2.4. ノードホストについての推奨プラクティス

OpenShift Container Platform ノードの設定ファイルには、重要なオプションが含まれています。たとえば、podsPerCore および maxPods の 2 つのパラメーターはノードにスケジュールできる Pod の最大数を制御します。

両方のオプションが使用されている場合、2 つの値の低い方の値により、ノード上の Pod 数が制限されます。これらの値を超えると、以下の状態が生じる可能性があります。

  • CPU 使用率の増大。
  • Pod のスケジューリングの速度が遅くなる。
  • (ノードのメモリー量によって) メモリー不足のシナリオが生じる可能性。
  • IP アドレスのプールを消費する。
  • リソースのオーバーコミット、およびこれによるアプリケーションのパフォーマンスの低下。
重要

Kubernetes では、単一コンテナーを保持する Pod は実際には 2 つのコンテナーを使用します。2 つ目のコンテナーは実際のコンテナーの起動前にネットワークを設定するために使用されます。そのため、10 の Pod を使用するシステムでは、実際には 20 のコンテナーが実行されていることになります。

podsPerCore は、ノードのプロセッサーコア数に基づいてノードが実行できる Pod 数を設定します。たとえば、4 プロセッサーコアを搭載したノードで podsPerCore10 に設定される場合、このノードで許可される Pod の最大数は 40 になります。

kubeletConfig:
  podsPerCore: 10

podsPerCore0 に設定すると、この制限が無効になります。デフォルトは 0 です。podsPerCoremaxPods を超えることができません。

maxPods は、ノードのプロパティーにかかわらず、ノードが実行できる Pod 数を固定値に設定します。

 kubeletConfig:
    maxPods: 250

2.4.1. kubelet パラメーターを編集するための KubeletConfig CRD の作成

kubelet 設定は、現時点で Ignition 設定としてシリアル化されているため、直接編集することができます。ただし、新規の kubelet-config-controller も Machine Config Controller (MCC) に追加されます。これにより、KubeletConfig カスタムリソース (CR) を作成して kubelet パラメーターを編集することができます。

手順

  1. 以下を実行します。

    $ oc get machineconfig

    これは、選択可能なマシン設定オブジェクトの一覧を提供します。デフォルトで、2 つの kubelet 関連の設定である 01-master-kubelet および 01-worker-kubelet を選択できます。

  2. ノードあたりの最大 Pod の現在の値を確認するには、以下を実行します。

    # oc describe node <node-ip> | grep Allocatable -A6

    value: pods: <value> を検索します。

    以下は例になります。

    # oc describe node ip-172-31-128-158.us-east-2.compute.internal | grep Allocatable -A6

    出力例

    Allocatable:
     attachable-volumes-aws-ebs:  25
     cpu:                         3500m
     hugepages-1Gi:               0
     hugepages-2Mi:               0
     memory:                      15341844Ki
     pods:                        250

  3. ワーカーノードでノードあたりの最大の Pod を設定するには、kubelet 設定を含むカスタムリソースファイルを作成します。たとえば、change-maxPods-cr.yaml を使用します。

    apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1
    kind: KubeletConfig
    metadata:
      name: set-max-pods
    spec:
      machineConfigPoolSelector:
        matchLabels:
          custom-kubelet: large-pods
      kubeletConfig:
        maxPods: 500

    kubelet が API サーバーと通信する速度は、1 秒あたりのクエリー (QPS) およびバースト値により異なります。デフォルト値の 50 (kubeAPIQPS の場合) および 100 (kubeAPIBurst の場合) は、各ノードで制限された Pod が実行されている場合には十分な値です。ノード上に CPU およびメモリーリソースが十分にある場合には、kubelet QPS およびバーストレートを更新することが推奨されます。

    apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1
    kind: KubeletConfig
    metadata:
      name: set-max-pods
    spec:
      machineConfigPoolSelector:
        matchLabels:
          custom-kubelet: large-pods
      kubeletConfig:
        maxPods: <pod_count>
        kubeAPIBurst: <burst_rate>
        kubeAPIQPS: <QPS>
    1. 以下を実行します。

      $ oc label machineconfigpool worker custom-kubelet=large-pods
    2. 以下を実行します。

      $ oc create -f change-maxPods-cr.yaml
    3. 以下を実行します。

      $ oc get kubeletconfig

      これにより set-max-pods が返されるはずです。

      クラスター内のワーカーノードの数によっては、ワーカーノードが 1 つずつ再起動されるのを待機します。3 つのワーカーノードを持つクラスターの場合は、10 分 から 15 分程度かかる可能性があります。

  4. ワーカーノードを変更する maxPods の有無を確認します。

    $ oc describe node
    1. 以下を実行して変更を確認します。

      $ oc get kubeletconfigs set-max-pods -o yaml

      これは Truetype:Success のステータスを表示します。

手順

デフォルトでは、kubelet 関連の設定を利用可能なワーカーノードに適用する場合に 1 つのマシンのみを利用不可の状態にすることが許可されます。大規模なクラスターの場合、設定の変更が反映されるまでに長い時間がかかる可能性があります。プロセスのスピードを上げるためにマシン数の調整をいつでも実行することができます。

  1. 以下を実行します。

    $ oc edit machineconfigpool worker
  2. maxUnavailable を必要な値に設定します。

    spec:
      maxUnavailable: <node_count>
    重要

    値を設定する際に、クラスターで実行されているアプリケーションに影響を与えずに利用不可にできるワーカーノードの数を検討してください。