3.8. ネットワークが制限された環境での Operator Lifecycle Manager の使用

ネットワークが制限された環境 (非接続クラスターとしても知られる) にインストールされている OpenShift Container Platform クラスターの場合、デフォルトで Operator Lifecycle Manager (OLM) は Quay.io でホストされる Red Hat が提供する OperatorHub ソースにアクセスできません。それらのリモートソースには完全なインターネット接続が必要であるためです。

ただし、クラスター管理者は、完全なインターネットアクセスのあるワークステーションがある場合には、クラスターがネットワークが制限された環境で OLM を使用できるようにできます。ワークステーションは、リモート OperatorHub ソースのローカルミラーを準備するために使用され、リモートコンテンツをプルするのに完全なインターネットアクセスが必要になります。

以下では、ネットワークが制限された環境で OLM を有効にするために必要な以下のプロセスについて説明します。

  • OLM のデフォルトのリモート OperatorHub ソースを無効にします。
  • 完全なインターネットアクセスのあるワークステーションを使用して、OperatorHub コンテンツのローカルミラーを作成します。
  • OLM を、デフォルトのリモートソースからではなくローカルソースから Operator をインストールし、管理するように設定します。

ネットワークが制限された環境で OLM を有効にした後も、引き続き制限のないワークステーションを使用して、Operator の新しいバージョンが更新されるとローカルの OperatorHub ソースを更新された状態に維持することができます。

重要

OLM はローカルソースから Operator を管理できますが、指定された Operator がネットワークが制限された環境で正常に実行されるかどうかは Operator 自体に依存します。以下は、Operator の特長です。

  • 関連するイメージ、または Operator がそれらの機能を実行するために必要となる可能性のある他のコンテナーイメージを ClusterServiceVersion (CSV) オブジェクトの relatedImages パラメーターで一覧表示します。
  • 指定されたすべてのイメージを、タグではなくダイジェスト (SHA) で参照します。

非接続モードでの実行をサポートする Red Hat Operator の一覧については、以下の Red Hat ナレッジベースの記事を参照してください。

https://access.redhat.com/articles/4740011

3.8.1. Operator カタログイメージについて

Operator Lifecycle Manager (OLM) は常に Operator カタログの最新バージョンから Operator をインストールします。OpenShift Container Platform 4.5 では、Red Hat が提供する Operator は、quay.io から Quay App Registry カタログ経由で配布されます。

表3.3 Red Hat が提供する App Registry カタログ

カタログ説明

redhat-operators

Red Hat によってパッケージ化され、出荷される Red Hat 製品のパブリックカタログ。Red Hat によってサポートされます。

certified-operators

大手独立系ソフトウェアベンダー (ISV) の製品のパブリックカタログ。Red Hat は ISV とのパートナーシップにより、パッケージ化および出荷を行います。ISV によってサポートされます。

community-operators

operator-framework/community-operators GitHub リポジトリーで関連するエンティティーによってメンテナーンスされる、オプションで表示可能になるソフトウェアのパブリックカタログ。正式なサポートはありません。

カタログが更新されると、Operator の最新バージョンが変更され、それ以前のバージョンが削除または変更される可能性があります。この動作により、再現可能なインストールを維持することが徐々に難しくなる可能性があります。さらに OLM がネットワークが制限された環境の OpenShift Container Platform クラスターで実行される場合、quay.io からカタログに直接アクセスすることはできません。

oc adm catalog build コマンドを使用して、クラスター管理者は Operator カタログイメージを作成できます。以下は Operator カタログイメージの説明です。

  • App Registry タイプカタログのコンテンツの特定の時点のエクスポート。
  • App Registry カタログをコンテナーイメージタイプカタログに変換した結果。
  • イミュータブルなアーティファクト。

Operator カタログイメージを作成する方法は、前述の問題を引き起こさずにこのコンテンツを使用できる簡単な方法です。