11.4.3. 既知の問題

本リリースには、以下の既知の問題があります。

  • 移行時に、MTC (Migration Toolkit for Containers) は以下の namespace アノテーションを保持します。

    • openshift.io/sa.scc.mcs
    • openshift.io/sa.scc.supplemental-groups
    • openshift.io/sa.scc.uid-range

      これらのアノテーションは UID 範囲を保持し、コンテナーがターゲットクラスターのファイルシステムのパーミッションを保持できるようにします。移行された UID が、ターゲットクラスターの既存の namespace または今後の namespace 内の UID を重複させるリスクがあります。(BZ#1748440)

  • ほとんどのクラスタースコープのリソースは MTC で処理されません。アプリケーションがクラスタースコープのリソースを必要とする場合、ターゲットクラスターでそれらを手動で作成する必要がある場合があります。
  • 移行に失敗すると、移行計画は休止状態の Pod のカスタム PV 設定を保持しません。移行を手動でロールバックし、移行計画を削除し、PV 設定で新たな移行計画を作成する必要があります。(BZ#1784899)
  • Restic のタイムアウトにより大規模な移行が失敗する場合は、MigrationController カスタマーリソース (CR) マニフェストの restic_timeout パラメーターの値 (デフォルト: 1h) を増やすことができます。
  • ファイルシステムのコピー方法で移行される PV のデータ検証オプションを選択すると、パフォーマンスは大幅に遅くなります。
  • NFS ストレージからデータを移行していて、root_squash が有効になっている場合、Resticnfsnobody にマップされます。移行に失敗し、パーミッションエラーが Restic Pod ログに表示されます。(BZ#1873641)

    Restic の補助グループを MigrationController CR マニフェストに追加することで、この問題を解決することができます。

    spec:
    ...
      restic_supplemental_groups:
      - 5555
      - 6666
  • 異なるアベイラビリティーゾーンにあるノードでボリュームの直接移行を実行する場合、移行した Pod は PVC にアクセスできないために移行が失敗する可能性があります。(BZ#1947487)