クラスターの更新

OpenShift Container Platform 4.6

OpenShift Container Platform クラスターの更新

概要

本書では、OpenShift Container Platform クラスターを更新し、アップグレードする方法を説明します。クラスターの更新を、クラスターをオフラインにする必要のない単純なプロセスで実行できます。

第1章 クラスターの更新の概要

Web コンソールまたは OpenShift CLI (oc) を使用して、1 回の操作で OpenShift Container Platform 4 クラスターを更新できます。

1.1. OpenShift Update Service について

OpenShift Update Service について: インターネットにアクセスできるクラスターの場合に、Red Hat は、パブリック API の背後にあるホスト型サービスとして OpenShift Update Service を介して OTA (over-the-air) 更新を提供します。

1.2. OpenShift Update Service のインストールと設定

OpenShift Update Service のインストールおよび設定: インターネットにアクセスできるクラスターの場合に、Red Hat は、パブリック API の背後にあるホスト型サービスとして OpenShift Container Platform 更新サービスを介して OTA (over-the-air) 更新を提供します。非接続クラスターがパブリック API にアクセスできない、制限付きのネットワークを使用している場合には、OpenShift Update Service をローカルにインストールできます。詳細については、次の手順を参照してください。

1.3. アップグレードチャネルとリリースを理解

アップグレードチャネルとリリースの理解: アップグレードチャネルを使用すると、アップグレード戦略を選択できます。アップグレードチャネルは OpenShift Container Platform のマイナーバージョン固有のものです。OpenShift Container Platform の特定のバージョンの openshift-install バイナリーファイルは、常にそのマイナーバージョンをインストールします。マイナーバージョンに加えて、candidatefaststable、および eus チャネル層から選択して、環境のニーズに合った更新戦略を有効にすることができます。詳細は、以下を参照してください。

1.4. Web コンソールを使用してクラスターを更新

Web コンソールを使用したクラスターの更新: Web コンソールを使用して OpenShift Container Platform クラスターを更新できます。次の手順は、マイナーバージョン内のクラスターを更新します。マイナーバージョン間でクラスターを更新する場合も、同じ手順を使用できます。

1.5. CLI を使用したクラスターの更新

CLI を使用したクラスターの更新: OpenShift CLI (oc) を使用して、マイナーバージョン内で OpenShift Container Platform クラスターを更新できます。次の手順は、マイナーバージョン内のクラスターを更新します。マイナーバージョン間でクラスターを更新する場合も、同じ手順を使用できます。

1.6. RHEL コンピュートマシンを含むクラスターの更新

RHEL コンピュートマシンを含むクラスターの更新: クラスターに Red Hat Enterprise Linux (RHEL) マシンが含まれている場合は、追加の手順を実行してそれらのマシンを更新する必要があります。次のセクションを確認できます。

1.7. ネットワークが制限された環境でのクラスターの更新

制限付きネットワーククラスターの更新: 制限付きネットワーク環境とは、クラスターノードがインターネットにアクセスできない環境です。OpenShift CLI (oc) を使用して、制限されたネットワーククラスターを更新できます。制限されたネットワーク環境では、ローカルの OpenShift Update Service インスタンスを使用して更新を受け取るように OpenShift Container Platform クラスターを設定できます。ミラーホストがインターネットとクラスターの両方にアクセスできない場合、その環境から切断されたファイルシステムにイメージをミラーリングし、そのホストまたはリムーバブルメディアを非接続環境に置きます。ローカルコンテナーレジストリーとクラスターが、ミラーレジストリーのホストに接続されている場合は、リリースイメージをローカルレジストリーに直接プッシュできます。詳細は以下のリンクをご覧ください。

第2章 OpenShift Update Service について

インターネットにアクセスできるクラスターの場合に、Red Hat は、パブリック API の背後にあるホスト型サービスとして OpenShift Container Platform 更新サービスを介して OTA (over-the-air) 更新を提供します。

注記

非接続クラスターがパブリック API にアクセスできない、制限付きのネットワークを使用している場合には、OpenShift Update Service をローカルにインストールできます。OpenShift Update Service のインストールと設定 を参照してください。

2.1. OpenShift Update Service について

OpenShift Update Service (OSUS) は、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を含む OpenShift Container Platform に OTA (over-the-air) 更新を提供します。コンポーネント Operator のグラフ、または 頂点 とそれらを結ぶ を含む図表が提示されます。グラフのエッジでは、安全に更新できるバージョンが表示されます。頂点は、マネージドクラスターコンポーネントの意図された状態を指定する更新ペイロードです。

クラスター内の Cluster Version Operator (CVO) は、OpenShift Update Service をチェックして、グラフの現在のコンポーネントバージョンとグラフの情報に基づき、有効な更新および更新パスを確認します。ユーザーが更新をリクエストすると、CVO はその更新のリリースイメージを使ってクラスターを更新します。リリースアーティファクトは、コンテナーイメージとして Quay でホストされます。

OpenShift Update Service が互換性のある更新のみを提供できるようにするために、リリース検証 Pipeline で自動化を支援します。それぞれのリリースアーティファクトについて、他のコンポーネントパッケージだけでなくサポートされているクラウドプラットフォームおよびシステムアーキテクチャーとの互換性の有無が検証されます。Pipeline がリリースの適合性を確認した後に、OpenShift Update Service は更新が利用可能であることを通知します。

重要

OpenShift Update Service は、現在のクラスターに推奨される更新をすべて表示します。OpenShift Update Service が推奨するアップグレードパスがない場合には、更新またはターゲットリリースに関連する既知の問題がある可能性があります。

連続更新モード中は、2 つのコントローラーが実行されます。1 つのコントローラーはペイロードマニフェストを絶えず更新し、そのマニフェストをクラスターに適用し、Operator が利用可能か、アップグレード中か、または失敗しているかに応じて Operator の制御されたロールアウトのステータスを出力します。2 つ目のコントローラーは OpenShift Update Service をポーリングして、更新が利用可能かどうかを判別します。

重要

サポートされているのは、新規バージョンへのアップグレードのみです。クラスターを以前のバージョンに戻すまたはロールバックすることはサポートされていません。更新が失敗した場合は、Red Hat サポートに連絡してください。

更新プロセスで、Machine Config Operator (MCO) は新規設定をクラスターマシンに適用します。MCO は、マシン設定プールの maxUnavailable フィールドによって指定されるノードの数を分離し、それらを利用不可としてマークします。デフォルトで、この値は 1 に設定されます。次に、MCO は新しい設定を適用して、マシンを再起動します。

Red Hat Enterprise Linux (RHEL) マシンをワーカーとして使用する場合、まず OpenShift API をそれらのマシンで更新する必要があるため、MCO は kubelet を更新しません。

新規バージョンの仕様は古い kubelet に適用されるため、RHEL マシンを Ready 状態に戻すことができません。マシンが利用可能になるまで更新を完了することはできません。ただし、利用不可のノードの最大数は、その数のマシンがサービス停止状態のマシンとして分離されても通常のクラスター操作が継続できるようにするために設定されます。

OpenShift Update Service は Operator および 1 つ以上のアプリケーションインスタンスで設定されます。

2.2. 管理外の Operator のサポートポリシー

Operator の 管理状態 は、Operator が設計通りにクラスター内の関連するコンポーネントのリソースをアクティブに管理しているかどうかを定めます。Operator が unmanaged 状態に設定されている場合、これは設定の変更に応答せず、更新を受信しません。

これは非実稼働クラスターやデバッグ時に便利ですが、管理外の状態の Operator はサポートされず、クラスター管理者は個々のコンポーネント設定およびアップグレードを完全に制御していることを前提としています。

Operator は以下の方法を使用して管理外の状態に設定できます。

  • 個別の Operator 設定

    個別の Operator には、それらの設定に managementState パラメーターがあります。これは Operator に応じてさまざまな方法でアクセスできます。たとえば、Cluster Logging Operator は管理するカスタムリソース (CR) を変更することによってこれを実行しますが、Cluster Samples Operator はクラスター全体の設定リソースを使用します。

    managementState パラメーターを Unmanaged に変更する場合、Operator はそのリソースをアクティブに管理しておらず、コンポーネントに関連するアクションを取らないことを意味します。Operator によっては、クラスターが破損し、手動リカバリーが必要になる可能性があるため、この管理状態に対応しない可能性があります。

    警告

    個別の Operator を Unmanaged 状態に変更すると、特定のコンポーネントおよび機能がサポート対象外になります。サポートを継続するには、報告された問題を Managed 状態で再現する必要があります。

  • Cluster Version Operator (CVO) のオーバーライド

    spec.overrides パラメーターを CVO の設定に追加すると、管理者はコンポーネントについての CVO の動作に対してオーバーライドの一覧を追加できます。コンポーネントについて spec.overrides[].unmanaged パラメーターを true に設定すると、クラスターのアップグレードがブロックされ、CVO のオーバーライドが設定された後に管理者にアラートが送信されます。

    Disabling ownership via cluster version overrides prevents upgrades. Please remove overrides before continuing.
    警告

    CVO のオーバーライドを設定すると、クラスター全体がサポートされない状態になります。サポートを継続するには、オーバーライドを削除した後に、報告された問題を再現する必要があります。

第3章 OpenShift Update Service のインストールと設定

インターネットにアクセスできるクラスターの場合に、Red Hat は、パブリック API の背後にあるホスト型サービスとして OpenShift Container Platform 更新サービスを介して OTA (over-the-air) 更新を提供します。ただし、ネットワークが制限された環境のクラスターは、パブリック API にアクセスして更新情報を取得する方法はありません。

ネットワークが制限された環境で同様の更新エクスペリエンスを提供するには、OpenShift Update Service をローカルでインストールして、非接続環境で利用できるようにします。

以下のセクションでは、非接続クラスターとその基礎となるオペレーティングシステムの OTA (over-the-air) 更新を提供する方法を説明します。

3.1. 前提条件

3.1.1. OpenShift Update Service 向けの セキュリティー保護されたレジストリーへのアクセス設定

リリースイメージがセキュリティー保護されたレジストリーに含まれている場合には、イメージレジストリーアクセスの追加トラストストアの設定 の手順を実行して、更新サービスに以下の変更を加えます。

OpenShift Update Service Operator では、設定マップのキー名 updateservice-registry がレジストリー CA 証明書に必要です。

更新サービス向けのイメージレジストリー CA の設定マップの例

apiVersion: v1
kind: ConfigMap
metadata:
  name: my-registry-ca
data:
  updateservice-registry: | 1
    -----BEGIN CERTIFICATE-----
    ...
    -----END CERTIFICATE-----
  registry-with-port.example.com..5000: | 2
    -----BEGIN CERTIFICATE-----
    ...
    -----END CERTIFICATE-----

1
OpenShift Update Service Operator では、設定マップのキー名 updateservice-registry がレジストリー CA 証明書に必要です。
2
レジストリーにポートがある場合 (例: registry-with-port.example.com:5000)、:.. に置き換える必要があります。

3.1.2. グローバルクラスターのプルシークレットの更新

現在のプルシークレットを置き換えるか、新しいプルシークレットを追加することで、クラスターのグローバルプルシークレットを更新できます。

ユーザーがインストール中に使用したレジストリーとは別のレジストリーを使用してイメージを保存する場合は、この手順が必要です。

警告

クラスターリソースは新規のプルシークレットに合わせて調整する必要がありますが、これにより、クラスターのユーザービリティーが一時的に制限される可能性があります。

警告

グローバルプルシークレットを更新すると、Machine Config Operator (MCO) が変更を同期している間にノードが再起動します。

前提条件

  • cluster-admin ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。

手順

  1. オプション: 既存のプルシークレットに新しいプルシークレットを追加するには、以下の手順を実行します。

    1. 以下のコマンドを入力してプルシークレットをダウンロードします。

      $ oc get secret/pull-secret -n openshift-config --template='{{index .data ".dockerconfigjson" | base64decode}}' ><pull_secret_location> 1
      1
      プルシークレットファイルへのパスを指定します。
    2. 以下のコマンドを実行して、新しいプルシークレットを追加します。

      $ oc registry login --registry="<registry>" \ 1
      --auth-basic="<username>:<password>" \ 2
      --to=<pull_secret_location> 3
      1
      新しいレジストリーを指定します。同じレジストリー内に複数のリポジトリーを含めることができます (例: --registry="<registry/my-namespace/my-repository>")。
      2
      新しいレジストリーの認証情報を指定します。
      3
      プルシークレットファイルへのパスを指定します。

      または、プルシークレットファイルを手動で更新することもできます。

  2. 以下のコマンドを実行して、クラスターのグローバルプルシークレットを更新します。

    $ oc set data secret/pull-secret -n openshift-config --from-file=.dockerconfigjson=<pull_secret_location> 1
    1
    新規プルシークレットファイルへのパスを指定します。

この更新はすべてのノードにロールアウトされます。これには、クラスターのサイズに応じて多少時間がかかる場合があります。この間に、ノードがドレイン (解放) され、Pod は残りのノードで再スケジュールされます。

3.2. OpenShift Update Service のインストール

OpenShift Update Service をインストールするには、まず OpenShift Container Platform Web コンソールまたは CLI を使用して OpenShift Update Service Operator をインストールする必要があります。

注記

ネットワークが制限された環境 (非接続クラスターとして知られる) にインストールされているクラスターの場合には、デフォルトで Operator Lifecycle Manager はリモートレジストリーでホストされる Red Hat が提供する OperatorHub ソースにアクセスできません。それらのリモートソースには完全なインターネット接続が必要であるためです。詳細は、ネットワークが制限された環境での Operator Lifecycle Manager の使用 を参照してください。

3.2.1. Web コンソールを使用した OpenShift Update Service Operator のインストール

Web コンソールを使用して、OpenShift Update Service Operator をインストールできます。

手順

  1. Web コンソールで OperatorsOperatorHub をクリックします。

    注記

    Update ServiceFilter by keyword…​ フィールドに入力し、素早く Operator を見つけます。

  2. 利用可能な Operator の一覧から OpenShift Update Service を選択し、Install をクリックします。

    1. 本リリースで利用可能な唯一のチャネルであるため、チャネル v1Update Channel として選択されます。
    2. A specific namespace on the clusterInstallation Mode で選択します。
    3. Installed Namespace の namespace を選択するか、推奨される namespace openshift-update-service を受け入れます。
    4. Approval Strategy を選択します。

      • Automatic ストラテジーにより、Operator Lifecycle Manager (OLM) は新規バージョンが利用可能になると Operator を自動的に更新できます。
      • Manual ストラテジーには、クラスター管理者が Operator の更新を承認する必要があります。
    5. Install をクリックします。
  3. OperatorsInstalled Operators ページに切り替えて、OpenShift Update Service Operator がインストールされていることを確認します。
  4. StatusSucceededOpenShift Update Service が選択された namespace に一覧表示されていることを確認します。

3.2.2. CLI を使用した OpenShift Update Service Operator のインストール

OpenShift CLI (oc) を使用して、OpenShift Update Service Operator をインストールできます。

手順

  1. OpenShift Update Service Operator の namespace を作成します。

    1. OpenShift Update Service Operator の namespace オブジェクト YAML ファイル (update-service-namespace.yaml など) を作成します。

      apiVersion: v1
      kind: Namespace
      metadata:
        name: openshift-update-service
        annotations:
          openshift.io/node-selector: ""
        labels:
          openshift.io/cluster-monitoring: "true" 1
      1
      openshift.io/cluster-monitoring ラベルを設定して、k この namespace で Operator が推奨するクラスターのモニターリングを有効にします。
    2. namespace を作成します。

      $ oc create -f <filename>.yaml

      以下に例を示します。

      $ oc create -f update-service-namespace.yaml
  2. 以下のオブジェクトを作成して OpenShift Update Service Operator をインストールします。

    1. OperatorGroup オブジェクト YAML ファイルを作成します (例: update-service-operator-group.yaml)。

      apiVersion: operators.coreos.com/v1
      kind: OperatorGroup
      metadata:
        name: update-service-operator-group
      spec:
        targetNamespaces:
        - openshift-update-service
    2. OperatorGroup オブジェクトを作成します。

      $ oc -n openshift-update-service create -f <filename>.yaml

      以下に例を示します。

      $ oc -n openshift-update-service create -f update-service-operator-group.yaml
    3. Subscription オブジェクト YAML ファイルを作成します (例: update-service-subscription.yaml)。

      Subscription の例

      apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1
      kind: Subscription
      metadata:
        name: update-service-subscription
      spec:
        channel: v1
        installPlanApproval: "Automatic"
        source: "redhat-operators" 1
        sourceNamespace: "openshift-marketplace"
        name: "cincinnati-operator"

      1
      Operator を提供するカタログソースの名前を指定します。カスタム Operator Lifecycle Manager (OLM) を使用しないクラスターの場合には、redhat-operators を指定します。OpenShift Container Platform クラスターが、非接続クラスターとも呼ばれるネットワークが制限された環境でインストールされている場合、Operator Lifecycle Manager (OLM) の設定時に作成される CatalogSource オブジェクトの名前を指定します。
    4. Subscription オブジェクトを作成します。

      $ oc create -f <filename>.yaml

      以下に例を示します。

      $ oc -n openshift-update-service create -f update-service-subscription.yaml

      OpenShift Update Service Operator は openshift-update-service namespace にインストールされ、openshift-update-service namespace をターゲットにします。

  3. Operator のインストールを確認します。

    $ oc -n openshift-update-service get clusterserviceversions

    出力例

    NAME                             DISPLAY                    VERSION   REPLACES   PHASE
    update-service-operator.v4.6.0   OpenShift Update Service   4.6.0                Succeeded
    ...

    OpenShift Update Service Operator が記載されている場合には、インストールが成功しています。バージョン番号が表示されるものと異なる場合があります。

3.2.3. OpenShift Update Service グラフデータコンテナーイメージの作成

OpenShift Update Service には、OpenShift Update Service がチャネルメンバーシップについての情報を取得し、更新エッジをブロックするグラフデータコンテナーイメージが必要です。通常、グラフデータはアップグレードグラフデータリポジトリーから直接取得します。インターネット接続が利用できない場合には、グラフデータを OpenShift Update Service で利用できるようにする別の方法として init コンテナーからこの情報を読み込むことができます。init コンテナーのロールとして、グラフデータのローカルコピーを提供し、Pod の初期化時に init コンテナーはデータをサービスがアクセスできるボリュームにコピーすることが挙げられます。

手順

  1. 以下を含む Dockerfile (./Dockerfile など) を作成します。

    FROM registry.access.redhat.com/ubi8/ubi:8.1
    
    RUN curl -L -o cincinnati-graph-data.tar.gz https://github.com/openshift/cincinnati-graph-data/archive/master.tar.gz
    
    CMD exec /bin/bash -c "tar xvzf cincinnati-graph-data.tar.gz -C /var/lib/cincinnati/graph-data/ --strip-components=1"
  2. 上記の手順で作成した docker ファイルを使用して、グラフデータコンテナーイメージ (例: registry.example.com/openshift/graph-data:latest) を構築します。

    $ podman build -f ./Dockerfile -t registry.example.com/openshift/graph-data:latest
  3. 前の手順で作成した graph-data コンテナーイメージを、OpenShift Update Service (例: registry.example.com/openshift/graph-data:latest) からアクセスできるリポジトリーにプッシュします。

    $ podman push registry.example.com/openshift/graph-data:latest
    注記

    制限のあるネットワーク環境に存在するローカルレジストリーにグラフデータイメージをプッシュするには、前の手順で作成した graph-data コンテナーイメージを OpenShift Update Service がアクセスできるリポジトリーにコピーします。利用可能なオプションについては、oc image mirror --help を実行します。

3.2.4. OpenShift Container Platform イメージリポジトリーのミラーリング

OpenShift Update Service には、更新リリースペイロードを含む、ローカルでアクセス可能なレジストリーが必要です。

重要

OpenShift Update Service アプリケーションで、メモリーが過剰に使用されないようにするため、以下の手順に従って、リリースイメージを別のリポジトリーにミラーリングすることが推奨されます。

前提条件

  • 非接続インストールのイメージのミラーリングからOpenShift Container Platform イメージリポジトリーのミラーリングというタイトルのセクションまでのステップを確認して完了している。
  • ネットワークが制限された環境で使用するミラーレジストリーを設定し、設定した証明書および認証情報にアクセスできる。
  • Red Hat OpenShift Cluster Manager からプルシークレット をダウンロードし、ミラーリポジトリーへの認証を含めるようにこれを変更している。
  • Subject Alternative Name が設定されていない自己署名証明書を使用する場合は、この手順の oc コマンドの前に GODEBUG=x509ignoreCN=0 を追加する必要があります。この変数を設定しない場合、oc コマンドは以下のエラーを出して失敗します。

    x509: certificate relies on legacy Common Name field, use SANs or temporarily enable Common Name matching with GODEBUG=x509ignoreCN=0

手順

ミラーホストで以下の手順を実行します。

  1. OpenShift Container Platform ダウンロード ページを確認し、更新する必要のある OpenShift Container Platform のバージョンを判別し、Repository Tags ページで対応するタグを判別します。
  2. 必要な環境変数を設定します。

    1. リリースバージョンをエクスポートします。

      $ OCP_RELEASE=<release_version>

      <release_version> について、インストールする OpenShift Container Platform のバージョンに対応するタグを指定します (例: 4.6.4)。

    2. ローカルレジストリー名とホストポートをエクスポートします。

      $ LOCAL_REGISTRY='<local_registry_host_name>:<local_registry_host_port>'

      <local_registry_host_name> については、ミラーレジストリーのレジストリードメイン名を指定し、<local_registry_host_port> については、コンテンツの送信に使用するポートを指定します。

    3. ローカルリポジトリー名をエクスポートします。

      $ LOCAL_REPOSITORY='<local_repository_name>'

      <local_repository_name> については、ocp4/openshift4 などのレジストリーに作成するリポジトリーの名前を指定します。

    4. 追加のローカルリポジトリー名をエクスポートして、リリースイメージを追加します。

      $ LOCAL_RELEASE_IMAGES_REPOSITORY='<local_release_images_repository_name>'

      <local_release_images_repository_name> については、ocp4/openshift4-release-images などのレジストリーに作成するリポジトリーの名前を指定します。

    5. ミラーリングするリポジトリーの名前をエクスポートします。

      $ PRODUCT_REPO='openshift-release-dev'

      実稼働環境のリリースの場合には、openshift-release-dev を指定する必要があります。

    6. パスをレジストリープルシークレットにエクスポートします。

      $ LOCAL_SECRET_JSON='<path_to_pull_secret>'

      <path_to_pull_secret> については、作成したミラーレジストリーのプルシークレットの絶対パスおよびファイル名を指定します。

    7. リリースミラーをエクスポートします。

      $ RELEASE_NAME="ocp-release"

      実稼働環境のリリースについては、ocp-release を指定する必要があります。

    8. サーバーのアーキテクチャーのタイプをエクスポートします (例: x86_64)。

      $ ARCHITECTURE=<server_architecture>
    9. ミラーリングされたイメージをホストするためにディレクトリーへのパスをエクスポートします。

      $ REMOVABLE_MEDIA_PATH=<path> 1
      1
      最初のスラッシュ (/) 文字を含む完全パスを指定します。
  3. バージョンイメージをミラーレジストリーにミラーリングします。

    • ミラーホストがインターネットにアクセスできない場合は、以下の操作を実行します。

      1. リムーバブルメディアをインターネットに接続しているシステムに接続します。
      2. ミラーリングするイメージおよび設定マニフェストを確認します。

        $ oc adm release mirror -a ${LOCAL_SECRET_JSON}  \
             --from=quay.io/${PRODUCT_REPO}/${RELEASE_NAME}:${OCP_RELEASE}-${ARCHITECTURE} \
             --to=${LOCAL_REGISTRY}/${LOCAL_REPOSITORY} \
             --to-release-image=${LOCAL_REGISTRY}/${LOCAL_RELEASE_IMAGES_REPOSITORY}:${OCP_RELEASE}-${ARCHITECTURE} --dry-run
      3. イメージをリムーバブルメディア上のディレクトリーにミラーリングします。

        $ oc adm release mirror -a ${LOCAL_SECRET_JSON} --to-dir=${REMOVABLE_MEDIA_PATH}/mirror quay.io/${PRODUCT_REPO}/${RELEASE_NAME}:${OCP_RELEASE}-${ARCHITECTURE}
      4. メディアをネットワークが制限された環境に移し、イメージをローカルコンテナーレジストリーにアップロードします。

        $ oc image mirror -a ${LOCAL_SECRET_JSON} --from-dir=${REMOVABLE_MEDIA_PATH}/mirror "file://openshift/release:${OCP_RELEASE}*" ${LOCAL_REGISTRY}/${LOCAL_REPOSITORY} 1
        1
        REMOVABLE_MEDIA_PATH の場合は、リムーバブルメディアをマウントしたパスを使用する必要があります。
      5. リリースイメージを別のリポジトリーにミラーリングします。

        $ oc image mirror -a ${LOCAL_SECRET_JSON} ${LOCAL_REGISTRY}/${LOCAL_REPOSITORY}:${OCP_RELEASE}-${ARCHITECTURE} ${LOCAL_REGISTRY}/${LOCAL_RELEASE_IMAGES_REPOSITORY}:${OCP_RELEASE}-${ARCHITECTURE}
    • ローカルコンテナーレジストリーがミラーホストに接続されている場合、リリースイメージをローカルレジストリーに直接プッシュできます。

      $ oc adm release mirror -a ${LOCAL_SECRET_JSON}  \
           --from=quay.io/${PRODUCT_REPO}/${RELEASE_NAME}:${OCP_RELEASE}-${ARCHITECTURE} \
           --to=${LOCAL_REGISTRY}/${LOCAL_REPOSITORY} \
           --to-release-image=${LOCAL_REGISTRY}/${LOCAL_RELEASE_IMAGES_REPOSITORY}:${OCP_RELEASE}-${ARCHITECTURE}

3.3. OpenShift Update Service アプリケーションの作成

OpenShift Container Platform Web コンソールまたは CLI を使用し、OpenShift Update Service アプリケーションを作成できます。

3.3.1. Web コンソールを使用した OpenShift Update Service アプリケーションの作成

OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して、OpenShift Update Service Operator で OpenShift Update Service アプリケーションを作成できます。

前提条件

  • OpenShift Update Service Operator がインストールされている。
  • OpenShift Update Service の graph-data コンテナーイメージを作成して、OpenShift Update Service がアクセスできるリポジトリーにプッシュしておく。
  • 現在のリリースおよび更新ターゲットリリースがローカルアクセス可能なレジストリーにミラーリングされている。

手順

  1. Web コンソールで OperatorsInstalled Operators をクリックします。
  2. インストールされた Operator の一覧から OpenShift Update Service を選択します。
  3. Update Service タブをクリックします。
  4. Create UpdateService をクリックします。
  5. service など、Name フィールドに名前を入力します。
  6. Graph Data Image フィールドに OpenShift Update Service グラフデータコンテナーイメージの作成で作成した graph-data コンテナーイメージにローカルの pullspec を入力します (例: registry.example.com/openshift/graph-data:latest)。
  7. Releases フィールドに、OpenShift Container Platform イメージリポジトリーのミラーリングでリリースイメージを含むように作成したローカルのレジストリーとリポジトリー (例: registry.example.com/ocp4/openshift4-release-images) を入力します。
  8. Replicas フィールドに 2 と入力します。
  9. Create をクリックして OpenShift Update Service アプリケーションを作成します。
  10. OpenShift Update Service アプリケーションを検証します。

    • Update Service タブの UpdateServices 一覧から、作成した Update Service アプリケーションをクリックします。
    • Resources タブをクリックします。
    • 各アプリケーションリソースのステータスが Created であることを確認します。

3.3.2. CLI を使用した OpenShift Update Service アプリケーションの作成

OpenShift CLI (oc) を使用して、OpenShift Update Service アプリケーションを作成できます。

前提条件

  • OpenShift Update Service Operator がインストールされている。
  • OpenShift Update Service の graph-data コンテナーイメージを作成して、OpenShift Update Service がアクセスできるリポジトリーにプッシュしておく。
  • 現在のリリースおよび更新ターゲットリリースがローカルアクセス可能なレジストリーにミラーリングされている。

手順

  1. OpenShift Update Service ターゲット namespace を設定します (例: openshift-update-service)。

    $ NAMESPACE=openshift-update-service

    namespace は Operator グループの targetNamespaces 値と一致する必要があります。

  2. OpenShift Update Service アプリケーションの名前 (例: service) を設定します。

    $ NAME=service
  3. OpenShift Container Platform イメージリポジトリーの設ミラーリング (例: registry.example.com/ocp4/openshift4-release-images) に設定されるように、リリースイメージのローカルレジストリーおよびリポジトリーを設定します。

    $ RELEASE_IMAGES=registry.example.com/ocp4/openshift4-release-images
  4. OpenShift Update Service グラフデータコンテナーイメージの作成で作成した graph-data コンテナーイメージにローカルの pullspec を入力します (例: registry.example.com/openshift/graph-data:latest)。

    $ GRAPH_DATA_IMAGE=registry.example.com/openshift/graph-data:latest
  5. OpenShift Update Service アプリケーションオブジェクトを作成します。

    $ oc -n "${NAMESPACE}" create -f - <<EOF
    apiVersion: updateservice.operator.openshift.io/v1
    kind: UpdateService
    metadata:
      name: ${NAME}
    spec:
      replicas: 2
      releases: ${RELEASE_IMAGES}
      graphDataImage: ${GRAPH_DATA_IMAGE}
    EOF
  6. OpenShift Update Service アプリケーションを検証します。

    1. 以下のコマンドを使用してポリシーエンジンルートを取得します。

      $ while sleep 1; do POLICY_ENGINE_GRAPH_URI="$(oc -n "${NAMESPACE}" get -o jsonpath='{.status.policyEngineURI}/api/upgrades_info/v1/graph{"\n"}' updateservice "${NAME}")"; SCHEME="${POLICY_ENGINE_GRAPH_URI%%:*}"; if test "${SCHEME}" = http -o "${SCHEME}" = https; then break; fi; done

      コマンドが成功するまでポーリングが必要になる場合があります。

    2. ポリシーエンジンからグラフを取得します。チャネル に有効なバージョンを指定してください。たとえば、OpenShift Container Platform 4.6 で実行している場合は、stable-4.6 を使用します。

      $ while sleep 10; do HTTP_CODE="$(curl --header Accept:application/json --output /dev/stderr --write-out "%{http_code}" "${POLICY_ENGINE_GRAPH_URI}?channel=stable-4.6")"; if test "${HTTP_CODE}" -eq 200; then break; fi; echo "${HTTP_CODE}"; done

      これにより、グラフ要求が成功するまでポーリングされます。ただし、ミラーリングしたリリースイメージによっては、生成されるグラフが空白の場合があります。

注記

ポリシーエンジンのルート名は、RFC-1123 に基づき、63 文字以上を指定できません。host must conform to DNS 1123 naming convention and must be no more than 63 characters が原因で、ReconcileCompleted のステータスが false、理由が CreateRouteFailed となっている場合には、更新サービスをもう少し短い名前で作成してみてください。

3.3.3. Cluster Version Operator (CVO) の設定

OpenShift Update Service Operator をインストールして、OpenShift Update Service アプリケーションを作成した後に、ローカルインストールされた OpenShift Update Service からグラフデータをプルするように Cluster Version Operator (CVO) を更新できます。

前提条件

  • OpenShift Update Service Operator がインストールされている。
  • OpenShift Update Service の graph-data コンテナーイメージを作成して、OpenShift Update Service がアクセスできるリポジトリーにプッシュしておく。
  • 現在のリリースおよび更新ターゲットリリースがローカルアクセス可能なレジストリーにミラーリングされている。
  • OpenShift Update Service アプリケーションが作成されている。

手順

  1. OpenShift Update Service ターゲット namespace を設定します (例: openshift-update-service)。

    $ NAMESPACE=openshift-update-service
  2. OpenShift Update Service アプリケーションの名前 (例: service) を設定します。

    $ NAME=service
  3. ポリシーエンジンルートを取得します。

    $ POLICY_ENGINE_GRAPH_URI="$(oc -n "${NAMESPACE}" get -o jsonpath='{.status.policyEngineURI}/api/upgrades_info/v1/graph{"\n"}' updateservice "${NAME}")"
  4. プルグラフデータのパッチを設定します。

    $ PATCH="{\"spec\":{\"upstream\":\"${POLICY_ENGINE_GRAPH_URI}\"}}"
  5. CVO にパッチを適用して、ローカルの OpenShift Update Service を使用します。

    $ oc patch clusterversion version -p $PATCH --type merge
注記

クラスター全体のプロキシーを有効 にして、更新サーバーを信頼するように CA を設定するを参照してください。

3.4. OpenShift Update Service アプリケーションの削除

OpenShift Container Platform Web コンソールまたは CLI を使用して OpenShift Update Service アプリケーションを削除できます。

3.4.1. Web コンソールを使用した OpenShift Update Service アプリケーションの削除

OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して、OpenShift Update Service Operator で OpenShift Update Service アプリケーションを削除できます。

前提条件

  • OpenShift Update Service Operator がインストールされている。

手順

  1. Web コンソールで OperatorsInstalled Operators をクリックします。
  2. インストールされた Operator の一覧から OpenShift Update Service を選択します。
  3. Update Service タブをクリックします。
  4. インストールされた OpenShift Update Service アプリケーションの一覧から、削除するアプリケーションを選択して、Delete UpdateService をクリックします。
  5. Delete UpdateService? 確認ダイアログで、Delete をクリックし、削除を確定します。

3.4.2. CLI を使用した OpenShift Update Service アプリケーションの削除

OpenShift CLI (oc) を使用して、OpenShift Update Service アプリケーションを削除できます。

手順

  1. OpenShift Update Service アプリケーションを作成した namespace を使用して OpenShift Update Service アプリケーション名を取得します (例: openshift-update-service)。

    $ oc get updateservice -n openshift-update-service

    出力例

    NAME      AGE
    service   6s

  2. 直前の手順の NAME の値を使用して OpenShift Update Service アプリケーションと、OpenShift Update Service アプリケーションを作成した namespace (例: openshift-update-service) を削除します。

    $ oc delete updateservice service -n openshift-update-service

    出力例

    updateservice.updateservice.operator.openshift.io "service" deleted

3.5. OpenShift Update Service Operator のアンインストール

OpenShift Update Service をアンインストールするには、まず OpenShift Container Platform Web コンソールまたは CLI を使用してすべての OpenShift Update Service アプリケーションを削除する必要があります。

3.5.1. Web コンソールを使用した OpenShift Update Service Operator のアンインストール

OpenShift Container Platform Web コンソールを使って OpenShift Update Service Operator をアンインストールすることができます。

前提条件

  • OpenShift Update Service アプリケーションがすべて削除されている。

手順

  1. Web コンソールで OperatorsInstalled Operators をクリックします。
  2. インストールされた Operator の一覧から OpenShift Update Service を選択し、Uninstall Operator をクリックします。
  3. Uninstall Operator? 確認ダイアログから Uninstall をクリックし、アンインストールを確定します。

3.5.2. CLI を使用した OpenShift Update Service Operator のアンインストール

OpenShift CLI (oc) を使用して、OpenShift Update Service Operator をアンインストールできます。

前提条件

  • OpenShift Update Service アプリケーションがすべて削除されている。

手順

  1. OpenShift Update Service Operator (例: openshift-update-service) が含まれるプロジェクトに切り替えます。

    $ oc project openshift-update-service

    出力例

    Now using project "openshift-update-service" on server "https://example.com:6443".

  2. OpenShift Update Service Operator Operator グループの名前を取得します。

    $ oc get operatorgroup

    出力例

    NAME                             AGE
    openshift-update-service-fprx2   4m41s

  3. Operator グループを削除します (例: openshift-update-service-fprx2)。

    $ oc delete operatorgroup openshift-update-service-fprx2

    出力例

    operatorgroup.operators.coreos.com "openshift-update-service-fprx2" deleted

  4. OpenShift Update Service Operator サブスクリプションの名前を取得します。

    $ oc get subscription

    出力例

    NAME                      PACKAGE                   SOURCE                        CHANNEL
    update-service-operator   update-service-operator   updateservice-index-catalog   v1

  5. 直前の手順で Name の値を使用して、currentCSV フィールドで、サブスクライブされた OpenShift Update Service Operator の現行バージョンを確認します。

    $ oc get subscription update-service-operator -o yaml | grep " currentCSV"

    出力例

      currentCSV: update-service-operator.v0.0.1

  6. サブスクリプション (例: update-service-operator) を削除します。

    $ oc delete subscription update-service-operator

    出力例

    subscription.operators.coreos.com "update-service-operator" deleted

  7. 直前の手順の currentCSV 値を使用し、OpenShift Update Service Operator の CSV を削除します。

    $ oc delete clusterserviceversion update-service-operator.v0.0.1

    出力例

    clusterserviceversion.operators.coreos.com "update-service-operator.v0.0.1" deleted

第4章 アップグレードチャネルとリリースを理解

OpenShift Container Platform 4.1 で、Red Hat はクラスターの更新の適切なリリースバージョンを推奨するためにチャネルという概念を導入しました。これらの更新チャネルでは、更新のペースを制御することで、更新戦略を選択できます。アップグレードチャネルは OpenShift Container Platform のマイナーバージョンに関連付けられます。たとえば、OpenShift Container Platform 4.9 アップグレードチャネルでは、4.9 への更新と 4.9 以内の更新が推奨されます。また、4.8 内および 4.8 から 4.9 への更新を推奨し、4.8 上のクラスターが最終的に 4.9 に更新できるようにします。4.10 以降のリリースへの更新は推奨していません。このストラテジーにより、管理者は OpenShift Container Platform の次のマイナーバージョンへの更新に関して明確な決定を行うことができます。

アップグレードチャネルはリリースの選択のみを制御し、インストールするクラスターのバージョンには影響を与えません。 OpenShift Container Platform の特定のバージョンの openshift-install バイナリーファイルは常に該当バージョンをインストールします。

OpenShift Container Platform 4.6 は以下のアップグレードチャネルを提供します。

  • candidate-4.6
  • fast-4.6
  • stable-4.6
  • eus-4.y (4.6 などの偶数番号の 4.y クラスターリリースを実行している場合のみ)

4.1. チャネルおよびリリースパスのアップグレード

クラスター管理者は、Web コンソールからアップグレードチャネルを設定できます。

4.1.1. candidate-4.6 チャネル

candidate-4.6 チャネルには、z-stream (4.6.z) リリースの候補となるビルドとそれ以前のマイナーバージョンのリリースが含まれます。リリース候補には、製品のすべての機能が含まれますが、それらがサポートされる訳ではありません。リリース候補を使用して機能の受け入れテストを実行し、OpenShift Container Platform の次のバージョンへの対応を支援します。リリース候補は、名前に -rc など、プレリリースバージョン を含まない、候補チャネルで利用可能なビルドを指します。候補チャネルでバージョンが利用可能になると、さらに品質のチェックが行われます。品質基準を満たす場合は、これは fast-4.6 または stable-4.6 チャネルにプロモートされます。このストラテジーにより、特定のリリースが candidate-4.6 チャネルと fast-4.6 または stable-4.6 チャネルの両方で利用可能な場合、そのリリースは Red Hat でサポートされるバージョンということになります。candidate-4.6 チャネルには、いずれのチャネルでも推奨されていないリリースバージョンを含めることができます。

candidate-4.6 チャネルを使用して、OpenShift Container Platform の直前のマイナーバージョンから更新できます。

4.1.2. fast-4.6 チャネル

fast-4.6 チャネルは、Red Hat が一般公開リリースとして指定のバージョンを宣言するとすぐに 4.6 の新規およびそれ以前のマイナーバージョンで更新されます。そのため、これらのリリースは完全にサポートされ、実稼働用の品質があり、これらのリリースのプロモート元の candidate-4.6 チャネルのリリース候補として利用可能であった間のパフォーマンスにも問題はありませんでした。リリースは fast-4.6 チャネルに表示されてからしばらくすると、stable-4.6 チャネルに追加されます。リリースは fast-4.6 チャネルに表示される前に、stable-4.6 チャネルに表示されることはありません。

fast-4.6 チャネルを使用して、OpenShift Container Platform の以前のマイナーバージョンからの更新を実行できます。

4.1.3. stable-4.6 チャネル

fast-4.6 チャネルにはエラータの公開後すぐにリリースが組み込まれ、リリースの stable-4.6 チャネルへの追加は遅延します。この期間中、接続環境のカスタマープログラム (Connected Customer Program) に関わる Red Hat SRE チーム、Red Hat サポートサービス、および実稼働前および実稼働環境からリリースの安定性についてのデータが収集されます。

stable-4.6 チャネルを使用して、OpenShift Container Platform の以前のマイナーバージョンからの更新を実行できます。

4.1.4. EUS-4.y チャネル

stable チャネルのほかに、番号が偶数の OpenShift Container Platform マイナーバージョンはすべて Extended Update Support (延長更新サポート) (EUS) を提供します。EUS 4.6 チャネルは、Premium サブスクリプションのメンテナーンスフェーズを 14 カ月に拡張します。

OpenShift Container Platform 4.6 が EUS フェーズに移行するまで stable-4.6eus-4.6 チャネル間に相違はありませんが、 EUS チャネルが利用可能になり次第、これに切り換えることができます。OpenShift Container Platform 4.6 がライフサイクルの EUS フェーズに移行すると、stable-4.6 チャネルは後続の z-stream 更新を受信しなくなります。次の EUS バージョンは 4.8 で、そのバージョンの更新には 4.6 から 4.7、そして 4.8 への連続した更新が必要です。

注記

標準サブスクライバーと非 EUS サブスクライバーの両方が、すべての EUS リポジトリーと必要な RPM (rhel-*-eus-rpms) にアクセスして、ドライバーのデバッグやビルドなどの重要な目的をサポートできます。

4.1.5. アップグレードバージョンパス

OpenShift Container Platform では、インストールされた OpenShift Container Platform のバージョンと、次のリリースにアクセスするために選択したチャネル内のパスの確認を可能にする更新推奨サービスが提供されます。

fast-4.6 チャネルでは以下を確認できます。

  • 4.6.0
  • 4.6.1
  • 4.6.3
  • 4.6.4

このサービスは、テスト済みの重大な問題のない更新のみを推奨します。これは、既知の脆弱性を含む OpenShift Container Platform のバージョンへの更新を提案しません。たとえば、クラスターが 4.6.1 にあり、OpenShift Container Platform が 4.6.4 を提案している場合、4.6.1 から 4.6.4 に更新しても問題がありません。パッチの連続する番号のみに依存しないようにしてください。たとえば、この例では 4.6.2 はチャネルで利用可能な状態ではなく、これまで利用可能になったことがありません。

更新の安定性は、チャネルによって異なります。candidate-4.6 チャネルに更新についての推奨があるからといって、その更新が必ずしもサポートされる訳ではありません。つまり、更新について深刻な問題がまだ検出されていないものの、この更新の安定性についての提案を導くようなトラフィックの安定性はとくに確認されていない可能性があります。任意の時点で fast-4.6 または stable-4.6 チャネルの更新の推奨がある場合は、更新がサポートされていることを示します。リリースがチャネルから削除されることは決してありませんが、深刻な問題を示す更新の推奨はすべてのチャネルから削除されます。更新の推奨が削除された後に開始された更新は依然としてサポートされます。

Red Hat は最終的には、fast-4.6 または stable-4.6 チャネルのサポートされるリリースから 4.6.z の最新リリースへのサポートされる更新パスを提供します。ただし、問題のあるリリースからの安全なパスが構築され、検証される間に遅延が生じる可能性があります。

4.1.6. 高速かつ安定したチャネルの使用およびストラテジー

fast-4.6 および stable-4.6 チャネルでは、一般公開リリースが利用可能になり次第これを受信するか、または Red Hat がそれらの更新のロールアウトを制御するようにするかを選択することができます。問題がロールアウト時またはロールアウト後に検出される場合、該当バージョンへの更新は fast-4.6 および stable-4.6 チャネルの両方でブロックされ、新たに推奨される更新先の新規バージョンが導入される可能性があります。

fast-4.6 チャネルで実稼働前のシステムを設定し、stable-4.6 チャネルで実稼働システムを設定してから Red Hat の接続環境のカスタマープログラム (Connected Customer Program) に参加することで、お客様のプロセスを改善することができます。Red Hat はこのプログラムを使用して、ご使用の特定のハードウェアおよびソフトウェア設定に対する更新の影響の有無を確認します。今後のリリースでは、更新が fast-4.6 から stable-4.6 チャネルに移行するペースが改善されるか、変更される可能性があります。

4.1.7. ネットワークが制限された環境のクラスター

OpenShift Container Platform クラスターのコンテナーイメージを独自に管理する場合には、製品リリースに関連する Red Hat エラータを確認し、更新への影響に関するコメントに留意する必要があります。更新時に、インターフェイスにこれらのバージョン間の切り替えについての警告が表示される場合があります。そのため、これらの警告を無視するかどうかを決める前に適切なバージョンを選択していることを確認する必要があります。

4.1.8. CLI プロファイル間の切り替え

チャネルは、Web コンソールまたは patch コマンドを使用して切り替えることができます。

$ oc patch clusterversion version --type json -p '[{"op": "add", "path": "/spec/channel", "value": "<channel>”}]'

Web コンソールは、現在のリリースを含まないチャネルに切り替えると、アラートを表示します。Web コンソールは、現在のリリースのないチャネルにある更新を推奨していません。ただし、任意の時点で元のチャネルに戻ることができます。

チャネルの変更は、クラスターのサポート可能性に影響を与える可能性があります。以下の条件が適用されます。

  • stable-4.6 チャネルから fast-4.6 チャネルに切り換える場合も、クラスターは引き続きサポートされます。
  • candidate-4.6 チャネルに切り換えることはできますが、このチャネルの一部のリリースはサポートされない可能性があります。
  • 現在のリリースが一般利用公開リリースの場合、candidate-4.6 チャネルから fast-4.6 チャネルに切り換えることができます。
  • fast-4.6 チャネルから stable-4.6 チャネルに常に切り換えることができます。現在のリリースが最近プロモートされた場合は、リリースが stable-4.6 にプロモートされるまでに最長 1 日分の遅延が生じる可能性があります。

第5章 Web コンソールを使用してクラスターを更新

Web コンソールを使用して、OpenShift Container Platform クラスターの更新またはアップグレードを実行できます。次の手順は、マイナーバージョン内のクラスターを更新します。マイナーバージョン間でクラスターを更新する場合も、同じ手順を使用できます。

注記

oc を使用して更新チャネルを変更するのが容易ではないため、Web コンソールを使用して更新チャネルを変更します。Web コンソール内で更新プロセスを完了することが推奨されます。4.6 チャネルに変更した後、CLI を使用してクラスターを更新 手順に従って、更新を完了することができます。

5.1. 前提条件

  • admin 権限を持つユーザーとしてクラスターにアクセスできること。RBAC の使用によるパーミッションの定義および適用 を参照してください。
  • 更新が失敗し、クラスターを直前の状態に復元する 必要がある場合に最新の etcd バックアップ があること。
  • Operator Lifecycle Manager (OLM) で以前にインストールされたすべての Operator が、最新チャネルの最新バージョンに更新されていることを確認します。Operator を更新することで、デフォルトの OperatorHub カタログが、クラスターのアップグレード時に現行のマイナーバージョンから次のマイナーバージョンに切り替わる際、確実に有効な更新パスがあるようにします。詳細は、インストールされた Operator のアップグレード を参照してください。
  • すべてのマシン設定プール (MCP) が実行中であり、一時停止していないことを確認します。一時停止した MCP に関連付けられたノードは、更新プロセス中にスキップされます。
  • クラスターで手動で保守される認証情報を使用する場合は、Cloud Credential Operator (CCO) がアップグレード可能な状態であることを確認します。AWSAzure、または GCP手動で保守される認証情報を使用したクラスターのアップグレードを参照してください。
重要
  • 更新が完了しなかった場合、Cluster Version Operator (CVO) は、更新の調整を試みている間、ブロックしているコンポーネントのステータスを報告します。クラスターの以前のバージョンへのロールバックはサポートされていません。更新が完了しない場合は、Red Hat サポートに連絡してください。
  • unsupportedConfigOverrides セクションを使用して Operator の設定を変更することはサポートされておらず、クラスターの更新をブロックする可能性があります。クラスターを更新する前に、この設定を削除する必要があります。

5.2. Web コンソールを使用したクラスターの更新

更新が利用可能な場合、Web コンソールからクラスターを更新できます。

利用可能な OpenShift Container Platform アドバイザリーおよび更新については、カスタマーポータルの エラータ のセクションを参照してください。

前提条件

  • admin 権限を持つユーザーとして Web コンソールにアクセスできること。

手順

  1. Web コンソールから、AdministrationCluster Settings をクリックし、Details タブの内容を確認します。
  2. 本番クラスターの場合は、チャネル が、stable-4.6 など、更新するバージョンの正しいチャネルに設定されていることを確認します。

    重要

    実稼働クラスターの場合、stable-* または fast-* チャネルにサブスクライブする必要があります。

    • Update StatusUpdates Available ではない場合、クラスターを更新することはできません。
    • Select Channel は、クラスターが実行されているか、または更新されるクラスターのバージョンを示します。
  3. 更新するバージョンを選択し、Save をクリックします。

    入力チャネルの Update StatusUpdate to <product-version> in progress 切り替わり、Operator およびノードの進捗バーを監視して、クラスター更新の進捗を確認できます。

    注記

    バージョン 4.y から 4.(y+1) などの次のマイナーバージョンにクラスターを更新する場合、新たな機能に依存するワークロードをデプロイする前にノードがアップグレードされていることを確認することが推奨されます。更新されていないワーカーノードを持つプールは Cluster Settings ページに表示されます。

  4. 更新が完了し、Cluster Version Operator が利用可能な更新を更新したら、追加の更新が現在のチャネルで利用可能かどうかを確認します。

    • 更新が利用可能な場合は、更新ができなくなるまで、現在のチャネルでの更新を継続します。
    • 利用可能な更新がない場合は、Channel を次のマイナーバージョンの stable-* または fast-* チャネルに切り替え、そのチャネルで必要なバージョンに更新します。

    必要なバージョンに達するまで、いくつかの中間更新を実行する必要がある場合があります。

5.3. Web コンソールを使用した更新サーバーの変更

更新サーバーの変更は任意です。OpenShift Update Service (OSUS) がローカルにインストールされ、設定されている場合は、更新時にローカルサーバーを使用できるようにサーバーの URL を upstream として設定する必要があります。

手順

  1. AdministrationCluster Settings に移動し、version をクリックします。
  2. YAML タブをクリックし、upstream パラメーター値を編集します。

    出力例

      ...
      spec:
        clusterID: db93436d-7b05-42cc-b856-43e11ad2d31a
        upstream: '<update-server-url>' 1
      ...

    1
    <update-server-url> 変数は、更新サーバーの URL を指定します。

    デフォルトの upstreamhttps://api.openshift.com/api/upgrades_info/v1/graph です。

  3. Save をクリックします。

第6章 CLI を使用したクラスターの更新

OpenShift CLI (oc) を使用して OpenShift Container Platform クラスターをマイナーバージョン内で更新するか、またはアップグレードすることができます。同じ手順に従って、マイナーバージョン間でクラスターを更新することもできます。

6.1. 前提条件

  • admin 権限を持つユーザーとしてクラスターにアクセスできること。RBAC の使用によるパーミッションの定義および適用 を参照してください。
  • 更新が失敗し、クラスターを直前の状態に復元する 必要がある場合に最新の etcd バックアップ があること。
  • Operator Lifecycle Manager (OLM) で以前にインストールされたすべての Operator が、最新チャネルの最新バージョンに更新されていることを確認します。Operator を更新することで、デフォルトの OperatorHub カタログが、クラスターのアップグレード時に現行のマイナーバージョンから次のマイナーバージョンに切り替わる際、確実に有効な更新パスがあるようにします。詳細は、インストールされた Operator のアップグレード を参照してください。
  • すべてのマシン設定プール (MCP) が実行中であり、一時停止していないことを確認します。一時停止した MCP に関連付けられたノードは、更新プロセス中にスキップされます。
  • クラスターで手動で保守される認証情報を使用する場合は、Cloud Credential Operator (CCO) がアップグレード可能な状態であることを確認します。AWSAzure、または GCP手動で保守される認証情報を使用したクラスターのアップグレードを参照してください。
重要
  • 更新が完了しなかった場合、Cluster Version Operator (CVO) は、更新の調整を試みている間、ブロックしているコンポーネントのステータスを報告します。クラスターの以前のバージョンへのロールバックはサポートされていません。更新が完了しない場合は、Red Hat サポートに連絡してください。
  • unsupportedConfigOverrides セクションを使用して Operator の設定を変更することはサポートされておらず、クラスターの更新をブロックする可能性があります。クラスターを更新する前に、この設定を削除する必要があります。

6.2. 関連情報

6.3. CLI を使用したクラスターの更新

更新が利用可能な場合、OpenShift CLI (oc) を使用してクラスターを更新できます。

利用可能な OpenShift Container Platform アドバイザリーおよび更新については、カスタマーポータルの エラータ のセクションを参照してください。

前提条件

  • お使いの更新バージョンのバージョンに一致する OpenShift CLI (oc) をインストールします。
  • cluster-admin 権限を持つユーザーとしてクラスターにログインします。
  • jq パッケージをインストールします。

手順

  1. クラスターが利用可能であることを確認します。

    $ oc get clusterversion

    出力例

    NAME      VERSION   AVAILABLE   PROGRESSING   SINCE   STATUS
    version   4.5.4     True        False         158m    Cluster version is 4.5.4

  2. 現在の更新チャネル情報を確認し、チャネルが stable-4.6 に設定されていることを確認します。

    $ oc get clusterversion -o json|jq ".items[0].spec"

    出力例

    {
      "channel": "stable-4.6",
      "clusterID": "990f7ab8-109b-4c95-8480-2bd1deec55ff",
      "upstream": "https://api.openshift.com/api/upgrades_info/v1/graph"
    }

    重要

    実稼働クラスターの場合、stable-* または fast-* チャネルにサブスクライブする必要があります。

  3. 利用可能な更新を確認し、適用する必要のある更新のバージョン番号をメモします。

    $ oc adm upgrade

    出力例

    Cluster version is 4.1.0
    
    Updates:
    
    VERSION IMAGE
    4.1.2   quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:9c5f0df8b192a0d7b46cd5f6a4da2289c155fd5302dec7954f8f06c878160b8b

  4. 更新を適用します。

    • 最新バージョンに更新するには、以下を実行します。

      $ oc adm upgrade --to-latest=true 1
    • 特定のバージョンに更新するには、以下を実行します。

      $ oc adm upgrade --to=<version> 1
      1 1
      <version> は、直前のコマンドの出力から得られる更新バージョンです。
  5. クラスターバージョン Operator を確認します。

    $ oc get clusterversion -o json|jq ".items[0].spec"

    出力例

    {
      "channel": "stable-4.6",
      "clusterID": "990f7ab8-109b-4c95-8480-2bd1deec55ff",
      "desiredUpdate": {
        "force": false,
        "image": "quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:9c5f0df8b192a0d7b46cd5f6a4da2289c155fd5302dec7954f8f06c878160b8b",
        "version": "4.6.3" 1
      },
      "upstream": "https://api.openshift.com/api/upgrades_info/v1/graph"
    }

    1
    desiredUpdate スタンザの version 番号が指定した値と一致する場合、更新は進行中です。
  6. クラスターバージョン履歴で、更新のステータスをモニターします。すべてのオブジェクトの更新が終了するまでに時間がかかる可能性があります。

    $ oc get clusterversion -o json|jq ".items[0].status.history"

    出力例

    [
      {
        "completionTime": null,
        "image": "quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:9c5f0df8b192a0d7b46cd5f6a4da2289c155fd5302dec7954f8f06c878160b8b",
        "startedTime": "2020-11-10T20:30:50Z",
        "state": "Partial",
        "verified": true,
        "version": "4.1.2"
      },
      {
        "completionTime": "2020-11-10T20:30:50Z",
        "image": "quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:b8307ac0f3ec4ac86c3f3b52846425205022da52c16f56ec31cbe428501001d6",
        "startedTime": "2020-11-10T17:38:10Z",
        "state": "Completed",
        "verified": false,
        "version": "4.1.0"
      }
    ]

    履歴には、クラスターに適用された最新バージョンの一覧が含まれます。この値は、CVO が更新を適用する際に更新されます。この一覧は日付順に表示され、最新の更新は一覧の先頭に表示されます。履歴の更新には、ロールアウトが完了した場合には Completed と表示され、更新が失敗したか、または完了しなかった場合には Partial と表示されます。

  7. 更新が完了したら、クラスターのバージョンが新たなバージョンに更新されていることを確認できます。

    $ oc get clusterversion

    出力例

    NAME      VERSION     AVAILABLE   PROGRESSING   SINCE     STATUS
    version   4.6.3       True        False         2m        Cluster version is 4.6.3

  8. バージョン 4.y から 4.(y+1) などの次のマイナーバージョンにクラスターをアップグレードする場合、新たな機能に依存するワークロードをデプロイする前にノードがアップグレードされていることを確認することが推奨されます。

    $ oc get nodes

    出力例

    NAME                           STATUS   ROLES    AGE   VERSION
    ip-10-0-168-251.ec2.internal   Ready    master   82m   v1.19.0
    ip-10-0-170-223.ec2.internal   Ready    master   82m   v1.19.0
    ip-10-0-179-95.ec2.internal    Ready    worker   70m   v1.19.0
    ip-10-0-182-134.ec2.internal   Ready    worker   70m   v1.19.0
    ip-10-0-211-16.ec2.internal    Ready    master   82m   v1.19.0
    ip-10-0-250-100.ec2.internal   Ready    worker   69m   v1.19.0

6.4. CLI を使用した更新サーバーの変更

更新サーバーの変更は任意です。OpenShift Update Service (OSUS) がローカルにインストールされ、設定されている場合は、更新時にローカルサーバーを使用できるようにサーバーの URL を upstream として設定する必要があります。upstream のデフォルト値は https://api.openshift.com/api/upgrades_info/v1/graph です。

手順

  • クラスターバージョンで upstream パラメーター値を変更します。

    $ oc patch clusterversion/version --patch '{"spec":{"upstream":"<update-server-url>"}}' --type=merge

    <update-server-url> 変数は、更新サーバーの URL を指定します。

    出力例

    clusterversion.config.openshift.io/version patched

第7章 RHEL コンピュートマシンを含むクラスターの更新

OpenShift Container Platform クラスターの更新またはアップグレードを実行できます。クラスターに Red Hat Enterprise Linux (RHEL) マシンが含まれる場合は、それらのマシンを更新するために追加の手順を実行する必要があります。

7.1. 前提条件

7.2. Web コンソールを使用したクラスターの更新

更新が利用可能な場合、Web コンソールからクラスターを更新できます。

利用可能な OpenShift Container Platform アドバイザリーおよび更新については、カスタマーポータルの エラータ のセクションを参照してください。

前提条件

  • admin 権限を持つユーザーとして Web コンソールにアクセスできること。

手順

  1. Web コンソールから、AdministrationCluster Settings をクリックし、Details タブの内容を確認します。
  2. 本番クラスターの場合は、チャネル が、stable-4.6 など、更新するバージョンの正しいチャネルに設定されていることを確認します。

    重要

    実稼働クラスターの場合、stable-* または fast-* チャネルにサブスクライブする必要があります。

    • Update StatusUpdates Available ではない場合、クラスターを更新することはできません。
    • Select Channel は、クラスターが実行されているか、または更新されるクラスターのバージョンを示します。
  3. 更新するバージョンを選択し、Save をクリックします。

    入力チャネルの Update StatusUpdate to <product-version> in progress 切り替わり、Operator およびノードの進捗バーを監視して、クラスター更新の進捗を確認できます。

    注記

    バージョン 4.y から 4.(y+1) などの次のマイナーバージョンにクラスターを更新する場合、新たな機能に依存するワークロードをデプロイする前にノードがアップグレードされていることを確認することが推奨されます。更新されていないワーカーノードを持つプールは Cluster Settings ページに表示されます。

  4. 更新が完了し、Cluster Version Operator が利用可能な更新を更新したら、追加の更新が現在のチャネルで利用可能かどうかを確認します。

    • 更新が利用可能な場合は、更新ができなくなるまで、現在のチャネルでの更新を継続します。
    • 利用可能な更新がない場合は、Channel を次のマイナーバージョンの stable-* または fast-* チャネルに切り替え、そのチャネルで必要なバージョンに更新します。

    必要なバージョンに達するまで、いくつかの中間更新を実行する必要がある場合があります。

    注記

    Red Hat Enterprise Linux (RHEL) ワーカーマシンを含むクラスターを更新する場合、それらのワーカーは、更新プロセス時に一時的に使用できなくなります。クラスターの更新の終了において各 RHEL マシンがのステートが NotReady になる際に、更新 Playbook を各 RHEL マシンに対して実行する必要があります。

7.3. オプション: RHEL マシンで Ansible タスクを実行するためのフックの追加

OpenShift Container Platform の更新時に フック を使用し、RHEL コンピュートマシンで Ansible タスクを実行できます。

7.3.1. アップグレード用の Ansible Hook について

OpenShift Container Platform の更新時に フック を使用し、特定操作の実行中に Red Hat Enterprise Linux (RHEL) ノードでカスタムタスクを実行できます。フックを使用して、特定の更新タスクの前後に実行するタスクを定義するファイルを指定できます。OpenShift Container Platform クラスターで RHEL コンピュートノードを更新する際に、フックを使用してカスタムインフラストラクチャーを検証したり、変更したりすることができます。

フックが失敗すると操作も失敗するため、フックはべき等性があるか、または複数回実行でき、同じ結果を出せるように設計する必要があります。

フックには以下のような重要な制限があります。まず、フックには定義された、 またはバージョン付けされたインターフェイスがありません。フックは内部の openshift-ansible 変数を使用できますが、これらの変数は今後の OpenShift Container Platform のリリースで変更されるか、または削除される予定です。次に、フックにはエラー処理機能がないため、フックにエラーが生じると更新プロセスが中止されます。エラーの発生時には、まず問題に対応してからアップグレードを再び開始する必要があります。

7.3.2. Ansible インベントリーファイルでのフックを使用する設定

Red Hat Enterprise Linux (RHEL) コンピュートマシン (ワーカーマシンとしても知られている) の更新時に使用するフックを、all:vars セクションの下にある hosts インベントリーファイルで定義します。

前提条件

  • RHEL コンピュートマシンクラスターの追加に使用したマシンへのアクセスがあること。RHEL マシンを定義する hosts Ansible インベントリーファイルにアクセスできる必要があります。

手順

  1. フックの設計後に、フック用に Ansible タスクを定義する YAML ファイルを作成します。このファイルは、以下に示すように一連のタスクで設定される必要があり、Playbook にすることはできません。

    ---
    # Trivial example forcing an operator to acknowledge the start of an upgrade
    # file=/home/user/openshift-ansible/hooks/pre_compute.yml
    
    - name: note the start of a compute machine update
      debug:
          msg: "Compute machine upgrade of {{ inventory_hostname }} is about to start"
    
    - name: require the user agree to start an upgrade
      pause:
          prompt: "Press Enter to start the compute machine update"
  2. hosts Ansible インベントリーファイルを変更してフックファイルを指定します。フックファイルは、以下に示すように [all:vars] セクションのパラメーター値として指定されます。

    インベントリーファイルのフック定義の例

    [all:vars]
    openshift_node_pre_upgrade_hook=/home/user/openshift-ansible/hooks/pre_node.yml
    openshift_node_post_upgrade_hook=/home/user/openshift-ansible/hooks/post_node.yml

    フックへのパスでの曖昧さを避けるために、それらの定義では相対パスの代わりに絶対パスを使用します。

7.3.3. RHEL コンピュートマシンで利用できるフック

Red Hat Enterprise Linux (RHEL) コンピュートマシンを OpenShift Container Platform クラスターで更新する際に、以下のフックを使用できます。

フック名説明

openshift_node_pre_cordon_hook

  • 各ノードの遮断 (cordon) に実行されます。
  • このフックは 各ノード に対して連続して実行されます。
  • タスクが異なるホストに対して実行される必要がある場合、そのタスクは delegate_to または local_action を使用する必要があります。

openshift_node_pre_upgrade_hook

  • 各ノードの遮断 (cordon) 、更新 に実行されます。
  • このフックは 各ノード に対して連続して実行されます。
  • タスクが異なるホストに対して実行される必要がある場合、そのタスクは delegate_to または local_action を使用する必要があります。

openshift_node_pre_uncordon_hook

  • 各ノードの更新 、遮断の解除 (uncordon) 前に 実行されます。
  • このフックは 各ノード に対して連続して実行されます。
  • タスクが異なるホストに対して実行される必要がある場合、そのタスクは delegate_to または local_action を使用する必要があります。

openshift_node_post_upgrade_hook

  • 各ノードの遮断の解除 (uncordon) に実行されます。これは、最後の ノード更新アクションになります。
  • このフックは 各ノード に対して連続して実行されます。
  • タスクが異なるホストに対して実行される必要がある場合、そのタスクは delegate_to または local_action を使用する必要があります。

7.4. クラスター内の RHEL コンピュートマシンの更新

クラスターの更新後は、クラスター内の Red Hat Enterprise Linux (RHEL) コンピュートマシンを更新する必要があります。

重要

ワーカー (コンピュート) マシン用にサポートされているのは Red Hat Enterprise Linux (RHEL) バージョン 7.9 以降であるため、RHEL ワーカーマシンをバージョン 8 にアップグレードすることはできません。

RHEL をオペレーティングシステムとして使用する場合は、コンピュートマシンを別の OpenShift Container Platform のマイナーバージョンに更新することもできます。マイナーバージョンの更新の実行時に、RHEL から RPM パッケージを除外する必要はありません。

前提条件

  • クラスターが更新されていること。

    重要

    RHEL マシンには、更新プロセスを完了するためにクラスターで生成されるアセットが必要になるため、クラスターを更新してから、クラスター内の RHEL ワーカーマシンを更新する必要があります。

  • RHEL コンピュートマシンクラスターの追加に使用したマシンへのローカルアクセスがあること。RHEL マシンを定義する hosts Ansible インベントリーファイルおよび upgrade Playbook にアクセスできる必要があります。
  • マイナーバージョンへの更新の場合、RPM リポジトリーはクラスターで実行しているのと同じバージョンの OpenShift Container Platform を使用します。

手順

  1. ホストで firewalld を停止し、無効にします。

    # systemctl disable --now firewalld.service
    注記

    デフォルトでは、最小インストールオプションを持つベース OS RHEL により、firewalld スパッドが有効になります。ホストで firewalld サービスを有効にすると、ワーカーで OpenShift Container Platform ログにアクセスできなくなります。ワーカーの OpenShift Container Platform ログへのアクセスを継続する場合は、firewalld を後で有効にしないでください。

  2. OpenShift Container Platform 4.6 で必要なリポジトリーを有効にします。

    1. Ansible Playbook を実行するマシンで、必要なリポジトリーを更新します。

      # subscription-manager repos --disable=rhel-7-server-ose-4.5-rpms \
                                   --enable=rhel-7-server-ansible-2.9-rpms \
                                   --enable=rhel-7-server-ose-4.6-rpms
    2. Ansible Playbook を実行するマシンで、openshift-ansible を含む必要なパッケージを更新します。

      # yum update openshift-ansible openshift-clients
    3. 各 RHEL コンピュートノードで、必要なリポジトリーを更新します。

      # subscription-manager repos --disable=rhel-7-server-ose-4.5-rpms \
                                   --enable=rhel-7-server-ose-4.6-rpms  \
                                   --enable=rhel-7-fast-datapath-rpms   \
                                   --enable=rhel-7-server-optional-rpms
  3. RHEL ワーカーマシンを更新します。

    1. 現在のノードステータスを確認し、更新する RHEL ワーカーを判別します。

      # oc get node

      出力例

      NAME                        STATUS                        ROLES    AGE    VERSION
      mycluster-control-plane-0   Ready                         master   145m   v1.19.0
      mycluster-control-plane-1   Ready                         master   145m   v1.19.0
      mycluster-control-plane-2   Ready                         master   145m   v1.19.0
      mycluster-rhel7-0           NotReady,SchedulingDisabled   worker   98m    v1.14.6+97c81d00e
      mycluster-rhel7-1           Ready                         worker   98m    v1.14.6+97c81d00e
      mycluster-rhel7-2           Ready                         worker   98m    v1.14.6+97c81d00e
      mycluster-rhel7-3           Ready                         worker   98m    v1.14.6+97c81d00e

      ステータスが NotReady,SchedulingDisabled のマシンに留意してください。

    2. /<path>/inventory/hosts で Ansible インベントリーファイルを確認し、以下の例に示されるように、ステータスが NotReady,SchedulingDisabled のマシンのみが [workers] セクションに一覧表示されるようにそのコンテンツを更新します。

      [all:vars]
      ansible_user=root
      #ansible_become=True
      
      openshift_kubeconfig_path="~/.kube/config"
      
      [workers]
      mycluster-rhel7-0.example.com
    3. openshift-ansible ディレクトリーに移動します。

      $ cd /usr/share/ansible/openshift-ansible
    4. upgrade Playbook を実行します。

      $ ansible-playbook -i /<path>/inventory/hosts playbooks/upgrade.yml 1
      1
      <path> については、作成した Ansible インベントリーファイルへのパスを指定します。
      注記

      upgrade Playbook は OpenShift Container Platform パッケージのみをアップグレードします。オペレーティングシステムパッケージは更新されません。

  4. 直前の手順で実行したプロセスに従って、クラスター内の各 RHEL ワーカーマシンを更新します。
  5. すべてのワーカーを更新したら、すべてのクラスターノードが新規バージョンに更新されていることを確認します。

    # oc get node

    出力例

    NAME                        STATUS                        ROLES    AGE    VERSION
    mycluster-control-plane-0   Ready                         master   145m   v1.19.0
    mycluster-control-plane-1   Ready                         master   145m   v1.19.0
    mycluster-control-plane-2   Ready                         master   145m   v1.19.0
    mycluster-rhel7-0           NotReady,SchedulingDisabled   worker   98m    v1.19.0
    mycluster-rhel7-1           Ready                         worker   98m    v1.19.0
    mycluster-rhel7-2           Ready                         worker   98m    v1.19.0
    mycluster-rhel7-3           Ready                         worker   98m    v1.19.0

  6. オプション: upgrade Playbook で更新されていないオペレーティングシステムパッケージを更新します。4.6 にないパッケージを更新するには、以下のコマンドを使用します。

    # yum update
    注記

    4.6 のインストール時に使用したものと同じ RPM リポジトリーを使用している場合は、RPM パッケージを除外する必要はありません。

第8章 ネットワークが制限された環境でのクラスターの更新

oc コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用してネットワークが制限された OpenShift Container Platform クラスターを更新できます。

ネットワークが制限された環境とは、クラスターノードがインターネットにアクセスできない環境のことです。このため、レジストリーにはインストールイメージを設定する必要があります。レジストリーホストがインターネットとクラスターの両方にアクセスできない場合、その環境から切断されたファイルシステムにイメージをミラーリングし、そのホストまたはリムーバブルメディアを非接続環境に置きます。ローカルコンテナーレジストリーとクラスターがミラーレジストリーのホストに接続されている場合、リリースイメージをローカルレジストリーに直接プッシュできます。

複数のクラスターがネットワークが制限されたネットワークに存在する場合、必要なリリースイメージを単一のコンテナーイメージレジストリーにミラーリングし、そのレジストリーを使用してすべてのクラスターを更新します。

8.1. 前提条件

  • 必要なコンテナーイメージを取得するためのインターネットへのアクセスがあること。
  • イメージをプッシュおよびプルするために、ネットワークが制限された環境でコンテナーレジストリーへの書き込みアクセスがあること。コンテナーレジストリーは Docker レジストリー API v2 と互換性がある必要があります。
  • oc コマンドツールインターフェイス (CLI) ツールがインストールされていること。
  • admin 権限を持つユーザーとしてクラスターにアクセスできること。RBAC の使用によるパーミッションの定義および適用 を参照してください。
  • 更新が失敗し、クラスターを直前の状態に復元する 必要がある場合に最新の etcd バックアップ があること。
  • すべてのマシン設定プール (MCP) が実行中であり、一時停止していないことを確認します。一時停止した MCP に関連付けられたノードは、更新プロセス中にスキップされます。
  • クラスターで手動で保守される認証情報を使用する場合は、Cloud Credential Operator (CCO) がアップグレード可能な状態であることを確認します。AWSAzure、または GCP手動で保守される認証情報を使用したクラスターのアップグレードを参照してください。

8.2. ミラーホストの準備

ミラー手順を実行する前に、ホストを準備して、コンテンツを取得し、リモートの場所にプッシュできるようにする必要があります。

8.2.1. バイナリーのダウンロードによる OpenShift CLI のインストール

コマンドラインインターフェイスを使用して OpenShift Container Platform と対話するために CLI (oc) をインストールすることができます。oc は Linux、Windows、または macOS にインストールできます。

重要

以前のバージョンの oc をインストールしている場合、これを使用して OpenShift Container Platform 4.6 のすべてのコマンドを実行することはできません。新規バージョンの oc をダウンロードし、インストールします。ネットワークが制限された環境でクラスターをアップグレードする場合は、アップグレードする予定の oc バージョンをインストールします。

8.2.1.1. Linux への OpenShift CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを Linux にインストールできます。

手順

  1. Red Hat カスタマーポータルの OpenShift Container Platform ダウンロードページ に移動します。
  2. Version ドロップダウンメニューで適切なバージョンを選択します。
  3. OpenShift v4.6 Linux Client エントリーの横にある Download Now をクリックして、ファイルを保存します。
  4. アーカイブを展開します。

    $ tar xvzf <file>
  5. oc バイナリーを、PATH にあるディレクトリーに配置します。

    PATH を確認するには、以下のコマンドを実行します。

    $ echo $PATH

OpenShift CLI のインストール後に、oc コマンドを使用して利用できます。

$ oc <command>

8.2.1.2. Windows への OpenShift CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを Windows にインストールできます。

手順

  1. Red Hat カスタマーポータルの OpenShift Container Platform ダウンロードページ に移動します。
  2. Version ドロップダウンメニューで適切なバージョンを選択します。
  3. OpenShift v4.6 Windows Client エントリーの横にある Download Now をクリックして、ファイルを保存します。
  4. ZIP プログラムでアーカイブを解凍します。
  5. oc バイナリーを、PATH にあるディレクトリーに移動します。

    PATH を確認するには、コマンドプロンプトを開いて以下のコマンドを実行します。

    C:\> path

OpenShift CLI のインストール後に、oc コマンドを使用して利用できます。

C:\> oc <command>

8.2.1.3. macOC への OpenShift CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを macOS にインストールできます。

手順

  1. Red Hat カスタマーポータルの OpenShift Container Platform ダウンロードページ に移動します。
  2. Version ドロップダウンメニューで適切なバージョンを選択します。
  3. OpenShift v4.6 MacOSX Client エントリーの横にある Download Now をクリックして、ファイルを保存します。
  4. アーカイブを展開し、解凍します。
  5. oc バイナリーをパスにあるディレクトリーに移動します。

    PATH を確認するには、ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。

    $ echo $PATH

OpenShift CLI のインストール後に、oc コマンドを使用して利用できます。

$ oc <command>

8.3. イメージのミラーリングを可能にする認証情報の設定

Red Hat からミラーへのイメージのミラーリングを可能にするコンテナーイメージレジストリーの認証情報ファイルを作成します。

警告

クラスターのインストール時に、このイメージレジストリー認証情報ファイルをプルシークレットとして使用しないでください。クラスターのインストール時にこのファイルを指定すると、クラスター内のすべてのマシンにミラーレジストリーへの書き込みアクセスが付与されます。

警告

このプロセスでは、ミラーレジストリーのコンテナーイメージレジストリーへの書き込みアクセスがあり、認証情報をレジストリープルシークレットに追加する必要があります。

前提条件

  • ネットワークが制限された環境で使用するミラーレジストリーを設定していること。
  • イメージをミラーリングするミラーレジストリー上のイメージリポジトリーの場所を特定している。
  • イメージのイメージリポジトリーへのアップロードを許可するミラーレジストリーアカウントをプロビジョニングしている。

手順

インストールホストで以下の手順を実行します。

  1. registry.redhat.io プルシークレットを Red Hat OpenShift Cluster Manager からダウンロードし、.json ファイルに保存します。
  2. ミラーレジストリーの base64 でエンコードされたユーザー名およびパスワードまたはトークンを生成します。

    $ echo -n '<user_name>:<password>' | base64 -w0 1
    BGVtbYk3ZHAtqXs=
    1
    <user_name> および <password> については、レジストリーに設定したユーザー名およびパスワードを指定します。
  3. JSON 形式でプルシークレットのコピーを作成します。

    $ cat ./pull-secret.text | jq .  > <path>/<pull_secret_file_in_json>1
    1
    プルシークレットを保存するフォルダーへのパスおよび作成する JSON ファイルの名前を指定します。

    ファイルの内容は以下の例のようになります。

    {
      "auths": {
        "cloud.openshift.com": {
          "auth": "b3BlbnNo...",
          "email": "you@example.com"
        },
        "quay.io": {
          "auth": "b3BlbnNo...",
          "email": "you@example.com"
        },
        "registry.connect.redhat.com": {
          "auth": "NTE3Njg5Nj...",
          "email": "you@example.com"
        },
        "registry.redhat.io": {
          "auth": "NTE3Njg5Nj...",
          "email": "you@example.com"
        }
      }
    }
  4. 新規ファイルを編集し、レジストリーについて記述するセクションをこれに追加します。

      "auths": {
        "<mirror_registry>": { 1
          "auth": "<credentials>", 2
          "email": "you@example.com"
      },
    1
    <mirror_registry> については、レジストリードメイン名と、ミラーレジストリーがコンテンツを提供するために使用するポートをオプションで指定します。例: registry.example.com または registry.example.com:8443
    2
    <credentials> については、ミラーレジストリーの base64 でエンコードされたユーザー名およびパスワードを指定します。

    ファイルは以下の例のようになります。

    {
      "auths": {
        "registry.example.com": {
          "auth": "BGVtbYk3ZHAtqXs=",
          "email": "you@example.com"
        },
        "cloud.openshift.com": {
          "auth": "b3BlbnNo...",
          "email": "you@example.com"
        },
        "quay.io": {
          "auth": "b3BlbnNo...",
          "email": "you@example.com"
        },
        "registry.connect.redhat.com": {
          "auth": "NTE3Njg5Nj...",
          "email": "you@example.com"
        },
        "registry.redhat.io": {
          "auth": "NTE3Njg5Nj...",
          "email": "you@example.com"
        }
      }
    }

8.4. OpenShift Container Platform イメージリポジトリーのミラーリング

ネットワークが制限された環境でプロビジョニングするインフラストラクチャーのクラスターを更新する前に、必要なコンテナーイメージをその環境にミラーリングする必要があります。この手順を無制限のネットワークで使用して、クラスターが外部コンテンツにちて組織の制御の条件を満たすコンテナーイメージのみを使用するようにすることもできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Container Platform Upgrade Graph visualizer および update planner を使用して、あるバージョンから別のバージョンへの更新を計画します。OpenShift Upgrade Graph はチャネルのグラフと、現行バージョンと意図されるクラスターのバージョン間に更新パスがあることを確認する方法を提供します。
  2. 必要な環境変数を設定します。

    1. リリースバージョンをエクスポートします。

      $ export OCP_RELEASE=<release_version>

      <release_version> について、更新する OpenShift Container Platform のバージョンに対応するタグを指定します (例: 4.5.4)。

    2. ローカルレジストリー名とホストポートをエクスポートします。

      $ LOCAL_REGISTRY='<local_registry_host_name>:<local_registry_host_port>'

      <local_registry_host_name> については、ミラーレジストリーのレジストリードメイン名を指定し、<local_registry_host_port> については、コンテンツの送信に使用するポートを指定します。

    3. ローカルリポジトリー名をエクスポートします。

      $ LOCAL_REPOSITORY='<local_repository_name>'

      <local_repository_name> については、ocp4/openshift4 などのレジストリーに作成するリポジトリーの名前を指定します。

    4. ミラーリングするリポジトリーの名前をエクスポートします。

      $ PRODUCT_REPO='openshift-release-dev'

      実稼働環境のリリースの場合には、openshift-release-dev を指定する必要があります。

    5. パスをレジストリープルシークレットにエクスポートします。

      $ LOCAL_SECRET_JSON='<path_to_pull_secret>'

      <path_to_pull_secret> については、作成したミラーレジストリーのプルシークレットの絶対パスおよびファイル名を指定します。

      注記

      クラスターが ImageContentSourcePolicy オブジェクトを使用してリポジトリーのミラーリングを設定する場合、ミラーリングされたレジストリーにグローバルプルシークレットのみを使用できます。プロジェクトにプルシークレットを追加することはできません。

    6. リリースミラーをエクスポートします。

      $ RELEASE_NAME="ocp-release"

      実稼働環境のリリースについては、ocp-release を指定する必要があります。

    7. サーバーのアーキテクチャーのタイプをエクスポートします (例: x86_64)。

      $ ARCHITECTURE=<server_architecture>
    8. ミラーリングされたイメージをホストするためにディレクトリーへのパスをエクスポートします。

      $ REMOVABLE_MEDIA_PATH=<path> 1
      1
      最初のスラッシュ (/) 文字を含む完全パスを指定します。
  3. ミラーリングするイメージおよび設定マニフェストを確認します。

    $ oc adm release mirror -a ${LOCAL_SECRET_JSON} --to-dir=${REMOVABLE_MEDIA_PATH}/mirror quay.io/${PRODUCT_REPO}/${RELEASE_NAME}:${OCP_RELEASE}-${ARCHITECTURE} --dry-run
  4. バージョンイメージをミラーレジストリーにミラーリングします。

    • ミラーホストがインターネットにアクセスできない場合は、以下の操作を実行します。

      1. リムーバブルメディアをインターネットに接続しているシステムに接続します。
      2. イメージおよび設定マニフェストをリムーバブルメディア上のディレクトリーにミラーリングします。

        $ oc adm release mirror -a ${LOCAL_SECRET_JSON} --to-dir=${REMOVABLE_MEDIA_PATH}/mirror quay.io/${PRODUCT_REPO}/${RELEASE_NAME}:${OCP_RELEASE}-${ARCHITECTURE}
      3. メディアをネットワークが制限された環境に移し、イメージをローカルコンテナーレジストリーにアップロードします。

        $ oc image mirror  -a ${LOCAL_SECRET_JSON} --from-dir=${REMOVABLE_MEDIA_PATH}/mirror "file://openshift/release:${OCP_RELEASE}*" ${LOCAL_REGISTRY}/${LOCAL_REPOSITORY} 1
        1
        REMOVABLE_MEDIA_PATH の場合、イメージのミラーリング時に指定した同じパスを使用する必要があります。
      4. oc コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、アップグレードしているクラスターにログインします。
      5. ミラーリングされたリリースイメージ署名設定マップを接続されたクラスターに適用します。

        $ oc apply -f ${REMOVABLE_MEDIA_PATH}/mirror/config/<image_signature_file> 1
        1
        <image_signature_file> について、ファイルのパスおよび名前を指定します (例: signature-sha256-81154f5c03294534.yaml)。
    • ローカルコンテナーレジストリーとクラスターがミラーホストに接続されている場合、リリースイメージをローカルレジストリーに直接プッシュし、以下のコマンドを使用して設定マップをクラスターに適用します。

      $ oc adm release mirror -a ${LOCAL_SECRET_JSON} --from=quay.io/${PRODUCT_REPO}/${RELEASE_NAME}:${OCP_RELEASE}-${ARCHITECTURE} \
        --to=${LOCAL_REGISTRY}/${LOCAL_REPOSITORY} --apply-release-image-signature
      注記

      --apply-release-image-signature オプションが含まれる場合は、イメージ署名の検証用に設定マップを作成しません。

8.5. イメージ署名設定マップの作成

クラスターを更新する前に、使用するリリースイメージの署名が含まれる設定マップを手動で作成する必要があります。この署名により、Cluster Version Operator (CVO) では、予想されるイメージと実際のイメージの署名を比較することでリリースイメージが変更されていないことを確認できます。

バージョン 4.4.8 以降からアップグレードする場合は、oc CLI を使用して設定マップを作成できます。以前のバージョンからアップグレードする場合は、手動の方法を使用する必要があります。

8.5.1. イメージ署名設定マップの手動での作成

イメージ署名設定マップを作成し、更新するクラスターに適用します。

注記

クラスターを更新するたびに以下の手順を実行する必要があります。

手順

  1. OpenShift Container Platform 更新パス についてのナレッジベースの記事を参照し、クラスターの有効なパスを判別します。
  2. バージョンを OCP_RELEASE_NUMBER 環境変数に追加します。

    $ OCP_RELEASE_NUMBER=<release_version> 1
    1
    <release_version> について、クラスターを更新する OpenShift Container Platform のバージョンに対応するタグを指定します (例: 4.4.0)。
  3. クラスターのシステムアーキテクチャーを ARCHITECTURE 環境変数に追加します。

    $ ARCHITECTURE=<server_architecture> 1
    1
    server_architecture について、サーバーのアーキテクチャー (例: x86_64) を指定します。
  4. Quay からリリースイメージダイジェストを取得します。

    $ DIGEST="$(oc adm release info quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:${OCP_RELEASE_NUMBER}-${ARCHITECTURE} | sed -n 's/Pull From: .*@//p')"
  5. ダイジェストアルゴリズムを設定します。

    $ DIGEST_ALGO="${DIGEST%%:*}"
  6. ダイジェスト署名を設定します。

    $ DIGEST_ENCODED="${DIGEST#*:}"
  7. イメージ署名を mirror.openshift.com Web サイトから取得します。

    $ SIGNATURE_BASE64=$(curl -s "https://mirror.openshift.com/pub/openshift-v4/signatures/openshift/release/${DIGEST_ALGO}=${DIGEST_ENCODED}/signature-1" | base64 -w0 && echo)
  8. 設定マップを作成します。

    $ cat >checksum-${OCP_RELEASE_NUMBER}.yaml <<EOF
    apiVersion: v1
    kind: ConfigMap
    metadata:
      name: release-image-${OCP_RELEASE_NUMBER}
      namespace: openshift-config-managed
      labels:
        release.openshift.io/verification-signatures: ""
    binaryData:
      ${DIGEST_ALGO}-${DIGEST_ENCODED}: ${SIGNATURE_BASE64}
    EOF
  9. 設定マップをクラスターに適用し、更新します。

    $ oc apply -f checksum-${OCP_RELEASE_NUMBER}.yaml

8.6. ネットワークが制限された環境のクラスターのアップグレード

ネットワークが制限された環境のクラスターを、ダウンロードしたリリースイメージの OpenShift Container Platform バージョンに更新します。

注記

ローカルの OpenShift Update Service がある場合は、この手順ではなく、接続された Web コンソールまたは CLI の手順を使用して更新できます。

前提条件

  • 新規リリースのイメージをレジストリーに対してミラーリングしている。
  • 新規リリースのリリースイメージ署名 ConfigMap をクラスターに適用している。
  • イメージ署名 ConfigMap からリリースの sha256 合計値を取得している。
  • OpenShift CLI (oc)、バージョン 4.4.8 以降をインストールします。

手順

  • クラスターを更新します。

    $ oc adm upgrade --allow-explicit-upgrade --to-image ${LOCAL_REGISTRY}/${LOCAL_REPOSITORY}<sha256_sum_value> 1
    1
    <sha256_sum_value> 値は、イメージ署名 ConfigMap からのリリースの sha256 合計値です (例: @sha256:81154f5c03294534e1eaf0319bef7a601134f891689ccede5d705ef659aa8c92)。

    ミラーレジストリーに ImageContentSourcePolicy を使用する場合、LOCAL_REGISTRY の代わりに正規レジストリー名を使用できます。

    注記

    ImageContentSourcePolicy オブジェクトを持つクラスターのグローバルプルシークレットのみを設定できます。プロジェクトにプルシークレットを追加することはできません。

8.7. イメージレジストリーのリポジトリーミラーリングの設定

コンテナーレジストリーのリポジトリーミラーリングの設定により、以下が可能になります。

  • ソースイメージのレジストリーのリポジトリーからイメージをプルする要求をリダイレクトするように OpenShift Container Platform クラスターを設定し、これをミラーリングされたイメージレジストリーのリポジトリーで解決できるようにします。
  • 各ターゲットリポジトリーに対して複数のミラーリングされたリポジトリーを特定し、1 つのミラーがダウンした場合に別のミラーを使用できるようにします。

以下は、OpenShift Container Platform のリポジトリーミラーリングの属性の一部です。

  • イメージプルには、レジストリーのダウンタイムに対する回復性があります。
  • ネットワークが制限された環境のクラスターは、重要な場所 (quay.io など) からイメージをプルでき、会社のファイアウォールの背後にあるレジストリーが要求されたイメージを提供するようにできます。
  • イメージのプル要求時にレジストリーへの接続が特定の順序で試行され、通常は永続レジストリーが最後に試行されます。
  • 入力したミラー情報は、OpenShift Container Platform クラスターの全ノードの /etc/containers/registries.conf ファイルに追加されます。
  • ノードがソースリポジトリーからイメージの要求を行うと、要求されたコンテンツを見つけるまで、ミラーリングされた各リポジトリーに対する接続を順番に試行します。すべてのミラーで障害が発生した場合、クラスターはソースリポジトリーに対して試行します。成功すると、イメージはノードにプルされます。

リポジトリーミラーリングのセットアップは次の方法で実行できます。

  • OpenShift Container Platform のインストール時:

    OpenShift Container Platform が必要とするコンテナーイメージをプルし、それらのイメージを会社のファイアウォールの内側に配置すると、制限されたネットワーク内にあるデータセンターに OpenShift Container Platform をインストールできます。

  • OpenShift Container Platform の新規インストール後:

    OpenShift Container Platform インストール時にミラーリングを設定しなくても、ImageContentSourcePolicy オブジェクトを使用して後で設定することができます。

以下の手順では、インストール後のミラーを設定し、以下を識別する ImageContentSourcePolicy オブジェクトを作成します。

  • ミラーリングするコンテナーイメージリポジトリーのソース
  • ソースリポジトリーから要求されたコンテンツを提供する各ミラーリポジトリーの個別のエントリー。
注記

ImageContentSourcePolicy オブジェクトを持つクラスターのグローバルプルシークレットのみを設定できます。プロジェクトにプルシークレットを追加することはできません。

前提条件

  • cluster-admin ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。

手順

  1. ミラーリングされたリポジトリーを設定します。以下のいずれかを実行します。

    • Repository Mirroring in Red Hat Quay で説明されているように、Red Hat Quay でミラーリングされたリポジトリーを設定します。Red Hat Quay を使用すると、あるリポジトリーから別のリポジトリーにイメージをコピーでき、これらのリポジトリーを一定期間繰り返し自動的に同期することもできます。
    • skopeo などのツールを使用して、ソースディレクトリーからミラーリングされたリポジトリーにイメージを手動でコピーします。

      たとえば、Red Hat Enterprise Linux (RHEL 7 または RHEL 8) システムに skopeo RPM パッケージをインストールした後、以下の例に示すように skopeo コマンドを使用します。

      $ skopeo copy \
      docker://registry.access.redhat.com/ubi8/ubi-minimal@sha256:5cfbaf45ca96806917830c183e9f37df2e913b187adb32e89fd83fa455ebaa6 \
      docker://example.io/example/ubi-minimal

      この例では、example.io いう名前のコンテナーイメージレジストリーと example という名前のイメージリポジトリーがあり、そこに registry.access.redhat.com から ubi8/ubi-minimal イメージをコピーします。レジストリーを作成した後、OpenShift Container Platform クラスターを設定して、ソースリポジトリーで作成される要求をミラーリングされたリポジトリーにリダイレクトできます。

  2. OpenShift Container Platform クラスターにログインします。
  3. ImageContentSourcePolicy ファイル (例: registryrepomirror.yaml) を作成し、ソースとミラーを固有のレジストリー、およびリポジトリーのペアとイメージのものに置き換えます。

    apiVersion: operator.openshift.io/v1alpha1
    kind: ImageContentSourcePolicy
    metadata:
      name: ubi8repo
    spec:
      repositoryDigestMirrors:
      - mirrors:
        - example.io/example/ubi-minimal 1
        source: registry.access.redhat.com/ubi8/ubi-minimal 2
      - mirrors:
        - example.com/example/ubi-minimal
        source: registry.access.redhat.com/ubi8/ubi-minimal
      - mirrors:
        - mirror.example.com/redhat
        source: registry.redhat.io/openshift4 3
    1
    イメージレジストリーおよびリポジトリーの名前を示します。
    2
    ミラーリングされているコンテンツが含まれるレジストリーおよびリポジトリーを示します。
    3
    レジストリー内の namespace を、その namespace の任意のイメージを使用するように設定できます。レジストリードメインをソースとして使用する場合、ImageContentSourcePolicy リソースはレジストリーからすべてのリポジトリーに適用されます。
  4. 新しい ImageContentSourcePolicy オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f registryrepomirror.yaml

    ImageContentSourcePolicy オブジェクトが作成されると、新しい設定が各ノードにデプロイされ、クラスターはソースリポジトリーへの要求のためにミラーリングされたリポジトリーの使用を開始します。

  5. ミラーリングされた設定が適用されていることを確認するには、ノードのいずれかで以下を実行します。

    1. ノードの一覧を表示します。

      $ oc get node

      出力例

      NAME                           STATUS                     ROLES    AGE  VERSION
      ip-10-0-137-44.ec2.internal    Ready                      worker   7m   v1.19.0
      ip-10-0-138-148.ec2.internal   Ready                      master   11m  v1.19.0
      ip-10-0-139-122.ec2.internal   Ready                      master   11m  v1.19.0
      ip-10-0-147-35.ec2.internal    Ready,SchedulingDisabled   worker   7m   v1.19.0
      ip-10-0-153-12.ec2.internal    Ready                      worker   7m   v1.19.0
      ip-10-0-154-10.ec2.internal    Ready                      master   11m  v1.19.0

      変更が適用されているため、各ワーカーノードのスケジューリングが無効にされていることを確認できます。

    2. デバッグプロセスを開始し、ノードにアクセスします。

      $ oc debug node/ip-10-0-147-35.ec2.internal

      出力例

      Starting pod/ip-10-0-147-35ec2internal-debug ...
      To use host binaries, run `chroot /host`

    3. ノードのファイルにアクセスします。

      sh-4.2# chroot /host
    4. /etc/containers/registries.conf ファイルをチェックして、変更が行われたことを確認します。

      sh-4.2# cat /etc/containers/registries.conf

      出力例

      unqualified-search-registries = ["registry.access.redhat.com", "docker.io"]
      [[registry]]
        location = "registry.access.redhat.com/ubi8/"
        insecure = false
        blocked = false
        mirror-by-digest-only = true
        prefix = ""
      
        [[registry.mirror]]
          location = "example.io/example/ubi8-minimal"
          insecure = false
      
        [[registry.mirror]]
          location = "example.com/example/ubi8-minimal"
          insecure = false

    5. ソースからノードにイメージダイジェストをプルし、ミラーによって解決されているかどうかを確認します。ImageContentSourcePolicy オブジェクトはイメージダイジェストのみをサポートし、イメージタグはサポートしません。

      sh-4.2# podman pull --log-level=debug registry.access.redhat.com/ubi8/ubi-minimal@sha256:5cfbaf45ca96806917830c183e9f37df2e913b187adb32e89fd83fa455ebaa6

リポジトリーのミラーリングのトラブルシューティング

リポジトリーのミラーリング手順が説明どおりに機能しない場合は、リポジトリーミラーリングの動作方法についての以下の情報を使用して、問題のトラブルシューティングを行うことができます。

  • 最初に機能するミラーは、プルされるイメージを指定するために使用されます。
  • メインレジストリーは、他のミラーが機能していない場合にのみ使用されます。
  • システムコンテキストによって、Insecure フラグがフォールバックとして使用されます。
  • /etc/containers/registries.conf ファイルの形式が最近変更されました。現在のバージョンはバージョン 2 で、TOML 形式です。

8.8. クラスターノードの再起動の頻度を減らすために、ミラーイメージカタログの範囲を拡大

リポジトリーレベルまたはより幅広いレジストリーレベルでミラーリングされたイメージカタログのスコープを設定できます。幅広いスコープの ImageContentSourcePolicy リソースにより、リソースの変更に対応するためにノードが再起動する必要のある回数が減ります。

ImageContentSourcePolicy リソースのミラーイメージカタログの範囲を拡大するには、以下の手順を実行します。

前提条件

  • OpenShift Container Platform CLI (oc) をインストールしている。
  • cluster-admin 権限を持つユーザーとしてログインしている。
  • 非接続クラスターで使用するようにミラーリングされたイメージカタログを設定する。

手順

  1. <local_registry>, <pull_spec>, and <pull_secret_file> の値を指定して、以下のコマンドを実行します。

    $ oc adm catalog mirror <local_registry>/<pull_spec> <local_registry> -a <pull_secret_file> --icsp-scope=registry

    ここでは、以下のようになります。

    <local_registry>
    非接続クラスター (例: local.registry:5000) 用に設定したローカルレジストリーです。
    <pull_spec>
    非接続レジストリーで設定されるプル仕様です (例: redhat/redhat-operator-index:v4.6)。
    <pull_secret_file>
    .json ファイル形式の registry.redhat.io プルシークレットです。プルシークレットは、Red Hat Open Shift Cluster Manager から ダウンロードできます。

    oc adm catalog mirror コマンドは、/redhat-operator-index-manifests ディレクトリーを作成し、imageContentSourcePolicy.yamlcatalogSource.yaml、および mapping.txt ファイルを生成します。

  2. 新しい ImageContentSourcePolicy リソースをクラスターに適用します。

    $ oc apply -f imageContentSourcePolicy.yaml

検証

  • oc applyImageContentSourcePolicy に変更を正常に適用していることを確認します。

    $ oc get ImageContentSourcePolicy -o yaml

    出力例

    apiVersion: v1
    items:
    - apiVersion: operator.openshift.io/v1alpha1
      kind: ImageContentSourcePolicy
      metadata:
        annotations:
          kubectl.kubernetes.io/last-applied-configuration: |
            {"apiVersion":"operator.openshift.io/v1alpha1","kind":"ImageContentSourcePolicy","metadata":{"annotations":{},"name":"redhat-operator-index"},"spec":{"repositoryDigestMirrors":[{"mirrors":["local.registry:5000"],"source":"registry.redhat.io"}]}}
    ...

ImageContentSourcePolicy リソースを更新した後に、OpenShift Container Platform は新しい設定を各ノードにデプロイし、クラスターはソースリポジトリーへの要求のためにミラーリングされたリポジトリーの使用を開始します。

8.9. 関連情報