3.10. ローカルボリュームを使用した永続ストレージ

OpenShift Container Platform は、ローカルボリュームを使用する永続ストレージでプロビジョニングすることが可能です。ローカルの永続ボリュームを使用すると、標準の PVC インターフェイスを使用して、ディスクやパーティションなどのローカルのストレージデバイスにアクセスできます。

ローカルボリュームは、Pod をノードに手動でスケジュールせずに使用できます。ボリュームのノード制約がシステムによって認識されるためです。ただし、ローカルボリュームは、依然として基礎となるノードの可用性に依存しており、すべてのアプリケーションに適している訳ではありません。

注記

ローカルボリュームは、静的に作成された永続ボリュームとしてのみ使用できます。

3.10.1. ローカルストレージ Operator のインストール

ローカルストレージ Operator はデフォルトで OpenShift Container Platform にインストールされません。以下の手順を使用してこの Operator をインストールし、クラスター内でローカルボリュームを有効にできるように設定します。

前提条件

  • OpenShift Container Platform Web コンソールまたはコマンドラインインターフェイス (CLI) へのアクセス。

手順

  1. local-storage プロジェクトを作成します。

    $ oc new-project local-storage
  2. オプション: インフラストラクチャーノードでのローカルストレージの作成を許可します。

    ロギングやモニタリングなどのコンポーネントに対応するために、ローカルストレージ Operator を使用してインフラストラクチャーノードでボリュームを作成する必要がある場合があります。

    ローカルストレージ Operator にワーカーノードだけでなくインフラストラクチャーノードが含まれるように、デフォルトのノードセレクターを調整する必要があります。

    ローカルストレージ Operator がクラスター全体のデフォルトセレクターを継承しないようにするには、以下のコマンドを実行します。

    $ oc annotate project local-storage openshift.io/node-selector=''

UI での操作

Web コンソールからローカルストレージ Operator をインストールするには、以下の手順を実行します。

  1. OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。
  2. OperatorsOperatorHub に移動します。
  3. Local Storage をフィルターボックスに入力して、ローカルストレージ Operator を見つけます。
  4. Install をクリックします。
  5. Install Operator ページで、A specific namespace on the cluster を選択します。ドロップメニューから local-storage を選択します。
  6. Update Channel および Approval Strategy の値を必要な値に調整します。
  7. Install をクリックします。

これが完了すると、ローカルストレージ Operator は Web コンソールの Installed Operators セクションに一覧表示されます。

CLI からの操作

  1. CLI からローカルストレージ Operator をインストールします。

    1. 以下のコマンドを実行して OpenShift Container Platform のメジャーおよびマイナーバージョンを取得します。これは、次の手順の channel の値に必要です。

      $ OC_VERSION=$(oc version -o yaml | grep openshiftVersion | \
          grep -o '[0-9]*[.][0-9]*' | head -1)
    2. ローカルストレージ Operator の Operator グループおよびサブスクリプションを定義するために、オブジェクト YAML ファイル (例: local-storage.yaml) を作成します。

      local-storage の例

      apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha2
      kind: OperatorGroup
      metadata:
        name: local-operator-group
        namespace: local-storage
      spec:
        targetNamespaces:
          - local-storage
      ---
      apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1
      kind: Subscription
      metadata:
        name: local-storage-operator
        namespace: local-storage
      spec:
        channel: "${OC_VERSION}"
        installPlanApproval: Automatic 1
        name: local-storage-operator
        source: redhat-operators
        sourceNamespace: openshift-marketplace

      1
      インストール計画のユーザー承認ポリシー。
  2. 以下のコマンドを実行して、ローカルストレージ Operator オブジェクトを作成します。

    $ oc apply -f local-storage.yaml

    この時点で、Operator Lifecycle Manager (OLM) はローカルストレージ Operator を認識できるようになります。Operator の ClusterServiceVersion (CSV) はターゲット namespace に表示され、Operator で指定される API は作成用に利用可能になります。

  3. すべての Pod およびローカルストレージ Operator が作成されていることを確認して、ローカルストレージのインストールを検証します。

    1. 必要な Pod すべてが作成されていることを確認します。

      $ oc -n local-storage get pods

      出力例

      NAME                                      READY   STATUS    RESTARTS   AGE
      local-storage-operator-746bf599c9-vlt5t   1/1     Running   0          19m

    2. ClusterServiceVersion (CSV) YAML マニフェストをチェックして、ローカルストレージ Operator が local-storage プロジェクトで利用できることを確認します。

      $ oc get csvs -n local-storage

      出力例

      NAME                                         DISPLAY         VERSION               REPLACES   PHASE
      local-storage-operator.4.2.26-202003230335   Local Storage   4.2.26-202003230335              Succeeded

すべてのチェックが渡されると、ローカルストレージ Operator が正常にインストールされます。