの新規メトリクスを有効にします。指定のタイムスタンプまたは期間については、個別のコンテナーで生成またはログに記録された合計ログと、コレクターで収集される合計ログを表示できます。これらのメトリクスには namespace、Pod、およびコンテナー名でラベルが付けられるため、各 namespace および Pod が収集および生成されるログの数を確認できます。(LOG-1213)

1.37.2. バグ修正

  • 今回の更新以前は、OpenShift Elasticsearch Operator がインデックス管理 cron ジョブの作成時に、 POLICY_MAPPING 環境変数を 2 回追加したことが原因で apiserver が重複を報告していました。今回の更新では、問題が修正され、POLICY_MAPPING 環境変数が cronjob ごとに 1 回だけ設定され、apiserver で重複が報告されなくなりました。(LOG-1130)
  • 今回の更新以前は、Elasticsearch クラスターを一時停止してノード 0 個にしても、インデックス管理 cron ジョブは一時停止されなかったため、cron ジョブのバックオフが最大になりました。さらに Elasticsearch クラスターの一時停止を解除した後に、バックオフが最大限に達したことが原因で、これらの cron ジョブは停止したままでした。今回の更新プログラムは、cron ジョブとクラスターを一時停止することで問題を解決します。(LOG-1268)
  • 今回の更新以前は、OpenShift Container Platform コンソールのロギングダッシュボードで、上位 10 のログ生成コンテナーのリストに chart namespace のラベルがなく、誤ったメトリック名 fluentd_input_status_total_bytes_logged が提供されていました。今回の更新では、チャートには namespace ラベルと正しいメトリック名 log_logged_bytes_total が表示されます。(LOG-1271)
  • 今回の更新以前は、インデックス管理 cronjob がエラーで終了した場合に、エラー終了コードが報告されず、そのジョブのステータスが complete と報告されていました。 今回の更新では、エラーで終了するインデックス管理 cron ジョブのエラー終了コードを報告することで問題を解決します。(LOG-1273)
  • priorityclasses.v1beta1.scheduling.k8s.io は 1.22 で削除され、 priorityclasses.v1.scheduling.k8s.io に置き換えられました ( v1beta1v1 に置き換えられました)。今回の更新以前は、 v1beta1 がまだ存在していたため、 priorityclasses に対して APIRemoved In Next Release In Use アラートが生成されていました。今回の更新では、 v1beta1v1 に置き換えることで問題を解決し、アラートが生成されなくなりました。(LOG-1385)
  • 以前は、OpenShift Elasticsearch Operator と Red Hat OpenShift Logging Operator には、オフライン環境で実行できる Operator の OpenShift Container Platform Web コンソールリストへの表示に必要なアノテーションがありませんでした。今回の更新では、 operators.openshift.io/Infrastructure-features: '["Disconnected"]'アノテーションが上記 2 つの Operator に追加され、オフライン環境で実行される Operator リストに表示されるようになります。(LOG-1420)
  • 今回の更新以前は、Red Hat OpenShift Logging Operator Pod は、パフォーマンスが最適化されたシングルノードクラスターで顧客のワークロード向けに予約された CPU コアで、スケジュールされていました。今回の更新では、クラスターロギング Operator Pod は、正しい CPU コアでスケジュールされます。(LOG-1440)
  • 今回の更新以前は、一部のログエントリーで認識されない UTF-8 バイトが含まれていたため、Elasticsearch はメッセージを拒否し、バッファーリングされたペイロード全体をブロックしていました。今回の更新では、拒否されたペイロードが無効なログエントリーを削除して、残りのエントリーを再送信して問題を解決します。(LOG-1499)
  • 今回の更新以前には、kibana-proxy Pod が CrashLoopBackoff 状態になり、Invalid configuration: cookie_secret must be 16, 24, or 32 bytes to create an AES cipher when pass_access_token == true or cookie_refresh != 0, but is 29 bytes. というメッセージをログに記録することがありました。正確な実際のバイト数は異なる場合があります。今回の更新では、Kibana セッションシークレットが正しく生成されるようになり、このエラーが原因で kibana プロキシー Pod が CrashLoopBackoff 状態にならなくなりました。(LOG-1446)
  • 今回の更新以前は、AWS Cloud Watch Fluentd プラグインはすべてのログレベルで AWS API 呼び出しを Fluentd ログに記録し、OpenShift Container Platform ノードリソースを追加で消費していました。今回の更新では、AWS Cloud Watch Fluentd プラグインはデバッグおよびトレースログレベルだけで AWS API 呼び出しをログに記録します。このように、デフォルトの警告ログレベルでは、Fluentd は余分なノードリソースを消費しません。(LOG-1071)
  • 今回の更新以前は、Elasticsearch OpenDistro セキュリティープラグインが原因でユーザーインデックスの移行に失敗していました。今回の更新では、新しいバージョンのプラグインを提供して問題を解決しています。これで、インデックスの移行はエラーなしで進行します。(LOG-1276)
  • 今回の更新以前は、OpenShift Container Platform コンソールのロギングダッシュボードで、上位 10 個のログ生成コンテナーのリストにデータポイントがありませんでした。今回の更新では、問題が解決され、ダッシュボードにすべてのデータポイントが表示されます。(LOG-1353)
  • 今回の更新以前は、 chunkLimitSizetotalLimitSize の値を調整して Fluentd ログフォワーダーのパフォーマンスを調整していた場合に、Setting queued_chunks_limit_size for each buffer to のメッセージにあるように、値が低すぎることが報告されます。今回の更新ではこの問題が修正され、このメッセージが正しい値を報告するようになっています。(LOG-1411)
  • 今回の更新以前は、Kibana OpenDistro セキュリティープラグインが原因でユーザーインデックスの移行に失敗していました。今回の更新では、新しいバージョンのプラグインを提供して問題を解決しています。これで、インデックスの移行はエラーなしで進行します。(LOG-1558)
  • 今回の更新以前は、namespace 入力フィルターを使用すると、その namespace のログが他の入力に表示されませんでした。今回の更新では、ログを受け入れることができるすべての入力に送信されます。(LOG-1570)
  • 今回の更新以前は、viaq/logerr 依存関係のライセンスファイルがないことが原因で、ライセンスのスキャナーが成功せずに中断していました。今回の更新では、 viaq/logerr 依存関係は Apache2.0 でライセンスが提供され、ライセンススキャナーは正常に実行されます。(LOG-1590)
  • 今回の更新以前は、elasticsearch-operator-bundle ビルドパイプラインにある curator5 の誤った brew タグが原因で、ダミーの SHA1 に固定されたイメージがプルされていました。今回の更新では、ビルドパイプラインは curator5logging-curator5-rhel8 参照を使用し、インデックス管理 cron ジョブが registry.redhat.io から正しいイメージをプルできるようにします。(LOG-1624)
  • 今回の更新以前は、Service Account 権限の問題により、no permissions for [indices:admin/aliases/get] などのエラーが発生していました。今回の更新では、権限が修正されて問題が解決されています。(LOG-1657)
  • 今回の更新以前は、Red Hat OpenShift Logging Operator のカスタムリソース定義 (CRD) に Loki 出力タイプがないため、アドミッションコントローラーが ClusterLogForwarder カスタムリソースオブジェクトを拒否していました。今回の更新では、CRD に出力タイプとして Loki が含まれるため、管理者は、ログを Loki サーバーに送信するように ClusterLogForwarder を設定できます。(LOG-1683)
  • 今回の更新以前は、OpenShift Elasticsearch Operator で serviceaccounts が調整され、シークレットを含むサードパーティーが所有するフィールドが上書きされていました。この問題が原因で、シークレットが頻繁に再作成されるため、メモリーと CPU の使用率が急増しました。今回の更新で問題が解決されました。現在のリリースでは、OpenShift Elasticsearch Operator は、サードパーティーが所有するフィールドを上書きしません。(LOG-1714)
  • 今回の更新以前には、Cluster Logging カスタムリソース (CR) 定義で、flush_interval 値を指定したにも拘らず、flush_modeinterval に設定しなかった場合に、Red Hat OpenShift Logging Operator は Fluentd 設定を生成しました。ただし、Fluentd コレクターは実行時にエラーを生成しました。今回の更新では、Red Hat OpenShift Logging Operator は ClusterLoggingCR 定義を検証して、両方のフィールドが指定されている場合にのみ Fluentd 設定を生成します。(LOG-1723)

1.37.3. 既知の問題

  • ログを外部 Elasticsearch サーバーに転送してから、ユーザー名とパスワードなどのパイプラインシークレットで設定された値を変更する場合に、Fluentd フォワーダーは新規シークレットを読み込むにもかかわらず、以前の値を使用して外部 Elasticsearch サーバーに接続します。この問題は、現在 Red Hat OpenShift Logging Operator がコンテンツの変更についてシークレットを監視しないために発生します。(LOG-1652)

    回避策として、シークレットを変更した場合には、以下を入力して Fluentd Pod を強制的に再デプロイできます。

    $ oc delete pod -l component=collector

1.37.4. 非推奨および削除された機能

以前のリリースで利用可能であった一部の機能が非推奨になるか、または削除されました。

非推奨の機能は依然として OpenShift Container Logging に含まれており、引き続きサポートされますが、本製品の今後のリリースで削除されるため、新規デプロイメントでの使用は推奨されません。

1.37.5. 従来の Fluentd および従来の syslog メソッドを使用したログの転送が非推奨に

OpenShift Container Platform 4.6 から現バージョンまで、以下のレガシーメソッドを使用したログの転送は非推奨になり、今後のリリースで削除される予定です。

  • レガシー Fluentd メソッドを使用したログの転送
  • レガシー syslog メソッドを使用したログの転送

代わりに、次にリリースされるレガシー以外のメソッドを使用してください。

1.37.6. CVE

第2章 Red Hat OpenShift Logging について

クラスター管理者は、OpenShift Logging をデプロイし、ノードシステムの監査ログ、アプリケーションコンテナーログ、およびインフラストラクチャーログなどの OpenShift Container Platform クラスターからのすべてのログを集計できます。OpenShift Logging はクラスター全体でこれらのログを集計し、それらをデフォルトのログストアに保存します。Kibana Web コンソールを使用して、ログデータを可視化 できます。

OpenShift Logging は以下のタイプのログを集計します。

  • application: クラスターで実行される、インフラストラクチャーコンテナーアプリケーションを除くユーザーアプリケーションによって生成されるコンテナーログ。
  • infrastructure: ジャーナルログなどの、クラスターで実行されるインフラストラクチャーコンポーネントおよび OpenShift Container Platform ノードで生成されるログ。インフラストラクチャーコンポーネントは、openshift*kube*、または default プロジェクトで実行される Pod です。
  • audit: ノード監査システム (auditd) で生成されるログ (/var/log/audit/audit.log ファイルに保存される)、および Kubernetes apiserver および OpenShift apiserver の監査ログ。
注記

内部 OpenShift Container Platform Elasticsearch ログストアは監査ログのセキュアなストレージを提供しないため、デフォルトで監査ログは内部 Elasticsearch インスタンスに保存されません。監査ログをデフォルトの内部 Elasticsearch ログストアに送信する必要がある場合 (Kibana で監査ログを表示するなど)、監査ログのログストアへの転送 で説明されているようにログ転送 API を使用する必要があります。

2.1. OpenShift Container Platform ロギングの共通用語集

この用語集は、OpenShift Container Platform Logging コンテンツで使用される一般的な用語を定義します。

アノテーション
アノテーションを使用して、メタデータをオブジェクトに添付できます。
Cluster Logging Operator (CLO)
Cluster Logging Operator は、アプリケーション、インフラストラクチャー、および監査ログの収集と転送を制御するための一連の API を提供します。
カスタムリソース (CR)
CR は Kubernetes API のエクステンションです。OpenShift Container Platform Logging およびログ転送を設定するために、ClusterLogging および ClusterLogForwarder カスタムリソースをカスタマイズできます。
イベントルーター
イベントルーターは、OpenShift Container Platform イベントを監視する Pod です。OpenShift Container Platform Logging を使用してログを収集します。
Fluentd
Fluentd は、各 OpenShift Container Platform ノードに常駐するログコレクターです。アプリケーション、インフラストラクチャー、および監査ログを収集し、それらをさまざまな出力に転送します。
ガベージコレクション
ガベージコレクションは、終了したコンテナーや実行中の Pod によって参照されていないイメージなどのクラスターリソースをクリーンアップするプロセスです。
Elasticsearch
Elasticsearch は、分散検索および分析エンジンです。OpenShift Container Platform は、OpenShift Container Platform Logging のデフォルトのログストアとして ELasticsearch を使用します。
Elasticsearch Operator
Elasticsearch Operator は、OpenShift Container Platform 上で Elasticsearch クラスターを実行するために使用されます。Elasticsearch Operator は、Elasticsearch クラスター操作のセルフサービスを提供し、OpenShift Container Platform Logging により使用されます。
インデックス化
インデックス作成は、データをすばやく見つけてアクセスするために使用されるデータ構造手法です。インデックスを作成すると、クエリーの処理時に必要なディスクアクセスの量が最小限に抑えられるため、パフォーマンスが最適化されます。
JSON ロギング
OpenShift Container Platform Logging Log Forwarding API を使用すると、JSON ログを解析して構造化されたオブジェクトにし、それらを OpenShift Container Platform Logging が管理する Elasticsearch またはログ転送 API でサポートされるその他のサードパーティーシステムに転送できます。
Kibana
Kibana は、ヒストグラム、折れ線グラフ、円グラフを使用して Elasticsearch データを照会、検出、視覚化するためのブラウザーベースのコンソールインターフェイスです。
Kubernetes API サーバー
Kubernetes API サーバーは、API オブジェクトのデータを検証して設定します。
ラベル
ラベルは、Pod などのオブジェクトのサブセットを整理および選択するために使用できるキーと値のペアです。
ロギング
OpenShift Container Platform Logging を使用すると、クラスター全体でアプリケーション、インフラストラクチャー、および監査ログを集約できます。また、ログをデフォルトのログストアに保存したり、サードパーティーのシステムに転送したり、デフォルトのログストアに保存されているログを照会して視覚化したりすることもできます。
ロギングコレクター
ロギングコレクターは、クラスターからログを収集してフォーマットし、ログストアまたはサードパーティーシステムに転送します。
ログストア
ログストアは、集約されたログを格納するために使用されます。デフォルトの Elasticsearch ログストアを使用するか、またはログを外部ログストアに転送することができます。デフォルトのログストアは、短期の保存について最適化され、テストされています。
ログビジュアライザー
ログビジュアライザーは、ログ、グラフ、チャート、その他のメトリックなどの情報を表示するために使用できるユーザーインターフェイス (UI) コンポーネントです。現在の実装は Kibana です。
node
ノードは、OpenShift Container Platform クラスター内のワーカーマシンです。ノードは、仮想マシン (VM) または物理マシンのいずれかです。
Operator
Operator は、OpenShift Container Platform クラスターで Kubernetes アプリケーションをパッケージ化、デプロイ、および管理するための推奨される方法。Operator は、人間による操作に関する知識を取り入れて、簡単にパッケージ化してお客様と共有できるソフトウェアにエンコードします。
Pod
Pod は、Kubernetes における最小の論理単位です。Pod は 1 つ以上のコンテナーで設定され、ワーカーノードで実行されます。
ロールベースアクセス制御 (RBAC)
RBAC は、クラスターユーザーとワークロードが、ロールを実行するために必要なリソースにのみアクセスできるようにするための重要なセキュリティーコントロールです。
shards
Elasticsearch は、Fluentd からのログデータをデータストアまたはインデックスに編成し、各インデックスをシャードと呼ばれる複数の部分に分割します。
taint
テイントは、Pod が適切なノードに確実にスケジュールされるようにします。ノードに 1 つ以上のテイントを適用できます。
容認
Pod に容認を適用できます。Tolerations を使用すると、スケジューラーは、テイントが一致する Pod をスケジュールできます。
Web コンソール
OpenShift Container Platform を管理するためのユーザーインターフェイス (UI)。

2.2. OpenShift Logging のデプロイについて

OpenShift Container Platform クラスター管理者は、OpenShift Container Platform Web コンソールまたは CLI コマンドを使用して OpenShift Logging をデプロイし、OpenShift Elasticsearch Operator および Red Hat OpenShift Logging Operator をインストールできます。Operator がインストールされている場合、 ClusterLogging カスタムリソース (Custom Resource、CR) を作成して OpenShift Logging Pod および OpenShift Logging のサポートに必要な他のリソースをスケジュールします。Operator は OpenShift Logging のデプロイ、アップグレード、および維持を行います。

ClusterLogging CR は、ログを収集し、保存し、視覚化するために必要なロギングスタックのすべてのコンポーネントを含む完全な OpenShift Logging 環境を定義します。Red Hat OpenShift Logging Operator は OpenShift Logging CR を監視し、ロギングデプロイメントを適宜調整します。

管理者およびアプリケーション開発者は、表示アクセスのあるプロジェクトのログを表示できます。

詳細は、ログコレクターの設定 について参照してください。

2.2.1. JSON OpenShift コンテナープラットフォームロギング

JSON ロギングを使用して、JSON 文字列を構造化オブジェクトに解析するようにログ転送 API を設定できます。以下のタスクを実行します。

  • JSON ログの解析
  • Elasticsearch の JSON ログデータの設定
  • JSON ログの Elasticsearch ログストアへの転送

詳細は、About JSON Logging を参照してください。

2.2.2. Kubernetes イベントの収集および保存

OpenShift Container Platform イベントルーターは、Kubernetes イベントを監視し、それらを OpenShift Container Platform Logging によって収集できるようにログに記録する Pod です。イベントルーターは手動でデプロイする必要があります。

詳細は、About collecting and storing Kubernetes events を参照してください。

2.2.3. OpenShift Container Platform ロギングの更新

OpenShift Container Platform を使用すると、OpenShift Container Platform のロギングを更新できます。OpenShift Container Platform Logging の更新時には、以下の Operator を更新する必要があります。

  • Elasticsearch Operator
  • Cluster Logging Operator

詳細は、About updating OpenShift Container Platform Logging を参照してください。

2.2.4. クラスターダッシュボードの表示

OpenShift Container Platform Logging ダッシュボードには、クラスターレベルで Elasticsearch インスタンスに関する詳細を示すチャートが含まれています。これらのチャートは、問題の診断と予測に役立ちます。

詳細は、About viewing the cluster dashboard を参照してください。

2.2.5. OpenShift Container Platform ロギングのトラブルシューティング

次のタスクを実行してログの問題をトラブルシューティングできます。

  • ロギングステータスの表示
  • ログストアのステータスの表示
  • ロギングアラートの理解
  • Red Hat サポート用のロギングデータの収集
  • Critical Alerts のトラブルシューティング

2.2.6. OpenShift Container Platform ロギングのアンインストール

ClusterLogging カスタムリソース (CR) を削除して、ログ集計を停止できます。CR の削除後に残る他のクラスターロギングコンポーネントがあり、これらはオプションで削除できます。

詳細は、About uninstalling OpenShift Container Platform Logging を参照してください。

2.2.7. フィールドのエクスポート

ロギングシステムはフィールドをエクスポートします。エクスポートされたフィールドはログレコードに存在し、Elasticsearch および Kibana から検索できます。

詳細は、About exporting fields を参照してください。

2.2.8. OpenShift Logging コンポーネントについて

OpenShift ロギングコンポーネントには、すべてのノードおよびコンテナーログを収集し、それらをログストアに書き込む OpenShift Container Platform クラスターの各ノードにデプロイされるコレクターが含まれます。一元化された Web UI を使用し、集計されたデータを使用して高度な可視化 (visualization) およびダッシュボードを作成できます。

クラスターロギングの主要コンポーネントは以下の通りです。

  • collection: これは、クラスターからログを収集し、それらをフォーマットし、ログストアに転送するコンポーネントです。現在の実装は Fluentd です。
  • log store: これはログが保存される場所です。デフォルトの実装は Elasticsearch です。デフォルトの Elasticsearch ログストアを使用するか、またはログを外部ログストアに転送することができます。デフォルトのログストアは、短期の保存について最適化され、テストされています。
  • visualization: これは、ログ、グラフ、グラフなどを表示するために使用される UI コンポーネントです。現在の実装は Kibana です。

本書では、特筆されない限り、log store と Elasticsearch、visualization と Kibana、collection と Fluentd を区別せずに使用する場合があります。

2.2.9. ロギングコレクターについて

OpenShift Container Platform は Fluentd を使用してコンテナーおよびノードのログを収集します。

デフォルトでは、ログコレクターは以下のソースを使用します。

  • すべてのシステムログ用の journald
  • すべてのコンテナーログ用の /var/log/containers/*.log

監査ログを収集するようにログコレクターを設定すると、/var/log/audit/audit.log から取得されます。

ロギングコレクターは、Pod を各 OpenShift Container Platform ノードにデプロイするデーモンセットです。システムおよびインフラストラクチャーのログは、オペレーティングシステム、コンテナーランタイム、および OpenShift Container Platform からの journald ログメッセージによって生成されます。アプリケーションログは CRI-O コンテナーエンジンによって生成されます。Fluentd はこれらのソースからログを収集し、OpenShift Container Platform で設定したように内部または外部に転送します。

コンテナーランタイムは、プロジェクト、Pod 名、およびコンテナー ID などのログメッセージのソースを特定するための最小限の情報を提供します。この情報だけでは、ログのソースを一意に特定することはできません。ログコレクターがログを処理する前に、指定された名前およびプロジェクトを持つ Pod が削除される場合、ラベルやアノテーションなどの API サーバーからの情報は利用できない可能性があります。そのため、似たような名前の Pod やプロジェクトからログメッセージを区別したり、ログのソースを追跡することができない場合があります。この制限により、ログの収集および正規化は ベストエフォート ベースであると見なされます。

重要

利用可能なコンテナーランタイムは、ログメッセージのソースを特定するための最小限の情報を提供し、個別のログメッセージが一意となる確証はなく、これらのメッセージにより、そのソースを追跡できる訳ではありません。

詳細は、ログコレクターの設定 について参照してください。

2.2.10. ログストアについて

デフォルトで、OpenShift Container Platform は Elasticsearch (ES) を使用してログデータを保存します。オプションで、ログ転送機能を使用して、Fluentd プロトコル、syslog プロトコル、または OpenShift Container Platform ログ転送 API を使用してログを外部ログストアに転送できます。

OpenShift Logging Elasticsearch インスタンスは、短期 (約 7 日間) の保存について最適化され、テストされています。長期間ログを保持する必要がある場合は、データをサードパーティーのストレージシステムに移動することが推奨されます。

Elasticsearch は Fluentd からのログデータをデータストアまたは インデックス に編成し、それぞれのインデックスを シャード と呼ばれる複数の部分に分割します。これは、Elasticsearch クラスターの Elasticsearch ノードセット全体に分散されます。Elasticsearch を、レプリカ と呼ばれるシャードのコピーを作成するように設定できます。Elasticsearch はこれを Elasticsearch ノード全体に分散します。ClusterLogging カスタムリソース (CR) により、データの冗長性および耐障害性を確保するためにシャードを複製する方法を指定できます。また、ClusterLogging CR の保持ポリシーを使用して各種のログが保持される期間を指定することもできます。

注記

インデックステンプレートのプライマリーシャードの数は Elasticsearch データノードの数と等しくなります。

Red Hat OpenShift Logging Operator および OpenShift Elasticsearch Operator は、各 Elasticsearch ノードが独自のストレージボリュームを含む一意のデプロイメントを使用してデプロイされるようにします。ClusterLogging カスタムリソース (CR) を使用して Elasticsearch ノードの数を適宜増やすことができます。ストレージの設定に関する考慮事項については、Elasticsearch ドキュメント を参照してください。

注記

可用性の高い Elasticsearch 環境には 3 つ以上の Elasticsearch ノードが必要で、それぞれが別のホストに置かれる必要があります。

Elasticsearch インデックスに適用されているロールベースアクセス制御 (RBAC) は、開発者のログの制御アクセスを可能にします。管理者はすべてのログに、開発者は各自のプロジェクトのログにのみアクセスできます。

詳細は、ログストアの設定 について参照してください。

2.2.11. ロギングの可視化について

OpenShift Container Platform は Kibana を使用して、Fluentd によって収集され、Elasticsearch によってインデックス化されるログデータを表示します。

Kibana は、ヒストグラム、線グラフ、円グラフその他の可視化機能を使用して Elasticsearch データをクエリーし、検出し、可視化するためのブラウザーベースのコンソールインターフェイスです。

詳細は、ログビジュアライザーの設定 について参照してください。

2.2.12. イベントのルーティングについて

イベントルーターは、OpenShift Logging で収集できるように OpenShift Container Platform イベントを監視する Pod です。イベントルーターはすべてのプロジェクトからイベントを収集し、それらを STDOUT に書き込みます。Fluentd はそれらのイベントを収集し、それらを OpenShift Container Platform Elasticsearch インスタンスに転送します。Elasticsearch はイベントを infra インデックスにインデックス化します。

イベントルーターは手動でデプロイする必要があります。

詳細は、 Kubernetes イベントの収集および保存 について参照してください。

2.2.13. ログ転送

デフォルトで、OpenShift Logging は ClusterLogging カスタムリソース (CR) に定義されるデフォルトの内部 Elasticsearch ログストアにログを送信します。ログを他のログアグリゲーターに転送する必要がある場合、ログ転送機能を使用してログをクラスター内外の特定のエンドポイントに送信することができます。

詳細は、ログのサードパーティーシステムへの転送 について参照してください。

第3章 OpenShift Logging のインストール

OpenShift Logging は、OpenShift Elasticsearch および Red Hat OpenShift Logging Operator をデプロイしてインストールできます。OpenShift Elasticsearch Operator は、OpenShift Logging によって使用される Elasticsearch クラスターを作成し、管理します。Red Hat OpenShift Logging Operator はロギングスタックのコンポーネントを作成し、管理します。

OpenShift Logging を OpenShift Container Platform にデプロイするプロセスには以下が関係します。

3.1. Web コンソールを使用した OpenShift Logging のインストール

OpenShift Container Platform Web コンソールを使って OpenShift Elasticsearch および Red Hat OpenShift Logging Operator をインストールすることができます。

注記

デフォルトの Elasticsearch ログストアを使用しない場合、内部 Elasticsearch logStore、Kibana visualization コンポーネントを ClusterLogging カスタムリソース (CR) から削除することができます。これらのコンポーネントの削除はオプションですが、これによりリソースを節約できます。詳細は、デフォルトの Elasticsearch ログストアを使用しない場合の未使用のコンポーネントの削除 を参照してください。

前提条件

  • Elasticsearch の必要な永続ストレージがあることを確認します。各 Elasticsearch ノードには独自のストレージボリュームが必要であることに注意してください。

    注記

    永続ストレージにローカルボリュームを使用する場合は、LocalVolume オブジェクトの volumeMode: block で記述される raw ブロックボリュームを使用しないでください。Elasticsearch は raw ブロックボリュームを使用できません。

    Elasticsearch はメモリー集約型アプリケーションです。デフォルトで、OpenShift Container Platform はメモリー要求および 16 GB の制限を持つ 3 つの Elasticsearch ノードをインストールします。OpenShift Container Platform ノードの最初の 3 つのセットには、Elasticsearch をクラスター内で実行するのに十分なメモリーがない可能性があります。Elasticsearch に関連するメモリーの問題が発生した場合、既存ノードのメモリーを増やすのではなく、Elasticsearch ノードをクラスターにさらに追加します。

手順

OpenShift Container Platform Web コンソールを使って OpenShift Elasticsearch Operator および Red Hat OpenShift Logging Operator をインストールするには、以下を実行します。

  1. OpenShift Elasticsearch Operator をインストールします。

    1. OpenShift Container Platform Web コンソールで、OperatorsOperatorHub をクリックします。
    2. 利用可能な Operator の一覧から OpenShift Elasticsearch Operator を選択し、Install をクリックします。
    3. All namespaces on the clusterInstallation Mode で選択されていることを確認します。
    4. openshift-operators-redhatInstalled Namespace で選択されていることを確認します。

      openshift-operators-redhat namespace を指定する必要があります。openshift-operators namespace には信頼されていないコミュニティー Operator が含まれる可能性があり、OpenShift Container Platform メトリクスと同じ名前でメトリクスを公開する可能性があるため、これによって競合が生じる可能性があります。

    5. Enable operator recommended cluster monitoring on this namespace を選択します。

      このオプションは、namespace オブジェクトに openshift.io/cluster-monitoring: "true" ラベルを設定します。クラスターモニターリングが openshift-operators-redhat namespace を収集できるように、このオプションを選択する必要があります。

    6. Update Channel として stable-5.x を選択します。
    7. Approval Strategy を選択します。

      • Automatic ストラテジーにより、Operator Lifecycle Manager (OLM) は新規バージョンが利用可能になると Operator を自動的に更新できます。
      • Manual ストラテジーには、Operator の更新を承認するための適切な認証情報を持つユーザーが必要です。
    8. Install をクリックします。
    9. OperatorsInstalled Operators ページに切り替えて、OpenShift Elasticsearch Operator がインストールされていることを確認します。
    10. StatusSucceeded の状態で、OpenShift Elasticsearch Operator が すべてのプロジェクトに一覧表示されていることを確認します。
  2. Red Hat OpenShift Logging Operator をインストールします。

    1. OpenShift Container Platform Web コンソールで、OperatorsOperatorHub をクリックします。
    2. 利用可能な Operator の一覧から Red Hat OpenShift Logging を選択し、Install をクリックします。
    3. A specific namespace on the clusterInstallation Mode で選択されていることを確認します。
    4. Operator recommended namespaceInstalled Namespaceopenshift-logging になっていることを確認します。
    5. Enable operator recommended cluster monitoring on this namespace を選択します。

      このオプションは、namespace オブジェクトに openshift.io/cluster-monitoring: "true" ラベルを設定します。クラスターモニターリングが openshift-logging namespace を収集できるように、このオプションを選択する必要があります。

    6. Update Channel として stable-5.x を選択します。
    7. Approval Strategy を選択します。

      • Automatic ストラテジーにより、Operator Lifecycle Manager (OLM) は新規バージョンが利用可能になると Operator を自動的に更新できます。
      • Manual ストラテジーには、Operator の更新を承認するための適切な認証情報を持つユーザーが必要です。
    8. Install をクリックします。
    9. OperatorsInstalled Operators ページに切り替えて、Red Hat OpenShift Logging Operator がインストールされていることを確認します。
    10. Red Hat OpenShift LoggingStatusSucceeded の状態で openshift-logging プロジェクトに一覧表示されていることを確認します。

      Operator がインストール済みとして表示されない場合に、さらにトラブルシューティングを実行します。

      • OperatorsInstalled Operators ページに切り替え、Status 列でエラーまたは失敗の有無を確認します。
      • WorkloadsPods ページに切り替え、 openshift-logging プロジェクトの Pod で問題を報告しているログの有無を確認します。
  3. OpenShift Logging インスタンスを作成します。

    1. AdministrationCustom Resource Definitions ページに切り替えます。
    2. Custom Resource Definitions ページで、ClusterLogging をクリックします。
    3. Custom Resource Definition details ページで、Actions メニューから View Instances を選択します。
    4. ClusterLoggings ページで、 Create ClusterLogging をクリックします。

      データを読み込むためにページを更新する必要がある場合があります。

    5. YAML フィールドで、コードを以下に置き換えます。

      注記

      このデフォルトの OpenShift Logging 設定は各種の環境をサポートすることが予想されます。OpenShift Logging クラスターに加えることのできる変更についての詳細は、OpenShift Logging コンポーネントのチューニングおよび設定についてのトピックを確認してください。

      apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
      kind: "ClusterLogging"
      metadata:
        name: "instance" 1
        namespace: "openshift-logging"
      spec:
        managementState: "Managed"  2
        logStore:
          type: "elasticsearch"  3
          retentionPolicy: 4
            application:
              maxAge: 1d
            infra:
              maxAge: 7d
            audit:
              maxAge: 7d
          elasticsearch:
            nodeCount: 3 5
            storage:
              storageClassName: "<storage_class_name>" 6
              size: 200G
            resources: 7
                limits:
                  memory: "16Gi"
                requests:
                  memory: "16Gi"
            proxy: 8
              resources:
                limits:
                  memory: 256Mi
                requests:
                  memory: 256Mi
            redundancyPolicy: "SingleRedundancy"
        visualization:
          type: "kibana"  9
          kibana:
            replicas: 1
        collection:
          logs:
            type: "fluentd"  10
            fluentd: {}
      1
      名前は instance である必要があります。
      2
      OpenShift Logging の管理状態。OpenShift Logging のデフォルト値を変更する場合は、これを Unmanaged (管理外) に設定する必要がある場合があります。ただし、管理外のデプロイメントは OpenShift Logging が管理対象の状態に戻されるまで更新を受信しません。
      3
      Elasticsearch の設定に必要な設定。CR を使用してシャードのレプリケーションポリシーおよび永続ストレージを設定できます。
      4
      Elasticsearch が各ログソースを保持する期間を指定します。整数および時間の指定 (weeks(w)、hour(h/H)、minutes(m)、および seconds(s)) を入力します。たとえば、7 日の場合は 7d となります。maxAge よりも古いログは削除されます。各ログソースの保持ポリシーを指定する必要があります。そうしない場合、Elasticsearch インデックスはそのソースに対して作成されません。
      5
      Elasticsearch ノードの数を指定します。この一覧に続く注記を確認してください。
      6
      Elasticsearch ストレージの既存のストレージクラスの名前を入力します。最適なパフォーマンスを得るには、ブロックストレージを割り当てるストレージクラスを指定します。ストレージクラスを指定しない場合、OpenShift Logging は一時ストレージを使用します。
      7
      必要に応じて CPU およびメモリー要求を指定します。これらの値を空のままにすると、OpenShift Elasticsearch Operator はデフォルト値を設定します。これらのデフォルト値はほとんどのデプロイメントでは問題なく使用できるはずです。デフォルト値は、メモリー要求の場合は 16Gi であり、CPU 要求の場合は 1 です。
      8
      必要に応じて Elasticsearch プロキシーの CPU およびメモリーの制限および要求を指定します。これらの値を空のままにすると、OpenShift Elasticsearch Operator はデフォルト値を設定します。これらのデフォルト値はほとんどのデプロイメントでは問題なく使用できるはずです。デフォルト値は、メモリー要求の場合は 256Mi、CPU 要求の場合は 100m です。
      9
      Kibana の設定に必要な設定。CR を使用して、冗長性を確保するために Kibana をスケーリングし、Kibana ノードの CPU およびメモリーを設定できます。詳細は、ログビジュアライザーの設定 について参照してください。
      10
      Fluentd の設定に必要な設定。CR を使用して Fluentd の CPU およびメモリー制限を設定できます。詳細はFluentd の設定を参照してください。
      注記

      Elasticsearch コントロールプレーンノード (マスターノードとも呼ばれる) の最大数は 3 です。3 を超える nodeCount を指定する場合、OpenShift Container Platform は、マスター、クライアントおよびデータロールを使用して、3 つのマスターとしての適格性のあるノードである Elasticsearch ノードを作成します。追加の Elasticsearch ノードは、クライアントおよびデータロールを使用してデータのみのノードとして作成されます。コントロールプレーンノードは、インデックスの作成および削除、シャードの割り当て、およびノードの追跡などのクラスター全体でのアクションを実行します。データノードはシャードを保持し、CRUD、検索、および集計などのデータ関連の操作を実行します。データ関連の操作は、I/O、メモリーおよび CPU 集約型の操作です。これらのリソースを監視し、現行ノードがオーバーロードする場合にデータノード追加することが重要です。

      たとえば、nodeCount=4 の場合に、以下のノードが作成されます。

      $ oc get deployment

      出力例

      cluster-logging-operator       1/1     1            1           18h
      elasticsearch-cd-x6kdekli-1    0/1     1            0           6m54s
      elasticsearch-cdm-x6kdekli-1   1/1     1            1           18h
      elasticsearch-cdm-x6kdekli-2   0/1     1            0           6m49s
      elasticsearch-cdm-x6kdekli-3   0/1     1            0           6m44s

      インデックステンプレートのプライマリーシャードの数は Elasticsearch データノードの数と等しくなります。

    6. Create をクリックします。これにより、OpenShift Logging コンポーネント、Elasticsearch カスタムリソースおよびコンポーネント、および Kibana インターフェイスが作成されます。
  4. インストールを確認します。

    1. WorkloadsPods ページに切り替えます。
    2. openshift-logging プロジェクトを選択します。

      以下の一覧のような OpenShift Logging、Elasticsearch、Fluentd、および Kibana のいくつかの Pod が表示されるはずです。

      • cluster-logging-operator-cb795f8dc-xkckc
      • elasticsearch-cdm-b3nqzchd-1-5c6797-67kfz
      • elasticsearch-cdm-b3nqzchd-2-6657f4-wtprv
      • elasticsearch-cdm-b3nqzchd-3-588c65-clg7g
      • fluentd-2c7dg
      • fluentd-9z7kk
      • fluentd-br7r2
      • fluentd-fn2sb
      • fluentd-pb2f8
      • fluentd-zqgqx
      • kibana-7fb4fd4cc9-bvt4p

3.2. インストール後のタスク

Kibana を使用する場合、Kibana のデータを確認し、び可視化するために、Kibana インデックスパターンおよびビジュアライゼーションを手動で作成する 必要があります。

クラスターネットワークプロバイダーがネットワークの分離を実施している場合、OpenShift Logging Operator が含まれるプロジェクト間のネットワークトラフィックを許可します

3.3. CLI を使用した OpenShift Logging のインストール

OpenShift Container Platform CLI を使って OpenShift Elasticsearch および Red Hat OpenShift Logging Operator をインストールすることができます。

前提条件

  • Elasticsearch の必要な永続ストレージがあることを確認します。各 Elasticsearch ノードには独自のストレージボリュームが必要であることに注意してください。

    注記

    永続ストレージにローカルボリュームを使用する場合は、LocalVolume オブジェクトの volumeMode: block で記述される raw ブロックボリュームを使用しないでください。Elasticsearch は raw ブロックボリュームを使用できません。

    Elasticsearch はメモリー集約型アプリケーションです。デフォルトで、OpenShift Container Platform はメモリー要求および 16 GB の制限を持つ 3 つの Elasticsearch ノードをインストールします。OpenShift Container Platform ノードの最初の 3 つのセットには、Elasticsearch をクラスター内で実行するのに十分なメモリーがない可能性があります。Elasticsearch に関連するメモリーの問題が発生した場合、既存ノードのメモリーを増やすのではなく、Elasticsearch ノードをクラスターにさらに追加します。

手順

CLI を使用して OpenShift Elasticsearch Operator および Red Hat OpenShift Logging Operator をインストールするには、以下を実行します。

  1. OpenShift Elasticsearch Operator の namespace を作成します。

    1. OpenShift Elasticsearch Operator の namespace オブジェクト YAML ファイル (eo-namespace.yaml など) を作成します。

      apiVersion: v1
      kind: Namespace
      metadata:
        name: openshift-operators-redhat 1
        annotations:
          openshift.io/node-selector: ""
        labels:
          openshift.io/cluster-monitoring: "true" 2
      1
      openshift-operators-redhat namespace を指定する必要があります。メトリクスとの競合が発生する可能性を防ぐには、Prometheus のクラスターモニターリングスタックを、openshift-operators namespace からではなく、openshift-operators-redhat namespace からメトリクスを収集するように設定する必要があります。openshift-operators namespace には信頼されていないコミュニティー Operator が含まれる可能性があり、OpenShift Container Platform メトリクスと同じ名前でメトリクスを公開する可能性があるため、これによって競合が生じる可能性があります。
      2
      文字列。クラスターモニターリングが openshift-operators-redhat namespace を収集できるように、このラベルを上記のように指定する必要があります。
    2. namespace を作成します。

      $ oc create -f <file-name>.yaml

      以下に例を示します。

      $ oc create -f eo-namespace.yaml
  2. Red Hat OpenShift Logging Operator の namespace を作成します。

    1. Red Hat OpenShift Logging Operator の namespace オブジェクト YAML ファイル (olo-namespace.yaml など) を作成します。

      apiVersion: v1
      kind: Namespace
      metadata:
        name: openshift-logging
        annotations:
          openshift.io/node-selector: ""
        labels:
          openshift.io/cluster-monitoring: "true"
    2. namespace を作成します。

      $ oc create -f <file-name>.yaml

      以下に例を示します。

      $ oc create -f olo-namespace.yaml
  3. 以下のオブジェクトを作成して OpenShift Elasticsearch Operator をインストールします。

    1. OpenShift Elasticsearch Operator の Operator グループオブジェクトの YAML ファイル (eo-og.yaml など) を作成します。

      apiVersion: operators.coreos.com/v1
      kind: OperatorGroup
      metadata:
        name: openshift-operators-redhat
        namespace: openshift-operators-redhat 1
      spec: {}
      1
      openshift-operators-redhat namespace を指定する必要があります。
    2. Operator グループオブジェクトを作成します。

      $ oc create -f <file-name>.yaml

      以下に例を示します。

      $ oc create -f eo-og.yaml
    3. Subscription オブジェクト YAML ファイル (eo-sub.yaml など) を作成し、namespace を OpenShift Elasticsearch Operator にサブスクライブします。

      Subscription の例

      apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1
      kind: Subscription
      metadata:
        name: "elasticsearch-operator"
        namespace: "openshift-operators-redhat" 1
      spec:
        channel: "stable-5.1" 2
        installPlanApproval: "Automatic" 3
        source: "redhat-operators" 4
        sourceNamespace: "openshift-marketplace"
        name: "elasticsearch-operator"

      1
      openshift-operators-redhat namespace を指定する必要があります。
      2
      5.0stable または stable-5.<x> をチャネルとして指定します。以下の注意点を参照してください。
      3
      Automatic により、Operator Lifecycle Manager (OLM) は新規バージョンが利用可能になると Operator を自動的に更新できます。Manual には、Operator の更新を承認するための適切な認証情報を持つユーザーが必要です。
      4
      redhat-operators を指定します。OpenShift Container Platform クラスターが、非接続クラスターとも呼ばれるネットワークが制限された環境でインストールされている場合、Operator Lifecycle Manager (OLM) の設定時に作成される CatalogSource オブジェクトの名前を指定します。
      注記

      stable を指定すると、最新の安定したリリースの現行バージョンがインストールされます。installPlanApproval: "Automatic"stable 使用すると、Operatar が自動的に最新の安定したメジャーおよびマイナーリリースにアップグレードします。

      stable-5.<x> を指定すると、特定のメジャーリリースの現在のマイナーバージョンがインストールされます。installPlanApproval: "Automatic"stable-5.<x> を使用すると、x で指定したメジャーリリース内で最新の安定マイナーリリースに Operator が自動的にアップグレードされます。

    4. Subscription オブジェクトを作成します。

      $ oc create -f <file-name>.yaml

      以下に例を示します。

      $ oc create -f eo-sub.yaml

      OpenShift Elasticsearch Operator は openshift-operators-redhat namespace にインストールされ、クラスター内の各プロジェクトにコピーされます。

    5. Operator のインストールを確認します。

      $ oc get csv --all-namespaces

      出力例

      NAMESPACE                                               NAME                                            DISPLAY                  VERSION               REPLACES   PHASE
      default                                                 elasticsearch-operator.5.1.0-202007012112.p0    OpenShift Elasticsearch Operator   5.1.0-202007012112.p0               Succeeded
      kube-node-lease                                         elasticsearch-operator.5.1.0-202007012112.p0    OpenShift Elasticsearch Operator   5.1.0-202007012112.p0               Succeeded
      kube-public                                             elasticsearch-operator.5.1.0-202007012112.p0    OpenShift Elasticsearch Operator   5.1.0-202007012112.p0               Succeeded
      kube-system                                             elasticsearch-operator.5.1.0-202007012112.p0    OpenShift Elasticsearch Operator   5.1.0-202007012112.p0               Succeeded
      openshift-apiserver-operator                            elasticsearch-operator.5.1.0-202007012112.p0    OpenShift Elasticsearch Operator   5.1.0-202007012112.p0               Succeeded
      openshift-apiserver                                     elasticsearch-operator.5.1.0-202007012112.p0    OpenShift Elasticsearch Operator   5.1.0-202007012112.p0               Succeeded
      openshift-authentication-operator                       elasticsearch-operator.5.1.0-202007012112.p0    OpenShift Elasticsearch Operator   5.1.0-202007012112.p0               Succeeded
      openshift-authentication                                elasticsearch-operator.5.1.0-202007012112.p0    OpenShift Elasticsearch Operator   5.1.0-202007012112.p0               Succeeded
      ...

      それぞれの namespace には OpenShift Elasticsearch Operator がなければなりません。バージョン番号が表示されるものと異なる場合があります。

  4. 以下のオブジェクトを作成して Red Hat OpenShift Logging Operator をインストールします。

    1. Red Hat OpenShift Logging Operator の Operator グループオブジェクトの YAML ファイル (olo-og.yaml など) を作成します。

      apiVersion: operators.coreos.com/v1
      kind: OperatorGroup
      metadata:
        name: cluster-logging
        namespace: openshift-logging 1
      spec:
        targetNamespaces:
        - openshift-logging 2
      1 2
      openshift-logging namespace を指定する必要があります。
    2. OperatorGroup オブジェクトを作成します。

      $ oc create -f <file-name>.yaml

      以下に例を示します。

      $ oc create -f olo-og.yaml
    3. Subscription オブジェクト YAML ファイル (olo-sub.yaml など) を作成し、namespace を Red Hat OpenShift Logging Operator にサブスクライブします。

      apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1
      kind: Subscription
      metadata:
        name: cluster-logging
        namespace: openshift-logging 1
      spec:
        channel: "stable" 2
        name: cluster-logging
        source: redhat-operators 3
        sourceNamespace: openshift-marketplace
      1
      openshift-logging namespace を指定する必要があります。
      2
      5.0stable または stable-5.<x> をチャネルとして指定します。
      3
      redhat-operators を指定します。OpenShift Container Platform クラスターが、非接続クラスターとも呼ばれる制限されたネットワークにインストールされている場合、Operator Lifecycle Manager (OLM) の設定時に作成した CatalogSource オブジェクトの名前を指定します。
      $ oc create -f <file-name>.yaml

      以下に例を示します。

      $ oc create -f olo-sub.yaml

      Red Hat OpenShift Logging Operator は openshift-logging namespace にインストールされます。

    4. Operator のインストールを確認します。

      openshift-logging namespace には Red Hat OpenShift Logging Operator がなければなりません。バージョン番号が表示されるものと異なる場合があります。

      $ oc get csv -n openshift-logging

      出力例

      NAMESPACE                                               NAME                                         DISPLAY                  VERSION               REPLACES   PHASE
      ...
      openshift-logging                                       clusterlogging.5.1.0-202007012112.p0         OpenShift Logging          5.1.0-202007012112.p0              Succeeded
      ...

  5. OpenShift Logging インスタンスを作成します。

    1. Red Hat OpenShift Logging Operator のインスタンスオブジェクト YAML ファイル (olo-instance.yaml など) を作成します。

      注記

      このデフォルトの OpenShift Logging 設定は各種の環境をサポートすることが予想されます。OpenShift Logging クラスターに加えることのできる変更についての詳細は、OpenShift Logging コンポーネントのチューニングおよび設定についてのトピックを確認してください。

      apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
      kind: "ClusterLogging"
      metadata:
        name: "instance" 1
        namespace: "openshift-logging"
      spec:
        managementState: "Managed"  2
        logStore:
          type: "elasticsearch"  3
          retentionPolicy: 4
            application:
              maxAge: 1d
            infra:
              maxAge: 7d
            audit:
              maxAge: 7d
          elasticsearch:
            nodeCount: 3 5
            storage:
              storageClassName: "<storage-class-name>" 6
              size: 200G
            resources: 7
              limits:
                memory: "16Gi"
              requests:
                memory: "16Gi"
            proxy: 8
              resources:
                limits:
                  memory: 256Mi
                requests:
                   memory: 256Mi
            redundancyPolicy: "SingleRedundancy"
        visualization:
          type: "kibana"  9
          kibana:
            replicas: 1
        collection:
          logs:
            type: "fluentd"  10
            fluentd: {}
      1
      名前は instance である必要があります。
      2
      OpenShift Logging の管理状態。OpenShift Logging のデフォルト値を変更する場合は、これを Unmanaged (管理外) に設定する必要がある場合があります。ただし、管理外のデプロイメントは OpenShift Logging が管理対象の状態に戻されるまで更新を受信しません。デプロイメントを管理対象の状態に戻すと、加えた変更が元に戻される可能性があります。
      3
      Elasticsearch の設定に必要な設定。カスタムリソース (CR) を使用してシャードのレプリケーションポリシーおよび永続ストレージを設定できます。
      4
      Elasticsearch が各ログソースを保持する期間を指定します。整数および時間の指定 (weeks(w)、hour(h/H)、minutes(m)、および seconds(s)) を入力します。たとえば、7 日の場合は 7d となります。maxAge よりも古いログは削除されます。各ログソースの保持ポリシーを指定する必要があります。そうしない場合、Elasticsearch インデックスはそのソースに対して作成されません。
      5
      Elasticsearch ノードの数を指定します。この一覧に続く注記を確認してください。
      6
      Elasticsearch ストレージの既存のストレージクラスの名前を入力します。最適なパフォーマンスを得るには、ブロックストレージを割り当てるストレージクラスを指定します。ストレージクラスを指定しない場合、OpenShift Container Platform は一時ストレージのみの OpenShift Logging をデプロイします。
      7
      必要に応じて CPU およびメモリー要求を指定します。これらの値を空のままにすると、OpenShift Elasticsearch Operator はデフォルト値を設定します。これらのデフォルト値はほとんどのデプロイメントでは問題なく使用できるます。デフォルト値は、メモリー要求の場合は 16Gi であり、CPU 要求の場合は 1 です。
      8
      必要に応じて Elasticsearch プロキシーの CPU およびメモリーの制限および要求を指定します。これらの値を空のままにすると、OpenShift Elasticsearch Operator はデフォルト値を設定します。これらのデフォルト値はほとんどのデプロイメントでは問題なく使用できるはずです。デフォルト値は、メモリー要求の場合は 256Mi、CPU 要求の場合は 100m です。
      9
      Kibana の設定に必要な設定。CR を使用して、冗長性を確保するために Kibana をスケーリングし、Kibana Pod の CPU およびメモリーを設定できます。詳細は、ログビジュアライザーの設定 について参照してください。
      10
      Fluentd の設定に必要な設定。CR を使用して Fluentd の CPU およびメモリー制限を設定できます。詳細はFluentd の設定を参照してください。
      注記

      Elasticsearch コントロールプレーンノードの最大数は 3 です。3 を超える nodeCount を指定する場合、OpenShift Container Platform は、マスター、クライアントおよびデータロールを使用して、3 つのマスターとしての適格性のあるノードである Elasticsearch ノードを作成します。追加の Elasticsearch ノードは、クライアントおよびデータロールを使用してデータのみのノードとして作成されます。コントロールプレーンノードは、インデックスの作成および削除、シャードの割り当て、およびノードの追跡などのクラスター全体でのアクションを実行します。データノードはシャードを保持し、CRUD、検索、および集計などのデータ関連の操作を実行します。データ関連の操作は、I/O、メモリーおよび CPU 集約型の操作です。これらのリソースを監視し、現行ノードがオーバーロードする場合にデータノード追加することが重要です。

      たとえば、nodeCount=4 の場合に、以下のノードが作成されます。

      $ oc get deployment

      出力例

      cluster-logging-operator       1/1     1            1           18h
      elasticsearch-cd-x6kdekli-1    1/1     1            0           6m54s
      elasticsearch-cdm-x6kdekli-1   1/1     1            1           18h
      elasticsearch-cdm-x6kdekli-2   1/1     1            0           6m49s
      elasticsearch-cdm-x6kdekli-3   1/1     1            0           6m44s

      インデックステンプレートのプライマリーシャードの数は Elasticsearch データノードの数と等しくなります。

    2. インスタンスを作成します。

      $ oc create -f <file-name>.yaml

      以下は例になります。

      $ oc create -f olo-instance.yaml

      これにより、OpenShift Logging コンポーネント、Elasticsearch カスタムリソースおよびコンポーネント、および Kibana インターフェイスが作成されます。

  6. openshift-logging プロジェクトに Pod を一覧表示して、インストールを検証します。

    以下の一覧のような OpenShift Logging、Elasticsearch、Fluentd、および Kibana のいくつかの Pod が表示されるはずです。

    $ oc get pods -n openshift-logging

    出力例

    NAME                                            READY   STATUS    RESTARTS   AGE
    cluster-logging-operator-66f77ffccb-ppzbg       1/1     Running   0          7m
    elasticsearch-cdm-ftuhduuw-1-ffc4b9566-q6bhp    2/2     Running   0          2m40s
    elasticsearch-cdm-ftuhduuw-2-7b4994dbfc-rd2gc   2/2     Running   0          2m36s
    elasticsearch-cdm-ftuhduuw-3-84b5ff7ff8-gqnm2   2/2     Running   0          2m4s
    fluentd-587vb                                   1/1     Running   0          2m26s
    fluentd-7mpb9                                   1/1     Running   0          2m30s
    fluentd-flm6j                                   1/1     Running   0          2m33s
    fluentd-gn4rn                                   1/1     Running   0          2m26s
    fluentd-nlgb6                                   1/1     Running   0          2m30s
    fluentd-snpkt                                   1/1     Running   0          2m28s
    kibana-d6d5668c5-rppqm                          2/2     Running   0          2m39s

3.4. インストール後のタスク

Kibana を使用する場合、Kibana のデータを確認し、び可視化するために、Kibana インデックスパターンおよびビジュアライゼーションを手動で作成する 必要があります。

クラスターネットワークプロバイダーがネットワークの分離を実施している場合、OpenShift Logging Operator が含まれるプロジェクト間のネットワークトラフィックを許可します

3.4.1. Kibana インデックスパターンの定義

インデックスパターンは、可視化する必要のある Elasticsearch インデックスを定義します。Kibana でデータを確認し、可視化するには、インデックスパターンを作成する必要があります。

前提条件

  • Kibana で infra および audit インデックスを表示するには、ユーザーには cluster-admin ロール、 cluster-reader ロール、または両方のロールが必要です。デフォルトの kubeadmin ユーザーには、これらのインデックスを表示するための適切なパーミッションがあります。

    defaultkube- および openshift- プロジェクトで Pod およびログを表示できる場合、これらのインデックスにアクセスできるはずです。以下のコマンドを使用して、現在のユーザーが適切なパーミッションを持っているかどうかを確認することができます。

    $ oc auth can-i get pods/log -n <project>

    出力例

    yes

    注記

    監査ログは、デフォルトでは内部 OpenShift Container Platform Elasticsearch インスタンスに保存されません。Kibana で監査ログを表示するには、ログ転送 API を使用して監査ログの default 出力を使用するパイプラインを設定する必要があります。

  • Elasticsearch ドキュメントは、インデックスパターンを作成する前にインデックス化する必要があります。これは自動的に実行されますが、新規または更新されたクラスターでは数分の時間がかかる可能性があります。

手順

Kibana でインデックスパターンを定義し、ビジュアライゼーションを作成するには、以下を実行します。

  1. OpenShift Container Platform コンソールで、Application Launcher app launcher をクリックし、Logging を選択します。
  2. ManagementIndex PatternsCreate index pattern をクリックして Kibana インデックスパターンを作成します。

    • 各ユーザーは、プロジェクトのログを確認するために、Kibana に初めてログインする際にインデックスパターンを手動で作成する必要があります。ユーザーは app という名前のインデックスパターンを作成し、@timestamp 時間フィールドを使用してコンテナーログを表示する必要があります。
    • 管理ユーザーはそれぞれ、最初に Kibana にログインする際に、@timestamp 時間フィールドを使用して appinfra および audit インデックスについてインデックスパターンを作成する必要があります。
  3. 新規インデックスパターンから Kibana のビジュアライゼーション (Visualization) を作成します。

3.4.2. ネットワークの分離が有効にされている場合のプロジェクト間のトラフィックの許可

クラスターネットワークプロバイダーはネットワークの分離を有効にする可能性があります。その場合、OpenShift Logging によってデプロイされる Operator が含まれるプロジェクト間のネットワークトラフィックを許可する必要があります。

ネットワークの分離は、異なるプロジェクトにある Pod およびサービス間のネットワークトラフィックをブロックします。OpenShift Logging は、OpenShift Elasticsearch Operatoropenshift-operators-redhat プロジェクトにインストールし、Red Hat OpenShift Logging Operatoropenshift-logging プロジェクトにインストールします。したがって、これら 2 つのプロジェクト間のトラフィックを許可する必要があります。

OpenShift Container Platform は、2 つのサポート対象のオプションをデフォルトの Container Network Interface (CNI) ネットワークプロバイダー、OpenShift SDN および OVN-Kubernetes 用に提供します。これら 2 つのプロバイダーはさまざまなネットワーク分離ポリシーを実装します。

OpenShift SDN には 3 つのモードがあります。

network policy (ネットワークポリシー)
これはデフォルトモードになります。ポリシーが定義されていない場合は、すべてのトラフィックを許可します。ただし、ユーザーがポリシーを定義する場合、通常はすべてのトラフィックを拒否し、例外を追加して開始します。このプロセスでは、異なるプロジェクトで実行されているアプリケーションが破損する可能性があります。そのため、ポリシーを明示的に設定し、1 つのロギング関連のプロジェクトから他のプロジェクトへの egress のトラフィックを許可します。
multitenant (マルチテナント)
このモードは、ネットワークの分離を実行します。2 つのロギング関連のプロジェクトを結合して、それらのプロジェクト間のトラフィックを許可します。
subnet (サブネット)
このモードでは、すべてのトラフィックを許可します。ネットワーク分離は実行しません。アクションは不要です。

OVN-Kubernetes は常に ネットワークポリシー を使用します。そのため、OpenShift SDN の場合と同様に、ポリシーを明示的に設定し、1 つのロギング関連のプロジェクトから他のプロジェクトへの egress のトラフィックを許可する必要があります。

手順

  • multitenant モードで OpenShift SDN を使用している場合は、2 つのプロジェクトに参加します。以下に例を示します。

    $ oc adm pod-network join-projects --to=openshift-operators-redhat openshift-logging
  • または、network policy の OpenShift SDN および OVN-Kubernetes の場合は、以下の操作を実行します。

    1. openshift-operators-redhat namespace にラベルを設定します。以下に例を示します。

      $ oc label namespace openshift-operators-redhat project=openshift-operators-redhat
    2. openshift-operators-redhatopenshift-monitoring、およびopenshift-ingressプロジェクトから openshift-logging プロジェクトへの入力を許可する、openshift-logging namespace にネットワークポリシーオブジェクトを作成します。以下に例を示します。

      apiVersion: networking.k8s.io/v1
      kind: NetworkPolicy
      metadata:
        name: allow-from-openshift-monitoring-ingress-operators-redhat
      spec:
        ingress:
        - from:
          - podSelector: {}
        - from:
          - namespaceSelector:
              matchLabels:
                project: "openshift-operators-redhat"
        - from:
          - namespaceSelector:
              matchLabels:
                name: "openshift-monitoring"
        - from:
          - namespaceSelector:
              matchLabels:
                network.openshift.io/policy-group: ingress
        podSelector: {}
        policyTypes:
        - Ingress

第4章 ロギングデプロイメントの設定

4.1. クラスターロギングカスタムリソースについて

OpenShift Logging を設定するには、ClusterLogging カスタムリソース (CR) をカスタマイズします。

4.1.1. ClusterLogging カスタムリソースについて

OpenShift Logging 環境を変更するには、ClusterLogging カスタムリソース (CR) を作成し、変更します。

CR の作成または変更方法については、このドキュメントで適宜説明されます。

以下は、OpenShift Logging の通常のカスタムリソースの例です。

ClusterLogging カスタムリソース (CRD) のサンプル

apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
kind: "ClusterLogging"
metadata:
  name: "instance" 1
  namespace: "openshift-logging" 2
spec:
  managementState: "Managed" 3
  logStore:
    type: "elasticsearch" 4
    retentionPolicy:
      application:
        maxAge: 1d
      infra:
        maxAge: 7d
      audit:
        maxAge: 7d
    elasticsearch:
      nodeCount: 3
      resources:
        limits:
          memory: 16Gi
        requests:
          cpu: 500m
          memory: 16Gi
      storage:
        storageClassName: "gp2"
        size: "200G"
      redundancyPolicy: "SingleRedundancy"
  visualization: 5
    type: "kibana"
    kibana:
      resources:
        limits:
          memory: 736Mi
        requests:
          cpu: 100m
          memory: 736Mi
      replicas: 1
  collection: 6
    logs:
      type: "fluentd"
      fluentd:
        resources:
          limits:
            memory: 736Mi
          requests:
            cpu: 100m
            memory: 736Mi

1
CR の名前は instance である必要があります。
2
CR は openshift-logging namespace にインストールされる必要があります。
3
Red Hat OpenShift Logging Operator の管理状態。Unmanaged に設定すると、Operator はサポート対象外となり、更新を取得しません。
4
保持ポリシー、ノード数、リソース要求および制限およびストレージクラスなどのログストアの設定。
5
リソース要求および制限、Pod レプリカ数などのビジュアライザーの設定。
6
リソース要求および制限を含むログコレクターの設定。

4.2. ロギングコレクターの設定

OpenShift Container Platform は Fluentd を使用して、クラスターから操作およびアプリケーションログを収集し、Kubernetes Pod およびプロジェクトメタデータでデータを拡充します。

ログコレクターの CPU およびメモリー制限を設定し、ログコレクター Pod を特定のノードに移動 できます。ログコレクターに対するサポートされるすべての変更は、ClusterLogging カスタムリソース (CR) の spec.collection.log.fluentd スタンザを使用して実行できます。

4.2.1. サポートされる設定

OpenShift Logging の設定のサポートされる方法として、本書で説明されているオプションを使用してこれを設定することができます。サポートされていない他の設定は使用しないでください。設定のパラダイムが OpenShift Container Platform リリース間で変更される可能性があり、このような変更は、設定のすべての可能性が制御されている場合のみ適切に対応できます。本書で説明されている設定以外の設定を使用する場合、OpenShift Elasticsearch Operator および Red Hat OpenShift Logging Operator が差分を調整するため、変更内容は失われます。Operator はデフォルトで定義された状態にすべて戻します。

注記

OpenShift Container Platform ドキュメントで説明されていない設定を実行する 必要がある 場合、Red Hat OpenShift Logging Operator または OpenShift Elasticsearch Operator を Unmanaged (管理外) に設定する 必要があります。管理外の OpenShift Logging 環境は サポート外 であり、OpenShift Logging を Managed に戻すまで変更を受信しません。

4.2.2. ロギングコレクター Pod の表示

Fluentd ロギングコレクター Pod およびそれらが実行されている対応するノードを表示できます。Fluentd ロギングコレクター Pod は openshift-logging プロジェクトでのみ実行されます。

手順

  • openshift-logging プロジェクトで以下のコマンドを実行し、Fluentd ロギングコレクター Pod とそれらの詳細を表示します。
$ oc get pods --selector component=fluentd -o wide -n openshift-logging

出力例

NAME           READY  STATUS    RESTARTS   AGE     IP            NODE                  NOMINATED NODE   READINESS GATES
fluentd-8d69v  1/1    Running   0          134m    10.130.2.30   master1.example.com   <none>           <none>
fluentd-bd225  1/1    Running   0          134m    10.131.1.11   master2.example.com   <none>           <none>
fluentd-cvrzs  1/1    Running   0          134m    10.130.0.21   master3.example.com   <none>           <none>
fluentd-gpqg2  1/1    Running   0          134m    10.128.2.27   worker1.example.com   <none>           <none>
fluentd-l9j7j  1/1    Running   0          134m    10.129.2.31   worker2.example.com   <none>           <none>

4.2.3. ログコレクター CPU およびメモリー制限の設定

ログコレクターは、CPU とメモリー制限の両方への調整を許可します。

手順

  1. openshift-logging プロジェクトで ClusterLogging カスタムリソース (CR) を編集します。

    $ oc -n openshift-logging edit ClusterLogging instance
    apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
    kind: "ClusterLogging"
    metadata:
      name: "instance"
      namespace: openshift-logging
    
    ...
    
    spec:
      collection:
        logs:
          fluentd:
            resources:
              limits: 1
                memory: 736Mi
              requests:
                cpu: 100m
                memory: 736Mi
    1
    必要に応じて CPU、メモリー制限および要求を指定します。表示される値はデフォルト値です。

4.2.4. ログフォワーダーの高度な設定

OpenShift Logging には、Fluentd ログフォワーダーのパフォーマンスチューニングに使用できる複数の Fluentd パラメーターが含まれます。これらのパラメーターを使用すると、以下の Fluentd の動作を変更できます。

  • チャンクおよびチャンクのバッファーサイズ
  • チャンクのフラッシュ動作
  • チャンク転送の再試行動作

Fluentd は、チャンク という単一の Blob でログデータを収集します。Fluentd がチャンクを作成する際に、チャンクは ステージ にあると見なされます。ここでチャンクはデータで一杯になります。チャンクが一杯になると、Fluentd はチャンクを キュー に移動します。ここでチャンクはフラッシュされる前か、または送信先に書き込まれるまで保持されます。Fluentd は、ネットワークの問題や送信先での容量の問題などのさまざまな理由でチャンクをフラッシュできない場合があります。チャンクをフラッシュできない場合、Fluentd は設定通りにフラッシュを再試行します。

OpenShift Container Platform のデフォルトで、Fluentd は 指数関数的バックオフ 方法を使用してフラッシュを再試行します。この場合、Fluentd はフラッシュを再試行するまで待機する時間を 2 倍にします。これは、送信先への接続要求を減らすのに役立ちます。指数関数的バックオフを無効にし、代わりに 定期的な 再試行方法を使用できます。これは、指定の間隔でチャンクのフラッシュを再試行します。デフォルトで、Fluentd はチャンクのフラッシュを無限に再試行します。OpenShift Container Platform では、無限の再試行動作を変更することはできません。

これらのパラメーターは、待ち時間とスループット間のトレードオフを判断するのに役立ちます。

  • Fluentd のスループットを最適化するには、これらのパラメーターを使用して、より大きなバッファーおよびキューを設定し、フラッシュを遅延し、再試行の間隔の長く設定することで、ネットワークパケット数を減らすことができます。より大きなバッファーにはノードのファイルシステムでより多くの領域が必要になることに注意してください。
  • 待機時間が低い場合に最適化するには、パラメーターを使用してすぐにデータを送信し、バッチの蓄積を回避し、キューとバッファーが短くして、より頻繁にフラッシュおよび再試行を使用できます。

ClusterLogging カスタムリソース (CR) で以下のパラメーターを使用して、チャンクおよびフラッシュ動作を設定できます。次に、パラメーターは Fluentd で使用するために Fluentd 設定マップに自動的に追加されます。

注記

これらのパラメーターの特徴は以下の通りです。

  • ほとんどのユーザーには関連性がありません。デフォルト設定で、全般的に良いパフォーマンスが得られるはずです。
  • Fluentd 設定およびパフォーマンスに関する詳しい知識を持つ上級ユーザーのみが対象です。
  • パフォーマンスチューニングのみを目的とします。ロギングの機能面に影響を与えることはありません。

表4.1 高度な Fluentd 設定パラメーター

パラメーター説明デフォルト

chunkLimitSize

各チャンクの最大サイズ。Fluentd はこのサイズに達するとデータのチャンクへの書き込みを停止します。次に、Fluentd はチャンクをキューに送信し、新規のチャンクを開きます。

8m

totalLimitSize

ステージおよびキューの合計サイズであるバッファーの最大サイズ。バッファーサイズがこの値を超えると、Fluentd はデータのチャンクへの追加を停止し、エラーを出して失敗します。チャンクにないデータはすべて失われます。

8G

flushInterval

チャンクのフラッシュの間隔。s (秒)、m (分)、 h (時間)、または d (日) を使用できます。

1s

flushMode

フラッシュを実行する方法:

  • lazy: timekey パラメーターに基づいてチャンクをフラッシュします。timekey パラメーターを変更することはできません。
  • interval: flushInterval パラメーターに基づいてチャンクをフラッシュします。
  • immediate: データをチャンクに追加後すぐにチャンクをフラッシュします。

interval

flushThreadCount

チャンクのフラッシュを実行するスレッドの数。スレッドの数を増やすと、フラッシュのスループットが改善し、ネットワークの待機時間が非表示になります。

2

overflowAction

キューが一杯になると、チャンク動作は以下のようになります。

  • throw_exception: ログに表示される例外を発生させます。
  • block: 詳細のバッファーの問題が解決されるまでデータのチャンクを停止します。
  • drop_oldest_chunk: 新たな受信チャンクを受け入れるために最も古いチャンクをドロップします。古いチャンクの値は新しいチャンクよりも小さくなります。

block

retryMaxInterval

exponential_backoff 再試行方法の最大時間 (秒単位)。

300s

retryType

フラッシュに失敗する場合の再試行方法:

  • exponential_backoff: フラッシュの再試行の間隔を増やします。Fluentd は、retry_max_interval パラメーターに達するまで、次の試行までに待機する時間を 2 倍にします。
  • periodic: retryWait パラメーターに基づいてフラッシュを定期的に再試行します。

exponential_backoff

retryWait

次のチャンクのフラッシュまでの時間 (秒単位)。

1s

Fluentd チャンクのライフサイクルの詳細は、Fluentd ドキュメントの Buffer Plugins を参照してください。

手順

  1. openshift-logging プロジェクトで ClusterLogging カスタムリソース (CR) を編集します。

    $ oc edit ClusterLogging instance
  2. 以下のパラメーターを追加または変更します。

    apiVersion: logging.openshift.io/v1
    kind: ClusterLogging
    metadata:
      name: instance
      namespace: openshift-logging
    spec:
      forwarder:
        fluentd:
          buffer:
            chunkLimitSize: 8m 1
            flushInterval: 5s 2
            flushMode: interval 3
            flushThreadCount: 3 4
            overflowAction: throw_exception 5
            retryMaxInterval: "300s" 6
            retryType: periodic 7
            retryWait: 1s 8
            totalLimitSize: 32m 9
    ...
    1
    各チャンクの最大サイズを指定してから、フラッシュ用にキューに入れます。
    2
    チャンクのフラッシュの間隔を指定します。
    3
    チャンクのフラッシュを実行する方法を指定します ( lazyinterval、または immediate)。
    4
    チャンクのフラッシュに使用するスレッドの数を指定します。
    5
    キューが一杯になる場合のチャンクの動作を指定します (throw_exceptionblock、または drop_oldest_chunk)。
    6
    exponential_backoff チャンクのフラッシュ方法について最大の間隔 (秒単位) を指定します。
    7
    チャンクのフラッシュが失敗する場合の再試行タイプ (exponential_backoff または periodic) を指定します。
    8
    次のチャンクのフラッシュまでの時間 (秒単位) を指定します。
    9
    チャンクバッファーの最大サイズを指定します。
  3. Flunentd Pod が再デプロイされていることを確認します。

    $ oc get pods -n openshift-logging
  4. 新規の値が fluentd 設定マップにあることを確認します。

    $ oc extract configmap/fluentd --confirm

    fluentd.conf の例

    <buffer>
     @type file
     path '/var/lib/fluentd/default'
     flush_mode interval
     flush_interval 5s
     flush_thread_count 3
     retry_type periodic
     retry_wait 1s
     retry_max_interval 300s
     retry_timeout 60m
     queued_chunks_limit_size "#{ENV['BUFFER_QUEUE_LIMIT'] || '32'}"
     total_limit_size 32m
     chunk_limit_size 8m
     overflow_action throw_exception
    </buffer>

4.2.5. デフォルトの Elasticsearch ログストアを使用しない場合の未使用のコンポーネントの削除

管理者がログをサードパーティーのログストアに転送し、デフォルトの Elasticsearch ログストアを使用しない場合には、ロギングクラスターからいくつかの未使用のコンポーネントを削除できます。

つまり、デフォルトの Elasticsearch ログストアを使用しない場合、内部 Elasticsearch logStore、Kibana visualization コンポーネントを ClusterLogging カスタムリソース (CR) から削除することができます。これらのコンポーネントの削除はオプションですが、これによりリソースを節約できます。

前提条件

  • ログフォワーダーがログデータをデフォルトの内部 Elasticsearch クラスターに送信しないことを確認します。ログ転送の設定に使用した ClusterLogForwarder CR YAML ファイルを検査します。これには default を指定する outputRefs 要素が ない ことを確認します。以下に例を示します。

    outputRefs:
    - default
警告

ClusterLogForwarder CR がログデータを内部 Elasticsearch クラスターに転送し、ClusterLogging CR から logStore コンポーネントを削除するとします。この場合、内部 Elasticsearch クラスターはログデータを保存するために表示されません。これがないと、データが失われる可能性があります。

手順

  1. openshift-logging プロジェクトで ClusterLogging カスタムリソース (CR) を編集します。

    $ oc edit ClusterLogging instance
  2. これらが存在する場合、logStorevisualization スタンザを ClusterLogging CR から削除します。
  3. ClusterLogging CR の collection スタンザを保持します。結果は以下の例のようになります。

    apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
    kind: "ClusterLogging"
    metadata:
      name: "instance"
      namespace: "openshift-logging"
    spec:
      managementState: "Managed"
      collection:
        logs:
          type: "fluentd"
          fluentd: {}
  4. Flunentd Pod が再デプロイされていることを確認します。

    $ oc get pods -n openshift-logging

4.3. ログストアの設定

OpenShift Container Platform は Elasticsearch 6 (ES) を使用してログデータを保存し、整理します。

ログストアに加えることのできる変更には、以下が含まれます。

  • Elasticsearch クラスターのストレージ。
  • シャードをクラスター内の複数のデータノードにレプリケートする方法 (完全なレプリケーションからレプリケーションなしまで)。
  • Elasticsearch データへの外部アクセス

Elasticsearch はメモリー集約型アプリケーションです。それぞれの Elasticsearch ノードには、ClusterLogging カスタムリソースで指定しない限り、メモリー要求および制限の両方に 16G 以上のメモリーが必要です。初期設定の OpenShift Container Platform ノードのセットは、Elasticsearch クラスターをサポートするのに十分な大きさではない場合があります。その場合、推奨されるサイズ以上のメモリー (各 Elasticsearch ノードに最大 64G) を使用して実行できるようにノードを OpenShift Container Platform クラスターに追加する必要があります。

各 Elasticsearch ノードはこれより低い値のメモリー設定でも動作しますが、これは実稼働環境には推奨されません。

4.3.1. 監査ログのログストアへの転送

デフォルトで、OpenShift Logging では監査ログを内部の OpenShift Container Platform Elasticsearch ログストアに保存しません。Kibana で表示するなど、監査ログをこのログストアに送信できます。

監査ログをデフォルトの内部 Elasticsearch ログストアに送信するには、Kibana で監査ログを表示するなど、ログ転送 API を使用する必要があります。

重要

内部 OpenShift Container Platform Elasticsearch ログストアは、監査ログのセキュアなストレージを提供しません。監査ログを転送するシステムが組織および政府の規制に適合し、適切にセキュリティーが保護されていることを確認します。OpenShift Logging はこれらの規制に準拠しません。

手順

ログ転送 API を使用して監査ログを内部 Elasticsearch インスタンスに転送するには、以下を実行します。

  1. ClusterLogForwarder CR オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成または編集します。

    • すべてのログタイプを内部 Elasticsearch インスタンスに送信するために CR を作成します。変更せずに以下の例を使用できます。

      apiVersion: logging.openshift.io/v1
      kind: ClusterLogForwarder
      metadata:
        name: instance
        namespace: openshift-logging
      spec:
        pipelines: 1
        - name: all-to-default
          inputRefs:
          - infrastructure
          - application
          - audit
          outputRefs:
          - default
      1
      パイプラインは、指定された出力を使用して転送するログのタイプを定義します。デフォルトの出力は、ログを内部 Elasticsearch インスタンスに転送します。
      注記

      パイプラインの 3 つのすべてのタイプのログをパイプラインに指定する必要があります (アプリケーション、インフラストラクチャー、および監査)。ログの種類を指定しない場合、それらのログは保存されず、失われます。

    • 既存の ClusterLogForwarder CR がある場合、パイプラインを監査ログのデフォルト出力に追加します。デフォルトの出力を定義する必要はありません。以下に例を示します。

      apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
      kind: ClusterLogForwarder
      metadata:
        name: instance
        namespace: openshift-logging
      spec:
        outputs:
         - name: elasticsearch-insecure
           type: "elasticsearch"
           url: http://elasticsearch-insecure.messaging.svc.cluster.local
           insecure: true
         - name: elasticsearch-secure
           type: "elasticsearch"
           url: https://elasticsearch-secure.messaging.svc.cluster.local
           secret:
             name: es-audit
         - name: secureforward-offcluster
           type: "fluentdForward"
           url: https://secureforward.offcluster.com:24224
           secret:
             name: secureforward
        pipelines:
         - name: container-logs
           inputRefs:
           - application
           outputRefs:
           - secureforward-offcluster
         - name: infra-logs
           inputRefs:
           - infrastructure
           outputRefs:
           - elasticsearch-insecure
         - name: audit-logs
           inputRefs:
           - audit
           outputRefs:
           - elasticsearch-secure
           - default 1
      1
      このパイプラインは、外部インスタンスに加えて監査ログを内部 Elasticsearch インスタンスに送信します。

関連情報

4.3.2. ログ保持時間の設定

デフォルトの Elasticsearch ログストアがインフラストラクチャーログ、アプリケーションログ、監査ログなどの 3 つのログソースのインデックスを保持する期間を指定する 保持ポリシー を設定できます。

保持ポリシーを設定するには、ClusterLogging カスタムリソース (CR) に各ログソースの maxAge パラメーターを設定します。CR はこれらの値を Elasticsearch ロールオーバースケジュールに適用し、Elasticsearch がロールオーバーインデックスを削除するタイミングを決定します。

Elasticsearch はインデックスをロールオーバーし、インデックスが以下の条件のいずれかに一致する場合に現在のインデックスを移動し、新規インデックスを作成します。

  • インデックスは Elasticsearch CR の rollover.maxAge の値よりも古い値になります。
  • インデックスサイズは、40 GB x プライマリーシャードの数よりも大きくなります。
  • インデックスの doc 数は、40960 KB × プライマリーシャードの数よりも大きくなります。

Elasticsearch は、設定する保持ポリシーに基づいてロールオーバーインデックスを削除します。ログソースの保持ポリシーを作成しない場合、ログはデフォルトで 7 日後に削除されます。

前提条件

  • OpenShift Logging および OpenShift Elasticsearch Operator がインストールされている。

手順

ログの保持時間を設定するには、以下を実行します。

  1. ClusterLogging CR を編集して、retentionPolicy パラメーターを追加するか、または変更します。

    apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
    kind: "ClusterLogging"
    ...
    spec:
      managementState: "Managed"
      logStore:
        type: "elasticsearch"
        retentionPolicy: 1
          application:
            maxAge: 1d
          infra:
            maxAge: 7d
          audit:
            maxAge: 7d
        elasticsearch:
          nodeCount: 3
    ...
    1
    Elasticsearch が各ログソースを保持する時間を指定します。整数および時間の指定 (weeks(w)、hour(h/H)、minutes(m)、および seconds(s)) を入力します。たとえば、1 日の場合は 1d になります。maxAge よりも古いログは削除されます。デフォルトで、ログは 7 日間保持されます。
  2. Elasticsearch カスタムリソース (CR) で設定を確認できます。

    たとえば、Red Hat OpenShift Logging Operator は以下の Elasticsearch CR を更新し、8 時間ごとにインフラストラクチャーログのアクティブなインデックスをロールオーバーし、ロールオーバーされたインデックスはロールオーバーの 7 日後に削除される設定を含む保持ポリシーを設定するとします。OpenShift Container Platform は 15 分ごとにチェックし、インデックスをロールオーバーする必要があるかどうかを判別します。

    apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
    kind: "Elasticsearch"
    metadata:
      name: "elasticsearch"
    spec:
    ...
      indexManagement:
        policies: 1
          - name: infra-policy
            phases:
              delete:
                minAge: 7d 2
              hot:
                actions:
                  rollover:
                    maxAge: 8h 3
            pollInterval: 15m 4
    ...
    1
    各ログソースについて、保持ポリシーは、そのソースのログを削除/ロールオーバーするタイミングを示します。
    2
    OpenShift Container Platform がロールオーバーされたインデックスを削除する場合。この設定は、ClusterLogging CR に設定する maxAge になります。
    3
    インデックスをロールオーバーする際に考慮する OpenShift Container Platform のインデックス期間。この値は、ClusterLogging CR に設定する maxAge に基づいて決定されます。
    4
    OpenShift Container Platform がインデックスをロールオーバーする必要があるかどうかをチェックする場合。この設定はデフォルトであるため、変更できません。
    注記

    Elasticsearch CR の変更はサポートされていません。保持ポリシーに対するすべての変更は ClusterLogging CR で行う必要があります。

    OpenShift Elasticsearch Operator は cron ジョブをデプロイし、pollInterval を使用してスケジュールされる定義されたポリシーを使用して各マッピングのインデックスをロールオーバーします。

    $ oc get cronjob

    出力例

    NAME                     SCHEDULE       SUSPEND   ACTIVE   LAST SCHEDULE   AGE
    elasticsearch-im-app     */15 * * * *   False     0        <none>          4s
    elasticsearch-im-audit   */15 * * * *   False     0        <none>          4s
    elasticsearch-im-infra   */15 * * * *   False     0        <none>          4s

4.3.3. ログストアの CPU およびメモリー要求の設定

それぞれのコンポーネント仕様は、CPU とメモリー要求の両方への調整を許可します。OpenShift Elasticsearch Operator は環境に適した値を設定するため、これらの値を手動で調整する必要はありません。

注記

大規模なクラスターでは、Elasticsearch プロキシーコンテナーのデフォルトのメモリー制限が不十分である場合があり、これにより、プロキシーコンテナーが OOM による強制終了 (OOMKilled) が生じます。この問題が発生した場合には、Elasticsearch プロキシーのメモリー要求および制限を引き上げます。

各 Elasticsearch ノードはこれより低い値のメモリー設定でも動作しますが、これは実稼働環境でのデプロイメントには推奨 されていません。実稼働環境での使用の場合には、デフォルトの 16Gi よりも小さい値を各 Pod に割り当てることはできません。Pod ごとに割り当て可能な最大値は 64Gi であり、この範囲の中で、できるだけ多くのメモリーを割り当てることを推奨します。

前提条件

  • OpenShift Logging および Elasticsearch がインストールされている。

手順

  1. openshift-logging プロジェクトで ClusterLogging カスタムリソース (CR) を編集します。

    $ oc edit ClusterLogging instance
    apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
    kind: "ClusterLogging"
    metadata:
      name: "instance"
    ....
    spec:
        logStore:
          type: "elasticsearch"
          elasticsearch:1
            resources:
              limits: 2
                memory: "32Gi"
              requests: 3
                cpu: "1"
                memory: "16Gi"
            proxy: 4
              resources:
                limits:
                  memory: 100Mi
                requests:
                  memory: 100Mi
    1
    必要に応じて CPU およびメモリー要求を指定します。これらの値を空のままにすると、OpenShift Elasticsearch Operator はデフォルト値を設定します。これらのデフォルト値はほとんどのデプロイメントでは問題なく使用できるはずです。デフォルト値は、メモリー要求の場合は 16Gi であり、CPU 要求の場合は 1 です。
    2
    Pod が使用できるリソースの最大量。
    3
    Pod のスケジュールに必要最小限のリソース。
    4
    必要に応じて Elasticsearch プロキシーの CPU およびメモリーの制限および要求を指定します。これらの値を空のままにすると、OpenShift Elasticsearch Operator はデフォルト値を設定します。これらのデフォルト値はほとんどのデプロイメントでは問題なく使用できるます。デフォルト値は、メモリー要求の場合は 256Mi、CPU 要求の場合は 100m です。

Elasticsearch メモリーの量を調整するときは、要求制限 の両方に同じ値を使用する必要があります。

以下に例を示します。

      resources:
        limits: 1
          memory: "32Gi"
        requests: 2
          cpu: "8"
          memory: "32Gi"
1
リソースの最大量。
2
必要最小限の量。

Kubernetes は一般的にはノードの設定に従い、Elasticsearch が指定された制限を使用することを許可しません。requestslimits に同じ値を設定することにより、Elasticseach が必要なメモリーを確実に使用できるようにします (利用可能なメモリーがノードにあることを前提とします)。

4.3.4. ログストアのレプリケーションポリシーの設定

Elasticsearch シャードをクラスター内の複数のデータノードにレプリケートする方法を定義できます。

前提条件

  • OpenShift Logging および Elasticsearch がインストールされている。

手順

  1. openshift-logging プロジェクトで ClusterLogging カスタムリソース (CR) を編集します。

    $ oc edit clusterlogging instance
    apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
    kind: "ClusterLogging"
    metadata:
      name: "instance"
    
    ....
    
    spec:
      logStore:
        type: "elasticsearch"
        elasticsearch:
          redundancyPolicy: "SingleRedundancy" 1
    1
    シャードの冗長性ポリシーを指定します。変更の保存時に変更が適用されます。
    • FullRedundancy:Elasticsearch は、各インデックスのプライマリーシャードをすべてのデータノードに完全にレプリケートします。これは最高レベルの安全性を提供しますが、最大量のディスクが必要となり、パフォーマンスは最低レベルになります。
    • MultipleRedundancy:Elasticsearch は、各インデックスのプライマリーシャードをデータノードの半分に完全にレプリケートします。これは、安全性とパフォーマンス間の適切なトレードオフを提供します。
    • SingleRedundancy:Elasticsearch は、各インデックスのプライマリーシャードのコピーを 1 つ作成します。2 つ以上のデータノードが存在する限り、ログは常に利用可能かつ回復可能です。5 以上のノードを使用する場合には、MultipleRedundancy よりもパフォーマンスが良くなります。このポリシーは、単一 Elasticsearch ノードのデプロイメントには適用できません。
    • ZeroRedundancy:Elasticsearch は、プライマリーシャードのコピーを作成しません。ノードが停止または失敗した場合、ログは利用不可となるか、失われる可能性があります。安全性よりもパフォーマンスを重視する場合や、独自のディスク/PVC バックアップ/復元ストラテジーを実装している場合は、このモードを使用できます。
注記

インデックステンプレートのプライマリーシャードの数は Elasticsearch データノードの数と等しくなります。

4.3.5. Elasticsearch Pod のスケールダウン

クラスター内の Elasticsearch Pod 数を減らすと、データ損失や Elasticsearch のパフォーマンスが低下する可能性があります。

スケールダウンする場合、一度に 1 つの Pod 分スケールダウンし、クラスターがシャードおよびレプリカのリバランスを実行できるようにする必要があります。Elasticsearch のヘルスステータスが green に戻された後に、別の Pod でスケールダウンできます。

注記

Elasticsearch クラスターが ZeroRedundancy に設定される場合、Elasticsearch Pod をスケールダウンしないでください。

4.3.6. ログストアの永続ストレージの設定

Elasticsearch には永続ストレージが必要です。ストレージが高速になると、Elasticsearch のパフォーマンスも高速になります。

警告

NFS ストレージをボリュームまたは永続ボリュームを使用 (または Gluster などの NAS を使用する) ことは Elasticsearch ストレージではサポートされません。Lucene は NFS が指定しないファイルシステムの動作に依存するためです。データの破損およびその他の問題が発生する可能性があります。

前提条件

  • OpenShift Logging および Elasticsearch がインストールされている。

手順

  1. ClusterLogging CR を編集してクラスターの各データノードが永続ボリューム要求 (PVC) にバインドされるように指定します。

    apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
    kind: "ClusterLogging"
    metadata:
      name: "instance"
    # ...
    spec:
      logStore:
        type: "elasticsearch"
        elasticsearch:
          nodeCount: 3
          storage:
            storageClassName: "gp2"
            size: "200G"

この例では、クラスターの各データノードが、200G の AWS General Purpose SSD (gp2) ストレージを要求する永続ボリューム要求 (PVC) にバインドされるように指定します。

注記

永続ストレージにローカルボリュームを使用する場合は、LocalVolume オブジェクトの volumeMode: block で記述される raw ブロックボリュームを使用しないでください。Elasticsearch は raw ブロックボリュームを使用できません。

4.3.7. emptyDir ストレージのログストアの設定

ログストアで emptyDir を使用することができます。これは、Pod のデータすべてが再起動時に失われる一時デプロイメントを作成します。

注記

emptyDir を使用する場合、ログストアが再起動するか、または再デプロイされる場合にデータが失われます。

前提条件

  • OpenShift Logging および Elasticsearch がインストールされている。

手順

  1. ClusterLogging CR を編集して emptyDir を指定します。

     spec:
        logStore:
          type: "elasticsearch"
          elasticsearch:
            nodeCount: 3
            storage: {}

4.3.8. Elasticsearch クラスターのローリング再起動の実行

elasticsearch 設定マップまたは elasticsearch-* デプロイメント設定のいずれかを変更する際にローリング再起動を実行します。

さらにローリング再起動は、Elasticsearch Pod が実行されるノードで再起動が必要な場合に推奨されます。

前提条件

  • OpenShift Logging および Elasticsearch がインストールされている。

手順

クラスターのローリング再起動を実行するには、以下を実行します。

  1. openshift-logging プロジェクトに切り替えます。

    $ oc project openshift-logging
  2. Elasticsearch Pod の名前を取得します。

    $ oc get pods | grep elasticsearch-
  3. Fluentd Pod をスケールダウンし、新規ログの Elasticsearch への送信を停止します。

    $ oc -n openshift-logging patch daemonset/logging-fluentd -p '{"spec":{"template":{"spec":{"nodeSelector":{"logging-infra-fluentd": "false"}}}}}'
  4. OpenShift Container Platform es_util ツールを使用してシャードの同期フラッシュを実行して、シャットダウンの前にディスクへの書き込みを待機している保留中の操作がないようにします。

    $ oc exec <any_es_pod_in_the_cluster> -c elasticsearch -- es_util --query="_flush/synced" -XPOST

    以下に例を示します。

    $ oc exec -c elasticsearch-cdm-5ceex6ts-1-dcd6c4c7c-jpw6  -c elasticsearch -- es_util --query="_flush/synced" -XPOST

    出力例

    {"_shards":{"total":4,"successful":4,"failed":0},".security":{"total":2,"successful":2,"failed":0},".kibana_1":{"total":2,"successful":2,"failed":0}}

  5. OpenShift Container Platform es_util ツールを使用して、ノードを意図的に停止する際のシャードのバランシングを防ぎます。

    $ oc exec <any_es_pod_in_the_cluster> -c elasticsearch -- es_util --query="_cluster/settings" -XPUT -d '{ "persistent": { "cluster.routing.allocation.enable" : "primaries" } }'

    以下に例を示します。

    $ oc exec elasticsearch-cdm-5ceex6ts-1-dcd6c4c7c-jpw6 -c elasticsearch -- es_util --query="_cluster/settings" -XPUT -d '{ "persistent": { "cluster.routing.allocation.enable" : "primaries" } }'

    出力例

    {"acknowledged":true,"persistent":{"cluster":{"routing":{"allocation":{"enable":"primaries"}}}},"transient":

  6. コマンドが完了したら、ES クラスターのそれぞれのデプロイメントについて、以下を実行します。

    1. デフォルトで、OpenShift Container Platform Elasticsearch クラスターはノードのロールアウトをブロックします。以下のコマンドを使用してロールアウトを許可し、Pod が変更を取得できるようにします。

      $ oc rollout resume deployment/<deployment-name>

      以下に例を示します。

      $ oc rollout resume deployment/elasticsearch-cdm-0-1

      出力例

      deployment.extensions/elasticsearch-cdm-0-1 resumed

      新規 Pod がデプロイされます。Pod に準備状態のコンテナーがある場合、次のデプロイメントに進むことができます。

      $ oc get pods | grep elasticsearch-

      出力例

      NAME                                            READY   STATUS    RESTARTS   AGE
      elasticsearch-cdm-5ceex6ts-1-dcd6c4c7c-jpw6k    2/2     Running   0          22h
      elasticsearch-cdm-5ceex6ts-2-f799564cb-l9mj7    2/2     Running   0          22h
      elasticsearch-cdm-5ceex6ts-3-585968dc68-k7kjr   2/2     Running   0          22h

    2. デプロイメントが完了したら、ロールアウトを許可しないように Pod をリセットします。

      $ oc rollout pause deployment/<deployment-name>

      以下に例を示します。

      $ oc rollout pause deployment/elasticsearch-cdm-0-1

      出力例

      deployment.extensions/elasticsearch-cdm-0-1 paused

    3. Elasticsearch クラスターが green または yellow 状態にあることを確認します。

      $ oc exec <any_es_pod_in_the_cluster> -c elasticsearch -- es_util --query=_cluster/health?pretty=true
      注記

      直前のコマンドで使用した Elasticsearch Pod でロールアウトを実行した場合、Pod は存在しなくなっているため、ここで新規 Pod 名が必要になります。

      以下に例を示します。

      $ oc exec elasticsearch-cdm-5ceex6ts-1-dcd6c4c7c-jpw6 -c elasticsearch -- es_util --query=_cluster/health?pretty=true
      {
        "cluster_name" : "elasticsearch",
        "status" : "yellow", 1
        "timed_out" : false,
        "number_of_nodes" : 3,
        "number_of_data_nodes" : 3,
        "active_primary_shards" : 8,
        "active_shards" : 16,
        "relocating_shards" : 0,
        "initializing_shards" : 0,
        "unassigned_shards" : 1,
        "delayed_unassigned_shards" : 0,
        "number_of_pending_tasks" : 0,
        "number_of_in_flight_fetch" : 0,
        "task_max_waiting_in_queue_millis" : 0,
        "active_shards_percent_as_number" : 100.0
      }
      1
      次に進む前に、このパラメーターが green または yellow であることを確認します。
  7. Elasticsearch 設定マップを変更した場合、それぞれの Elasticsearch Pod についてこれらの手順を繰り返します。
  8. クラスターのすべてのデプロイメントがロールアウトされたら、シャードのバランシングを再度有効にします。

    $ oc exec <any_es_pod_in_the_cluster> -c elasticsearch -- es_util --query="_cluster/settings" -XPUT -d '{ "persistent": { "cluster.routing.allocation.enable" : "all" } }'

    以下に例を示します。

    $ oc exec elasticsearch-cdm-5ceex6ts-1-dcd6c4c7c-jpw6 -c elasticsearch -- es_util --query="_cluster/settings" -XPUT -d '{ "persistent": { "cluster.routing.allocation.enable" : "all" } }'

    出力例

    {
      "acknowledged" : true,
      "persistent" : { },
      "transient" : {
        "cluster" : {
          "routing" : {
            "allocation" : {
              "enable" : "all"
            }
          }
        }
      }
    }

  9. Fluentd Pod をスケールアップして、新規ログを Elasticsearch に送信します。

    $ oc -n openshift-logging patch daemonset/logging-fluentd -p '{"spec":{"template":{"spec":{"nodeSelector":{"logging-infra-fluentd": "true"}}}}}'

4.3.9. ログストアサービスのルートとしての公開

デフォルトでは、OpenShift Logging でデプロイされたログストアはロギングクラスターの外部からアクセスできません。データにアクセスするツールについては、ログストアへの外部アクセスのために re-encryption termination でルートを有効にすることができます。

re-encrypt ルート、OpenShift Container Platform トークンおよびインストールされたログストア CA 証明書を作成して、ログストアに外部からアクセスすることができます。次に、以下を含む cURL 要求でログストアサービスをホストするノードにアクセスします。

内部からは、ログストアクラスター IP を使用してログストアサービスにアクセスできます。これは、以下のコマンドのいずれかを使用して取得できます。

$ oc get service elasticsearch -o jsonpath={.spec.clusterIP} -n openshift-logging

出力例

172.30.183.229

$ oc get service elasticsearch -n openshift-logging

出力例

NAME            TYPE        CLUSTER-IP       EXTERNAL-IP   PORT(S)    AGE
elasticsearch   ClusterIP   172.30.183.229   <none>        9200/TCP   22h

以下のようなコマンドを使用して、クラスター IP アドレスを確認できます。

$ oc exec elasticsearch-cdm-oplnhinv-1-5746475887-fj2f8 -n openshift-logging -- curl -tlsv1.2 --insecure -H "Authorization: Bearer ${token}" "https://172.30.183.229:9200/_cat/health"

出力例

  % Total    % Received % Xferd  Average Speed   Time    Time     Time  Current
                                 Dload  Upload   Total   Spent    Left  Speed
100    29  100    29    0     0    108      0 --:--:-- --:--:-- --:--:--   108

前提条件

  • OpenShift Logging および Elasticsearch がインストールされている。
  • ログにアクセスできるようになるには、プロジェクトへのアクセスが必要です。

手順

ログストアを外部に公開するには、以下を実行します。

  1. openshift-logging プロジェクトに切り替えます。

    $ oc project openshift-logging
  2. ログストアから CA 証明書を抽出し、admin-ca ファイルに書き込みます。

    $ oc extract secret/elasticsearch --to=. --keys=admin-ca

    出力例

    admin-ca

  3. ログストアサービスのルートを YAML ファイルとして作成します。

    1. 以下のように YAML ファイルを作成します。

      apiVersion: route.openshift.io/v1
      kind: Route
      metadata:
        name: elasticsearch
        namespace: openshift-logging
      spec:
        host:
        to:
          kind: Service
          name: elasticsearch
        tls:
          termination: reencrypt
          destinationCACertificate: | 1
      1
      次の手順でログストア CA 証明書を追加するか、またはコマンドを使用します。一部の re-encrypt ルートで必要とされる spec.tls.keyspec.tls.certificate、および spec.tls.caCertificate パラメーターを設定する必要はありません。
    2. 以下のコマンドを実行して、前のステップで作成したルート YAML にログストア CA 証明書を追加します。

      $ cat ./admin-ca | sed -e "s/^/      /" >> <file-name>.yaml
    3. ルートを作成します。

      $ oc create -f <file-name>.yaml

      出力例

      route.route.openshift.io/elasticsearch created

  4. Elasticsearch サービスが公開されていることを確認します。

    1. 要求に使用されるこのサービスアカウントのトークンを取得します。

      $ token=$(oc whoami -t)
    2. 作成した elasticsearch ルートを環境変数として設定します。

      $ routeES=`oc get route elasticsearch -o jsonpath={.spec.host}`
    3. ルートが正常に作成されていることを確認するには、公開されたルート経由で Elasticsearch にアクセスする以下のコマンドを実行します。

      curl -tlsv1.2 --insecure -H "Authorization: Bearer ${token}" "https://${routeES}"

      以下のような出力が表示されます。

      出力例

      {
        "name" : "elasticsearch-cdm-i40ktba0-1",
        "cluster_name" : "elasticsearch",
        "cluster_uuid" : "0eY-tJzcR3KOdpgeMJo-MQ",
        "version" : {
        "number" : "6.8.1",
        "build_flavor" : "oss",
        "build_type" : "zip",
        "build_hash" : "Unknown",
        "build_date" : "Unknown",
        "build_snapshot" : true,
        "lucene_version" : "7.7.0",
        "minimum_wire_compatibility_version" : "5.6.0",
        "minimum_index_compatibility_version" : "5.0.0"
      },
        "<tagline>" : "<for search>"
      }

4.4. ログビジュアライザーの設定

OpenShift Container Platform は Kibana を使用して OpenShift Logging で収集されるログデータを表示します。

冗長性を確保するために Kibana をスケーリングし、Kibana ノードの CPU およびメモリーを設定することができます。

4.4.1. CPU およびメモリー制限の設定

OpenShift Logging コンポーネントは、CPU とメモリーの制限の両方への調整を許可します。

手順

  1. openshift-logging プロジェクトで ClusterLogging カスタムリソース (CR) を編集します。

    $ oc -n openshift-logging edit ClusterLogging instance
    apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
    kind: "ClusterLogging"
    metadata:
      name: "instance"
      namespace: openshift-logging
    
    ...
    
    spec:
      managementState: "Managed"
      logStore:
        type: "elasticsearch"
        elasticsearch:
          nodeCount: 3
          resources: 1
            limits:
              memory: 16Gi
            requests:
              cpu: 200m
              memory: 16Gi
          storage:
            storageClassName: "gp2"
            size: "200G"
          redundancyPolicy: "SingleRedundancy"
      visualization:
        type: "kibana"
        kibana:
          resources: 2
            limits:
              memory: 1Gi
            requests:
              cpu: 500m
              memory: 1Gi
          proxy:
            resources: 3
              limits:
                memory: 100Mi
              requests:
                cpu: 100m
                memory: 100Mi
          replicas: 2
      collection:
        logs:
          type: "fluentd"
          fluentd:
            resources: 4
              limits:
                memory: 736Mi
              requests:
                cpu: 200m
                memory: 736Mi
    1
    必要に応じてログの CPU およびメモリーの制限および要求を指定します。Elasticsearch の場合、要求値と制限値の両方を調整する必要があります。
    2 3
    必要に応じて、ログビジュアライザーの CPU およびメモリーの制限および要求を指定します。
    4
    必要に応じて、ログコレクターの CPU およびメモリーの制限および要求を指定します。

4.4.2. ログビジュアライザーノードの冗長性のスケーリング

冗長性を確保するために、ログビジュアライザーをホストする Pod をスケーリングできます。

手順

  1. openshift-logging プロジェクトで ClusterLogging カスタムリソース (CR) を編集します。

    $ oc edit ClusterLogging instance
    $ oc edit ClusterLogging instance
    
    apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
    kind: "ClusterLogging"
    metadata:
      name: "instance"
    
    ....
    
    spec:
        visualization:
          type: "kibana"
          kibana:
            replicas: 1 1
    1
    Kibana ノードの数を指定します。

4.5. OpenShift Logging ストレージの設定

Elasticsearch はメモリー集約型アプリケーションです。デフォルトの OpenShift Logging インストールでは、メモリー要求およびメモリー制限の両方に対して 16G のメモリーをデプロイします。初期設定の OpenShift Container Platform ノードのセットは、Elasticsearch クラスターをサポートするのに十分な大きさではない場合があります。その場合、推奨されるサイズ以上のメモリーを使用して実行できるようにノードを OpenShift Container Platform クラスターに追加する必要があります。各 Elasticsearch ノードはこれより低い値のメモリー設定でも動作しますが、これは実稼働環境には推奨されません。

4.5.1. OpenShift Logging および OpenShift Container Platform のストレージについての考慮事項

永続ボリュームがそれぞれの Elasticsearch デプロイメント設定に必要です。OpenShift Container Platform では、これは永続ボリューム要求 (PVC) を使用して実行されます。

注記

永続ストレージにローカルボリュームを使用する場合は、LocalVolume オブジェクトの volumeMode: block で記述される raw ブロックボリュームを使用しないでください。Elasticsearch は raw ブロックボリュームを使用できません。

OpenShift Elasticsearch Operator は Elasticsearch リソース名を使って PVC に名前を付けます。

Fluentd は systemd ジャーナル および /var/log/containers/ から Elasticsearch にログを送信します。

Elasticsearch では、大規模なマージ操作を実行するのに十分なメモリーが必要です。十分なメモリーがない場合、応答しなくなります。この問題を回避するには、必要なアプリケーションのログデータの量を評価し、空き容量の約 2 倍を割り当てます。

デフォルトで、ストレージ容量が 85% に達すると、Elasticsearch は新規データのノードへの割り当てを停止します。90% になると、Elasticsearch は可能な場合に既存のシャードをそのノードから他のノードに移動しようとします。ただし、空き容量のレベルが 85% 未満のノードがない場合、Elasticsearch は新規インデックスの作成を拒否し、ステータスは RED になります。

注記

これらの基準値 (高い値および低い値を含む) は現行リリースにおける Elasticsearch のデフォルト値です。これらのデフォルト値は変更できます。アラートは同じデフォルト値を使用しますが、これらの値をアラートで変更することはできません。

4.5.2. 関連情報

4.6. OpenShift Logging コンポーネントの CPU およびメモリー制限の設定

必要に応じて、それぞれの OpenShift Logging コンポーネントの CPU およびメモリー制限の両方を設定できます。

4.6.1. CPU およびメモリー制限の設定

OpenShift Logging コンポーネントは、CPU とメモリーの制限の両方への調整を許可します。

手順

  1. openshift-logging プロジェクトで ClusterLogging カスタムリソース (CR) を編集します。

    $ oc -n openshift-logging edit ClusterLogging instance
    apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
    kind: "ClusterLogging"
    metadata:
      name: "instance"
      namespace: openshift-logging
    
    ...
    
    spec:
      managementState: "Managed"
      logStore:
        type: "elasticsearch"
        elasticsearch:
          nodeCount: 3
          resources: 1
            limits:
              memory: 16Gi
            requests:
              cpu: 200m
              memory: 16Gi
          storage:
            storageClassName: "gp2"
            size: "200G"
          redundancyPolicy: "SingleRedundancy"
      visualization:
        type: "kibana"
        kibana:
          resources: 2
            limits:
              memory: 1Gi
            requests:
              cpu: 500m
              memory: 1Gi
          proxy:
            resources: 3
              limits:
                memory: 100Mi
              requests:
                cpu: 100m
                memory: 100Mi
          replicas: 2
      collection:
        logs:
          type: "fluentd"
          fluentd:
            resources: 4
              limits:
                memory: 736Mi
              requests:
                cpu: 200m
                memory: 736Mi
    1
    必要に応じてログの CPU およびメモリーの制限および要求を指定します。Elasticsearch の場合、要求値と制限値の両方を調整する必要があります。
    2 3
    必要に応じて、ログビジュアライザーの CPU およびメモリーの制限および要求を指定します。
    4
    必要に応じて、ログコレクターの CPU およびメモリーの制限および要求を指定します。

4.7. 容認を使用した OpenShift Logging Pod 配置の制御

テイントおよび容認を使用することで、OpenShift Logging Pod が特定のノードで実行され、その他のワークロードがそれらのノードで実行されないようにします。

テイントおよび容認は、単純な key:value のペアです。ノードのテイントはノードに対し、テイントを容認しないすべての Pod を拒否するよう指示します。

key は最大 253 文字までの文字列で、value は最大 63 文字までの文字列になります。文字列は文字または数字で開始する必要があり、文字、数字、ハイフン、ドットおよびアンダースコアを含めることができます。

容認を使用した OpenShift Logging CR のサンプル

apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
kind: "ClusterLogging"
metadata:
  name: "instance"
  namespace: openshift-logging

...

spec:
  managementState: "Managed"
  logStore:
    type: "elasticsearch"
    elasticsearch:
      nodeCount: 3
      tolerations: 1
      - key: "logging"
        operator: "Exists"
        effect: "NoExecute"
        tolerationSeconds: 6000
      resources:
        limits:
          memory: 16Gi
        requests:
          cpu: 200m
          memory: 16Gi
      storage: {}
      redundancyPolicy: "ZeroRedundancy"
  visualization:
    type: "kibana"
    kibana:
      tolerations: 2
      - key: "logging"
        operator: "Exists"
        effect: "NoExecute"
        tolerationSeconds: 6000
      resources:
        limits:
          memory: 2Gi
        requests:
          cpu: 100m
          memory: 1Gi
      replicas: 1
  collection:
    logs:
      type: "fluentd"
      fluentd:
        tolerations: 3
        - key: "logging"
          operator: "Exists"
          effect: "NoExecute"
          tolerationSeconds: 6000
        resources:
          limits:
            memory: 2Gi
          requests:
            cpu: 100m
            memory: 1Gi

1
この容認は Elasticsearch Pod に追加されます。
2
この容認は Kibana Pod に追加されます。
3
この容認はロギングコレクター Pod に追加されます。

4.7.1. 容認を使用したログストア Pod の配置の制御

ログストア Pod が実行するノードを制御し、Pod の容認を使用して他のワークロードがそれらのノードを使用しないようにすることができます。

ClusterLogging カスタムリソース (CR) を使用して容認をログストア Pod に適用し、テイントをノード仕様でノードに適用します。ノードのテイントは、テイントを容認しないすべての Pod を拒否するようノードに指示する key:value pair です。他の Pod にはない特定の key:value ペアを使用することで、ログストア Pod のみがそのノード上で実行されるようにできます。

デフォルトで、ログストア Pod には以下の容認があります。

tolerations:
- effect: "NoExecute"
  key: "node.kubernetes.io/disk-pressure"
  operator: "Exists"

前提条件

  • OpenShift Logging および Elasticsearch がインストールされている。

手順

  1. 以下のコマンドを使用して、OpenShift Logging Pod をスケジュールするノードにテイントを追加します。

    $ oc adm taint nodes <node-name> <key>=<value>:<effect>

    以下に例を示します。

    $ oc adm taint nodes node1 elasticsearch=node:NoExecute

    この例では、テイントをキー elasticsearch、値 node、およびテイントの効果 NoExecute のある node1 に配置します。NoExecute effect のノードは、テイントに一致する Pod のみをスケジュールし、一致しない既存の Pod を削除します。

  2. ClusterLogging CR の logstore セクションを編集し、Elasticsearch Pod の容認を設定します。

      logStore:
        type: "elasticsearch"
        elasticsearch:
          nodeCount: 1
          tolerations:
          - key: "elasticsearch"  1
            operator: "Exists"  2
            effect: "NoExecute"  3
            tolerationSeconds: 6000  4
    1
    ノードに追加したキーを指定します。
    2
    Exists Operator を指定し、キー elasticsearch のあるテイントがノードに存在する必要があるようにします。
    3
    NoExecute effect を指定します。
    4
    オプションで、tolerationSeconds パラメーターを指定して、エビクトされる前に Pod がノードにバインドされる期間を設定します。

この容認は、oc adm taint コマンドで作成されたテイントと一致します。この容認のある Pod は node1 にスケジュールできます。

4.7.2. 容認を使用したログビジュアライザー Pod の配置の制御

ログビジュアライザー Pod が実行されるノードを制御し、Pod の容認を使用して他のワークロードがそれらのノードを使用しないようにすることができます。

ClusterLogging カスタムリソース (CR) を使用して容認をログビジュアライザー Pod に適用し、テイントをノード仕様でノードに適用します。ノードのテイントは、テイントを容認しないすべての Pod を拒否するようノードに指示する key:value pair です。他の Pod にはない特定の key:value ペアを使用することで、Kibana Pod のみをそのノード上で実行できます。

前提条件

  • OpenShift Logging および Elasticsearch がインストールされている。

手順

  1. 以下のコマンドを使用して、ログビジュアライザー Pod をスケジュールする必要のあるノードにテイントを追加します。

    $ oc adm taint nodes <node-name> <key>=<value>:<effect>

    以下に例を示します。

    $ oc adm taint nodes node1 kibana=node:NoExecute

    この例では、テイントをキー kibana、値 node、およびテイントの効果 NoExecute のある node1 に配置します。NoExecute テイント effect を使用する必要があります。NoExecute は、テイントに一致する Pod のみをスケジュールし、一致しない既存の Pod を削除します。

  2. ClusterLogging CR の visualization セクションを編集し、Kibana Pod の容認を設定します。

      visualization:
        type: "kibana"
        kibana:
          tolerations:
          - key: "kibana"  1
            operator: "Exists"  2
            effect: "NoExecute"  3
            tolerationSeconds: 6000 4
    1
    ノードに追加したキーを指定します。
    2
    Exists Operator を指定して、key/value/effect パラメーターが一致するようにします。
    3
    NoExecute effect を指定します。
    4
    オプションで、tolerationSeconds パラメーターを指定して、エビクトされる前に Pod がノードにバインドされる期間を設定します。

この容認は、oc adm taint コマンドで作成されたテイントと一致します。この容認のある Pod は、node1 にスケジュールできます。

4.7.3. 容認を使用したログコレクター Pod 配置の制御

ロギングコレクター Pod が実行するノードを確認し、Pod の容認を使用して他のワークロードがそれらのノードを使用しないようにすることができます。

容認を ClusterLogging カスタムリソース (CR) でロギングコレクター Pod に適用し、テイントをノード仕様でノードに適用します。テイントおよび容認を使用すると、Pod がメモリーや CPU などの問題によってエビクトされないようにすることができます。

デフォルトで、ロギングコレクター Pod には以下の容認があります。

tolerations:
- key: "node-role.kubernetes.io/master"
  operator: "Exists"
  effect: "NoExecute"

前提条件

  • OpenShift Logging および Elasticsearch がインストールされている。

手順

  1. 以下のコマンドを使用して、ロギングコレクター Pod がロギングコレクター Pod をスケジュールする必要のあるノードにテイントを追加します。

    $ oc adm taint nodes <node-name> <key>=<value>:<effect>

    以下に例を示します。

    $ oc adm taint nodes node1 collector=node:NoExecute

    この例では、テイントをキー collector、値 node、およびテイント effect NoExecute のある node1 に配置します。NoExecute テイント effect を使用する必要があります。NoExecute は、テイントに一致する Pod のみをスケジュールし、一致しない既存の Pod を削除します。

  2. ClusterLogging カスタムリソース (CR) の collection スタンザを編集して、ロギングコレクター Pod の容認を設定します。

      collection:
        logs:
          type: "fluentd"
          fluentd:
            tolerations:
            - key: "collector"  1
              operator: "Exists"  2
              effect: "NoExecute"  3
              tolerationSeconds: 6000  4
    1
    ノードに追加したキーを指定します。
    2
    Exists Operator を指定して、key/value/effect パラメーターが一致するようにします。
    3
    NoExecute effect を指定します。
    4
    オプションで、tolerationSeconds パラメーターを指定して、エビクトされる前に Pod がノードにバインドされる期間を設定します。

この容認は、oc adm taint コマンドで作成されたテイントと一致します。この容認のある Pod は、node1 にスケジュールできます。

4.7.4. 関連情報

4.8. ノードセレクターを使用した OpenShift Logging リソースの移動

ノードセレクターを使用して Elasticsearch、Kibana Pod を異なるノードにデプロイすることができます。

4.8.1. OpenShift Logging リソースの移動

Elasticsearch および Kibana などの OpenShift Logging コンポーネントの Pod を異なるノードにデプロイするように Cluster Logging Operator を設定できます。Cluster Logging Operator Pod については、インストールされた場所から移動することはできません。

たとえば、Elasticsearch Pod の CPU、メモリーおよびディスクの要件が高いために、この Pod を別のノードに移動できます。

前提条件

  • OpenShift Logging および Elasticsearch がインストールされている。これらの機能はデフォルトでインストールされません。

手順

  1. openshift-logging プロジェクトで ClusterLogging カスタムリソース (CR) を編集します。

    $ oc edit ClusterLogging instance
    apiVersion: logging.openshift.io/v1
    kind: ClusterLogging
    
    ...
    
    spec:
      collection:
        logs:
          fluentd:
            resources: null
          type: fluentd
      logStore:
        elasticsearch:
          nodeCount: 3
          nodeSelector: 1
            node-role.kubernetes.io/infra: ''
          tolerations:
          - effect: NoSchedule
            key: node-role.kubernetes.io/infra
            value: reserved
          - effect: NoExecute
            key: node-role.kubernetes.io/infra
            value: reserved
          redundancyPolicy: SingleRedundancy
          resources:
            limits:
              cpu: 500m
              memory: 16Gi
            requests:
              cpu: 500m
              memory: 16Gi
          storage: {}
        type: elasticsearch
      managementState: Managed
      visualization:
        kibana:
          nodeSelector: 2
            node-role.kubernetes.io/infra: ''
          tolerations:
          - effect: NoSchedule
            key: node-role.kubernetes.io/infra
            value: reserved
          - effect: NoExecute
            key: node-role.kubernetes.io/infra
            value: reserved
          proxy:
            resources: null
          replicas: 1
          resources: null
        type: kibana
    
    ...
    1 2
    適切な値が設定された nodeSelector パラメーターを、移動する必要のあるコンポーネントに追加します。表示されている形式の nodeSelector を使用することも、ノードに指定された値に基づいて <key>: <value> ペアを使用することもできます。インフラストラクチャーノードにテイントを追加した場合は、一致する容認も追加します。

検証

コンポーネントが移動したことを確認するには、oc get pod -o wide コマンドを使用できます。

以下に例を示します。

  • Kibana Pod を ip-10-0-147-79.us-east-2.compute.internal ノードから移動する必要がある場合、以下を実行します。

    $ oc get pod kibana-5b8bdf44f9-ccpq9 -o wide

    出力例

    NAME                      READY   STATUS    RESTARTS   AGE   IP            NODE                                        NOMINATED NODE   READINESS GATES
    kibana-5b8bdf44f9-ccpq9   2/2     Running   0          27s   10.129.2.18   ip-10-0-147-79.us-east-2.compute.internal   <none>           <none>

  • Kibana Pod を、専用インフラストラクチャーノードである ip-10-0-139-48.us-east-2.compute.internal ノードに移動する必要がある場合、以下を実行します。

    $ oc get nodes

    出力例

    NAME                                         STATUS   ROLES          AGE   VERSION
    ip-10-0-133-216.us-east-2.compute.internal   Ready    master         60m   v1.21.0
    ip-10-0-139-146.us-east-2.compute.internal   Ready    master         60m   v1.21.0
    ip-10-0-139-192.us-east-2.compute.internal   Ready    worker         51m   v1.21.0
    ip-10-0-139-241.us-east-2.compute.internal   Ready    worker         51m   v1.21.0
    ip-10-0-147-79.us-east-2.compute.internal    Ready    worker         51m   v1.21.0
    ip-10-0-152-241.us-east-2.compute.internal   Ready    master         60m   v1.21.0
    ip-10-0-139-48.us-east-2.compute.internal    Ready    infra          51m   v1.21.0

    ノードには node-role.kubernetes.io/infra: '' ラベルがあることに注意してください。

    $ oc get node ip-10-0-139-48.us-east-2.compute.internal -o yaml

    出力例

    kind: Node
    apiVersion: v1
    metadata:
      name: ip-10-0-139-48.us-east-2.compute.internal
      selfLink: /api/v1/nodes/ip-10-0-139-48.us-east-2.compute.internal
      uid: 62038aa9-661f-41d7-ba93-b5f1b6ef8751
      resourceVersion: '39083'
      creationTimestamp: '2020-04-13T19:07:55Z'
      labels:
        node-role.kubernetes.io/infra: ''
    ...

  • Kibana Pod を移動するには、ClusterLogging CR を編集してノードセレクターを追加します。

    apiVersion: logging.openshift.io/v1
    kind: ClusterLogging
    
    ...
    
    spec:
    
    ...
    
      visualization:
        kibana:
          nodeSelector: 1
            node-role.kubernetes.io/infra: ''
          proxy:
            resources: null
          replicas: 1
          resources: null
        type: kibana
    1
    ノード仕様のラベルに一致するノードセレクターを追加します。
  • CR を保存した後に、現在の Kibana Pod は終了し、新規 Pod がデプロイされます。

    $ oc get pods

    出力例

    NAME                                            READY   STATUS        RESTARTS   AGE
    cluster-logging-operator-84d98649c4-zb9g7       1/1     Running       0          29m
    elasticsearch-cdm-hwv01pf7-1-56588f554f-kpmlg   2/2     Running       0          28m
    elasticsearch-cdm-hwv01pf7-2-84c877d75d-75wqj   2/2     Running       0          28m
    elasticsearch-cdm-hwv01pf7-3-f5d95b87b-4nx78    2/2     Running       0          28m
    fluentd-42dzz                                   1/1     Running       0          28m
    fluentd-d74rq                                   1/1     Running       0          28m
    fluentd-m5vr9                                   1/1     Running       0          28m
    fluentd-nkxl7                                   1/1     Running       0          28m
    fluentd-pdvqb                                   1/1     Running       0          28m
    fluentd-tflh6                                   1/1     Running       0          28m
    kibana-5b8bdf44f9-ccpq9                         2/2     Terminating   0          4m11s
    kibana-7d85dcffc8-bfpfp                         2/2     Running       0          33s

  • 新規 Pod が ip-10-0-139-48.us-east-2.compute.internal ノードに置かれます。

    $ oc get pod kibana-7d85dcffc8-bfpfp -o wide

    出力例

    NAME                      READY   STATUS        RESTARTS   AGE   IP            NODE                                        NOMINATED NODE   READINESS GATES
    kibana-7d85dcffc8-bfpfp   2/2     Running       0          43s   10.131.0.22   ip-10-0-139-48.us-east-2.compute.internal   <none>           <none>

  • しばらくすると、元の Kibana Pod が削除されます。

    $ oc get pods

    出力例

    NAME                                            READY   STATUS    RESTARTS   AGE
    cluster-logging-operator-84d98649c4-zb9g7       1/1     Running   0          30m
    elasticsearch-cdm-hwv01pf7-1-56588f554f-kpmlg   2/2     Running   0          29m
    elasticsearch-cdm-hwv01pf7-2-84c877d75d-75wqj   2/2     Running   0          29m
    elasticsearch-cdm-hwv01pf7-3-f5d95b87b-4nx78    2/2     Running   0          29m
    fluentd-42dzz                                   1/1     Running   0          29m
    fluentd-d74rq                                   1/1     Running   0          29m
    fluentd-m5vr9                                   1/1     Running   0          29m
    fluentd-nkxl7                                   1/1     Running   0          29m
    fluentd-pdvqb                                   1/1     Running   0          29m
    fluentd-tflh6                                   1/1     Running   0          29m
    kibana-7d85dcffc8-bfpfp                         2/2     Running   0          62s

4.9. systemd-journald および Fluentd の設定

Fluentd のジャーナルからの読み取りや、ジャーナルのデフォルト設定値は非常に低く、ジャーナルがシステムサービスからのロギング速度に付いていくことができないためにジャーナルエントリーが失われる可能性があります。

ジャーナルでエントリーが失われるのを防ぐことができるように RateLimitIntervalSec=30s および RateLimitBurst=10000 (必要な場合はさらに高い値) を設定することが推奨されます。

4.9.1. OpenShift Logging 用の systemd-journald の設定

プロジェクトのスケールアップ時に、デフォルトのロギング環境にはいくらかの調整が必要になる場合があります。

たとえば、ログが見つからない場合は、journald の速度制限を引き上げる必要がある場合があります。一定期間保持するメッセージ数を調整して、OpenShift Logging がログをドロップせずに過剰なリソースを使用しないようにすることができます。

また、ログを圧縮する必要があるかどうか、ログを保持する期間、ログを保存する方法、ログを保存するかどうかやその他の設定を決定することもできます。

手順

  1. 必要な設定で /etc/systemd/journald.conf ファイルが含まれる Butane 設定ファイル 40-worker-custom -journald.bu を作成します。

    注記

    Butane の詳細は、Butane を使用したマシン設定の作成を参照してください。

    variant: openshift
    version: 4.8.0
    metadata:
      name: 40-worker-custom-journald
      labels:
        machineconfiguration.openshift.io/role: "worker"
    storage:
      files:
      - path: /etc/systemd/journald.conf
        mode: 0644 1
        overwrite: true
        contents:
          inline: |
            Compress=yes 2
            ForwardToConsole=no 3
            ForwardToSyslog=no
            MaxRetentionSec=1month 4
            RateLimitBurst=10000 5
            RateLimitIntervalSec=30s
            Storage=persistent 6
            SyncIntervalSec=1s 7
            SystemMaxUse=8G 8
            SystemKeepFree=20% 9
            SystemMaxFileSize=10M 10
    1
    journal.conf ファイルのパーミッションを設定します。0644 パーミッションを設定することが推奨されます。
    2
    ログがファイルシステムに書き込まれる前にそれらのログを圧縮するかどうかを指定します。yes を指定してメッセージを圧縮するか、または no を指定して圧縮しないようにします。デフォルトは yes です。
    3
    ログメッセージを転送するかどうかを設定します。それぞれについて、デフォルトで no に設定されます。以下を指定します。
    • ForwardToConsole: ログをシステムコンソールに転送します。
    • ForwardToKsmg: ログをカーネルログバッファーに転送します。
    • ForwardToSyslog: syslog デーモンに転送します。
    • ForwardToWall: メッセージを wall メッセージとしてすべてのログインしているユーザーに転送します。
    4
    ジャーナルエントリーを保存する最大時間を指定します。数字を入力して秒数を指定します。または、year、month、week、day、h または m などの単位を含めます。無効にするには 0 を入力します。デフォルトは 1month です。
    5
    レート制限を設定します。RateLimitIntervalSec で定義される期間に、RateLimitBurst で指定される以上のログが受信される場合、この期間内の追加のメッセージはすべてこの期間が終了するまでにドロップされます。デフォルト値である RateLimitIntervalSec=30s および RateLimitBurst=10000 を設定することが推奨されます。
    6
    ログの保存方法を指定します。デフォルトは persistent です。
    • volatile: ログを /var/log/journal/ のメモリーに保存します。
    • persistent: ログを /var/log/journal/ のディスクに保存します。systemd は存在しない場合はディレクトリーを作成します。
    • auto: ディレクトリーが存在する場合に、ログを /var/log/journal/ に保存します。存在しない場合は、systemd はログを /run/systemd/journal に一時的に保存します。
    • none: ログを保存しません。systemd はすべてのログをドロップします。
    7
    ERRWARNINGNOTICEINFO、および DEBUG ログについてジャーナルファイルをディスクに同期させるまでのタイムアウトを指定します。 systemd は、CRITALERT、または EMERG ログの受信後すぐに同期を開始します。デフォルトは 1s です。
    8
    ジャーナルが使用できる最大サイズを指定します。デフォルトは 8G です。
    9
    systemd が残す必要のあるディスク領域のサイズを指定します。デフォルトは 20% です。
    10
    /var/log/journal に永続的に保存される個別のジャーナルファイルの最大サイズを指定します。デフォルトは 10M です。
    注記

    レート制限を削除する場合、システムロギングデーモンの CPU 使用率が高くなることがあります。 以前はスロットリングされていた可能性のあるメッセージが処理されるためです。

    systemd 設定の詳細については、https://www.freedesktop.org/software/systemd/man/journald.conf.html を参照してください。このページに一覧表示されるデフォルト設定は OpenShift Container Platform には適用されない可能性があります。

  2. Butane を使用して、ノードに配信される設定を含む MachineConfig オブジェクトファイル (40-worker-custom-journald.yaml) を生成します。

    $ butane 40-worker-custom-journald.bu -o 40-worker-custom-journald.yaml
  3. マシン設定を適用します。以下に例を示します。

    $ oc apply -f 40-worker-custom-journald.yaml

    コントローラーは新規の MachineConfig オブジェクトを検出し、新規の rendered-worker-<hash> バージョンを生成します。

  4. 新規のレンダリングされた設定の各ノードへのロールアウトのステータスをモニターします。

    $ oc describe machineconfigpool/worker

    出力例

    Name:         worker
    Namespace:
    Labels:       machineconfiguration.openshift.io/mco-built-in=
    Annotations:  <none>
    API Version:  machineconfiguration.openshift.io/v1
    Kind:         MachineConfigPool
    
    ...
    
    Conditions:
      Message:
      Reason:                All nodes are updating to rendered-worker-913514517bcea7c93bd446f4830bc64e

4.10. メンテナンスとサポート

4.10.1. サポートされる設定

OpenShift Logging の設定のサポートされる方法として、本書で説明されているオプションを使用してこれを設定することができます。サポートされていない他の設定は使用しないでください。設定のパラダイムが OpenShift Container Platform リリース間で変更される可能性があり、このような変更は、設定のすべての可能性が制御されている場合のみ適切に対応できます。本書で説明されている設定以外の設定を使用する場合、OpenShift Elasticsearch Operator および Red Hat OpenShift Logging Operator が差分を調整するため、変更内容は失われます。Operator はデフォルトで定義された状態にすべて戻します。

注記

OpenShift Container Platform ドキュメントで説明されていない設定を実行する 必要がある 場合、Red Hat OpenShift Logging Operator または OpenShift Elasticsearch Operator を Unmanaged (管理外) に設定する 必要があります。管理外の OpenShift Logging 環境は サポート外 であり、OpenShift Logging を Managed に戻すまで変更を受信しません。

4.10.2. サポートされない設定

以下のコンポーネントを変更するには、Red Hat OpenShift Logging Operator を Unmanaged (管理外) の状態に設定する必要があります。

  • Elasticsearch CR
  • Kibana デプロイメント
  • fluent.conf ファイル
  • Fluentd デーモンセット

以下のコンポーネントを変更するには、OpenShift Elasticsearch Operator を Unmanaged(管理外) の状態に設定する必要があります。

  • Elasticsearch デプロイメントファイル。

明示的にサポート対象外とされているケースには、以下が含まれます。

  • デフォルトのログローテーションの設定。デフォルトのログローテーション設定は変更できません。
  • 収集したログの場所の設定。ログコレクターの出力ファイルの場所を変更することはできません。デフォルトは /var/log/fluentd/fluentd.log です。
  • ログコレクションのスロットリング。ログコレクターによってログが読み取られる速度を調整して減速することはできません。
  • 環境変数を使用したロギングコレクターの設定。環境変数を使用してログコレクターを変更することはできません。
  • ログコレクターによってログを正規化する方法の設定。デフォルトのログの正規化を変更することはできません。

4.10.3. 管理外の Operator のサポートポリシー

Operator の 管理状態 は、Operator が設計通りにクラスター内の関連するコンポーネントのリソースをアクティブに管理しているかどうかを定めます。Operator が unmanaged 状態に設定されている場合、これは設定の変更に応答せず、更新を受信しません。

これは非実稼働クラスターやデバッグ時に便利ですが、管理外の状態の Operator はサポートされず、クラスター管理者は個々のコンポーネント設定およびアップグレードを完全に制御していることを前提としています。

Operator は以下の方法を使用して管理外の状態に設定できます。

  • 個別の Operator 設定

    個別の Operator には、それらの設定に managementState パラメーターがあります。これは Operator に応じてさまざまな方法でアクセスできます。たとえば、Red Hat OpenShift Logging Operator は管理するカスタムリソース (CR) を変更することによってこれを実行しますが、Cluster Samples Operator はクラスター全体の設定リソースを使用します。

    managementState パラメーターを Unmanaged に変更する場合、Operator はそのリソースをアクティブに管理しておらず、コンポーネントに関連するアクションを取らないことを意味します。Operator によっては、クラスターが破損し、手動リカバリーが必要になる可能性があるため、この管理状態に対応しない可能性があります。

    警告

    個別の Operator を Unmanaged 状態に変更すると、特定のコンポーネントおよび機能がサポート対象外になります。サポートを継続するには、報告された問題を Managed 状態で再現する必要があります。

  • Cluster Version Operator (CVO) のオーバーライド

    spec.overrides パラメーターを CVO の設定に追加すると、管理者はコンポーネントについての CVO の動作に対してオーバーライドの一覧を追加できます。コンポーネントについて spec.overrides[].unmanaged パラメーターを true に設定すると、クラスターのアップグレードがブロックされ、CVO のオーバーライドが設定された後に管理者にアラートが送信されます。

    Disabling ownership via cluster version overrides prevents upgrades. Please remove overrides before continuing.
    警告

    CVO のオーバーライドを設定すると、クラスター全体がサポートされない状態になります。サポートを継続するには、オーバーライドを削除した後に、報告された問題を再現する必要があります。

第5章 リソースのログの表示

OpenShift CLI (oc) および Web コンソールを使用して、ビルド、デプロイメント、および Pod などの各種リソースのログを表示できます。

注記

リソースログは、制限されたログ表示機能を提供するデフォルトの機能です。ログの取得および表示のエクスペリエンスを強化するには、OpenShift Logging をインストールすることが推奨されます。OpenShift Logging は、ノードシステムの監査ログ、アプリケーションコンテナーログ、およびインフラストラクチャーログなどの OpenShift Container Platform クラスターからのすべてのログを専用のログストアに集計します。次に、Kibana インターフェイス を使用してログデータをクエリーし、検出し、可視化できます。リソースログは OpenShift Logging ログストアにアクセスしません。

5.1. リソースログの表示

OpenShift CLI (oc) および Web コンソールで、各種リソースのログを表示できます。ログの末尾から読み取られるログ。

前提条件

  • OpenShift CLI (oc) へのアクセス。

手順 (UI)

  1. OpenShift Container Platform コンソールで WorkloadsPods に移動するか、または調査するリソースから Pod に移動します。

    注記

    ビルドなどの一部のリソースには、直接クエリーする Pod がありません。このような場合には、リソースについて Details ページで Logs リンクを特定できます。

  2. ドロップダウンメニューからプロジェクトを選択します。
  3. 調査する Pod の名前をクリックします。
  4. Logs をクリックします。

手順 (CLI)

  • 特定の Pod のログを表示します。

    $ oc logs -f <pod_name> -c <container_name>

    ここでは、以下のようになります。

    -f
    オプション: ログに書き込まれている内容に沿って出力することを指定します。
    <pod_name>
    Pod の名前を指定します。
    <container_name>
    オプション: コンテナーの名前を指定します。Pod に複数のコンテナーがある場合、コンテナー名を指定する必要があります。

    以下に例を示します。

    $ oc logs ruby-58cd97df55-mww7r
    $ oc logs -f ruby-57f7f4855b-znl92 -c ruby

    ログファイルの内容が出力されます。

  • 特定のリソースのログを表示します。

    $ oc logs <object_type>/<resource_name> 1
    1
    リソースタイプおよび名前を指定します。

    以下に例を示します。

    $ oc logs deployment/ruby

    ログファイルの内容が出力されます。

第6章 Kibana を使用したクラスターログの表示

OpenShift Logging には、収集したログデータを視覚化するための Web コンソールが含まれます。現時点で、OpenShift Container Platform では、可視化できるように Kibana コンソールをデプロイします。

ログビジュアライザーを使用して、データで以下を実行できます。

  • Discover タブを使用してデータを検索し、参照します。
  • Visualize タブを使用してデータのグラフを表示し、データをマップします。
  • Dashboard タブを使用してカスタムダッシュボードを作成し、表示します。

Kibana インターフェイスの使用および設定については、本書では扱いません。詳細については、Kibana ドキュメント を参照してください。

注記

監査ログは、デフォルトでは内部 OpenShift Container Platform Elasticsearch インスタンスに保存されません。Kibana で監査ログを表示するには、ログ転送 API を使用して、監査ログの default 出力を使用するパイプラインを設定する必要があります。

6.1. Kibana インデックスパターンの定義

インデックスパターンは、可視化する必要のある Elasticsearch インデックスを定義します。Kibana でデータを確認し、可視化するには、インデックスパターンを作成する必要があります。

前提条件

  • Kibana で infra および audit インデックスを表示するには、ユーザーには cluster-admin ロール、 cluster-reader ロール、または両方のロールが必要です。デフォルトの kubeadmin ユーザーには、これらのインデックスを表示するための適切なパーミッションがあります。

    defaultkube- および openshift- プロジェクトで Pod およびログを表示できる場合、これらのインデックスにアクセスできるはずです。以下のコマンドを使用して、現在のユーザーが適切なパーミッションを持っているかどうかを確認することができます。

    $ oc auth can-i get pods/log -n <project>

    出力例

    yes

    注記

    監査ログは、デフォルトでは内部 OpenShift Container Platform Elasticsearch インスタンスに保存されません。Kibana で監査ログを表示するには、ログ転送 API を使用して監査ログの default 出力を使用するパイプラインを設定する必要があります。

  • Elasticsearch ドキュメントは、インデックスパターンを作成する前にインデックス化する必要があります。これは自動的に実行されますが、新規または更新されたクラスターでは数分の時間がかかる可能性があります。

手順

Kibana でインデックスパターンを定義し、ビジュアライゼーションを作成するには、以下を実行します。

  1. OpenShift Container Platform コンソールで、Application Launcher app launcher をクリックし、Logging を選択します。
  2. ManagementIndex PatternsCreate index pattern をクリックして Kibana インデックスパターンを作成します。

    • 各ユーザーは、プロジェクトのログを確認するために、Kibana に初めてログインする際にインデックスパターンを手動で作成する必要があります。ユーザーは app という名前のインデックスパターンを作成し、@timestamp 時間フィールドを使用してコンテナーログを表示する必要があります。
    • 管理ユーザーはそれぞれ、最初に Kibana にログインする際に、@timestamp 時間フィールドを使用して appinfra および audit インデックスについてインデックスパターンを作成する必要があります。
  3. 新規インデックスパターンから Kibana のビジュアライゼーション (Visualization) を作成します。

6.2. Kibana を使用したクラスターログの表示

Kibana Web コンソールでクラスターのログを表示します。Kibana でデータを表示し、可視化する方法については、本書では扱いません。詳細は、Kibana ドキュメント を参照してください。

前提条件

  • OpenShift Logging および Elasticsearch がインストールされている。
  • Kibana インデックスパターンが存在する。
  • Kibana で infra および audit インデックスを表示するには、ユーザーには cluster-admin ロール、 cluster-reader ロール、または両方のロールが必要です。デフォルトの kubeadmin ユーザーには、これらのインデックスを表示するための適切なパーミッションがあります。

    defaultkube- および openshift- プロジェクトで Pod およびログを表示できる場合、これらのインデックスにアクセスできるはずです。以下のコマンドを使用して、現在のユーザーが適切なパーミッションを持っているかどうかを確認することができます。

    $ oc auth can-i get pods/log -n <project>

    出力例

    yes

    注記

    監査ログは、デフォルトでは内部 OpenShift Container Platform Elasticsearch インスタンスに保存されません。Kibana で監査ログを表示するには、ログ転送 API を使用して監査ログの default 出力を使用するパイプラインを設定する必要があります。

手順

Kibana でログを表示するには、以下を実行します。

  1. OpenShift Container Platform コンソールで、Application Launcher app launcher をクリックし、Logging を選択します。
  2. OpenShift Container Platform コンソールにログインするために使用するものと同じ認証情報を使用してログインします。

    Kibana インターフェイスが起動します。

  3. Kibana で Discover をクリックします。
  4. 左上隅のドロップダウンメニューから作成したインデックスパターン (appaudit、または infra) を選択します。

    ログデータは、タイムスタンプ付きのドキュメントとして表示されます。

  5. タイムスタンプ付きのドキュメントの 1 つを展開します。
  6. JSON タブをクリックし、ドキュメントのログエントリーを表示します。

    例6.1 Kibana のインフラストラクチャーログエントリーのサンプル

    {
      "_index": "infra-000001",
      "_type": "_doc",
      "_id": "YmJmYTBlNDkZTRmLTliMGQtMjE3NmFiOGUyOWM3",
      "_version": 1,
      "_score": null,
      "_source": {
        "docker": {
          "container_id": "f85fa55bbef7bb783f041066be1e7c267a6b88c4603dfce213e32c1"
        },
        "kubernetes": {
          "container_name": "registry-server",
          "namespace_name": "openshift-marketplace",
          "pod_name": "redhat-marketplace-n64gc",
          "container_image": "registry.redhat.io/redhat/redhat-marketplace-index:v4.7",
          "container_image_id": "registry.redhat.io/redhat/redhat-marketplace-index@sha256:65fc0c45aabb95809e376feb065771ecda9e5e59cc8b3024c4545c168f",
          "pod_id": "8f594ea2-c866-4b5c-a1c8-a50756704b2a",
          "host": "ip-10-0-182-28.us-east-2.compute.internal",
          "master_url": "https://kubernetes.default.svc",
          "namespace_id": "3abab127-7669-4eb3-b9ef-44c04ad68d38",
          "namespace_labels": {
            "openshift_io/cluster-monitoring": "true"
          },
          "flat_labels": [
            "catalogsource_operators_coreos_com/update=redhat-marketplace"
          ]
        },
        "message": "time=\"2020-09-23T20:47:03Z\" level=info msg=\"serving registry\" database=/database/index.db port=50051",
        "level": "unknown",
        "hostname": "ip-10-0-182-28.internal",
        "pipeline_metadata": {
          "collector": {
            "ipaddr4": "10.0.182.28",
            "inputname": "fluent-plugin-systemd",
            "name": "fluentd",
            "received_at": "2020-09-23T20:47:15.007583+00:00",
            "version": "1.7.4 1.6.0"
          }
        },
        "@timestamp": "2020-09-23T20:47:03.422465+00:00",
        "viaq_msg_id": "YmJmYTBlNDktMDMGQtMjE3NmFiOGUyOWM3",
        "openshift": {
          "labels": {
            "logging": "infra"
          }
        }
      },
      "fields": {
        "@timestamp": [
          "2020-09-23T20:47:03.422Z"
        ],
        "pipeline_metadata.collector.received_at": [
          "2020-09-23T20:47:15.007Z"
        ]
      },
      "sort": [
        1600894023422
      ]
    }

第7章 ログの外部のサードパーティーロギングシステムへの転送

デフォルトで、OpenShift Logging は ClusterLogging カスタムリソースに定義されるデフォルトの内部 Elasticsearch ログストアにコンテナーおよびインフラストラクチャーログを送信します。ただし、監査ログは内部ストアに送信しません。セキュアなストレージを提供しないためです。このデフォルト設定が要件を満たす場合には、クラスターログフォワーダーを設定する必要はありません。

ログを他のログアグリゲーターに送信するには、OpenShift Container Platform クラスターログフォワーダーを使用します。この API を使用すると、コンテナー、インフラストラクチャーおよび監査ログをクラスター内外の特定のエンドポイントに送信できます。さらに、異なるタイプのログをさまざまなシステムに送信できるため、さまざまなユーザーがそれぞれのタイプにアクセスできます。また、Transport Layer Security (TLS) のサポートを有効にして、組織の要件に合わせてログを安全に送信することもできます。

注記

監査ログをデフォルトの内部 Elasticsearch ログストアに送信するには、監査ログのログストアへの転送 で説明されているようにクラスターログフォワーダーを使用します。

7.1. ログのサードパーティーシステムへの転送

クラスターログを外部サードパーティーシステムに転送するには、ClusterLogForwarder カスタムリソース (CR) に指定される 出力 および パイプライン を使用して、OpenShift Container Platform クラスター内外の特定のエンドポイントにログを送信します。入力 を使用して、特定のプロジェクトに関連付けられたアプリケーションログをエンドポイントに転送することもできます。

  • 出力 は、定義するログデータの宛先、またはログの送信先です。出力は以下のいずれかのタイプになります。

    • elasticsearch。外部 Elasticsearch インスタンス。elasticsearch 出力では、TLS 接続を使用できます。
    • fluentdForward。Fluentd をサポートする外部ログ集計ソリューション。このオプションは Fluentd forward プロトコルを使用します。fluentForward 出力は TCP または TLS 接続を使用でき、シークレットに shared_key フィールドを指定して共有キーの認証をサポートします。共有キーの認証は、TLS の有無に関係なく使用できます。
    • syslog。syslog RFC3164 または RFC5424 プロトコルをサポートする外部ログ集計ソリューション。syslog 出力は、UDP、TCP、または TLS 接続を使用できます。
    • cloudwatch.Amazon Web Services (AWS) がホストするモニターリングおよびログストレージサービスである Amazon CloudWatch。
    • loki。Loki: 水平方向にスケーラブルで可用性の高いマルチテナントログ集計システム。
    • kafka。Kafka ブローカー。kafka 出力は TCP または TLS 接続を使用できます。
    • default。内部 OpenShift Container Platform Elasticsearch インスタンス。デフォルトの出力を設定する必要はありません。default 出力を設定する場合、default 出力は Red Hat OpenShift Logging Operator 用に予約されるため、エラーメッセージが送信されます。

    出力 URL スキームに TLS(HTTPS、TLS、または UDPS) が必要な場合、TLS サーバー側の認証が有効になります。クライアント認証も有効にするには、出力で openshift-logging プロジェクトのシークレットに名前を指定する必要があります。シークレットには、tls.crttls.key、および ca-bundle.crt のキーが含まれる必要があります。これらは、それぞれが表す証明書を参照します。

  • パイプライン は、1 つのログタイプから 1 つまたは複数の出力への単純なルーティング、または送信するログを定義します。ログタイプは以下のいずれかになります。

    • application。クラスターで実行される、インフラストラクチャーコンテナーアプリケーションを除くユーザーアプリケーションによって生成されるコンテナーログ。
    • infrastructureopenshift*kube*、または default プロジェクトで実行される Pod のコンテナーログおよびノードファイルシステムから取得されるジャーナルログ。
    • auditノード監査システム、auditd、Kubernetes API サーバー、OpenShift API サーバー、および OVN ネットワークで生成される監査ログ。

    パイプラインで key:value ペアを使用すると、アウトバウンドログメッセージにラベルを追加できます。たとえば、他のデータセンターに転送されるメッセージにラベルを追加したり、タイプ別にログにラベルを付けたりすることができます。オブジェクトに追加されるラベルもログメッセージと共に転送されます。

  • 入力 は、特定のプロジェクトに関連付けられるアプリケーションログをパイプラインに転送します。

パイプラインでは、inputRef パラメーターを使用して転送するログタイプと、outputRef パラメーターを使用してログを転送する場所を定義します。

次の点に注意してください。

  • ClusterLogForwarder CR オブジェクトが存在する場合に、default 出力のあるパイプラインがない限り、ログはデフォルト Elasticsearch インスタンスに転送されません。
  • デフォルトで、OpenShift Logging は ClusterLogging カスタムリソースに定義されるデフォルトの内部 Elasticsearch ログストアにコンテナーおよびインフラストラクチャーログを送信します。ただし、監査ログは内部ストアに送信しません。セキュアなストレージを提供しないためです。このデフォルト設定が要件を満たす場合には、ログ転送 API を設定する必要はありません。
  • ログタイプのパイプラインを定義しない場合、未定義タイプのログはドロップされます。たとえば、application および audit タイプのパイプラインを指定するものの、infrastructure タイプのパイプラインを指定しない場合、infrastructure ログはドロップされます。
  • ClusterLogForwarder カスタムリソース (CR) で出力の複数のタイプを使用し、ログを複数の異なるプロトコルをサポートするサーバーに送信できます。
  • 内部 OpenShift Container Platform Elasticsearch インスタンスは、監査ログのセキュアなストレージを提供しません。監査ログを転送するシステムが組織および政府の規制に準拠しており、適切にセキュリティーが保護されていることを確認することが推奨されています。OpenShift Logging はこれらの規制に準拠しません。
  • キーやシークレット、サービスアカウント、ポートのオープン、またはグローバルプロキシー設定など、外部の宛先で必要となる可能性のある追加設定を作成し、維持する必要があります。

以下の例では、監査ログをセキュアな外部 Elasticsearch インスタンスに転送し、インフラストラクチャーログをセキュアでない外部 Elasticsearch インスタンスに、アプリケーションログを Kafka ブローカーに転送し、アプリケーションログを my-apps-logs プロジェクトから内部 Elasticsearch インスタンスに転送します。

ログ転送の出力とパイプラインのサンプル

apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
kind: ClusterLogForwarder
metadata:
  name: instance 1
  namespace: openshift-logging 2
spec:
  outputs:
   - name: elasticsearch-secure 3
     type: "elasticsearch"
     url: https://elasticsearch.secure.com:9200
     secret:
        name: elasticsearch
   - name: elasticsearch-insecure 4
     type: "elasticsearch"
     url: http://elasticsearch.insecure.com:9200
   - name: kafka-app 5
     type: "kafka"
     url: tls://kafka.secure.com:9093/app-topic
  inputs: 6
   - name: my-app-logs
     application:
        namespaces:
        - my-project
  pipelines:
   - name: audit-logs 7
     inputRefs:
      - audit
     outputRefs:
      - elasticsearch-secure
      - default
     parse: json 8
     labels:
       secure: "true" 9
       datacenter: "east"
   - name: infrastructure-logs 10
     inputRefs:
      - infrastructure
     outputRefs:
      - elasticsearch-insecure
     labels:
       datacenter: "west"
   - name: my-app 11
     inputRefs:
      - my-app-logs
     outputRefs:
      - default
   - inputRefs: 12
      - application
     outputRefs:
      - kafka-app
     labels:
       datacenter: "south"

1
ClusterLogForwarder CR の名前は instance である必要があります。
2
ClusterLogForwarder CR の namespace は openshift-logging である必要があります。
3
シークレットとセキュアな URL を使用したセキュアな Elasticsearch 出力の設定。
  • 出力を記述する名前。
  • 出力のタイプ: elasticsearch
  • 接頭辞を含む、有効な絶対 URL としての Elasticsearch インスタンスのセキュアな URL およびポート。
  • TLS 通信のエンドポイントで必要なシークレット。シークレットは openshift-logging プロジェクトに存在する必要があります。
4
非セキュアな Elasticsearch 出力の設定:
  • 出力を記述する名前。
  • 出力のタイプ: elasticsearch
  • 接頭辞を含む、有効な絶対 URL として Elasticsearch インスタンスのセキュアではない URL およびポート。
5
セキュアな URL を介したクライアント認証 TLS 通信を使用した Kafka 出力の設定
  • 出力を記述する名前。
  • 出力のタイプ: kafka
  • Kafka ブローカーの URL およびポートを、接頭辞を含む有効な絶対 URL として指定します。
6
my-project namespace からアプリケーションログをフィルターするための入力の設定。
7
監査ログをセキュアな外部 Elasticsearch インスタンスに送信するためのパイプラインの設定。
  • パイプラインを説明する名前。
  • inputRefs はログタイプです (例: audit)。
  • outputRefs は使用する出力の名前です。この例では、elasticsearch-secure はセキュアな Elasticsearch インスタンスに転送され、default は内部 Elasticsearch インスタンスに転送されます。
  • オプション: ログに追加する複数のラベル。
8
オプション: 構造化された JSON ログエントリーを structured フィールドの JSON オブジェクトとして転送するかどうかを指定します。ログエントリーに有効な構造化された JSON が含まれる必要があります。そうでない場合は、OpenShift Logging は 構造化 フィールドを削除し、代わりにログエントリーをデフォルトのインデックス app-00000x に送信します。
9
オプション: 文字列。ログに追加する 1 つまたは複数のラベル。"true" などの引用値は、ブール値としてではなく、文字列値として認識されるようにします。
10
インフラストラクチャーログをセキュアでない外部 Elasticsearch インスタンスに送信するためのパイプラインの設定。
11
my-project プロジェクトから内部 Elasticsearch インスタンスにログを送信するためのパイプラインの設定。
  • パイプラインを説明する名前。
  • inputRefs は特定の入力 my-app-logs です。
  • outputRefsdefault です。
  • オプション: 文字列。ログに追加する 1 つまたは複数のラベル。
12
パイプライン名がない場合にログを Kafka ブローカーに送信するためのパイプラインの設定。
  • inputRefs はログタイプです (例: application)。
  • outputRefs は使用する出力の名前です。
  • オプション: 文字列。ログに追加する 1 つまたは複数のラベル。

外部ログアグリゲーターが利用できない場合の Fluentd のログの処理

外部ロギングアグリゲーターが利用できず、ログを受信できない場合、Fluentd は継続してログを収集し、それらをバッファーに保存します。ログアグリゲーターが利用可能になると、バッファーされたログを含む、ログの転送が再開されます。バッファーが完全に一杯になると、Fluentd はログの収集を停止します。OpenShift Container Platform はログをローテーションし、それらを削除します。バッファーサイズを調整したり、永続ボリューム要求 (PVC) を Fluentd デーモンセットまたは Pod に追加したりすることはできません。

サポート対象の認証キー

ここでは、一般的なキータイプを示します。出力タイプは追加の特殊キーをサポートするものもあります。出力固有の設定フィールにまとめられています。すべての秘密鍵はオプションです。関連するキーを設定して、必要なセキュリティー機能を有効にします。キーやシークレット、サービスアカウント、ポートのオープン、またはグローバルプロキシー設定など、外部の宛先で必要となる可能性のある追加設定を作成し、維持する必要があります。OpenShift Logging は、認証の組み合わせ間の不一致を検証しません。

Transport Layer Security (TLS)

シークレットなしで TLSURL( 'http://…'または 'ssl://…') を使用すると、基本的な TLS サーバー側認証が有効になります。シークレットを含め、次のオプションフィールドを設定して、追加の TLS 機能を有効にします。

  • tls.crt:(文字列) クライアント証明書を含むファイル名。相互認証を有効にします。tls.key が必要です。
  • tls.key:(文字列) クライアント証明書のロックを解除するための秘密鍵を含むファイル名。tls.crt が必要です。
  • passphrase:(文字列) エンコードされた TLS 秘密鍵をデコードするためのパスフレーズ。tls.key が必要です。
  • ca-bundle.crt:(文字列) サーバー認証用のカスタマー CA のファイル名。
ユーザー名およびパスワード
  • username:(文字列) 認証ユーザー名。パスワード が必要です。
  • password:(文字列) 認証パスワード。ユーザー名 が必要です。
Simple Authentication Security Layer (SASL)
  • sasl.enable(boolean)SASL を明示的に有効または無効にします。ない場合には、SASL は、他の sasl. キーが設定されている場合に自動的に有効になります。
  • sasl.mechanisms:(配列) 許可された SASL メカニズム名のリスト。欠落しているか空の場合には、システムのデフォルトが使用されます。
  • sasl.allow-insecure:(ブール値) クリアテキストのパスワードを送信するメカニズムを許可します。デフォルトは false です。

7.1.1. シークレットの作成

次のコマンドを使用して、証明書とキーファイルを含むディレクトリーにシークレットを作成できます。

$ oc create secret generic -n openshift-logging <my-secret> \
 --from-file=tls.key=<your_key_file>
 --from-file=tls.crt=<your_crt_file>
 --from-file=ca-bundle.crt=<your_bundle_file>
 --from-literal=username=<your_username>
 --from-literal=password=<your_password>
注記

最良の結果を得るには、一般的な秘密または不透明なシークレットをお勧めします。

7.2. OpenShift Logging 5.1 でサポートされるログデータ出力タイプ

Red Hat OpenShift Logging 5.1 は、ログデータをターゲットログコレクターに送信するために以下の出力タイプおよびプロトコルを提供します。

Red Hat は、以下の表に記載されているそれぞれの組み合わせをテストします。ただし、これらのプロトコルを取り込むより広範囲のターゲットログコレクターにログデータを送信できるはずです。

出力のタイププロトコルテストで使用

elasticsearch

elasticsearch

Elasticsearch 6.8.1

Elasticsearch 6.8.4

Elasticsearch 7.12.2

fluentdForward

fluentd forward v1

fluentd 1.7.4

logstash 7.10.1

kafka

kafka 0.11

kafka 2.4.1

kafka 2.7.0

syslog

RFC-3164、RFC-5424

rsyslog-8.39.0

注記

以前のバージョンでは、syslog 出力は RFC-3164 でのみサポートされました。現在の syslog 出力では RFC-5424 のサポートを追加します。

7.3. OpenShift Logging 5.2 でサポートされるログデータ出力タイプ

Red Hat OpenShift Logging バージョン 5.2 は、ログデータをターゲットログコレクターに送信するために以下の出力タイプおよびプロトコルを提供します。

Red Hat は、以下の表に記載されているそれぞれの組み合わせをテストします。ただし、これらのプロトコルを取り込むより広範囲のターゲットログコレクターにログデータを送信できるはずです。

出力のタイププロトコルテストで使用

Amazon CloudWatch

REST over HTTPS

Amazon CloudWatch の現行バージョン

elasticsearch

elasticsearch

Elasticsearch 6.8.1

Elasticsearch 6.8.4

Elasticsearch 7.12.2

fluentdForward

fluentd forward v1

fluentd 1.7.4

logstash 7.10.1

Loki

REST over HTTP and HTTPS

OCP および Grafana ラボにデプロイされた loki 2.3.0

kafka

kafka 0.11

kafka 2.4.1

kafka 2.7.0

syslog

RFC-3164、RFC-5424

rsyslog-8.39.0

7.4. OpenShift Logging 5.3 でサポートされるログデータ出力タイプ

Red Hat OpenShift Logging 5.3 は、ログデータをターゲットログコレクターに送信するために以下の出力タイプおよびプロトコルを提供します。

Red Hat は、以下の表に記載されているそれぞれの組み合わせをテストします。ただし、これらのプロトコルを取り込むより広範囲のターゲットログコレクターにログデータを送信できるはずです。

出力のタイププロトコルテストで使用

Amazon CloudWatch

REST over HTTPS

Amazon CloudWatch の現行バージョン

elasticsearch

elasticsearch

Elasticsearch 7.10.1

fluentdForward

fluentd forward v1

fluentd 1.7.4

logstash 7.10.1

Loki

REST over HTTP and HTTPS

OCP にデプロイされた Loki 2.2.1

kafka

kafka 0.11

kafka 2.7.0

syslog

RFC-3164、RFC-5424

rsyslog-8.39.0

7.5. OpenShift Logging 5.4 でサポートされるログデータ出力タイプ

Red Hat OpenShift Logging 5.4 は、ログデータをターゲットログコレクターに送信するために以下の出力タイプおよびプロトコルを提供します。

Red Hat は、以下の表に記載されているそれぞれの組み合わせをテストします。ただし、これらのプロトコルを取り込むより広範囲のターゲットログコレクターにログデータを送信できるはずです。

出力のタイププロトコルテストで使用

Amazon CloudWatch

REST over HTTPS

Amazon CloudWatch の現行バージョン

elasticsearch

elasticsearch

Elasticsearch 7.10.1

fluentdForward

fluentd forward v1

fluentd 1.14.5

logstash 7.10.1

Loki

REST over HTTP and HTTPS

OCP にデプロイされた Loki 2.2.1

kafka

kafka 0.11

kafka 2.7.0

syslog

RFC-3164、RFC-5424

rsyslog-8.39.0

7.6. OpenShift Logging 5.5 でサポートされるログデータ出力タイプ

Red Hat OpenShift Logging 5.5 は、ログデータをターゲットログコレクターに送信するために以下の出力タイプおよびプロトコルを提供します。

Red Hat は、以下の表に記載されているそれぞれの組み合わせをテストします。ただし、これらのプロトコルを取り込むより広範囲のターゲットログコレクターにログデータを送信できるはずです。

出力のタイププロトコルテストで使用

Amazon CloudWatch

REST over HTTPS

Amazon CloudWatch の現行バージョン

elasticsearch

elasticsearch

Elasticsearch 7.10.1

fluentdForward

fluentd forward v1

fluentd 1.14.6

logstash 7.10.1

Loki

REST over HTTP and HTTPS

OCP にデプロイされた Loki 2.5.0

kafka

kafka 0.11

kafka 2.7.0

syslog

RFC-3164、RFC-5424

rsyslog-8.39.0

7.7. OpenShift Logging 5.6 でサポートされるログデータ出力タイプ

Red Hat OpenShift Logging 5.6 は、ログデータをターゲットログコレクターに送信するために以下の出力タイプおよびプロトコルを提供します。

Red Hat は、以下の表に記載されているそれぞれの組み合わせをテストします。ただし、これらのプロトコルを取り込むより広範囲のターゲットログコレクターにログデータを送信できるはずです。

出力のタイププロトコルテストで使用

Amazon CloudWatch

REST over HTTPS

Amazon CloudWatch の現行バージョン

elasticsearch

elasticsearch

Elasticsearch 6.8.23

Elasticsearch 7.10.1

Elasticsearch 8.6.1

fluentdForward

fluentd forward v1

fluentd 1.14.6

logstash 7.10.1

Loki

REST over HTTP and HTTPS

OCP にデプロイされた Loki 2.5.0

kafka

kafka 0.11

kafka 2.7.0

syslog

RFC-3164、RFC-5424

rsyslog-8.39.0

重要

Fluentd は、5.6.2 の時点で Elasticsearch 8 をサポートしていません。Vector は、5.7.0 より前の fluentd/logstash/rsyslog をサポートしていません。

7.8. 外部 Elasticsearch インスタンスへのログの送信

オプションで、内部 OpenShift Container Platform Elasticsearch インスタンスに加えて、またはその代わりに外部 Elasticsearch インスタンスにログを転送できます。外部ログアグリゲーターを OpenShift Container Platform からログデータを受信するように設定する必要があります。

外部 Elasticsearch インスタンスへのログ転送を設定するには、そのインスタンスへの出力および出力を使用するパイプラインで ClusterLogForwarder カスタムリソース (CR) を作成する必要があります。外部 Elasticsearch 出力では、HTTP(セキュアでない) または HTTPS(セキュアな HTTP) 接続を使用できます。

外部 Elasticsearch インスタンスと内部 Elasticsearch インスタンスの両方にログを転送するには、出力および外部インスタンスへのパイプライン、および default 出力を使用してログを内部インスタンスに転送するパイプラインを作成します。default 出力を作成する必要はありません。default 出力を設定する場合、default 出力は Red Hat OpenShift Logging Operator 用に予約されるため、エラーメッセージが送信されます。

注記

ログを内部 OpenShift Container Platform Elasticsearch インスタンス のみ に転送する必要がある場合は、ClusterLogForwarder CR を作成する必要はありません。

前提条件

  • 指定されたプロトコルまたは形式を使用してロギングデータを受信するように設定されたロギングサーバーが必要です。

手順

  1. ClusterLogForwarder CR オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成または編集します。

    apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
    kind: ClusterLogForwarder
    metadata:
      name: instance 1
      namespace: openshift-logging 2
    spec:
      outputs:
       - name: elasticsearch-insecure 3
         type: "elasticsearch" 4
         url: http://elasticsearch.insecure.com:9200 5
       - name: elasticsearch-secure
         type: "elasticsearch"
         url: https://elasticsearch.secure.com:9200 6
         secret:
            name: es-secret 7
      pipelines:
       - name: application-logs 8
         inputRefs: 9
         - application
         - audit
         outputRefs:
         - elasticsearch-secure 10
         - default 11
         parse: json 12
         labels:
           myLabel: "myValue" 13
       - name: infrastructure-audit-logs 14
         inputRefs:
         - infrastructure
         outputRefs:
         - elasticsearch-insecure
         labels:
           logs: "audit-infra"
    1
    ClusterLogForwarder CR の名前は instance である必要があります。
    2
    ClusterLogForwarder CR の namespace は openshift-logging である必要があります。
    3
    出力の名前を指定します。
    4
    elasticsearch タイプを指定します。
    5
    外部 Elasticsearch インスタンスの URL およびポートを有効な絶対 URL として指定します。http (セキュアでない) プロトコルまたは https (セキュアな HTTP) プロトコルを使用できます。CIDR アノテーションを使用するクラスター全体のプロキシーが有効になっている場合、出力は IP アドレスではなくサーバー名または FQDN である必要があります。
    6
    セキュアな接続では、シークレット を指定して、認証する https または http URL を指定できます。
    7
    https 接頭辞の場合には、TLS 通信のエンドポイントに必要なシークレットの名前を指定します。シークレットは openshift-logging プロジェクトに存在し、tls.crttls.key および ca-bundle.crt のキーが含まれる必要があります。これらは、それぞれが表す証明書を参照します。それ以外の場合は、http および https 接頭辞の場合は、ユーザー名とパスワードを含むシークレットを指定できます。詳細は、Example: Setting secret that contains a username and password.を参照してください。
    8
    オプション: パイプラインの名前を指定します。
    9
    パイプラインを使用して転送するログタイプ (applicationinfrastructure または audit) を指定します。
    10
    このパイプラインでログを転送する時に使用する出力の名前を指定します。
    11
    オプション: ログを内部 Elasticsearch インスタンスに送信するために default 出力を指定します。
    12
    オプション: 構造化された JSON ログエントリーを structured フィールドの JSON オブジェクトとして転送するかどうかを指定します。ログエントリーに有効な構造化された JSON が含まれる必要があります。そうでない場合は、OpenShift Logging は 構造化 フィールドを削除し、代わりにログエントリーをデフォルトのインデックス app-00000x に送信します。
    13
    オプション: 文字列。ログに追加する 1 つまたは複数のラベル。
    14
    オプション: サポートされるタイプの他の外部ログアグリゲーターにログを転送するように複数の出力を設定します。
    • パイプラインを説明する名前。
    • inputRefs は、そのパイプラインを使用して転送するログタイプです (applicationinfrastructure、または audit)。
    • outputRefs は使用する出力の名前です。
    • オプション: 文字列。ログに追加する 1 つまたは複数のラベル。
  2. CR オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f <file-name>.yaml

例: ユーザー名とパスワードを含むシークレットの設定

ユーザー名とパスワードを含むシークレットを使用して、外部 Elasticsearch インスタンスへのセキュアな接続を認証できます。

たとえば、サードパーティーが Elasticsearch インスタンスを操作するため、相互 TLS (mTLS) キーを使用できない場合に、HTTP または HTTPS を使用してユーザー名とパスワードを含むシークレットを設定できます。

  1. 以下の例のような Secret YAML ファイルを作成します。username および password フィールドに base64 でエンコードされた値を使用します。シークレットタイプはデフォルトで不透明です。

    apiVersion: v1
    kind: Secret
    metadata:
      name: openshift-test-secret
    data:
      username: dGVzdHVzZXJuYW1lCg==
      password: dGVzdHBhc3N3b3JkCg==
  2. シークレットを作成します。

    $ oc create secret -n openshift-logging openshift-test-secret.yaml
  3. ClusterLogForwarder CR にシークレットの名前を指定します。

    kind: ClusterLogForwarder
    metadata:
      name: instance
      namespace: openshift-logging
    spec:
      outputs:
       - name: elasticsearch
         type: "elasticsearch"
         url: https://elasticsearch.secure.com:9200
         secret:
            name: openshift-test-secret
    注記

    url フィールドの値では、接頭辞は http または https になります。

  4. CR オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f <file-name>.yaml

7.9. Fluentd 転送プロトコルを使用したログの転送

Fluentd forward プロトコルを使用して、デフォルトの Elasticsearch ログストアの代わり、またはこれに加えてプロトコルを受け入れるように設定された外部ログアグリゲーターにログのコピーを送信できます。外部ログアグリゲーターを OpenShift Container Platform からログを受信するように設定する必要があります。

forward プロトコルを使用してログ転送を設定するには、Fluentd サーバーに対する 1 つ以上の出力およびそれらの出力を使用するパイプラインと共に ClusterLogForwarder カスタムリース (CR) を作成します。Fluentd の出力は TCP(セキュアでない) または TLS(セキュアな TCP) 接続を使用できます。

注記

または、設定マップを使用して 転送 プロトコルを使用してログを転送することもできます。ただし、この方法は OpenShift Container Platform では非推奨となり、今後のリリースで取り除かれます。

前提条件

  • 指定されたプロトコルまたは形式を使用してロギングデータを受信するように設定されたロギングサーバーが必要です。

手順

  1. ClusterLogForwarder CR オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成または編集します。

    apiVersion: logging.openshift.io/v1
    kind: ClusterLogForwarder
    metadata:
      name: instance 1
      namespace: openshift-logging 2
    spec:
      outputs:
       - name: fluentd-server-secure 3
         type: fluentdForward 4
         url: 'tls://fluentdserver.security.example.com:24224' 5
         secret: 6
            name: fluentd-secret
       - name: fluentd-server-insecure
         type: fluentdForward
         url: 'tcp://fluentdserver.home.example.com:24224'
      pipelines:
       - name: forward-to-fluentd-secure 7
         inputRefs:  8
         - application
         - audit
         outputRefs:
         - fluentd-server-secure 9
         - default 10
         parse: json 11
         labels:
           clusterId: "C1234" 12
       - name: forward-to-fluentd-insecure 13
         inputRefs:
         - infrastructure
         outputRefs:
         - fluentd-server-insecure
         labels:
           clusterId: "C1234"
    1
    ClusterLogForwarder CR の名前は instance である必要があります。
    2
    ClusterLogForwarder CR の namespace は openshift-logging である必要があります。
    3
    出力の名前を指定します。
    4
    fluentdForward タイプを指定します。
    5
    外部 Fluentd インスタンスの URL およびポートを有効な絶対 URL として指定します。tcp (セキュアでない) プロトコルまたは tls (セキュアな TCP) プロトコルを使用できます。CIDR アノテーションを使用するクラスター全体のプロキシーが有効になっている場合、出力は IP アドレスではなくサーバー名または FQDN である必要があります。
    6
    tls 接頭辞を使用する場合、TLS 通信のエンドポイントに必要なシークレットの名前を指定する必要があります。シークレットは openshift-logging プロジェクトに存在し、tls.crttls.key および ca-bundle.crt のキーが含まれる必要があります。これらは、それぞれが表す証明書を参照します。それ以外の場合は、http および https 接頭辞の場合は、ユーザー名とパスワードを含むシークレットを指定できます。詳細は、Example: Setting secret that contains a username and password.を参照してください。
    7
    オプション: パイプラインの名前を指定します。
    8
    パイプラインを使用して転送するログタイプ (applicationinfrastructure または audit) を指定します。
    9
    このパイプラインでログを転送する時に使用する出力の名前を指定します。
    10
    オプション: ログを内部 Elasticsearch インスタンスに転送するために default 出力を指定します。
    11
    オプション: 構造化された JSON ログエントリーを structured フィールドの JSON オブジェクトとして転送するかどうかを指定します。ログエントリーに有効な構造化された JSON が含まれる必要があります。そうでない場合は、OpenShift Logging は 構造化 フィールドを削除し、代わりにログエントリーをデフォルトのインデックス app-00000x に送信します。
    12
    オプション: 文字列。ログに追加する 1 つまたは複数のラベル。
    13
    オプション: サポートされるタイプの他の外部ログアグリゲーターにログを転送するように複数の出力を設定します。
    • パイプラインを説明する名前。
    • inputRefs は、そのパイプラインを使用して転送するログタイプです (applicationinfrastructure、または audit)。
    • outputRefs は使用する出力の名前です。
    • オプション: 文字列。ログに追加する 1 つまたは複数のラベル。
  2. CR オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f <file-name>.yaml

7.9.1. Logstash が fluentd からデータを取り込むためのナノ秒精度の有効化

Logstash が fluentd からログデータを取り込むには、Logstash 設定ファイルでナノ秒精度を有効にする必要があります。

手順

  • Logstash 設定ファイルで、nanosecond_precisiontrue に設定します。

Logstash 設定ファイルの例

input { tcp { codec => fluent { nanosecond_precision => true } port => 24114 } }
filter { }
output { stdout { codec => rubydebug } }

7.10. syslog プロトコルを使用したログの転送

syslog RFC3164 または RFC5424 プロトコルを使用して、デフォルトの Elasticsearch ログストアの代わり、またはこれに加えてプロトコルを受け入れるように設定された外部ログアグリゲーターにログのコピーを送信できます。syslog サーバーなど、外部ログアグリゲーターを OpenShift Container Platform からログを受信するように設定する必要があります。

syslog プロトコルを使用してログ転送を設定するには、syslog サーバーに対する 1 つ以上の出力およびそれらの出力を使用するパイプラインと共に ClusterLogForwarder カスタムリース (CR) を作成します。syslog 出力では、UDP、TCP、または TLS 接続を使用できます。

注記

または、設定マップを使用して syslog RFC3164 プロトコルを使用してログを転送することもできます。ただし、この方法は OpenShift Container Platform では非推奨となり、今後のリリースで取り除かれます。

前提条件

  • 指定されたプロトコルまたは形式を使用してロギングデータを受信するように設定されたロギングサーバーが必要です。

手順

  1. ClusterLogForwarder CR オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成または編集します。

    apiVersion: logging.openshift.io/v1
    kind: ClusterLogForwarder
    metadata:
      name: instance 1
      namespace: openshift-logging 2
    spec:
      outputs:
       - name: rsyslog-east 3
         type: syslog 4
         syslog: 5
           facility: local0
           rfc: RFC3164
           payloadKey: message
           severity: informational
         url: 'tls://rsyslogserver.east.example.com:514' 6
         secret: 7
            name: syslog-secret
       - name: rsyslog-west
         type: syslog
         syslog:
          appName: myapp
          facility: user
          msgID: mymsg
          procID: myproc
          rfc: RFC5424
          severity: debug
         url: 'udp://rsyslogserver.west.example.com:514'
      pipelines:
       - name: syslog-east 8
         inputRefs: 9
         - audit
         - application
         outputRefs: 10
         - rsyslog-east
         - default 11
         parse: json 12
         labels:
           secure: "true" 13
           syslog: "east"
       - name: syslog-west 14
         inputRefs:
         - infrastructure
         outputRefs:
         - rsyslog-west
         - default
         labels:
           syslog: "west"
    1
    ClusterLogForwarder CR の名前は instance である必要があります。
    2
    ClusterLogForwarder CR の namespace は openshift-logging である必要があります。
    3
    出力の名前を指定します。
    4
    syslog タイプを指定します。
    5
    オプション: 以下に一覧表示されている syslog パラメーターを指定します。
    6
    外部 syslog インスタンスの URL およびポートを指定します。udp (セキュアでない)、tcp (セキュアでない) プロトコル、または tls (セキュアな TCP) プロトコルを使用できます。CIDR アノテーションを使用するクラスター全体のプロキシーが有効になっている場合、出力は IP アドレスではなくサーバー名または FQDN である必要があります。
    7
    tls 接頭辞を使用する場合、TLS 通信のエンドポイントに必要なシークレットの名前を指定する必要があります。シークレットは openshift-logging プロジェクトに存在し、tls.crttls.key および ca-bundle.crt のキーが含まれる必要があります。これらは、それぞれが表す証明書を参照します。
    8
    オプション: パイプラインの名前を指定します。
    9
    パイプラインを使用して転送するログタイプ (applicationinfrastructure または audit) を指定します。
    10
    このパイプラインでログを転送する時に使用する出力の名前を指定します。
    11
    オプション: ログを内部 Elasticsearch インスタンスに転送するために default 出力を指定します。
    12
    オプション: 構造化された JSON ログエントリーを structured フィールドの JSON オブジェクトとして転送するかどうかを指定します。ログエントリーに有効な構造化された JSON が含まれる必要があります。そうでない場合は、OpenShift Logging は 構造化 フィールドを削除し、代わりにログエントリーをデフォルトのインデックス app-00000x に送信します。
    13
    オプション: 文字列。ログに追加する 1 つまたは複数のラベル。"true" などの引用値は、ブール値としてではなく、文字列値として認識されるようにします。
    14
    オプション: サポートされるタイプの他の外部ログアグリゲーターにログを転送するように複数の出力を設定します。
    • パイプラインを説明する名前。
    • inputRefs は、そのパイプラインを使用して転送するログタイプです (applicationinfrastructure、または audit)。
    • outputRefs は使用する出力の名前です。
    • オプション: 文字列。ログに追加する 1 つまたは複数のラベル。
  2. CR オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f <file-name>.yaml

7.10.1. メッセージ出力へのログソース情報の追加

AddLogSource フィールドを ClusterLogForwarder カスタムリソース (CR) に追加することで、namespace_namepod_name、および container_name 要素をレコードの メッセージ フィールドに追加できます。

  spec:
    outputs:
    - name: syslogout
      syslog:
        addLogSource: true
        facility: user
        payloadKey: message
        rfc: RFC3164
        severity: debug
        tag: mytag
      type: syslog
      url: tls://syslog-receiver.openshift-logging.svc:24224
    pipelines:
    - inputRefs:
      - application
      name: test-app
      outputRefs:
      - syslogout
注記

この設定は、RFC3164 と RFC5424 の両方と互換性があります。

AddLogSource を使用しない場合の syslog メッセージ出力の例

<15>1 2020-11-15T17:06:14+00:00 fluentd-9hkb4 mytag - - -  {"msgcontent"=>"Message Contents", "timestamp"=>"2020-11-15 17:06:09", "tag_key"=>"rec_tag", "index"=>56}

AddLogSource を使用した syslog メッセージ出力の例

<15>1 2020-11-16T10:49:37+00:00 crc-j55b9-master-0 mytag - - -  namespace_name=clo-test-6327,pod_name=log-generator-ff9746c49-qxm7l,container_name=log-generator,message={"msgcontent":"My life is my message", "timestamp":"2020-11-16 10:49:36", "tag_key":"rec_tag", "index":76}

7.10.2. syslog パラメーター

syslog 出力には、以下を設定できます。詳細は、syslog の RFC3164 または RFC5424 RFC を参照してください。

  • facility: syslog ファシリティー。値には 10 進数の整数または大文字と小文字を区別しないキーワードを使用できます。

    • カーネルメッセージの場合、0 または kern
    • ユーザーレベルのメッセージの場合、1 または user。デフォルトです。
    • メールシステムの場合、2 または mail
    • システムデーモンの場合、3 または daemon
    • セキュリティー/認証メッセージの場合、4 または auth
    • syslogd によって内部に生成されるメッセージの場合、5 または syslog
    • ラインプリンターサブシステムの場合、6 または lpr
    • ネットワーク news サブシステムの場合、7 または news
    • UUCP サブシステムの場合、8 または uucp
    • クロックデーモンの場合、9 または cron
    • セキュリティー認証メッセージの場合、10 または authpriv
    • FTP デーモンの場合、11 または ftp
    • NTP サブシステムの場合、12 または ntp
    • syslog 監査ログの場合、13 または security
    • syslog アラートログの場合、14 または console
    • スケジューリングデーモンの場合、15 または solaris-cron
    • ローカルに使用される facility の場合、1623 または local0local7
  • オプション: payloadKey: syslog メッセージのペイロードとして使用するレコードフィールド。

    注記

    payloadKey パラメーターを設定すると、他のパラメーターが syslog に転送されなくなります。

  • rfc: syslog を使用してログを送信するために使用される RFC。デフォルトは RFC5424 です。
  • severity: 送信 syslog レコードに設定される syslog の重大度。値には 10 進数の整数または大文字と小文字を区別しないキーワードを使用できます。

    • システムが使用不可であることを示すメッセージの場合、0 または Emergency
    • 即時にアクションを実行する必要があることを示すメッセージの場合、1 または Alert
    • 重大な状態を示すメッセージの場合、2 または Critical
    • エラーの状態を示すメッセージの場合、3 または Error
    • 警告状態を示すメッセージの場合は、4 または Warning
    • 正常であるが重要な状態を示すメッセージの場合は、5 または Notice
    • 情報を提供するメッセージの場合は、6 または Informational
    • デバッグレベルのメッセージを示唆するメッセージの場合、7 または Debug。デフォルトです。
  • tag: タグは、syslog メッセージでタグとして使用するレコードフィールドを指定します。
  • trimPrefix: 指定された接頭辞をタグから削除します。

7.10.3. 追加の RFC5424 syslog パラメーター

以下のパラメーターは RFC5424 に適用されます。

  • appName: APP-NAME は、ログを送信したアプリケーションを識別するフリーテキストの文字列です。RFC5424 に対して指定する必要があります。
  • msgID: MSGID は、メッセージのタイプを識別するフリーテキスト文字列です。RFC5424 に対して指定する必要があります。
  • procID: PROCID はフリーテキスト文字列です。値が変更される場合は、syslog レポートが中断していることを示します。RFC5424 に対して指定する必要があります。

7.11. ログの Amazon CloudWatch への転送

Amazon Web Services (AWS) がホストするモニターリングおよびログストレージサービスである Amazon CloudWatch にログを転送できます。デフォルトの OpenShift Logging が管理する Elasticsearch ログストアに加えて、またはこのログストアの代わりに CloudWatch にログを転送できます。

CloudWatch へのログ転送を設定するには、CloudWatch の出力および出力を使用するパイプラインで ClusterLogForwarder カスタムリソース (CR) を作成する必要があります。

手順

  1. aws_access_key_id および aws_secret_access_key フィールドを使用する Secret YAML ファイルを作成し、base64 でエンコードされた AWS 認証情報を指定します。以下に例を示します。

    apiVersion: v1
    kind: Secret
    metadata:
      name: cw-secret
      namespace: openshift-logging
    data:
      aws_access_key_id: QUtJQUlPU0ZPRE5ON0VYQU1QTEUK
      aws_secret_access_key: d0phbHJYVXRuRkVNSS9LN01ERU5HL2JQeFJmaUNZRVhBTVBMRUtFWQo=
  2. シークレットを作成します。以下に例を示します。

    $ oc apply -f cw-secret.yaml
  3. ClusterLogForwarder CR オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成または編集します。このファイルに、シークレットの名前を指定します。以下に例を示します。

    apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
    kind: ClusterLogForwarder
    metadata:
      name: instance 1
      namespace: openshift-logging 2
    spec:
      outputs:
       - name: cw 3
         type: cloudwatch 4
         cloudwatch:
           groupBy: logType 5
           groupPrefix: <group prefix> 6
           region: us-east-2 7
         secret:
            name: cw-secret 8
      pipelines:
        - name: infra-logs 9
          inputRefs: 10
            - infrastructure
            - audit
            - application
          outputRefs:
            - cw 11
    1
    ClusterLogForwarder CR の名前は instance である必要があります。
    2
    ClusterLogForwarder CR の namespace は openshift-logging である必要があります。
    3
    出力の名前を指定します。
    4
    cloudwatch タイプを指定します。
    5
    オプション: ログをグループ化する方法を指定します。
    • logType は、ログタイプごとにロググループを作成します。
    • namespaceName は、アプリケーションの namespace ごとにロググループを作成します。また、インフラストラクチャーおよび監査ログ用の個別のロググループも作成します。
    • namespaceUUID は、アプリケーション namespace UUID ごとに新しいロググループを作成します。また、インフラストラクチャーおよび監査ログ用の個別のロググループも作成します。
    6
    オプション: ロググループの名前に含まれるデフォルトの infrastructureName 接頭辞を置き換える文字列を指定します。
    7
    AWS リージョンを指定します。
    8
    AWS 認証情報が含まれるシークレットの名前を指定します。
    9
    オプション: パイプラインの名前を指定します。
    10
    パイプラインを使用して転送するログタイプ (applicationinfrastructure または audit) を指定します。
    11
    このパイプラインでログを転送する時に使用する出力の名前を指定します。
  4. CR オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f <file-name>.yaml

例: Amazon CloudWatch での ClusterLogForwarder の使用

ここでは、ClusterLogForwarder カスタムリソース (CR) のサンプルと、Amazon CloudWatch に出力するログデータが表示されます。

mycluster という名前の OpenShift Container Platform クラスターを実行しているとします。以下のコマンドは、クラスターの infrastructureName を返します。これは、後で aws コマンドの作成に使用します。

$ oc get Infrastructure/cluster -ojson | jq .status.infrastructureName
"mycluster-7977k"

この例のログデータを生成するには、app という名前の namespace で busybox pod を実行します。busybox pod は、3 秒ごとに stdout にメッセージを書き込みます。

$ oc run busybox --image=busybox -- sh -c 'while true; do echo "My life is my message"; sleep 3; done'
$ oc logs -f busybox
My life is my message
My life is my message
My life is my message
...

busybox pod が実行される app namespace の UUID を検索できます。

$ oc get ns/app -ojson | jq .metadata.uid
"794e1e1a-b9f5-4958-a190-e76a9b53d7bf"

ClusterLogForwarder カスタムリソース (CR) で、インフラストラクチャー監査、および アプリケーションログ タイプを all-logs パイプラインへの入力として設定します。また、このパイプラインを cw 出力に接続し、us-east-2 リージョンの CloudWatch インスタンスに転送します。

apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
kind: ClusterLogForwarder
metadata:
  name: instance
  namespace: openshift-logging
spec:
  outputs:
   - name: cw
     type: cloudwatch
     cloudwatch:
       groupBy: logType
       region: us-east-2
     secret:
        name: cw-secret
  pipelines:
    - name: all-logs
      inputRefs:
        - infrastructure
        - audit
        - application
      outputRefs:
        - cw

CloudWatch の各リージョンには、3 つのレベルのオブジェクトが含まれます。

  • ロググループ

    • ログストリーム

      • ログイベント

ClusterLogForwarding CR の groupBy: logType の場合に、inputRefs にある 3 つのログタイプで Amazon Cloudwatch に 3 つのロググループを生成します。

$ aws --output json logs describe-log-groups | jq .logGroups[].logGroupName
"mycluster-7977k.application"
"mycluster-7977k.audit"
"mycluster-7977k.infrastructure"

各ロググループにはログストリームが含まれます。

$ aws --output json logs describe-log-streams --log-group-name mycluster-7977k.application | jq .logStreams[].logStreamName
"kubernetes.var.log.containers.busybox_app_busybox-da085893053e20beddd6747acdbaf98e77c37718f85a7f6a4facf09ca195ad76.log"
$ aws --output json logs describe-log-streams --log-group-name mycluster-7977k.audit | jq .logStreams[].logStreamName
"ip-10-0-131-228.us-east-2.compute.internal.k8s-audit.log"
"ip-10-0-131-228.us-east-2.compute.internal.linux-audit.log"
"ip-10-0-131-228.us-east-2.compute.internal.openshift-audit.log"
...
$ aws --output json logs describe-log-streams --log-group-name mycluster-7977k.infrastructure | jq .logStreams[].logStreamName
"ip-10-0-131-228.us-east-2.compute.internal.kubernetes.var.log.containers.apiserver-69f9fd9b58-zqzw5_openshift-oauth-apiserver_oauth-apiserver-453c5c4ee026fe20a6139ba6b1cdd1bed25989c905bf5ac5ca211b7cbb5c3d7b.log"
"ip-10-0-131-228.us-east-2.compute.internal.kubernetes.var.log.containers.apiserver-797774f7c5-lftrx_openshift-apiserver_openshift-apiserver-ce51532df7d4e4d5f21c4f4be05f6575b93196336be0027067fd7d93d70f66a4.log"
"ip-10-0-131-228.us-east-2.compute.internal.kubernetes.var.log.containers.apiserver-797774f7c5-lftrx_openshift-apiserver_openshift-apiserver-check-endpoints-82a9096b5931b5c3b1d6dc4b66113252da4a6472c9fff48623baee761911a9ef.log"
...

各ログストリームにはログイベントが含まれます。busybox Pod からログイベントを表示するには、application ロググループからログストリームを指定します。

$ aws logs get-log-events --log-group-name mycluster-7977k.application --log-stream-name kubernetes.var.log.containers.busybox_app_busybox-da085893053e20beddd6747acdbaf98e77c37718f85a7f6a4facf09ca195ad76.log
{
    "events": [
        {
            "timestamp": 1629422704178,
            "message": "{\"docker\":{\"container_id\":\"da085893053e20beddd6747acdbaf98e77c37718f85a7f6a4facf09ca195ad76\"},\"kubernetes\":{\"container_name\":\"busybox\",\"namespace_name\":\"app\",\"pod_name\":\"busybox\",\"container_image\":\"docker.io/library/busybox:latest\",\"container_image_id\":\"docker.io/library/busybox@sha256:0f354ec1728d9ff32edcd7d1b8bbdfc798277ad36120dc3dc683be44524c8b60\",\"pod_id\":\"870be234-90a3-4258-b73f-4f4d6e2777c7\",\"host\":\"ip-10-0-216-3.us-east-2.compute.internal\",\"labels\":{\"run\":\"busybox\"},\"master_url\":\"https://kubernetes.default.svc\",\"namespace_id\":\"794e1e1a-b9f5-4958-a190-e76a9b53d7bf\",\"namespace_labels\":{\"kubernetes_io/metadata_name\":\"app\"}},\"message\":\"My life is my message\",\"level\":\"unknown\",\"hostname\":\"ip-10-0-216-3.us-east-2.compute.internal\",\"pipeline_metadata\":{\"collector\":{\"ipaddr4\":\"10.0.216.3\",\"inputname\":\"fluent-plugin-systemd\",\"name\":\"fluentd\",\"received_at\":\"2021-08-20T01:25:08.085760+00:00\",\"version\":\"1.7.4 1.6.0\"}},\"@timestamp\":\"2021-08-20T01:25:04.178986+00:00\",\"viaq_index_name\":\"app-write\",\"viaq_msg_id\":\"NWRjZmUyMWQtZjgzNC00MjI4LTk3MjMtNTk3NmY3ZjU4NDk1\",\"log_type\":\"application\",\"time\":\"2021-08-20T01:25:04+00:00\"}",
            "ingestionTime": 1629422744016
        },
...

例: ロググループ名の接頭辞のカスタマイズ

ロググループ名では、デフォルトの infrastructureName 接頭辞 mycluster-7977kdemo-group-prefix のように任意の文字列に置き換えることができます。この変更を加えるには、ClusterLogForwarding CR の groupPrefix フィールドを更新します。

cloudwatch:
    groupBy: logType
    groupPrefix: demo-group-prefix
    region: us-east-2

groupPrefix の値は、デフォルトの infrastructureName 接頭辞を置き換えます。

$ aws --output json logs describe-log-groups | jq .logGroups[].logGroupName
"demo-group-prefix.application"
"demo-group-prefix.audit"
"demo-group-prefix.infrastructure"

例: アプリケーションの namespace 名をもとにロググループの命名

クラスター内のアプリケーション namespace ごとに、名前がアプリケーション namespace 名をもとにする CloudWatch にロググループを作成できます。

アプリケーションの namespace オブジェクトを削除して、同じ名前の新しいオブジェクトを作成する場合には、CloudWatch は以前と同じロググループを使用し続けます。

相互に名前が同じアプリケーション namespace オブジェクトを引き継ぐ予定の場合には、この例で説明されている方法を使用します。それ以外で、生成されるログメッセージを相互に区別する必要がある場合は、代わりに Naming log groups for application namespace UUIDs のセクションを参照してください。

アプリケーション namespace 名を基にした名前を指定してアプリケーションロググループを作成するには、ClusterLogForwarder CR で groupBy フィールドの値を namespaceName に設定します。

cloudwatch:
    groupBy: namespaceName
    region: us-east-2

groupBynamespaceName に設定すると、アプリケーションロググループのみが影響を受けます。これは、audit および infrastructure のロググループには影響しません。

Amazon Cloudwatch では、namespace 名が各ロググループ名の最後に表示されます。アプリケーション namespace (app) が 1 つであるため、以下の出力は mycluster-7977k.application ではなく、新しい mycluster-7977k.app ロググループを示しています。

$ aws --output json logs describe-log-groups | jq .logGroups[].logGroupName
"mycluster-7977k.app"
"mycluster-7977k.audit"
"mycluster-7977k.infrastructure"

この例のクラスターに複数のアプリケーション namespace が含まれる場合には、出力には namespace ごとに複数のロググループが表示されます。

groupBy フィールドは、アプリケーションロググループだけに影響します。これは、audit および infrastructure のロググループには影響しません。

例: アプリケーション namespace UUID をもとにロググループの命名

クラスター内のアプリケーション namespace ごとに、名前がアプリケーション namespace の UUID をもとにする CloudWatch にロググループを作成できます。

アプリケーションの namespace オブジェクトを削除して新規のロググループを作成する場合は、CloudWatch で新しいロググループを作成します。

相互に名前が異なるアプリケーション namespace オブジェクトを引き継ぐ予定の場合には、この例で説明されている方法を使用します。それ以外の場合には、前述の例: Naming log groups for application namespace name のセクションを参照してください。

アプリケーション namespace UUID をもとにログエントリーに名前を付けるには、ClusterLogForwarder CR で groupBy フィールドの値を namespaceUUID に設定します。

cloudwatch:
    groupBy: namespaceUUID
    region: us-east-2

Amazon Cloudwatch では、namespace UUID が各ロググループ名の最後に表示されます。アプリケーション namespace (app) が 1 つであるため、以下の出力は mycluster-7977k.application ではなく、新しい mycluster-7977k.794e1e1a-b9f5-4958-a190-e76a9b53d7bf ロググループを示しています。

$ aws --output json logs describe-log-groups | jq .logGroups[].logGroupName
"mycluster-7977k.794e1e1a-b9f5-4958-a190-e76a9b53d7bf" // uid of the "app" namespace
"mycluster-7977k.audit"
"mycluster-7977k.infrastructure"

groupBy フィールドは、アプリケーションロググループだけに影響します。これは、audit および infrastructure のロググループには影響しません。

7.12. ログの Loki への転送

内部のデフォルト OpenShift Container Platform Elasticsearch インスタンスに加えて、またはその代わりに外部の Loki ロギングシステムにログを転送できます。

Loki へのログ転送を設定するには、Loki の出力と、出力を使用するパイプラインで ClusterLogForwarder カスタムリソース (CR) を作成する必要があります。Loki への出力は HTTP (セキュアでない) または HTTPS (セキュアな HTTP) 接続を使用できます。

前提条件

  • CR の url フィールドで指定する URL で Loki ロギングシステムが実行されている必要がある。

手順

  1. ClusterLogForwarder CR オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成または編集します。

    apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
    kind: ClusterLogForwarder
    metadata:
      name: instance 1
      namespace: openshift-logging 2
    spec:
      outputs:
       - name: loki-insecure 3
         type: "loki" 4
         url: http://loki.insecure.com:3100 5
       - name: loki-secure
         type: "loki"
         url: https://loki.secure.com:3100 6
         secret:
            name: loki-secret 7
      pipelines:
       - name: application-logs 8
         inputRefs: 9
         - application
         - audit
         outputRefs:
         - loki-secure 10
         loki:
           tenantKey: kubernetes.namespace_name 11
           labelKeys: kubernetes.labels.foo   12
    1
    ClusterLogForwarder CR の名前は instance である必要があります。
    2
    ClusterLogForwarder CR の namespace は openshift-logging である必要があります。
    3
    出力の名前を指定します。
    4
    タイプを loki として指定します。
    5
    Loki システムの URL およびポートを有効な絶対 URL として指定します。http (セキュアでない) プロトコルまたは https (セキュアな HTTP) プロトコルを使用できます。CIDR アノテーションを使用するクラスター全体のプロキシーが有効になっている場合、出力は IP アドレスではなくサーバー名または FQDN である必要があります。
    6
    セキュアな接続では、シークレット を指定して、認証する https または http URL を指定できます。
    7
    https 接頭辞の場合には、TLS 通信のエンドポイントに必要なシークレットの名前を指定します。シークレットは openshift-logging プロジェクトに存在し、tls.crttls.key および ca-bundle.crt のキーが含まれる必要があります。これらは、それぞれが表す証明書を参照します。それ以外の場合は、http および https 接頭辞の場合は、ユーザー名とパスワードを含むシークレットを指定できます。詳細は、Example: Setting secret that contains a username and password.を参照してください。
    8
    オプション: パイプラインの名前を指定します。
    9
    パイプラインを使用して転送するログタイプ (applicationinfrastructure または audit) を指定します。
    10
    このパイプラインでログを転送する時に使用する出力の名前を指定します。
    11
    オプション: メタデータキーフィールドを指定して、Loki の TenantID フィールドの値を生成します。たとえば、tenantKey: kubernetes.namespace_name を設定すると、Kubernetes namespace の名前を Loki のテナント ID の値として使用します。他にどのログレコードフィールドを指定できるかを確認するには、以下の Additional resources セクションの Log Record Fields リンクを参照してください。
    12
    オプション: デフォルトの Loki ラベルを置き換えるメタデータフィールドキーの一覧を指定します。loki ラベル名は、正規表現 [a-zA-Z_:][a-zA-Z0-9_:]* と一致する必要があります。ラベル名を形成するため、メタデータキーの無効な文字は _ に置き換えられます。たとえば、kubernetes.labels.foo meta-data キーは Loki ラベル kubernetes_labels_foo になります。labelKeys を設定しないと、デフォルト値は [log_type, kubernetes.namespace_name, kubernetes.pod_name, kubernetes_host] です。Loki で指定可能なラベルのサイズと数に制限があるため、ラベルのセットを小さくします。Configuring Loki, limits_config を参照してください。クエリーフィルターを使用して、ログレコードフィールドに基づいてクエリーを実行できます。
    注記

    Loki ではログストリームを正しくタイムスタンプで順序付ける必要があるため、labelKeys には指定しなくても kubernetes_host ラベルセットが常に含まれます。このラベルセットが含まれることで、各ストリームが 1 つのホストから発信されるので、ホストのクロック間の誤差が原因でタイムスタンプの順番が乱れないようになります。

  2. CR オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f <file-name>.yaml

7.12.1. "entry out of order" エラーのトラブルシューティング

Fluentd がレート制限を超えるサイズの大きいメッセージブロックを Loki ロギングシステムに転送する場合には、Loki は "entry out of order" のエラーを生成します。この問題を修正するには、Loki サーバー設定ファイル loki.yaml のいくつかの値を更新します。

注記

loki.yaml は、Grafana がホストする Loki では使用できません。このトピックは、Grafana がホストする Loki サーバーには適用されません。

条件

  • Cluster Log Forwarder カスタムリソースは、ログを Loki に転送するように設定されています。
  • システムは、次のような 2MB を超えるメッセージのブロックを Loki に送信します。

    "values":[["1630410392689800468","{\"kind\":\"Event\",\"apiVersion\":\
    .......
    ......
    ......
    ......
    \"received_at\":\"2021-08-31T11:46:32.800278+00:00\",\"version\":\"1.7.4 1.6.0\"}},\"@timestamp\":\"2021-08-31T11:46:32.799692+00:00\",\"viaq_index_name\":\"audit-write\",\"viaq_msg_id\":\"MzFjYjJkZjItNjY0MC00YWU4LWIwMTEtNGNmM2E5ZmViMGU4\",\"log_type\":\"audit\"}"]]}]}
  • oc logs -c fluentd と入力すると、OpenShift Logging クラスターの Fluentd ログに次のメッセージが表示されます。

    429 Too Many Requests Ingestion rate limit exceeded (limit: 8388608 bytes/sec) while attempting to ingest '2140' lines totaling '3285284' bytes
    
    429 Too Many Requests Ingestion rate limit exceeded' or '500 Internal Server Error rpc error: code = ResourceExhausted desc = grpc: received message larger than max (5277702 vs. 4194304)'
  • Loki サーバーでログを開くと、次のような entry out of order メッセージが表示されます。

    ,\nentry with timestamp 2021-08-18 05:58:55.061936 +0000 UTC ignored, reason: 'entry out of order' for stream:
    
    {fluentd_thread=\"flush_thread_0\", log_type=\"audit\"},\nentry with timestamp 2021-08-18 06:01:18.290229 +0000 UTC ignored, reason: 'entry out of order' for stream: {fluentd_thread="flush_thread_0", log_type="audit"}

手順

  1. Loki サーバーの loki.yaml 設定ファイルの次のフィールドを、ここに示す値で更新します。

    • grpc_server_max_recv_msg_size: 8388608
    • chunk_target_size: 8388608
    • ingestion_rate_mb: 8
    • ingestion_burst_size_mb: 16
  2. loki.yaml の変更を Loki サーバーに適用します。

loki.yaml ファイルの例

auth_enabled: false

server:
  http_listen_port: 3100
  grpc_listen_port: 9096
  grpc_server_max_recv_msg_size: 8388608

ingester:
  wal:
    enabled: true
    dir: /tmp/wal
  lifecycler:
    address: 127.0.0.1
    ring:
      kvstore:
        store: inmemory
      replication_factor: 1
    final_sleep: 0s
  chunk_idle_period: 1h       # Any chunk not receiving new logs in this time will be flushed
  chunk_target_size: 8388608
  max_chunk_age: 1h           # All chunks will be flushed when they hit this age, default is 1h
  chunk_retain_period: 30s    # Must be greater than index read cache TTL if using an index cache (Default index read cache TTL is 5m)
  max_transfer_retries: 0     # Chunk transfers disabled

schema_config:
  configs:
    - from: 2020-10-24
      store: boltdb-shipper
      object_store: filesystem
      schema: v11
      index:
        prefix: index_
        period: 24h

storage_config:
  boltdb_shipper:
    active_index_directory: /tmp/loki/boltdb-shipper-active
    cache_location: /tmp/loki/boltdb-shipper-cache
    cache_ttl: 24h         # Can be increased for faster performance over longer query periods, uses more disk space
    shared_store: filesystem
  filesystem:
    directory: /tmp/loki/chunks

compactor:
  working_directory: /tmp/loki/boltdb-shipper-compactor
  shared_store: filesystem

limits_config:
  reject_old_samples: true
  reject_old_samples_max_age: 12h
  ingestion_rate_mb: 8
  ingestion_burst_size_mb: 16

chunk_store_config:
  max_look_back_period: 0s

table_manager:
  retention_deletes_enabled: false
  retention_period: 0s

ruler:
  storage:
    type: local
    local:
      directory: /tmp/loki/rules
  rule_path: /tmp/loki/rules-temp
  alertmanager_url: http://localhost:9093
  ring:
    kvstore:
      store: inmemory
  enable_api: true

関連情報

7.13. 特定のプロジェクトからのアプリケーションログの転送

クラスターログフォワーダーを使用して、外部ログアグリゲーターに、特定のプロジェクトからアプリケーションログのコピーを送信できます。これは、デフォルトの Elasticsearch ログストアの代わりに、またはこれに加えてデフォルトの Elasticsearch ログストアを使用して実行できます。また、外部ログアグリゲーターを OpenShift Container Platform からログデータを受信できるように設定する必要もあります。

アプリケーションログのプロジェクトからの転送を設定するには、プロジェクトから少なくとも 1 つの入力で ClusterLogForwarder カスタムリソース (CR) を作成し、他のログアグリゲーターのオプション出力、およびそれらの入出力を使用するパイプラインを作成する必要があります。

前提条件

  • 指定されたプロトコルまたは形式を使用してロギングデータを受信するように設定されたロギングサーバーが必要です。

手順

  1. ClusterLogForwarder CR オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成または編集します。

    apiVersion: logging.openshift.io/v1
    kind: ClusterLogForwarder
    metadata:
      name: instance 1
      namespace: openshift-logging 2
    spec:
      outputs:
       - name: fluentd-server-secure 3
         type: fluentdForward 4
         url: 'tls://fluentdserver.security.example.com:24224' 5
         secret: 6
            name: fluentd-secret
       - name: fluentd-server-insecure
         type: fluentdForward
         url: 'tcp://fluentdserver.home.example.com:24224'
      inputs: 7
       - name: my-app-logs
         application:
            namespaces:
            - my-project
      pipelines:
       - name: forward-to-fluentd-insecure 8
         inputRefs: 9
         - my-app-logs
         outputRefs: 10
         - fluentd-server-insecure
         parse: json 11
         labels:
           project: "my-project" 12
       - name: forward-to-fluentd-secure 13
         inputRefs:
         - application
         - audit
         - infrastructure
         outputRefs:
         - fluentd-server-secure
         - default
         labels:
           clusterId: "C1234"
    1
    ClusterLogForwarder CR の名前は instance である必要があります。
    2
    ClusterLogForwarder CR の namespace は openshift-logging である必要があります。
    3
    出力の名前を指定します。
    4
    出力タイプ elasticsearchfluentdForwardsyslog、または kafka を指定します。
    5
    外部ログアグリゲーターの URL およびポートを有効な絶対 URL として指定します。CIDR アノテーションを使用するクラスター全体のプロキシーが有効になっている場合、出力は IP アドレスではなくサーバー名または FQDN である必要があります。
    6
    tls 接頭辞を使用する場合、TLS 通信のエンドポイントに必要なシークレットの名前を指定する必要があります。シークレットは openshift-logging プロジェクトに存在し、 tls.crttls.key、 および ca-bundle.crt キーが含まれる必要があります。これらは、それぞれが表す証明書を参照します。
    7
    指定されたプロジェクトからアプリケーションログをフィルターするための入力の設定。
    8
    入力を使用してプロジェクトアプリケーションログを外部 Fluentd インスタンスに送信するためのパイプラインの設定。
    9
    my-app-logs 入力。
    10
    使用する出力の名前。
    11
    オプション: 構造化された JSON ログエントリーを structured フィールドの JSON オブジェクトとして転送するかどうかを指定します。ログエントリーに有効な構造化された JSON が含まれる必要があります。そうでない場合は、OpenShift Logging は 構造化 フィールドを削除し、代わりにログエントリーをデフォルトのインデックス app-00000x に送信します。
    12
    オプション: 文字列。ログに追加する 1 つまたは複数のラベル。
    13
    ログを他のログアグリゲーターに送信するためのパイプラインの設定。
    • オプション: パイプラインの名前を指定します。
    • パイプラインを使用して転送するログタイプ (applicationinfrastructure または audit) を指定します。
    • このパイプラインでログを転送する時に使用する出力の名前を指定します。
    • オプション: ログを内部 Elasticsearch インスタンスに転送するために default 出力を指定します。
    • オプション: 文字列。ログに追加する 1 つまたは複数のラベル。
  2. CR オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f <file-name>.yaml

7.14. 特定の Pod からのアプリケーションログの転送

クラスター管理者は、Kubernetes Pod ラベルを使用して特定の Pod からログデータを収集し、これをログコレクターに転送できます。

アプリケーションがさまざまな namespace の他の Pod と共に実行される Pod で設定されるとします。これらの Pod にアプリケーションを識別するラベルがある場合、それらのログデータを収集し、特定のログコレクターに出力できます。

Pod ラベルを指定するには、1 つ以上の matchLabels のキー/値のペアを使用します。複数のキー/値のペアを指定する場合、Pod は選択されるそれらすべてに一致する必要があります。

手順

  1. ClusterLogForwarder CR オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成または編集します。ファイルで、以下の例が示すように inputs[].name.application.selector.matchLabels の下で単純な等価ベース (Equality-based) のセレクターを使用して Pod ラベルを指定します。

    ClusterLogForwarder CR YAML ファイルのサンプル

    apiVersion: logging.openshift.io/v1
    kind: ClusterLogForwarder
    metadata:
      name: instance 1
      namespace: openshift-logging 2
    spec:
      pipelines:
        - inputRefs: [ myAppLogData ] 3
          outputRefs: [ default ] 4
          parse: json 5
      inputs: 6
        - name: myAppLogData
          application:
            selector:
              matchLabels: 7
                environment: production
                app: nginx
            namespaces: 8
            - app1
            - app2
      outputs: 9
        - default
        ...

    1
    ClusterLogForwarder CR の名前は instance である必要があります。
    2
    ClusterLogForwarder CR の namespace は openshift-logging である必要があります。
    3
    inputs[].name から 1 つ以上のコンマ区切りの値を指定します。
    4
    outputs[] から 1 つ以上のコンマ区切りの値を指定します。
    5
    オプション: 構造化された JSON ログエントリーを structured フィールドの JSON オブジェクトとして転送するかどうかを指定します。ログエントリーに有効な構造化された JSON が含まれる必要があります。そうでない場合は、OpenShift Logging は 構造化 フィールドを削除し、代わりにログエントリーをデフォルトのインデックス app-00000x に送信します。
    6
    Pod ラベルの一意のセットを持つ各アプリケーションの一意の inputs[].name を定義します。
    7
    収集するログデータを持つ Pod ラベルのキー/値のペアを指定します。キーだけではなく、キーと値の両方を指定する必要があります。Pod を選択するには、Pod はすべてのキーと値のペアと一致する必要があります。
    8
    オプション: namespace を 1 つ以上指定します。
    9
    ログデータを転送する 1 つ以上の出力を指定します。ここで表示されるオプションの default 出力はログデータを内部 Elasticsearch インスタンスに送信します。
  2. オプション: ログデータの収集を特定の namespace に制限するには、前述の例のように inputs[].name.application.namespaces を使用します。
  3. オプション: 異なる Pod ラベルを持つ追加のアプリケーションから同じパイプラインにログデータを送信できます。

    1. Pod ラベルの一意の組み合わせごとに、表示されるものと同様の追加の inputs[].name セクションを作成します。
    2. このアプリケーションの Pod ラベルに一致するように、selectors を更新します。
    3. 新規の inputs[].name 値を inputRefs に追加します。以下に例を示します。

      - inputRefs: [ myAppLogData, myOtherAppLogData ]
  4. CR オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f <file-name>.yaml

関連情報

7.15. OVN ネットワークポリシー監査ログの収集

OVN-Kubernetes Pod の /var/log/ovn/acl-audit-log.log ファイルから OVN ネットワークポリシー監査ログを収集し、そのログをロギングサーバーに転送できます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform バージョン 4.8 以降を使用している。
  • Cluster Logging5.2 以降を使用している。
  • ClusterLogForwarder カスタムリソース (CR) オブジェクトがすでに設定されている。
  • OpenShift Container Platform クラスターが OVN-Kubernetes ネットワークポリシー監査ロギング用に設定されている。以下の関連情報のセクションを参照してください。
注記

多くの場合、監査データを格納するロギングサーバーは、コンプライアンスおよびセキュリティー関連の組織および政府の要件を満たす必要があります。

手順

  1. ログのサードパーティーシステムに転送する他のトピックで説明されているように、ClusterLogForwarder CR オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成または編集します。
  2. YAML ファイルで、監査ログ タイプをパイプラインの inputRefs 要素に追加します。以下に例を示します。

      pipelines:
       - name: audit-logs
         inputRefs:
          - audit 1
         outputRefs:
          - secure-logging-server 2
    1
    audit を、入力するログタイプのいずれかとして指定します。
    2
    ロギングサーバーに接続する出力を指定します。
  3. 更新された CR オブジェクトを再作成します。

    $ oc create -f <file-name>.yaml

検証

ロギングサーバーが収集したログデータの中に、モニターリングしているノードからの監査ログエントリーが存在することを確認します。

/var/log/ovn/acl-audit-log.log で元の監査ログエントリーを見つけ、これをロギングサーバーの対応するログエントリーと比較します。

たとえば、/var/log/ovn/acl-audit-log.log の元のログエントリーは以下のようになります。

2021-07-06T08:26:58.687Z|00004|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="verify-audit-
logging_deny-all", verdict=drop, severity=alert:
icmp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:81:02:12,dl_dst=0a:58:0a:81:02:14,nw_src=10
.129.2.18,nw_dst=10.129.2.20,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,icmp_type=8,icmp_code=0

また、ロギングサーバーにある対応する OVN 監査ログエントリーは、以下のようになります。

{
  "@timestamp" : "2021-07-06T08:26:58..687000+00:00",
  "hostname":"ip.abc.iternal",
  "level":"info",
  "message" : "2021-07-06T08:26:58.687Z|00004|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name=\"verify-audit-logging_deny-all\", verdict=drop, severity=alert: icmp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:81:02:12,dl_dst=0a:58:0a:81:02:14,nw_src=10.129.2.18,nw_dst=10.129.2.20,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,icmp_type=8,icmp_code=0"
}

詳細は以下のようになります。

  • @timestamp はログエントリーのタイムスタンプです。
  • hostname はログの発信元のノードです。
  • level はログエントリーです。
  • Message は元の監査ログメッセージです。
注記

Elasticsearch サーバーで、インデックスが audit-00000 で始まるログエントリーを探します。

トラブルシューティング

  1. OpenShift Container Platform クラスターがすべての前提条件を満たしていることを確認します。
  2. 手順が完了したことを確認します。
  3. OVN ログを生成するノードが有効で、/var/log/ovn/acl-audit-log.log ファイルがあることを確認します。
  4. Fluentd Pod ログで問題の有無を確認します。

7.16. ログ転送のトラブルシューティング

ClusterLogForwarder カスタムリソース (CR) の作成時に、Red Hat OpenShift Logging Operator により Fluentd Pod が自動的に再デプロイされない場合には、Fluentd Pod を削除して、強制的に再デプロイできます。

前提条件

  • ClusterLogForwarder カスタムリソース (CR) オブジェクトを作成している。

手順

  • Fluentd Pod を削除して強制的に再デプロイします。

    $ oc delete pod --selector logging-infra=collector

第8章 JSON ロギングの有効化

ログ転送 API を設定して、構造化されたオブジェクトに対して JSON 文字列を解析できます。

8.1. JSON ログの解析

JSON ログなどのログは、通常 message フィールド内の文字列として表されます。これにより、JSON ドキュメント内の特定のフィールドをクエリーすることが困難になります。OpenShift Logging のログ転送 API を使用すると、JSON ログを構造化オブジェクトに解析し、それらを OpenShift Logging が管理する Elasticsearch またはログ転送 API でサポートされる他のサードパーティーシステムに転送できます。

以下の構造化された JSON ログエントリーがあると想定して、これがどのように機能するか説明します。

構造化された JSON ログエントリーの例

{"level":"info","name":"fred","home":"bedrock"}

通常、ClusterLogForwarder カスタムリソース (CR) は、そのログエントリーを message フィールドに転送します。message フィールドには、以下の例のように JSON ログエントリーと同等の JSON 引用符で囲まれた文字列が含まれます。

message フィールドの例

{"message":"{\"level\":\"info\",\"name\":\"fred\",\"home\":\"bedrock\"",
 "more fields..."}

JSON ログの解析を有効にするには、以下の例のように、parse: jsonClusterLogForwarder CR のパイプラインに追加します。

parse: json を示すスニペット例

pipelines:
- inputRefs: [ application ]
  outputRefs: myFluentd
  parse: json

parse: json を使用して JSON ログの解析を有効にすると、以下の例のように CR は 構造化 フィールドに JSON-structured ログエントリーをコピーします。元の message フィールドは変更されません。

構造化された JSON ログエントリーを含む 構造化された 出力例

{"structured": { "level": "info", "name": "fred", "home": "bedrock" },
 "more fields..."}

重要

ログエントリーに有効な構造化された JSON が含まれていない場合に、構造化された フィールドはなくなります。

特定のロギングプラットフォームの JSON ログの解析を有効にするには、ログのサードパーティーシステムへの転送 を参照してください。

8.2. Elasticsearch の JSON ログデータの設定

JSON ログが複数のスキーマに従う場合は、それらを 1 つのインデックスに保存すると、タイプの競合やカーディナリティーの問題が発生する可能性があります。これを回避するには、1 つの出力定義に、各スキーマをグループ化するように ClusterLogForwarder カスタムリソース (CR) を設定する必要があります。これにより、各スキーマが別のインデックスに転送されます。

重要

JSON ログを OpenShift Logging によって管理されるデフォルトの Elasticsearch インスタンスに転送する場合に、設定に基づいて新規インデックスが生成されます。インデックスが多すぎることが原因のパフォーマンスの問題を回避するには、共通のスキーマに標準化して使用できるスキーマの数を保持することを検討してください。

構造化タイプ

ClusterLogForwarder CR で以下の構造タイプを使用し、Elasticsearch ログストアのインデックス名を作成できます。

  • structuredTypeKey (string, optional) は、メッセージフィールドの名前です。このフィールドの値 (ある場合) はインデックス名の作成に使用されます。

    • kubernetes.labels.<key> は、インデックス名の作成に使用される Kubernetes pod ラベルの値です。
    • openshift.labels.<key> は、インデックス名の作成に使用される ClusterLogForwarder CR の pipeline.label.<key&gt; 要素です。
    • kubernetes.container_name はコンテナー名を使用してインデックス名を作成します。
  • structuredTypeName:(文字列、オプション) structuredTypeKey が設定されておらず、そのキーが存在しない場合、OpenShift Logging は structuredTypeName の値を構造化型として使用します。structuredTypeKey and structuredTypeName の両方を使用する場合に、structuredTypeName は、構造化された TypeKey のキーが JSON ログデータにない場合にフォールバックインデックス名を指定します。
注記

structuredTypeKey の値を Log Record Fields トピックに記載されている任意のフィールドに設定できますが、構造タイプの前に来る一覧に最も便利なフィールドが表示されます。

structuredTypeKey: kubernetes.labels.<key> の例

以下と仮定します。

  • クラスターが、apache および google という 2 つの異なる形式で JSON ログを生成するアプリケーション Pod を実行している。
  • ユーザーはこれらのアプリケーション Pod に logFormat=apachelogFormat=google のラベルを付ける。
  • 以下のスニペットを ClusterLogForwarder CR YAML ファイルで使用する。
outputDefaults:
 elasticsearch:
    structuredTypeKey: kubernetes.labels.logFormat 1
    structuredTypeName: nologformat
pipelines:
- inputRefs: <application>
  outputRefs: default
  parse: json 2
1
Kubernetes logFormat ラベルで形成される key-value ペアの値を使用します。
2
JSON ログの解析を有効にします。

この場合、以下の構造化ログレコードが app-apache-write インデックスに送信されます。

{
  "structured":{"name":"fred","home":"bedrock"},
  "kubernetes":{"labels":{"logFormat": "apache", ...}}
}

また、以下の構造化ログレコードは app-google-write インデックスに送信されます。

{
  "structured":{"name":"wilma","home":"bedrock"},
  "kubernetes":{"labels":{"logFormat": "google", ...}}
}

A structuredTypeKey: openshift.labels.<key> の例

以下のスニペットを ClusterLogForwarder CR YAML ファイルで使用すると仮定します。

outputDefaults:
 elasticsearch:
    structuredTypeKey: openshift.labels.myLabel 1
    structuredTypeName: nologformat
pipelines:
 - name: application-logs
   inputRefs:
   - application
   - audit
   outputRefs:
   - elasticsearch-secure
   - default
   parse: json
   labels:
     myLabel: myValue 2
1
OpenShift myLabel ラベルによって形成されるキーと値のペアの値を使用します。
2
myLabel 要素は、文字列の値 myValue を構造化ログレコードに提供します。

この場合、以下の構造化ログレコードが app-myValue-write インデックスに送信されます。

{
  "structured":{"name":"fred","home":"bedrock"},
  "openshift":{"labels":{"myLabel": "myValue", ...}}
}

その他の考慮事項

  • 構造化されたレコードの Elasticsearch インデックス は、構造化型の前に app-を、後ろに-write を追加して設定されます。
  • 非構造化レコードは、構造化されたインデックスに送信されません。これらは、通常アプリケーション、インフラストラクチャー、または監査インデックスでインデックス化されます。
  • 空でない構造化タイプがない場合は、unstructured レコードを structured フィールドなしで転送します。

過剰なインデックスで Elasticsearch を読み込まないようにすることが重要です。各アプリケーションや namespace ごとにではなく、個別のログ形式 のみに特定の構造化タイプを使用します。たとえば、ほとんどの Apache アプリケーションは、LogApache などの同じ JSON ログ形式と構造化タイプを使用します。

8.3. JSON ログの Elasticsearch ログストアへの転送

Elasticsearch ログストアの場合、JSON ログエントリーが異なるスキーマに従う場合、各 JSON スキーマを 1 つの出力定義にグループ化するように ClusterLogForwarder カスタムリソース (CR) を設定します。これにより、Elasticsearch はスキーマごとに個別のインデックスを使用します。

重要

異なるスキーマを同じインデックスに転送するとタイプの競合やカーディナリティーの問題を引き起こす可能性があるため、データを Elasticsearch ストアに転送する前にこの設定を実行する必要があります。

インデックスが多すぎることが原因のパフォーマンスの問題を回避するには、共通のスキーマに標準化して使用できるスキーマの数を保持することを検討してください。

手順

  1. 以下のスニペットを ClusterLogForwarder CR YAML ファイルに追加します。

    outputDefaults:
     elasticsearch:
        structuredTypeKey: <log record field>
        structuredTypeName: <name>
    pipelines:
    - inputRefs:
      - application
      outputRefs: default
      parse: json
  2. オプション: 上には、Elasticsearch の JSON ログデータの設定 で説明されているように、structuredTypeKey を使用してログレコードフィールドのいずれかを指定します。それ以外の場合は、この行を削除します。
  3. オプション: Elasticsearch の JSON ログデータの設定 で前述しているように structuredTypeName を使用して <name> を指定します。それ以外の場合は、この行を削除します。

    重要

    JSON ログを解析するには、structuredTypeKey または structuredTypeName か、structuredTypeKeystructuredTypeName の両方を設定する必要があります。

  4. inputRefs の場合は、applicationinfrastructure または audit などのパイプラインを使用して転送するログタイプを指定します。
  5. parse: json 要素をパイプラインに追加します。
  6. CR オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f <file-name>.yaml

    Red Hat OpenShift Logging Operator は Fluentd Pod を再デプロイします。ただし、再デプロイが完了しない場合は、Fluentd Pod を削除して、強制的に再デプロイされるようにします。

    $ oc delete pod --selector logging-infra=collector

第9章 Kubernetes イベントの収集および保存

OpenShift Container Platform イベントルーターは、Kubernetes イベントを監視し、それらを OpenShift Logging によって収集できるようにログに記録する Pod です。イベントルーターは手動でデプロイする必要があります。

イベントルーターはすべてのプロジェクトからイベントを収集し、それらを STDOUT に書き込みます。Fluentd はそれらのイベントを収集し、それらを OpenShift Container Platform Elasticsearch インスタンスに転送します。Elasticsearch はイベントを infra インデックスにインデックス化します。

重要

イベントルーターは追加の負荷を Fluentd に追加し、処理できる他のログメッセージの数に影響を与える可能性があります。

9.1. イベントルーターのデプロイおよび設定

以下の手順を使用してイベントルーターをクラスターにデプロイします。イベントルーターを openshift-logging プロジェクトに常にデプロイし、クラスター全体でイベントが収集されるようにする必要があります。

以下のテンプレートオブジェクトは、イベントルーターに必要なサービスアカウント、クラスターロールおよびクラスターロールバインディングを作成します。テンプレートはイベントルーター Pod も設定し、デプロイします。このテンプレートは変更せずに使用するか、デプロイメントオブジェクトの CPU およびメモリー要求を変更することができます。

前提条件

  • サービスアカウントを作成し、クラスターロールバインディングを更新するには、適切なパーミッションが必要です。たとえば、以下のテンプレートを、cluster-admin ロールを持つユーザーで実行できます。
  • OpenShift Logging がインストールされている必要があります。

手順

  1. イベントルーターのテンプレートを作成します。

    kind: Template
    apiVersion: template.openshift.io/v1
    metadata:
      name: eventrouter-template
      annotations:
        description: "A pod forwarding kubernetes events to OpenShift Logging stack."
        tags: "events,EFK,logging,cluster-logging"
    objects:
      - kind: ServiceAccount 1
        apiVersion: v1
        metadata:
          name: eventrouter
          namespace: ${NAMESPACE}
      - kind: ClusterRole 2
        apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1
        metadata:
          name: event-reader
        rules:
        - apiGroups: [""]
          resources: ["events"]
          verbs: ["get", "watch", "list"]
      - kind: ClusterRoleBinding  3
        apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1
        metadata:
          name: event-reader-binding
        subjects:
        - kind: ServiceAccount
          name: eventrouter
          namespace: ${NAMESPACE}
        roleRef:
          kind: ClusterRole
          name: event-reader
      - kind: ConfigMap 4
        apiVersion: v1
        metadata:
          name: eventrouter
          namespace: ${NAMESPACE}
        data:
          config.json: |-
            {
              "sink": "stdout"
            }
      - kind: Deployment 5
        apiVersion: apps/v1
        metadata:
          name: eventrouter
          namespace: ${NAMESPACE}
          labels:
            component: "eventrouter"
            logging-infra: "eventrouter"
            provider: "openshift"
        spec:
          selector:
            matchLabels:
              component: "eventrouter"
              logging-infra: "eventrouter"
              provider: "openshift"
          replicas: 1
          template:
            metadata:
              labels:
                component: "eventrouter"
                logging-infra: "eventrouter"
                provider: "openshift"
              name: eventrouter
            spec:
              serviceAccount: eventrouter
              containers:
                - name: kube-eventrouter
                  image: ${IMAGE}
                  imagePullPolicy: IfNotPresent
                  resources:
                    requests:
                      cpu: ${CPU}
                      memory: ${MEMORY}
                  volumeMounts:
                  - name: config-volume
                    mountPath: /etc/eventrouter
              volumes:
                - name: config-volume
                  configMap:
                    name: eventrouter
    parameters:
      - name: IMAGE 6
        displayName: Image
        value: "registry.redhat.io/openshift-logging/eventrouter-rhel8:v0.3"
      - name: CPU  7
        displayName: CPU
        value: "100m"
      - name: MEMORY 8
        displayName: Memory
        value: "128Mi"
      - name: NAMESPACE
        displayName: Namespace
        value: "openshift-logging" 9
    1
    イベントルーターの openshift-logging プロジェクトでサービスアカウントを作成します。
    2
    ClusterRole を作成し、クラスター内のイベントを監視します。
    3
    ClusterRoleBinding を作成し、ClusterRole をサービスアカウントにバインドします。
    4
    openshift-logging プロジェクトで設定マップを作成し、必要な config.json ファイルを生成します。
    5
    openshift-logging プロジェクトでデプロイメントを作成し、イベントルーター Pod を生成し、設定します。
    6
    v0.3 などのタグで識別されるイメージを指定します。
    7
    イベントルーター Pod に割り当てるメモリーの最小量を指定します。デフォルトは 128Mi に設定されます。
    8
    イベントルーター Pod に割り当てる CPU の最小量を指定します。デフォルトは 100m に設定されます。
    9
    オブジェクトをインストールする openshift-logging プロジェクトを指定します。
  2. 以下のコマンドを使用してテンプレートを処理し、これを適用します。

    $ oc process -f <templatefile> | oc apply -n openshift-logging -f -

    以下に例を示します。

    $ oc process -f eventrouter.yaml | oc apply -n openshift-logging -f -

    出力例

    serviceaccount/eventrouter created
    clusterrole.authorization.openshift.io/event-reader created
    clusterrolebinding.authorization.openshift.io/event-reader-binding created
    configmap/eventrouter created
    deployment.apps/eventrouter created

  3. イベントルーターが openshift-logging プロジェクトにインストールされていることを確認します。

    1. 新規イベントルーター Pod を表示します。

      $ oc get pods --selector  component=eventrouter -o name -n openshift-logging

      出力例

      pod/cluster-logging-eventrouter-d649f97c8-qvv8r

    2. イベントルーターによって収集されるイベントを表示します。

      $ oc logs <cluster_logging_eventrouter_pod> -n openshift-logging

      以下に例を示します。

      $ oc logs cluster-logging-eventrouter-d649f97c8-qvv8r -n openshift-logging

      出力例

      {"verb":"ADDED","event":{"metadata":{"name":"openshift-service-catalog-controller-manager-remover.1632d931e88fcd8f","namespace":"openshift-service-catalog-removed","selfLink":"/api/v1/namespaces/openshift-service-catalog-removed/events/openshift-service-catalog-controller-manager-remover.1632d931e88fcd8f","uid":"787d7b26-3d2f-4017-b0b0-420db4ae62c0","resourceVersion":"21399","creationTimestamp":"2020-09-08T15:40:26Z"},"involvedObject":{"kind":"Job","namespace":"openshift-service-catalog-removed","name":"openshift-service-catalog-controller-manager-remover","uid":"fac9f479-4ad5-4a57-8adc-cb25d3d9cf8f","apiVersion":"batch/v1","resourceVersion":"21280"},"reason":"Completed","message":"Job completed","source":{"component":"job-controller"},"firstTimestamp":"2020-09-08T15:40:26Z","lastTimestamp":"2020-09-08T15:40:26Z","count":1,"type":"Normal"}}

      また、Elasticsearch infra インデックスを使用してインデックスパターンを作成し、Kibana を使用してイベントを表示することもできます。

第10章 OpenShift Logging の更新

表10.1 Red Hat OpenShift Logging (RHOL) の OpenShift Container Platform バージョンのサポート

 4.74.84.9

RHOL 5.1

X

X

 

RHOL 5.2

X

X

X

RHOL 5.3

 

X

X

OpenShift Container Platform バージョン 4.6 以前でクラスターロギングから OpenShift Logging 5.x にアップグレードするには、OpenShift Container Platform クラスターをバージョン 4.7 または 4.8 に更新します。次に、以下の Operator を更新します。

  • Elasticsearch Operator 4.x から OpenShift Elasticsearch Operator 5.x へ
  • Cluster Logging Operator 4.x から Red Hat OpenShift Logging Operator 5.x へ

以前のバージョンの OpenShift Logging から現行バージョンにアップグレードするには、OpenShift Elasticsearch Operator および Red Hat OpenShift Logging Operator を現行バージョンに更新します。

10.1. OpenShift Container Platform 4.6 以前でのクラスターロギングから OpenShift Logging 5.x への更新。

OpenShift Container Platform 4.7 は以下の名前を変更します。

  • クラスターロギング 機能は、Red Hat OpenShift Logging 5.x 製品になりました。
  • Cluster Logging Operator は Red Hat OpenShift Logging Operator になりました。
  • Elasticsearch Operator は OpenShift Elasticsearch Operator になりました。

OpenShift Container Platform バージョン 4.6 以前でクラスターロギングから OpenShift Logging 5.x にアップグレードするには、OpenShift Container Platform クラスターをバージョン 4.7 または 4.8 に更新します。次に、以下の Operator を更新します。

  • Elasticsearch Operator 4.x から OpenShift Elasticsearch Operator 5.x へ
  • Cluster Logging Operator 4.x から Red Hat OpenShift Logging Operator 5.x へ
重要

Red Hat OpenShift Logging Operator を更新する前に OpenShift Elasticsearch Operator を更新する必要があります。また、両方の Operator を同じバージョンに更新する必要があります。

Operator を間違った順序で更新すると、Kibana は更新されず、Kibana カスタムリソース (CR) は作成されません。この問題を回避するには、Red Hat OpenShift Logging Operator Pod を削除します。Red Hat OpenShift Logging Operator Pod が再デプロイされると、Kibana CR が作成され、Kibana が再度利用可能になります。

前提条件

  • OpenShift Container Platform バージョンが 4.7 以降である。
  • OpenShift Logging のステータスが正常である。

    • すべての Pod が Ready 状態にある。
    • Elasticsearch クラスターが正常である。
  • Elasticsearch および Kibana データのバックアップが作成されている。

手順

  1. OpenShift Elasticsearch Operator を更新します。

    1. Web コンソールで OperatorsInstalled Operators をクリックします。
    2. openshift-operators-redhat プロジェクトを選択します。
    3. OpenShift Elasticsearch Operator をクリックします。
    4. SubscriptionChannel をクリックします。
    5. Change Subscription Update Channel ウィンドウで 5.0 または stable-5.x を選択し、Save をクリックします。
    6. 数秒待ってから OperatorsInstalled Operators をクリックします。

      OpenShift Elasticsearch Operator のバージョンが 5.x.x であることを確認します。

      Status フィールドで Succeeded を報告するのを待機します。

  2. Cluster Logging Operator を更新します。

    1. Web コンソールで OperatorsInstalled Operators をクリックします。
    2. openshift-logging プロジェクトを選択します。
    3. Cluster Logging Operatorをクリックします。
    4. SubscriptionChannel をクリックします。
    5. Change Subscription Update Channel ウィンドウで 5.0 または stable-5.x を選択し、Save をクリックします。
    6. 数秒待ってから OperatorsInstalled Operators をクリックします。

      Red Hat OpenShift Logging Operator のバージョンが 5.0.x または 5.x.x であることを確認します。

      Status フィールドで Succeeded を報告するのを待機します。

  3. ロギングコンポーネントを確認します。

    1. すべての Elasticsearch Pod が Ready ステータスであることを確認します。

      $ oc get pod -n openshift-logging --selector component=elasticsearch

      出力例

      NAME                                            READY   STATUS    RESTARTS   AGE
      elasticsearch-cdm-1pbrl44l-1-55b7546f4c-mshhk   2/2     Running   0          31m
      elasticsearch-cdm-1pbrl44l-2-5c6d87589f-gx5hk   2/2     Running   0          30m
      elasticsearch-cdm-1pbrl44l-3-88df5d47-m45jc     2/2     Running   0          29m

    2. Elasticsearch クラスターが正常であることを確認します。

      $ oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch elasticsearch-cdm-1pbrl44l-1-55b7546f4c-mshhk -- health
      {
        "cluster_name" : "elasticsearch",
        "status" : "green",
      }
    3. Elasticsearch cron ジョブが作成されていることを確認します。

      $ oc project openshift-logging
      $ oc get cronjob
      NAME                     SCHEDULE       SUSPEND   ACTIVE   LAST SCHEDULE   AGE
      elasticsearch-im-app     */15 * * * *   False     0        <none>          56s
      elasticsearch-im-audit   */15 * * * *   False     0        <none>          56s
      elasticsearch-im-infra   */15 * * * *   False     0        <none>          56s
    4. ログストアが 5.0 または 5.x に更新され、インデックスが green であることを確認します。

      $ oc exec -c elasticsearch <any_es_pod_in_the_cluster> -- indices

      出力に app-00000xinfra-00000xaudit-00000x.security インデックス が含まれることを確認します。

      例10.1 緑色のステータスのインデックスを含む出力例

      Tue Jun 30 14:30:54 UTC 2020
      health status index                                                                 uuid                   pri rep docs.count docs.deleted store.size pri.store.size
      green  open   infra-000008                                                          bnBvUFEXTWi92z3zWAzieQ   3 1       222195            0        289            144
      green  open   infra-000004                                                          rtDSzoqsSl6saisSK7Au1Q   3 1       226717            0        297            148
      green  open   infra-000012                                                          RSf_kUwDSR2xEuKRZMPqZQ   3 1       227623            0        295            147
      green  open   .kibana_7                                                             1SJdCqlZTPWlIAaOUd78yg   1 1            4            0          0              0
      green  open   infra-000010                                                          iXwL3bnqTuGEABbUDa6OVw   3 1       248368            0        317            158
      green  open   infra-000009                                                          YN9EsULWSNaxWeeNvOs0RA   3 1       258799            0        337            168
      green  open   infra-000014                                                          YP0U6R7FQ_GVQVQZ6Yh9Ig   3 1       223788            0        292            146
      green  open   infra-000015                                                          JRBbAbEmSMqK5X40df9HbQ   3 1       224371            0        291            145
      green  open   .orphaned.2020.06.30                                                  n_xQC2dWQzConkvQqei3YA   3 1            9            0          0              0
      green  open   infra-000007                                                          llkkAVSzSOmosWTSAJM_hg   3 1       228584            0        296            148
      green  open   infra-000005                                                          d9BoGQdiQASsS3BBFm2iRA   3 1       227987            0        297            148
      green  open   infra-000003                                                          1-goREK1QUKlQPAIVkWVaQ   3 1       226719            0        295            147
      green  open   .security                                                             zeT65uOuRTKZMjg_bbUc1g   1 1            5            0          0              0
      green  open   .kibana-377444158_kubeadmin                                           wvMhDwJkR-mRZQO84K0gUQ   3 1            1            0          0              0
      green  open   infra-000006                                                          5H-KBSXGQKiO7hdapDE23g   3 1       226676            0        295            147
      green  open   infra-000001                                                          eH53BQ-bSxSWR5xYZB6lVg   3 1       341800            0        443            220
      green  open   .kibana-6                                                             RVp7TemSSemGJcsSUmuf3A   1 1            4            0          0              0
      green  open   infra-000011                                                          J7XWBauWSTe0jnzX02fU6A   3 1       226100            0        293            146
      green  open   app-000001                                                            axSAFfONQDmKwatkjPXdtw   3 1       103186            0        126             57
      green  open   infra-000016                                                          m9c1iRLtStWSF1GopaRyCg   3 1        13685            0         19              9
      green  open   infra-000002                                                          Hz6WvINtTvKcQzw-ewmbYg   3 1       228994            0        296            148
      green  open   infra-000013                                                          KR9mMFUpQl-jraYtanyIGw   3 1       228166            0        298            148
      green  open   audit-000001                                                          eERqLdLmQOiQDFES1LBATQ   3 1            0            0          0              0
    5. ログコレクターが 5.0 または 5.x に更新されていることを確認します。

      $ oc get ds fluentd -o json | grep fluentd-init

      出力に fluentd-init コンテナーが含まれていることを確認します。

      "containerName": "fluentd-init"
    6. Kibana CRD を使用してログビジュアライザーが 5.0 または 5.x に更新されていることを確認します。

      $ oc get kibana kibana -o json

      出力に ready ステータスの Kibana Pod が含まれることを確認します。

      例10.2 準備状態にある Kibana Pod の出力例

      [
      {
      "clusterCondition": {
      "kibana-5fdd766ffd-nb2jj": [
      {
      "lastTransitionTime": "2020-06-30T14:11:07Z",
      "reason": "ContainerCreating",
      "status": "True",
      "type": ""
      },
      {
      "lastTransitionTime": "2020-06-30T14:11:07Z",
      "reason": "ContainerCreating",
      "status": "True",
      "type": ""
      }
      ]
      },
      "deployment": "kibana",
      "pods": {
      "failed": [],
      "notReady": []
      "ready": []
      },
      "replicaSets": [
      "kibana-5fdd766ffd"
      ],
      "replicas": 1
      }
      ]

10.2. OpenShift Logging の現行バージョンへの更新

OpenShift Logging を 5.x から現行バージョンに更新するには、OpenShift Elasticsearch Operator および Red Hat OpenShift Logging Operator のサブスクリプションを変更します。

重要

Red Hat OpenShift Logging Operator を更新する前に OpenShift Elasticsearch Operator を更新する必要があります。また、両方の Operator を同じバージョンに更新する必要があります。

Operator を間違った順序で更新すると、Kibana は更新されず、Kibana カスタムリソース (CR) は作成されません。この問題を回避するには、Red Hat OpenShift Logging Operator Pod を削除します。Red Hat OpenShift Logging Operator Pod が再デプロイされると、Kibana CR が作成され、Kibana が再度利用可能になります。

前提条件

  • OpenShift Container Platform バージョンが 4.7 以降である。
  • OpenShift Logging のステータスが正常である。

    • すべての Pod が Ready 状態にある。
    • Elasticsearch クラスターが正常である。
  • Elasticsearch および Kibana データのバックアップが作成されている。

手順

  1. OpenShift Elasticsearch Operator を更新します。

    1. Web コンソールで OperatorsInstalled Operators をクリックします。
    2. openshift-operators-redhat プロジェクトを選択します。
    3. OpenShift Elasticsearch Operator をクリックします。
    4. SubscriptionChannel をクリックします。
    5. Change Subscription Update Channel ウィンドウで stable-5.x を選択し、Save をクリックします。
    6. 数秒待ってから OperatorsInstalled Operators をクリックします。

      OpenShift Elasticsearch Operator のバージョンが 5.x.x であることを確認します。

      Status フィールドで Succeeded を報告するのを待機します。

  2. Red Hat OpenShift Logging Operator を更新します。

    1. Web コンソールで OperatorsInstalled Operators をクリックします。
    2. openshift-logging プロジェクトを選択します。
    3. Red Hat OpenShift Logging Operator をクリックします。
    4. SubscriptionChannel をクリックします。
    5. Change Subscription Update Channel ウィンドウで stable-5.x を選択し、Save をクリックします。
    6. 数秒待ってから OperatorsInstalled Operators をクリックします。

      Red Hat OpenShift Logging Operator のバージョンが 5.x.x であることを確認します。

      Status フィールドで Succeeded を報告するのを待機します。

  3. ロギングコンポーネントを確認します。

    1. すべての Elasticsearch Pod が Ready ステータスであることを確認します。

      $ oc get pod -n openshift-logging --selector component=elasticsearch

      出力例

      NAME                                            READY   STATUS    RESTARTS   AGE
      elasticsearch-cdm-1pbrl44l-1-55b7546f4c-mshhk   2/2     Running   0          31m
      elasticsearch-cdm-1pbrl44l-2-5c6d87589f-gx5hk   2/2     Running   0          30m
      elasticsearch-cdm-1pbrl44l-3-88df5d47-m45jc     2/2     Running   0          29m

    2. Elasticsearch クラスターが正常であることを確認します。

      $ oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch elasticsearch-cdm-1pbrl44l-1-55b7546f4c-mshhk -- health
      {
        "cluster_name" : "elasticsearch",
        "status" : "green",
      }
    3. Elasticsearch cron ジョブが作成されていることを確認します。

      $ oc project openshift-logging
      $ oc get cronjob
      NAME                     SCHEDULE       SUSPEND   ACTIVE   LAST SCHEDULE   AGE
      elasticsearch-im-app     */15 * * * *   False     0        <none>          56s
      elasticsearch-im-audit   */15 * * * *   False     0        <none>          56s
      elasticsearch-im-infra   */15 * * * *   False     0        <none>          56s
    4. ログストアが 5.x に更新され、インデックスが green であることを確認します。

      $ oc exec -c elasticsearch <any_es_pod_in_the_cluster> -- indices

      出力に app-00000xinfra-00000xaudit-00000x.security インデックス が含まれることを確認します。

      例10.3 緑色のステータスのインデックスを含む出力例

      Tue Jun 30 14:30:54 UTC 2020
      health status index                                                                 uuid                   pri rep docs.count docs.deleted store.size pri.store.size
      green  open   infra-000008                                                          bnBvUFEXTWi92z3zWAzieQ   3 1       222195            0        289            144
      green  open   infra-000004                                                          rtDSzoqsSl6saisSK7Au1Q   3 1       226717            0        297            148
      green  open   infra-000012                                                          RSf_kUwDSR2xEuKRZMPqZQ   3 1       227623            0        295            147
      green  open   .kibana_7                                                             1SJdCqlZTPWlIAaOUd78yg   1 1            4            0          0              0
      green  open   infra-000010                                                          iXwL3bnqTuGEABbUDa6OVw   3 1       248368            0        317            158
      green  open   infra-000009                                                          YN9EsULWSNaxWeeNvOs0RA   3 1       258799            0        337            168
      green  open   infra-000014                                                          YP0U6R7FQ_GVQVQZ6Yh9Ig   3 1       223788            0        292            146
      green  open   infra-000015                                                          JRBbAbEmSMqK5X40df9HbQ   3 1       224371            0        291            145
      green  open   .orphaned.2020.06.30                                                  n_xQC2dWQzConkvQqei3YA   3 1            9            0          0              0
      green  open   infra-000007                                                          llkkAVSzSOmosWTSAJM_hg   3 1       228584            0        296            148
      green  open   infra-000005                                                          d9BoGQdiQASsS3BBFm2iRA   3 1       227987            0        297            148
      green  open   infra-000003                                                          1-goREK1QUKlQPAIVkWVaQ   3 1       226719            0        295            147
      green  open   .security                                                             zeT65uOuRTKZMjg_bbUc1g   1 1            5            0          0              0
      green  open   .kibana-377444158_kubeadmin                                           wvMhDwJkR-mRZQO84K0gUQ   3 1            1            0          0              0
      green  open   infra-000006                                                          5H-KBSXGQKiO7hdapDE23g   3 1       226676            0        295            147
      green  open   infra-000001                                                          eH53BQ-bSxSWR5xYZB6lVg   3 1       341800            0        443            220
      green  open   .kibana-6                                                             RVp7TemSSemGJcsSUmuf3A   1 1            4            0          0              0
      green  open   infra-000011                                                          J7XWBauWSTe0jnzX02fU6A   3 1       226100            0        293            146
      green  open   app-000001                                                            axSAFfONQDmKwatkjPXdtw   3 1       103186            0        126             57
      green  open   infra-000016                                                          m9c1iRLtStWSF1GopaRyCg   3 1        13685            0         19              9
      green  open   infra-000002                                                          Hz6WvINtTvKcQzw-ewmbYg   3 1       228994            0        296            148
      green  open   infra-000013                                                          KR9mMFUpQl-jraYtanyIGw   3 1       228166            0        298            148
      green  open   audit-000001                                                          eERqLdLmQOiQDFES1LBATQ   3 1            0            0          0              0
    5. ログコレクターが 5.x に更新されていることを確認します。

      $ oc get ds fluentd -o json | grep fluentd-init

      出力に fluentd-init コンテナーが含まれていることを確認します。

      "containerName": "fluentd-init"
    6. Kibana CRD を使用してログビジュアライザーが 5.x に更新されていることを確認します。

      $ oc get kibana kibana -o json

      出力に ready ステータスの Kibana Pod が含まれることを確認します。

      例10.4 準備状態にある Kibana Pod の出力例

      [
      {
      "clusterCondition": {
      "kibana-5fdd766ffd-nb2jj": [
      {
      "lastTransitionTime": "2020-06-30T14:11:07Z",
      "reason": "ContainerCreating",
      "status": "True",
      "type": ""
      },
      {
      "lastTransitionTime": "2020-06-30T14:11:07Z",
      "reason": "ContainerCreating",
      "status": "True",
      "type": ""
      }
      ]
      },
      "deployment": "kibana",
      "pods": {
      "failed": [],
      "notReady": []
      "ready": []
      },
      "replicaSets": [
      "kibana-5fdd766ffd"
      ],
      "replicas": 1
      }
      ]

第11章 クラスターダッシュボードの表示

OpenShift Container Platform Web コンソールの Logging/Elasticsearch Nodes および Openshift Logging ダッシュボードは、 Elasticsearch インスタンスや、問題の発生防止および診断に使用できる個別の Elasticsearch ノードについての詳細情報を表示します。

OpenShift Logging ダッシュボードには、クラスターリソース、ガベージコレクション、クラスターのシャード、Fluentd 統計など、クラスターレベルでの Elasticsearch インスタンスについての詳細を表示するチャートが含まれます。

Logging/Elasticsearch Nodes ダッシュボードには、Elasticsearch インスタンスの詳細を表示するチャートが含まれます。これらのチャートの多くはノードレベルのものであり、これには、インデックス、シャード、リソースなどの詳細が含まれます。

注記

より詳細なデータについては、ダッシュボードの Grafana UI リンクをクリックして Grafana ダッシュボードを起動します。Grafana には OpenShift cluster monitoring が同梱されています。

11.1. Elastisearch および OpenShift Logging ダッシュボードへのアクセス

OpenShift Container Platform Web コンソールで Logging/Elasticsearch Nodes および Openshift Logging ダッシュボードを表示できます。

手順

ダッシュボードを起動するには、以下を実行します。

  1. OpenShift Container Platform Web コンソールで、MonitoringDashboards をクリックします。
  2. Dashboards ページで、Dashboard メニューから Logging/Elasticsearch Nodes または Openshift Logging を選択します。

    Logging/Elasticsearch Nodes ダッシュボードの場合、表示する必要のある Elasticsearch ノードを選択し、データの解像度を設定できます。

    適切なダッシュボードが表示され、データの複数のチャートが表示されます。

  3. 必要に応じて、Time Range メニューおよび Refresh Interval メニューから、データを表示するさまざまな時間の範囲またはデータのリフレッシュレートを選択します。
注記

より詳細なデータについては、Grafana UI リンクをクリックして Grafana ダッシュボードを起動します。

ダッシュボードチャートについての詳細は、OpenShift Logging ダッシュボードについて および Logging/Elastisearch Nodes ダッシュボード について参照してください。

11.2. OpenShift Logging ダッシュボードについて

OpenShift Logging ダッシュボードには、クラスターレベルで Elasticsearch インスタンスの詳細を表示するチャートが含まれており、これを使用して問題を診断し、予測できます。

表11.1 OpenShift Logging チャート

メトリクス説明

Elastic Cluster Status (Elastic Cluster のステータス)

Elasticsearch の現行ステータス:

  • ONLINE: Elasticsearch インスタンスがオンラインであることを示します。
  • OFFLINE: Elasticsearch インスタンスがオフラインであることを示します。

Elastic Nodes (Elastic ノード)

Elasticsearch インスタンス内の Elasticsearch ノードの合計数。

Elastic Shards (Elastic シャード)

Elasticsearch インスタンス内の Elasticsearch シャードの合計数。

Elastic Documents (Elastic ドキュメント)

Elasticsearch インスタンス内の Elasticsearch ドキュメントの合計数。

Total Index Size on Disk (ディスク上の合計インデックスサイズ)

Elasticsearch インデックスに使用されるディスク容量の合計。

Elastic Pending Tasks (Elastic の保留中のタスク)

インデックスの作成、インデックスのマッピング、シャードの割り当て、シャードの失敗など、完了していない Elasticsearch 変更の合計数。

Elastic JVM GC time (Elastic JVM GC 時間)

JVM がクラスターでの Elasticsearch ガベージコレクション操作の実行に費した時間。

Elastic JVM GC Rate (Elastic JVM GC レート)

JVM が 1 秒ごとにガベージアクティビティーを実行する合計回数。

Elastic Query/Fetch Latency Sum (Elastic クエリー/フェッチのレイテンシーの合計)

  • クエリーレイテンシー: 各 Elasticsearch 検索クエリーの実行に必要な平均時間。
  • フェッチレイテンシー: 各 Elasticsearch 検索クエリーがデータのフェッチに費す平均時間。

通常、フェッチレイテンシーの時間はクエリーレイテンシーよりも短くなります。フェッチレイテンシーが一貫して増加する場合、これはディスクの速度の低下、データの増加、または結果が多すぎる大規模な要求があることを示している可能性があります。

Elastic Query Rate (Elastic クエリーレート)

各 Elasticsearch ノードについて 1 秒ごとに Elasticsearch インスタンスに対して実行される合計クエリー。

CPU

それぞれのコンポーネントについて表示される Elasticsearch、Fluentd、および Kibana によって使用される CPU の量。

Elastic JVM Heap Used (Elastic JVM ヒープの使用)

使用される JVM メモリーの量。正常なクラスターでは、JVM ガベージコレクションによってメモリーが解放されると、グラフは定期的な低下を示します。

Elasticsearch Disk Usage (Elasticsearch ディスクの使用)

各 Elasticsearch ノードについて Elasticsearch インスタンスによって使用されるディスク容量の合計。

File Descriptors In Use (使用中のファイル記述子)

Elasticsearch、Fluentd、および Kibana によって使用されるファイル記述子の合計数。

FluentD emit count (Fluentd の生成数)

Fluentd デフォルト出力についての 1 秒あたりの Fluentd メッセージの合計数およびデフォルト出力の再試行数。

FluentD Buffer Availability (Fluentd バッファーの可用性)

チャンクに使用できる Fluentd バッファーのパーセント。バッファーが一杯になると、Fluentd が受信するログ数を処理できないことを示す可能性があります。

Elastic rx bytes (Elastic rx バイト)

Elasticsearch が FluentD、Elasticsearch ノード、およびその他のソースから受信した合計バイト数。

Elastic Index Failure Rate (Elastic インデックス失敗率)

Elasticsearch インデックスで失敗した 1 秒あたりの合計回数。レートが高い場合は、インデックスに問題があることを示す可能性があります。

FluentD Output Error Rate (Fluentd 出力エラー率)

FluentD がログの出力に失敗する 1 秒あたりの合計回数。

11.3. Logging/Elasticsearch ノードダッシュボードのチャート

Logging/Elasticsearch Nodes ダッシュボードには、追加の診断に使用できる Elasticsearch インスタンスの詳細を表示するチャートが含まれます。これらのチャートの多くはノードレベルのものです。

Elasticsearch ステータス
Logging/Elasticsearch Nodes ダッシュボードには、Elasticsearch インスタンスのステータスに関する以下のチャートが含まれます。

表11.2 Elasticsearch ステータスフィールド

メトリクス説明

Cluster status (クラスターステータス)

Elasticsearch の green、yellow、および red ステータスを使用する、選択された期間におけるクラスターの正常性ステータス。

  • 0: Elasticsearch インスタンスが green ステータスであることを示します。これは、すべてのシャードが割り当てられることを意味します。
  • 1: Elasticsearch インスタンスが yellow ステータスであることを示します。これは、1 つ以上のシャードのレプリカシャードが割り当てられないことを意味します。
  • 2: Elasticsearch インスタンスが red ステータスであることを示します。これは、1 つ以上のプライマリーシャードとそのレプリカが割り当てられないことを意味します。

Cluster nodes (クラスターノード)

クラスター内の Elasticsearch ノードの合計数。

Cluster data nodes (クラスターデータノード)

クラスター内の Elasticsearch データノードの数。

Cluster pending tasks (クラスターの保留中のタスク)

終了しておらず、クラスターキューで待機中のクラスター状態変更の数。たとえば、インデックスの作成、インデックスの削除、シャードの割り当てなどがあります。増加傾向は、クラスターが変更に対応できないことを示します。

Elasticsearch クラスターインデックスシャードのステータス
各 Elasticsearch インデックスは、永続化されたデータの基本単位である 1 つ以上のシャードの論理グループです。インデックスシャードには、プライマリーシャードとレプリカシャードの 2 つのタイプがあります。ドキュメントがインデックスにインデックス化されると、これはプライマリーシャードのいずれかに保存され、そのシャードのすべてのレプリカにコピーされます。プライマリーシャードの数はインデックスの作成時に指定され、この数はインデックスの有効期間に変更することはできません。レプリカシャードの数はいつでも変更できます。

インデックスシャードは、ライフサイクルフェーズまたはクラスターで発生するイベントに応じて複数の状態に切り替わります。シャードが検索およびインデックス要求を実行できる場合、シャードはアクティブになります。シャードがこれらの要求を実行できない場合、シャードは非アクティブになります。シャードが初期化、再割り当て、未割り当てなどの状態にある場合、シャードが非アクティブになる可能性があります。

インデックスシャードは、データの物理表現であるインデックスセグメントと呼ばれる数多くの小さな内部ブロックで設定されます。インデックスセグメントは、Lucene が新たにインデックス化されたデータをコミットしたときに作成される比較的小さく、イミュータブルな Lucene インデックスです。Lucene (Elasticsearch によって使用される検索ライブラリー) は、バックグラウンドでインデックスセグメントをより大きなセグメントにマージし、セグメントの合計数を低い状態に維持します。セグメントをマージするプロセスが新規セグメントが作成される速度よりも遅くなる場合、問題があることを示す可能性があります。

Lucene が検索操作などのデータ操作を実行する場合、Lucene は関連するインデックスのインデックスセグメントに対して操作を実行します。そのため、各セグメントには、メモリーにロードされ、マップされる特定のデータ構造が含まれます。インデックスマッピングは、セグメントデータ構造で使用されるメモリーに大きく影響を与える可能性があります。

Logging/Elasticsearch Nodes ダッシュボードには、Elasticsearch インデックスシャードに関する以下のチャートが含まれます。

表11.3 Elasticsearch クラスターのシャードステータスのチャート

メトリクス説明

Cluster active shards (クラスターのアクティブシャード)

クラスターにおけるアクティブなプライマリーシャードの数と、レプリカを含むシャードの合計数。シャードの数が大きくなると、クラスターのパフォーマンスが低下し始める可能性があります。

Cluster initializing shards (クラスターの初期化シャード)

クラスターのアクティブではないシャードの数。アクティブではないシャードは、初期化され、別のノードに再配置されるているシャードや、割り当てられていないシャードを指します。通常、クラスターには短期間アクティブではないシャードがあります。長期間にわたってアクティブではないシャードの数が増える場合、問題があることを示す可能性があります。

Cluster relocating shards (クラスターの再配置シャード)

Elasticsearch が新規ノードに再配置されているシャードの数。Elasticsearch は、ノードでのメモリー使用率が高い場合や新規ノードがクラスターに追加された後などの複数の理由によりノードを再配置します。

Cluster unassigned shards (クラスター未割り当てシャード)

未割り当てのシャードの数。Elasticsearch シャードは、新規インデックスの追加やノードの障害などの理由で割り当てられない可能性があります。

Elasticsearch ノードメトリクス
各 Elasticsearch ノードには、タスクの処理に使用できるリソースの量に制限があります。すべてのリソースが使用中で、Elasticsearch が新規タスクの実行を試行する場合、Elasticsearch は一部のリソースが利用可能になるまでタスクをキューに入れます。

Logging/Elasticsearch Nodes ダッシュボードには、選択されたノードのリソース使用状況に関する以下のチャートと Elasticsearch キューで待機中のタスクの数が含まれます。

表11.4 Elasticsearch ノードのメトリクスチャート

メトリクス説明

ThreadPool tasks (ThreadPool タスク)

個別のキューの待機中のタスクの数 (タスクタイプ別に表示されます)。キュー内のタスクの長期間累積した状態は、ノードリソースの不足やその他の問題があることを示す可能性があります。

CPU usage (CPU の使用率)

ホストコンテナーに割り当てられる CPU の合計の割合として、選択した Elasticsearch ノードによって使用される CPU の量。

Memory usage (メモリー使用量)

選択した Elasticsearch ノードによって使用されるメモリー量。

Disk usage (ディスク使用量)

選択された Elasticsearch ノードのインデックスデータおよびメタデータに使用されるディスク容量の合計。

Documents indexing rate (ドキュメントインデックス化レート)

ドキュメントが選択された Elasticsearch ノードでインデックス化されるレート。

Indexing latency (インデックス化レイテンシー)

選択された Elasticsearch ノードでドキュメントをインデックス化するのに必要となる時間。インデックス化レイテンシーは、JVM ヒープメモリーや全体の負荷などの多くの要素による影響を受ける可能性があります。レイテンシーが増加する場合、インスタンス内のリソース容量が不足していることを示します。

Search rate (検索レート)

選択された Elasticsearch ノードで実行される検索要求の数。

Search latency (検索レイテンシー)

選択された Elasticsearch ノードで検索要求を完了するのに必要となる時間。検索レイテンシーは、数多くの要因の影響を受ける可能性があります。レイテンシーが増加する場合、インスタンス内のリソース容量が不足していることを示します。

Documents count (with replicas)(ドキュメント数 (レプリカ使用))

選択された Elasticsearch ノードに保管される Elasticsearch ドキュメントの数。これには、ノードで割り当てられるプライマリーシャードとレプリカシャードの両方に保存されるドキュメントが含まれます。

Documents deleting rate (ドキュメントの削除レート)

選択された Elasticsearch ノードに割り当てられるいずれかのインデックスシャードから削除される Elasticsearch ドキュメントの数。

Documents merging rate (ドキュメントのマージレート)

選択された Elasticsearch ノードに割り当てられるインデックスシャードのいずれかでマージされる Elasticsearch ドキュメントの数。

Elasticsearch ノードフィールドデータ
Fielddata はインデックスの用語の一覧を保持する Elasticsearch データ構造であり、JVM ヒープに保持されます。fielddata のビルドはコストのかかる操作であるため、Elasticsearch は fielddata 構造をキャッシュします。Elasticsearch は、基礎となるインデックスセグメントが削除されたり、マージされる場合や、すべての fielddata キャッシュに JVM HEAP メモリーが十分にない場合に、fielddata キャッシュをエビクトできます。

Logging/Elasticsearch Nodes ダッシュボードには、Elasticsearch fielddata に関する以下のチャートが含まれます。

表11.5 Elasticsearch ノードフィールドデータチャート

メトリクス説明

Fielddata memory size (Fielddata メモリーサイズ)

選択された Elasticsearch ノードの fielddata キャッシュに使用される JVM ヒープの量。

Fielddata evictions (Fielddata エビクション)

選択された Elasticsearch ノードから削除された fielddata 構造の数。

Elasticsearch ノードのクエリーキャッシュ
インデックスに保存されているデータが変更されない場合、検索クエリーの結果は Elasticsearch で再利用できるようにノードレベルのクエリーキャッシュにキャッシュされます。

Logging/Elasticsearch Nodes ダッシュボードには、Elasticsearch ノードのクエリーキャッシュに関する以下のチャートが含まれます。

表11.6 Elasticsearch ノードのクエリーチャート

メトリクス説明

Query cache size (クエリーキャッシュサイズ)

選択された Elasticsearch ノードに割り当てられるすべてのシャードのクエリーキャッシュに使用されるメモリーの合計量。

Query cache evictions (クエリーキャッシュエビクション)

選択された Elasticsearch ノードでのクエリーキャッシュのエビクション数。

Query cache hits (クエリーキャッシュヒット)

選択された Elasticsearch ノードでのクエリーキャッシュのヒット数。

Query cache misses (クエリーキャッシュミス)

選択された Elasticsearch ノードでのクエリーキャッシュのミス数。

Elasticsearch インデックスのスロットリング
ドキュメントのインデックスを作成する場合、Elasticsearch はデータの物理表現であるインデックスセグメントにドキュメントを保存します。同時に、Elasticsearch はリソースの使用を最適化する方法として、より小さなセグメントをより大きなセグメントに定期的にマージします。インデックス処理がセグメントをマージする機能よりも高速になる場合、マージプロセスが十分前もって終了せずに、検索やパフォーマンスに関連した問題が生じる可能性があります。この状況を防ぐために、Elasticsearch はインデックスをスロットリングします。通常、インデックスに割り当てられるスレッド数を 1 つのスレッドに減らすことで制限できます。

Logging/Elasticsearch Nodes ダッシュボードには、Elasticsearch インデックスのスロットリングについての以下のチャートが含まれます。

表11.7 インデックススロットリングチャート

メトリクス説明

Indexing throttling (インデックスのスロットリング)

Elasticsearch が選択された Elasticsearch ノードでインデックス操作をスロットリングしている時間。

Merging throttling (マージのスロットリング)

Elasticsearch が選択された Elasticsearch ノードでセグメントのマージ操作をスロットリングしている時間。

ノード JVM ヒープの統計
Logging/Elasticsearch Nodes ダッシュボードには、JVM ヒープ操作に関する以下のチャートが含まれます。

表11.8 JVM ヒープ統計チャート

メトリクス説明

Heap used (ヒープの使用)

選択された Elasticsearch ノードで使用される割り当て済みの JVM ヒープ領域の合計。

GC count (GC 数)

新旧のガベージコレクションによって、選択された Elasticsearch ノードで実行されてきたガベージコレクション操作の数。

GC time (GC 時間)

JVM が、新旧のガベージコレクションによって選択された Elasticsearch ノードでガベージコレクションを実行してきた時間。

第12章 ロギングのトラブルシューティング

12.1. OpenShift Logging ステータスの表示

Red Hat OpenShift Logging Operator のステータスや、数多くの OpenShift Logging コンポーネントを表示できます。

12.1.1. Red Hat OpenShift Logging Operator のステータス表示

Red Hat OpenShift Logging Operator のステータスを表示することができます。

前提条件

  • OpenShift Logging および Elasticsearch がインストールされている。

手順

  1. openshift-logging プロジェクトに切り替えます。

    $ oc project openshift-logging
  2. OpenShift Logging のステータスを表示するには、以下を実行します。

    1. OpenShift Logging のステータスを取得します。

      $ oc get clusterlogging instance -o yaml

      出力例

      apiVersion: logging.openshift.io/v1
      kind: ClusterLogging
      
      ....
      
      status:  1
        collection:
          logs:
            fluentdStatus:
              daemonSet: fluentd  2
              nodes:
                fluentd-2rhqp: ip-10-0-169-13.ec2.internal
                fluentd-6fgjh: ip-10-0-165-244.ec2.internal
                fluentd-6l2ff: ip-10-0-128-218.ec2.internal
                fluentd-54nx5: ip-10-0-139-30.ec2.internal
                fluentd-flpnn: ip-10-0-147-228.ec2.internal
                fluentd-n2frh: ip-10-0-157-45.ec2.internal
              pods:
                failed: []
                notReady: []
                ready:
                - fluentd-2rhqp
                - fluentd-54nx5
                - fluentd-6fgjh
                - fluentd-6l2ff
                - fluentd-flpnn
                - fluentd-n2frh
        logstore: 3
          elasticsearchStatus:
          - ShardAllocationEnabled:  all
            cluster:
              activePrimaryShards:    5
              activeShards:           5
              initializingShards:     0
              numDataNodes:           1
              numNodes:               1
              pendingTasks:           0
              relocatingShards:       0
              status:                 green
              unassignedShards:       0
            clusterName:             elasticsearch
            nodeConditions:
              elasticsearch-cdm-mkkdys93-1:
            nodeCount:  1
            pods:
              client:
                failed:
                notReady:
                ready:
                - elasticsearch-cdm-mkkdys93-1-7f7c6-mjm7c
              data:
                failed:
                notReady:
                ready:
                - elasticsearch-cdm-mkkdys93-1-7f7c6-mjm7c
              master:
                failed:
                notReady:
                ready:
                - elasticsearch-cdm-mkkdys93-1-7f7c6-mjm7c
      visualization:  4
          kibanaStatus:
          - deployment: kibana
            pods:
              failed: []
              notReady: []
              ready:
              - kibana-7fb4fd4cc9-f2nls
            replicaSets:
            - kibana-7fb4fd4cc9
            replicas: 1

      1
      出力の status スタンザに、クラスターステータスのフィールドが表示されます。
      2
      Fluentd Pod についての情報
      3
      Elasticsearch クラスターの健全性 (greenyellow、または red) などの Elasticsearch Pod についての情報
      4
      Kibana Pod についての情報

12.1.1.1. 状態メッセージ (condition message) のサンプル

以下は、OpenShift Logging インスタンスの Status.Nodes セクションからの一部の状態メッセージの例です。

以下のようなステータスメッセージは、ノードが設定された低基準値を超えており、シャードがこのノードに割り当てられないことを示します。

出力例

  nodes:
  - conditions:
    - lastTransitionTime: 2019-03-15T15:57:22Z
      message: Disk storage usage for node is 27.5gb (36.74%). Shards will be not
        be allocated on this node.
      reason: Disk Watermark Low
      status: "True"
      type: NodeStorage
    deploymentName: example-elasticsearch-clientdatamaster-0-1
    upgradeStatus: {}

以下のようなステータスメッセージは、ノードが設定された高基準値を超えており、シャードが他のノードに移動させられることを示します。

出力例

  nodes:
  - conditions:
    - lastTransitionTime: 2019-03-15T16:04:45Z
      message: Disk storage usage for node is 27.5gb (36.74%). Shards will be relocated
        from this node.
      reason: Disk Watermark High
      status: "True"
      type: NodeStorage
    deploymentName: cluster-logging-operator
    upgradeStatus: {}

以下のようなステータスメッセージは、CR の Elasticsearch ノードセレクターがクラスターのいずれのノードにも一致しないことを示します。

出力例

    Elasticsearch Status:
      Shard Allocation Enabled:  shard allocation unknown
      Cluster:
        Active Primary Shards:  0
        Active Shards:          0
        Initializing Shards:    0
        Num Data Nodes:         0
        Num Nodes:              0
        Pending Tasks:          0
        Relocating Shards:      0
        Status:                 cluster health unknown
        Unassigned Shards:      0
      Cluster Name:             elasticsearch
      Node Conditions:
        elasticsearch-cdm-mkkdys93-1:
          Last Transition Time:  2019-06-26T03:37:32Z
          Message:               0/5 nodes are available: 5 node(s) didn't match node selector.
          Reason:                Unschedulable
          Status:                True
          Type:                  Unschedulable
        elasticsearch-cdm-mkkdys93-2:
      Node Count:  2
      Pods:
        Client:
          Failed:
          Not Ready:
            elasticsearch-cdm-mkkdys93-1-75dd69dccd-f7f49
            elasticsearch-cdm-mkkdys93-2-67c64f5f4c-n58vl
          Ready:
        Data:
          Failed:
          Not Ready:
            elasticsearch-cdm-mkkdys93-1-75dd69dccd-f7f49
            elasticsearch-cdm-mkkdys93-2-67c64f5f4c-n58vl
          Ready:
        Master:
          Failed:
          Not Ready:
            elasticsearch-cdm-mkkdys93-1-75dd69dccd-f7f49
            elasticsearch-cdm-mkkdys93-2-67c64f5f4c-n58vl
          Ready:

以下のようなステータスメッセージは、要求された PVC が PV にバインドされないことを示します。

出力例

      Node Conditions:
        elasticsearch-cdm-mkkdys93-1:
          Last Transition Time:  2019-06-26T03:37:32Z
          Message:               pod has unbound immediate PersistentVolumeClaims (repeated 5 times)
          Reason:                Unschedulable
          Status:                True
          Type:                  Unschedulable

以下のようなステータスメッセージは、ノードセレクターがいずれのノードにも一致しないため、Fluentd Pod をスケジュールできないことを示します。

出力例

Status:
  Collection:
    Logs:
      Fluentd Status:
        Daemon Set:  fluentd
        Nodes:
        Pods:
          Failed:
          Not Ready:
          Ready:

12.1.2. OpenShift Logging コンポーネントのステータスの表示

数多くの OpenShift Logging コンポーネントのステータスを表示することができます。

前提条件

  • OpenShift Logging および Elasticsearch がインストールされている。

手順

  1. openshift-logging プロジェクトに切り替えます。

    $ oc project openshift-logging
  2. OpenShift Logging 環境のステータスを表示します。

    $ oc describe deployment cluster-logging-operator

    出力例

    Name:                   cluster-logging-operator
    
    ....
    
    Conditions:
      Type           Status  Reason
      ----           ------  ------
      Available      True    MinimumReplicasAvailable
      Progressing    True    NewReplicaSetAvailable
    
    ....
    
    Events:
      Type    Reason             Age   From                   Message
      ----    ------             ----  ----                   -------
      Normal  ScalingReplicaSet  62m   deployment-controller  Scaled up replica set cluster-logging-operator-574b8987df to 1----

  3. OpenShift Logging レプリカセットのステータスを表示します。

    1. レプリカセットの名前を取得します。

      出力例

      $ oc get replicaset

      出力例

      NAME                                      DESIRED   CURRENT   READY   AGE
      cluster-logging-operator-574b8987df       1         1         1       159m
      elasticsearch-cdm-uhr537yu-1-6869694fb    1         1         1       157m
      elasticsearch-cdm-uhr537yu-2-857b6d676f   1         1         1       156m
      elasticsearch-cdm-uhr537yu-3-5b6fdd8cfd   1         1         1       155m
      kibana-5bd5544f87                         1         1         1       157m

    2. レプリカセットのステータスを取得します。

      $ oc describe replicaset cluster-logging-operator-574b8987df

      出力例

      Name:           cluster-logging-operator-574b8987df
      
      ....
      
      Replicas:       1 current / 1 desired
      Pods Status:    1 Running / 0 Waiting / 0 Succeeded / 0 Failed
      
      ....
      
      Events:
        Type    Reason            Age   From                   Message
        ----    ------            ----  ----                   -------
        Normal  SuccessfulCreate  66m   replicaset-controller  Created pod: cluster-logging-operator-574b8987df-qjhqv----

12.2. Elasticsearch ログストアのステータスの表示

OpenShift Elasticsearch Operator のステータスや、数多くの Elasticsearch コンポーネントを表示できます。

12.2.1. ログストアのステータスの表示

ログストアのステータスを表示することができます。

前提条件

  • OpenShift Logging および Elasticsearch がインストールされている。

手順

  1. openshift-logging プロジェクトに切り替えます。

    $ oc project openshift-logging
  2. ステータスを表示するには、以下を実行します。

    1. ログストアインスタンスの名前を取得します。

      $ oc get Elasticsearch

      出力例

      NAME            AGE
      elasticsearch   5h9m

    2. ログストアのステータスを取得します。

      $ oc get Elasticsearch <Elasticsearch-instance> -o yaml

      以下に例を示します。

      $ oc get Elasticsearch elasticsearch -n openshift-logging -o yaml

      出力には、以下のような情報が含まれます。

      出力例

      status: 1
        cluster: 2
          activePrimaryShards: 30
          activeShards: 60
          initializingShards: 0
          numDataNodes: 3
          numNodes: 3
          pendingTasks: 0
          relocatingShards: 0
          status: green
          unassignedShards: 0
        clusterHealth: ""
        conditions: [] 3
        nodes: 4
        - deploymentName: elasticsearch-cdm-zjf34ved-1
          upgradeStatus: {}
        - deploymentName: elasticsearch-cdm-zjf34ved-2
          upgradeStatus: {}
        - deploymentName: elasticsearch-cdm-zjf34ved-3
          upgradeStatus: {}
        pods: 5
          client:
            failed: []
            notReady: []
            ready:
            - elasticsearch-cdm-zjf34ved-1-6d7fbf844f-sn422
            - elasticsearch-cdm-zjf34ved-2-dfbd988bc-qkzjz
            - elasticsearch-cdm-zjf34ved-3-c8f566f7c-t7zkt
          data:
            failed: []
            notReady: []
            ready:
            - elasticsearch-cdm-zjf34ved-1-6d7fbf844f-sn422
            - elasticsearch-cdm-zjf34ved-2-dfbd988bc-qkzjz
            - elasticsearch-cdm-zjf34ved-3-c8f566f7c-t7zkt
          master:
            failed: []
            notReady: []
            ready:
            - elasticsearch-cdm-zjf34ved-1-6d7fbf844f-sn422
            - elasticsearch-cdm-zjf34ved-2-dfbd988bc-qkzjz
            - elasticsearch-cdm-zjf34ved-3-c8f566f7c-t7zkt
        shardAllocationEnabled: all

      1
      出力の status スタンザに、クラスターステータスのフィールドが表示されます。
      2
      ログストアのステータス:
      • アクティブなプライマリーシャードの数
      • アクティブなシャードの数
      • 初期化されるシャードの数
      • ログストアデータノードの数。
      • ログストアノードの合計数。
      • 保留中のタスクの数。
      • ログストアのステータス: greenredyellow
      • 未割り当てのシャードの数。
      3
      ステータス状態 (ある場合)。ログストアのステータスは、Pod が配置されていない場合にスケジューラーからの理由を示します。以下の状況に関連したイベントが表示されます。
      • ログストアおよびプロキシーコンテナーの両方についてコンテナーが待機中。
      • ログストアおよびプロキシーコンテナーの両方についてコンテナーが終了している。
      • Pod がスケジュール対象外である。さらに多数の問題についての状態が表示されます。詳細は、状態メッセージのサンプル を参照してください。
      4
      upgradeStatus のあるクラスター内のログストアノード。
      5
      'failed`、notReady または ready 状態の下に一覧表示された、クラスター内のログストアクライアント、データ、およびマスター Pod。

12.2.1.1. 状態メッセージ (condition message) のサンプル

以下は、Elasticsearch インスタンスの Status セクションからの一部の状態メッセージの例になります。

以下のステータスメッセージは、ノードが設定された低基準値を超えており、シャードがこのノードに割り当てられないことを示します。

status:
  nodes:
  - conditions:
    - lastTransitionTime: 2019-03-15T15:57:22Z
      message: Disk storage usage for node is 27.5gb (36.74%). Shards will be not
        be allocated on this node.
      reason: Disk Watermark Low
      status: "True"
      type: NodeStorage
    deploymentName: example-elasticsearch-cdm-0-1
    upgradeStatus: {}

以下のステータスメッセージは、ノードが設定された高基準値を超えており、シャードが他のノードに移動させられることを示します。

status:
  nodes:
  - conditions:
    - lastTransitionTime: 2019-03-15T16:04:45Z
      message: Disk storage usage for node is 27.5gb (36.74%). Shards will be relocated
        from this node.
      reason: Disk Watermark High
      status: "True"
      type: NodeStorage
    deploymentName: example-elasticsearch-cdm-0-1
    upgradeStatus: {}

以下のステータスメッセージは、CR のログストアノードセレクターがクラスターのいずれのノードにも一致しないことを示します。

status:
    nodes:
    - conditions:
      - lastTransitionTime: 2019-04-10T02:26:24Z
        message: '0/8 nodes are available: 8 node(s) didn''t match node selector.'
        reason: Unschedulable
        status: "True"
        type: Unschedulable

以下のステータスメッセージは、ログストア CR が存在しない 永続ボリューム要求 (PVC) を使用することを示します。

status:
   nodes:
   - conditions:
     - last Transition Time:  2019-04-10T05:55:51Z
       message:               pod has unbound immediate PersistentVolumeClaims (repeated 5 times)
       reason:                Unschedulable
       status:                True
       type:                  Unschedulable

以下のステータスメッセージは、ログストアクラスターには冗長性ポリシーをサポートするための十分なノードがないことを示します。

status:
  clusterHealth: ""
  conditions:
  - lastTransitionTime: 2019-04-17T20:01:31Z
    message: Wrong RedundancyPolicy selected. Choose different RedundancyPolicy or
      add more nodes with data roles
    reason: Invalid Settings
    status: "True"
    type: InvalidRedundancy

このステータスメッセージは、クラスター内のコントロールプレーンノード (別称マスターノード) の数が多過ぎることを示します。

status:
  clusterHealth: green
  conditions:
    - lastTransitionTime: '2019-04-17T20:12:34Z'
      message: >-
        Invalid master nodes count. Please ensure there are no more than 3 total
        nodes with master roles
      reason: Invalid Settings
      status: 'True'
      type: InvalidMasters

以下のステータスメッセージは、加えようとした変更が Elasticsearch ストレージでサポートされないことを示します。

以下に例を示します。

status:
  clusterHealth: green
  conditions:
    - lastTransitionTime: "2021-05-07T01:05:13Z"
      message: Changing the storage structure for a custom resource is not supported
      reason: StorageStructureChangeIgnored
      status: 'True'
      type: StorageStructureChangeIgnored

reason および type フィールドは、サポート対象外の変更のタイプを指定します。

StorageClassNameChangeIgnored
ストレージクラス名の変更がサポートされていません。
StorageSizeChangeIgnored
ストレージサイズの変更がサポートされていません。
StorageStructureChangeIgnored

一時ストレージと永続ストレージ構造間での変更がサポートされていません。

重要

ClusterLogging カスタムリソース (CR) を一時ストレージから永続ストレージに切り替えるように設定する場合に、OpenShift Elasticsearch Operator は永続ボリューム要求 (PVC) を作成しますが、永続ボリューム (PV) は作成されません。StorageStructureChangeIgnored ステータスを削除するには、ClusterLogging CR への変更を元に戻し、PVC を削除する必要があります。

12.2.2. ログストアコンポーネントのステータスの表示

数多くのログストアコンポーネントのステータスを表示することができます。

Elasticsearch インデックス

Elasticsearch インデックスのステータスを表示することができます。

  1. Elasticsearch Pod の名前を取得します。

    $ oc get pods --selector component=elasticsearch -o name

    出力例

    pod/elasticsearch-cdm-1godmszn-1-6f8495-vp4lw
    pod/elasticsearch-cdm-1godmszn-2-5769cf-9ms2n
    pod/elasticsearch-cdm-1godmszn-3-f66f7d-zqkz7

  2. インデックスのステータスを取得します。

    $ oc exec elasticsearch-cdm-4vjor49p-2-6d4d7db474-q2w7z -- indices

    出力例

    Defaulting container name to elasticsearch.
    Use 'oc describe pod/elasticsearch-cdm-4vjor49p-2-6d4d7db474-q2w7z -n openshift-logging' to see all of the containers in this pod.
    
    green  open   infra-000002                                                     S4QANnf1QP6NgCegfnrnbQ   3   1     119926            0        157             78
    green  open   audit-000001                                                     8_EQx77iQCSTzFOXtxRqFw   3   1          0            0          0              0
    green  open   .security                                                        iDjscH7aSUGhIdq0LheLBQ   1   1          5            0          0              0
    green  open   .kibana_-377444158_kubeadmin                                     yBywZ9GfSrKebz5gWBZbjw   3   1          1            0          0              0
    green  open   infra-000001                                                     z6Dpe__ORgiopEpW6Yl44A   3   1     871000            0        874            436
    green  open   app-000001                                                       hIrazQCeSISewG3c2VIvsQ   3   1       2453            0          3              1
    green  open   .kibana_1                                                        JCitcBMSQxKOvIq6iQW6wg   1   1          0            0          0              0
    green  open   .kibana_-1595131456_user1                                        gIYFIEGRRe-ka0W3okS-mQ   3   1          1            0          0              0

ログストア Pod

ログストアをホストする Pod のステータスを表示することができます。

  1. Pod の名前を取得します。

    $ oc get pods --selector component=elasticsearch -o name

    出力例

    pod/elasticsearch-cdm-1godmszn-1-6f8495-vp4lw
    pod/elasticsearch-cdm-1godmszn-2-5769cf-9ms2n
    pod/elasticsearch-cdm-1godmszn-3-f66f7d-zqkz7

  2. Pod のステータスを取得します。

    $ oc describe pod elasticsearch-cdm-1godmszn-1-6f8495-vp4lw

    出力には、以下のようなステータス情報が含まれます。

    出力例

    ....
    Status:             Running
    
    ....
    
    Containers:
      elasticsearch:
        Container ID:   cri-o://b7d44e0a9ea486e27f47763f5bb4c39dfd2
        State:          Running
          Started:      Mon, 08 Jun 2020 10:17:56 -0400
        Ready:          True
        Restart Count:  0
        Readiness:  exec [/usr/share/elasticsearch/probe/readiness.sh] delay=10s timeout=30s period=5s #success=1 #failure=3
    
    ....
    
      proxy:
        Container ID:  cri-o://3f77032abaddbb1652c116278652908dc01860320b8a4e741d06894b2f8f9aa1
        State:          Running
          Started:      Mon, 08 Jun 2020 10:18:38 -0400
        Ready:          True
        Restart Count:  0
    
    ....
    
    Conditions:
      Type              Status
      Initialized       True
      Ready             True
      ContainersReady   True
      PodScheduled      True
    
    ....
    
    Events:          <none>

ログストレージ Pod デプロイメント設定

ログストアのデプロイメント設定のステータスを表示することができます。

  1. デプロイメント設定の名前を取得します。

    $ oc get deployment --selector component=elasticsearch -o name

    出力例

    deployment.extensions/elasticsearch-cdm-1gon-1
    deployment.extensions/elasticsearch-cdm-1gon-2
    deployment.extensions/elasticsearch-cdm-1gon-3

  2. デプロイメント設定のステータスを取得します。

    $ oc describe deployment elasticsearch-cdm-1gon-1

    出力には、以下のようなステータス情報が含まれます。

    出力例

    ....
      Containers:
       elasticsearch:
        Image:      registry.redhat.io/openshift-logging/elasticsearch6-rhel8
        Readiness:  exec [/usr/share/elasticsearch/probe/readiness.sh] delay=10s timeout=30s period=5s #success=1 #failure=3
    
    ....
    
    Conditions:
      Type           Status   Reason
      ----           ------   ------
      Progressing    Unknown  DeploymentPaused
      Available      True     MinimumReplicasAvailable
    
    ....
    
    Events:          <none>

ログストアのレプリカセット

ログストアのレプリカセットのステータスを表示することができます。

  1. レプリカセットの名前を取得します。

    $ oc get replicaSet --selector component=elasticsearch -o name
    
    replicaset.extensions/elasticsearch-cdm-1gon-1-6f8495
    replicaset.extensions/elasticsearch-cdm-1gon-2-5769cf
    replicaset.extensions/elasticsearch-cdm-1gon-3-f66f7d
  2. レプリカセットのステータスを取得します。

    $ oc describe replicaSet elasticsearch-cdm-1gon-1-6f8495

    出力には、以下のようなステータス情報が含まれます。

    出力例

    ....
      Containers:
       elasticsearch:
        Image:      registry.redhat.io/openshift-logging/elasticsearch6-rhel8@sha256:4265742c7cdd85359140e2d7d703e4311b6497eec7676957f455d6908e7b1c25
        Readiness:  exec [/usr/share/elasticsearch/probe/readiness.sh] delay=10s timeout=30s period=5s #success=1 #failure=3
    
    ....
    
    Events:          <none>

12.2.3. Elasticsearch クラスターのステータス

OpenShift Container Platform Web コンソールのMonitoringセクションにある Grafana ダッシュボードには、Elasticsearch クラスターのステータスが表示されます。

OpenShift Elasticsearch クラスターのステータスを取得するには、OpenShift Container Platform Web コンソールのMonitoringセクションにある Grafana ダッシュボード <cluster_url>/monitoring/dashboards/grafana-dashboard-cluster-logging にアクセスします。

Elasticsearch ステータスフィールド

eo_elasticsearch_cr_cluster_management_state

Elasticsearch クラスターが管理対象か、管理対象外かをを示します。以下に例を示します。

eo_elasticsearch_cr_cluster_management_state{state="managed"} 1
eo_elasticsearch_cr_cluster_management_state{state="unmanaged"} 0
eo_elasticsearch_cr_restart_total

Elasticsearch ノードが証明書の再起動、ローリング再起動、またはスケジュールされた再起動など、再起動した回数を示します。以下に例を示します。

eo_elasticsearch_cr_restart_total{reason="cert_restart"} 1
eo_elasticsearch_cr_restart_total{reason="rolling_restart"} 1
eo_elasticsearch_cr_restart_total{reason="scheduled_restart"} 3
es_index_namespaces_total

Elasticsearch インデックス namespace の総数を表示します。以下に例を示します。

Total number of Namespaces.
es_index_namespaces_total 5
es_index_document_count

各 namespace のレコード数を表示します。以下に例を示します。

es_index_document_count{namespace="namespace_1"} 25
es_index_document_count{namespace="namespace_2"} 10
es_index_document_count{namespace="namespace_3"} 5

Secret Elasticsearch フィールドが見つからないか、空というメッセージ

Elasticsearch に admin-certadmin-keylogging-es.crt、または logging-es.key ファイルがない場合、ダッシュボードには次の例のようなステータスメッセージが表示されます。

message": "Secret \"elasticsearch\" fields are either missing or empty: [admin-cert, admin-key, logging-es.crt, logging-es.key]",
"reason": "Missing Required Secrets",

12.3. OpenShift Logging アラートについて

ロギングコレクターのアラートはすべて、OpenShift Container Platform Web コンソールの Alerting UI に一覧表示されます。

12.3.1. ロギングコレクターアラートの表示

アラートは、OpenShift Container Platform Web コンソールの、Alerting UI の Alerts タブに表示されます。アラートは以下の状態のいずれかになります。

  • Firingアラートの状態はタイムアウトの期間は true になります。Firing アラートの末尾の Option メニューをクリックし、詳細情報を表示するか、アラートを非通知 (silence) にします。
  • Pending: このアラート状態は現時点で true ですが、タイムアウトに達していません。
  • Not Firingアラートは現時点でトリガーされていません。

手順

OpenShift Logging およびその他の OpenShift Container Platform アラートを表示するには、以下を実行します。

  1. OpenShift Container Platform コンソールで、MonitoringAlerting をクリックします。
  2. Alerts タブをクリックします。選択したフィルターに基づいてアラートが一覧表示されます。

関連情報

  • Alerting UI の詳細は、Managing alerts を参照してください。

12.3.2. ロギングコレクターのアラートについて

以下のアラートはロギングコレクターによって生成されます。これらのアラートは、OpenShift Container Platform Web コンソールの Alerting UI の Alerts ページで表示できます。

表12.1 Fluentd Prometheus アラート

アラートメッセージ説明重大度

FluentDHighErrorRate

<value> of records have resulted in an error by fluentd <instance>.

FluentD 出力エラーの数は、デフォルトでは直前の 15 分間で 10 分を超えます。

Warning

FluentdNodeDown

Prometheus could not scrape fluentd <instance> for more than 10m.

Fluentd は Prometheus が特定の Fluentd インスタンスを収集できなかったことを報告します。

Critical

FluentdQueueLengthIncreasing

In the last 12h, fluentd <instance> buffer queue length constantly increased more than 1.Current value is <value>.

Fluentd はキューサイズが増加していることを報告しています。

Critical

FluentDVeryHighErrorRate

<value> of records have resulted in an error by fluentd <instance>.

FluentD 出力エラーの数は非常に高くなります。デフォルトでは、直前の 15 分間で 25 を超えます。

Critical

12.3.3. Elasticsearch アラートルール

これらのアラートルールを Prometheus に表示できます。

表12.2 アラートルール

アラート説明重大度

ElasticsearchClusterNotHealthy

クラスターのヘルスステータスは少なくとも 2m の間 RED になります。クラスターは書き込みを受け入れず、シャードが見つからない可能性があるか、またはマスターノードがまだ選択されていません。

Critical

ElasticsearchClusterNotHealthy

クラスターのヘルスステータスは少なくとも 20m の間 YELLOW になります。一部のシャードレプリカは割り当てられません。

Warning

ElasticsearchDiskSpaceRunningLow

クラスターでは、次の 6 時間以内にディスク領域が不足することが予想されます。

Critical

ElasticsearchHighFileDescriptorUsage

クラスターでは、次の 1 時間以内にファイル記述子が不足することが予想されます。

Warning

ElasticsearchJVMHeapUseHigh

指定されたノードでの JVM ヒープの使用率が高くなっています。

アラート

ElasticsearchNodeDiskWatermarkReached

指定されたノードは、ディスクの空き容量が少ないために低基準値に達しています。シャードをこのノードに割り当てることはできません。ノードにディスク領域を追加することを検討する必要があります。

Info

ElasticsearchNodeDiskWatermarkReached

指定されたノードは、ディスクの空き容量が少ないために高基準値に達しています。一部のシャードは可能な場合に別のノードに再度割り当てられる可能性があります。ノードにディスク領域が追加されるか、またはこのノードに割り当てられる古いインデックスをドロップします。

Warning

ElasticsearchNodeDiskWatermarkReached

指定されたノードは、ディスクの空き容量が少ないために高基準値に達しています。このノードにシャードが割り当てられるすべてのインデックスは、読み取り専用ブロックになります。インデックスブロックは、ディスクの使用状況が高基準値を下回る場合に手動で解放される必要があります。

Critical

ElasticsearchJVMHeapUseHigh

指定されたノードの JVM ヒープの使用率が高すぎます。

アラート

ElasticsearchWriteRequestsRejectionJumps

Elasticsearch では、指定されたノードで書き込み拒否が増加しています。このノードはインデックスの速度に追い付いていない可能性があります。

Warning

AggregatedLoggingSystemCPUHigh

指定されたノードのシステムで使用される CPU が高すぎます。

アラート

ElasticsearchProcessCPUHigh

指定されたノードで Elasticsearch によって使用される CPU が高すぎます。

アラート

12.4. Red Hat サポート用のロギングデータの収集

サポートケースを作成する際、ご使用のクラスターについてのデバッグ情報を Red Hat サポートに提供していただくと Red Hat のサポートに役立ちます。

must-gather ツール を使用すると、プロジェクトレベルのリソース、クラスターレベルのリソース、および各 OpenShift Logging コンポーネントについての診断情報を収集できます。

迅速なサポートを得るには、OpenShift Container Platform と OpenShift Logging の両方の診断情報を提供してください。

注記

hack/logging-dump.sh スクリプトは使用しないでください。このスクリプトはサポートされなくなり、データを収集しません。

12.4.1. must-gather ツールについて

oc adm must-gather CLI コマンドは、問題のデバッグに必要となる可能性のあるクラスターからの情報を収集します。

OpenShift Logging 環境の場合、must-gather は以下の情報を収集します。

  • プロジェクトレベルの Pod、設定マップ、サービスアカウント、ロール、ロールバインディングおよびイベントを含むプロジェクトレベルのリソース
  • クラスターレベルでのノード、ロール、およびロールバインディングを含むクラスターレベルのリソース
  • ログコレクター、ログストア、およびログビジュアライザーなどの openshift-logging および openshift-operators-redhat namespace の OpenShift Logging リソース

oc adm must-gather を実行すると、新しい Pod がクラスターに作成されます。データは Pod で収集され、must-gather.local で始まる新規ディレクトリーに保存されます。このディレクトリーは、現行の作業ディレクトリーに作成されます。

12.4.2. 前提条件

  • OpenShift Logging および Elasticsearch がインストールされている。

12.4.3. OpenShift Logging データの収集

oc adm must-gather CLI コマンドを使用して、OpenShift Logging 環境についての情報を収集できます。

手順

must-gather で OpenShift Logging 情報を収集するには、以下を実行します。

  1. must-gather 情報を保存する必要のあるディレクトリーに移動します。
  2. OpenShift Logging イメージに対して oc adm must-gather コマンドを実行します。

    $ oc adm must-gather --image=$(oc -n openshift-logging get deployment.apps/cluster-logging-operator -o jsonpath='{.spec.template.spec.containers[?(@.name == "cluster-logging-operator")].image}')

    must-gather ツールは、現行ディレクトリー内の must-gather.local で始まる新規ディレクトリーを作成します。例: must-gather.local.4157245944708210408

  3. 作成された must-gather ディレクトリーから圧縮ファイルを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。

    $ tar -cvaf must-gather.tar.gz must-gather.local.4157245944708210408
  4. 圧縮ファイルを Red Hat カスタマーポータル で作成したサポートケースに添付します。

12.5. Critical Alerts のトラブルシューティング

12.5.1. Elasticsearch クラスターの正常性が赤である

1 つ以上のプライマリーシャードとそのレプリカがノードに割り当てられません。

トラブルシューティング

  1. Elasticsearch クラスターの正常性を確認し、クラスターの ステータス が赤であることを確認します。

    oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- health
  2. クラスターにに参加したノードを一覧表示します。

    oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=_cat/nodes?v
  3. Elasticsearch Pod を一覧表示し、この Pod を直前の手順のコマンド出力にあるノードと比較します。

    oc -n openshift-logging get pods -l component=elasticsearch
  4. 一部の Elasticsearch ノードがクラスターに参加していない場合は、以下の手順を実行します。

    1. Elasticsearch に選ばれたコントロールプレーンノードがあることを確認します。

      oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=_cat/master?v
    2. 選ばれたコントロールプレーンノードの Pod ログで問題を確認します。

      oc logs <elasticsearch_master_pod_name> -c elasticsearch -n openshift-logging
    3. 問題がないか、クラスターに参加していないノードのログを確認します。

      oc logs <elasticsearch_node_name> -c elasticsearch -n openshift-logging
  5. 全ノードがクラスターに参加している場合は、以下の手順を実行し、クラスターがリカバリープロセスにあるかどうかを確認します。

    oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=_cat/recovery?active_only=true

    コマンドの出力がない場合には、リカバリープロセスが保留中のタスクによって遅延しているか、停止している可能性があります。

  6. 保留中のタスクがあるかどうかを確認します。

    oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- health |grep  number_of_pending_tasks
  7. 保留中のタスクがある場合は、そのステータスを監視します。

    そのステータスが変化し、クラスターがリカバリー中の場合には、そのまま待機します。リカバリー時間は、クラスターのサイズや他の要素により異なります。

    保留中のタスクのステータスが変更されない場合には、リカバリーが停止していることがわかります。

  8. リカバリーが停止しているようであれば、cluster.routing.allocation.enablenone に設定されているかどうかを確認します。

    oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=_cluster/settings?pretty
  9. cluster.routing.allocation.enablenone に設定されている場合、これを all に設定します。

    oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=_cluster/settings?pretty -X PUT -d '{"persistent": {"cluster.routing.allocation.enable":"all"}}'
  10. どのインデックスが赤のままかを確認します。

    oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=_cat/indices?v
  11. インデックスがまだ赤い場合は、以下の手順を実行して赤のインデックスをなくします。

    1. キャッシュをクリアします。

      oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=<elasticsearch_index_name>/_cache/clear?pretty
    2. 最大割り当ての再試行回数を増やします。

      oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=<elasticsearch_index_name>/_settings?pretty -X PUT -d '{"index.allocation.max_retries":10}'
    3. スクロールアイテムをすべて削除します。

      oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=_search/scroll/_all -X DELETE
    4. タイムアウトを増やします。

      oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=<elasticsearch_index_name>/_settings?pretty -X PUT -d '{"index.unassigned.node_left.delayed_timeout":"10m"}'
  12. 前述の手順で赤色のインデックスがなくならない場合には、インデックスを個別に削除します。

    1. 赤色のインデックスの名前を特定します。

      oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=_cat/indices?v
    2. 赤色のインデックスを削除します。

      oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=<elasticsearch_red_index_name> -X DELETE
  13. 赤色のインデックスがなく、クラスターのステータスが赤の場合は、データノードで継続的に過剰な処理負荷がかかっていないかを確認します。

    1. Elasticsearch JVM ヒープの使用量が多いかどうかを確認します。

      oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=_nodes/stats?pretty

      コマンド出力で node_name.jvm.mem.heap_used_percent フィールドを確認し、JVM ヒープ使用量を判別します。

    2. 使用量が多い CPU がないかを確認します。

関連情報

12.5.2. Elasticsearch クラスターの正常性が黄色である

1 つ以上のプライマリーシャードのレプリカシャードがノードに割り当てられません。

トラブルシューティング

  1. ClusterLogging CR で nodeCount を調整してノード数を増やします。

12.5.3. Elasticsearch Node Disk Low Watermark Reached (Elasticsearch ノードのディスクで低い基準値に達する)

Elasticsearch で、低基準値に到達した ノードにシャードが割り当てられません。

トラブルシューティング

  1. Elasticsearch のデプロイ先のノードを特定します。

    oc -n openshift-logging get po -o wide
  2. 未割り当てのシャード があるかどうかを確認します。

    oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=_cluster/health?pretty | grep unassigned_shards
  3. 未割り当てのシャードがある場合は、各ノードのディスク領域を確認します。

    for pod in `oc -n openshift-logging get po -l component=elasticsearch -o jsonpath='{.items[*].metadata.name}'`; do echo $pod; oc -n openshift-logging exec -c elasticsearch $pod -- df -h /elasticsearch/persistent; done
  4. nodes.node_name.fs フィールドで、対象のノードの空きディスク領域を確認します。

    使用済みディスクの割合が 85% を超える場合は、ノードは低基準値を超えており、シャードがこのノードに割り当てられなくなります。

  5. すべてのノードでディスク領域を増やしてみてください。
  6. ディスク領域を増やせない場合は、新しいデータノードをクラスターに追加してみてください。
  7. 新規データノードの追加に問題がある場合には、クラスターの冗長性ポリシー総数を減らします。

    1. 現在の redundancyPolicy を確認します。

      oc -n openshift-logging get es elasticsearch -o jsonpath='{.spec.redundancyPolicy}'
      注記

      ClusterLogging CR を使用している場合は、以下を入力します。

      oc -n openshift-logging get cl -o jsonpath='{.items[*].spec.logStore.elasticsearch.redundancyPolicy}'
    2. クラスター redundancyPolicySingleRedundancy よりも大きい場合は、SingleRedundancy に設定し、この変更を保存します。
  8. 前述の手順で問題が解決しない場合は、古いインデックスを削除します。

    1. Elasticsearch の全インデックスのステータスを確認します。

      oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- indices
    2. 古いインデックスで削除できるものを特定します。
    3. インデックスを削除します。

      oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=<elasticsearch_index_name> -X DELETE

関連情報

12.5.4. Elasticsearch Node Disk High Watermark Reached (Elasticsearch ノードのディスクで高い基準値に達する)

Elasticsearch が 高基準値に達した ノードからシャードを移動しようとします。

トラブルシューティング

  1. Elasticsearch のデプロイ先のノードを特定します。

    oc -n openshift-logging get po -o wide
  2. 各ノードのディスク容量を確認します。

    for pod in `oc -n openshift-logging get po -l component=elasticsearch -o jsonpath='{.items[*].metadata.name}'`; do echo $pod; oc -n openshift-logging exec -c elasticsearch $pod -- df -h /elasticsearch/persistent; done
  3. クラスターがリバランスされているかどうかを確認します。

    oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=_cluster/health?pretty | grep relocating_shards

    コマンドの出力でシャードの再配置が表示される場合には、高い基準値を超過しています。高い基準値のデフォルト値は 90% です。

    基準値のしきい値上限を超えておらず、ディスクの使用量が少ないノードに、シャードを移動します。

  4. シャードを特定ノードに割り当てるには、領域の一部を解放します。
  5. すべてのノードでディスク領域を増やしてみてください。
  6. ディスク領域を増やせない場合は、新しいデータノードをクラスターに追加してみてください。
  7. 新規データノードの追加に問題がある場合には、クラスターの冗長性ポリシー総数を減らします。

    1. 現在の redundancyPolicy を確認します。

      oc -n openshift-logging get es elasticsearch -o jsonpath='{.spec.redundancyPolicy}'
      注記

      ClusterLogging CR を使用している場合は、以下を入力します。

      oc -n openshift-logging get cl -o jsonpath='{.items[*].spec.logStore.elasticsearch.redundancyPolicy}'
    2. クラスター redundancyPolicySingleRedundancy よりも大きい場合は、SingleRedundancy に設定し、この変更を保存します。
  8. 前述の手順で問題が解決しない場合は、古いインデックスを削除します。

    1. Elasticsearch の全インデックスのステータスを確認します。

      oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- indices
    2. 古いインデックスで削除できるものを特定します。
    3. インデックスを削除します。

      oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=<elasticsearch_index_name> -X DELETE

関連情報

12.5.5. Elasticsearch Node Disk Flood Watermark Reached (Elasticsearch ノードのディスクがいっぱいの基準値に達する)

Elasticsearch は、両条件が含まれるすべてのインデックスに対して読み取り専用のインデックスブロックを強制的に適用します。

  • 1 つ以上のシャードがノードに割り当てられます。
  • 1 つ以上のディスクが いっぱいの段階 を超えています。

トラブルシューティング

  1. Elasticsearch ノードのディスク領域を確認します。

    for pod in `oc -n openshift-logging get po -l component=elasticsearch -o jsonpath='{.items[*].metadata.name}'`; do echo $pod; oc -n openshift-logging exec -c elasticsearch $pod -- df -h /elasticsearch/persistent; done

    nodes.node_name.fs フィールドで、対象のノードの空きディスク領域を確認します。

  2. 使用済みディスクの割合が 95% を超える場合は、ノードがいっぱいの基準値が越えたことを意味します。この特定のノードに割り当てられたシャードへの書き込みは、ブロックされます。
  3. すべてのノードでディスク領域を増やしてみてください。
  4. ディスク領域を増やせない場合は、新しいデータノードをクラスターに追加してみてください。
  5. 新規データノードの追加に問題がある場合には、クラスターの冗長性ポリシー総数を減らします。

    1. 現在の redundancyPolicy を確認します。

      oc -n openshift-logging get es elasticsearch -o jsonpath='{.spec.redundancyPolicy}'
      注記

      ClusterLogging CR を使用している場合は、以下を入力します。

      oc -n openshift-logging get cl -o jsonpath='{.items[*].spec.logStore.elasticsearch.redundancyPolicy}'
    2. クラスター redundancyPolicySingleRedundancy よりも大きい場合は、SingleRedundancy に設定し、この変更を保存します。
  6. 前述の手順で問題が解決しない場合は、古いインデックスを削除します。

    1. Elasticsearch の全インデックスのステータスを確認します。

      oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- indices
    2. 古いインデックスで削除できるものを特定します。
    3. インデックスを削除します。

      oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=<elasticsearch_index_name> -X DELETE
  7. ディスク使用領域が 90% 未満になるまで、このままディスク領域を解放して監視します。次に、この特定のノードへの書き込み禁止を解除します。

    oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=_all/_settings?pretty -X PUT -d '{"index.blocks.read_only_allow_delete": null}'

関連情報

12.5.6. Elasticsearch JVM ヒープの使用量が高い

Elasticsearch ノードで使用済みの JVM ヒープメモリーが 75% を超えます。

トラブルシューティング

ヒープサイズを増やす ことを検討してください。

12.5.7. 集計ロギングシステムの CPU が高い

ノード上のシステムの CPU 使用量が高くなります。

トラブルシューティング

クラスターノードの CPU を確認します。ノードへ割り当てる CPU リソースを増やすことを検討してください。

12.5.8. Elasticsearch プロセスの CPU が高い

ノードでの Elasticsearch プロセスの CPU 使用量が高くなります。

トラブルシューティング

クラスターノードの CPU を確認します。ノードへ割り当てる CPU リソースを増やすことを検討してください。

12.5.9. Elasticsearch ディスク領域が不足している

Elasticsearch クラスターは、現在のディスク使用量に基づいて次の 6 時間以内にディスク領域が不足することが予想します。

トラブルシューティング

  1. Elasticsearch ノードのディスク領域を取得します。

    for pod in `oc -n openshift-logging get po -l component=elasticsearch -o jsonpath='{.items[*].metadata.name}'`; do echo $pod; oc -n openshift-logging exec -c elasticsearch $pod -- df -h /elasticsearch/persistent; done
  2. コマンド出力の nodes.node_name.fs フィールドで、対象ノードの空きディスク領域を確認します。
  3. すべてのノードでディスク領域を増やしてみてください。
  4. ディスク領域を増やせない場合は、新しいデータノードをクラスターに追加してみてください。
  5. 新規データノードの追加に問題がある場合には、クラスターの冗長性ポリシー総数を減らします。

    1. 現在の redundancyPolicy を確認します。

      oc -n openshift-logging get es elasticsearch -o jsonpath='{.spec.redundancyPolicy}'
      注記

      ClusterLogging CR を使用している場合は、以下を入力します。

      oc -n openshift-logging get cl -o jsonpath='{.items[*].spec.logStore.elasticsearch.redundancyPolicy}'
    2. クラスター redundancyPolicySingleRedundancy よりも大きい場合は、SingleRedundancy に設定し、この変更を保存します。
  6. 前述の手順で問題が解決しない場合は、古いインデックスを削除します。

    1. Elasticsearch の全インデックスのステータスを確認します。

      oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- indices
    2. 古いインデックスで削除できるものを特定します。
    3. インデックスを削除します。

      oc exec -n openshift-logging -c elasticsearch <elasticsearch_pod_name> -- es_util --query=<elasticsearch_index_name> -X DELETE

関連情報

12.5.10. Elasticsearch FileDescriptor の使用量が高い

現在の使用傾向に基づいて、ノードで予測されるファイル記述子の数は十分ではありません。

トラブルシューティング

必要に応じて、Elasticsearch ファイル記述子 のトピックで説明されているように、各ノードの max_file_descriptors の値を確認して設定します。

関連情報

第13章 OpenShift Logging のアンインストール

OpenShift Logging をお使いの OpenShift Container Platform クラスターから削除することができます。

13.1. OpenShift Container Platform からの OpenShift Logging のアンインストール

ClusterLogging カスタムリソース (CR) を削除して、ログ集計を停止できます。CR の削除後に残る他の OpenShift Logging コンポーネントについては、オプションで削除できます。

ClusterLogging CR を削除しても、永続ボリューム要求 (PVC) は削除されません。残りの PVC、永続ボリューム (PV)、および関連データを保持するか、または削除するには、さらにアクションを実行する必要があります。

前提条件

  • OpenShift Logging および Elasticsearch がインストールされている。

手順

OpenShift Logging を削除するには、以下を実行します。

  1. OpenShift Container Platform Web コンソールを使って ClusterLogging CR を削除できます。

    1. AdministrationCustom Resource Definitions ページに切り替えます。
    2. Custom Resource Definitions ページで、ClusterLogging をクリックします。
    3. Custom Resource Definition Details ページで、 Instances をクリックします。
    4. インスタンスの横にある Options メニュー kebab をクリックし、 Delete ClusterLogging を選択します。
  2. オプション: カスタムリソース定義 (CRD) を削除します。

    1. AdministrationCustom Resource Definitions ページに切り替えます。
    2. ClusterLogForwarder の横にある Options メニュー kebab をクリックし、 Delete Custom Resource Definition を選択します。
    3. ClusterLogging の横にある Options メニュー kebab をクリックし、 Delete Custom Resource Definition を選択します。
    4. Elasticsearch の横にある Options メニュー kebab をクリックし、Delete Custom Resource Definition を選択します。
  3. オプション: Red Hat OpenShift Logging Operator および OpenShift Elasticsearch Operator を削除します。

    1. OperatorsInstalled Operators ページに切り替えます。
    2. Red Hat OpenShift Logging Operator の横にある Options メニュー kebab をクリックし、Uninstall Operator を選択します。
    3. OpenShift Elasticsearch Operator の横にある Options メニュー kebab をクリックし、Uninstall Operator を選択します。
  4. オプション: Cluster Logging および Elasticsearch プロジェクトを削除します。

    1. HomeProjects ページに切り替えます。
    2. openshift-logging プロジェクトの横にある Options メニュー kebab をクリックし、Delete Project を選択します。
    3. ダイアログボックスで openshift-logging を入力して、Delete をクリックし、削除を確認します。
    4. openshift-operators-redhat プロジェクトの横にある Options メニュー kebab をクリックし、Delete Project を選択します。

      重要

      他のグローバル Operator がこの namespace にインストールされている場合、openshift-operators-redhat プロジェクトを削除しないでください。

    5. ダイアログボックスで openshift-operators-redhat を入力し、Delete をクリックして削除を確認します。
  5. 他の Pod で再利用するために PVC を保持するには、PVC の回収に必要なラベルまたは PVC 名を保持します。
  6. オプション: PVC を保持する必要がない場合は、それらを削除できます。

    警告

    PVC の解放または削除により PV が削除され、データの損失が生じる可能性があります。

    1. StoragePersistent Volume Claims ページに切り替えます。
    2. 各 PVC の横にある Options メニュー kebab をクリックし、Delete Persistent Volume Claim を選択します。
    3. ストレージ領域を回復する必要がある場合は、PV を削除できます。

第14章 ログレコードのフィールド

以下のフィールドは、OpenShift Logging でエクスポートされるログレコードに表示される場合があります。ログレコードは通常 JSON オブジェクトとしてフォーマットされますが、同じデータモデルは他のエンコーディングに適用できます。

Elasticsearch および Kibana からこれらのフィールドを検索するには、検索時に点線の全フィールド名を使用します。たとえば、Elasticsearch /_search URL の場合、Kubernetes Pod 名を検索するには、/_search/q=kubernetes.pod_name:name-of-my-pod を使用します。

最上位フィールドはすべてのレコードに存在する可能性があります。

第15章 message

元のログエントリーテキスト (UTF-8 エンコード)。このフィールドが存在しないか、空でない 構造化 フィールドが存在する可能性があります。詳細は、structured の説明を参照してください。

データのタイプ

text

値の例

HAPPY

第16章 structured

構造化されたオブジェクトとしての元のログエントリー。このフィールドは、フォワーダーが構造化された JSON ログを解析するように設定されている場合に存在する可能性があります。元のログエントリーの構造化ログが有効である場合に、このフィールドには同等の JSON 構造が含まれます。それ以外の場合は、このフィールドは空または存在しないため、message フィールドに元のログメッセージが含まれます。構造化された フィールドには、ログメッセージに含まれるサブフィールドがあるので、ここでは制約が定義されていません。

データのタイプ

group

値の例

map[message:starting fluentd worker pid=21631 ppid=21618 worker=0 pid:21631 ppid:21618 worker:0]

第17章 @timestamp

ログペイロードが作成された時点か、作成時間が不明な場合は、ログペイロードが最初に収集された時点の UTC 値のマーキング。@接頭辞は、特定の用途で使用できるように予約されているフィールドを表します。Elasticsearch の場合、ほとんどのツールはデフォルトで “@timestamp" を検索します。

データのタイプ

日付

値の例

2015-01-24 14:06:05.071000000 Z

第18章 hostname

このログメッセージの発信元のホスト名。Kubernetes クラスターでは、これは kubernetes.host と同じです。

データのタイプ

キーワード

第19章 ipaddr4

ソースサーバーの IPv4 アドレス。配列を指定できます。

データのタイプ

ip

第20章 ipaddr6

ソースサーバーの IPv6 アドレス (ある場合)。配列を指定できます。

データのタイプ

ip

第21章 level

rsyslog (severitytext プロパティー)、python のロギングモジュールなどのさまざまなソースのロギングレベル。

以下の値は syslog.h から取得されます。値の前には 同等の数値 が追加されます。

  • 0 = emerg、システムが使用できない。
  • 1 = alert。アクションをすぐに実行する必要がある。
  • 2 = crit、致命的な状況。
  • 3 = err、エラーのある状況。
  • 4 = warn、警告のある状況。
  • 5 = notice、通常ではあるが、影響が大きい状況。
  • 6 = info、情報提供。
  • 7 = debug、デバッグレベルのメッセージ。

以下の 2 つの値は syslog.h の一部ではありませんが、広く使用されています。

  • 8 = trace、トレースレベルメッセージ。これは、debug メッセージよりも詳細にわたります。
  • 9 = unknown、ロギングシステムで認識できない値を取得した場合。

他のロギングシステムのログレベルまたは優先度を前述の一覧で最も近い一致にマップします。たとえば python logging では、CRITICALcritERRORerr が同じです。

データのタイプ

キーワード

値の例

info

第22章 pid

ロギングエンティティーのプロセス ID です (ある場合)。

データのタイプ

キーワード

第23章 サービス

ロギングエンティティーに関連付けられたサービスの名前です (ある場合)。たとえば、syslog の APP-NAME および rsyslog の programname プロパティーはサービスフィールドにマップされます。

データのタイプ

キーワード

第24章 tags

オプション:コレクターまたはノーマライザーによって各ログに配置される、Operator 定義のタグの一覧です。ペイロードには、ホワイトスペースで区切られた文字列トークンまたは文字列トークンの JSON 一覧を使用した文字列を指定できます。

データのタイプ

text

第25章 file

コレクターがこのログエントリーを読み取るログファイルへのパス。通常、これはクラスターノードの /var/log ファイルシステム内のパスです。

データのタイプ

text

第26章 offset

オフセット値。値が単一ログファイルで単調に増加する場合に、バイトの値をファイルのログ行 (ゼロまたは 1 ベース) またはログ行の番号 (ゼロまたは 1 ベース) の開始地点に表示できます。この値はラップでき、ログファイルの新規バージョンを表示できます (ローテーション)。

データのタイプ

Long

第27章 kubernetes

Kubernetes 固有メタデータの namespace です。

データのタイプ

group

27.1. kubernetes.pod_name

Pod の名前。

データのタイプ

キーワード

27.2. kubernetes.pod_id

Pod の Kubernetes ID。

データのタイプ

キーワード

27.3. kubernetes.namespace_name

Kubernetes の namespace の名前。

データのタイプ

キーワード

27.4. kubernetes.namespace_id

Kubernetes の namespace ID。

データのタイプ

キーワード

27.5. kubernetes.host

Kubernetes ノード名。

データのタイプ

キーワード

27.6. kubernetes.container_name

Kubernetes のコンテナーの名前。

データのタイプ

キーワード

27.7. kubernetes.annotations

Kubernetes オブジェクトに関連付けられるアノテーション。

データのタイプ

group

27.8. kubernetes.labels

元の Kubernetes Pod にあるラベル

データのタイプ

group

27.9. kubernetes.event

Kubernetes マスター API から取得した Kubernetes イベント。このイベントの説明は基本的に、Event v1 コアtype Event に準拠します。

データのタイプ

group

27.9.1. kubernetes.event.verb

イベントのタイプ: ADDEDMODIFIED または DELETED

データのタイプ

キーワード

値の例

追加済み

27.9.2. kubernetes.event.metadata

イベント作成の場所および時間に関する情報

データのタイプ

group

27.9.2.1. kubernetes.event.metadata.name

イベント作成をトリガーしたオブジェクトの名前

データのタイプ

キーワード

値の例

java-mainclass-1.14d888a4cfc24890

27.9.2.2. kubernetes.event.metadata.namespace

イベントが最初に発生した namespace の名前。これは、eventrouter アプリケーションのデプロイ先の namespace である kubernetes.namespace_name とは異なることに注意してください。

データのタイプ

キーワード

値の例

default

27.9.2.4. kubernetes.event.metadata.uid

イベントの一意の ID

データのタイプ

キーワード

値の例

d828ac69-7b58-11e7-9cf5-5254002f560c

27.9.2.5. kubernetes.event.metadata.resourceVersion

イベントが発生したサーバーの内部バージョンを識別する文字列。クライアントはこの文字列を使用して、オブジェクトが変更されたタイミングを判断できます。

データのタイプ

integer

値の例

311987

27.9.3. kubernetes.event.involvedObject

イベントに関するオブジェクト。

データのタイプ

group

27.9.3.1. kubernetes.event.involvedObject.kind

オブジェクトのタイプ

データのタイプ

キーワード

値の例

ReplicationController

27.9.3.2. kubernetes.event.involvedObject.namespace

関係するオブジェクトの namespace 名。これは、eventrouter アプリケーションのデプロイ先の namespace である kubernetes.namespace_name とは異なる可能性があることに注意してください。

データのタイプ

キーワード

値の例

default

27.9.3.3. kubernetes.event.involvedObject.name

イベントをトリガーしたオブジェクトの名前

データのタイプ

キーワード

値の例

java-mainclass-1

27.9.3.4. kubernetes.event.involvedObject.uid

オブジェクトの一意の ID

データのタイプ

キーワード

値の例

e6bff941-76a8-11e7-8193-5254002f560c

27.9.3.5. kubernetes.event.involvedObject.apiVersion

kubernetes マスター API のバージョン

データのタイプ

キーワード

値の例

v1

27.9.3.6. kubernetes.event.involvedObject.resourceVersion

イベントをトリガーしたサーバーの内部バージョンの Pod を識別する文字列。クライアントはこの文字列を使用して、オブジェクトが変更されたタイミングを判断できます。

データのタイプ

キーワード

値の例

308882

27.9.4. kubernetes.event.reason

このイベントを生成する理由を示す、マシンが理解可能な短い文字列

データのタイプ

キーワード

値の例

SuccessfulCreate

27.9.5. kubernetes.event.source_component

このイベントを報告したコンポーネント

データのタイプ

キーワード

値の例

replication-controller

27.9.6. kubernetes.event.firstTimestamp

イベントが最初に記録された時間

データのタイプ

日付

値の例

2017-08-07 10:11:57.000000000 Z

27.9.7. kubernetes.event.count

このイベントが発生した回数

データのタイプ

integer

値の例

1

27.9.8. kubernetes.event.type

イベントのタイプ、Normal または Warning。今後、新しいタイプが追加される可能性があります。

データのタイプ

キーワード

値の例

Normal

第28章 OpenShift

openshift-logging 固有のメタデータの namespace

データのタイプ

group

28.1. openshift.labels

クラスターログフォワーダー設定によって追加されるラベル

データのタイプ

group

法律上の通知

Copyright © 2023 Red Hat, Inc.
The text of and illustrations in this document are licensed by Red Hat under a Creative Commons Attribution–Share Alike 3.0 Unported license ("CC-BY-SA"). An explanation of CC-BY-SA is available at http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/. In accordance with CC-BY-SA, if you distribute this document or an adaptation of it, you must provide the URL for the original version.
Red Hat, as the licensor of this document, waives the right to enforce, and agrees not to assert, Section 4d of CC-BY-SA to the fullest extent permitted by applicable law.
Red Hat, Red Hat Enterprise Linux, the Shadowman logo, the Red Hat logo, JBoss, OpenShift, Fedora, the Infinity logo, and RHCE are trademarks of Red Hat, Inc., registered in the United States and other countries.
Linux® is the registered trademark of Linus Torvalds in the United States and other countries.
Java® is a registered trademark of Oracle and/or its affiliates.
XFS® is a trademark of Silicon Graphics International Corp. or its subsidiaries in the United States and/or other countries.
MySQL® is a registered trademark of MySQL AB in the United States, the European Union and other countries.
Node.js® is an official trademark of Joyent. Red Hat is not formally related to or endorsed by the official Joyent Node.js open source or commercial project.
The OpenStack® Word Mark and OpenStack logo are either registered trademarks/service marks or trademarks/service marks of the OpenStack Foundation, in the United States and other countries and are used with the OpenStack Foundation's permission. We are not affiliated with, endorsed or sponsored by the OpenStack Foundation, or the OpenStack community.
All other trademarks are the property of their respective owners.