7.2.8. Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンの作成
プロビジョニングする IBM Z インフラストラクチャーにクラスターをインストールする前に、クラスターが使用する RHCOS を z/VM ゲスト仮想マシンにインストールする必要があります。マシンを作成するには、以下の手順を実行します。
前提条件
- 作成するマシンがアクセスできるプロビジョニングマシンで稼働している FTP サーバー。
手順
- プロビジョニングマシンで Linux にログインします。
RHCOS イメージミラー から Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) カーネル、 initramfs および rootfs ファイルを取得します。
重要RHCOS イメージは OpenShift Container Platform の各リリースごとに変更されない可能性があります。インストールする OpenShift Container Platform バージョンと等しいか、それ以下のバージョンの内で最も新しいバージョンのイメージをダウンロードする必要があります。この手順で説明されている適切な kernel、initramfs、および rootfs アーティファクトのみを使用します。
ファイル名には、OpenShift Container Platform のバージョン番号が含まれます。以下の例のようになります。
-
kernel:
rhcos-<version>-live-kernel-<architecture>
-
initramfs:
rhcos-<version>-live-initramfs.<architecture>.img
rootfs:
rhcos-<version>-live-rootfs.<architecture>.img
注記rootfs イメージは FCP および DASD の場合と同じです。
-
kernel:
パラメーターファイルを作成します。以下のパラメーターは特定の仮想マシンに固有のものです。
-
coreos.inst.install_dev=
の場合、DASD インストールにdasda
を指定するか、または FCP にsda
を指定します。FCP にはzfcp.allow_lun_scan=0
が必要なことに注意してください。 -
rd.dasd=
の場合、RHCOS がインストールされる DASD を指定します。 -
rd.zfcp=<adapter>,<wwpn>,<lun>
は、RHCOS をインストールする FCP ディスクを指定します。 ip=
には、以下の 7 つのエントリーを指定します。- マシンの IP アドレス。
- 空の文字列。
- ゲートウェイ。
- ネットマスク。
-
hostname.domainname
形式のマシンホストおよびドメイン名。この値を省略して、RHCOS に決定させるようにします。 - ネットワークインターフェイス名。この値を省略して、RHCOS に決定させるようにします。
- 静的 IP アドレスを使用する場合、空の文字列になります。
-
coreos.inst.ignition_url=
の場合、マシンロールの Ignition ファイルを指定します。bootstrap.ign
、master.ign
、またはworker.ign
を使用します。HTTP プロトコルおよび HTTPS プロトコルのみがサポートされます。 -
coreos.live.rootfs_url=
の場合、起動しているカーネルおよび initramfs の一致する rootfs アーティファクトを指定します。HTTP プロトコルおよび HTTPS プロトコルのみがサポートされます。 その他のパラメーターはそのまま利用できます。
ブートストラップマシンのパラメーターファイルのサンプル
bootstrap-0.parm
:rd.neednet=1 \ console=ttysclp0 \ coreos.inst.install_dev=dasda \ coreos.live.rootfs_url=http://cl1.provide.example.com:8080/assets/rhcos-live-rootfs.s390x.img \ coreos.inst.ignition_url=http://cl1.provide.example.com:8080/ignition/bootstrap.ign \ ip=172.18.78.2::172.18.78.1:255.255.255.0:::none nameserver=172.18.78.1 \ rd.znet=qeth,0.0.bdf0,0.0.bdf1,0.0.bdf2,layer2=1,portno=0 \ zfcp.allow_lun_scan=0 \ rd.dasd=0.0.3490
パラメーターファイルのすべてのオプションを 1 行で記述し、改行文字がないことを確認します。
-
- FTP などを使用し、initramfs、kernel、パラメーターファイル、および RHCOS イメージを z/VM に転送します。FTP でファイルを転送し、仮想リーダーから起動する方法については、Z/VM 環境へのインストール を参照してください。
ブートストラップノードになる z/VM ゲスト仮想マシンの仮想リーダーに対してファイルの punch を実行します。
IBM ドキュメントの PUNCH を参照してください。
ヒントCP PUNCH コマンドを使用するか、Linux を使用している場合は、vmur コマンドを使用して 2 つの z/VM ゲスト仮想マシン間でファイルを転送できます。
- ブートストラップマシンで CMS にログインします。
リーダーからブートストラップマシンに対して IPL を実行します。
$ ipl c
IBM ドキュメントの IPL を参照してください。
- クラスター内の他のマシンについてこの手順を繰り返します。
7.2.8.1. 詳細の RHCOS インストールリファレンス
このセクションでは、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) の手動インストールプロセスを変更できるようにするネットワーク設定および他の高度なオプションについて説明します。以下の表では、RHCOS ライブインストーラーおよび coreos-installer
コマンドで使用できるカーネル引数およびコマンドラインのオプションを説明します。
RHCOS ブートプロンプトでのルーティングおよびボンディングのオプション
ISO イメージから RHCOS をインストールする場合、そのイメージを起動してノードのネットワークを設定する際に手動でカーネル引数を追加できます。ネットワークの引数が使用される場合、インストールはデフォルトで DHCP を使用するように設定されます。
ネットワーク引数を追加する場合、rd.neednet=1
カーネル引数も追加する必要があります。
以下の表では、ライブ ISO インストールに ip=
、nameserver=
、および bond=
カーネル引数を使用する方法を説明します。
順序は、カーネル引数の ip=
、nameserver=
、および bond=
を追加する場合に重要です。
ISO のルーティングおよびボンディングのオプション
以下の表は、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) ノードのネットワーク設定の例を示しています。これらは、システムの起動時に dracut
ツールに渡されるネットワークオプションです。dracut
でサポートされるネットワークオプションの詳細は、man ページの dracut.cmdline
を参照してください。
詳細 | 例 |
---|---|
IP アドレスを設定するには、DHCP (
|
ip=10.10.10.2::10.10.10.254:255.255.255.0:core0.example.com:enp1s0:none nameserver=4.4.4.41 |
複数の |
ip=10.10.10.2::10.10.10.254:255.255.255.0:core0.example.com:enp1s0:none ip=10.10.10.3::10.10.10.254:255.255.255.0:core0.example.com:enp2s0:none |
オプション: 追加のネットワークゲートウェイがプライマリーネットワークゲートウェイと異なる場合、デフォルトゲートウェイはプライマリーネットワークゲートウェイである必要があります。 | デフォルトゲートウェイを設定するには、以下の手順に従います。 ip=::10.10.10.254:::: 追加ネットワークのルートを設定するには、以下を実行します。 rd.route=20.20.20.0/24:20.20.20.254:enp2s0 |
2 つ以上のネットワークインターフェイスがあり、1 つのインターフェイスのみが使用される場合などに、1 つのインターフェイスで DHCP を無効にします。 |
ip=10.10.10.2::10.10.10.254:255.255.255.0:core0.example.com:enp1s0:none ip=::::core0.example.com:enp2s0:none |
複数のネットワークインターフェイスを持つシステムで、DHCP および静的 IP 設定を組み合わせることができます。 |
ip=enp1s0:dhcp ip=10.10.10.2::10.10.10.254:255.255.255.0:core0.example.com:enp2s0:none |
オプション: | ネットワークインターフェイスに VLAN を設定し、静的 IP アドレスを使用するには、以下を実行します。 ip=10.10.10.2::10.10.10.254:255.255.255.0:core0.example.com:enp2s0.100:none vlan=enp2s0.100:enp2s0 ネットワークインターフェイス上に VLAN を設定し、DHCP を使用するには、以下を行います。 ip=enp2s0.100:dhcp vlan=enp2s0.100:enp2s0 |
各サーバーに |
nameserver=1.1.1.1 nameserver=8.8.8.8 |
オプション: 複数のネットワークインターフェイスを単一のインターフェイスにボンディングすることは、
|
DHCP を使用するようにボンディングされたインターフェイスを設定するには、ボンドの IP アドレスを bond=bond0:em1,em2:mode=active-backup ip=bond0:dhcp 静的 IP アドレスを使用するようにボンディングされたインターフェイスを設定するには、必要な特定の IP アドレスと関連情報を入力します。以下に例を示します。 bond=bond0:em1,em2:mode=active-backup ip=10.10.10.2::10.10.10.254:255.255.255.0:core0.example.com:bond0:none |
オプション: | ボンディングされたインターフェイスを VLAN で設定し、DHCP を使用するには、以下を行います。 ip=bond0.100:dhcp bond=bond0:em1,em2:mode=active-backup vlan=bond0.100:bond0 ボンディングされたインターフェイスを VLAN で設定し、静的 IP アドレスを使用するには、以下を行います。 ip=10.10.10.2::10.10.10.254:255.255.255.0:core0.example.com:bond0.100:none bond=bond0:em1,em2:mode=active-backup vlan=bond0.100:bond0 |
オプション:
注記 RHCOS が次のバージョンの RHEL に切り替わると、チーミングは非推奨になる予定です。詳細は、Red Hat ナレッジベースアーティクル libvirt-lxc を使用した Linux コンテナー (廃止) を参照してください。 | ネットワークチームを設定する方法: team=team0:em1,em2 ip=team0:dhcp |