11.5.2. ボリュームの直接移行での永続ボリュームサイズ変更の有効化
ボリュームの直接移行用に永続ボリューム (PV) のサイズ変更を有効にして、宛先クラスターでディスク領域が不足しないようにします。
PV のディスク使用量が設定されたレベルに達すると、MigrationController
カスタムリソース (CR) は永続ボリューム要求 (PVC) で必要なストレージ容量と実際のプロビジョニング容量とを比較します。次に、この CR は宛先クラスターに必要な領域を計算します。
pv_resizing_threshold
パラメーターは、PV のサイズ変更が使用されるタイミングを決定します。デフォルトのしきい値は 3%
です。つまり、PV のディスク使用量が 97%
を超える場合に PV のサイズ変更が発生します。PV のサイズ変更はディスク使用量が低いレベルで実行されるように、このしきい値を引き上げることができます。
PVC の容量は以下の基準に従って計算されます。
-
PVC の要求されるストレージ容量 (
spec.resources.requests.storage
) が実際のプロビジョニングされた容量 (status.capacity.storage
) と等しくない場合には、より大きい値が使用されます。 - PV が PVC 経由でプロビジョニングされ、その後に変更されて PV および PVC の容量が一致しなくなった場合に、より大きい値が使用されます。
前提条件
-
PVC は、
MigrationController
CR がコマンドを実行できるように実行中の Pod 1 つ以上に割り当てる必要があります。
手順
- ホストクラスターにログインします。
MigrationController
CR のパッチを適用して PV のサイズ変更を有効にします。$ oc patch migrationcontroller migration-controller -p '{"spec":{"enable_dvm_pv_resizing":true}}' \ 1 --type='merge' -n openshift-migration
- 1
- PV のサイズ変更を無効にするには、値を
false
に設定します。
必要に応じて、
pv_resizing_threshold
パラメーターを更新して、しきい値を増やします。$ oc patch migrationcontroller migration-controller -p '{"spec":{"pv_resizing_threshold":41}}' \ 1 --type='merge' -n openshift-migration
- 1
- デフォルト値は
3
です。
しきい値を超えると、以下のステータスメッセージが
MigPlan
CR ステータスに表示されます。status: conditions: ... - category: Warn durable: true lastTransitionTime: "2021-06-17T08:57:01Z" message: 'Capacity of the following volumes will be automatically adjusted to avoid disk capacity issues in the target cluster: [pvc-b800eb7b-cf3b-11eb-a3f7-0eae3e0555f3]' reason: Done status: "False" type: PvCapacityAdjustmentRequired
注記AWS gp2 ストレージの場合に、gp2 がボリューム使用量とサイズを計算する方法が原因で、
pv_resizing_threshold
が 42% 以上でない限り、このメッセージが表示されます。(BZ#1973148)