13.8. egress IP アドレスの設定

クラスター管理者は、1 つ以上の egress IP アドレスを namespace に、または namespace 内の特定の pod に割り当てるように、OVN-Kubernetes デフォルト Container Network Interface (CNI) ネットワークプロバイダーを設定することができます。

13.8.1. Egress IP アドレスアーキテクチャーの設計および実装

OpenShift Container Platform の egress IP アドレス機能を使用すると、1 つ以上の namespace の 1 つ以上の Pod からのトラフィックに、クラスターネットワーク外のサービスに対する一貫したソース IP アドレスを持たせることができます。

たとえば、クラスター外のサーバーでホストされるデータベースを定期的にクエリーする Pod がある場合があります。サーバーにアクセス要件を適用するために、パケットフィルタリングデバイスは、特定の IP アドレスからのトラフィックのみを許可するよう設定されます。この特定の Pod のみからサーバーに確実にアクセスできるようにするには、サーバーに要求を行う Pod に特定の egress IP アドレスを設定できます。

egress IP アドレスは、ノードのプライマリーネットワークインターフェースの追加 IP アドレスとして実装され、ノードのプライマリー IP アドレスと同じサブネットにある必要があります。追加の IP アドレスは、クラスター内の他のノードには割り当てないでください。

13.8.1.1. プラットフォームサポート

各種のプラットフォームでの egress IP アドレス機能のサポートについては、以下の表で説明されています。

重要

egress IP アドレスの実装は、Amazon Web Services (AWS)、Azure Cloud、または egress IP 機能で必要な自動レイヤー 2 ネットワーク操作と互換性のない他のパブリッククラウドプラットフォームと互換性がありません。

プラットフォームサポート対象

ベアメタル

Yes

vSphere

Yes

Red Hat OpenStack Platform (RHOSP)

No

パブリッククラウド

No

13.8.1.2. egress IP の Pod への割り当て

1 つ以上の egress IP を namespace に、または namespace の特定の Pod に割り当てるには、以下の条件を満たす必要があります。

  • クラスター内の 1 つ以上のノードに k8s.ovn.org/egress-assignable: "" ラベルがなければなりません。
  • EgressIP オブジェクトが存在し、これは namespace の Pod からクラスターを離脱するトラフィックのソース IP アドレスとして使用する 1 つ以上の egress IP アドレスを定義します。
重要

egress IP の割り当て用にクラスター内のノードにラベルを付ける前に EgressIP オブジェクトを作成する場合、OpenShift Container Platform は k8s.ovn.org/egress-assignable: "" ラベルですべての egress IP アドレスを最初のノードに割り当てる可能性があります。

egress IP アドレスがクラスター内のノード全体に広く分散されるようにするには、EgressIP オブジェクトを作成する前に、egress IP アドレスをホストする予定のノードにラベルを常に適用します。

13.8.1.3. egress IP のノードへの割り当て

EgressIP オブジェクトを作成する場合、k8s.ovn.org/egress-assignable: "" ラベルのラベルが付いたノードに以下の条件が適用されます。

  • egress IP アドレスは一度に複数のノードに割り当てられることはありません。
  • egress IP アドレスは、egress IP アドレスをホストできる利用可能なノード間で均等に分散されます。
  • EgressIP オブジェクトの spec.EgressIPs 配列が複数の IP アドレスを指定する場合、ノードが指定したアドレスを複数ホストすることはありません。
  • ノードが利用不可の場合、そのノードに割り当てられる egress IP アドレスは自動的に再割り当てされます (前述の条件が適用されます)。

Pod が複数の EgressIP オブジェクトのセレクターに一致する場合、EgressIP オブジェクトに指定される egress IP アドレスのどれが Pod の egress IP アドレスとして割り当てられるのかという保証はありません。

13.8.1.4. egress IP アドレス設定のアーキテクチャー図

以下の図は、egress IP アドレス設定を示しています。この図では、クラスターの 3 つのノードで実行される 2 つの異なる namespace の 4 つの Pod について説明します。ノードには、ホストネットワークの 192.168.126.0/18 CIDR ブロックから IP アドレスが割り当てられます。

ノード 1 とノード 3 の両方に k8s.ovn.org/egress-assignable: "" というラベルが付けられるため、egress IP アドレスの割り当てに利用できます。

図の破線は、pod1、pod2、および pod3 からのトラフィックフローが Pod ネットワークを通過し、クラスターがノード 1 およびノード 3 から出る様子を示しています。外部サービスが、EgressIP オブジェクトの例で選択した Pod からトラフィックを受信する場合、ソース IP アドレスは 192.168.126.10 または 192.168.126.102 のいずれかになります。

図にある次のリソースの詳細を以下に示します。

Namespace オブジェクト

namespace は以下のマニフェストで定義されます。

namespace オブジェクト

apiVersion: v1
kind: Namespace
metadata:
  name: namespace1
  labels:
    env: prod
---
apiVersion: v1
kind: Namespace
metadata:
  name: namespace2
  labels:
    env: prod

EgressIP オブジェクト

以下の EgressIP オブジェクトは、env ラベルが prod に設定される namespace のすべての Pod を選択する設定を説明しています。選択された Pod の egress IP アドレスは 192.168.126.10 および 192.168.126.102 です。

EgressIP オブジェクト

apiVersion: k8s.ovn.org/v1
kind: EgressIP
metadata:
  name: egressips-prod
spec:
  egressIPs:
  - 192.168.126.10
  - 192.168.126.102
  namespaceSelector:
    matchLabels:
      env: prod
status:
  assignments:
  - node: node1
    egressIP: 192.168.126.10
  - node: node3
    egressIP: 192.168.126.102

直前の例の設定の場合、OpenShift Container Platform は両方の egress IP アドレスを利用可能なノードに割り当てます。status フィールドは、egress IP アドレスの割り当ての有無および割り当てられる場所を反映します。