7.6. 設定可能な推奨のストレージ技術

以下の表では、特定の OpenShift Container Platform クラスターアプリケーション向けに設定可能な推奨のストレージ技術についてまとめています。

表7.2 設定可能な推奨ストレージ技術

ストレージタイプROX1RWX2レジストリースケーリングされたレジストリーメトリクス3ロギングアプリ

1 ReadOnlyMany

2 ReadWriteMany

3 Prometheus はメトリクスに使用される基礎となるテクノロジーです。

4 これは、物理ディスク、VM 物理ディスク、VMDK、NFS 経由のループバック、AWS EBS、および Azure Disk には該当しません。

5 メトリクスの場合、ReadWriteMany (RWX) アクセスモードのファイルストレージを信頼できる方法で使用することはできません。ファイルストレージを使用する場合、メトリクスと共に使用されるように設定される永続ボリューム要求 (PVC) で RWX アクセスモードを設定しないでください。

6 ロギングの場合、共有ストレージを使用することはアンチパターンとなります。elasticsearch ごとに 1 つのボリュームが必要です。

7 オブジェクトストレージは、OpenShift Container Platform の PV/PVC で消費されません。アプリは、オブジェクトストレージの REST API と統合する必要があります。

ブロック

はい4

いいえ

設定可能

設定不可

推奨

推奨

推奨

ファイル

はい4

設定可能

設定可能

設定可能5

設定可能6

推奨

オブジェクト

推奨

推奨

設定不可

設定不可

設定不可7

注記

スケーリングされたレジストリーとは、2 つ以上の Pod レプリカが稼働する OpenShift Container Platform レジストリーのことです。

7.6.1. 特定アプリケーションのストレージの推奨事項

重要

テストにより、NFS サーバーを Red Hat Enterprise Linux (RHEL) でコアサービスのストレージバックエンドとして使用することに関する問題が検出されています。これには、OpenShift Container レジストリーおよび Quay、メトリクスストレージの Prometheus、およびロギングストレージの Elasticsearch が含まれます。そのため、コアサービスで使用される PV をサポートするために RHEL NFS を使用することは推奨されていません。

他の NFS の実装ではこれらの問題が検出されない可能性があります。OpenShift Container Platform コアコンポーネントに対して実施された可能性のあるテストに関する詳細情報は、個別の NFS 実装ベンダーにお問い合わせください。

7.6.1.1. レジストリー

スケーリングなし/高可用性 (HA) ではない OpenShift Container Platform レジストリークラスターのデプロイメント:

  • ストレージ技術は、RWX アクセスモードをサポートする必要はありません。
  • ストレージ技術は、リードアフターライト (Read-After-Write) の一貫性を確保する必要があります。
  • 推奨されるストレージ技術はオブジェクトストレージであり、次はブロックストレージです。
  • ファイルストレージは、実稼働環境のワークロードを処理する OpenShift Container Platform レジストリークラスターのデプロイメントには推奨されません。

7.6.1.2. スケーリングされたレジストリー

スケーリングされた/高可用性 (HA) の OpenShift Container Platform レジストリーのクラスターデプロイメント:

  • ストレージ技術は、RWX アクセスモードをサポートする必要があります。
  • ストレージ技術は、リードアフターライト (Read-After-Write) の一貫性を確保する必要があります。
  • 推奨されるストレージ技術はオブジェクトストレージです。
  • Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)、Google Cloud Storage (GCS)、Microsoft Azure Blob Storage、および OpenStack Swift はサポートされます。
  • オブジェクトストレージは S3 または Swift に準拠する必要があります。
  • vSphere やベアメタルインストールなどのクラウド以外のプラットフォームの場合、設定可能な技術はファイルストレージのみです。
  • ブロックストレージは設定できません。

7.6.1.3. メトリクス

OpenShift Container Platform がホストするメトリクスのクラスターデプロイメント:

  • 推奨されるストレージ技術はブロックストレージです。
  • オブジェクトストレージは設定できません。
重要

実稼働ワークロードがあるホスト型のメトリクスクラスターデプロイメントにファイルストレージを使用することは推奨されません。

7.6.1.4. ロギング

OpenShift Container Platform がホストするロギングのクラスターデプロイメント:

  • 推奨されるストレージ技術はブロックストレージです。
  • オブジェクトストレージは設定できません。

7.6.1.5. アプリケーション

以下の例で説明されているように、アプリケーションのユースケースはアプリケーションごとに異なります。

  • 動的な PV プロビジョニングをサポートするストレージ技術は、マウント時のレイテンシーが低く、ノードに関連付けられておらず、正常なクラスターをサポートします。
  • アプリケーション開発者はアプリケーションのストレージ要件や、それがどのように提供されているストレージと共に機能するかを理解し、アプリケーションのスケーリング時やストレージレイヤーと対話する際に問題が発生しないようにしておく必要があります。

7.6.2. 特定のアプリケーションおよびストレージの他の推奨事項

重要

etcd などの Write 集中型ワークロードで RAID 設定を使用することはお勧めしません。RAID 設定で etcd を実行している場合、ワークロードでパフォーマンスの問題が発生するリスクがある可能性があります。

  • Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) Cinder: RHOSP Cinder は ROX アクセスモードのユースケースで適切に機能する傾向があります。
  • データベース: データベース (RDBMS、NoSQL DB など) は、専用のブロックストレージで最適に機能することが予想されます。
  • etcd データベースには、大規模なクラスターを有効にするのに十分なストレージと十分なパフォーマンス容量が必要です。十分なストレージと高性能環境を確立するための監視およびベンチマークツールに関する情報は、推奨される etcd プラクティス に記載されています。