OpenShift Virtualization
OpenShift Virtualization のインストール、使用方法、およびリリースノート
概要
第1章 OpenShift Virtualization について
OpenShift Virtualization の機能およびサポート範囲について確認します。
1.1. OpenShift Virtualization の機能
OpenShift virtualization は OpenShift Container Platform のアドオンであり、仮想マシンのワークロードを実行し、このワークロードをコンテナーのワークロードと共に管理することを可能にします。
OpenShift Virtualization は、Kubernetes カスタムリソースにより新規オブジェクトを OpenShift Container Platform クラスターに追加し、仮想化タスクを有効にします。これらのタスクには、以下が含まれます。
- Linux および Windows 仮想マシンの作成と管理
- 各種コンソールおよび CLI ツールの使用による仮想マシンへの接続
- 既存の仮想マシンのインポートおよびクローン作成
- ネットワークインターフェイスコントローラーおよび仮想マシンに割り当てられたストレージディスクの管理
- 仮想マシンのノード間でのライブマイグレーション
機能強化された Web コンソールは、これらの仮想化されたリソースを OpenShift Container Platform クラスターコンテナーおよびインフラストラクチャーと共に管理するためのグラフィカルポータルを提供します。
OpenShift Virtualization は OpenShift Container Storage (OCS) でテストされ、最適なエクスペリエンスを得るために OCS 機能と共に使用するように設計されています。
OVN-Kubernetes または OpenShiftSDN のデフォルトの Container Network Interface (CNI) ネットワークプロバイダーのいずれかで OpenShift Virtualization を使用できます。
1.1.1. OpenShift Virtualization サポートのクラスターバージョン
OpenShift Virtualization 2.5 は OpenShift Container Platform 4.6 クラスターで使用するためにサポートされます。
第2章 OpenShift Virtualization リリースノート
2.1. Red Hat OpenShift Virtualization について
Red Hat OpenShift Virtualization は、従来の仮想マシン (VM) をコンテナーと共に実行される OpenShift Container Platform に組み込み、それらをネイティブ Kubernetes オブジェクトとして管理することを可能にします。
OpenShift Virtualization は、
ロゴで表されます。
OVN-Kubernetes または OpenShiftSDN のデフォルトの Container Network Interface (CNI) ネットワークプロバイダーのいずれかで OpenShift Virtualization を使用できます。
OpenShift Virtualization の機能 について参照してください。
2.1.1. OpenShift Virtualization サポートのクラスターバージョン
OpenShift Virtualization 2.5 は OpenShift Container Platform 4.6 クラスターで使用するためにサポートされます。
2.1.2. サポート対象のゲストオペレーティングシステム
OpenShift Virtualization ゲストは以下のオペレーティングシステムを使用できます。
- Red Hat Enterprise Linux 6, 7, and 8。
- Microsoft Windows Server 2012 R2、2016、および 2019。
- Microsoft Windows 10。
OpenShift Virtualization に同梱される他のオペレーティングシステムテンプレートはサポートされていません。
2.2. 新機能および変更された機能
OpenShift Virtualization は、Windows Server のワークロードを実行する Microsoft の Windows Server Virtualization Validation Program (SVVP) で認定されています。
SVVP の認定は以下に適用されます。
- Red Hat Enterprise Linux CoreOS 8 ワーカー。Microsoft SVVP Catalog では、Red Hat OpenShift Container Platform 4 on RHEL CoreOS 8 という名前が付けられます。
- Intel および AMD CPU。
OpenShift Virtualization 2.5 は、QEMU ゲストエージェントデータを管理するために、3 つの新たな
virtctl
コマンド を追加します。-
virtctl fslist <vmi_name>
は、ゲストマシンで利用可能なファイルシステムの詳細の一覧を返します。 -
virtctl guestosinfo <vmi_name>
は、オペレーティングシステムに関するゲストエージェント情報を返します。 -
virtctl userlist <vmi_name>
は、ゲストマシンでログインしているユーザーの詳細の一覧を返します。
-
-
Web コンソールのCommand Line Toolsページ から
virtctl
クライアントをダウンロードできるようになりました。
- Red Hat Virtualization から Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) ネットワークインターフェイスを持つ仮想マシンをインポートできるようになりました。
2.2.1. ネットワーク
-
nmstate で サポートされるボンディングモード には、
mode=2 balance-xor
およびmode=4 802.3ad
が含まれるようになりました。
2.2.2. ストレージ
- Containerized Data Importer (CDI) は、コンテナーイメージレジストリーから コンテナーディスクストレージボリュームのインポート を迅速に行い、ストレージ容量をより効率的に割り当てられるようになりました。CDI は、HTTP エンドポイントからインポートするのにかかるのとほぼ時間でコンテナーディスクイメージをレジストリーからプルできます。基礎となるストレージをより効率的に使用できるように、サイズがディスクイメージと同等のディスクを Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) にインポートできます。
DataVolume が管理する仮想マシン (VM) ディスクを準備する際に、問題の診断およびトラブルシューティング が容易になりました。
- 非同期イメージのアップロードの場合、ディスクイメージの仮想サイズがターゲット DataVolume のサイズよりも大きい場合、接続を閉じる前にエラーメッセージが返されます。
-
oc describe dv
コマンドを使用して、PersistentVolumeClaim
(PVC)Bound
状態の変更または転送の失敗をモニターできます。Status:Phase
フィールドの値がSucceeded
の場合、DataVolume を使用することができます。
電源がオフ (オフライン) の仮想マシン (VM) のスナップショットを CLI で作成し、復元し、削除することができます。OpenShift Virtualization は、以下で オフライン仮想マシンのスナップショット をサポートします。
- Red Hat OpenShift Container Storage
- Kubernetes Volume Snapshot API をサポートする Container Storage Interface (CSI) ドライバーを使用するその他のストレージプロバイダー
-
smart-cloning を使用して、仮想ディスクのクローンをすぐに、かつ効率的に作成できるようになりました。
PersistentVolumeClaim
(PVC) ソースで DataVolume を作成すると、smart-cloning が自動的に実行されます。ストレージプロバイダーは、smart-cloning を使用するために CSI スナップショット API をサポートする必要があります。
2.2.3. Web コンソール
仮想マシンが実行されている場合、Web コンソールの以下のフィールドおよびタブに加えた変更は仮想マシンを再起動するまで反映されません。
- Details タブのBoot Order と Flavor
- Network Interfaces タブ
- Disks タブ
Environment タブ
ページ上部の Pending Changes バナーには、仮想マシンの再起動時に適用されるすべての変更の一覧が表示されます。
- 別のウィンドウで 仮想マシンのコンソールを開く ことができるようになりました。
- デフォルトの OS イメージを作成 し、OpenShift Container Platform Web コンソールを使用してそれらを自動的にアップロードできるようになりました。デフォルトの OS イメージ は、オペレーティングシステムと、ドライバーなどのオペレーティングシステムのすべての設定を含む起動可能なディスクです。デフォルトの OS イメージを使用して、特定の設定で起動可能な仮想マシンを作成します。
- Web コンソールを使用して、新しい Persistent Volume Claim(永続ボリューム要求、PVC) に 仮想マシンイメージファイルをアップロード できるようになりました。
- QEMU ゲストエージェントが仮想マシンで実行されている場合は、Web コンソールを使用して、仮想マシン、ユーザー、ファイルシステム、およびセカンダリーネットワークに関する 情報を表示 できます。
2.3. 主な技術上の変更点
- ブロックベースのストレージを持つ仮想マシンを OpenShift Virtualization にインポートできるようになりました。
HyperConverged Operator (HCO)、Containerized Data Importer (CDI)、Hostpath Provisioner (HPP)、および仮想マシンインポートのカスタムリソースは API バージョン
v1beta1
に移行しました。これらのコンポーネントのそれぞれの API バージョンは以下のようになります。hco.kubevirt.io/v1beta1
cdi.kubevirt.io/v1beta1
hostpathprovisioner.kubevirt.io/v1beta1
v2v.kubevirt.io/v1beta1
-
デフォルトの
cloud-init
ユーザーパスワードは、テンプレートで作成される仮想マシンについて自動生成されるようになりました。
- ホスト支援型クローン作成を使用する場合には、より効率的な圧縮アルゴリズムにより、より高速に仮想マシンディスクのクローンを作成できるようになりました。
- ベアメタルデプロイメントでの OpenShift Container Platform のユーザーによってプロビジョニングされたインストールでノードが失敗すると、仮想マシンは別のノードで自動的に再起動されません。自動再起動は、マシンヘルスチェックが有効にされているインストーラーでプロビジョニングされるインストールでのみサポートされます。OpenShift Virtualization のクラスターの設定 の詳細を参照してください。
2.4. 既知の問題
- OpenShift Container Platform クラスターが OVN-Kubernetes をデフォルトの Container Network Interface (CNI) プロバイダーとして使用する場合、OVN-Kubernetes のホストネットワークトポロジーの変更により、Linux ブリッジまたはボンディングをホストのデフォルトインターフェイスに割り当てることはできません。回避策として、ホストに接続されたセカンダリーネットワークインターフェイスを使用するか、OpenShift SDN デフォルト CNI プロバイダーに切り替えることができます。(BZ#1887456)
-
Web コンソールを使用して VMware Virtual Disk Development Kit (VDDK) イメージを
openshift-cnv/v2v-vmware
設定マップに追加すると、Managed リソース のエラーメッセージが表示されます。このエラーは無視しても問題ありません。Save をクリックして設定マップを保存します。(BZ#1884538) - たとえば、ノードが OpenShift Container Platform クラスターのアップグレード時にメンテナーンスモードにされている場合にそれらのノードがエビクトされると、仮想マシンは 1 回ではなく 2 回移行されます。(BZ#1888790)
- アップグレード後は、オペレーティングシステムのワークロードごとに複数のテンプレートが存在する可能性があります。デフォルトのオペレーティングシステム (OS) イメージ機能を使用してクローン作成された PVC から Microsoft Windows 仮想マシンを作成する場合、OS には正しいワークロード値が定義される必要があります。Web コンソールに (Source available) ラベルが表示されていても、誤った ワークロード 値を選択すると、デフォルトの OS イメージを使用できません。デフォルトの OS イメージは新しいテンプレートに割り当てられますが、ウィザードは、デフォルトの OS イメージをサポートするように設定されていない古いテンプレートを使用する場合があります。Windows 2010 システムは Desktop のワークロード値のみをサポートしますが、Windows 2012、Windows 2016、および Windows 2019 は Server のワークロード値のみをサポートします。(BZ#1907183)
-
KubeMacPool ラベルを適用し、その namespace の仮想マシンの
io
属性を使用して namespace の MAC アドレスプールを有効にする場合、仮想マシンに対してio
属性設定は保持されません。回避策として、仮想マシンにio
属性を使用しないでください。または、namespace に対して KubeMacPool を無効にすることができます。(BZ#1869527)
- OpenShift Virtualization 2.5 にアップグレードする場合には、オペレーティングシステム、ワークロード、およびフレーバーの組み合わせごとに、古いバージョンと新しいバージョンの共通テンプレートが利用できます。共通のテンプレートを使用して仮想マシンを作成する場合、新しいバージョンのテンプレートを使用する必要があります。問題を回避するために、古いバージョンを無視します。(BZ#1859235)
ライブマイグレーションを実行できない仮想マシンを実行すると、OpenShift Container Platform クラスターのアップグレードがブロックされる可能性があります。これには、hostpath-provisioner ストレージまたは SR-IOV ネットワークインターフェイスを使用する仮想マシンが含まれます。(BZ#1858777)
回避策として、仮想マシンを再設定し、クラスターのアップグレード時にそれらの電源をオフにするようにできます。仮想マシン設定ファイルの
spec
セクションで、以下を実行します。-
evictionStrategy: LiveMigrate
フィールドを削除します。エビクションストラテジーの設定方法についての詳細は、仮想マシンのエビクションストラテジーの設定 を参照してください。 -
runStrategy
フィールドをAlways
に設定します。
-
-
不明な理由により、
containerDisk
ボリュームタイプのメモリー消費量が、メモリー制限を超えるまで徐々に増加する可能性があります。この問題を解決するには、仮想マシンを再起動します。(BZ#1855067)
Web コンソールで OpenShift Virtualization Operator のサブスクリプションチャネルを編集しようとする際に、Subscription Overview の Channel ボタンをクリックすると JavaScript エラーが発生することがあります。(BZ#1796410)
回避策として、以下の
oc
patch コマンドを実行して、CLI から OpenShift Virtualization 2.5 へのアップグレードプロセスをトリガーします。$ export TARGET_NAMESPACE=openshift-cnv CNV_CHANNEL=2.5 && oc patch -n "${TARGET_NAMESPACE}" $(oc get subscription -n ${TARGET_NAMESPACE} --no-headers -o name) --type='json' -p='[{"op": "replace", "path": "/spec/channel", "value":"'${CNV_CHANNEL}'"}, {"op": "replace", "path": "/spec/installPlanApproval", "value":"Automatic"}]'
このコマンドは、アップグレードチャネル
2.5
にサブスクリプションをポイントし、自動更新を有効にします。
ノードの CPU モデルが異なると、ライブマイグレーションに失敗します。ノードに同じ物理 CPU モデルがある場合でも、マイクロコードの更新によって導入される違いにより同じ状況が生じます。これは、デフォルト設定が、ライブマイグレーションと互換性のないホスト CPU パススルー動作をトリガーするためです。(BZ#1760028)
回避策として、以下の例のように
kubevirt-config
ConfigMap にデフォルトの CPU モデルを設定します。注記ライブマイグレーションをサポートする仮想マシンを起動する前に、この変更を行う必要があります。
以下のコマンドを実行して、編集するために
kubevirt-config
ConfigMap を開きます。$ oc edit configmap kubevirt-config -n openshift-cnv
ConfigMap を編集します。
kind: ConfigMap metadata: name: kubevirt-config data: default-cpu-model: "<cpu-model>" 1
- 1
<cpu-model>
を実際の CPU モデルの値に置き換えます。すべてのノードにoc describe node <node>
を実行し、cpu-model-<name>
ラベルを確認してこの値を判別できます。すべてのノードに存在する CPU モデルを選択します。
OpenShift Virtualization は、
oc adm drain
またはkubectl drain
のいずれかを実行してトリガーされるノードのドレイン (解放) を確実に特定することができません。これらのコマンドは、OpenShift Virtualization がデプロイされているクラスターのノードでは実行しないでください。ノードは、それらの上部で実行されている仮想マシンがある場合にドレイン (解放) を実行しない可能性があります。- 現時点の解決策として、ノードをメンテナーンス状態にする 方法があります。
-
OpenShift Virtualization ストレージ PV が RHV 仮想マシンのインポートに適切でない場合、進捗バーは 10% のままとなり、インポートは完了しません。VM Import Controller Pod ログには、以下のエラーメッセージが表示されます。
Failed to bind volumes: provisioning failed for PVC
(BZ#1857784)
RHV 仮想マシンのインポート時に RHV Manager の誤った認証情報を入力すると、
vm-import-operator
が RHV API への接続を繰り返し試行するため、Manager は admin ユーザーアカウントをロックする可能性があります。(BZ#1887140)アカウントのロックを解除するには、Manager にログインし、以下のコマンドを入力します。
$ ovirt-aaa-jdbc-tool user unlock admin
-
basic-user
権限を持つユーザーとして OpenShift Container Platform クラスターにログインしている場合は、virtctl guestosinfo <vmi_name>
を実行してゲストエージェント情報を取得することは失敗します。回避策として、oc describe vmi
コマンドを実行して、ゲストエージェントデータのサブセットをフェッチできます。(BZ#2000464)
第3章 OpenShift Virtualization のインストール
3.1. OpenShift Virtualization のクラスターの準備
OpenShift Virtualization をインストールする前にこのセクションを確認して、クラスターが要件を満たしていることを確認してください。
ユーザープロビジョニング、インストーラープロビジョニング、または支援付きインストーラーなど、任意のインストール方法を使用して、OpenShift Container Platform をデプロイできます。ただし、インストール方法とクラスタートポロジーは、スナップショットやライブマイグレーションなどの OpenShift Virtualization 機能に影響を与える可能性があります。
FIPS モード
クラスターを FIPS モード でインストールする場合、OpenShift Virtualization に追加の設定は必要ありません。
3.1.1. ハードウェアとオペレーティングシステムの要件
OpenShift Virtualization の次のハードウェアおよびオペレーティングシステム要件を確認してください。
サポートされるプラットフォーム
- オンプレミスのベアメタルサーバー
- Amazon Web Services のベアメタルインスタンス
AWS ベアメタルインスタンスへの Open Shift Virtualization のインストールは、テクノロジープレビュー機能としてのみ提供されます。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
- 他のクラウドプロバイダーが提供するベアメタルインスタンスまたはサーバーはサポートされていません。
CPU の要件
- Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 8 でサポート
- Intel 64 または AMD64 CPU 拡張機能のサポート
- Intel VT または AMD-V ハードウェア仮想化拡張機能が有効化されている。
- NX (実行なし) フラグが有効
ストレージ要件
- OpenShift Container Platform によるサポート
オペレーティングシステム要件
ワーカーノードにインストールされた Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS)
注記RHEL ワーカー ノードはサポートされていません。
関連情報
- RHCOS について
- サポートされている CPU の Red Hat Ecosystem Catalog
- 対応ストレージ
3.1.2. 物理リソースのオーバーヘッド要件
OpenShift Virtualization は OpenShift Container Platform のアドオンであり、クラスターの計画時に考慮する必要のある追加のオーバーヘッドを強要します。各クラスターマシンは、OpenShift Container Platform の要件に加えて、以下のオーバーヘッドの要件を満たす必要があります。クラスター内の物理リソースを過剰にサブスクライブすると、パフォーマンスに影響する可能性があります。
本書に記載されている数は、Red Hat のテスト方法およびセットアップに基づいています。これらの数は、独自のセットアップおよび環境に応じて異なります。
3.1.2.1. メモリーのオーバーヘッド
以下の式を使用して、OpenShift Virtualization のメモリーオーバーヘッドの値を計算します。
クラスターメモリーのオーバーヘッド
Memory overhead per infrastructure node ≈ 150 MiB
Memory overhead per worker node ≈ 360 MiB
さらに、OpenShift Virtualization 環境リソースには、すべてのインフラストラクチャーノードに分散される合計 2179 MiB の RAM が必要です。
仮想マシンのメモリーオーバーヘッド
Memory overhead per virtual machine ≈ (1.002 * requested memory) + 146 MiB \ + 8 MiB * (number of vCPUs) \ 1 + 16 MiB * (number of graphics devices) 2
お使いの環境に Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) ネットワークデバイスまたは Graphics Processing Unit (GPU) が含まれる場合、それぞれのデバイスに 1 GiB の追加のメモリーオーバーヘッドを割り当てます。
3.1.2.2. CPU オーバーヘッド
以下の式を使用して、OpenShift Virtualization のクラスタープロセッサーのオーバーヘッド要件を計算します。仮想マシンごとの CPU オーバーヘッドは、個々の設定によって異なります。
クラスターの CPU オーバーヘッド
CPU overhead for infrastructure nodes ≈ 4 cores
OpenShift Virtualization は、ロギング、ルーティング、およびモニターリングなどのクラスターレベルのサービスの全体的な使用率を増加させます。このワークロードに対応するには、インフラストラクチャーコンポーネントをホストするノードに、4 つの追加コア (4000 ミリコア) の容量があり、これがそれらのノード間に分散されていることを確認します。
CPU overhead for worker nodes ≈ 2 cores + CPU overhead per virtual machine
仮想マシンをホストする各ワーカーノードには、仮想マシンのワークロードに必要な CPU に加えて、OpenShift Virtualization 管理ワークロード用に 2 つの追加コア (2000 ミリコア) の容量が必要です。
仮想マシンの CPU オーバーヘッド
専用の CPU が要求される場合は、仮想マシン 1 台につき CPU 1 つとなり、クラスターの CPU オーバーヘッド要件に影響が出てきます。それ以外の場合は、仮想マシンに必要な CPU の数に関する特別なルールはありません。
3.1.2.3. ストレージのオーバーヘッド
以下のガイドラインを使用して、OpenShift Virtualization 環境のストレージオーバーヘッド要件を見積もります。
クラスターストレージオーバーヘッド
Aggregated storage overhead per node ≈ 10 GiB
10 GiB は、OpenShift Virtualization のインストール時にクラスター内の各ノードについてのディスク上のストレージの予想される影響に相当します。
仮想マシンのストレージオーバーヘッド
仮想マシンごとのストレージオーバーヘッドは、仮想マシン内のリソース割り当ての特定の要求により異なります。この要求は、クラスター内の別の場所でホストされるノードまたはストレージリソースの一時ストレージに対するものである可能性があります。OpenShift Virtualization は現在、実行中のコンテナー自体に追加の一時ストレージを割り当てていません。
3.1.2.4. 例
クラスター管理者が、クラスター内の 10 台の (それぞれ 1 GiB の RAM と 2 つの vCPU の) 仮想マシンをホストする予定の場合、クラスター全体で影響を受けるメモリーは 11.68 GiB になります。クラスターの各ノードについて予想されるディスク上のストレージの影響は 10 GiB で示され、仮想マシンのワークロードをホストするワーカーノードについての CPU の影響は最小 2 コアで示されます。
3.1.3. オブジェクトの最大値
クラスターを計画するときは、次のテスト済みオブジェクトの最大数を考慮する必要があります。
3.1.4. 制限されたネットワーク環境
インターネット接続のない制限された環境に OpenShift Virtualization をインストールする場合は、制限されたネットワーク用に Operator Lifecycle Manager を設定 する必要があります。
インターネット接続が制限されている場合、Operator Lifecycle Manager でプロキシーサポートを設定 して、Red Hat が提供する OperatorHub にアクセスすることができます。
3.1.5. ライブマイグレーション
ライブマイグレーションには次の要件があります。
-
ReadWriteMany
(RWX) アクセスモードの共有ストレージ - 十分な RAM とネットワーク帯域幅
- ワーカーノードに十分な容量を持つ適切な CPU。CPU の容量が異なる場合、ライブマイグレーションは非常に遅くなるか失敗する可能性があります。
3.1.6. スナップショットとクローン作成
スナップショットとクローン作成の要件は、OpenShift Virtualization ストレージ機能 を参照してください。
3.1.7. クラスターの高可用性オプション
クラスターには、次の高可用性 (HA) オプションのいずれかを設定できます。
インストーラーによってプロビジョニングされたインフラストラクチャー (IPI) の 自動高可用性は、マシンの可用性チェック をデプロイすることで利用できます。
注記インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーを使用してインストールされ、MachineHealthCheck が適切に設定された OpenShift Container Platform クラスターで、ノードで MachineHealthCheck が失敗し、クラスターで利用できなくなると、そのノードは再利用されます。障害が発生したノードで実行された仮想マシンでは、一連の条件によって次に起こる動作が変わります。予想される結果や RunStrategies がそれらの結果に与える影響についての詳細は、About RunStrategies for virtual machines を参照してください。
モニターリングシステムまたは有資格者を使用してノードの可用性をモニターすることにより、あらゆるプラットフォームの高可用性を利用できます。ノードが失われた場合は、これをシャットダウンして
oc delete node <lost_node>
を実行します。注記外部モニターリングシステムまたは資格のある人材によるノードの正常性の監視が行われない場合、仮想マシンは高可用性を失います。
3.2. Web コンソールを使用した OpenShift Virtualization のインストール
OpenShift Virtualization をインストールし、仮想化機能を OpenShift Container Platform クラスターに追加します。
OpenShift Container Platform 4.6 Web コンソール を使用して、OpenShift Virtualization Operator にサブスクライブし、これをデプロイすることができます。
3.2.1. 前提条件
- OpenShift Container Platform 4.6 をクラスターにインストールします。
-
cluster-admin
権限を持つユーザーとしてログインしている。
3.2.2. OpenShift Virtualization カタログのサブスクライブ
OpenShift Virtualization をインストールする前に、OpenShift Container Platform Web コンソールから OpenShift Virtualization カタログにサブスクライブします。サブスクライブにより、openshift-cnv
namespace に OpenShift Virtualization Operator へのアクセスが付与されます。
手順
- ブラウザーウィンドウを開き、OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。
- Operators → OperatorHub ページに移動します。
- OpenShift Virtualization を検索し、これを選択します。
- Operator についての情報を確認してから、Install をクリックします。
Install Operator ページで以下を行います。
インストールされた namespace の場合、Operator recommended namespace オプションが選択されていることを確認します。これにより、Operator が必須の
openshift-cnv
namespace にインストールされます。この namespace は存在しない場合は、自動的に作成されます。警告OpenShift Virtualization Operator を
openshift-cnv
以外の namespace にインストールしようとすると、インストールが失敗します。- 選択可能な Update Channel オプションの一覧から stable を選択します。これにより、OpenShift Container Platform バージョンと互換性がある OpenShift Virtualization のバージョンをインストールすることができます。
- Approval Strategy の場合、デフォルト値である Automatic が選択されていることを確認します。OpenShift Virtualization は、z-stream の新規リリースが利用可能になると自動的に更新されます。
Install をクリックし、Operator を
openshift-cnv
namespace で利用可能にします。Installed Operators 画面では、OpenShift Virtualization がインストールを終了すると、Status に Succeeded が表示されます。
3.2.3. OpenShift Virtualization のデプロイ
OpenShift Virtualization カタログにサブスクライブした後に、OpenShift Virtualization Operator Deployment カスタムリソースを作成し、OpenShift Virtualization をデプロイします。
前提条件
-
openshift-cnv
namespace の OpenShift Virtualization カタログへのサブスクリプション。
手順
- Operators → Installed Operators ページに移動します。
- OpenShift Virtualization をクリックします。
OpenShift Virtualization Operator Deployment タブをクリックし、Create HyperConverged Cluster をクリックします。
警告デプロイメントのエラーを回避するには、カスタムリソースの名前を変更しないでください。次のステップに進む前に、カスタムリソースの名前がデフォルトの
kubevirt-hyperconverged
であることを確認します。- Create をクリックして OpenShift Virtualization を起動します。
- Workloads → Pods ページに移動して、OpenShift Virtualization Pod がすべて Running 状態になるまでこれらの Pod をモニターします。すべての Pod で Running 状態が表示された後に、OpenShift Virtualization にアクセスできます。
3.2.4. 次のステップ
以下のコンポーネントを追加で設定する必要がある場合があります。
- KubeMacPool コンポーネントは、指定の namespace に仮想マシン NIC の MAC アドレスプールサービスを提供します。KubeMacPool ラベルを namespace に適用して、その namespace で MAC アドレスプールを有効にします。
- ホストパスプロビジョナー は、OpenShift Virtualization 用に設計されたローカルストレージプロビジョナーです。仮想マシンのローカルストレージを設定する必要がある場合、まずホストパスプロビジョナーを有効にする必要があります。
OpenShift Virtualization をインストールし、仮想化機能を OpenShift Container Platform クラスターに追加します。コマンドラインを使用してマニフェストをクラスターに適用し、OpenShift Virtualization Operator にサブスクライブし、デプロイできます。
3.2.5. 前提条件
- OpenShift Container Platform 4.6 をクラスターにインストールします。
-
OpenShift CLI (
oc
) をインストールします。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとしてログインしている。
3.2.6. CLI を使用した OpenShift Virtualization カタログのサブスクライブ
OpenShift Virtualization をインストールする前に、OpenShift Virtualization カタログにサブスクライブする必要があります。サブスクライブにより、openshift-cnv
namespace に OpenShift Virtualization Operator へのアクセスが付与されます。
単一マニフェストをクラスターに適用して Namespace
、OperatorGroup
、および Subscription
オブジェクトをサブスクライブし、設定します。
手順
以下のマニフェストを含む YAML ファイルを作成します。
apiVersion: v1 kind: Namespace metadata: name: openshift-cnv --- apiVersion: operators.coreos.com/v1 kind: OperatorGroup metadata: name: kubevirt-hyperconverged-group namespace: openshift-cnv spec: targetNamespaces: - openshift-cnv --- apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1 kind: Subscription metadata: name: hco-operatorhub namespace: openshift-cnv spec: source: redhat-operators sourceNamespace: openshift-marketplace name: kubevirt-hyperconverged startingCSV: kubevirt-hyperconverged-operator.v2.5.8 channel: "stable" 1
- 1
stable
チャネルを使用することで、OpenShift Container Platform バージョンと互換性のある OpenShift Virtualization のバージョンをインストールすることができます。
以下のコマンドを実行して、OpenShift Virtualization に必要な
Namespace
、OperatorGroup
、およびSubscription
オブジェクトを作成します。$ oc apply -f <file name>.yaml
3.2.7. CLI を使用した OpenShift Virtualization Operator のデプロイ
oc
CLI を使用して OpenShift Virtualization Operator をデプロイすることができます。
前提条件
-
openshift-cnv
namespace の OpenShift Virtualization カタログへのアクティブなサブスクリプション。
手順
以下のマニフェストを含む YAML ファイルを作成します。
apiVersion: hco.kubevirt.io/v1beta1 kind: HyperConverged metadata: name: kubevirt-hyperconverged namespace: openshift-cnv spec: BareMetalPlatform: true
以下のコマンドを実行して OpenShift Virtualization Operator をデプロイします。
$ oc apply -f <file name>.yaml
検証
openshift-cnv
namespace の Cluster Service Version (CSV) のPHASE
を監視して、OpenShift Virtualization が正常にデプロイされたことを確認します。以下のコマンドを実行します。$ watch oc get csv -n openshift-cnv
以下の出力は、デプロイメントに成功したかどうかを表示します。
出力例
NAME DISPLAY VERSION REPLACES PHASE kubevirt-hyperconverged-operator.v2.5.8 OpenShift Virtualization 2.5.8 Succeeded
3.2.8. 次のステップ
以下のコンポーネントを追加で設定する必要がある場合があります。
- KubeMacPool コンポーネントは、指定の namespace に仮想マシン NIC の MAC アドレスプールサービスを提供します。KubeMacPool ラベルを namespace に適用して、その namespace で MAC アドレスプールを有効にします。
- ホストパスプロビジョナー は、OpenShift Virtualization 用に設計されたローカルストレージプロビジョナーです。仮想マシンのローカルストレージを設定する必要がある場合、まずホストパスプロビジョナーを有効にする必要があります。
3.3. virtctl クライアントのインストール
virtctl
クライアントは、OpenShift Virtualization リソースを管理するためのコマンドラインユーティリティーです。これは、Linux、macOS、および Windows ディストリビューションで利用できます。
virtctl
クライアントのインストールは、 OpenShift Virtualization Web コンソールからか、または OpenShift Virtualization リポジトリーを有効にし、 kubevirt-virtctl
パッケージをインストールして実行できます。
3.3.1. Web コンソールからの virtctl クライアントのインストール
Red Hat カスタマーポータルから virtctl
クライアントをダウンロードできます。これは、Command Line Toolsページの OpenShift Virtualization Web コンソールでリンクされています。
前提条件
- カスタマーポータルのダウンロードページにアクセスするには、有効な OpenShift Container Platform サブスクリプションが必要である。
手順
-
Web コンソールの右上にある
アイコンをクリックし、Command Line Tools を選択して、カスタマーポータルにアクセスします。
- Version: 一覧からクラスターの適切なバージョンが選択されていることを確認します。
-
使用するディストリビューション用に
virtctl
クライアントをダウンロードします。すべてのダウンロードの形式はtar.gz
です。 tarball を展開します。以下の CLI コマンドは、これを tarball と同じディレクトリーに展開します。これはすべてのディストリビューションに適用できます。
$ tar -xvf <virtctl-version-distribution.arch>.tar.gz
Linux および macOS の場合:
展開したフォルダー階層に移動し、
virtctl
バイナリーを実行可能にします。$ chmod +x <virtctl-file-name>
virtctl
バイナリーをパスにあるディレクトリーに移動します。PATH を確認するには、以下を実行します。
$ echo $PATH
Windows ユーザーの場合:
-
展開したフォルダー階層に移動し、
virtctl
実行可能ファイルをダブルクリックしてクライアントをインストールします。
-
展開したフォルダー階層に移動し、
3.3.2. OpenShift Virtualization リポジトリーの有効化
Red Hat は、Red Hat Enterprise Linux 8 および Red Hat Enterprise Linux 7 向けの OpenShift Virtualization リポジトリーを提供します。
-
Red Hat Enterprise Linux 8 リポジトリー:
cnv-2.5-for-rhel-8-x86_64-rpms
-
Red Hat Enterprise Linux 7 リポジトリー:
rhel-7-server-cnv-2.5-rpms
subscription-manager
でリポジトリーを有効にするプロセスはどちらのプラットフォームでも同様です。
手順
以下のコマンドを実行して、お使いのシステムに適した OpenShift Virtualization リポジトリーを有効にします。
# subscription-manager repos --enable <repository>
3.3.3. virtctl クライアントのインストール
kubevirt-virtctl
パッケージから virtctl
クライアントをインストールします。
手順
kubevirt-virtctl
パッケージをインストールします。# yum install kubevirt-virtctl
3.3.4. 関連情報
- OpenShift Virtualization の Using the CLI tools
3.4. Web コンソールを使用した OpenShift Virtualization のアンインストール
OpenShift Container Platform Web コンソール を使用して OpenShift Virtualization をアンインストールできます。
3.4.1. 前提条件
- OpenShift Virtualization 2.5 がインストールされていること。
すべての 仮想マシン、仮想マシンインスタンス、および データボリューム を削除する必要があります。
重要これらのオブジェクトを削除せずに OpenShift Virtualization のアンインストールを試みると失敗します。
3.4.2. OpenShift Virtualization Operator Deployment カスタムリソースの削除
OpenShift Virtualization をアンインストールするには、まず OpenShift Virtualization Operator Deployment カスタムリソースを削除する必要がある。
前提条件
- OpenShift Virtualization Operator Deployment カスタムリソースを作成すること。
手順
-
OpenShift Container Platform Web コンソールから、Projects 一覧より
openshift-cnv
を選択します。 - Operators → Installed Operators ページに移動します。
- OpenShift Virtualization をクリックします。
- OpenShift Virtualization Operator Deployment タブをクリックします。
-
Options メニュー
を kubevirt-hyperconverged カスタムリソースを含む行でクリックします。拡張されたメニューで、Delete HyperConverged Cluster をクリックします。
- 確認ウィンドウで Delete をクリックします。
- Workloads → Pods ページに移動し、Operator Pod のみが実行中であることを確認します。
ターミナルウィンドウを開き、以下のコマンドを実行して残りのリソースをクリーンアップします。
$ oc delete apiservices v1alpha3.subresources.kubevirt.io -n openshift-cnv
3.4.3. OpenShift Virtualization カタログサブスクリプションの削除
OpenShift Virtualization のアンインストールを終了するには、OpenShift Virtualization カタログサブスクリプションを削除します。
前提条件
- OpenShift Virtualization カタログの有効なサブスクリプション。
手順
- Operators → OperatorHub ページに移動します。
- OpenShift Virtualization を検索し、これを選択します。
- Uninstall をクリックします。
openshift-cnv
namespace を削除できるようになりました。
3.4.4. Web コンソールを使用した namespace の削除
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して namespace を削除できます。
namespace を削除するパーミッションがない場合、Delete Namespace オプションは選択できなくなります。
手順
- Administration → Namespaces に移動します。
- namespace の一覧で削除する必要のある namespace を見つけます。
-
namespace の一覧の右端で、Options メニュー
から Delete Namespace を選択します。
- Delete Namespace ペインが表示されたら、フィールドから削除する namespace の名前を入力します。
- Delete をクリックします。
3.5. CLI を使用した OpenShift Virtualization のアンインストール
OpenShift Container Platform CLI を使用して OpenShift Virtualization をアンインストールできます。
3.5.1. 前提条件
- OpenShift Virtualization 2.5 がインストールされていること。
すべての 仮想マシン、仮想マシンインスタンス、および データボリューム を削除する必要があります。
重要これらのオブジェクトを削除せずに OpenShift Virtualization のアンインストールを試みると失敗します。
3.5.2. OpenShift Virtualization の削除
CLI を使用して OpenShift Virtualization を削除できます。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) をインストールしている。 -
cluster-admin
パーミッションを持つアカウントを使用して OpenShift Virtualization クラスターにアクセスできる。
CLI を使用して OLM で OpenShift Virtualization Operator のサブスクリプションを削除すると、ClusterServiceVersion
(CSV) オブジェクトはクラスターから削除されません。OpenShift Virtualization を完全にアンインストールするには、CSV を明示的に削除する必要があります。
手順
HyperConverged
カスタムリソースを削除します。$ oc delete HyperConverged kubevirt-hyperconverged -n openshift-cnv
Operator Lifecycle Manager (OLM) で OpenShift Virtualization Operator のサブスクリプションを削除します。
$ oc delete subscription kubevirt-hyperconverged -n openshift-cnv
OpenShift Virtualization の Cluster Service Version (CSV) 名を環境変数として設定します。
$ CSV_NAME=$(oc get csv -n openshift-cnv -o=custom-columns=:metadata.name)
直前の手順で CSV 名を指定して、OpenShift Virtualization クラスターから CSV を削除します。
$ oc delete csv ${CSV_NAME} -n openshift-cnv
OpenShift Virtualization は、CSV が正常に削除されたことを示す確認メッセージが表示される際にアンインストールされます。
出力例
clusterserviceversion.operators.coreos.com "kubevirt-hyperconverged-operator.v2.5.8" deleted
第4章 OpenShift Virtualization のアップグレード
次のマイナーバージョンの OpenShift Virtualization に手動でアップグレードし、Web コンソールを使用して更新のステータスをモニターできます。
4.1. OpenShift Virtualization のアップグレードについて
4.1.1. OpenShift Virtualization のアップグレードの仕組み
- OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して Operator サブスクリプションのチャネルを変更することで、OpenShift Virtualization の次のマイナーバージョンにアップグレードできます。
- OpenShift Virtualization のインストール時に z-stream の自動更新を有効にできます。
- 更新は、OpenShift Container Platform のインストール時にデプロイされる Marketplace Operator 経由で送信されます。Marketplace Operator は外部 Operator をクラスターに対して利用可能にします。
- 更新の完了までにかかる時間は、ネットワーク接続によって異なります。ほとんどの自動更新は 15 分以内に完了します。
4.1.2. OpenShift Virtualization アップグレードのクラスターへの影響
アップグレードを実行しても仮想マシンのワークロードは中断しません。
仮想マシン Pod は、アップグレード時に再起動したり、移行したりしません。
virt-launcher
Pod を更新する必要がある場合は、仮想マシンの再起動またはライブマイグレーションが必要になります。注記各仮想マシンには、仮想マシンインスタンスを実行する
virt-launcher
Pod があります。virt-launcher
Pod は、仮想マシンのプロセスを管理するために使用されるlibvirt
のインスタンスを実行します。
- アップグレードによってネットワーク接続が中断されることはありません。
データボリュームおよびその関連付けられた永続ボリューム要求 (PVC) はアップグレード時に保持されます。
重要ライブマイグレーションを実行できない仮想マシンを実行すると、OpenShift Container Platform クラスターのアップグレードがブロックされる可能性があります。これには、hostpath-provisioner ストレージまたは SR-IOV ネットワークインターフェイスを使用する仮想マシンが含まれます。
回避策として、仮想マシンを再設定し、クラスターのアップグレード時にそれらの電源を自動的にオフになるようにできます。
evictionStrategy: LiveMigrate
フィールドを削除し、runStrategy
フィールドをAlways
に設定します。
4.2. マイナーリリースのアップグレードパス
アップグレードパスは、インストールしている OpenShift Virtualization の 2.4.z バージョンによって異なります。
OpenShift Virtualization のマイナーリリースをアップグレードする前に、OpenShift Container Platform を 4.6 にアップグレードする必要があります。
4.2.1. 2.4.3 から 2.5.8 へのアップグレード
z-stream をアップグレードするには、まず 2.5.0 にアップグレードする必要があります。次に、2.5.0 から 2.5.1 へ、次に 2.5.2 などにアップグレードできます。
Approval Strategy がデフォルトの Automatic の場合、OpenShift Virtualization は 2.5.0 にアップグレードした後に z-stream を自動的にアップグレードします。
4.2.2. 2.4.4 または 2.4.5 から 2.5.8 へのアップグレード
2.4.4 または 2.4.5 から 2.5.2 に直接アップグレードできます。次に、2.5.2 から 2.5.3 などにアップグレードできます。
Approval Strategy がデフォルトの Automatic の場合、OpenShift Virtualization は 2.5.2 にアップグレードした後に z-stream を自動的にアップグレードします。
4.3. OpenShift Virtualization の次のマイナーバージョンへのアップグレード
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して Operator サブスクリプションのチャネルを変更することで、OpenShift Virtualization を次のマイナーバージョンに手動でアップグレードできます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにログインすること。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールにアクセスし、Operators → Installed Operators に移動します。
- OpenShift Virtualization をクリックし、Operator Details ページを開きます。
- Subscription タブをクリックし、Subscription Overview ページを開きます。
- Channel ペインで、バージョン番号の右側にある鉛筆アイコンをクリックし、Change Subscription Update Channel ウィンドウを開きます。
- stable を選択します。これにより、OpenShift Container Platform バージョンと互換性がある OpenShift Virtualization のバージョンをインストールすることができます。
- Save をクリックします。
Operators → Installed Operators に移動してアップグレードのステータスを確認します。以下の
oc
コマンドを実行してステータスを確認することもできます。$ oc get csv -n openshift-cnv
4.4. アップグレードステータスの監視
OpenShift Virtualization アップグレードステータスをモニターする最適な方法として、Cluster Service Version (CSV) PHASE
を監視できます。Web コンソールを使用するか、ここに提供されているコマンドを実行して CSV の状態をモニターすることもできます。
PHASE
および状態の値は利用可能な情報に基づく近似値になります。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにログインすること。 -
OpenShift CLI (
oc
) をインストールしている。
手順
以下のコマンドを実行します。
$ oc get csv
出力を確認し、
PHASE
フィールドをチェックします。以下に例を示します。出力例
VERSION REPLACES PHASE 2.5.0 kubevirt-hyperconverged-operator.v2.4.3 Installing 2.4.3 Replacing
オプション: 以下のコマンドを実行して、すべての OpenShift Virtualization コンポーネントの状態の集約されたステータスをモニターします。
$ oc get hco -n openshift-cnv kubevirt-hyperconverged \ -o=jsonpath='{range .status.conditions[*]}{.type}{"\t"}{.status}{"\t"}{.message}{"\n"}{end}'
アップグレードが成功すると、以下の出力が得られます。
出力例
ReconcileComplete True Reconcile completed successfully Available True Reconcile completed successfully Progressing False Reconcile completed successfully Degraded False Reconcile completed successfully Upgradeable True Reconcile completed successfully
4.5. 関連情報
第5章 kubevirt-controller および virt-launcher に付与される追加のセキュリティー権限
kubevirt-controller
および virt-launcher Pod には、通常の Pod 所有者の権限に加えて一部の SELinux ポリシーおよび SCC (Security Context Constraints) 権限が付与されます。これらの権限により、仮想マシンは OpenShift Virtualization 機能を使用できます。
5.1. virt-launcher Pod の拡張 SELinux ポリシー
virt-launcher Pod の container_t
SELinux ポリシーは以下のルールで拡張されます。
-
allow process self (tun_socket (relabelfrom relabelto attach_queue))
-
allow process sysfs_t (file (write))
-
allow process hugetlbfs_t (dir (add_name create write remove_name rmdir setattr))
-
allow process hugetlbfs_t (file (create unlink))
これらのルールは、以下の仮想化機能を有効にします。
- キューを独自の TUN ソケットに再度ラベル付けし、これに割り当てます。これは、ネットワークのマルチキューをサポートするために必要です。マルチキューは、利用可能な vCPU の数が増える際にネットワークのパフォーマンスをスケーリングできます。
-
virt-launcher Pod が情報を sysfs (
/sys
) ファイルに書き込むことを許可します。これは SR-IOV (Single Root I/O Virtualization) を有効にするために必要です。 -
hugetlbfs
エントリーの読み取り/書き込みを実行します。これは、Huge Page をサポートするために必要です。Huge Page は、メモリーページサイズを増やすことで大量のメモリーを管理する方法です。
5.2. kubevirt-controller サービスアカウントの追加の OpenShift Container Platform SCC (Security Context Constraints) および Linux 機能
SCC (Security Context Constraints) は Pod のパーミッションを制御します。これらのパーミッションには、コンテナーのコレクションである Pod が実行できるアクションおよびそれがアクセスできるリソース情報が含まれます。SCC を使用して、Pod がシステムに受け入れられるために必要な Pod の実行についての条件の一覧を定義することができます。
kubevirt-controller
は、クラスター内の仮想マシンの virt-launcher Pod を作成するクラスターコントローラーです。これらの virt-launcher Pod には、kubevirt-controller
サービスアカウントによってパーミッションが付与されます。
5.2.1. kubevirt-controller サービスアカウントに付与される追加の SCC
kubevirt-controller
サービスアカウントには追加の SCC および Linux 機能が付与され、これにより適切なパーミッションを持つ virt-launcher Pod を作成できます。これらの拡張パーミッションにより、仮想マシンは通常の Pod の範囲外の OpenShift Virtualization 機能を利用できます。
kubevirt-controller
サービスアカウントには以下の SCC が付与されます。
-
scc.AllowHostDirVolumePlugin = true
これは、仮想マシンが hostpath ボリュームプラグインを使用することを可能にします。 -
scc.AllowPrivilegedContainer = false
これは、virt-launcher Pod が権限付きコンテナーとして実行されないようにします。 -
scc.AllowedCapabilities = []corev1.Capability{"NET_ADMIN", "NET_RAW", "SYS_NICE"}
This provides the following additional Linux capabilitiesNET_ADMIN
,NET_RAW
, andSYS_NICE
.
5.2.2. kubevirt-controller の SCC および RBAC 定義の表示
oc
ツールを使用して kubevirt-controller
の SecurityContextConstraints
定義を表示できます。
$ oc get scc kubevirt-controller -o yaml
oc
ツールを使用して kubevirt-controller
クラスターロールの RBAC 定義を表示できます。
$ oc get clusterrole kubevirt-controller -o yaml
5.3. 関連情報
- Red Hat Enterprise Linux 仮想化のチューニングと最適化ガイドには、ネットワークマルチキュー と Huge Page についての詳細情報が記載されています。
-
capabilities
man ページには、Linux 機能についての詳細情報が記載されています。 -
sysfs(5)
man ページには、sysfs についての詳細情報が記載されています。 - OpenShift Container Platform 認証ガイドには、SCC (Security Context Constraints) についての詳細が記載されています。
第6章 CLI ツールの使用
クラスターでリソースを管理するために使用される 2 つの主な CLI ツールは以下の通りです。
-
OpenShift virtualization
virtctl
クライアント -
OpenShift Container Platform
oc
クライアント
6.1. 前提条件
-
virtctl
クライアントをインストール する必要があります。
6.2. Virtctl クライアントコマンド
virtctl
クライアントは、OpenShift Virtualization リソースを管理するためのコマンドラインユーティリティーです。以下の表には、OpenShift Virtualization のドキュメント全体で使用されている virtctl
コマンドが記載されています。
コマンドで使用できるオプションの一覧を表示するには、これを -h
または --help
フラグを指定して実行します。以下は例になります。
$ virtctl image-upload -h
表6.1 virtctl
クライアントコマンド
コマンド | 説明 |
---|---|
| 仮想マシンを起動します。 |
| 仮想マシンを停止します。 |
| 仮想マシンまたは仮想マシンインスタンスを一時停止します。マシンの状態がメモリーに保持されます。 |
| 仮想マシンまたは仮想マシンインスタンスの一時停止を解除します。 |
| 仮想マシンを移行します。 |
| 仮想マシンを再起動します。 |
| 仮想マシンまたは仮想マシンインスタンスの指定されたポートを転送するサービスを作成し、このサービスをノードの指定されたポートで公開します。 |
| 仮想マシンインスタンスのシリアルコンソールに接続します。 |
| 仮想マシンインスタンスへの VNC 接続を開きます。 |
| 仮想マシンイメージをすでに存在するデータボリュームにアップロードします。 |
| 仮想マシンイメージを新規データボリューム にアップロードします。 |
| クライアントおよびサーバーのバージョン情報を表示します。 |
|
|
| ゲストマシンで利用可能なファイルシステムの詳細な一覧を返します。 |
| オペレーティングシステムに関するゲストエージェント情報を返します。 |
| ゲストマシンでログインしているユーザーの詳細な一覧を返します。 |
6.3. OpenShift Container Platform クライアントコマンド
OpenShift Container Platform oc
クライアントは、VirtualMachine
(vm
) および VirtualMachineInstance
(vmi
) オブジェクトタイプを含む、OpenShift Container Platform リソースを管理するためのコマンドラインユーティリティーです。
-n <namespace>
フラグを使用して、別のプロジェクトを指定できます。
表6.2 oc
コマンド
コマンド | 説明 |
---|---|
|
OpenShift Container Platform クラスターに |
| 現在のプロジェクトの指定されたオブジェクトタイプのオブジェクトの一覧を表示します。 |
| 現在のプロジェクトで特定のリソースの詳細を表示します。 |
| 現在のプロジェクトで、ファイル名または標準入力 (stdin) からリソースを作成します。 |
| 現在のプロジェクトのリソースを編集します。 |
| 現在のプロジェクトのリソースを削除します。 |
oc
client コマンドについてのより総合的な情報については、OpenShift Container Platform CLI ツール のドキュメントを参照してください。
第7章 仮想マシン
7.1. 仮想マシンの作成
以下のいずれかの手順を使用して、仮想マシンを作成します。
- 仮想マシンウィザードの実行
- 仮想マシンウィザードによる事前に設定された YAML ファイルの貼り付け
- CLI の使用
- 仮想マシンウィザードによる VMware 仮想マシンまたはテンプレートのインポート
openshift-*
namespace に仮想マシンを作成しないでください。代わりに、openshift
接頭辞なしの新規 namespace を作成するか、または既存 namespace を使用します。
7.1.1. 仮想マシンウィザードの実行による仮想マシンの作成
Web コンソールは、General、 Networking、Storage、Advanced、および Review ステップに移動し、仮想マシンの作成プロセスを単純化するインタラクティブなウィザードを特長としています。すべての必須フィールドには *
のマークが付けられます。必要なフィールドが完了したら、仮想マシンを確認し、これを作成することができます。
Network Interface Controller (NIC) およびストレージディスクを作成し、それらの作成後に仮想マシンに割り当てることができます。
起動可能なディスク
URL
または Container
のいずれかが General ステップで Source として選択される場合、rootdisk
ディスクが作成され、Bootable Disk として仮想マシンに割り当てられます。rootdisk
を変更できますが、これを削除することはできません。
Bootable Disk は、仮想マシンにディスクが割り当てられていない場合、PXE ソースからプロビジョニングされる仮想マシンには不要です。1 つ以上のディスクが仮想マシンに割り当てられている場合、Bootable Disk を 1 つを選択する必要があります。
前提条件
- ウィザードを使用して仮想マシンを作成する場合、仮想マシンのストレージメディアは Read-Write-Many(RWX)PVC をサポートする必要があります。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- Create Virtual Machine をクリックし、New with Wizard を選択します。
- General ステップで必要なすべてのフィールドに入力します。Template を選択すると、これらのフィールドへの入力が自動的に行われます。
Next をクリックして Networking ステップに進みます。デフォルトで
nic0
NIC が割り当てられます。- オプション: Add Network Interface をクリックし、追加の NIC を作成します。
-
オプション: すべての NIC の削除は、Options メニュー
をクリックし、Delete を選択して実行できます。仮想マシンの作成において、NIC が割り当てられている必要はありません。NIC は仮想マシンの作成後に作成することができます。
Next をクリックして Storage 画面に進みます。
-
オプション: Add Disk をクリックして追加のディスクを作成します。これらのディスクの削除は、Options メニュー
をクリックし、Delete を選択して実行できます。
-
オプション: Options メニュー
をクリックし、ディスクを編集して変更内容を保存します。
-
オプション: Add Disk をクリックして追加のディスクを作成します。これらのディスクの削除は、Options メニュー
- Review and Create をクリックします。Results 画面には、仮想マシンの JSON 設定ファイルが表示されます。
仮想マシンは Virtual Machines タブに一覧表示されます。
Web コンソールウィザードを実行する際は、仮想マシンウィザードのフィールドを参照します。
7.1.1.1. 仮想マシンウィザードのフィールド
名前 | パラメーター | 説明 |
---|---|---|
Template | 仮想マシンの作成に使用するテンプレート。テンプレートを選択すると、他のフィールドが自動的に入力されます。 | |
ソース | PXE | PXE メニューから仮想マシンをプロビジョニングします。クラスターに PXE 対応の NIC が必要になります。 |
URL | HTTP または S3 エンドポイントで利用できるイメージから仮想マシンをプロビジョニングします。 | |
コンテナー |
クラスターからアクセスできるレジストリーの起動可能なオペレーティングシステムコンテナーから仮想マシンをプロビジョニングします。例: | |
Disk | ディスクから仮想マシンをプロビジョニングします。 | |
Operating System | 仮想マシン用に選択される主なオペレーティングシステム。 | |
Flavor | small、medium、large、tiny、Custom | 仮想マシンに割り当てられる CPU およびメモリーの量を決定するプリセット。Flavor に設定される Preset はオペレーティングシステムによって決まります。 |
Memory | 仮想マシンに割り当てられるメモリーのサイズ (GiB 単位)。 | |
CPU | 仮想マシンに割り当てられる CPU の量。 | |
Workload Profile | High Performance | 高パフォーマンスのワークロードに対して最適化された仮想マシン設定。 |
Server | サーバーワークロードの実行に最適化されたプロファイル。 | |
Desktop | デスクトップで使用するための仮想マシン設定。 | |
名前 |
この名前には、小文字 ( | |
説明 | オプションの説明フィールド。 | |
Start virtual machine on creation | これを選択すると、作成時に仮想マシンが自動的に起動します。 |
7.1.1.2. Cloud-init フィールド
名前 | 説明 |
---|---|
Hostname | 仮想マシンの特定のホスト名を設定します。 |
Authenticated SSH Keys | 仮想マシンの ~/.ssh/authorized_keys にコピーされるユーザーの公開鍵。 |
カスタムスクリプト | 他のオプションを、カスタム cloud-init スクリプトを貼り付けるフィールドに置き換えます。 |
7.1.1.3. CD-ROM フィールド
ソース | 説明 |
---|---|
Container |
コンテナーのパスを指定します。例: |
URL | URL パスおよびサイズ (GiB 単位) を指定します。次に、ドロップダウンリストからこの URL のストレージクラスを選択します。 |
Attach Disk | 割り当てる仮想マシンディスクを選択します。 |
7.1.1.4. ネットワークフィールド
名前 | 説明 |
---|---|
名前 | ネットワークインターフェイスコントローラーの名前。 |
モデル | ネットワークインターフェイスコントローラーのモデルを示します。サポートされる値は e1000e および virtio です。 |
ネットワーク | 利用可能なネットワーク接続定義の一覧。 |
Type |
利用可能なバインディングメソッドの一覧。デフォルトの Pod ネットワークについては、 |
MAC Address | ネットワークインターフェイスコントローラーの MAC アドレス。MAC アドレスが指定されていない場合、これは自動的に割り当てられます。 |
7.1.1.5. ストレージフィールド
名前 | 説明 |
---|---|
ソース | 仮想マシンの空のディスクを選択するか、または URL、Container、Attach Cloned Disk、または Attach Disk などの選択可能なオプションから選択します。既存ディスクを選択し、これを仮想マシンに割り当てるには、利用可能な Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) の一覧から Attach Cloned Disk または Attach Disk を選択します。 |
名前 |
ディスクの名前。この名前には、小文字 ( |
Size (GiB) | ディスクのサイズ (GiB)。 |
Interface | ディスクデバイスのタイプ。サポートされるインターフェイスは、virtIO、SATA、および SCSI です。 |
Storage Class | ディスクの作成に使用されるストレージクラス。 |
Advanced → Volume Mode | 永続ボリュームがフォーマットされたファイルシステムまたは raw ブロック状態を使用するかどうかを定義します。デフォルトは Filesystem です。 |
Advanced → Access Mode | 永続ボリュームのアクセスモード。サポートされるアクセスモードは ReadWriteOnce、ReadOnlyMany、および ReadWriteMany です。 |
ストレージの詳細設定
以下のストレージの詳細設定は、Blank、Import via URLURL、および Clone existing PVC ディスクで利用できます。これらのパラメーターはオプションです。これらのパラメーターを指定しない場合、システムは kubevirt-storage-class-defaults
設定マップのデフォルト値を使用します。
名前 | パラメーター | 説明 |
---|---|---|
ボリュームモード | Filesystem | ファイルシステムベースのボリュームで仮想ディスクを保存します。 |
Block |
ブロックボリュームで仮想ディスクを直接保存します。基礎となるストレージがサポートしている場合は、 | |
アクセスモード | Single User (RWO) | ディスクは単一ノードで読み取り/書き込みとしてマウントできます。 |
Shared Access (RWX) | ディスクは数多くのノードで読み取り/書き込みとしてマウントできます。 注記 これは、ノード間の仮想マシンのライブマイグレーションなどの、一部の機能で必要になります。 | |
Read Only (ROX) | ディスクは数多くのノードで読み取り専用としてマウントできます。 |
kubevirt-storage-class-defaults
設定マップについての詳細は、データボリュームのストレージのデフォルト について参照してください。
7.1.1.6. 仮想マシンウィザードの作成用の事前に設定された YAML ファイルの貼り付け
YAML 設定ファイルを作成し、解析して仮想マシンを作成します。YAML 編集画面を開くと、常に有効な example
仮想マシン設定がデフォルトで提供されます。
Create をクリックする際に YAML 設定が無効な場合、エラーメッセージでエラーが発生したパラメーターが示唆されます。エラーは一度に 1 つのみ表示されます。
編集中に YAML 画面から離れると、設定に対して加えた変更が取り消されます。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- Create Virtual Machine をクリックし、New from YAML を選択します。
編集可能なウィンドウで仮想マシンの設定を作成するか、またはこれを貼り付けます。
-
または、YAML 画面にデフォルトで提供される
example
仮想マシンを使用します。
-
または、YAML 画面にデフォルトで提供される
- オプション: Download をクリックして YAML 設定ファイルをその現在の状態でダウンロードします。
- Create をクリックして仮想マシンを作成します。
仮想マシンは Virtual Machines タブに一覧表示されます。
7.1.2. CLI の使用による仮想マシンの作成
virtualMachine
マニフェストから仮想マシンを作成できます。
手順
仮想マシンの
VirtualMachine
マニフェストを編集します。たとえば、次のマニフェストは Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 仮想マシンを設定します。例7.1 RHEL 仮想マシンのマニフェストの例
apiVersion: kubevirt.io/v1 kind: VirtualMachine metadata: labels: app: <vm_name> 1 name: <vm_name> spec: dataVolumeTemplates: - apiVersion: cdi.kubevirt.io/v1beta1 kind: DataVolume metadata: name: <vm_name> spec: sourceRef: kind: DataSource name: rhel9 namespace: openshift-virtualization-os-images storage: resources: requests: storage: 30Gi running: false template: metadata: labels: kubevirt.io/domain: <vm_name> spec: domain: cpu: cores: 1 sockets: 2 threads: 1 devices: disks: - disk: bus: virtio name: rootdisk - disk: bus: virtio name: cloudinitdisk interfaces: - masquerade: {} name: default rng: {} features: smm: enabled: true firmware: bootloader: efi: {} resources: requests: memory: 8Gi evictionStrategy: LiveMigrate networks: - name: default pod: {} volumes: - dataVolume: name: <vm_name> name: rootdisk - cloudInitNoCloud: userData: |- #cloud-config user: cloud-user password: '<password>' 2 chpasswd: { expire: False } name: cloudinitdisk
マニフェストファイルを使用して仮想マシンを作成します。
$ oc create -f <vm_manifest_file>.yaml
オプション: 仮想マシンを開始します。
$ virtctl start <vm_name>
7.1.3. 仮想マシンのストレージボリュームタイプ
ストレージボリュームタイプ | 説明 |
---|---|
ephemeral | ネットワークボリュームを読み取り専用のバッキングストアとして使用するローカルの copy-on-write (COW) イメージ。バッキングボリュームは PersistentVolumeClaim である必要があります。一時イメージは仮想マシンの起動時に作成され、すべての書き込みをローカルに保存します。一時イメージは、仮想マシンの停止、再起動または削除時に破棄されます。バッキングボリューム (PVC) はいずれの方法でも変更されません。 |
persistentVolumeClaim | 利用可能な PV を仮想マシンに割り当てます。PV の割り当てにより、仮想マシンデータのセッション間での永続化が可能になります。 CDI を使用して既存の仮想マシンディスクを PVC にインポートし、PVC を仮想マシンインスタンスに割り当てる方法は、既存の仮想マシンを OpenShift Container Platform にインポートするための推奨される方法です。ディスクを PVC 内で使用できるようにするためのいくつかの要件があります。 |
dataVolume |
データボリュームは、インポート、クローンまたはアップロード操作で仮想マシンディスクの準備プロセスを管理することによって
|
cloudInitNoCloud | 参照される cloud-init NoCloud データソースが含まれるディスクを割り当て、ユーザーデータおよびメタデータを仮想マシンに提供します。cloud-init インストールは仮想マシンディスク内で必要になります。 |
containerDisk | コンテナーイメージレジストリーに保存される、仮想マシンディスクなどのイメージを参照します。イメージはレジストリーからプルされ、仮想マシンの起動時にディスクとして仮想マシンに割り当てられます。
RAW および QCOW2 形式のみがコンテナーイメージレジストリーのサポートされるディスクタイプです。QCOW2 は、縮小されたイメージサイズの場合に推奨されます。 注記
|
emptyDisk | 仮想マシンインターフェイスのライフサイクルに関連付けられるスパースの QCOW2 ディスクを追加で作成します。データは仮想マシンのゲストによって実行される再起動後も存続しますが、仮想マシンが Web コンソールから停止または再起動する場合には破棄されます。空のディスクは、アプリケーションの依存関係および一時ディスクの一時ファイルシステムの制限を上回るデータを保存するために使用されます。 ディスク 容量 サイズも指定する必要があります。 |
7.1.4. 仮想マシンの RunStrategy について
仮想マシンの RunStrategy
は、一連の条件に応じて仮想マシンインスタンス (VMI) の動作を判別します。spec.runStrategy
設定は、spec.running
設定の代わりに仮想マシン設定プロセスに存在します。spec.runStrategy
設定を使用すると、true
または false
の応答のみを伴う spec.running
設定とは対照的に、VMI の作成および管理をより柔軟に行えます。ただし、2 つの設定は相互排他的です。spec.running
または spec.runStrategy
のいずれかを使用できます。両方を使用する場合は、エラーが発生します。
4 つ RunStrategy が定義されています。
Always
-
VMI は仮想マシンの作成時に常に表示されます。元の VMI が何らかの理由で停止する場合に、新規の VMI が作成されます。これは
spec.running: true
と同じ動作です。 RerunOnFailure
- 前のインスタンスがエラーが原因で失敗する場合は、VMI が再作成されます。インスタンスは、仮想マシンが正常に停止する場合 (シャットダウン時など) には再作成されません。
Manual
(手動)-
start
、stop
、およびrestart
virtctl クライアントコマンドは、 VMI の状態および存在を制御するために使用できます。 Halted
-
仮想マシンが作成される際に VMI は存在しません。これは
spec.running: false
と同じ動作です。
start
、stop
、および restart
の virtctl コマンドの各種の組み合わせは、どの RunStrategy
が使用されるかに影響を与えます。
以下の表は、仮想マシンの各種の状態からの移行について示しています。最初の列には、仮想マシンの初期の RunStrategy
が表示されます。それぞれの追加の列には、virtctl コマンドと、このコマンド実行後の新規 RunStrategy
が表示されます。
初期 RunStrategy | start | stop | restart |
---|---|---|---|
Always | - | Halted | Always |
RerunOnFailure | - | Halted | RerunOnFailure |
Manual | Manual | Manual | Manual |
Halted | Always | - | - |
インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーを使用してインストールされた OpenShift Virtualization クラスターでは、ノードで MachineHealthCheck に失敗し、クラスターで利用できなくなると、RunStrategy が Always
または RerunOnFailure
の仮想マシンが新規ノードで再スケジュールされます。
apiVersion: kubevirt.io/v1alpha3
kind: VirtualMachine
spec:
RunStrategy: Always 1
template:
...
- 1
- VMI の現在の
RunStrategy
設定。
7.1.5. 関連情報
KubeVirt v0.34.1 API リファレンス の
VirtualMachineSpec
定義は、仮想マシン仕様のパラメーターおよび階層のより範囲の広いコンテキストを提供します。注記KubeVirt API リファレンスはアップストリームのプロジェクトリファレンスであり、OpenShift Virtualization でサポートされていないパラメーターが含まれる場合があります。
-
コンテナーディスクを準備 してから、これを
containerDisk
ボリュームとして仮想マシンに追加します。 - マシンヘルスチェックのデプロイおよび有効化についての詳細は、Deploying machine health checks を参照してください。
- インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーについての詳細は、Installer-provisioned infrastructure overview を参照してください。
7.2. 仮想マシンの編集
Web コンソールの YAML エディターまたはコマンドラインの OpenShift クライアントのいずれかを使用して、仮想マシン設定を更新できます。Web コンソールの Virtual Machine Overview でパラメーターのサブセットを更新することもできます。
7.2.1. Web コンソールでの仮想マシンの編集
関連するフィールドの横にある鉛筆アイコンをクリックして、Web コンソールの Virtual Machine Overview 画面で仮想マシンの選択する値 (select values) を編集します。他の値は、CLI を使用して編集できます。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 仮想マシンを選択して、Virtual Machine Overview 画面を開きます。
- Details タブをクリックします。
- 鉛筆アイコンをクリックして、フィールドを編集可能にします。
- 関連する変更を加え、Save をクリックします。
仮想マシンが実行されている場合、Boot Order または Flavor への変更は仮想マシンを再起動するまで反映されません。
関連するフィールドの右側にある View Pending Changes をクリックして、保留中の変更を表示できます。ページ上部の Pending Changes バナーには、仮想マシンの再起動時に適用されるすべての変更の一覧が表示されます。
7.2.2. Web コンソールを使用した仮想マシンの YAML 設定の編集
Web コンソールを使用して、仮想マシンの YAML 設定を編集します。
すべてのパラメーターを更新できる訳ではありません。変更不可の値を編集し、Save をクリックすると、更新できなかったパラメーターを示すエラーメッセージが出されます。
YAML 設定は、仮想マシンが Running の場合に編集できますが、変更は仮想マシンが停止され、再度起動された後にのみ有効になります。
編集中に YAML 画面から離れると、設定に対して加えた変更が取り消されます。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 仮想マシンを選択して、Virtual Machine Overview 画面を開きます。
- YAML タブをクリックして編集可能な設定を表示します。
- オプション: Download をクリックして YAML ファイルをその現在の状態でローカルにダウンロードできます。
- ファイルを編集し、Save をクリックします。
オブジェクトの更新されたバージョン番号を含む、変更が正常に行われたことを示す確認メッセージが表示されます。
7.2.3. CLI を使用した仮想マシン YAML 設定の編集
以下の手順を使用し、CLI を使用して仮想マシン YAML 設定を編集します。
前提条件
- YAML オブジェクト設定ファイルを使って仮想マシンを設定していること。
-
oc
CLI をインストールしていること。
手順
以下のコマンドを実行して、仮想マシン設定を更新します。
$ oc edit <object_type> <object_ID>
- オブジェクト設定を開きます。
- YAML を編集します。
実行中の仮想マシンを編集する場合は、以下のいずれかを実行する必要があります。
- 仮想マシンを再起動します。
新規の設定を有効にするために、以下のコマンドを実行します。
$ oc apply <object_type> <object_ID>
7.2.4. 仮想マシンへの仮想ディスクの追加
以下の手順を使用して仮想ディスクを仮想マシンに追加します。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 仮想マシンを選択して、Virtual Machine Overview 画面を開きます。
- Disks タブをクリックします。
- Add Disks をクリックして、 Add Disk ウィンドウを開きます。
Add Disk ウィンドウで、Source、 Name、Size、Interface、Type、および Storage Class を指定します。
-
オプション: Advanced 一覧で、仮想ディスクの Volume Mode および Access Mode を指定します。これらのパラメーターを指定しない場合、システムは
kubevirt-storage-class-defaults
設定マップのデフォルト値を使用します。
-
オプション: Advanced 一覧で、仮想ディスクの Volume Mode および Access Mode を指定します。これらのパラメーターを指定しない場合、システムは
- Add をクリックします。
仮想マシンが実行中の場合、新規ディスクは pending restart 状態にあり、仮想マシンを再起動するまで割り当てられません。
ページ上部の Pending Changes バナーには、仮想マシンの再起動時に適用されるすべての変更の一覧が表示されます。
kubevirt-storage-class-defaults
設定マップについての詳細は、データボリュームのストレージのデフォルト について参照してください。
7.2.4.1. ストレージフィールド
名前 | 説明 |
---|---|
ソース | 仮想マシンの空のディスクを選択するか、または URL、Container、Attach Cloned Disk、または Attach Disk などの選択可能なオプションから選択します。既存ディスクを選択し、これを仮想マシンに割り当てるには、利用可能な Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) の一覧から Attach Cloned Disk または Attach Disk を選択します。 |
名前 |
ディスクの名前。この名前には、小文字 ( |
Size (GiB) | ディスクのサイズ (GiB)。 |
Interface | ディスクデバイスのタイプ。サポートされるインターフェイスは、virtIO、SATA、および SCSI です。 |
Storage Class | ディスクの作成に使用されるストレージクラス。 |
Advanced → Volume Mode | 永続ボリュームがフォーマットされたファイルシステムまたは raw ブロック状態を使用するかどうかを定義します。デフォルトは Filesystem です。 |
Advanced → Access Mode | 永続ボリュームのアクセスモード。サポートされるアクセスモードは ReadWriteOnce、ReadOnlyMany、および ReadWriteMany です。 |
ストレージの詳細設定
以下のストレージの詳細設定は、Blank、Import via URLURL、および Clone existing PVC ディスクで利用できます。これらのパラメーターはオプションです。これらのパラメーターを指定しない場合、システムは kubevirt-storage-class-defaults
設定マップのデフォルト値を使用します。
名前 | パラメーター | 説明 |
---|---|---|
ボリュームモード | Filesystem | ファイルシステムベースのボリュームで仮想ディスクを保存します。 |
Block |
ブロックボリュームで仮想ディスクを直接保存します。基礎となるストレージがサポートしている場合は、 | |
アクセスモード | Single User (RWO) | ディスクは単一ノードで読み取り/書き込みとしてマウントできます。 |
Shared Access (RWX) | ディスクは数多くのノードで読み取り/書き込みとしてマウントできます。 注記 これは、ノード間の仮想マシンのライブマイグレーションなどの、一部の機能で必要になります。 | |
Read Only (ROX) | ディスクは数多くのノードで読み取り専用としてマウントできます。 |
7.2.5. 仮想マシンへのネットワークインターフェイスの追加
以下の手順を使用してネットワークインターフェイスを仮想マシンに追加します。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 仮想マシンを選択して、Virtual Machine Overview 画面を開きます。
- Network Interfaces タブをクリックします。
- Add Network Interface をクリックします。
- Add Network Interface ウィンドウで、ネットワークインターフェイスの Name、Model、Network、 Type、および MAC Address を指定します。
- Add をクリックします。
仮想マシンが実行中の場合、新規ネットワークインターフェイスは pending restart 状態にあり、仮想マシンを再起動するまで変更は反映されません。
ページ上部の Pending Changes バナーには、仮想マシンの再起動時に適用されるすべての変更の一覧が表示されます。
7.2.5.1. ネットワークフィールド
名前 | 説明 |
---|---|
名前 | ネットワークインターフェイスコントローラーの名前。 |
モデル | ネットワークインターフェイスコントローラーのモデルを示します。サポートされる値は e1000e および virtio です。 |
ネットワーク | 利用可能なネットワーク接続定義の一覧。 |
Type |
利用可能なバインディングメソッドの一覧。デフォルトの Pod ネットワークについては、 |
MAC Address | ネットワークインターフェイスコントローラーの MAC アドレス。MAC アドレスが指定されていない場合、これは自動的に割り当てられます。 |
7.2.6. 仮想マシンの CD-ROM の編集
以下の手順を使用して、仮想マシンの CD-ROM を設定します。
手順
- Virtual Machines タブで、仮想マシンを選択します。
- Overview タブを選択します。
CD-ROM 設定を追加または編集するには、CD-ROMs ラベルの右側にある鉛筆アイコンをクリックします。Edit CD-ROM ウィンドウが開きます。
- CD-ROM が編集できない場合、以下のメッセージが表示されます: The virtual machine doesn't have any CD-ROMs attached.
- 利用可能な CD-ROM がある場合は、- をクリックして CD-ROM を削除できます。
Edit CD-ROM ウィンドウで、以下を実行します。
- Media Type のドロップダウンリストから CD-ROM 設定のタイプを選択します。CD-ROM 設定タイプは Container、URL、および Persistent Volume Claim です。
- それぞれの Type に必要な情報を入力します。
- すべての CD-ROM が追加されたら、Save をクリックします。
7.3. ブート順序の編集
Web コンソールまたは CLI を使用して、ブート順序リストの値を更新できます。
Virtual Machine Overview ページの Boot Order で、以下を実行できます。
- ディスクまたはネットワークインターフェイスコントローラー (NIC) を選択し、これをブート順序の一覧に追加します。
- ブート順序の一覧でディスクまたは NIC の順序を編集します。
- ブート順序の一覧からディスクまたは NIC を削除して、起動可能なソースのインベントリーに戻します。
7.3.1. Web コンソールでのブート順序一覧への項目の追加
Web コンソールを使用して、ブート順序一覧に項目を追加します。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 仮想マシンを選択して、Virtual Machine Overview 画面を開きます。
- Details タブをクリックします。
- Boot Order の右側にある鉛筆アイコンをクリックします。YAML 設定が存在しない場合や、これがブート順序一覧の初回作成時の場合、以下のメッセージが表示されます。No resource selected.仮想マシンは、YAML ファイルでの出現順にディスクからの起動を試行します。
- Add Source をクリックして、仮想マシンのブート可能なディスクまたはネットワークインターフェイスコントローラー (NIC) を選択します。
- 追加のディスクまたは NIC をブート順序一覧に追加します。
- Save をクリックします。
仮想マシンが実行されている場合、Boot Order への変更は仮想マシンを再起動するまで反映されません。
Boot Order フィールドの右側にある View Pending Changes をクリックして、保留中の変更を表示できます。ページ上部の Pending Changes バナーには、仮想マシンの再起動時に適用されるすべての変更の一覧が表示されます。
7.3.2. Web コンソールでのブート順序一覧の編集
Web コンソールで起動順序一覧を編集します。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 仮想マシンを選択して、Virtual Machine Overview 画面を開きます。
- Details タブをクリックします。
- Boot Order の右側にある鉛筆アイコンをクリックします。
ブート順序一覧で項目を移動するのに適した方法を選択します。
- スクリーンリーダーを使用しない場合、移動する項目の横にある矢印アイコンにカーソルを合わせ、項目を上下にドラッグし、選択した場所にドロップします。
- スクリーンリーダーを使用する場合は、上矢印キーまたは下矢印を押して、ブート順序一覧で項目を移動します。次に Tab キーを押して、選択した場所に項目をドロップします。
- Save をクリックします。
仮想マシンが実行されている場合、ブート順序の変更は仮想マシンが再起動されるまで反映されません。
Boot Order フィールドの右側にある View Pending Changes をクリックして、保留中の変更を表示できます。ページ上部の Pending Changes バナーには、仮想マシンの再起動時に適用されるすべての変更の一覧が表示されます。
7.3.3. YAML 設定ファイルでのブート順序一覧の編集
CLI を使用して、YAML 設定ファイルのブート順序の一覧を編集します。
手順
以下のコマンドを実行して、仮想マシンの YAML 設定ファイルを開きます。
$ oc edit vm example
YAML ファイルを編集し、ディスクまたはネットワークインターフェイスコントローラー (NIC) に関連付けられたブート順序の値を変更します。以下に例を示します。
disks: - bootOrder: 1 1 disk: bus: virtio name: containerdisk - disk: bus: virtio name: cloudinitdisk - cdrom: bus: virtio name: cd-drive-1 interfaces: - boot Order: 2 2 macAddress: '02:96:c4:00:00' masquerade: {} name: default
- YAML ファイルを保存します。
- reload the content をクリックして、Web コンソールで YAML ファイルの更新されたブート順序の値をブート順序一覧に適用します。
7.3.4. Web コンソールでのブート順序一覧からの項目の削除
Web コンソールを使用して、ブート順序の一覧から項目を削除します。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 仮想マシンを選択して、Virtual Machine Overview 画面を開きます。
- Details タブをクリックします。
- Boot Order の右側にある鉛筆アイコンをクリックします。
-
項目の横にある Remove アイコン
をクリックします。この項目はブート順序の一覧から削除され、利用可能なブートソースの一覧に保存されます。ブート順序一覧からすべての項目を削除する場合、以下のメッセージが表示されます。No resource selected.仮想マシンは、YAML ファイルでの出現順にディスクからの起動を試行します。
仮想マシンが実行されている場合、Boot Order への変更は仮想マシンを再起動するまで反映されません。
Boot Order フィールドの右側にある View Pending Changes をクリックして、保留中の変更を表示できます。ページ上部の Pending Changes バナーには、仮想マシンの再起動時に適用されるすべての変更の一覧が表示されます。
7.4. 仮想マシンの削除
Web コンソールまたは oc
コマンドラインインターフェイスを使用して、仮想マシンを削除できます。
7.4.1. Web コンソールの使用による仮想マシンの削除
仮想マシンを削除すると、仮想マシンはクラスターから永続的に削除されます。
仮想マシンを削除する際に、これが使用するデータボリュームは自動的に削除されます。
手順
- OpenShift Virtualization コンソールのサイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
削除する仮想マシンの ⋮ ボタンをクリックして Delete Virtual Machine を選択します。
- または、仮想マシン名をクリックして Virtual Machine Overview 画面を開き、Actions → Delete Virtual Machine をクリックします。
- 確認のポップアップウィンドウで、Delete をクリックし、仮想マシンを永続的に削除します。
7.4.2. CLI の使用による仮想マシンの削除
oc
コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して仮想マシンを削除できます。oc
クライアントを使用すると、複数の仮想マシンで各種のアクションを実行できます。
仮想マシンを削除する際に、これが使用するデータボリュームは自動的に削除されます。
前提条件
- 削除する仮想マシンの名前を特定すること。
手順
以下のコマンドを実行し、仮想マシンを削除します。
$ oc delete vm <vm_name>
注記このコマンドは、現在のプロジェクトに存在するオブジェクトのみを削除します。削除する必要のあるオブジェクトが別のプロジェクトまたは namespace にある場合、
-n <project_name>
オプションを指定します。
7.5. 仮想マシンインスタンスの管理
OpenShift Virtualization 環境外に独立して作成されたスタンドアロンの仮想マシンインスタンス (VMI) がある場合、Web コンソールまたはコマンドラインインターフェイス (CLI) を使用してこれらを管理できます。
7.5.1. 仮想マシンインスタンスについて
仮想マシンインスタンス (VMI) は、実行中の仮想マシンを表します。VMI が仮想マシンまたは別のオブジェクトによって所有されている場合、Web コンソールで、または oc
コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用し、所有者を通してこれを管理します。
スタンドアロンの VMI は、自動化または CLI で他の方法により、スクリプトを使用して独立して作成され、起動します。お使いの環境では、OpenShift Virtualization 環境外で開発され、起動されたスタンドアロンの VMI が存在する可能性があります。CLI を使用すると、引き続きそれらのスタンドアロン VMI を管理できます。スタンドアロン VMI に関連付けられた特定のタスクに Web コンソールを使用することもできます。
- スタンドアロン VMI とそれらの詳細を一覧表示します。
- スタンドアロン VMI のラベルとアノテーションを編集します。
- スタンドアロン VMI を削除します。
仮想マシンを削除する際に、関連付けられた VMI は自動的に削除されます。仮想マシンまたは他のオブジェクトによって所有されていないため、スタンドアロン VMI を直接削除します。
OpenShift Virtualization をアンインストールする前に、CLI または Web コンソールを使用してスタンドアロンの VMI の一覧を表示します。次に、未処理の VMI を削除します。
7.5.2. CLI を使用した仮想マシンインスタンスの一覧表示
oc
コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、スタンドアロンおよび仮想マシンによって所有されている VMI を含むすべての仮想マシンの一覧を表示できます。
手順
以下のコマンドを実行して、すべての VMI の一覧を表示します。
$ oc get vmis
7.5.3. Web コンソールを使用したスタンドアロン仮想マシンインスタンスの一覧表示
Web コンソールを使用して、仮想マシンによって所有されていないクラスター内のスタンドアロンの仮想マシンインスタンス (VMI) の一覧を表示できます。
仮想マシンまたは他のオブジェクトが所有する VMI は、Web コンソールには表示されません。Web コンソールは、スタンドアロンの VMI のみを表示します。クラスター内のすべての VMI を一覧表示するには、CLI を使用する必要があります。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。仮想マシンおよびスタンドアロン VMI の一覧が表示されます。スタンドアロン VMI は、仮想マシンインスタンス名の横に表示される暗い配色のバッジで特定できます。
7.5.4. Web コンソールを使用したスタンドアロン仮想マシンインスタンスの編集
Web コンソールを使用して、スタンドアロン仮想マシンインスタンスのアノテーションおよびラベルを編集できます。スタンドアロン VMI の Details ページに表示される他の項目は編集できません。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。仮想マシン (VM) およびスタンドアロン VMI の一覧が表示されます。
- スタンドアロン VMI の名前をクリックして、 Virtual Machine Instance Overview 画面を開きます。
- Details タブをクリックします。
- Annotations の右側にある鉛筆アイコンをクリックします。
- 関連する変更を加え、Save をクリックします。
スタンドアロン VMI のラベルを編集するには、Actions をクリックして、Edit Labels を選択します。関連する変更を加え、Save をクリックします。
7.5.5. CLI を使用したスタンドアロン仮想マシンインスタンスの削除
oc
コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用してスタンドアロン仮想マシンインスタンス (VMI) を削除できます。
前提条件
- 削除する必要のある VMI の名前を特定すること。
手順
以下のコマンドを実行して VMI を削除します。
$ oc delete vmi <vmi_name>
7.5.6. Web コンソールを使用したスタンドアロン仮想マシンインスタンスの削除
Web コンソールからスタンドアロン仮想マシンインスタンス (VMI) を削除します。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールで、サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
削除する必要のあるスタンドアロン仮想マシンインスタンス (VMI) の ⋮ ボタンをクリックし、 Delete Virtual Machine Instance を選択します。
- または、スタンドアロン VMI の名前をクリックします。Virtual Machine Instance Overview ページが表示されます。
- Actions → Delete Virtual Machine Instance を選択します。
- 確認のポップアップウィンドウで、Delete をクリックし、スタンドアロン VMI を永続的に削除します。
7.6. 仮想マシンの状態の制御
Web コンソールから仮想マシンを停止し、起動し、再起動し、一時停止を解除することができます。
コマンドラインインターフェイス (CLI) から仮想マシンを制御するには、virtctl
クライアント を使用します。
7.6.1. 仮想マシンの起動
Web コンソールから仮想マシンを起動できます。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 起動する仮想マシンが含まれる行を見つけます。
ユースケースに適したメニューに移動します。
複数の仮想マシンでのアクションの実行が可能なこのページに留まるには、以下を実行します。
-
行の右端にある Options メニュー
をクリックします。
-
行の右端にある Options メニュー
選択した仮想マシンを起動する前に、その仮想マシンの総合的な情報を表示するには、以下を実行します。
- 仮想マシンの名前をクリックして、Virtual Machine Overview ページにアクセスします。
- Actions をクリックします。
- Start Virtual Machine を選択します。
- 確認ウィンドウで Start をクリックし、仮想マシンを起動します。
URL
ソースからプロビジョニングされる仮想マシンの初回起動時に、OpenShift Virtualization が URL エンドポイントからコンテナーをインポートする間、仮想マシンの状態は Importing になります。このプロセスは、イメージのサイズによって数分の時間がかかる可能性があります。
7.6.2. 仮想マシンの再起動
Web コンソールから実行中の仮想マシンを再起動できます。
エラーを回避するには、ステータスが Importing の仮想マシンは再起動しないでください。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 再起動する仮想マシンが含まれる行を見つけます。
ユースケースに適したメニューに移動します。
複数の仮想マシンでのアクションの実行が可能なこのページに留まるには、以下を実行します。
-
行の右端にある Options メニュー
をクリックします。
-
行の右端にある Options メニュー
選択した仮想マシンを再起動する前に、その仮想マシンの総合的な情報を表示するには、以下を実行します。
- 仮想マシンの名前をクリックして、Virtual Machine Overview ページにアクセスします。
- Actions をクリックします。
- Restart Virtual Machine を選択します。
- 確認ウィンドウで Restart をクリックし、仮想マシンを再起動します。
7.6.3. 仮想マシンの停止
Web コンソールから仮想マシンを停止できます。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 停止する仮想マシンが含まれる行を見つけます。
ユースケースに適したメニューに移動します。
複数の仮想マシンでのアクションの実行が可能なこのページに留まるには、以下を実行します。
-
行の右端にある Options メニュー
をクリックします。
-
行の右端にある Options メニュー
選択した仮想マシンを停止する前に、その仮想マシンの総合的な情報を表示するには、以下を実行します。
- 仮想マシンの名前をクリックして、Virtual Machine Overview ページにアクセスします。
- Actions をクリックします。
- Stop Virtual Machine を選択します。
- 確認ウィンドウで Stop をクリックし、仮想マシンを停止します。
7.6.4. 仮想マシンの一時停止の解除
Web コンソールから仮想マシンの一時停止を解除できます。
前提条件
1 つ以上の仮想マシンのステータスが Paused である必要がある。
注記virtctl
クライアントを使用して仮想マシンを一時停止することができます。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 一時停止を解除する仮想マシンが含まれる行を見つけます。
ユースケースに適したメニューに移動します。
複数の仮想マシンでのアクションの実行が可能なこのページに留まるには、以下を実行します。
- Status 列で、Paused をクリックします。
選択した仮想マシンの一時停止を解除する前に、その仮想マシンの総合的な情報を表示するには、以下を実行します。
- 仮想マシンの名前をクリックして、Virtual Machine Overview ページにアクセスします。
- Status の右側にある鉛筆アイコンをクリックします。
- 確認ウィンドウで Stop をクリックし、仮想マシンの一時停止を解除します。
7.7. 仮想マシンコンソールへのアクセス
OpenShift Virtualization は、異なる製品タスクを実現するために使用できる異なる仮想マシンコンソールを提供します。これらのコンソールには、OpenShift Container Platform Web コンソールから、また CLI コマンドを使用してアクセスできます。
7.7.1. OpenShift Container Platform Web コンソールでの仮想マシンコンソールへのアクセス
OpenShift Container Platform Web コンソールでシリアルコンソールまたは VNC コンソールを使用して、仮想マシンに接続できます。
OpenShift Container Platform Web コンソールで、RDP (リモートデスクトッププロトコル) を使用するデスクトップビューアーコンソールを使用して、Windows 仮想マシンに接続できます。
7.7.1.1. シリアルコンソールへの接続
Web コンソールの Virtual Machine Overview 画面の Consoles タブから、実行中の仮想マシンのコンソールに接続します。
手順
- OpenShift Virtualization コンソールのサイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 仮想マシンを選択して、Virtual Machine Overview ページを開きます。
- Consoles をクリックします。VNC コンソールがデフォルトで開きます。
- 一度に 1 つのコンソールセッションのみが開かれるようにするには、Disconnect before switching を選択します。それ以外の場合、VNC コンソール セッションはバックグラウンドでアクティブなままになります。
- VNC Console ドロップダウンリストをクリックし、Serial Console を選択します。
- Disconnect をクリックして、コンソールセッションを終了します。
- オプション: Open Console in New Window をクリックして、別のウィンドウでシリアルコンソールを開きます。
7.7.1.2. VNC コンソールへの接続
Web コンソールの Virtual Machine Overview 画面の Console タブから実行中の仮想マシンの VNC コンソールに接続します。
手順
- OpenShift Virtualization コンソールのサイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 仮想マシンを選択して、Virtual Machine Overview ページを開きます。
- Console タブをクリックします。VNC コンソールがデフォルトで開きます。
- オプション: Open Console in New Window をクリックして、別のウィンドウで VNC コンソールを開きます。
- オプション: Send Key をクリックして、キーの組み合わせを仮想マシンに送信します。
7.7.1.3. RDP を使用した Windows 仮想マシンへの接続
Remote Desktop Protocol (RDP) を使用するデスクトップビューアーコンソールは、Windows 仮想マシンに接続するためのより使いやすいコンソールを提供します。
RDP を使用して Windows 仮想マシンに接続するには、Web コンソールの Virtual Machine Details 画面の Consoles タブから仮想マシンの console.rdp
ファイルをダウンロードし、これを優先する RDP クライアントに指定します。
前提条件
-
QEMU ゲストエージェントがインストールされた実行中の Windows 仮想マシン。
qemu-guest-agent
は VirtIO ドライバーに含まれています。 - 仮想マシンに接続された layer-2 NIC。
- Windows 仮想マシンと同じネットワーク上のマシンにインストールされた RDP クライアント。
手順
- OpenShift Virtualization コンソールのサイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- Windows 仮想マシンを選択して、Virtual Machine Overview 画面を開きます。
- Console タブをクリックします。
- Console 一覧で、Desktop Viewer を選択します。
- Network Interface 一覧で、 layer-2 NIC を選択します。
-
Launch Remote Desktop をクリックし、
console.rdp
ファイルをダウンロードします。 RDP クライアントを開き、
console.rdp
ファイルを参照します。たとえば、remmina を使用します。$ remmina --connect /path/to/console.rdp
- Administrator ユーザー名およびパスワードを入力して、Windows 仮想マシンに接続します。
7.7.1.4. Web コンソールから SSH コマンドをコピーする
コマンドをコピーして、Web コンソールの Actions リストから SSH 経由で実行中の仮想マシン (VM) にアクセスします。
手順
- OpenShift Container Platform コンソールで、サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 仮想マシンを選択して、Virtual Machine Overview ページを開きます。
-
Actions リストから Copy SSH Command を選択します。このコマンドを OpenShift CLI (
oc
) に貼り付けることができるようになりました。
7.7.2. CLI コマンドの使用による仮想マシンコンソールへのアクセス
7.7.2.1. SSH 経由での仮想マシンインスタンスへのアクセス
仮想マシン (仮想マシン) にポート 22 を公開した後に、SSH を使用して仮想マシンにアクセスできます。
virtctl expose
コマンドは、仮想マシンインスタンス (VMI) のポートをノードポートに転送し、有効にされたアクセスのサービスを作成します。以下の例では、fedora-vm-ssh
サービスを作成します。このサービスは、クラスターノードの特定のポートから <fedora-vm>
仮想マシンのポート 22 にトラフィックを転送します。
前提条件
- VMI と同じプロジェクトを使用する。
-
アクセスする VMI は、
masquerade
バインディング方法を使用してデフォルトの Pod ネットワークに接続されている。 - アクセスする VMI が実行中であること。
-
OpenShift CLI (
oc
) をインストールしている。
手順
以下のコマンドを実行して
fedora-vm-ssh
サービスを作成します。$ virtctl expose vm <fedora-vm> --port=22 --name=fedora-vm-ssh --type=NodePort 1
- 1
<fedora-vm>
は、fedora-vm-ssh
サービスを実行する仮想マシンの名前です。
サービスをチェックし、サービスが取得したポートを見つけます。
$ oc get svc
出力例
NAME TYPE CLUSTER-IP EXTERNAL-IP PORT(S) AGE fedora-vm-ssh NodePort 127.0.0.1 <none> 22:32551/TCP 6s
+ この例では、サービスは 32551
ポートを取得しています。
SSH 経由で VMI にログインします。クラスターノードの
ipAddress
および直前の手順で確認したポートを使用します。$ ssh username@<node_IP_address> -p 32551
7.7.2.2. 仮想マシンインスタンスのシリアルコンソールへのアクセス
virtctl console
コマンドは、指定された仮想マシンインスタンスへのシリアルコンソールを開きます。
前提条件
-
virt-viewer
パッケージがインストールされていること。 - アクセスする仮想マシンインスタンスが実行中であること。
手順
virtctl
でシリアルコンソールに接続します。$ virtctl console <VMI>
7.7.2.3. VNC を使用した仮想マシンインスタンスのグラフィカルコンソールへのアクセス
virtctl
クライアントユーティリティーは remote-viewer
機能を使用し、実行中の仮想マシンインスタンスに対してグラフィカルコンソールを開くことができます。この機能は virt-viewer
パッケージに組み込まれています。
前提条件
-
virt-viewer
パッケージがインストールされていること。 - アクセスする仮想マシンインスタンスが実行中であること。
リモートマシンで SSH 経由で virtctl
を使用する場合、X セッションをマシンに転送する必要があります。
手順
virtctl
ユーティリティーを使用してグラフィカルインターフェイスに接続します。$ virtctl vnc <VMI>
コマンドが失敗した場合には、トラブルシューティング情報を収集するために
-v
フラグの使用を試行します。$ virtctl vnc <VMI> -v 4
7.7.2.4. RDP コンソールの使用による Windows 仮想マシンへの接続
Remote Desktop Protocol (RDP) は、Windows 仮想マシンに接続するためのより使いやすいコンソールを提供します。
RDP を使用して Windows 仮想マシンに接続するには、割り当てられた L2 NIC の IP アドレスを RDP クライアントに対して指定します。
前提条件
-
QEMU ゲストエージェントがインストールされた実行中の Windows 仮想マシン。
qemu-guest-agent
は VirtIO ドライバーに含まれています。 - 仮想マシンに接続された layer-2 NIC。
- Windows 仮想マシンと同じネットワーク上のマシンにインストールされた RDP クライアント。
手順
アクセストークンを持つユーザーとして、
oc
CLI ツールを使って OpenShift Virtualization クラスターにログインします。$ oc login -u <user> https://<cluster.example.com>:8443
oc describe vmi
を使用して、実行中の Windows 仮想マシンの設定を表示します。$ oc describe vmi <windows-vmi-name>
出力例
... spec: networks: - name: default pod: {} - multus: networkName: cnv-bridge name: bridge-net ... status: interfaces: - interfaceName: eth0 ipAddress: 198.51.100.0/24 ipAddresses: 198.51.100.0/24 mac: a0:36:9f:0f:b1:70 name: default - interfaceName: eth1 ipAddress: 192.0.2.0/24 ipAddresses: 192.0.2.0/24 2001:db8::/32 mac: 00:17:a4:77:77:25 name: bridge-net ...
-
レイヤー 2 ネットワークインターフェイスの IP アドレスを特定し、これをコピーします。これは直前の例では
192.0.2.0
であり、IPv6 を選択する場合は2001:db8::
になります。 - RDP クライアントを開き、接続用に直前の手順でコピーした IP アドレスを使用します。
- Administrator ユーザー名およびパスワードを入力して、Windows 仮想マシンに接続します。
7.8. 障害が発生したノードの解決による仮想マシンのフェイルオーバーのトリガー
ノードに障害が発生し、マシンヘルスチェック がクラスターにデプロイされていない場合、RunStrategy: Always
が設定された仮想マシン (VM) は正常なノードに自動的に移動しません。仮想マシンのフェイルオーバーをトリガーするには、Node
オブジェクトを手動で削除する必要があります。
インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャー を使用してクラスターをインストールし、マシンヘルスチェックを適切に設定している場合は、以下のようになります。
- 障害が発生したノードは自動的に再利用されます。
-
RunStrategy
がAlways
またはRerunOnFailure
に設定された仮想マシンは正常なノードで自動的にスケジュールされます。
7.8.1. 前提条件
-
仮想マシンが実行されているノードには
NotReady
状態 が設定されている。 -
障害のあるノードで実行されていた仮想マシンでは、
RunStrategy
がAlways
に設定されている。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
7.8.2. ベアメタルクラスターからのノードの削除
CLI を使用してノードを削除する場合、ノードオブジェクトは Kubernetes で削除されますが、ノード自体にある Pod は削除されません。レプリケーションコントローラーで管理されないベア Pod は、OpenShift Container Platform からはアクセスできなくなります。レプリケーションコントローラーで管理されるベア Pod は、他の利用可能なノードに再スケジュールされます。ローカルのマニフェスト Pod は削除する必要があります。
手順
以下の手順を実行して、ベアメタルで実行されている OpenShift Container Platform クラスターからノードを削除します。
ノードにスケジュール対象外 (unschedulable) のマークを付けます。
$ oc adm cordon <node_name>
ノード上のすべての Pod をドレイン (解放) します。
$ oc adm drain <node_name> --force=true
このステップは、ノードがオフラインまたは応答しない場合に失敗する可能性があります。ノードが応答しない場合でも、共有ストレージに書き込むワークロードを実行している可能性があります。データの破損を防ぐには、続行する前に物理ハードウェアの電源を切ります。
クラスターからノードを削除します。
$ oc delete node <node_name>
ノードオブジェクトはクラスターから削除されていますが、これは再起動後や kubelet サービスが再起動される場合にクラスターに再び参加することができます。ノードとそのすべてのデータを永続的に削除するには、ノードの使用を停止 する必要があります。
- 物理ハードウェアを電源を切っている場合は、ノードがクラスターに再度加わるように、そのハードウェアを再びオンに切り替えます。
7.8.3. 仮想マシンのフェイルオーバーの確認
すべてのリソースが正常でないノードで終了すると、移行した仮想マシンのそれぞれについて、新しい仮想マシンインスタンス (VMI) が正常なノードに自動的に作成されます。VMI が作成されていることを確認するには、oc
CLI を使用してすべての VMI を表示します。
7.8.3.1. CLI を使用した仮想マシンインスタンスの一覧表示
oc
コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、スタンドアロンおよび仮想マシンによって所有されている VMI を含むすべての仮想マシンの一覧を表示できます。
手順
以下のコマンドを実行して、すべての VMI の一覧を表示します。
$ oc get vmis
7.9. QEMU ゲストエージェントの仮想マシンへのインストール
QEMU ゲストエージェント は、仮想マシンで実行され、仮想マシン、ユーザー、ファイルシステム、およびセカンダリーネットワークに関する情報をホストに渡すデーモンです。
7.9.1. QEMU ゲストエージェントの Linux 仮想マシンへのインストール
qemu-guest-agent
は広く利用されており、Red Hat 仮想マシンでデフォルトで利用できます。このエージェントをインストールし、サービスを起動します。
手順
- コンソールのいずれか、または SSH を使用して仮想マシンのコマンドラインにアクセスします。
QEMU ゲストエージェントを仮想マシンにインストールします。
$ yum install -y qemu-guest-agent
サービスに永続性があることを確認し、これを起動します。
$ systemctl enable --now qemu-guest-agent
Web コンソールで仮想マシンまたは仮想マシンテンプレートのいずれかを作成する際に、ウィザードの cloud-init セクションの custom script フィールドを使用して QEMU ゲストエージェントをインストールし、起動することもできます。
7.9.2. QEMU ゲストエージェントの Windows 仮想マシンへのインストール
Windows 仮想マシンの場合、QEMU ゲストエージェントは、以下の手順のいずれかを使用してインストールできる VirtIO ドライバーに含まれています。
7.9.2.1. VirtIO ドライバーの既存 Windows 仮想マシンへのインストール
VirtIO ドライバーを、割り当てられた SATA CD ドライブから既存の Windows 仮想マシンにインストールします。
この手順では、ドライバーを Windows に追加するための汎用的なアプローチを使用しています。このプロセスは Windows のバージョンごとに若干異なる可能性があります。特定のインストール手順については、お使いの Windows バージョンについてのインストールドキュメントを参照してください。
手順
- 仮想マシンを起動し、グラフィカルコンソールに接続します。
- Windows ユーザーセッションにログインします。
Device Manager を開き、Other devices を拡張して、Unknown device を一覧表示します。
-
Device Properties
を開いて、不明なデバイスを特定します。デバイスを右クリックし、Properties を選択します。 - Details タブをクリックし、Property リストで Hardware Ids を選択します。
- Hardware Ids の Value をサポートされる VirtIO ドライバーと比較します。
-
- デバイスを右クリックし、Update Driver Software を選択します。
- Browse my computer for driver software をクリックし、VirtIO ドライバーが置かれている割り当て済みの SATA CD ドライブの場所に移動します。ドライバーは、ドライバーのタイプ、オペレーティングシステム、および CPU アーキテクチャー別に階層的に編成されます。
- Next をクリックしてドライバーをインストールします。
- 必要なすべての VirtIO ドライバーに対してこのプロセスを繰り返します。
- ドライバーのインストール後に、Close をクリックしてウィンドウを閉じます。
- 仮想マシンを再起動してドライバーのインストールを完了します。
7.9.2.2. Windows インストール時の VirtIO ドライバーのインストール
Windows のインストール時に割り当てられた SATA CD ドライバーから VirtIO ドライバーをインストールします。
この手順では、Windows インストールの汎用的なアプローチを使用しますが、インストール方法は Windows のバージョンごとに異なる可能性があります。インストールする Windows のバージョンについてのドキュメントを参照してください。
手順
- 仮想マシンを起動し、グラフィカルコンソールに接続します。
- Windows インストールプロセスを開始します。
- Advanced インストールを選択します。
-
ストレージの宛先は、ドライバーがロードされるまで認識されません。
Load driver
をクリックします。 - ドライバーは SATA CD ドライブとして割り当てられます。OK をクリックし、CD ドライバーでロードするストレージドライバーを参照します。ドライバーは、ドライバーのタイプ、オペレーティングシステム、および CPU アーキテクチャー別に階層的に編成されます。
- 必要なすべてのドライバーについて直前の 2 つの手順を繰り返します。
- Windows インストールを完了します。
7.10. 仮想マシンの QEMU ゲストエージェント情報の表示
QEMU ゲストエージェントが仮想マシンで実行されている場合は、Web コンソールを使用して、仮想マシン、ユーザー、ファイルシステム、およびセカンダリーネットワークに関する情報を表示できます。
7.10.1. 前提条件
- QEMU ゲストエージェント を仮想マシンにインストールします。
7.10.2. Web コンソールでの QEMU ゲストエージェント情報について
QEMU ゲストエージェントがインストールされると、Virtual Machine Overview タブの Details ペインと、Details タブにホスト名、オペレーティングシステム、タイムゾーン、およびログインユーザーに関する情報が表示されます。
Virtual Machine Overview には、仮想マシンにインストールされたゲストオペレーティングシステムについての情報が表示されます。Details タブには、ログインユーザーの情報が含まれる表が表示されます。Disks タブには、ファイルシステムの情報が含まれる表が表示されます。
QEMU ゲストエージェントがインストールされていない場合、Virtual Machine Overview タブおよび Details タブには、仮想マシンの作成時に指定したオペレーティングシステムについての情報が表示されます。
7.10.3. Web コンソールでの QEMU ゲストエージェント情報の表示
Web コンソールを使用して、QEMU ゲストエージェントによってホストに渡される仮想マシンの情報を表示できます。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtual Machines をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 仮想マシン名を選択して Virtual Machine Overview 画面を開き、Details ペインを表示します。
- Logged in users をクリックして、ユーザーについての情報を表示する Details タブを表示します。
- Disks タブをクリックして、ファイルシステムについての情報を表示します。
7.11. 仮想マシンでの config map、シークレット、およびサービスアカウントの管理
シークレット、config map、およびサービスアカウントを使用して設定データを仮想マシンに渡すことができます。たとえば、以下を実行できます。
- シークレットを仮想マシンに追加して認証情報を必要とするサービスに仮想マシンのアクセスを付与します。
- Pod または別のオブジェクトがデータを使用できるように、機密データではない設定データを config map に保存します。
- サービスアカウントをそのコンポーネントに関連付けることにより、コンポーネントが API サーバーにアクセスできるようにします。
OpenShift Virtualization はシークレット、設定マップ、およびサービスアカウントを仮想マシンディスクとして公開し、追加のオーバーヘッドなしにプラットフォーム全体でそれらを使用できるようにします。
7.11.1. シークレット、設定マップ、またはサービスアカウントの仮想マシンへの追加
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して、シークレット、設定マップ、またはサービスアカウントを仮想マシンに追加します。
前提条件
- 追加するシークレット、設定マップ、またはサービスアカウントは、ターゲット仮想マシンと同じ namespace に存在する必要がある。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 仮想マシンを選択して、Virtual Machine Overview 画面を開きます。
- Environment タブをクリックします。
- Select a resource をクリックし、一覧からシークレット、設定マップ、またはサービスアカウントを選択します。6 文字のシリアル番号が、選択したリソースについて自動的に生成されます。
- Save をクリックします。
- オプション。Add Config Map, Secret or Service Account をクリックして別のオブジェクトを追加します。
- Reload をクリックし、最後に保存された状態にフォームをリセットできます。
- Environment リソースが仮想マシンにディスクとして追加されます。他のディスクをマウントするように、シークレット、設定マップ、またはサービスアカウントをマウントできます。
- 仮想マシンが実行中の場合、変更内容は仮想マシンが再起動されるまで反映されません。新規に追加されたリソースは、ページ上部の Pending Changes バナーの Environment および Disks タブの両方に保留中のリソースとしてマークされます。
検証
- Virtual Machine Overview ページから、Disks タブをクリックします。
- シークレット、設定マップ、またはサービスアカウントがディスクの一覧に含まれていることを確認します。
オプション。変更を適用する適切な方法を選択します。
- 仮想マシンが実行されている場合、Actions → Restart Virtual Machine をクリックして仮想マシンを再起動します。
- 仮想マシンが停止している場合は、Actions → Start Virtual Machine をクリックして仮想マシンを起動します。
他のディスクをマウントするように、シークレット、設定マップ、またはサービスアカウントをマウントできるようになりました。
7.11.2. 仮想マシンからのシークレット、設定マップ、またはサービスアカウントの削除
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して、シークレット、設定マップ、またはサービスアカウントを仮想マシンから削除します。
前提条件
- 仮想マシンに割り当てられるシークレット、設定マップ、またはサービスアカウントが少なくとも 1 つ必要である。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 仮想マシンを選択して、Virtual Machine Overview 画面を開きます。
- Environment タブをクリックします。
-
一覧で削除する項目を見つけ、項目の右上にある Remove
をクリックします。
- Save をクリックします。
Reload をクリックし、最後に保存された状態にフォームをリセットできます。
検証
- Virtual Machine Overview ページから、Disks タブをクリックします。
- 削除したシークレット、設定マップ、またはサービスアカウントがディスクの一覧に含まれていないことを確認します。
7.11.3. 関連情報
7.12. VirtIO ドライバーの既存の Windows 仮想マシンへのインストール
7.12.1. VirtIO ドライバーについて
VirtIO ドライバーは、Microsoft Windows 仮想マシンが OpenShift Virtualization で実行されるために必要な準仮想化デバイスドライバーです。サポートされるドライバーは、Red Hat Ecosystem Catalog の container-native-virtualization/virtio-win
コンテナーディスクで利用できます。
container-native-virtualization/virtio-win
コンテナーディスクは、ドライバーのインストールを有効にするために SATA CD ドライブとして仮想マシンに割り当てられる必要があります。仮想マシン上での Windows のインストール時に VirtIO ドライバーをインストールすることも、既存の Windows インストールに追加することもできます。
ドライバーのインストール後に、container-native-virtualization/virtio-win
コンテナーディスクは仮想マシンから削除できます。
Installing Virtio drivers on a new Windows virtual machine も参照してください。
7.12.2. Microsoft Windows 仮想マシンのサポートされる VirtIO ドライバー
表7.1 サポートされるドライバー
ドライバー名 | ハードウェア ID | 説明 |
---|---|---|
viostor |
VEN_1AF4&DEV_1001 | ブロックドライバー。Other devices グループの SCSI Controller として表示される場合があります。 |
viorng |
VEN_1AF4&DEV_1005 | エントロピーソースドライバー。Other devices グループの PCI Device として表示される場合があります。 |
NetKVM |
VEN_1AF4&DEV_1000 | ネットワークドライバー。Other devices グループの Ethernet Controller として表示される場合があります。VirtIO NIC が設定されている場合にのみ利用できます。 |
7.12.3. VirtIO ドライバーコンテナーディスクの仮想マシンへの追加
OpenShift Virtualization は、Red Hat Ecosystem Catalog で利用できる Microsoft Windows の VirtIO ドライバーをコンテナーディスクとして配布します。これらのドライバーを Windows 仮想マシンにインストールするには、仮想マシン設定ファイルで container-native-virtualization/virtio-win
コンテナーディスクを SATA CD ドライブとして仮想マシンに割り当てます。
前提条件
-
container-native-virtualization/virtio-win
コンテナーディスクを Red Hat Ecosystem Catalog からダウンロードすること。コンテナーディスクがクラスターにない場合は Red Hat レジストリーからダウンロードされるため、これは必須ではありません。
手順
container-native-virtualization/virtio-win
コンテナーディスクをcdrom
ディスクとして Windows 仮想マシン設定ファイルに追加します。コンテナーディスクは、クラスターにない場合はレジストリーからダウンロードされます。spec: domain: devices: disks: - name: virtiocontainerdisk bootOrder: 2 1 cdrom: bus: sata volumes: - containerDisk: image: container-native-virtualization/virtio-win name: virtiocontainerdisk
- 1
- OpenShift Virtualization は、
VirtualMachine
設定ファイルに定義される順序で仮想マシンディスクを起動します。container-native-virtualization/virtio-win
コンテナーディスクの前に仮想マシンの他のディスクを定義するか、またはオプションのbootOrder
パラメーターを使用して仮想マシンが正しいディスクから起動するようにできます。ディスクにbootOrder
を指定する場合、これは設定のすべてのディスクに指定される必要があります。
ディスクは、仮想マシンが起動すると利用可能になります。
-
コンテナーディスクを実行中の仮想マシンに追加する場合、変更を有効にするために CLI で
oc apply -f <vm.yaml>
を使用するか、または仮想マシンを再起動します。 -
仮想マシンが実行されていない場合、
virtctl start <vm>
を使用します。
-
コンテナーディスクを実行中の仮想マシンに追加する場合、変更を有効にするために CLI で
仮想マシンが起動したら、VirtIO ドライバーを割り当てられた SATA CD ドライブからインストールできます。
7.12.4. VirtIO ドライバーの既存 Windows 仮想マシンへのインストール
VirtIO ドライバーを、割り当てられた SATA CD ドライブから既存の Windows 仮想マシンにインストールします。
この手順では、ドライバーを Windows に追加するための汎用的なアプローチを使用しています。このプロセスは Windows のバージョンごとに若干異なる可能性があります。特定のインストール手順については、お使いの Windows バージョンについてのインストールドキュメントを参照してください。
手順
- 仮想マシンを起動し、グラフィカルコンソールに接続します。
- Windows ユーザーセッションにログインします。
Device Manager を開き、Other devices を拡張して、Unknown device を一覧表示します。
-
Device Properties
を開いて、不明なデバイスを特定します。デバイスを右クリックし、Properties を選択します。 - Details タブをクリックし、Property リストで Hardware Ids を選択します。
- Hardware Ids の Value をサポートされる VirtIO ドライバーと比較します。
-
- デバイスを右クリックし、Update Driver Software を選択します。
- Browse my computer for driver software をクリックし、VirtIO ドライバーが置かれている割り当て済みの SATA CD ドライブの場所に移動します。ドライバーは、ドライバーのタイプ、オペレーティングシステム、および CPU アーキテクチャー別に階層的に編成されます。
- Next をクリックしてドライバーをインストールします。
- 必要なすべての VirtIO ドライバーに対してこのプロセスを繰り返します。
- ドライバーのインストール後に、Close をクリックしてウィンドウを閉じます。
- 仮想マシンを再起動してドライバーのインストールを完了します。
7.12.5. 仮想マシンからの VirtIO コンテナーディスクの削除
必要なすべての VirtIO ドライバーを仮想マシンにインストールした後は、container-native-virtualization/virtio-win
コンテナーディスクを仮想マシンに割り当てる必要はなくなります。container-native-virtualization/virtio-win
コンテナーディスクを仮想マシン設定ファイルから削除します。
手順
設定ファイルを編集し、
disk
およびvolume
を削除します。$ oc edit vm <vm-name>
spec: domain: devices: disks: - name: virtiocontainerdisk bootOrder: 2 cdrom: bus: sata volumes: - containerDisk: image: container-native-virtualization/virtio-win name: virtiocontainerdisk
- 変更を有効にするために仮想マシンを再起動します。
7.13. VirtIO ドライバーの新規 Windows 仮想マシンへのインストール
7.13.1. 前提条件
- 仮想マシンからアクセスできる Windows インストールメディア (ISO のデータボリュームへのインポート および仮想マシンへの割り当てを実行)。
7.13.2. VirtIO ドライバーについて
VirtIO ドライバーは、Microsoft Windows 仮想マシンが OpenShift Virtualization で実行されるために必要な準仮想化デバイスドライバーです。サポートされるドライバーは、Red Hat Ecosystem Catalog の container-native-virtualization/virtio-win
コンテナーディスクで利用できます。
container-native-virtualization/virtio-win
コンテナーディスクは、ドライバーのインストールを有効にするために SATA CD ドライブとして仮想マシンに割り当てられる必要があります。仮想マシン上での Windows のインストール時に VirtIO ドライバーをインストールすることも、既存の Windows インストールに追加することもできます。
ドライバーのインストール後に、container-native-virtualization/virtio-win
コンテナーディスクは仮想マシンから削除できます。
VirtIO ドライバーの既存の Windows 仮想マシンへのインストール も参照してください。
7.13.3. Microsoft Windows 仮想マシンのサポートされる VirtIO ドライバー
表7.2 サポートされるドライバー
ドライバー名 | ハードウェア ID | 説明 |
---|---|---|
viostor |
VEN_1AF4&DEV_1001 | ブロックドライバー。Other devices グループの SCSI Controller として表示される場合があります。 |
viorng |
VEN_1AF4&DEV_1005 | エントロピーソースドライバー。Other devices グループの PCI Device として表示される場合があります。 |
NetKVM |
VEN_1AF4&DEV_1000 | ネットワークドライバー。Other devices グループの Ethernet Controller として表示される場合があります。VirtIO NIC が設定されている場合にのみ利用できます。 |
7.13.4. VirtIO ドライバーコンテナーディスクの仮想マシンへの追加
OpenShift Virtualization は、Red Hat Ecosystem Catalog で利用できる Microsoft Windows の VirtIO ドライバーをコンテナーディスクとして配布します。これらのドライバーを Windows 仮想マシンにインストールするには、仮想マシン設定ファイルで container-native-virtualization/virtio-win
コンテナーディスクを SATA CD ドライブとして仮想マシンに割り当てます。
前提条件
-
container-native-virtualization/virtio-win
コンテナーディスクを Red Hat Ecosystem Catalog からダウンロードすること。コンテナーディスクがクラスターにない場合は Red Hat レジストリーからダウンロードされるため、これは必須ではありません。
手順
container-native-virtualization/virtio-win
コンテナーディスクをcdrom
ディスクとして Windows 仮想マシン設定ファイルに追加します。コンテナーディスクは、クラスターにない場合はレジストリーからダウンロードされます。spec: domain: devices: disks: - name: virtiocontainerdisk bootOrder: 2 1 cdrom: bus: sata volumes: - containerDisk: image: container-native-virtualization/virtio-win name: virtiocontainerdisk
- 1
- OpenShift Virtualization は、
VirtualMachine
設定ファイルに定義される順序で仮想マシンディスクを起動します。container-native-virtualization/virtio-win
コンテナーディスクの前に仮想マシンの他のディスクを定義するか、またはオプションのbootOrder
パラメーターを使用して仮想マシンが正しいディスクから起動するようにできます。ディスクにbootOrder
を指定する場合、これは設定のすべてのディスクに指定される必要があります。
ディスクは、仮想マシンが起動すると利用可能になります。
-
コンテナーディスクを実行中の仮想マシンに追加する場合、変更を有効にするために CLI で
oc apply -f <vm.yaml>
を使用するか、または仮想マシンを再起動します。 -
仮想マシンが実行されていない場合、
virtctl start <vm>
を使用します。
-
コンテナーディスクを実行中の仮想マシンに追加する場合、変更を有効にするために CLI で
仮想マシンが起動したら、VirtIO ドライバーを割り当てられた SATA CD ドライブからインストールできます。
7.13.5. Windows インストール時の VirtIO ドライバーのインストール
Windows のインストール時に割り当てられた SATA CD ドライバーから VirtIO ドライバーをインストールします。
この手順では、Windows インストールの汎用的なアプローチを使用しますが、インストール方法は Windows のバージョンごとに異なる可能性があります。インストールする Windows のバージョンについてのドキュメントを参照してください。
手順
- 仮想マシンを起動し、グラフィカルコンソールに接続します。
- Windows インストールプロセスを開始します。
- Advanced インストールを選択します。
-
ストレージの宛先は、ドライバーがロードされるまで認識されません。
Load driver
をクリックします。 - ドライバーは SATA CD ドライブとして割り当てられます。OK をクリックし、CD ドライバーでロードするストレージドライバーを参照します。ドライバーは、ドライバーのタイプ、オペレーティングシステム、および CPU アーキテクチャー別に階層的に編成されます。
- 必要なすべてのドライバーについて直前の 2 つの手順を繰り返します。
- Windows インストールを完了します。
7.13.6. 仮想マシンからの VirtIO コンテナーディスクの削除
必要なすべての VirtIO ドライバーを仮想マシンにインストールした後は、container-native-virtualization/virtio-win
コンテナーディスクを仮想マシンに割り当てる必要はなくなります。container-native-virtualization/virtio-win
コンテナーディスクを仮想マシン設定ファイルから削除します。
手順
設定ファイルを編集し、
disk
およびvolume
を削除します。$ oc edit vm <vm-name>
spec: domain: devices: disks: - name: virtiocontainerdisk bootOrder: 2 cdrom: bus: sata volumes: - containerDisk: image: container-native-virtualization/virtio-win name: virtiocontainerdisk
- 変更を有効にするために仮想マシンを再起動します。
7.14. 高度な仮想マシン管理
7.14.1. 管理タスクの自動化
Red Hat Ansible Automation Platform を使用すると、OpenShift Virtualization 管理タスクを自動化できます。Ansible Playbook を使用して新規の仮想マシンを作成する際の基本事項を確認します。
7.14.1.1. Red Hat Ansible Automation について
Ansible は、システムの設定、ソフトウェアのデプロイ、およびローリング更新の実行に使用する自動化ツールです。Ansible には OpenShift Virtualization のサポートが含まれ、Ansible モジュールを使用すると、テンプレート、永続ボリューム要求 (PVC) および仮想マシンの操作などのクラスター管理タスクを自動化できます。
Ansible は、oc
CLI ツールや API を使用しても実行できる OpenShift Virtualization の管理を自動化する方法を提供します。Ansible は、KubeVirt モジュール を他の Ansible モジュールと統合できる点でユニークであると言えます。
7.14.1.2. 仮想マシン作成の自動化
kubevirt_vm
Ansible Playbook を使用し、Red Hat Ansible Automation Platform を使用して OpenShift Container Platform クラスターに仮想マシンを作成できます。
前提条件
- Red Hat Ansible Engine バージョン 2.8 以降。
手順
kubevirt_vm
タスクを含むように Ansible Playbook YAML ファイルを編集します。kubevirt_vm: namespace: name: cpu_cores: memory: disks: - name: volume: containerDisk: image: disk: bus:
注記このスニペットには Playbook の
kubevirt_vm
部分のみが含まれます。namespace
、cpu_cores
の数、memory
、およびdisks
を含む、作成する必要のある仮想マシンを反映させるように値を編集します。以下に例を示します。kubevirt_vm: namespace: default name: vm1 cpu_cores: 1 memory: 64Mi disks: - name: containerdisk volume: containerDisk: image: kubevirt/cirros-container-disk-demo:latest disk: bus: virtio
仮想マシンを作成後すぐに起動する必要がある場合には、
state: running
を YAML ファイルに追加します。以下に例を示します。kubevirt_vm: namespace: default name: vm1 state: running 1 cpu_cores: 1
- 1
- この値を
state: absent
に変更すると、すでに存在する場合に仮想マシンは削除されます。
Playbook のファイル名を引数としてのみ使用して、
ansible-playbook
コマンドを実行します。$ ansible-playbook create-vm.yaml
出力を確認し、プレイが正常に実行されたかどうかを確認します。
出力例
(...) TASK [Create my first VM] ************************************************************************ changed: [localhost] PLAY RECAP ******************************************************************************************************** localhost : ok=2 changed=1 unreachable=0 failed=0 skipped=0 rescued=0 ignored=0
Playbook ファイルに
state: running
を含めず、すぐに仮想マシンを起動する必要がある場合には、state: running
を含めるようにファイルを編集し、Playbook を再度実行します。$ ansible-playbook create-vm.yaml
仮想マシンが作成されたことを確認するには、仮想マシンコンソールへのアクセス を試行します。
7.14.1.3. 例: 仮想マシンを作成するための Ansible Playbook
kubevirt_vm
Ansible Playbook を使用して仮想マシン作成を自動化できます。
以下の YAML ファイルは kubevirt_vm
Playbook の例です。これには、Playbook を実行する際に独自の情報を置き換える必要のあるサンプルの値が含まれます。
--- - name: Ansible Playbook 1 hosts: localhost connection: local tasks: - name: Create my first VM kubevirt_vm: namespace: default name: vm1 cpu_cores: 1 memory: 64Mi disks: - name: containerdisk volume: containerDisk: image: kubevirt/cirros-container-disk-demo:latest disk: bus: virtio
7.14.2. 仮想マシンの PXE ブートの設定
PXE ブートまたはネットワークブートは OpenShift Virtualization で利用できます。ネットワークブートにより、ローカルに割り当てられたストレージデバイスなしにコンピューターを起動し、オペレーティングシステムまたは他のプログラムを起動し、ロードすることができます。たとえば、これにより、新規ホストのデプロイ時に PXE サーバーから必要な OS イメージを選択できます。
7.14.2.1. 前提条件
- Linux ブリッジが 接続されている。
- PXE サーバーがブリッジとして同じ VLAN に接続されていること。
7.14.2.2. MAC アドレスを指定した PXE ブート
まず、管理者は PXE ネットワークの NetworkAttachmentDefinition
オブジェクトを作成し、ネットワーク経由でクライアントを起動できます。次に、仮想マシンインスタンスの設定ファイルでネットワーク接続定義を参照して仮想マシンインスタンスを起動します。また PXE サーバーで必要な場合には、仮想マシンインスタンスの設定ファイルで MAC アドレスを指定することもできます。
前提条件
- Linux ブリッジが接続されていること。
- PXE サーバーがブリッジとして同じ VLAN に接続されていること。
手順
クラスターに PXE ネットワークを設定します。
PXE ネットワーク
pxe-net-conf
のネットワーク接続定義ファイルを作成します。apiVersion: "k8s.cni.cncf.io/v1" kind: NetworkAttachmentDefinition metadata: name: pxe-net-conf spec: config: '{ "cniVersion": "0.3.1", "name": "pxe-net-conf", "plugins": [ { "type": "cnv-bridge", "bridge": "br1", "vlan": 1 1 }, { "type": "cnv-tuning" 2 } ] }'
注記仮想マシンインスタンスは、必要な VLAN のアクセスポートでブリッジ
br1
に割り当てられます。
直前の手順で作成したファイルを使用してネットワーク接続定義を作成します。
$ oc create -f pxe-net-conf.yaml
仮想マシンインスタンス設定ファイルを、インターフェイスおよびネットワークの詳細を含めるように編集します。
PXE サーバーで必要な場合には、ネットワークおよび MAC アドレスを指定します。MAC アドレスが指定されていない場合、値は自動的に割り当てられます。ただし、この時点で自動的に割り当てられる MAC アドレスは永続しないことに注意してください。
bootOrder
が1
に設定されており、インターフェイスが最初に起動することを確認します。この例では、インターフェイスは<pxe-net>
というネットワークに接続されています。interfaces: - masquerade: {} name: default - bridge: {} name: pxe-net macAddress: de:00:00:00:00:de bootOrder: 1
注記複数のインターフェイスおよびディスクのブートの順序はグローバル順序になります。
オペレーティングシステムのプロビジョニング後に起動が適切に実行されるよう、ブートデバイス番号をディスクに割り当てます。
ディスク
bootOrder
の値を2
に設定します。devices: disks: - disk: bus: virtio name: containerdisk bootOrder: 2
直前に作成されたネットワーク接続定義に接続されるネットワークを指定します。このシナリオでは、
<pxe-net>
は<pxe-net-conf>
というネットワーク接続定義に接続されます。networks: - name: default pod: {} - name: pxe-net multus: networkName: pxe-net-conf
仮想マシンインスタンスを作成します。
$ oc create -f vmi-pxe-boot.yaml
出力例
virtualmachineinstance.kubevirt.io "vmi-pxe-boot" created
仮想マシンインスタンスの実行を待機します。
$ oc get vmi vmi-pxe-boot -o yaml | grep -i phase phase: Running
VNC を使用して仮想マシンインスタンスを表示します。
$ virtctl vnc vmi-pxe-boot
- ブート画面で、PXE ブートが正常に実行されていることを確認します。
仮想マシンインスタンスにログインします。
$ virtctl console vmi-pxe-boot
仮想マシンのインターフェイスおよび MAC アドレスを確認し、ブリッジに接続されたインターフェイスに MAC アドレスが指定されていることを確認します。この場合、PXE ブートには IP アドレスなしに
eth1
を使用しています。他のインターフェイスeth0
は OpenShift Container Platform から IP アドレスを取得しています。$ ip addr
出力例
... 3. eth1: <BROADCAST,MULTICAST> mtu 1500 qdisc noop state DOWN group default qlen 1000 link/ether de:00:00:00:00:de brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
7.14.2.3. テンプレート: PXE ブートの仮想マシンインスタンス設定ファイル
apiVersion: kubevirt.io/v1alpha3 kind: VirtualMachineInstance metadata: creationTimestamp: null labels: special: vmi-pxe-boot name: vmi-pxe-boot spec: domain: devices: disks: - disk: bus: virtio name: containerdisk bootOrder: 2 - disk: bus: virtio name: cloudinitdisk interfaces: - masquerade: {} name: default - bridge: {} name: pxe-net macAddress: de:00:00:00:00:de bootOrder: 1 machine: type: "" resources: requests: memory: 1024M networks: - name: default pod: {} - multus: networkName: pxe-net-conf name: pxe-net terminationGracePeriodSeconds: 0 volumes: - name: containerdisk containerDisk: image: kubevirt/fedora-cloud-container-disk-demo - cloudInitNoCloud: userData: | #!/bin/bash echo "fedora" | passwd fedora --stdin name: cloudinitdisk status: {}
7.14.2.4. OpenShift Virtualization ネットワークの用語集
OpenShift Virtualization は、カスタムリソースおよびプラグインを使用して高度なネットワーク機能を提供します。
以下の用語は、OpenShift Virtualization ドキュメント全体で使用されています。
- Container Network Interface (CNI)
- コンテナーのネットワーク接続に重点を置く Cloud Native Computing Foundation プロジェクト。OpenShift Virtualization は CNI プラグインを使用して基本的な Kubernetes ネットワーク機能を強化します。
- Multus
- 複数の CNI の存在を可能にし、Pod または仮想マシンが必要なインターフェイスを使用できるようにするメタ CNI プラグイン。
- カスタムリソース定義 (CRD、Custom Resource Definition)
- カスタムリソースの定義を可能にする Kubernetes API リソース、または CRD API リソースを使用して定義されるオブジェクト。
- ネットワーク接続定義
- Pod、仮想マシン、および仮想マシンインスタンスを 1 つ以上のネットワークに割り当てることを可能にする Multus プロジェクトによって導入される CRD。
- PXE (Preboot eXecution Environment)
- 管理者がネットワーク経由でサーバーからクライアントマシンを起動できるようにするインターフェイス。ネットワークのブートにより、オペレーティングシステムおよび他のソフトウェアをクライアントにリモートでロードできます。
7.14.3. ゲストメモリーの管理
ゲストメモリー設定を特定のユースケースに合わせて調整する必要がある場合、ゲストの YAML 設定ファイルを編集してこれを実行できます。OpenShift Virtualization は、ゲストメモリーのオーバーコミットの設定と、ゲストメモリーのオーバーコミットアカウンティングの無効化を許可します。
以下の手順では、メモリー不足により仮想マシンのプロセスが強制終了される可能性を高めます。リスクを理解している場合にのみ続行してください。
7.14.3.1. ゲストメモリーのオーバーコミットの設定
仮想ワークロードに利用可能な量を上回るメモリーが必要な場合、メモリーのオーバーコミットを使用してホストのメモリーのすべてまたはそのほとんどを仮想マシンインスタンス (VMI) に割り当てることができます。メモリーのオーバーコミットを有効にすることは、通常ホストに予約されるリソースを最大化できることを意味します。
たとえば、ホストに 32 GB RAM がある場合、メモリーのオーバーコミットを使用してそれぞれ 4 GB RAM を持つ 8 つの仮想マシン (VM) に対応できます。これは、仮想マシンがそれらのメモリーのすべてを同時に使用しないという前提で機能します。
メモリーのオーバーコミットにより、メモリー不足 (OOM による強制終了) が原因で仮想マシンプロセスが強制終了される可能性が高くなります。
仮想マシンが OOM で強制終了される可能性は、特定の設定、ノードメモリー、利用可能な swap 領域、仮想マシンのメモリー消費、カーネルの same-page merging (KSM) の使用その他の要因によって変わります。
手順
仮想マシンインスタンスに対し、クラスターから要求された以上のメモリーが利用可能であることを明示的に示すために、仮想マシン設定ファイルを編集し、
spec.domain.memory.guest
をspec.domain.resources.requests.memory
よりも高い値に設定します。このプロセスはメモリーのオーバーコミットと呼ばれています。以下の例では、
1024M
がクラスターから要求されますが、仮想マシンインスタンスには2048M
が利用可能であると通知されます。ノードに利用可能な空のメモリーが十分にある限り、仮想マシンインスタンスは最大 2048M を消費します。kind: VirtualMachine spec: template: domain: resources: requests: memory: 1024M memory: guest: 2048M
注記ノードがメモリー不足の状態になると、Pod のエビクションルールと同じルールが仮想マシンインスタンスに適用されます。
仮想マシンを作成します。
$ oc create -f <file_name>.yaml
7.14.3.2. ゲストメモリーオーバーヘッドアカウンティングの無効化
要求する量に加えて、少量のメモリーが各仮想マシンインスタンスによって要求されます。追加のメモリーは、それぞれの VirtualMachineInstance
プロセスをラップするインフラストラクチャーに使用されます。
通常は推奨される方法ではありませんが、ゲストメモリーオーバーヘッドアカウンティングを無効にすることでノード上の仮想マシンインスタンスの密度を増やすことは可能です。
ゲストメモリーのオーバーヘッドアカウンティングを無効にすると、メモリー不足 (OOM による強制終了) による仮想マシンプロセスが強制終了の可能性が高くなります。
仮想マシンが OOM で強制終了される可能性は、特定の設定、ノードメモリー、利用可能な swap 領域、仮想マシンのメモリー消費、カーネルの same-page merging (KSM) の使用その他の要因によって変わります。
手順
ゲストメモリーオーバーヘッドアカウンティングを無効にするには、YAML 設定ファイルを編集し、
overcommitGuestOverhead
の値をtrue
に設定します。このパラメーターはデフォルトで無効にされています。kind: VirtualMachine spec: template: domain: resources: overcommitGuestOverhead: true requests: memory: 1024M
注記overcommitGuestOverhead
が有効にされている場合、これはゲストのオーバーヘッドをメモリー制限 (ある場合) に追加します。仮想マシンを作成します。
$ oc create -f <file_name>.yaml
7.14.4. 仮想マシンでの Huge Page の使用
Huge Page は、クラスター内の仮想マシンのバッキングメモリーとして使用できます。
7.14.4.1. 前提条件
- ノードには、事前に割り当てられた Huge Page が設定されている 必要があります。
7.14.4.2. Huge Page の機能
メモリーは Page と呼ばれるブロックで管理されます。多くのシステムでは、1 ページは 4Ki です。メモリー 1Mi は 256 ページに、メモリー 1Gi は 256,000 ページに相当します。CPU には、内蔵のメモリー管理ユニットがあり、ハードウェアでこのようなページリストを管理します。トランスレーションルックアサイドバッファー (TLB: Translation Lookaside Buffer) は、仮想から物理へのページマッピングの小規模なハードウェアキャッシュのことです。ハードウェアの指示で渡された仮想アドレスが TLB にあれば、マッピングをすばやく決定できます。そうでない場合には、TLB ミスが発生し、システムは速度が遅く、ソフトウェアベースのアドレス変換にフォールバックされ、パフォーマンスの問題が発生します。TLB のサイズは固定されているので、TLB ミスの発生率を減らすには Page サイズを大きくする必要があります。
Huge Page とは、4Ki より大きいメモリーページのことです。x86_64 アーキテクチャーでは、2Mi と 1Gi の 2 つが一般的な Huge Page サイズです。別のアーキテクチャーではサイズは異なります。Huge Page を使用するには、アプリケーションが認識できるようにコードを書き込む必要があります。Transparent Huge Pages (THP) は、アプリケーションによる認識なしに、Huge Page の管理を自動化しようとしますが、制約があります。特に、ページサイズは 2Mi に制限されます。THP では、THP のデフラグが原因で、メモリー使用率が高くなり、断片化が起こり、パフォーマンスの低下につながり、メモリーページがロックされてしまう可能性があります。このような理由から、アプリケーションは THP ではなく、事前割り当て済みの Huge Page を使用するように設計 (また推奨) される場合があります。
OpenShift Virtualization では、事前に割り当てられた Huge Page を使用できるように仮想マシンを設定できます。
7.14.4.3. 仮想マシンの Huge Page の設定
memory.hugepages.pageSize
および resources.requests.memory
パラメーターを仮想マシン設定に組み込み、仮想マシンを事前に割り当てられた Huge Page を使用するように設定できます。
メモリー要求はページサイズ別に分ける必要があります。たとえば、ページサイズ 1Gi
の場合に 500Mi
メモリーを要求することはできません。
ホストおよびゲスト OS のメモリーレイアウトには関連性がありません。仮想マシンマニフェストで要求される Huge Page が QEMU に適用されます。ゲスト内の Huge Page は、仮想マシンインスタンスの利用可能なメモリー量に基づいてのみ設定できます。
実行中の仮想マシンを編集する場合は、変更を有効にするために仮想マシンを再起動する必要があります。
前提条件
- ノードには、事前に割り当てられた Huge Page が設定されている必要がある。
手順
仮想マシン設定で、
resources.requests.memory
およびmemory.hugepages.pageSize
パラメーターをspec.domain
に追加します。以下の設定スニペットは、ページサイズが1Gi
の合計4Gi
メモリーを要求する仮想マシンについてのものです。kind: VirtualMachine ... spec: domain: resources: requests: memory: "4Gi" 1 memory: hugepages: pageSize: "1Gi" 2 ...
仮想マシン設定を適用します。
$ oc apply -f <virtual_machine>.yaml
7.14.5. 仮想マシン用の専用リソースの有効化
パフォーマンスを向上させるために、CPU などのノードリソースを仮想マシン専用に確保できます。
7.14.5.1. 専用リソースについて
仮想マシンの専用リソースを有効にする場合、仮想マシンのワークロードは他のプロセスで使用されない CPU でスケジュールされます。専用リソースを使用することで、仮想マシンのパフォーマンスとレイテンシーの予測の精度を向上させることができます。
7.14.5.2. 前提条件
-
CPU マネージャー はノードに設定される必要があります。仮想マシンのワークロードをスケジュールする前に、ノードに
cpumanager = true
ラベルが設定されていることを確認します。 - 仮想マシンの電源がオフになっていること。
7.14.5.3. 仮想マシンの専用リソースの有効化
Web コンソールの Virtual Machine Overview ページで仮想マシンの専用リソースを有効にすることができます。
手順
- サイドメニューから Workloads → Virtual Machines をクリックします。
- 仮想マシンを選択して、Virtual Machine Overview ページを開きます。
- Details タブをクリックします。
- Dedicated Resources フィールドの右側にある鉛筆アイコンをクリックして、Dedicated Resources ウィンドウを開きます。
- Schedule this workload with dedicated resources (guaranteed policy) を選択します。
- Save をクリックします。
7.14.6. 仮想マシンのスケジュール
仮想マシンの CPU モデルとポリシー属性が、ノードがサポートする CPU モデルおよびポリシー属性との互換性について一致することを確認して、ノードで仮想マシン (VM) をスケジュールできます。
7.14.6.1. ポリシー属性について
仮想マシン (VM) をスケジュールするには、ポリシー属性と、仮想マシンがノードでスケジュールされる際の互換性について一致する CPU 機能を指定します。仮想マシンに指定されるポリシー属性は、その仮想マシンをノードにスケジュールする方法を決定します。
ポリシー属性 | 説明 |
---|---|
force | 仮想マシンは強制的にノードでスケジュールされます。これは、ホストの CPU が仮想マシンの CPU に対応していない場合でも該当します。 |
require | 仮想マシンが特定の CPU モデルおよび機能仕様で設定されていない場合に仮想マシンに適用されるデフォルトのポリシー。このデフォルトポリシー属性または他のポリシー属性のいずれかを持つ CPU ノードの検出をサポートするようにノードが設定されていない場合、仮想マシンはそのノードでスケジュールされません。ホストの CPU が仮想マシンの CPU をサポートしているか、ハイパーバイザーが対応している CPU モデルをエミュレートできる必要があります。 |
optional | 仮想マシンがホストの物理マシンの CPU でサポートされている場合は、仮想マシンがノードに追加されます。 |
disable | 仮想マシンは CPU ノードの検出機能と共にスケジュールすることはできません。 |
forbid | この機能がホストの CPU でサポートされ、CPU ノード検出が有効になっている場合でも、仮想マシンはスケジュールされません。 |
7.14.6.2. ポリシー属性および CPU 機能の設定
それぞれの仮想マシン (VM) にポリシー属性および CPU 機能を設定して、これがポリシーおよび機能に従ってノードでスケジュールされるようにすることができます。設定する CPU 機能は、ホストの CPU によってサポートされ、またはハイパーバイザーがエミュレートされることを確認するために検証されます。
7.14.6.3. サポートされている CPU モデルでの仮想マシンのスケジューリング
仮想マシン (VM) の CPU モデルまたは仮想マシンインスタンス (VMI) を設定して、CPU モデルがサポートされているノードにこれをスケジュールできます。
手順
仮想マシン設定ファイルの
domain
仕様を編集します。以下の例は、VMI 向けに定義された特定の CPU モデルを示しています。apiVersion: kubevirt.io/v1alpha3 kind: VirtualMachineInstance metadata: name: myvmi spec: domain: cpu: model: Conroe 1
- 1
- VMI の CPU モデル。
7.14.6.4. ホストモデルでの仮想マシンのスケジューリング
仮想マシン (VM) の CPU モデルが host-model
に設定されている場合、仮想マシンはスケジュールされているノードの CPU モデルを継承します。
手順
仮想マシン設定ファイルの
domain
仕様を編集します。以下の例は、仮想マシンインスタンス (VMI) に指定されるhost-model
を示しています。apiVersion: kubevirt/v1alpha3 kind: VirtualMachineInstance metadata: name: myvmi spec: domain: cpu: model: host-model 1
- 1
- スケジュールされるノードの CPU モデルを継承する仮想マシンまたは仮想マシンインスタンス (VMI)。
7.15. 仮想マシンのインポート
7.15.1. データボリュームインポートの TLS 証明書
7.15.1.1. データボリュームインポートの認証に使用する TLS 証明書の追加
ソースからデータをインポートするには、レジストリーまたは HTTPS エンドポイントの TLS 証明書を設定マップに追加する必要があります。この設定マップは、宛先データボリュームの namespace に存在する必要があります。
TLS 証明書の相対パスを参照して設定マップ を作成します。
手順
正しい namespace にあることを確認します。設定マップは、同じ namespace にある場合にデータボリュームによってのみ参照されます。
$ oc get ns
設定マップを作成します。
$ oc create configmap <configmap-name> --from-file=</path/to/file/ca.pem>
7.15.1.2. 例: TLS 証明書から作成される設定マップ
以下は、ca.pem
TLS 証明書で作成される設定マップの例です。
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: tls-certs data: ca.pem: | -----BEGIN CERTIFICATE----- ... <base64 encoded cert> ... -----END CERTIFICATE-----
7.15.2. データボリュームの使用による仮想マシンイメージのインポート
Containerized Data Importer (CDI) を使用し、データボリュームを使用して仮想マシンイメージを永続ボリューム要求 (PVC) にインポートします。次に、データボリュームを永続ストレージの仮想マシンに割り当てることができます。
仮想マシンイメージは、HTTP または HTTPS エンドポイントでホストするか、またはコンテナーディスクに組み込み、コンテナーレジストリーで保存できます。
ディスクイメージを PVC にインポートする際に、ディスクイメージは PVC で要求されるストレージの全容量を使用するように拡張されます。この領域を使用するには、仮想マシンのディスクパーティションおよびファイルシステムの拡張が必要になる場合があります。
サイズ変更の手順は、仮想マシンにインストールされるオペレーティングシステムによって異なります。詳細は、該当するオペレーティングシステムのドキュメントを参照してください。
7.15.2.1. 前提条件
- エンドポイントに TLS 証明書が必要な場合、証明書はデータボリュームと同じ namespace の 設定マップ に組み込む 必要があり、これはデータボリューム設定で参照されます。
コンテナーディスクをインポートするには、以下を実行すること。
- 仮想マシンイメージからコンテナーディスクを準備 し、これをコンテナーレジストリーに保存してからインポートする必要がある場合があります。
-
コンテナーレジストリーに TLS がない場合、 レジストリーを
cdi-insecure-registries
設定マップに追加 し、ここからコンテナーディスクをインポートする必要があります。
- この操作を正常に実行するためには、ストレージクラスを定義するか、または CDI のスクラッチ領域を用意 する必要がある場合があります。
7.15.2.2. CDI がサポートする操作マトリックス
このマトリックスにはエンドポイントに対してコンテンツタイプのサポートされる CDI 操作が表示されます。これらの操作にはスクラッチ領域が必要です。
コンテンツタイプ | HTTP | HTTPS | HTTP Basic 認証 | レジストリー | アップロード |
---|---|---|---|---|---|
kubevirt (QCOW2) |
✓ QCOW2 |
✓ QCOW2** |
✓ QCOW2 |
✓ QCOW2* |
✓ QCOW2* |
KubeVirt (RAW) |
✓ RAW |
✓ RAW |
✓ RAW |
✓ RAW* |
✓ RAW* |
✓ サポートされる操作
□ サポートされない操作
* スクラッチ領域が必要
**カスタム認証局が必要な場合にスクラッチ領域が必要
7.15.2.3. データボリュームについて
DataVolume
オブジェクトは、Containerized Data Importer (CDI) プロジェクトで提供されるカスタムリソースです。データボリュームは、基礎となる永続ボリューム要求 (PVC) に関連付けられるインポート、クローン作成、およびアップロード操作のオーケストレーションを行います。データボリュームは OpenShift Virtualization に統合され、仮想マシンが PVC の作成前に起動することを防ぎます。
7.15.2.4. データボリュームを使用して仮想マシンイメージをストレージにインポートする
データボリュームを使用して、仮想マシンイメージをストレージにインポートできます。
仮想マシンイメージは、HTTP または HTTPS エンドポイントでホストするか、またはイメージをコンテナーディスクに組み込み、コンテナーレジストリーで保存できます。
イメージのデータソースは、VirtualMachine
設定ファイルで指定します。仮想マシンが作成されると、仮想マシンイメージを含むデータボリュームがストレージにインポートされます。
前提条件
仮想マシンイメージをインポートするには、以下が必要である。
-
RAW、ISO、または QCOW2 形式の仮想マシンディスクイメージ (オプションで
xz
またはgz
を使用して圧縮される)。 - データソースにアクセスするために必要な認証情報と共にイメージがホストされる HTTP または HTTPS エンドポイント
-
RAW、ISO、または QCOW2 形式の仮想マシンディスクイメージ (オプションで
- コンテナーディスクをインポートするには、仮想マシンイメージをコンテナーディスクに組み込み、データソースにアクセスするために必要な認証クレデンシャルとともにコンテナーレジストリーに保存する必要があります。
- 仮想マシンが自己署名証明書またはシステム CA バンドルによって署名されていない証明書を使用するサーバーと通信する必要がある場合は、データボリュームと同じ namespace に config map を作成する必要があります。
手順
データソースに認証が必要な場合は、データソースのクレデンシャルを指定して
Secret
マニフェストを作成し、endpoint-secret.yaml
として保存します。apiVersion: v1 kind: Secret metadata: name: endpoint-secret 1 labels: app: containerized-data-importer type: Opaque data: accessKeyId: "" 2 secretKey: "" 3
Secret
マニフェストを適用します。$ oc apply -f endpoint-secret.yaml
VirtualMachine
マニフェストを編集し、インポートする仮想マシンイメージのデータソースを指定して、vm-fedora-datavolume.yaml
として保存します。apiVersion: kubevirt.io/v1alpha3 kind: VirtualMachine metadata: creationTimestamp: null labels: kubevirt.io/vm: vm-fedora-datavolume name: vm-fedora-datavolume 1 spec: dataVolumeTemplates: - metadata: creationTimestamp: null name: fedora-dv 2 spec: storage: resources: requests: storage: 10Gi storageClassName: local source: http: 3 url: "https://mirror.arizona.edu/fedora/linux/releases/35/Cloud/x86_64/images/Fedora-Cloud-Base-35-1.2.x86_64.qcow2" 4 secretRef: endpoint-secret 5 certConfigMap: "" 6 status: {} running: true template: metadata: creationTimestamp: null labels: kubevirt.io/vm: vm-fedora-datavolume spec: domain: devices: disks: - disk: bus: virtio name: datavolumedisk1 machine: type: "" resources: requests: memory: 1.5Gi terminationGracePeriodSeconds: 60 volumes: - dataVolume: name: fedora-dv name: datavolumedisk1 status: {}
- 1
- 仮想マシンの名前を指定します。
- 2
- データボリュームの名前を指定します。
- 3
- HTTP または HTTPS エンドポイントに
http
を指定します。レジストリーからインポートされたコンテナーディスクイメージのregistry
を指定します。 - 4
- インポートする必要のある仮想マシンイメージのソース。この例では、HTTPS エンドポイントで仮想マシンイメージを参照します。コンテナーレジストリーエンドポイントのサンプルは
url: "docker://kubevirt/fedora-cloud-container-disk-demo:latest"
です。 - 5
- データソースの
Secret
を作成した場合は必須です。 - 6
- オプション: CA 証明書 config map を指定します。
仮想マシンを作成します。
$ oc create -f vm-fedora-datavolume.yaml
注記oc create
コマンドは、データボリュームおよび仮想マシンを作成します。CDI コントローラーは適切なアノテーションを使って基礎となる PVC を作成し、インポートプロセスが開始されます。インポートが完了すると、データボリュームのステータスがSucceeded
に変わります。仮想マシンを起動できます。データボリュームのプロビジョニングはバックグランドで実行されるため、これをプロセスをモニターする必要はありません。
検証
インポーター Pod は指定された URL から仮想マシンイメージまたはコンテナーディスクをダウンロードし、これをプロビジョニングされた PV に保存します。以下のコマンドを実行してインポーター Pod のステータスを確認します。
$ oc get pods
次のコマンドを実行して、ステータスが
Succeeded
になるまでデータボリュームを監視します。$ oc describe dv fedora-dv 1
- 1
VirtualMachine
マニフェストで定義したデータボリューム名を指定します。
シリアルコンソールにアクセスして、プロビジョニングが完了し、仮想マシンが起動したことを確認します。
$ virtctl console vm-fedora-datavolume
7.15.3. データボリュームの使用による仮想マシンイメージのブロックストレージへのインポート
既存の仮想マシンイメージは OpenShift Container Platform クラスターにインポートできます。OpenShift Virtualization はデータボリュームを使用してデータのインポートおよび基礎となる永続ボリューム要求 (PVC) の作成を自動化します。
ディスクイメージを PVC にインポートする際に、ディスクイメージは PVC で要求されるストレージの全容量を使用するように拡張されます。この領域を使用するには、仮想マシンのディスクパーティションおよびファイルシステムの拡張が必要になる場合があります。
サイズ変更の手順は、仮想マシンにインストールされるオペレーティングシステムによって異なります。詳細は、該当するオペレーティングシステムのドキュメントを参照してください。
7.15.3.1. 前提条件
- CDI でサポートされる操作マトリックス に応じてスクラッチ領域が必要な場合、まずは、この操作が正常に実行されるように ストレージクラスを定義するか、または CDI スクラッチ領域を用意 します。
7.15.3.2. データボリュームについて
DataVolume
オブジェクトは、Containerized Data Importer (CDI) プロジェクトで提供されるカスタムリソースです。データボリュームは、基礎となる永続ボリューム要求 (PVC) に関連付けられるインポート、クローン作成、およびアップロード操作のオーケストレーションを行います。データボリュームは OpenShift Virtualization に統合され、仮想マシンが PVC の作成前に起動することを防ぎます。
7.15.3.3. ブロック永続ボリュームについて
ブロック永続ボリューム (PV) は、raw ブロックデバイスによってサポートされる PV です。これらのボリュームにはファイルシステムがなく、オーバーヘッドを削減することで、仮想マシンのパフォーマンス上の利点をもたらすことができます。
raw ブロックボリュームは、PV および永続ボリューム要求 (PVC) 仕様で volumeMode: Block
を指定してプロビジョニングされます。
7.15.3.4. ローカルブロック永続ボリュームの作成
ファイルにデータを設定し、これをループデバイスとしてマウントすることにより、ノードでローカルブロック永続ボリューム (PV) を作成します。次に、このループデバイスを PV マニフェストで Block
ボリュームとして参照し、これを仮想マシンイメージのブロックデバイスとして使用できます。
手順
-
ローカル PV を作成するノードに
root
としてログインします。この手順では、node01
を例に使用します。 ファイルを作成して、これを null 文字で設定し、ブロックデバイスとして使用できるようにします。以下の例では、2Gb (20 100Mb ブロック) のサイズのファイル
loop10
を作成します。$ dd if=/dev/zero of=<loop10> bs=100M count=20
loop10
ファイルをループデバイスとしてマウントします。$ losetup </dev/loop10>d3 <loop10> 1 2
マウントされたループデバイスを参照する
PersistentVolume
マニフェストを作成します。kind: PersistentVolume apiVersion: v1 metadata: name: <local-block-pv10> annotations: spec: local: path: </dev/loop10> 1 capacity: storage: <2Gi> volumeMode: Block 2 storageClassName: local 3 accessModes: - ReadWriteOnce persistentVolumeReclaimPolicy: Delete nodeAffinity: required: nodeSelectorTerms: - matchExpressions: - key: kubernetes.io/hostname operator: In values: - <node01> 4
ブロック PV を作成します。
# oc create -f <local-block-pv10.yaml>1
- 1
- 直前の手順で作成された永続ボリュームのファイル名。
7.15.3.5. データボリュームを使用して仮想マシンイメージをブロックストレージにインポートする
データボリュームを使用して、仮想マシンイメージをブロックストレージにインポートできます。仮想マシンを作成する前に、VirtualMachine
マニフェストでデータボリュームを参照します。
前提条件
-
RAW、ISO、または QCOW2 形式の仮想マシンディスクイメージ (オプションで
xz
またはgz
を使用して圧縮される)。 - データソースにアクセスするために必要な認証情報と共にイメージがホストされる HTTP または HTTPS エンドポイント
手順
データソースに認証が必要な場合は、データソースのクレデンシャルを指定して
Secret
マニフェストを作成し、endpoint-secret.yaml
として保存します。apiVersion: v1 kind: Secret metadata: name: endpoint-secret 1 labels: app: containerized-data-importer type: Opaque data: accessKeyId: "" 2 secretKey: "" 3
Secret
マニフェストを適用します。$ oc apply -f endpoint-secret.yaml
データ
DataVolume
マニフェストを作成し、仮想マシンイメージのデータソースとstorage.volumeMode
のBlock
を指定します。apiVersion: cdi.kubevirt.io/v1beta1 kind: DataVolume metadata: name: import-pv-datavolume 1 spec: storageClassName: local 2 source: http: url: "https://mirror.arizona.edu/fedora/linux/releases/35/Cloud/x86_64/images/Fedora-Cloud-Base-35-1.2.x86_64.qcow2" 3 secretRef: endpoint-secret 4 storage: volumeMode: Block 5 resources: requests: storage: 10Gi
仮想マシンイメージをインポートするために data volume を作成します。
$ oc create -f import-pv-datavolume.yaml
仮想マシンを作成する前に、VirtualMachine
マニフェストでこのデータボリュームを参照できます。
7.15.3.6. CDI がサポートする操作マトリックス
このマトリックスにはエンドポイントに対してコンテンツタイプのサポートされる CDI 操作が表示されます。これらの操作にはスクラッチ領域が必要です。
コンテンツタイプ | HTTP | HTTPS | HTTP Basic 認証 | レジストリー | アップロード |
---|---|---|---|---|---|
kubevirt (QCOW2) |
✓ QCOW2 |
✓ QCOW2** |
✓ QCOW2 |
✓ QCOW2* |
✓ QCOW2* |
KubeVirt (RAW) |
✓ RAW |
✓ RAW |
✓ RAW |
✓ RAW* |
✓ RAW* |
✓ サポートされる操作
□ サポートされない操作
* スクラッチ領域が必要
**カスタム認証局が必要な場合にスクラッチ領域が必要
7.15.4. 単一の Red Hat Virtualization 仮想マシンのインポート
VM Import ウィザードまたは CLI を使用して、単一の Red Hat Virtualization (RHV) 仮想マシンを OpenShift Virtualization にインポートできます。
7.15.4.1. OpenShift Virtualization ストレージ機能マトリクス
以下の表は、仮想マシンのインポートをサポートする OpenShift Virtualization ストレージタイプについて説明しています。
表7.3 OpenShift Virtualization ストレージ機能マトリクス
RHV 仮想マシンのインポート | |
---|---|
OpenShift Container Storage: RBD ブロックモードボリューム | Yes |
OpenShift Virtualization ホストパスプロビジョナー | No |
他の複数ノードの書き込み可能なストレージ | ○ [1] |
他の単一ノードの書き込み可能なストレージ | ○ [2] |
- PVC は ReadWriteMany アクセスモードを要求する必要があります。
- PVC は ReadWriteOnce アクセスモードを要求する必要があります。
7.15.4.2. 仮想マシンをインポートするための前提条件
仮想マシンを Red Hat Virtualization (RHV) から OpenShift Virtualization にインポートするには、以下の前提条件を満たす必要があります。
- 管理者ユーザー権限があること。
ストレージ:
- OpenShift Virtualization のローカルおよび共有永続ストレージクラスは、仮想マシンのインポートをサポートする必要があります。
- Ceph RBD ブロックモードのボリュームを使用している場合、ストレージは仮想ディスクに対応するのに十分な大きさである必要があります。ディスクが利用可能なストレージに対して大きすぎると、インポートプロセスが失敗し、仮想ディスクのコピーに使用される PV は解放されません。
ネットワーク:
- RHV および OpenShift Virtualization ネットワークは同じ名前を持つか、または相互にマップされる必要があります。
-
RHV 仮想マシンネットワークインターフェイスは
e1000
、rtl8139
、またはvirtio
である必要があります。
仮想マシンディスク:
-
ディスクインターフェイスは
sata
、virtio_scsi
、またはvirtio
である必要があります。 - ディスクは直接の LUN として設定することはできません。
-
ディスクのステータスは
illegal
またはlocked
にすることができません。 -
ストレージタイプは
image
である必要があります。 - SCSI 予約を無効にする必要があります。
-
ScsiGenericIO
を無効にする必要があります。
-
ディスクインターフェイスは
仮想マシンの設定:
- 仮想マシンが GPU リソースを使用する場合は、GPU を提供するノードを設定する必要があります。
- 仮想マシンを vGPU リソース用に設定することはできません。
-
仮想マシンには、
illegal
状態のスナップショットを含めることはできません。 - 仮想マシンは OpenShift Container Platform で作成されから、その後に RHV に追加することはできません。
- 仮想マシンを USB デバイス用に設定することはできません。
-
watchdog モデルは
diag288
にすることができません。
7.15.4.3. VM Import ウィザードを使用した仮想マシンのインポート
VM Import ウィザードを使用して、単一の仮想マシンをインポートできます。
手順
- Web コンソールで、Workloads → Virtual Machines をクリックします。
- Create Virtual Machine をクリックし、Import with Wizard を選択します。
- Provider 一覧で Red Hat Virtualization (RHV) を選択します。
Connect to New Instance または保存された RHV インスタンスを選択します。
Connect to New Instance を選択する場合は、以下のフィールドに入力します。
-
API URL:
https://<RHV_Manager_FQDN>/ovirt-engine/api
など。 CA certificate: Browse をクリックして RHV Manager CA 証明書をアップロードするか、またはフィールドに CA 証明書を貼り付けます。
以下のコマンドを実行して CA 証明書を表示します。
$ openssl s_client -connect <RHV_Manager_FQDN>:443 -showcerts < /dev/null
CA 証明書は、出力内の 2 番目の証明書です。
-
Username: RHV Manager ユーザー名 (例:
ocpadmin@internal
) - Password: RHV Manager パスワード
-
API URL:
- 保存された RHV インスタンスを選択する場合、ウィザードは保存された認証情報を使用して RHV インスタンスに接続します。
Check and Save をクリックし、接続が完了するまで待ちます。
注記接続の詳細はシークレットに保存されます。正しくない URL、ユーザー名またはパスワードを使用してプロバイダーを追加する場合、Workloads → Secrets をクリックし、プロバイダーのシークレットを削除します。
- クラスターおよび仮想マシンを選択します。
- Next をクリックします。
- Review 画面で、設定を確認します。
- オプション:Start virtual machine on creation を選択します。
Edit をクリックして、以下の設定を更新します。
- General → Name: 仮想マシン名は 63 文字に制限されます。
General → Description: 仮想マシンの説明 (オプション)。
Storage Class: NFS または ocs-storagecluster-ceph-rbd を選択します。
ocs-storagecluster-ceph-rbd を選択する場合、ディスクの Volume Mode を Block に設定する必要があります。
- Advanced → Volume Mode: Block を選択します。
- Advanced → Volume Mode: Block を選択します。
- Networking → Network: 利用可能なネットワーク割り当て定義オブジェクトの一覧からネットワークを選択できます。
インポート設定を編集した場合は、Import または Review and Import をクリックします。
Successfully created virtual machine というメッセージが表示され、仮想マシンに作成されたリソースの一覧が表示されます。仮想マシンが Workloads → Virtual Machines に表示されます。
仮想マシンウィザードのフィールド
名前 | パラメーター | 説明 |
---|---|---|
Template | 仮想マシンの作成に使用するテンプレート。テンプレートを選択すると、他のフィールドが自動的に入力されます。 | |
ソース | PXE | PXE メニューから仮想マシンをプロビジョニングします。クラスターに PXE 対応の NIC が必要になります。 |
URL | HTTP または S3 エンドポイントで利用できるイメージから仮想マシンをプロビジョニングします。 | |
コンテナー |
クラスターからアクセスできるレジストリーの起動可能なオペレーティングシステムコンテナーから仮想マシンをプロビジョニングします。例: | |
Disk | ディスクから仮想マシンをプロビジョニングします。 | |
Operating System | 仮想マシン用に選択される主なオペレーティングシステム。 | |
Flavor | small、medium、large、tiny、Custom | 仮想マシンに割り当てられる CPU およびメモリーの量を決定するプリセット。Flavor に設定される Preset はオペレーティングシステムによって決まります。 |
Memory | 仮想マシンに割り当てられるメモリーのサイズ (GiB 単位)。 | |
CPU | 仮想マシンに割り当てられる CPU の量。 | |
Workload Profile | High Performance | 高パフォーマンスのワークロードに対して最適化された仮想マシン設定。 |
Server | サーバーワークロードの実行に最適化されたプロファイル。 | |
Desktop | デスクトップで使用するための仮想マシン設定。 | |
名前 |
この名前には、小文字 ( | |
説明 | オプションの説明フィールド。 | |
Start virtual machine on creation | これを選択すると、作成時に仮想マシンが自動的に起動します。 |
ネットワークフィールド
名前 | 説明 |
---|---|
名前 | ネットワークインターフェイスコントローラーの名前。 |
モデル | ネットワークインターフェイスコントローラーのモデルを示します。サポートされる値は e1000e および virtio です。 |
ネットワーク | 利用可能なネットワーク接続定義の一覧。 |
Type |
利用可能なバインディングメソッドの一覧。デフォルトの Pod ネットワークについては、 |
MAC Address | ネットワークインターフェイスコントローラーの MAC アドレス。MAC アドレスが指定されていない場合、これは自動的に割り当てられます。 |
ストレージフィールド
名前 | 説明 |
---|---|
ソース | 仮想マシンの空のディスクを選択するか、または URL、Container、Attach Cloned Disk、または Attach Disk などの選択可能なオプションから選択します。既存ディスクを選択し、これを仮想マシンに割り当てるには、利用可能な Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) の一覧から Attach Cloned Disk または Attach Disk を選択します。 |
名前 |
ディスクの名前。この名前には、小文字 ( |
Size (GiB) | ディスクのサイズ (GiB)。 |
Interface | ディスクデバイスのタイプ。サポートされるインターフェイスは、virtIO、SATA、および SCSI です。 |
Storage Class | ディスクの作成に使用されるストレージクラス。 |
Advanced → Volume Mode | 永続ボリュームがフォーマットされたファイルシステムまたは raw ブロック状態を使用するかどうかを定義します。デフォルトは Filesystem です。 |
ストレージの詳細設定
名前 | パラメーター | 説明 |
---|---|---|
ボリュームモード | Filesystem | ファイルシステムベースのボリュームで仮想ディスクを保存します。 |
Block |
ブロックボリュームで仮想ディスクを直接保存します。基礎となるストレージがサポートしている場合は、 | |
アクセスモード [1] | Single User (RWO) | ディスクは単一ノードで読み取り/書き込みとしてマウントできます。 |
Shared Access (RWX) | ディスクは数多くのノードで読み取り/書き込みとしてマウントできます。 | |
Read Only (ROX) | ディスクは数多くのノードで読み取り専用としてマウントできます。 |
- コマンドラインインターフェイスを使用してアクセスモードを変更できます。
7.15.4.4. CLI を使用した仮想マシンのインポート
Secret
および VirtualMachineImport
カスタムリソース (CR) を作成して、CLI で仮想マシンをインポートできます。Secret
CR は RHV Manager の認証情報および CA 証明書を保存します。VirtualMachineImport
CR は仮想マシンのインポートプロセスのパラメーターを定義します。
オプション: VirtualMachineImport
CR とは別に ResourceMapping
CR を作成できます。ResourceMapping
CR は、追加の RHV 仮想マシンをインポートする場合などに柔軟性を提供します。
デフォルトのターゲットストレージクラスは NFS である必要があります。Cinder は RHV 仮想マシンのインポートをサポートしません。
手順
以下のコマンドを実行して
Secret
CR を作成します。$ cat <<EOF | oc create -f - apiVersion: v1 kind: Secret metadata: name: rhv-credentials namespace: default 1 type: Opaque stringData: ovirt: | apiUrl: <api_endpoint> 2 username: ocpadmin@internal password: 3 caCert: | -----BEGIN CERTIFICATE----- 4 -----END CERTIFICATE----- EOF
$ openssl s_client -connect :443 -showcerts < /dev/null
オプション: 以下のコマンドを実行して、リソースマッピングを
VirtualMachineImport
CR から分離する必要がある場合にResourceMapping
を作成します。$ cat <<EOF | kubectl create -f - apiVersion: v2v.kubevirt.io/v1alpha1 kind: ResourceMapping metadata: name: resourcemapping_example namespace: default spec: ovirt: networkMappings: - source: name: <rhv_logical_network>/<vnic_profile> 1 target: name: <target_network> 2 type: pod storageMappings: 3 - source: name: <rhv_storage_domain> 4 target: name: <target_storage_class> 5 volumeMode: <volume_mode> 6 EOF
- 1
- RHV の論理ネットワークおよび vNIC プロファイルを指定します。
- 2
- OpenShift Virtualization ネットワークを指定します。
- 3
- ストレージマッピングが
ResourceMapping
およびVirtualMachineImport
CR の両方に指定される場合、VirtualMachineImport
CR が優先されます。 - 4
- RHV ストレージドメインを指定します。
- 5
nfs
またはocs-storagecluster-ceph-rbd
を指定します。- 6
ocs-storagecluster-ceph-rbd
ストレージクラスを指定した場合、Block
をボリュームモードとして指定する必要があります。
以下のコマンドを実行して
VirtualMachineImport
CR を作成します。$ cat <<EOF | oc create -f - apiVersion: v2v.kubevirt.io/v1beta1 kind: VirtualMachineImport metadata: name: vm-import namespace: default spec: providerCredentialsSecret: name: rhv-credentials namespace: default # resourceMapping: 1 # name: resourcemapping-example # namespace: default targetVmName: vm_example 2 startVm: true source: ovirt: vm: id: <source_vm_id> 3 name: <source_vm_name> 4 cluster: name: <source_cluster_name> 5 mappings: 6 networkMappings: - source: name: <source_logical_network>/<vnic_profile> 7 target: name: <target_network> 8 type: pod storageMappings: 9 - source: name: <source_storage_domain> 10 target: name: <target_storage_class> 11 accessMode: <volume_access_mode> 12 diskMappings: - source: id: <source_vm_disk_id> 13 target: name: <target_storage_class> 14 EOF
- 1
ResourceMapping
CR を作成する場合、resourceMapping
セクションのコメントを解除します。- 2
- ターゲットの仮想マシン名を指定します。
- 3
- ソース仮想マシン ID を指定します (例:
80554327-0569-496b-bdeb-fcbbf52b827b
)。Manager マシンの Web ブラウザーでhttps://www.example.com/ovirt-engine/api/vms/
を入力して仮想マシン ID を取得し、すべての仮想マシンを一覧表示できます。インポートする仮想マシンとその対応する仮想マシン ID を見つけます。仮想マシン名またはクラスター名を指定する必要はありません。 - 4
- ソース仮想マシン名を指定する場合、ソースクラスターも指定する必要があります。ソース仮想マシン ID は指定しないでください。
- 5
- ソースクラスターを指定する場合、ソース仮想マシン名も指定する必要があります。ソース仮想マシン ID は指定しないでください。
- 6
ResourceMapping
CR を作成する場合、mappings
セクションをコメントアウトします。- 7
- ソース仮想マシンの論理ネットワークおよび vNIC プロファイルを指定します。
- 8
- OpenShift Virtualization ネットワークを指定します。
- 9
- ストレージマッピングが
ResourceMapping
およびVirtualMachineImport
CR の両方に指定される場合、VirtualMachineImport
CR が優先されます。 - 10
- ソースストレージドメインを指定します。
- 11
- ターゲットストレージクラスを指定します。
- 12
ReadWriteOnce
、ReadWriteMany
、またはReadOnlyMany
を指定します。アクセスモードが指定されていない場合、{virt} は RHV 仮想マシンまたは仮想ディスクアクセスモード上の Host → Migration mode 設定に基づいて正しいボリュームアクセスモードを判別します。-
RHV 仮想マシン移行モードが
Allow manual and automatic migration
の場合、デフォルトのアクセスモードはReadWriteMany
になります。 -
RHV 仮想ディスクのアクセスモードが
ReadOnly
の場合、デフォルトのアクセスモードはReadOnlyMany
になります。 -
その他のすべての設定では、デフォルトのアクセスモードは
ReadWriteOnce
です。
-
RHV 仮想マシン移行モードが
- 13
- ソース仮想マシンディスク ID を指定します (例:
8181ecc1-5db8-4193-9c92-3ddab3be7b05
)。Manager マシンの Web ブラウザーでhttps://www.example.com/ovirt-engine/api/vms/vm23
を入力して仮想マシンの詳細を確認し、ディスク ID 取得できます。 - 14
- ターゲットストレージクラスを指定します。
仮想マシンインポートの進捗に従い、インポートが正常に完了したことを確認します。
$ oc get vmimports vm-import -n default
インポートが成功したことを示す出力は、以下のようになります。
出力例
... status: conditions: - lastHeartbeatTime: "2020-07-22T08:58:52Z" lastTransitionTime: "2020-07-22T08:58:52Z" message: Validation completed successfully reason: ValidationCompleted status: "True" type: Valid - lastHeartbeatTime: "2020-07-22T08:58:52Z" lastTransitionTime: "2020-07-22T08:58:52Z" message: 'VM specifies IO Threads: 1, VM has NUMA tune mode specified: interleave' reason: MappingRulesVerificationReportedWarnings status: "True" type: MappingRulesVerified - lastHeartbeatTime: "2020-07-22T08:58:56Z" lastTransitionTime: "2020-07-22T08:58:52Z" message: Copying virtual machine disks reason: CopyingDisks status: "True" type: Processing dataVolumes: - name: fedora32-b870c429-11e0-4630-b3df-21da551a48c0 targetVmName: fedora32
7.15.4.4.1. 仮想マシンをインポートするための設定マップの作成
デフォルトの vm-import-controller
マッピングを上書きする場合や、追加のマッピングを追加する場合は、Red Hat Virtualization (RHV) 仮想マシンオペレーティングシステムを OpenShift Virtualization テンプレートにマップする設定マップを作成できます。
デフォルトの vm-import-controller
設定マップには、以下の RHV オペレーティングシステムおよびそれらの対応する共通の OpenShift Virtualization テンプレートが含まれます。
表7.4 オペレーティングシステムおよびテンプレートのマッピング
RHV 仮想マシンオペレーティングシステム | OpenShift Virtualization テンプレート |
---|---|
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手順
Web ブラウザーで、
http://<RHV_Manager_FQDN>/ovirt-engine/api/vms/<VM_ID>
に移動して RHV 仮想マシンオペレーティングシステムの REST API 名を特定します。以下の例のように、オペレーティングシステム名が XML 出力の<os>
セクションに表示されます。... <os> ... <type>rhel_8x64</type> </os>
利用可能な OpenShift Virtualization テンプレートの一覧を表示します。
$ oc get templates -n openshift --show-labels | tr ',' '\n' | grep os.template.kubevirt.io | sed -r 's#os.template.kubevirt.io/(.*)=.*#\1#g' | sort -u
出力例
fedora31 fedora32 ... rhel8.1 rhel8.2 ...
- RHV 仮想マシンオペレーティングシステムに一致する OpenShift Virtualization テンプレートが利用可能なテンプレートの一覧に表示されない場合は、OpenShift Virtualization Web コンソールでテンプレートを作成します。
RHV 仮想マシンオペレーティングシステムを OpenShift Virtualization テンプレートにマップするために設定マップを作成します。
$ cat <<EOF | oc create -f - apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: os-configmap namespace: default 1 data: guestos2common: | "Red Hat Enterprise Linux Server": "rhel" "CentOS Linux": "centos" "Fedora": "fedora" "Ubuntu": "ubuntu" "openSUSE": "opensuse" osinfo2common: | "<rhv-operating-system>": "<vm-template>" 2 EOF
設定マップの例
$ cat <<EOF | oc apply -f - apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: os-configmap namespace: default data: osinfo2common: | "other_linux": "fedora31" EOF
カスタム設定マップが作成されていることを確認します。
$ oc get cm -n default os-configmap -o yaml
vm-import-controller-config
設定マップにパッチを適用し、新規設定マップを適用します。$ oc patch configmap vm-import-controller-config -n openshift-cnv --patch '{ "data": { "osConfigMap.name": "os-configmap", "osConfigMap.namespace": "default" 1 } }'
- 1
- 設定マップで namespace を変更した場合は、namespace を更新します。
テンプレートが OpenShift Virtualization Web コンソールに表示されることを確認します。
- サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machine Templates タブをクリックして、一覧でテンプレートを見つけます。
7.15.4.5. 仮想マシンのインポートのトラブルシューティング
7.15.4.5.1. ログ
VM Import Controller Pod ログでエラーの有無を確認できます。
手順
以下のコマンドを実行して、VM Import Controller Pod 名を表示します。
$ oc get pods -n <namespace> | grep import 1
- 1
- インポートされた仮想マシンの namespace を指定します。
出力例
vm-import-controller-f66f7d-zqkz7 1/1 Running 0 4h49m
以下のコマンドを実行して、VM Import Controller Pod ログを表示します。
$ oc logs <vm-import-controller-f66f7d-zqkz7> -f -n <namespace> 1
- 1
- VM Import Controller Pod 名および namespace を指定します。
7.15.4.5.2. エラーメッセージ
以下のエラーメッセージが表示される場合があります。
以下のエラーメッセージが VM Import Controller Pod ログに表示され、OpenShift Virtualization ストレージ PV が適切でない場合は進捗バーは 10% で停止します。
Failed to bind volumes: provisioning failed for PVC
互換性のあるストレージクラスを使用する必要があります。Cinder ストレージクラスはサポートされません。
7.15.4.5.3. 既知の問題
- Ceph RBD ブロックモードのボリュームを使用していて、仮想ディスクに利用可能なストレージ領域が小さすぎると、インポートプロセスバーは 75% で 20 分以上停止し、移行は成功しません。Web コンソールにエラーメッセージは表示されません。BZ#1910019
7.15.5. 単一 VMware 仮想マシンまたはテンプレートのインポート
VM Import ウィザードを使用して、VMware vSphere 6.5、6.7、または 7.0 の仮想マシンまたは仮想マシンテンプレートを OpenShift Virtualization にインポートできます。
VM テンプレートをインポートする場合、OpenShift Virtualization はテンプレートに基づいて仮想マシンを作成します。
7.15.5.1. OpenShift Virtualization ストレージ機能マトリクス
以下の表は、仮想マシンのインポートをサポートする OpenShift Virtualization ストレージタイプについて説明しています。
表7.5 OpenShift Virtualization ストレージ機能マトリクス
VMware VM のインポート | |
---|---|
OpenShift Container Storage: RBD ブロックモードボリューム | Yes |
OpenShift Virtualization ホストパスプロビジョナー | Yes |
他の複数ノードの書き込み可能なストレージ | ○ [1] |
他の単一ノードの書き込み可能なストレージ | ○ [2] |
- PVC は ReadWriteMany アクセスモードを要求する必要があります。
- PVC は ReadWriteOnce アクセスモードを要求する必要があります。
7.15.5.2. VDDK イメージの作成
インポートプロセスでは、VMware Virtual Disk Development Kit (VDDK) を使用して VMware 仮想ディスクをコピーします。
VDDK SDK をダウンロードし、VDDK イメージを作成し、イメージレジストリーにイメージをアップロードしてからこれを v2v-vmware
設定マップに追加できます。
内部 OpenShift Container Platform イメージレジストリーまたは VDDK イメージのセキュアな外部イメージレジストリーのいずれかを設定できます。レジストリーは OpenShift Virtualization 環境からアクセスできる必要があります。
VDDK イメージをパブリックリポジトリーに保存すると、VMware ライセンスの条件に違反する可能性があります。
7.15.5.2.1. 内部イメージレジストリーの設定
イメージレジストリー Operator 設定を更新して、ベアメタルに内部 OpenShift Container Platform イメージレジストリーを設定できます。
レジストリーをルートで公開して、OpenShift Container Platform クラスターから、または外部からレジストリーに直接アクセスできます。
イメージレジストリーの管理状態の変更
イメージレジストリーを起動するには、イメージレジストリー Operator 設定の managementState
を Removed
から Managed
に変更する必要があります。
手順
ManagementState
イメージレジストリー Operator 設定をRemoved
からManaged
に変更します。以下に例を示します。$ oc patch configs.imageregistry.operator.openshift.io cluster --type merge --patch '{"spec":{"managementState":"Managed"}}'
ベアメタルおよび他の手動インストールの場合のレジストリーストレージの設定
クラスター管理者は、インストール後にレジストリーをストレージを使用できるように設定する必要があります。
前提条件
- クラスター管理者のパーミッション。
- ベアメタルなどの、手動でプロビジョニングされた Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) ノードを使用するクラスター。
Red Hat OpenShift Container Storage などのクラスターのプロビジョニングされた永続ストレージ。
重要OpenShift Container Platform は、1 つのレプリカのみが存在する場合にイメージレジストリーストレージの
ReadWriteOnce
アクセスをサポートします。2 つ以上のレプリカで高可用性をサポートするイメージレジストリーをデプロイするには、ReadWriteMany
アクセスが必要です。- 100Gi の容量が必要です。
手順
レジストリーをストレージを使用できるように設定するには、
configs.imageregistry/cluster
リソースのspec.storage.pvc
を変更します。注記共有ストレージを使用する場合は、外部からアクセスを防ぐためにセキュリティー設定を確認します。
レジストリー Pod がないことを確認します。
$ oc get pod -n openshift-image-registry
注記ストレージタイプが
emptyDIR
の場合、レプリカ数が1
を超えることはありません。レジストリー設定を確認します。
$ oc edit configs.imageregistry.operator.openshift.io
出力例
storage: pvc: claim:
claim
フィールドを空のままにし、image-registry-storage
PVC の自動作成を可能にします。clusteroperator
ステータスを確認します。$ oc get clusteroperator image-registry
イメージのビルドおよびプッシュを有効にするためにレジストリーが managed に設定されていることを確認します。
以下を実行します。
$ oc edit configs.imageregistry/cluster
次に、行を変更します。
managementState: Removed
上記を以下のように変更します。
managementState: Managed
クラスターからレジストリーへの直接アクセス
クラスター内からレジストリーにアクセスすることができます。
手順
内部ルートを使用して、クラスターからレジストリーにアクセスします。
ノードの名前を取得してノードにアクセスします。
$ oc get nodes
$ oc debug nodes/<node_name>
ノード上で
oc
やpodman
などのツールへのアクセスを有効にするには、以下のコマンドを実行します。sh-4.2# chroot /host
アクセストークンを使用してコンテナーイメージレジストリーにログインします。
sh-4.2# oc login -u kubeadmin -p <password_from_install_log> https://api-int.<cluster_name>.<base_domain>:6443
sh-4.2# podman login -u kubeadmin -p $(oc whoami -t) image-registry.openshift-image-registry.svc:5000
以下のようなログインを確認するメッセージが表示されるはずです。
Login Succeeded!
注記ユーザー名には任意の値を指定でき、トークンには必要な情報がすべて含まれます。コロンが含まれるユーザー名を指定すると、ログインに失敗します。
イメージレジストリー Operator はルートを作成するため、
default-route-openshift-image-registry.<cluster_name>
のようになります。レジストリーに対して
podman pull
およびpodman push
操作を実行します。重要任意のイメージをプルできますが、system:registry ロールを追加している場合は、各自のプロジェクトにあるレジストリーにのみイメージをプッシュすることができます。
次の例では、以下を使用します。
コンポーネント 値 <registry_ip>
172.30.124.220
<port>
5000
<project>
openshift
<image>
image
<tag>
省略 (デフォルトは
latest
)任意のイメージをプルします。
sh-4.2# podman pull name.io/image
新規イメージに
<registry_ip>:<port>/<project>/<image>
形式でタグ付けします。プロジェクト名は、イメージを正しくレジストリーに配置し、これに後でアクセスできるようにするために OpenShift Container Platform のプル仕様に表示される必要があります。sh-4.2# podman tag name.io/image image-registry.openshift-image-registry.svc:5000/openshift/image
注記指定されたプロジェクトについて
system:image-builder
ロールを持っている必要があります。このロールにより、ユーザーはイメージの書き出しやプッシュを実行できます。そうでない場合は、次の手順のpodman push
は失敗します。これをテストするには、新規プロジェクトを作成し、イメージをプッシュできます。新しくタグ付けされたイメージをレジストリーにプッシュします。
sh-4.2# podman push image-registry.openshift-image-registry.svc:5000/openshift/image
セキュアなレジストリーの手動による公開
クラスター内から OpenShift Container Platform レジストリーにログインするのではなく、外部からレジストリーにアクセスできるように、このレジストリーをルートに公開します。これにより、ルートアドレスを使用してクラスターの外部からレジストリーにログインし、ルートホストを使用してイメージにタグを付けて既存のプロジェクトにプッシュすることができます。
前提条件:
以下の前提条件は自動的に実行されます。
- レジストリー Operator のデプロイ。
- Ingress Operator のデプロイ。
手順
configs.imageregistry.operator.openshift.io
リソースで DefaultRoute
パラメーターを使用するか、またはカスタムルートを使用してルートを公開することができます。
DefaultRoute
を使用してレジストリーを公開するには、以下を実行します。
DefaultRoute
をTrue
に設定します。$ oc patch configs.imageregistry.operator.openshift.io/cluster --patch '{"spec":{"defaultRoute":true}}' --type=merge
podman
でログインします。$ HOST=$(oc get route default-route -n openshift-image-registry --template='{{ .spec.host }}')
$ podman login -u kubeadmin -p $(oc whoami -t) --tls-verify=false $HOST 1
- 1
--tls-verify=false
は、ルートのクラスターのデフォルト証明書が信頼されない場合に必要になります。Ingress Operator で、信頼されるカスタム証明書をデフォルト証明書として設定できます。
カスタムルートを使用してレジストリーを公開するには、以下を実行します。
ルートの TLS キーでシークレットを作成します。
$ oc create secret tls public-route-tls \ -n openshift-image-registry \ --cert=</path/to/tls.crt> \ --key=</path/to/tls.key>
この手順はオプションです。シークレットを作成しない場合、ルートは Ingress Operator からデフォルトの TLS 設定を使用します。
レジストリー Operator では、以下のようになります。
spec: routes: - name: public-routes hostname: myregistry.mycorp.organization secretName: public-route-tls ...
注記レジストリーのルートのカスタム TLS 設定を指定している場合は
secretName
のみを設定します。
7.15.5.2.2. 外部イメージレジストリーの設定
VDDK イメージの外部イメージレジストリーを使用する場合、外部イメージレジストリーの認証局を OpenShift Container Platform クラスターに追加できます。
オプションで、Docker 認証情報からプルシークレットを作成し、これをサービスアカウントに追加できます。
クラスターへの認証局の追加
以下の手順でイメージのプッシュおよびプル時に使用する認証局 (CA) をクラスターに追加することができます。
前提条件
- クラスター管理者の権限があること。
-
レジストリーの公開証明書 (通常は、
/etc/docker/certs.d/
ディレクトリーにあるhostname/ca.crt
ファイル)。
手順
自己署名証明書を使用するレジストリーの信頼される証明書が含まれる
ConfigMap
をopenshift-config
namespace に作成します。それぞれの CA ファイルについて、ConfigMap
のキーがhostname[..port]
形式のレジストリーのホスト名であることを確認します。$ oc create configmap registry-cas -n openshift-config \ --from-file=myregistry.corp.com..5000=/etc/docker/certs.d/myregistry.corp.com:5000/ca.crt \ --from-file=otherregistry.com=/etc/docker/certs.d/otherregistry.com/ca.crt
クラスターイメージの設定を更新します。
$ oc patch image.config.openshift.io/cluster --patch '{"spec":{"additionalTrustedCA":{"name":"registry-cas"}}}' --type=merge
Pod が他のセキュリティー保護されたレジストリーからイメージを参照できるようにする設定
Docker クライアントの .dockercfg
$HOME/.docker/config.json
ファイルは、セキュア/非セキュアなレジストリーに事前にログインしている場合に認証情報を保存する Docker 認証情報ファイルです。
OpenShift Container Platform の内部レジストリーにないセキュリティー保護されたコンテナーイメージをプルするには、Docker 認証情報でプルシークレットを作成し、これをサービスアカウントに追加する必要があります。
手順
セキュリティー保護されたレジストリーの
.dockercfg
ファイルがすでにある場合は、以下を実行してそのファイルからシークレットを作成できます。$ oc create secret generic <pull_secret_name> \ --from-file=.dockercfg=<path/to/.dockercfg> \ --type=kubernetes.io/dockercfg
または、
$HOME/.docker/config.json
ファイルがある場合は以下を実行します。$ oc create secret generic <pull_secret_name> \ --from-file=.dockerconfigjson=<path/to/.docker/config.json> \ --type=kubernetes.io/dockerconfigjson
セキュアなレジストリーについての Docker 認証情報ファイルがまだない場合には、以下のコマンドを実行してシークレットを作成することができます。
$ oc create secret docker-registry <pull_secret_name> \ --docker-server=<registry_server> \ --docker-username=<user_name> \ --docker-password=<password> \ --docker-email=<email>
Pod のイメージをプルするためのシークレットを使用するには、そのシークレットをサービスアカウントに追加する必要があります。この例では、サービスアカウントの名前は、Pod が使用するサービスアカウントの名前に一致している必要があります。デフォルトのサービスアカウントは
default
です。$ oc secrets link default <pull_secret_name> --for=pull
7.15.5.2.3. VDDK イメージの作成および使用
VMware Virtual Disk Development Kit (VDDK) をダウンロードして、VDDK イメージをビルドし、VDDK イメージをイメージレジストリーにプッシュできます。VDDK イメージを v2v-vmware
設定マップに追加します。
前提条件
- OpenShift Container Platform 内部イメージレジストリーまたはセキュアな外部レジストリーにアクセスできる必要がある。
手順
一時ディレクトリーを作成し、これに移動します。
$ mkdir /tmp/<dir_name> && cd /tmp/<dir_name>
- ブラウザーで VMware code に移動し、SDKs をクリックします。
- Compute Virtualization で Virtual Disk Development Kit(VDDK) をクリックします。
- VMware vSphere のバージョンに対応する VDDK バージョンを選択します。たとえば、vSphere 7.0 の場合は VDDK 7.0 を選択し、Download をクリックしてから、VDDK アーカイブを一時ディレクトリーに保存します。
VDDK アーカイブを展開します。
$ tar -xzf VMware-vix-disklib-<version>.x86_64.tar.gz
Dockerfile
を作成します。$ cat > Dockerfile <<EOF FROM busybox:latest COPY vmware-vix-disklib-distrib /vmware-vix-disklib-distrib RUN mkdir -p /opt ENTRYPOINT ["cp", "-r", "/vmware-vix-disklib-distrib", "/opt"] EOF
イメージをビルドします。
$ podman build . -t <registry_route_or_server_path>/vddk:<tag> 1
- 1
- イメージレジストリーを指定します。
-
内部 OpenShift Container Platform レジストリーの場合は、内部レジストリールート (例:
image-registry.openshift-image-registry.svc:5000/openshift/vddk:<tag>
) を使用します。 -
外部レジストリーの場合は、サーバー名、パスおよびタグを指定します (例:
server.example.com:5000/vddk:<tag>
)。
-
内部 OpenShift Container Platform レジストリーの場合は、内部レジストリールート (例:
イメージをレジストリーにプッシュします。
$ podman push <registry_route_or_server_path>/vddk:<tag>
- イメージが OpenShift virtualization 環境からアクセスできることを確認します。
openshift-cnv プロジェクトで
v2v-vmware
設定マップを編集します。$ oc edit configmap v2v-vmware -n openshift-cnv
vddk-init-image
パラメーターをdata
スタンザに追加します。... data: vddk-init-image: <registry_route_or_server_path>/vddk:<tag>
7.15.5.3. VM Import ウィザードを使用した仮想マシンのインポート
VM Import ウィザードを使用して、単一の仮想マシンをインポートできます。
仮想マシンテンプレートをインポートすることもできます。VM テンプレートをインポートする場合、OpenShift Virtualization はテンプレートに基づいて仮想マシンを作成します。
前提条件
- 管理者ユーザー権限があること。
- VMware Virtual Disk Development Kit (VDDK) イメージは、OpenShift Virtualization 環境からアクセスできるイメージレジストリーにある。
-
VDDK イメージは
v2v-vmware
設定マップに追加されている。 - 仮想マシンの電源がオフになっている。
- 仮想ディスクが IDE または SCSI コントローラーに接続されている。仮想ディスクが SATA コントローラーに接続されている場合は、それらを IDE コントローラーに変更してから、仮想マシンを移行できます。
- OpenShift Virtualization のローカルおよび共有永続ストレージクラスは、仮想マシンのインポートをサポートする必要があります。
OpenShift Virtualization ストレージは、仮想ディスクに対応するのに十分な大きさである。
警告Ceph RBD ブロックモードのボリュームを使用している場合、ストレージは仮想ディスクに対応するのに十分な大きさである必要があります。ディスクが利用可能なストレージに対して大きすぎると、インポートプロセスが失敗し、仮想ディスクのコピーに使用される PV は解放されません。オブジェクトの削除をサポートするためのリソースが十分にないため、別の仮想マシンをインポートしたり、ストレージをクリーンアップしたりすることはできません。この状況を解決するには、ストレージバックエンドにオブジェクトストレージデバイスをさらに追加する必要があります。
OpenShift Virtualization egress ネットワークポリシーは以下のトラフィックを許可する必要がある。
宛先 プロトコル ポート VMware ESXi ホスト
TCP
443
VMware ESXi ホスト
TCP
902
VMware vCenter
TCP
5840
手順
- Web コンソールで、Workloads → Virtual Machines をクリックします。
- Create Virtual Machine をクリックし、Import with Wizard を選択します。
- Provider 一覧から、VMware を選択します。
Connect to New Instance または保存された vCenter インスタンスを選択します。
- Connect to New Instance を選択する場合、vCenter hostname、Username、Password を入力します。
- 保存された vCenter インスタンスを選択する場合、ウィザードは保存された認証情報を使用して vCenter に接続します。
Check and Save をクリックし、接続が完了するまで待ちます。
注記接続の詳細はシークレットに保存されます。ホスト名、ユーザー名、またはパスワードが正しくないプロバイダーを追加した場合は、Workloads → Secrets をクリックし、プロバイダーのシークレットを削除します。
- 仮想マシンまたはテンプレートを選択します。
- Next をクリックします。
- Review 画面で、設定を確認します。
Edit をクリックして、以下の設定を更新します。
General:
- 説明
- オペレーティングシステム
- Flavor
- Memory
- CPU
- Workload Profile
Networking:
- 名前
- Model
- Network
- Type
- MAC Address
ストレージ: 仮想マシンディスクの Options メニュー
をクリックし、Edit を選択して以下のフィールドを更新します。
- 名前
- Source: Import Disk など。
- Size
- Interface
Storage Class: NFS または ocs-storagecluster-ceph-rbd (ceph-rbd) を選択します。
ocs-storagecluster-ceph-rbd を選択する場合、ディスクの Volume Mode を Block に設定する必要があります。
他のストレージクラスは機能する可能性がありますが、正式にサポートされていません。
- Advanced → Volume Mode: Block を選択します。
- Advanced → Access Mode
Advanced → Cloud-init:
- Form: Hostname および Authenticated SSH Keys を入力します。
-
Custom script: テキストフィールドに
cloud-init
スクリプトを入力します。
- Advanced → Virtual Hardware: 仮想 CD-ROM をインポートされた仮想マシンに割り当てることができます。
インポート設定を編集した場合は、Import または Review and Import をクリックします。
Successfully created virtual machine というメッセージが表示され、仮想マシンに作成されたリソースの一覧が表示されます。仮想マシンが Workloads → Virtual Machines に表示されます。
仮想マシンウィザードのフィールド
名前 | パラメーター | 説明 |
---|---|---|
Template | 仮想マシンの作成に使用するテンプレート。テンプレートを選択すると、他のフィールドが自動的に入力されます。 | |
ソース | PXE | PXE メニューから仮想マシンをプロビジョニングします。クラスターに PXE 対応の NIC が必要になります。 |
URL | HTTP または S3 エンドポイントで利用できるイメージから仮想マシンをプロビジョニングします。 | |
コンテナー |
クラスターからアクセスできるレジストリーの起動可能なオペレーティングシステムコンテナーから仮想マシンをプロビジョニングします。例: | |
Disk | ディスクから仮想マシンをプロビジョニングします。 | |
Operating System | 仮想マシン用に選択される主なオペレーティングシステム。 | |
Flavor | small、medium、large、tiny、Custom | 仮想マシンに割り当てられる CPU およびメモリーの量を決定するプリセット。Flavor に設定される Preset はオペレーティングシステムによって決まります。 |
Memory | 仮想マシンに割り当てられるメモリーのサイズ (GiB 単位)。 | |
CPU | 仮想マシンに割り当てられる CPU の量。 | |
Workload Profile | High Performance | 高パフォーマンスのワークロードに対して最適化された仮想マシン設定。 |
Server | サーバーワークロードの実行に最適化されたプロファイル。 | |
Desktop | デスクトップで使用するための仮想マシン設定。 | |
名前 |
この名前には、小文字 ( | |
説明 | オプションの説明フィールド。 | |
Start virtual machine on creation | これを選択すると、作成時に仮想マシンが自動的に起動します。 |
Cloud-init フィールド
名前 | 説明 |
---|---|
Hostname | 仮想マシンの特定のホスト名を設定します。 |
Authenticated SSH Keys | 仮想マシンの ~/.ssh/authorized_keys にコピーされるユーザーの公開鍵。 |
カスタムスクリプト | 他のオプションを、カスタム cloud-init スクリプトを貼り付けるフィールドに置き換えます。 |
ネットワークフィールド
名前 | 説明 |
---|---|
名前 | ネットワークインターフェイスコントローラーの名前。 |
モデル | ネットワークインターフェイスコントローラーのモデルを示します。サポートされる値は e1000e および virtio です。 |
ネットワーク | 利用可能なネットワーク接続定義の一覧。 |
Type |
利用可能なバインディングメソッドの一覧。デフォルトの Pod ネットワークについては、 |
MAC Address | ネットワークインターフェイスコントローラーの MAC アドレス。MAC アドレスが指定されていない場合、これは自動的に割り当てられます。 |
ストレージフィールド
名前 | 説明 |
---|---|
ソース | 仮想マシンの空のディスクを選択するか、または URL、Container、Attach Cloned Disk、または Attach Disk などの選択可能なオプションから選択します。既存ディスクを選択し、これを仮想マシンに割り当てるには、利用可能な Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) の一覧から Attach Cloned Disk または Attach Disk を選択します。 |
名前 |
ディスクの名前。この名前には、小文字 ( |
Size (GiB) | ディスクのサイズ (GiB)。 |
Interface | ディスクデバイスのタイプ。サポートされるインターフェイスは、virtIO、SATA、および SCSI です。 |
Storage Class | ディスクの作成に使用されるストレージクラス。 |
Advanced → Volume Mode | 永続ボリュームがフォーマットされたファイルシステムまたは raw ブロック状態を使用するかどうかを定義します。デフォルトは Filesystem です。 |
Advanced → Access Mode | 永続ボリュームのアクセスモード。サポートされるアクセスモードは ReadWriteOnce、ReadOnlyMany、および ReadWriteMany です。 |
ストレージの詳細設定
以下のストレージの詳細設定は、Blank、Import via URLURL、および Clone existing PVC ディスクで利用できます。これらのパラメーターはオプションです。これらのパラメーターを指定しない場合、システムは kubevirt-storage-class-defaults
設定マップのデフォルト値を使用します。
名前 | パラメーター | 説明 |
---|---|---|
ボリュームモード | Filesystem | ファイルシステムベースのボリュームで仮想ディスクを保存します。 |
Block |
ブロックボリュームで仮想ディスクを直接保存します。基礎となるストレージがサポートしている場合は、 | |
アクセスモード | Single User (RWO) | ディスクは単一ノードで読み取り/書き込みとしてマウントできます。 |
Shared Access (RWX) | ディスクは数多くのノードで読み取り/書き込みとしてマウントできます。 注記 これは、ノード間の仮想マシンのライブマイグレーションなどの、一部の機能で必要になります。 | |
Read Only (ROX) | ディスクは数多くのノードで読み取り専用としてマウントできます。 |
7.15.5.3.1. インポートされた仮想マシンの NIC 名の更新
VMware からインポートされた仮想マシンの NIC 名を、 OpenShift Virtualization の命名規則に適合するように更新する必要があります。
手順
- 仮想マシンにログインします。
-
/etc/sysconfig/network-scripts
ディレクトリーに移動します。 ネットワーク設定ファイルの名前を変更します。
$ mv vmnic0 ifcfg-eth0 1
- 1
- ネットワーク設定ファイルの名前を
ifcfg-eth0
に変更します。追加のネットワーク設定ファイルには、ifcfg-eth1
、ifcfg-eth2
などの番号が順番に付けられます。
ネットワーク設定ファイルで
NAME
およびDEVICE
パラメーターを更新します。NAME=eth0 DEVICE=eth0
ネットワークを再起動します。
$ systemctl restart network
7.15.5.4. 仮想マシンのインポートのトラブルシューティング
7.15.5.4.1. ログ
V2V Conversion Pod ログでエラーの有無を確認できます。
手順
以下のコマンドを実行して、V2V Conversion Pod 名を表示します。
$ oc get pods -n <namespace> | grep v2v 1
- 1
- インポートされた仮想マシンの namespace を指定します。
出力例
kubevirt-v2v-conversion-f66f7d-zqkz7 1/1 Running 0 4h49m
以下のコマンドを実行して V2V Conversion Pod ログを表示します。
$ oc logs <kubevirt-v2v-conversion-f66f7d-zqkz7> -f -n <namespace> 1
- 1
- VM Conversion Pod 名および namespace を指定します。
7.15.5.4.2. エラーメッセージ
以下のエラーメッセージが表示される場合があります。
インポート前に VMware 仮想マシンがシャットダウンされない場合、OpenShift Container Platform コンソールのインポートされた仮想マシンにはエラーメッセージ
Readiness probe failed
が表示され、V2V Conversion Pod ログには以下のエラーメッセージが表示されます。INFO - have error: ('virt-v2v error: internal error: invalid argument: libvirt domain ‘v2v_migration_vm_1’ is running or paused. It must be shut down in order to perform virt-v2v conversion',)"
管理者以外のユーザーが仮想マシンのインポートを試みると、以下のエラーメッセージが OpenShift Container Platform コンソールに表示されます。
Could not load config map vmware-to-kubevirt-os in kube-public namespace Restricted Access: configmaps "vmware-to-kubevirt-os" is forbidden: User cannot get resource "configmaps" in API group "" in the namespace "kube-public"
仮想マシンをインポートできるのは、管理者ユーザーのみです。
7.16. 仮想マシンのクローン作成
7.16.1. 複数の namespace 間でデータボリュームをクローン作成するためのユーザーパーミッションの有効化
namespace には相互に分離する性質があるため、ユーザーはデフォルトでは namespace をまたがってリソースのクローンを作成することができません。
ユーザーが仮想マシンのクローンを別の namespace に作成できるようにするには、cluster-admin
ロールを持つユーザーが新規のクラスターロールを作成する必要があります。このクラスターロールをユーザーにバインドし、それらのユーザーが仮想マシンのクローンを宛先 namespace に対して作成できるようにします。
7.16.1.1. 前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーのみがクラスターロールを作成できます。
7.16.1.2. データボリュームについて
DataVolume
オブジェクトは、Containerized Data Importer (CDI) プロジェクトで提供されるカスタムリソースです。データボリュームは、基礎となる永続ボリューム要求 (PVC) に関連付けられるインポート、クローン作成、およびアップロード操作のオーケストレーションを行います。データボリュームは OpenShift Virtualization に統合され、仮想マシンが PVC の作成前に起動することを防ぎます。
7.16.1.3. データボリュームのクローン作成のための RBAC リソースの作成
datavolumes
リソースのすべてのアクションのパーミッションを有効にする新規のくスターロールを作成します。
手順
ClusterRole
マニフェストを作成します。apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1 kind: ClusterRole metadata: name: <datavolume-cloner> 1 rules: - apiGroups: ["cdi.kubevirt.io"] resources: ["datavolumes/source"] verbs: ["*"]
- 1
- クラスターロールの一意の名前。
クラスターにクラスターロールを作成します。
$ oc create -f <datavolume-cloner.yaml> 1
- 1
- 直前の手順で作成された
ClusterRole
マニフェストのファイル名です。
移行元および宛先 namespace の両方に適用される
RoleBinding
マニフェストを作成し、直前の手順で作成したクラスターロールを参照します。apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1 kind: RoleBinding metadata: name: <allow-clone-to-user> 1 namespace: <Source namespace> 2 subjects: - kind: ServiceAccount name: default namespace: <Destination namespace> 3 roleRef: kind: ClusterRole name: datavolume-cloner 4 apiGroup: rbac.authorization.k8s.io
クラスターにロールバインディングを作成します。
$ oc create -f <datavolume-cloner.yaml> 1
- 1
- 直前の手順で作成された
RoleBinding
マニフェストのファイル名です。
7.16.2. 新規データボリュームへの仮想マシンディスクのクローン作成
データボリューム設定ファイルでソース PVC を参照し、新規データボリュームに仮想マシンディスクの永続ボリューム要求 (PVC) のクローンを作成できます。
異なるボリュームモード間でのクローン作成操作はサポートされていません。volumeMode
の値は、ソースとターゲットの両方の仕様で一致している必要があります。
たとえば、volumeMode: Block
の永続ボリューム (PV) から volumeMode: Filesystem
の PV へのクローン作成を試行する場合、操作はエラーメッセージを出して失敗します。
7.16.2.1. 前提条件
- ユーザーは、仮想マシンディスクの PVC のクローンを別の namespace に作成するために 追加のパーミッション が必要です。
7.16.2.2. データボリュームについて
DataVolume
オブジェクトは、Containerized Data Importer (CDI) プロジェクトで提供されるカスタムリソースです。データボリュームは、基礎となる永続ボリューム要求 (PVC) に関連付けられるインポート、クローン作成、およびアップロード操作のオーケストレーションを行います。データボリュームは OpenShift Virtualization に統合され、仮想マシンが PVC の作成前に起動することを防ぎます。
7.16.2.3. 新規データボリュームへの仮想マシンディスクの永続ボリューム要求 (PVC) のクローン作成
既存の仮想マシンディスクの永続ボリューム要求 (PVC) のクローンを新規データボリュームに作成できます。その後、新規データボリュームは新規の仮想マシンに使用できます。
データボリュームが仮想マシンとは別に作成される場合、データボリュームのライフサイクルは仮想マシンから切り離されます。仮想マシンが削除されても、データボリュームもその関連付けられた PVC も削除されません。
前提条件
- 使用する既存の仮想マシンディスクの PVC を判別すること。クローン作成の前に、PVC に関連付けられた仮想マシンの電源を切る必要があります。
-
OpenShift CLI (
oc
) をインストールしている。
手順
- 関連付けられた PVC の名前および namespace を特定するために、クローン作成に必要な仮想マシンディスクを確認します。
新規データボリュームの名前、ソース PVC の名前および namespace、および新規データボリュームのサイズを指定するデータボリュームの YAML ファイルを作成します。
以下に例を示します。
apiVersion: cdi.kubevirt.io/v1beta1 kind: DataVolume metadata: name: <cloner-datavolume> 1 spec: source: pvc: namespace: "<source-namespace>" 2 name: "<my-favorite-vm-disk>" 3 pvc: accessModes: - ReadWriteOnce resources: requests: storage: <2Gi> 4
データボリュームを作成して PVC のクローン作成を開始します。
$ oc create -f <cloner-datavolume>.yaml
注記データボリュームは仮想マシンが PVC の作成前に起動することを防ぐため、PVC のクローン作成中に新規データボリュームを参照する仮想マシンを作成できます。
7.16.2.4. テンプレート: データボリュームクローン設定ファイル
example-clone-dv.yaml
apiVersion: cdi.kubevirt.io/v1beta1 kind: DataVolume metadata: name: "example-clone-dv" spec: source: pvc: name: source-pvc namespace: example-ns pvc: accessModes: - ReadWriteOnce resources: requests: storage: "1G"
7.16.2.5. CDI がサポートする操作マトリックス
このマトリックスにはエンドポイントに対してコンテンツタイプのサポートされる CDI 操作が表示されます。これらの操作にはスクラッチ領域が必要です。
コンテンツタイプ | HTTP | HTTPS | HTTP Basic 認証 | レジストリー | アップロード |
---|---|---|---|---|---|
kubevirt (QCOW2) |
✓ QCOW2 |
✓ QCOW2** |
✓ QCOW2 |
✓ QCOW2* |
✓ QCOW2* |
KubeVirt (RAW) |
✓ RAW |
✓ RAW |
✓ RAW |
✓ RAW* |
✓ RAW* |
✓ サポートされる操作
□ サポートされない操作
* スクラッチ領域が必要
**カスタム認証局が必要な場合にスクラッチ領域が必要
7.16.3. データボリュームテンプレートの使用による仮想マシンのクローン作成
既存の仮想マシンの永続ボリューム要求 (PVC) のクローン作成により、新規の仮想マシンを作成できます。dataVolumeTemplate
を仮想マシン設定ファイルに含めることにより、元の PVC から新規のデータボリュームを作成します。
異なるボリュームモード間でのクローン作成操作はサポートされていません。volumeMode
の値は、ソースとターゲットの両方の仕様で一致している必要があります。
たとえば、volumeMode: Block
の永続ボリューム (PV) から volumeMode: Filesystem
の PV へのクローン作成を試行する場合、操作はエラーメッセージを出して失敗します。
7.16.3.1. 前提条件
- ユーザーは、仮想マシンディスクの PVC のクローンを別の namespace に作成するために 追加のパーミッション が必要です。
7.16.3.2. データボリュームについて
DataVolume
オブジェクトは、Containerized Data Importer (CDI) プロジェクトで提供されるカスタムリソースです。データボリュームは、基礎となる永続ボリューム要求 (PVC) に関連付けられるインポート、クローン作成、およびアップロード操作のオーケストレーションを行います。データボリュームは OpenShift Virtualization に統合され、仮想マシンが PVC の作成前に起動することを防ぎます。
7.16.3.3. データボリュームテンプレートの使用による、クローン作成された永続ボリューム要求 (PVC) からの仮想マシンの新規作成
既存の仮想マシンの永続ボリューム要求 (PVC) のクローンをデータボリュームに作成する仮想マシンを作成できます。仮想マシンマニフェストの dataVolumeTemplate
を参照することにより、source
PVC のクローンがデータボリュームに作成され、これは次に仮想マシンを作成するために自動的に使用されます。
データボリュームが仮想マシンのデータボリュームテンプレートの一部として作成されると、データボリュームのライフサイクルは仮想マシンに依存します。つまり、仮想マシンが削除されると、データボリュームおよび関連付けられた PVC も削除されます。
前提条件
- 使用する既存の仮想マシンディスクの PVC を判別すること。クローン作成の前に、PVC に関連付けられた仮想マシンの電源を切る必要があります。
-
OpenShift CLI (
oc
) をインストールしている。
手順
- 関連付けられた PVC の名前および namespace を特定するために、クローン作成に必要な仮想マシンを確認します。
VirtualMachine
オブジェクトの YAML ファイルを作成します。以下の仮想マシンのサンプルでは、source-namespace
namespace にあるmy-favorite-vm-disk
のクローンを作成します。favorite-clone
という2Gi
データはmy-favorite-vm-disk
から作成されます。以下に例を示します。
apiVersion: kubevirt.io/v1alpha3 kind: VirtualMachine metadata: labels: kubevirt.io/vm: vm-dv-clone name: vm-dv-clone 1 spec: running: false template: metadata: labels: kubevirt.io/vm: vm-dv-clone spec: domain: devices: disks: - disk: bus: virtio name: root-disk resources: requests: memory: 64M volumes: - dataVolume: name: favorite-clone name: root-disk dataVolumeTemplates: - metadata: name: favorite-clone spec: pvc: accessModes: - ReadWriteOnce resources: requests: storage: 2Gi source: pvc: namespace: "source-namespace" name: "my-favorite-vm-disk"
- 1
- 作成する仮想マシン。
PVC のクローンが作成されたデータボリュームで仮想マシンを作成します。
$ oc create -f <vm-clone-datavolumetemplate>.yaml
7.16.3.4. テンプレート: データボリューム仮想マシン設定ファイル
example-dv-vm.yaml
apiVersion: kubevirt.io/v1alpha3
kind: VirtualMachine
metadata:
labels:
kubevirt.io/vm: example-vm
name: example-vm
spec:
dataVolumeTemplates:
- metadata:
name: example-dv
spec:
pvc:
accessModes:
- ReadWriteOnce
resources:
requests:
storage: 1G
source:
http:
url: "" 1
running: false
template:
metadata:
labels:
kubevirt.io/vm: example-vm
spec:
domain:
cpu:
cores: 1
devices:
disks:
- disk:
bus: virtio
name: example-dv-disk
machine:
type: q35
resources:
requests:
memory: 1G
terminationGracePeriodSeconds: 0
volumes:
- dataVolume:
name: example-dv
name: example-dv-disk
- 1
- インポートする必要のあるイメージの
HTTP
ソース (該当する場合)。
7.16.3.5. CDI がサポートする操作マトリックス
このマトリックスにはエンドポイントに対してコンテンツタイプのサポートされる CDI 操作が表示されます。これらの操作にはスクラッチ領域が必要です。
コンテンツタイプ | HTTP | HTTPS | HTTP Basic 認証 | レジストリー | アップロード |
---|---|---|---|---|---|
kubevirt (QCOW2) |
✓ QCOW2 |
✓ QCOW2** |
✓ QCOW2 |
✓ QCOW2* |
✓ QCOW2* |
KubeVirt (RAW) |
✓ RAW |
✓ RAW |
✓ RAW |
✓ RAW* |
✓ RAW* |
✓ サポートされる操作
□ サポートされない操作
* スクラッチ領域が必要
**カスタム認証局が必要な場合にスクラッチ領域が必要
7.16.4. 新規ブロックストレージデータボリュームへの仮想マシンディスクのクローン作成
データボリューム設定ファイルでソース PVC を参照し、新規ブロックデータボリュームに仮想マシンディスクの永続ボリューム要求 (PVC) のクローンを作成できます。
異なるボリュームモード間でのクローン作成操作はサポートされていません。volumeMode
の値は、ソースとターゲットの両方の仕様で一致している必要があります。
たとえば、volumeMode: Block
の永続ボリューム (PV) から volumeMode: Filesystem
の PV へのクローン作成を試行する場合、操作はエラーメッセージを出して失敗します。
7.16.4.1. 前提条件
- ユーザーは、仮想マシンディスクの PVC のクローンを別の namespace に作成するために 追加のパーミッション が必要です。
7.16.4.2. データボリュームについて
DataVolume
オブジェクトは、Containerized Data Importer (CDI) プロジェクトで提供されるカスタムリソースです。データボリュームは、基礎となる永続ボリューム要求 (PVC) に関連付けられるインポート、クローン作成、およびアップロード操作のオーケストレーションを行います。データボリュームは OpenShift Virtualization に統合され、仮想マシンが PVC の作成前に起動することを防ぎます。
7.16.4.3. ブロック永続ボリュームについて
ブロック永続ボリューム (PV) は、raw ブロックデバイスによってサポートされる PV です。これらのボリュームにはファイルシステムがなく、オーバーヘッドを削減することで、仮想マシンのパフォーマンス上の利点をもたらすことができます。
raw ブロックボリュームは、PV および永続ボリューム要求 (PVC) 仕様で volumeMode: Block
を指定してプロビジョニングされます。
7.16.4.4. ローカルブロック永続ボリュームの作成
ファイルにデータを設定し、これをループデバイスとしてマウントすることにより、ノードでローカルブロック永続ボリューム (PV) を作成します。次に、このループデバイスを PV マニフェストで Block
ボリュームとして参照し、これを仮想マシンイメージのブロックデバイスとして使用できます。
手順
-
ローカル PV を作成するノードに
root
としてログインします。この手順では、node01
を例に使用します。 ファイルを作成して、これを null 文字で設定し、ブロックデバイスとして使用できるようにします。以下の例では、2Gb (20 100Mb ブロック) のサイズのファイル
loop10
を作成します。$ dd if=/dev/zero of=<loop10> bs=100M count=20
loop10
ファイルをループデバイスとしてマウントします。$ losetup </dev/loop10>d3 <loop10> 1 2
マウントされたループデバイスを参照する
PersistentVolume
マニフェストを作成します。kind: PersistentVolume apiVersion: v1 metadata: name: <local-block-pv10> annotations: spec: local: path: </dev/loop10> 1 capacity: storage: <2Gi> volumeMode: Block 2 storageClassName: local 3 accessModes: - ReadWriteOnce persistentVolumeReclaimPolicy: Delete nodeAffinity: required: nodeSelectorTerms: - matchExpressions: - key: kubernetes.io/hostname operator: In values: - <node01> 4
ブロック PV を作成します。
# oc create -f <local-block-pv10.yaml>1
- 1
- 直前の手順で作成された永続ボリュームのファイル名。
7.16.4.5. 新規データボリュームへの仮想マシンディスクの永続ボリューム要求 (PVC) のクローン作成
既存の仮想マシンディスクの永続ボリューム要求 (PVC) のクローンを新規データボリュームに作成できます。その後、新規データボリュームは新規の仮想マシンに使用できます。
データボリュームが仮想マシンとは別に作成される場合、データボリュームのライフサイクルは仮想マシンから切り離されます。仮想マシンが削除されても、データボリュームもその関連付けられた PVC も削除されません。
前提条件
- 使用する既存の仮想マシンディスクの PVC を判別すること。クローン作成の前に、PVC に関連付けられた仮想マシンの電源を切る必要があります。
-
OpenShift CLI (
oc
) をインストールしている。 - ソース PVC と同じか、またはこれよりも大きい 1 つ以上の利用可能なブロック永続ボリューム (PV)。
手順
- 関連付けられた PVC の名前および namespace を特定するために、クローン作成に必要な仮想マシンディスクを確認します。
新規データボリュームの名前、ソース PVC の名前および namespace、利用可能なブロック PV を使用できるようにするために
volumeMode: Block
、および新規データボリュームのサイズを指定するデータボリュームの YAML ファイルを作成します。以下に例を示します。
apiVersion: cdi.kubevirt.io/v1beta1 kind: DataVolume metadata: name: <cloner-datavolume> 1 spec: source: pvc: namespace: "<source-namespace>" 2 name: "<my-favorite-vm-disk>" 3 pvc: accessModes: - ReadWriteOnce resources: requests: storage: <2Gi> 4 volumeMode: Block 5
データボリュームを作成して PVC のクローン作成を開始します。
$ oc create -f <cloner-datavolume>.yaml
注記データボリュームは仮想マシンが PVC の作成前に起動することを防ぐため、PVC のクローン作成中に新規データボリュームを参照する仮想マシンを作成できます。
7.16.4.6. CDI がサポートする操作マトリックス
このマトリックスにはエンドポイントに対してコンテンツタイプのサポートされる CDI 操作が表示されます。これらの操作にはスクラッチ領域が必要です。
コンテンツタイプ | HTTP | HTTPS | HTTP Basic 認証 | レジストリー | アップロード |
---|---|---|---|---|---|
kubevirt (QCOW2) |
✓ QCOW2 |
✓ QCOW2** |
✓ QCOW2 |
✓ QCOW2* |
✓ QCOW2* |
KubeVirt (RAW) |
✓ RAW |
✓ RAW |
✓ RAW |
✓ RAW* |
✓ RAW* |
✓ サポートされる操作
□ サポートされない操作
* スクラッチ領域が必要
**カスタム認証局が必要な場合にスクラッチ領域が必要
7.17. 仮想マシンのネットワーク
7.17.1. デフォルトの Pod ネットワーク用の仮想マシンの設定
masquerade
バインディングモードを使用するようにネットワークインターフェイスを設定することで、仮想マシンをデフォルトの内部 Pod ネットワークに接続できます。
KubeMacPool コンポーネントは、指定の namespace に仮想マシン NIC の MAC アドレスプールサービスを提供します。これはデフォルトで有効にされません。KubeMacPool ラベルを namespace に適用して、その namespace で MAC アドレスプールを有効にします。
7.17.1.1. コマンドラインでのマスカレードモードの設定
マスカレードモードを使用し、仮想マシンの送信トラフィックを Pod IP アドレスの背後で非表示にすることができます。マスカレードモードは、ネットワークアドレス変換 (NAT) を使用して仮想マシンを Linux ブリッジ経由で Pod ネットワークバックエンドに接続します。
仮想マシンの設定ファイルを編集して、マスカレードモードを有効にし、トラフィックが仮想マシンに到達できるようにします。
前提条件
- 仮想マシンは、IPv4 アドレスを取得するために DHCP を使用できるように設定される必要がある。以下の例では、DHCP を使用するように設定されます。
手順
仮想マシン設定ファイルの
interfaces
仕様を編集します。kind: VirtualMachine spec: domain: devices: interfaces: - name: default masquerade: {} 1 ports: - port: 80 2 networks: - name: default pod: {}
注記ポート 49152 および 49153 は libvirt プラットフォームで使用するために予約され、これらのポートへの他のすべての受信トラフィックは破棄されます。
仮想マシンを作成します。
$ oc create -f <vm-name>.yaml
7.17.1.2. 仮想マシンからのサービスの作成
仮想マシンを公開するために Service
オブジェクトを最初に作成し、実行中の仮想マシンからサービスを作成します。
ClusterIP
サービスタイプは、クラスター内で仮想マシンを内部に公開します。NodePort
または LoadBalancer
サービスタイプは、クラスター外から仮想マシンを外部に公開します。
この手順では、type: ClusterIP
の Service
オブジェクトを仮想マシンバックエンドサービスとして作成し、これに接続し、公開する方法についての例を示します。
ClusterIP
は、サービスの type
が指定されていない場合のデフォルトサービスの type
です。
手順
以下のように仮想マシンの YAML を編集します。
apiVersion: kubevirt.io/v1alpha3 kind: VirtualMachine metadata: name: vm-ephemeral namespace: example-namespace spec: running: false template: metadata: labels: special: key 1 spec: domain: devices: disks: - name: containerdisk disk: bus: virtio - name: cloudinitdisk disk: bus: virtio interfaces: - masquerade: {} name: default resources: requests: memory: 1024M networks: - name: default pod: {} volumes: - name: containerdisk containerDisk: image: kubevirt/fedora-cloud-container-disk-demo - name: cloudinitdisk cloudInitNoCloud: userData: | #!/bin/bash echo "fedora" | passwd fedora --stdin
- 1
- ラベル
special: key
をspec.template.metadata.labels
セクションに追加します。
注記仮想マシンのラベルは Pod に渡されます。
VirtualMachine
設定のラベル (例:special: key
) は、この手順の後で作成するService
YAMLselector
属性のラベルに一致する必要があります。- 仮想マシン YAML を保存して変更を適用します。
Service
YAML を編集し、Service
オブジェクトを作成し、公開するために必要な設定を行います。apiVersion: v1 kind: Service metadata: name: vmservice 1 namespace: example-namespace 2 spec: ports: - port: 27017 protocol: TCP targetPort: 22 3 selector: special: key 4 type: ClusterIP 5
- 1
- 作成および公開するサービスの
name
を指定します。 - 2
- 仮想マシン YAML に指定する
namespace
に対応するService
YAML のmetadata
セクションのnamespace
を指定します。 - 3
targetPort: 22
を追加し、SSH ポート22
にサービスを公開します。- 4
Service
YAML のspec
セクションで、special: key
をselector
属性に追加します。これは、仮想マシン YAML 設定ファイルに追加したlabels
に対応します。- 5
Service
YAML のspec
セクションで、ClusterIP サービスのtype: ClusterIP
を追加します。NodePort
やLoadBalancer
などのクラスター外にある他のタイプのサービスを作成し、公開するには、type: ClusterIP
をtype: NodePort
またはtype: LoadBalancer
に随時置き換えます。
-
Service
YAML を保存し、サービス設定を保管します。 ClusterIP
サービスを作成します。$ oc create -f <service_name>.yaml
- 仮想マシンを起動します。仮想マシンがすでに実行中の場合は、これを再起動します。
Service
オブジェクトをクエリーし、これが利用可能であり、ClusterIP
タイプで設定されていることを確認します。検証
oc get service
コマンドを実行し、仮想マシンで参照するnamespace
およびService
YAML ファイルを指定します。$ oc get service -n example-namespace
出力例
NAME TYPE CLUSTER-IP EXTERNAL-IP PORT(S) AGE vmservice ClusterIP 172.30.3.149 <none> 27017/TCP 2m
-
出力で示されているように、
vmservice
が実行されています。 -
TYPE
は、Service
YAML で指定したようにClusterIP
として表示されます。
-
出力で示されているように、
サービスをサポートするために使用する仮想マシンへの接続を確立します。別の仮想マシンなど、クラスター内のオブジェクトから接続します。
以下のように仮想マシンの YAML を編集します。
apiVersion: kubevirt.io/v1alpha3 kind: VirtualMachine metadata: name: vm-connect namespace: example-namespace spec: running: false template: spec: domain: devices: disks: - name: containerdisk disk: bus: virtio - name: cloudinitdisk disk: bus: virtio interfaces: - masquerade: {} name: default resources: requests: memory: 1024M networks: - name: default pod: {} volumes: - name: containerdisk containerDisk: image: kubevirt/fedora-cloud-container-disk-demo - name: cloudinitdisk cloudInitNoCloud: userData: | #!/bin/bash echo "fedora" | passwd fedora --stdin
oc create
コマンドを実行して 2 番目の仮想マシンを作成します。ここで、file.yaml
は仮想マシン YAML の名前になります。$ oc create -f <file.yaml>
- 仮想マシンを起動します。
以下の
virtctl
コマンドを実行して仮想マシンに接続します。$ virtctl -n example-namespace console <new-vm-name>
注記サービスタイプ
LoadBalancer
の場合、vinagre
クライアントを使用し、パブリック IP およびポートを使用して仮想マシンに接続します。外部ポートは、サービスタイプLoadBalancer
を使用する場合に動的に割り当てられます。ssh
コマンドを実行して接続を認証します。ここで、172.30.3.149
はサービスの ClusterIP であり、fedora
は仮想マシンのユーザー名です。$ ssh fedora@172.30.3.149 -p 27017
検証
- 公開するサービスをサポートする仮想マシンのコマンドプロンプトが表示されます。実行中の仮想マシンがサポートするサービスの準備ができました。
7.17.2. Linux ブリッジ ネットワークへの仮想マシンの接続
デフォルトでは、OpenShift Virtualization は単一の内部 Pod ネットワークとともにインストールされます。
追加のネットワークに接続するには、Linux ブリッジ ネットワーク接続定義 (NAD) を作成する必要があります。
仮想マシンを追加のネットワークに割り当てるには、以下を実行します。
- Linux ブリッジ ノード ネットワーク設定ポリシーを作成します。
- Linux ブリッジ ネットワーク接続定義を作成します。
- 仮想マシンを設定して、仮想マシンがネットワーク接続定義を認識できるようにします。
スケジューリング、インターフェイスタイプ、およびその他のノードのネットワークアクティビティーについての詳細は、node networking セクションを参照してください。
7.17.2.1. ネットワーク接続定義によるネットワークへの接続
7.17.2.1.1. Linux ブリッジ ノード ネットワーク設定ポリシーの作成
NodeNetworkConfigurationPolicy
マニフェスト YAML ファイルを使用して、Linux ブリッジを作成します。
手順
NodeNetworkConfigurationPolicy
マニフェストを作成します。この例には、独自の情報で置き換える必要のあるサンプルの値が含まれます。apiVersion: nmstate.io/v1 kind: NodeNetworkConfigurationPolicy metadata: name: br1-eth1-policy 1 spec: desiredState: interfaces: - name: br1 2 description: Linux bridge with eth1 as a port 3 type: linux-bridge 4 state: up 5 ipv4: enabled: false 6 bridge: options: stp: enabled: false 7 port: - name: eth1 8
7.17.2.2. Linux ブリッジネットワーク接続定義の作成
7.17.2.2.1. 前提条件
- Linux ブリッジは、すべてのノードに設定して割り当てる必要がある。詳細は、ノードのネットワーク セクションを参照してください。
仮想マシンのネットワークアタッチメント定義での IP アドレス管理 (IPAM) の設定はサポートされていません。
7.17.2.2.2. Web コンソールでの Linux ブリッジネットワーク接続定義の作成
ネットワーク接続定義は、layer-2 デバイスを OpenShift Virtualization クラスターの特定の namespace に公開するカスタムリソースです。
ネットワーク管理者は、ネットワーク接続定義を作成して既存の layer-2 ネットワークを Pod および仮想マシンに提供できます。
手順
- Web コンソールで、Networking → Network Attachment Definitions をクリックします。
Create Network Attachment Definition をクリックします。
注記ネットワーク接続定義は Pod または仮想マシンと同じ namespace にある必要があります。
- 一意の Name およびオプションの Description を入力します。
- Network Type 一覧をクリックし、CNV Linux bridge を選択します。
- Bridge Name フィールドにブリッジの名前を入力します。
- オプション: リソースに VLAN ID が設定されている場合、 VLAN Tag Number フィールドに ID 番号を入力します。
- オプション: MAC Spoof Check を選択して、MAC スプーフ フィルターリングを有効にします。この機能により、Pod を終了するための MAC アドレスを 1 つだけ許可することで、MAC スプーフィング攻撃に対してセキュリティーを確保します。
Create をクリックします。
注記Linux ブリッジ ネットワーク接続定義は、仮想マシンを VLAN に接続するための最も効率的な方法です。
7.17.2.2.3. CLI での Linux ブリッジネットワーク接続定義の作成
ネットワーク管理者は、タイプ cnv-bridge
のネットワーク接続定義を、レイヤー 2 ネットワークを Pod および仮想マシンに提供するように設定できます。
ネットワーク接続定義は Pod または仮想マシンと同じ namespace にある必要があります。
手順
- 仮想マシンと同じ namespace にネットワーク接続定義を作成します。
次の例のように、仮想マシンをネットワーク接続定義に追加します。
apiVersion: "k8s.cni.cncf.io/v1" kind: NetworkAttachmentDefinition metadata: name: <bridge-network> 1 annotations: k8s.v1.cni.cncf.io/resourceName: bridge.network.kubevirt.io/<bridge-interface> 2 spec: config: '{ "cniVersion": "0.3.1", "name": "<bridge-network>", 3 "type": "cnv-bridge", 4 "bridge": "<bridge-interface>", 5 "macspoofchk": true, 6 "vlan": 1 7 }'
- 1
NetworkAttachmentDefinition
オブジェクトの名前。- 2
- オプション: ノード選択のアノテーションのキーと値のペア。
bridge-interface
は一部のノードに設定されるブリッジの名前です。このアノテーションをネットワーク接続定義に追加する場合、仮想マシンインスタンスはbridge-interface
ブリッジが接続されているノードでのみ実行されます。 - 3
- 設定の名前。設定名をネットワーク接続定義の
name
値に一致させることが推奨されます。 - 4
- このネットワーク接続定義のネットワークを提供する Container Network Interface (CNI) プラグインの実際の名前。異なる CNI を使用するのでない限り、このフィールドは変更しないでください。
- 5
- ノードに設定される Linux ブリッジの名前。
- 6
- オプション:MAC スプーフィングチェックを有効にする。
true
に設定すると、Pod またはゲストインターフェイスの MAC アドレスを変更できません。この属性は、Pod からの MAC アドレスを 1 つだけ許可することで、MAC スプーフィング攻撃に対してセキュリティーを確保します。 - 7
- オプション: VLAN タグ。ノードのネットワーク設定ポリシーでは、追加の VLAN 設定は必要ありません。
注記Linux ブリッジ ネットワーク接続定義は、仮想マシンを VLAN に接続するための最も効率的な方法です。
ネットワーク接続定義を作成します。
$ oc create -f <network-attachment-definition.yaml> 1
- 1
- ここで、
<network-attachment-definition.yaml>
はネットワーク接続定義マニフェストのファイル名です。
検証
次のコマンドを実行して、ネットワーク接続定義が作成されたことを確認します。
$ oc get network-attachment-definition <bridge-network>
7.17.2.3. Linux ブリッジネットワーク用の仮想マシンの設定
7.17.2.3.1. Web コンソールでの仮想マシンの NIC の作成
Web コンソールから追加の NIC を作成し、これを仮想マシンに割り当てます。
手順
- OpenShift Virtualization コンソールの適切なプロジェクトで、サイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 仮想マシンを選択して、Virtual Machine Overview 画面を開きます。
- Network Interfaces をクリックし、仮想マシンにすでに割り当てられている NIC を表示します。
- Add Network Interface をクリックし、一覧に新規スロットを作成します。
- Network ドロップダウンリストを使用して、追加ネットワークのネットワーク接続定義を選択します。
- 新規 NIC の Name、Model、Type、および MAC Address に入力します。
- Add をクリックして NIC を保存し、これを仮想マシンに割り当てます。
7.17.2.3.2. ネットワークフィールド
名前 | 説明 |
---|---|
名前 | ネットワークインターフェイスコントローラーの名前。 |
モデル | ネットワークインターフェイスコントローラーのモデルを示します。サポートされる値は e1000e および virtio です。 |
ネットワーク | 利用可能なネットワーク接続定義の一覧。 |
Type |
利用可能なバインディングメソッドの一覧。デフォルトの Pod ネットワークについては、 |
MAC Address | ネットワークインターフェイスコントローラーの MAC アドレス。MAC アドレスが指定されていない場合、これは自動的に割り当てられます。 |
7.17.2.3.3. CLI で仮想マシンを追加のネットワークに接続する
ブリッジインターフェイスを追加し、仮想マシン設定でネットワーク接続定義を指定して、仮想マシンを追加のネットワークに割り当てます。
以下の手順では、YAML ファイルを使用して設定を編集し、更新されたファイルをクラスターに適用します。oc edit <object> <name>
コマンドを使用して、既存の仮想マシンを編集することもできます。
前提条件
- 設定を編集する前に仮想マシンをシャットダウンします。実行中の仮想マシンを編集する場合は、変更を有効にするために仮想マシンを再起動する必要があります。
手順
- ブリッジネットワークに接続する仮想マシンの設定を作成または編集します。
ブリッジインターフェイスを
spec.template.spec.domain.devices.interfaces
一覧に追加し、ネットワーク接続定義をspec.template.spec.networks
一覧に追加します。この例では、a-bridge-network
ネットワーク接続定義に接続されるbridge-net
というブリッジインターフェイスを追加します。apiVersion: v1 kind: VirtualMachine metadata: name: <example-vm> spec: template: spec: domain: devices: interfaces: - masquerade: {} name: <default> - bridge: {} name: <bridge-net> 1 ... networks: - name: <default> pod: {} - name: <bridge-net> 2 multus: networkName: <a-bridge-network> 3 ...
- 1
- ブリッジインターフェイスの名前。
- 2
- ネットワークの名前。この値は、対応する
spec.template.spec.domain.devices.interfaces
エントリーのname
値と一致する必要があります。 - 3
- ネットワーク接続定義の名前。接頭辞は、存在する namespace になります。namespace は、
default
の namespace または仮想マシンが作成される namespace と同じでなければなりません。この場合、multus
が使用されます。Multus は、Pod または仮想マシンが必要なインターフェイスを使用できるように、複数の CNI が存在できるようにするクラウドネットワークインターフェイス (CNI) プラグインです。
設定を適用します。
$ oc apply -f <example-vm.yaml>
- オプション: 実行中の仮想マシンを編集している場合は、変更を有効にするためにこれを再起動する必要があります。
7.17.3. 仮想マシンの IP アドレスの設定
動的または静的のいずれかでプロビジョニングされた仮想マシンの IP アドレスを設定できます。
前提条件
- 仮想マシンは、外部ネットワーク に接続する必要があります。
- 仮想マシンの動的 IP を設定するには、追加のネットワークで使用可能な DHCP サーバーが必要です。
7.17.3.1. cloud-init を使用した新規仮想マシンの IP アドレスの設定
仮想マシンの作成時に cloud-init を使用して IP アドレスを設定できます。IP アドレスは、動的または静的にプロビジョニングできます。
手順
仮想マシン設定を作成し、仮想マシン設定の
spec.volumes.cloudInitNoCloud.networkData
フィールドに cloud-init ネットワークの詳細を追加します。動的 IP を設定するには、インターフェイス名と
dhcp4
ブール値を指定します。kind: VirtualMachine spec: ... volumes: - cloudInitNoCloud: networkData: | version: 2 ethernets: eth1: 1 dhcp4: true 2
静的 IP を設定するには、インターフェイス名と IP アドレスを指定します。
kind: VirtualMachine spec: ... volumes: - cloudInitNoCloud: networkData: | version: 2 ethernets: eth1: 1 addresses: - 10.10.10.14/24 2
7.17.4. 仮想マシンの SR-IOV ネットワークデバイスの設定
クラスターで Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) デバイスを設定できます。このプロセスは、OpenShift Container Platform の SR-IOV デバイスの設定と似ていますが、同じではありません。
ライブマイグレーションは SR-IOV ネットワークインターフェイスに接続されている仮想マシンにはサポートされません。
7.17.4.1. 前提条件
7.17.4.2. SR-IOV ネットワークデバイスの自動検出
SR-IOV Network Operator は、クラスターでワーカーノード上の SR-IOV 対応ネットワークデバイスを検索します。Operator は、互換性のある SR-IOV ネットワークデバイスを提供する各ワーカーノードの SriovNetworkNodeState カスタムリソース (CR) を作成し、更新します。
CR にはワーカーノードと同じ名前が割り当てられます。status.interfaces
一覧は、ノード上のネットワークデバイスについての情報を提供します。
SriovNetworkNodeState
オブジェクトは変更しないでください。Operator はこれらのリソースを自動的に作成し、管理します。
7.17.4.2.1. SriovNetworkNodeState オブジェクトの例
以下の YAML は、SR-IOV Network Operator によって作成される SriovNetworkNodeState
オブジェクトの例です。
SriovNetworkNodeState オブジェクト
apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1 kind: SriovNetworkNodeState metadata: name: node-25 1 namespace: openshift-sriov-network-operator ownerReferences: - apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1 blockOwnerDeletion: true controller: true kind: SriovNetworkNodePolicy name: default spec: dpConfigVersion: "39824" status: interfaces: 2 - deviceID: "1017" driver: mlx5_core mtu: 1500 name: ens785f0 pciAddress: "0000:18:00.0" totalvfs: 8 vendor: 15b3 - deviceID: "1017" driver: mlx5_core mtu: 1500 name: ens785f1 pciAddress: "0000:18:00.1" totalvfs: 8 vendor: 15b3 - deviceID: 158b driver: i40e mtu: 1500 name: ens817f0 pciAddress: 0000:81:00.0 totalvfs: 64 vendor: "8086" - deviceID: 158b driver: i40e mtu: 1500 name: ens817f1 pciAddress: 0000:81:00.1 totalvfs: 64 vendor: "8086" - deviceID: 158b driver: i40e mtu: 1500 name: ens803f0 pciAddress: 0000:86:00.0 totalvfs: 64 vendor: "8086" syncStatus: Succeeded
7.17.4.3. SR-IOV ネットワークデバイスの設定
SR-IOV Network Operator は SriovNetworkNodePolicy.sriovnetwork.openshift.io
CustomResourceDefinition を OpenShift Container Platform に追加します。SR-IOV ネットワークデバイスは、SriovNetworkNodePolicy カスタムリソース (CR) を作成して設定できます。
SriovNetworkNodePolicy
オブジェクトで指定された設定を適用する際に、SR-IOV Operator はノードをドレイン (解放) する可能性があり、場合によってはノードの再起動を行う場合があります。
設定の変更が適用されるまでに数分かかる場合があります。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 - SR-IOV Network Operator がインストールされている。
- ドレイン (解放) されたノードからエビクトされたワークロードを処理するために、クラスター内に利用可能な十分なノードがあること。
- SR-IOV ネットワークデバイス設定についてコントロールプレーンノードを選択していないこと。
手順
-
SriovNetworkNodePolicy
オブジェクトを作成してから、YAML を<name>-sriov-node-network.yaml
ファイルに保存します。<name>
をこの設定の名前に置き換えます。
apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1 kind: SriovNetworkNodePolicy metadata: name: <name> 1 namespace: openshift-sriov-network-operator 2 spec: resourceName: <sriov_resource_name> 3 nodeSelector: feature.node.kubernetes.io/network-sriov.capable: "true" 4 priority: <priority> 5 mtu: <mtu> 6 numVfs: <num> 7 nicSelector: 8 vendor: "<vendor_code>" 9 deviceID: "<device_id>" 10 pfNames: ["<pf_name>", ...] 11 rootDevices: ["<pci_bus_id>", "..."] 12 deviceType: vfio-pci 13 isRdma: false 14
- 1
- CR オブジェクトの名前を指定します。
- 2
- SR-IOV Operator がインストールされている namespace を指定します。
- 3
- SR-IOV デバイスプラグインのリソース名を指定します。1 つのリソース名に複数の
SriovNetworkNodePolicy
オブジェクトを作成できます。 - 4
- 設定するノードを選択するノードセレクターを指定します。選択したノード上の SR-IOV ネットワークデバイスのみが設定されます。SR-IOV Container Network Interface (CNI) プラグインおよびデバイスプラグインは、選択したノードにのみデプロイされます。
- 5
- オプション:
0
から99
までの整数値を指定します。数値が小さいほど優先度が高くなります。したがって、10
は99
よりも優先度が高くなります。デフォルト値は99
です。 - 6
- オプション: 仮想機能 (VF) の最大転送単位 (MTU) の値を指定します。MTU の最大値は NIC モデルによって異なります。
- 7
- SR-IOV 物理ネットワークデバイス用に作成する仮想機能 (VF) の数を指定します。Intel ネットワークインターフェイスコントローラー (NIC) の場合、VF の数はデバイスがサポートする VF の合計よりも大きくすることはできません。Mellanox NIC の場合、VF の数は
128
よりも大きくすることはできません。 - 8
nicSelector
マッピングは、Operator が設定するイーサネットデバイスを選択します。すべてのパラメーターの値を指定する必要はありません。意図せずにイーサネットデバイスを選択する可能性を最低限に抑えるために、イーサネットアダプターを正確に特定できるようにすることが推奨されます。rootDevices
を指定する場合、vendor
、deviceID
、またはpfName
の値も指定する必要があります。pfNames
とrootDevices
の両方を同時に指定する場合、それらが同一のデバイスをポイントすることを確認します。- 9
- オプション: SR-IOV ネットワークデバイスのベンダー 16 進コードを指定します。許可される値は
8086
または15b3
のいずれかのみになります。 - 10
- オプション: SR-IOV ネットワークデバイスのデバイス 16 進コードを指定します。許可される値は
158b
、1015
、1017
のみになります。 - 11
- オプション: このパラメーターは、1 つ以上のイーサネットデバイスの物理機能 (PF) 名の配列を受け入れます。
- 12
- このパラメーターは、イーサネットデバイスの物理機能についての 1 つ以上の PCI バスアドレスの配列を受け入れます。以下の形式でアドレスを指定します:
0000:02:00.1
- 13
- OpenShift Virtualization の仮想機能には、
vfio-pci
ドライバータイプが必要です。 - 14
- オプション: Remote Direct Memory Access (RDMA) モードを有効にするかどうかを指定します。Mellanox カードの場合、
isRdma
をfalse
に設定します。デフォルト値はfalse
です。注記isRDMA
フラグがtrue
に設定される場合、引き続き RDMA 対応の VF を通常のネットワークデバイスとして使用できます。デバイスはどちらのモードでも使用できます。-
オプション: SR-IOV 対応のクラスターノードにまだラベルが付いていない場合は、
SriovNetworkNodePolicy.Spec.NodeSelector
でラベルを付けます。ノードのラベル付けについて、詳しくはノードのラベルを更新する方法についてを参照してください。
-
オプション: SR-IOV 対応のクラスターノードにまだラベルが付いていない場合は、
SriovNetworkNodePolicy
オブジェクトを作成します。$ oc create -f <name>-sriov-node-network.yaml
ここで、
<name>
はこの設定の名前を指定します。設定の更新が適用された後に、
sriov-network-operator
namespace のすべての Pod がRunning
ステータスに移行します。SR-IOV ネットワークデバイスが設定されていることを確認するには、以下のコマンドを実行します。
<node_name>
を、設定したばかりの SR-IOV ネットワークデバイスを持つノードの名前に置き換えます。$ oc get sriovnetworknodestates -n openshift-sriov-network-operator <node_name> -o jsonpath='{.status.syncStatus}'
7.17.4.4. 次のステップ
7.17.5. SR-IOV ネットワークの定義
仮想マシンの Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) デバイスのネットワーク割り当てを作成できます。
ネットワークが定義された後に、仮想マシンを SR-IOV ネットワークに割り当てることができます。
7.17.5.1. 前提条件
7.17.5.2. SR-IOV の追加ネットワークの設定
SriovNetwork
オブジェクト を作成して、SR-IOV ハードウェアを使用する追加のネットワークを設定できます。SriovNetwork
オブジェクトの作成時に、SR-IOV Operator は NetworkAttachmentDefinition
オブジェクトを自動的に作成します。
次に、ユーザーはネットワークを仮想マシン設定で指定することで、仮想マシンを SR-IOV ネットワークに割り当てることができます。
SriovNetwork
オブジェクトが running
状態の Pod または仮想マシンに割り当てられている場合、これを変更したり、削除したりしないでください。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) をインストールしている。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとしてログインしている。
手順
-
以下の
SriovNetwork
オブジェクトを作成してから、YAML を<name>-sriov-network.yaml
ファイルに保存します。<name>
を、この追加ネットワークの名前に置き換えます。
apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1 kind: SriovNetwork metadata: name: <name> 1 namespace: openshift-sriov-network-operator 2 spec: resourceName: <sriov_resource_name> 3 networkNamespace: <target_namespace> 4 vlan: <vlan> 5 spoofChk: "<spoof_check>" 6 linkState: <link_state> 7 maxTxRate: <max_tx_rate> 8 minTxRate: <min_rx_rate> 9 vlanQoS: <vlan_qos> 10 trust: "<trust_vf>" 11 capabilities: <capabilities> 12
- 1
<name>
をオブジェクトの名前に置き換えます。SR-IOV Network Operator は、同じ名前を持つNetworkAttachmentDefinition
オブジェクトを作成します。- 2
- SR-IOV ネットワーク Operator がインストールされている namespace を指定します。
- 3
<sriov_resource_name>
を、この追加ネットワークの SR-IOV ハードウェアを定義するSriovNetworkNodePolicy
オブジェクトの.spec.resourceName
パラメーターの値に置き換えます。- 4
<target_namespace>
を SriovNetwork のターゲット namespace に置き換えます。ターゲット namespace の Pod または仮想マシンのみを SriovNetwork に割り当てることができます。- 5
- オプション:
<vlan>
を、追加ネットワークの仮想 LAN (VLAN) ID に置き換えます。整数値は0
から4095
である必要があります。デフォルト値は0
です。 - 6
- オプション:
<spoof_check>
を VF の spoof check モードに置き換えます。許可される値は、文字列の"on"
および"off"
です。重要指定する値を引用符で囲む必要があります。そうしないと、CR は SR-IOV ネットワーク Operator によって拒否されます。
- 7
- オプション:
<link_state>
を仮想機能 (VF) のリンクの状態に置き換えます。許可される値は、enable
、disable
、およびauto
です。 - 8
- オプション:
<max_tx_rate>
を VF の最大伝送レート (Mbps) に置き換えます。 - 9
- オプション:
<min_tx_rate>
を VF の最小伝送レート (Mbps) に置き換えます。この値は、常に最大伝送レート以下である必要があります。注記Intel NIC は
minTxRate
パラメーターをサポートしません。詳細は、BZ#1772847 を参照してください。 - 10
- オプション:
<vlan_qos>
を VF の IEEE 802.1p 優先レベルに置き換えます。デフォルト値は0
です。 - 11
- オプション:
<trust_vf>
を VF の信頼モードに置き換えます。許可される値は、文字列の"on"
および"off"
です。重要指定する値を引用符で囲む必要があります。そうしないと、CR は SR-IOV ネットワーク Operator によって拒否されます。
- 12
- オプション:
<capabilities>
を、このネットワークに設定する機能に置き換えます。
オブジェクトを作成するには、以下のコマンドを入力します。
<name>
を、この追加ネットワークの名前に置き換えます。$ oc create -f <name>-sriov-network.yaml
オプション: 以下のコマンドを実行して、直前の手順で作成した
SriovNetwork
オブジェクトに関連付けられたNetworkAttachmentDefinition
オブジェクトが存在することを確認するには、以下のコマンドを入力します。<namespace>
を、SriovNetwork
オブジェクト で指定した namespace に置き換えます。$ oc get net-attach-def -n <namespace>
7.17.5.3. 次のステップ
7.17.6. 仮想マシンの SR-IOV ネットワークへの割り当て
SR-IOV (Single Root I/O Virtualization) ネットワークをセカンダリーネットワークとして使用するために仮想マシンを割り当てることができます。
7.17.6.1. 前提条件
7.17.6.2. 仮想マシンの SR-IOV ネットワークへの割り当て
仮想マシンの設定にネットワークの詳細を含めることで、仮想マシンを SR-IOV ネットワークに割り当てることができます。
手順
SR-IOV ネットワークの詳細を仮想マシン設定の
spec.domain.devices.interfaces
およびspec.networks
に追加します。kind: VirtualMachine ... spec: domain: devices: interfaces: - name: <default> 1 masquerade: {} 2 - name: <nic1> 3 sriov: {} networks: - name: <default> 4 pod: {} - name: <nic1> 5 multus: networkName: <sriov-network> 6 ...
仮想マシン設定を適用します。
$ oc apply -f <vm-sriov.yaml> 1
- 1
- 仮想マシン YAML ファイルの名前。
7.17.7. NIC の IP アドレスの仮想マシンへの表示
Web コンソールまたは oc
クライアントを使用して、ネットワークインターフェイスコントローラー (NIC) の IP アドレスを表示できます。QEMU ゲストエージェント は、仮想マシンのセカンダリーネットワークに関する追加情報を表示します。
7.17.7.1. CLI での仮想マシンインターフェイスの IP アドレスの表示
ネットワークインターフェイス設定は oc describe vmi <vmi_name>
コマンドに含まれます。
IP アドレス情報は、仮想マシン上で ip addr
を実行するか、または oc get vmi <vmi_name> -o yaml
を実行して表示することもできます。
手順
oc describe
コマンドを使用して、仮想マシンインターフェイス設定を表示します。$ oc describe vmi <vmi_name>
出力例
... Interfaces: Interface Name: eth0 Ip Address: 10.244.0.37/24 Ip Addresses: 10.244.0.37/24 fe80::858:aff:fef4:25/64 Mac: 0a:58:0a:f4:00:25 Name: default Interface Name: v2 Ip Address: 1.1.1.7/24 Ip Addresses: 1.1.1.7/24 fe80::f4d9:70ff:fe13:9089/64 Mac: f6:d9:70:13:90:89 Interface Name: v1 Ip Address: 1.1.1.1/24 Ip Addresses: 1.1.1.1/24 1.1.1.2/24 1.1.1.4/24 2001:de7:0:f101::1/64 2001:db8:0:f101::1/64 fe80::1420:84ff:fe10:17aa/64 Mac: 16:20:84:10:17:aa
7.17.7.2. Web コンソールでの仮想マシンインターフェイスの IP アドレスの表示
IP 情報は、仮想マシンの Virtual Machine Overview 画面に表示されます。
手順
- OpenShift Virtualization コンソールのサイドメニューから Workloads → Virtualization をクリックします。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 仮想マシン名を選択して、Virtual Machine Overview 画面を開きます。
それぞれの割り当てられた NIC の情報は IP Address の下に表示されます。
7.17.8. 仮想マシンの MAC アドレスプールの使用
KubeMacPool コンポーネントは、指定の namespace に仮想マシン NIC の MAC アドレスプールサービスを提供します。KubeMacPool ラベルをその namespace に適用して、namespace の MAC アドレスプールを有効にします。
7.17.8.1. KubeMacPool について
namespace の KubeMacPool コンポーネントを有効にする場合、その namespace の仮想マシン NIC には MAC アドレスプールから MAC アドレスが割り当てられます。これにより、NIC には別の仮想マシンの MAC アドレスと競合しない一意の MAC アドレスが割り当てられます。
仮想マシンから作成される仮想マシンインスタンスは、再起動時に割り当てられる MAC アドレスを保持します。
KubeMacPool は、仮想マシンから独立して作成される仮想マシンインスタンスを処理しません。
KubeMacPool はデフォルトで無効にされます。KubeMacPool ラベルを namespace に適用して、namespace の MAC アドレスプールを有効にします。
7.17.8.2. CLI での namespace の MAC アドレスプールの有効化
mutatevirtualmachines.kubemacpool.io=allocate
ラベルを namespace に適用して namespace の仮想マシンの MAC アドレスプールを有効にします。
手順
KubeMacPool ラベルを namespace に追加します。以下の例では、KubeMacPool ラベルを 2 つの namespace (
<namespace1>
および<namespace2>
) に追加します。$ oc label namespace <namespace1> <namespace2> mutatevirtualmachines.kubemacpool.io=allocate
7.17.8.3. CLI での namespace の MAC アドレスプールの無効化
mutatevirtualmachines.kubemacpool.io
ラベルを削除して、namespace の仮想マシンの MAC アドレスプールを無効にします。
手順
KubeMacPool ラベルを namespace から削除します。以下の例では、KubeMacPool ラベルを 2 つの namespace (
<namespace1>
および<namespace2>
) から削除します。$ oc label namespace <namespace1> <namespace2> mutatevirtualmachines.kubemacpool.io-
7.18. 仮想マシンディスク
7.18.1. ストレージ機能
以下の表を使用して、OpenShift Virtualization のローカルおよび共有の永続ストレージ機能の可用性を確認できます。
7.18.1.1. OpenShift Virtualization ストレージ機能マトリクス
表7.6 OpenShift Virtualization ストレージ機能マトリクス
仮想マシンのライブマイグレーション | ホスト支援型仮想マシンディスクのクローン作成 | ストレージ支援型仮想マシンディスクのクローン作成 | 仮想マシンのスナップショット | |
---|---|---|---|---|
OpenShift Container Storage: RBD ブロックモードボリューム | Yes | はい | はい | はい |
OpenShift Virtualization ホストパスプロビジョナー | いいえ | はい | いいえ | いいえ |
他の複数ノードの書き込み可能なストレージ | はい [1] | はい | はい [2] | はい [2] |
他の単一ノードの書き込み可能なストレージ | いいえ | はい | はい [2] | はい [2] |
- PVC は ReadWriteMany アクセスモードを要求する必要があります。
- ストレージプロバイダーが Kubernetes および CSI スナップショット API の両方をサポートする必要があります。
以下を使用する仮想マシンのライブマイグレーションを行うことはできません。
- ReadWriteOnce (RWO) アクセスモードのストレージクラス
- SR-IOV や GPU などのパススルー機能
それらの仮想マシンの evictionStrategy
フィールドを LiveMigrate
に設定しないでください。
7.18.2. 仮想マシンのローカルストレージの設定
ホストパスプロビジョナー機能を使用して、仮想マシンのローカルストレージを設定できます。
7.18.2.1. ホストパスプロビジョナーについて
ホストパスプロビジョナーは、OpenShift Virtualization 用に設計されたローカルストレージプロビジョナーです。仮想マシンのローカルストレージを設定する必要がある場合、まずホストパスプロビジョナーを有効にする必要があります。
OpenShift Virtualization Operator のインストール時に、ホストパスプロビジョナー Operator は自動的にインストールされます。これを使用するには、以下を実行する必要があります。
SELinux を設定します。
-
Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) 8 ワーカーを使用する場合は、各ノードに
MachineConfig
オブジェクトを作成する必要があります。 -
それ以外の場合には、SELinux ラベル
container_file_t
を各ノードの永続ボリューム (PV) バッキングディレクトリーに適用します。
-
Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) 8 ワーカーを使用する場合は、各ノードに
-
HostPathProvisioner
カスタムリソースを作成します。 -
ホストパスプロビジョナーの
StorageClass
オブジェクトを作成します。
ホストパスプロビジョナー Operator は、カスタムリソースの作成時にプロビジョナーを各ノードに DaemonSet としてデプロイします。カスタムリソースファイルでは、ホストパスプロビジョナーが作成する永続ボリュームのバッキングディレクトリーを指定します。
7.18.2.2. Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) 8 でのホストパスプロビジョナー用の SELinux の設定
HostPathProvisioner
カスタムリソースを作成する前に、SELinux を設定する必要があります。Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) 8 ワーカーで SELinux を設定するには、各ノードに MachineConfig
オブジェクトを作成する必要があります。
前提条件
ホストパスプロビジョナーが作成する永続ボリューム (PV) 用に、各ノードにバッキングディレクトリーを作成すること。
重要/
パーティションは RHCOS で読み取り専用であるため、バッキングディレクトリーをファイルシステムの root ディレクトリーに置かないでください。たとえば、/var/<directory_name>
は使用できますが、/<directory_name>
は使用できません。
手順
MachineConfig
ファイルを作成します。以下に例を示します。$ touch machineconfig.yaml
ファイルを編集し、ホストパスプロビジョナーが PV を作成するディレクトリーを組み込みます。以下に例を示します。
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: name: 50-set-selinux-for-hostpath-provisioner labels: machineconfiguration.openshift.io/role: worker spec: config: ignition: version: 3.1.0 systemd: units: - contents: | [Unit] Description=Set SELinux chcon for hostpath provisioner Before=kubelet.service [Service] ExecStart=/usr/bin/chcon -Rt container_file_t <backing_directory_path> 1 [Install] WantedBy=multi-user.target enabled: true name: hostpath-provisioner.service
- 1
- プロビジョナーが PV を作成するバッキングディレクトリーを指定します。このディレクトリーは、ファイルシステムの root ディレクトリー (
/
) に置かないでください。
MachineConfig
オブジェクトを作成します。$ oc create -f machineconfig.yaml -n <namespace>
7.18.2.3. ホストパスプロビジョナーを使用したローカルストレージの有効化
ホストパスプロビジョナーをデプロイし、仮想マシンがローカルストレージを使用できるようにするには、最初に HostPathProvisioner
カスタムリソースを作成します。
前提条件
ホストパスプロビジョナーが作成する永続ボリューム (PV) 用に、各ノードにバッキングディレクトリーを作成すること。
重要/
パーティションは Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) で読み取り専用であるため、バッキングディレクトリーをファイルシステムの root ディレクトリーに置かないでください。たとえば、/var/<directory_name>
は使用できますが、/<directory_name>
は使用できません。SELinux コンテキスト
container_file_t
を各ノードの PV バッキングディレクトリーに適用すること。以下に例を示します。$ sudo chcon -t container_file_t -R <backing_directory_path>
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS 8 (RHCOS) ワーカーを使用する場合は、代わりに
MachineConfig
マニフェストを使用して SELinux を設定する必要があります。
手順
HostPathProvisioner
カスタムリソースファイルを作成します。以下に例を示します。$ touch hostpathprovisioner_cr.yaml
ファイルを編集し、
spec.pathConfig.path
の値がホストパスプロビジョナーが PV を作成するディレクトリーであることを確認します。以下に例を示します。apiVersion: hostpathprovisioner.kubevirt.io/v1beta1 kind: HostPathProvisioner metadata: name: hostpath-provisioner spec: imagePullPolicy: IfNotPresent pathConfig: path: "<backing_directory_path>" 1 useNamingPrefix: false 2
注記バッキングディレクトリーを作成していない場合、プロビジョナーはこの作成を試行します。
container_file_t
SELinux コンテキストを適用していない場合、これによりPermission denied
エラーが生じる可能性があります。openshift-cnv
namespace にカスタムリソースを作成します。$ oc create -f hostpathprovisioner_cr.yaml -n openshift-cnv
7.18.2.4. ストレージクラスの作成
ストレージクラスの作成時に、ストレージクラスに属する永続ボリューム (PV) の動的プロビジョニングに影響するパラメーターを設定します。StorageClass
オブジェクトの作成後には、このオブジェクトのパラメーターを更新できません。
OpenShift Container Platform Container Storage と共に OpenShift Virtualization を使用する場合、仮想マシンディスクの作成時に RBD ブロックモードの永続ボリューム要求 (PVC) を指定します。仮想マシンディスクの場合、RBD ブロックモードのボリュームは効率的で、Ceph FS または RBD ファイルシステムモードの PVC よりも優れたパフォーマンスを提供します。
RBD ブロックモードの PVC を指定するには、'ocs-storagecluster-ceph-rbd' ストレージクラスおよび VolumeMode: Block
を使用します。
手順
ストレージクラスを定義する YAML ファイルを作成します。以下に例を示します。
$ touch storageclass.yaml
ファイルを編集します。以下に例を示します。
apiVersion: storage.k8s.io/v1 kind: StorageClass metadata: name: hostpath-provisioner 1 provisioner: kubevirt.io/hostpath-provisioner reclaimPolicy: Delete 2 volumeBindingMode: WaitForFirstConsumer 3
- 1
- この値を変更することで、オプションでストレージクラスの名前を変更できます。
- 2
reclaimPolicy
には、Delete
およびRetain
の 2 つの値があります。値を指定しない場合、ストレージクラスはデフォルトでDelete
に設定されます。- 3
volumeBindingMode
値は、動的プロビジョニングおよびボリュームバインディングが実行されるタイミングを決定します。WaitForFirstConsumer
を指定して、永続ボリューム要求 (PVC) を使用する Pod が作成されるまで PV のバインディングおよびプロビジョニングを遅延させます。これにより、PV が Pod のスケジュール要件を満たすようになります。
注記仮想マシンは、ローカル PV に基づくデータボリュームを使用します。ローカル PV は特定のノードにバインドされます。ディスクイメージは仮想マシンで使用するために準備されますが、ローカルストレージ PV がすでに固定されたノードに仮想マシンをスケジュールすることができない可能性があります。
この問題を解決するには、Kubernetes Pod スケジューラーを使用して PVC を正しいノード上の PV にバインドします。
volumeBindingMode
がWaitForFirstConsumer
に設定されたStorageClass
を使用すると、PV のバインディングおよびプロビジョニングは、Pod
が PVC を使用して作成されるまで遅延します。StorageClass
オブジェクトを作成します。$ oc create -f storageclass.yaml
関連情報
7.18.3. コンピュートリソースクォータを持つ namespace で機能する CDI の設定
Containerized Data Importer (CDI) を使用して、CPU およびメモリーリソースの制限が適用される namespace に仮想マシンディスクをインポートし、アップロードし、そのクローンを作成できるようになりました。
7.18.3.1. namespace の CPU およびメモリークォータについて
ResourceQuota
オブジェクトで定義される リソースクォータ は、その namespace 内のリソースが消費できるコンピュートリソースの全体量を制限する制限を namespace に課します。
CDIConfig
オブジェクトは Containerized Data Importer (CDI) のユーザー設定を定義します。CDIConfig
オブジェクトの CPU およびメモリーの要求および制限の値はデフォルト値の 0 に設定されます。これにより、コンピュートリソース要件を作成する CDI によって作成される Pod にデフォルト値が付与され、クォータで制限される namespace での実行が許可されます。
7.18.3.2. CPU およびメモリーのデフォルトを上書きするための CDIConfig
オブジェクトの編集
CDIConfig
オブジェクトの spec
属性を編集して、ユースケースに応じて CPU およびメモリーの要求および制限のデフォルト設定を変更します。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) をインストールしている。
手順
以下のコマンドを実行して
cdiconfig/config
を編集します。$ oc edit cdiconfig/config
CDIConfig
オブジェクトのspec: podResourceRequirements
プロパティーを編集して、デフォルトの CPU およびメモリーの要求および制限を変更します。apiVersion: cdi.kubevirt.io/v1beta1 kind: CDIConfig metadata: labels: app: containerized-data-importer cdi.kubevirt.io: "" name: config spec: podResourceRequirements: limits: cpu: "4" memory: "1Gi" requests: cpu: "1" memory: "250Mi" ...
-
エディターを保存し、終了して
CDIConfig
オブジェクトを更新します。
検証
以下のコマンドを実行して
CDIConfig
ステータスを表示し、変更を確認します。$ oc get cdiconfig config -o yaml
7.18.3.3. 関連情報
7.18.4. Web コンソールの使用によるローカルディスクイメージのアップロード
Web コンソールを使用して、ローカルに保存されたディスクイメージファイルをアップロードできます。
7.18.4.1. 前提条件
- 仮想マシンのイメージファイルには、IMG、ISO、または QCOW2 形式のファイルを使用する必要がある。
- CDI でサポートされる操作マトリックス に応じてスクラッチ領域が必要な場合、まずは、この操作が正常に実行されるように ストレージクラスを定義するか、または CDI スクラッチ領域を用意 します。
7.18.4.2. CDI がサポートする操作マトリックス
このマトリックスにはエンドポイントに対してコンテンツタイプのサポートされる CDI 操作が表示されます。これらの操作にはスクラッチ領域が必要です。
コンテンツタイプ | HTTP | HTTPS | HTTP Basic 認証 | レジストリー | アップロード |
---|---|---|---|---|---|
kubevirt (QCOW2) |
✓ QCOW2 |
✓ QCOW2** |
✓ QCOW2 |
✓ QCOW2* |
✓ QCOW2* |
KubeVirt (RAW) |
✓ RAW |
✓ RAW |
✓ RAW |
✓ RAW* |
✓ RAW* |
✓ サポートされる操作
□ サポートされない操作
* スクラッチ領域が必要
**カスタム認証局が必要な場合にスクラッチ領域が必要
7.18.4.3. Web コンソールを使用したイメージファイルのアップロード
Web コンソールを使用して、イメージファイルを新規の永続ボリューム要求 (PVC) にアップロードします。この PVC を後で使用して、イメージを新規の仮想マシンに割り当てることができます。
前提条件
以下のいずれかが必要である。
- ISO または IMG 形式のいずれかの raw 仮想マシンイメージファイル。
- QCOW2 形式の仮想マシンのイメージファイル。
最善の結果を得るには、アップロードする前にイメージファイルを以下のガイドラインに従って圧縮すること。
xz
またはgzip
を使用して raw イメージファイルを圧縮します。注記圧縮された raw イメージファイルを使用すると、最も効率的にアップロードできます。
クライアントについて推奨される方法を使用して、QCOW2 イメージファイルを圧縮します。
- Linux クライアントを使用する場合は、virt-sparsify ツールを使用して、QCOW2 ファイルをスパース化 (sparsify) します。
-
Windows クライアントを使用する場合は、
xz
またはgzip
を使用して QCOW2 ファイルを圧縮します。
手順
- Web コンソールのサイドメニューから、Storage → Persistent Volume Claims をクリックします。
- Create Persistent Volume Claim ドロップダウンリストをクリックし、これを拡張します。
- With Data Upload Form をクリックし、Upload Data to Persistent Volume Claim ページを開きます。
- Browse をクリックし、ファイルマネージャーを開き、アップロードするイメージを選択するか、ファイルを Drag a file here or browse to upload フィールドにドラッグします。
オプション: 特定のオペレーティングシステムのデフォルトイメージとしてこのイメージを設定します。
- Attach this data to a virtual machine operating system チェックボックスを選択します。
- 一覧からオペレーティングシステムを選択します。
- Persistent Volume Claim Name フィールドには、一意の名前が自動的に入力され、これを編集することはできません。PVC に割り当てられた名前をメモし、必要に応じてこれを後で特定できるようにします。
- Storage Class 一覧からストレージクラスを選択します。
Size フィールドに PVC のサイズ値を入力します。ドロップダウンリストから、対応する測定単位を選択します。
警告PVC サイズは圧縮解除された仮想ディスクのサイズよりも大きくなければなりません。
- 選択したストレージクラスに一致する Access Mode を選択します。
- Upload をクリックします。
7.18.5. virtctl ツールの使用によるローカルディスクイメージのアップロード
virtctl
コマンドラインユーティリティーを使用して、ローカルに保存されたディスクイメージを新規または既存のデータボリュームにアップロードできます。
7.18.5.1. 前提条件
-
kubevirt-virtctl
パッケージの インストール - CDI でサポートされる操作マトリックス に応じてスクラッチ領域が必要な場合、まずは、この操作が正常に実行されるように ストレージクラスを定義するか、または CDI スクラッチ領域を用意 します。
7.18.5.2. データボリュームについて
DataVolume
オブジェクトは、Containerized Data Importer (CDI) プロジェクトで提供されるカスタムリソースです。データボリュームは、基礎となる永続ボリューム要求 (PVC) に関連付けられるインポート、クローン作成、およびアップロード操作のオーケストレーションを行います。データボリュームは OpenShift Virtualization に統合され、仮想マシンが PVC の作成前に起動することを防ぎます。
7.18.5.3. アップロードデータボリュームの作成
ローカルディスクイメージのアップロードに使用する upload
データソースでデータボリュームを手動で作成できます。
手順
spec: source: upload{}
を指定するデータボリューム設定を作成します。apiVersion: cdi.kubevirt.io/v1beta1 kind: DataVolume metadata: name: <upload-datavolume> 1 spec: source: upload: {} pvc: accessModes: - ReadWriteOnce resources: requests: storage: <2Gi> 2
以下のコマンドを実行してデータボリュームを作成します。
$ oc create -f <upload-datavolume>.yaml
7.18.5.4. ローカルディスクイメージのデータボリュームへのアップロード
virtctl
CLI ユーティリティーを使用して、ローカルディスクイメージをクライアントマシンからクラスター内のデータボリューム (DV) にアップロードできます。この手順の実行時に、すでにクラスターに存在する DV を使用するか、または新規の DV を作成することができます。
ローカルディスクイメージのアップロード後に、これを仮想マシンに追加できます。
前提条件
以下のいずれかが必要である。
- ISO または IMG 形式のいずれかの raw 仮想マシンイメージファイル。
- QCOW2 形式の仮想マシンのイメージファイル。
最善の結果を得るには、アップロードする前にイメージファイルを以下のガイドラインに従って圧縮すること。
xz
またはgzip
を使用して raw イメージファイルを圧縮します。注記圧縮された raw イメージファイルを使用すると、最も効率的にアップロードできます。
クライアントについて推奨される方法を使用して、QCOW2 イメージファイルを圧縮します。
- Linux クライアントを使用する場合は、virt-sparsify ツールを使用して、QCOW2 ファイルをスパース化 (sparsify) します。
-
Windows クライアントを使用する場合は、
xz
またはgzip
を使用して QCOW2 ファイルを圧縮します。
-
kubevirt-virtctl
パッケージがクライアントマシンにインストールされていること。 - クライアントマシンが OpenShift Container Platform ルーターの証明書を信頼するように設定されていること。
手順
以下を特定します。
- 使用するアップロードデータボリュームの名前。このデータボリュームが存在しない場合、これは自動的に作成されます。
- データボリュームのサイズ (アップロード手順の実行時に作成する必要がある場合)。サイズはディスクイメージのサイズ以上である必要があります。
- アップロードする必要のある仮想マシンディスクイメージのファイルの場所。
virtctl image-upload
コマンドを実行してディスクイメージをアップロードします。直前の手順で特定したパラメーターを指定します。以下に例を示します。$ virtctl image-upload dv <datavolume_name> \ 1 --size=<datavolume_size> \ 2 --image-path=</path/to/image> \ 3
注記-
新規データボリュームを作成する必要がない場合は、
--size
パラメーターを省略し、--no-create
フラグを含めます。 - ディスクイメージを PVC にアップロードする場合、PVC サイズは圧縮されていない仮想ディスクのサイズよりも大きくなければなりません。
-
HTTPS を使用したセキュアでないサーバー接続を許可するには、
--insecure
パラメーターを使用します。--insecure
フラグを使用する際に、アップロードエンドポイントの信頼性は検証 されない 点に注意してください。
-
新規データボリュームを作成する必要がない場合は、
オプション。データボリュームが作成されたことを確認するには、以下のコマンドを実行してすべてのデータボリュームを表示します。
$ oc get dvs
7.18.5.5. CDI がサポートする操作マトリックス
このマトリックスにはエンドポイントに対してコンテンツタイプのサポートされる CDI 操作が表示されます。これらの操作にはスクラッチ領域が必要です。
コンテンツタイプ | HTTP | HTTPS | HTTP Basic 認証 | レジストリー | アップロード |
---|---|---|---|---|---|
kubevirt (QCOW2) |
✓ QCOW2 |
✓ QCOW2** |
✓ QCOW2 |
✓ QCOW2* |
✓ QCOW2* |
KubeVirt (RAW) |
✓ RAW |
✓ RAW |
✓ RAW |
✓ RAW* |
✓ RAW* |
✓ サポートされる操作
□ サポートされない操作
* スクラッチ領域が必要
**カスタム認証局が必要な場合にスクラッチ領域が必要
7.18.6. ブロックストレージデータボリュームへのローカルディスクイメージのアップロード
virtctl
コマンドラインユーティリティーを使用して、ローカルのディスクイメージをブロックデータボリュームにアップロードできます。
このワークフローでは、ローカルブロックデバイスを使用して永続ボリュームを使用し、このブロックボリュームを upload
データボリュームに関連付け、 virtctl
を使用してローカルディスクイメージをデータボリュームにアップロードできます。