1.7. コンテナーレジストリーのセキュアな使用

コンテナーレジストリーは、以下を実行するためにコンテナーイメージを保存します。

  • イメージに他からアクセスできるようにする
  • イメージをイメージの複数バージョンを含むことができるリポジトリーに整理する
  • オプションで、異なる認証方法に基づいてイメージへのアクセスを制限するか、またはイメージを一般に利用できるようにする。

Quay.io や Docker Hub などのパブリックコンテナーレジストリーがあり、ここでは多くの人や組織がイメージを共有します。Red Hat レジストリーは、サポート対象の Red Hat およびパートナーのイメージを提供しますが、Red Hat Ecosystem Catalog ではこれらのイメージに関する詳細な説明およびヘルスチェックが提供されます。独自のレジストリーを管理するには、Red Hat Quay などのコンテナーレジストリーを購入することができます。

セキュリティーの観点では、一部のレジストリーは、コンテナーの正常性を確認し、強化するために特別な機能を提供します。たとえば、Red Hat Quay は、Clair セキュリティースキャナーを使用したコンテナー脆弱性のスキャン、GitHub およびその他の場所でソースコードが変更された場合にイメージを自動的に再ビルドするためのビルドのトリガー、およびイメージへのアクセスをセキュア化するためのロールベースのアクセス制御 (RBAC) を使用できる機能を提供します。

1.7.1. コンテナーのソースの確認

ダウンロード済みかつデプロイ済みのコンテナーイメージのコンテンツをスキャンし、追跡するには各種のツールを使用できます。しかし、コンテナーイメージの公開ソースは数多くあります。公開されているコンテナーレジストリーを使用する場合は、信頼されるソースを使用して保護用の層を追加することができます。

1.7.2. イミュータブルで認定済みのコンテナー

イミュータブルなコンテナー を管理する際に、セキュリティー更新を使用することはとくに重要になります。イミュータブルなコンテナーは、実行中には変更されることのないコンテナーです。イミュータブルなコンテナーをデプロイする場合には、実行中のコンテナーにステップインして 1 つ以上のバイナリーを置き換えることはできません。運用上の観点では、更新されたコンテナーイメージを再ビルド、再デプロイし、コンテナーを変更するのではなく、コンテナーの置き換えを行います。

以下は、Red Hat 認定イメージの特徴になります。

  • プラットフォームの各種コンポーネントまたは層に既知の脆弱性がない。
  • ベアメタルからクラウドまで、RHEL プラットフォーム全体で互換性がある。
  • Red Hat によってサポートされる。

既知の脆弱性の一覧は常に更新されるので、デプロイ済みのコンテナーイメージのコンテンツのほか、新規にダウンロードしたイメージを継続的に追跡する必要があります。Red Hat セキュリティーアドバイザリー (RHSA) を利用して、Red Hat 認定コンテナーイメージで新たに発見される問題についての警告を受け、更新されたイメージを確認することができます。または、Red Hat Ecosystem Catalog にアクセスして、その問題および各 Red Hat イメージの他のセキュリティー関連の問題について検索することもできます。

1.7.3. Red Hat レジストリーおよび Ecosystem Catalog からのコンテナーの取得

Red Hat では、Red Hat Ecosystem Catalog の Container Images セクションから、Red Hat 製品およびパートナーオファリングの認定コンテナーイメージを一覧表示しています。このカタログから、CVE、ソフトウェアパッケージの一覧、ヘルススコアなどの各イメージの詳細を確認できます。

Red Hat イメージは、パブリックコンテナーレジストリー (registry.access.redhat.com) および認証されたレジストリー (registry.redhat.io) によって代表される、Red Hat レジストリー というレジストリーに実際に保存されます。どちらにも基本的に Red Hat サブスクリプション認証情報での認証を必要とするいくつかの追加イメージを含む registry.redhat.io と同様に、同じコンテナーイメージのセットが含まれます。

Red Hat ではコンテナーのコンテンツの脆弱性を監視し、コンテンツを定期的に更新しています。glibcDROWN、または Dirty Cow の修正など、Red Hat がセキュリティー更新をリリースする際に、影響を受けるすべてのコンテナーイメージも再ビルドされ、Red Hat Registry にプッシュされます。

Red Hat では health index を使用して、 Red Hat Ecosystem Catalog 経由で提供される各コンテナーのセキュリティー上のリスクを考慮します。コンテナーは Red Hat およびエラータプロセスで提供されるソフトウェアを使用するため、セキュリティーのレベルは、コンテナーが古いと低くなり、新規のコンテナーの場合はセキュリティーのレベルが上がります。

コンテナーの年数について、Red Hat Ecosystem Catalog では格付けシステムを使用します。最新度についての評価は、イメージに利用できる最も古く、最も重大度の高いセキュリティーエラータに基づいて行われます。格付けは「A」から「F」まであり、「A」が最新となります。この格付けシステムの詳細については、「Container Health Index grades as used inside the Red Hat Ecosystem Catalog」を参照してください。

Red Hat ソフトウェアに関連するセキュリティー更新および脆弱性についての詳細は、Red Hat Product Security Center を参照してください。Red Hat セキュリティーアドバイザリーを参照して、特定のアドバイザリーおよび CVE を検索できます。

1.7.4. OpenShift Container レジストリー

OpenShift Container Platform には、コンテナーイメージを管理するために使用できるプラットフォームの統合されたコンポーネントとして実行される、プライベートレジストリーの OpenShift Container レジストリー が含まれます。OpenShift Container レジストリーは、ロールベースのアクセス制御を提供します。 これにより、どのコンテナーイメージを誰がプル/プッシュするのかを管理できるようになります。

また、OpenShift Container Platform は Red Hat Quay などのすでに使用している可能性のある他のプライベートレジストリーとの統合もサポートしています。

1.7.5. Red Hat Quay を使用したコンテナーの保存

Red Hat Quay は、Red Hat のエンタープライズレベルの品質の高いコンテナーレジストリー製品です。Red Hat Quay の開発は、アップストリームの Project Quay で行われます。Red Hat Quay は、オンプレミスまたは Quay.io のホスト型バージョンの Red Hat Quay でデプロイできます。

Red Hat Quay のセキュリティー関連機能には、以下が含まれます。

  • Time Machine (マシンの時間設定): 設定した期間またはユーザーが選択した有効期限に基づいて、古いタグを持つイメージの有効期限が切れるようにします。
  • Repository mirroring (リポジトリーのミラーリング): セキュリティー上の理由から他のレジストリーをミラーリングします。たとえば、会社のファイアウォールの背後の Red Hat Quay でパブリックリポジトリーをホストしたり、パフォーマンス上の理由からレジストリーを使用される場所の近くに配置したりします。
  • Action log storage (アクションログの保存): Red Hat Quay のロギング出力を Elasticsearch ストレージ に保存し、後に検索および分析に使用できるようにします。
  • Clair security scanning (Clair セキュリティースキャン): 各コンテナーイメージの起点に基づいて、さまざまな Linux 脆弱性データベースに対してイメージをスキャンします。各コンテナーイメージの起点に基づいて、さまざまな Linux 脆弱性データベースに対してイメージをスキャンします。
  • Internal authentication (内部認証): Red Hat Quay への RBAC 認証を処理するデフォルトのローカルデータベースを使用するか、LDAP、Keystone (OpenStack)、JWT Custom Authentication、または External Application Token 認証から選択します。
  • External authorization (OAuth) (外部認証 (OAuth): GitHub、GitHub Enterprise、または Google 認証からの Red Hat Quay への認証を許可します。
  • Access settings (アクセス設定): docker、rkt、匿名アクセス、ユーザー作成のアカウント、暗号化されたクライアントパスワード、またはプレフィックス、ユーザー名の自動補完での Red Hat Quay へのアクセスを可能にするトークンを生成します。

Red Hat Quay と OpenShift Container Platform の統合が継続されており、とくに関連する OpenShift Container Platform Operator との統合が継続されています。Quay Bridge Operator を使用すると、内部 OpenShift Container Platform レジストリーを Red Hat Quay に置き換えることができます。Quay Container Security Operator を使用すると、Red Hat Quay レジストリーからプルされた OpenShift Container Platform で実行されているイメージの脆弱性を確認できます。