1.2.3.4. Kuryr を使用したインストールについての既知の制限

OpenShift Container Platform を Kuryr SDN で使用する場合、いくつかの既知の制限があります。

RHOSP の一般的な制限

Kuryr SDN を使用する OpenShift Container Platform は、タイプが NodePortService オブジェクトをサポートしません。

RHOSP バージョンの制限

OpenShift Container Platform を Kuryr SDN で使用する場合は、RHOSP バージョンに依存するいくつかの制限があります。

  • RHOSP の 16 よりも前のバージョンでは、デフォルトの Octavia ロードバランサードライバー (Amphora) を使用します。このドライバーでは、OpenShift Container Platform サービスごとに 1 つの Amphora ロードバランサー仮想マシンをデプロイする必要があります。サービス数が多すぎると、リソースが不足する可能性があります。

    OVN Octavia ドライバーが無効にされている以降のバージョンの RHOSP のデプロイメントでも Amphora ドライバーを使用します。この場合も、RHOSP の以前のバージョンと同じリソースに関する懸念事項を考慮する必要があります。

  • バージョン 13.0.13 よりも前の Octavia RHOSP バージョンは UDP リスナーをサポートしません。そのため、OpenShift Container Platform UDP サービスはサポートされません。
  • 13.0.13 よりも前の Octavia RHOSP バージョンは、同じポートで複数のプロトコルをリッスンできません。TCP や UDP など、同じポートを異なるプロトコルに公開するサービスはサポートされません。
RHOSP 環境の制限

Kuryr SDN を使用する場合に、デプロイメント環境に依存する制限事項があります。

Octavia には UDP プロトコルおよび複数のリスナーのサポートがないため、RHOCP バージョンが 13.0.13 よりも前のバージョンの場合、Kuryr は Pod が DNS 解決に TCP を使用するように強制します。

Go バージョン 1.12 以前では、CGO サポートが無効にされた状態でコンパイルされたアプリケーションは UDP のみを使用します。この場合、ネイティブの Go リゾルバーは、TCP が DNS 解決に強制的に実行されるかどうかを制御する、resolv.confuse-vc オプションを認識しません。その結果、UDP は引き続き DNS 解決に使用されますが、これは失敗します。

TCP の強制を許可するには、環境変数 CGO_ENABLED1 に設定 (例: CGO_ENABLED=1) されている状態でアプリケーションをコンパイルするか、または変数がないことを確認します。

Go バージョン 1.13 以降では、UDP を使用した DNS 解決が失敗する場合に TCP が自動的に使用されます。

注記

Alpine ベースのコンテナーを含む musl ベースのコンテナーは use-vc オプションをサポートしません。

RHOSP のアップグレードの制限

RHOSP のアップグレードプロセスにより、Octavia API が変更され、ロードバランサーに使用される Amphora イメージへのアップグレードが必要になる可能性があります。

API の変更に個別に対応できます。

Amphora イメージがアップグレードされると、RHOSP Operator は既存のロードバランサー仮想マシンを 2 つの方法で処理できます。

Operator が最初のオプションを選択する場合、フェイルオーバー時に短い時間のダウンタイムが生じる可能性があります。

Operator が 2 つ目のオプションを選択する場合、既存のロードバランサーは UDP リスナーなどのアップグレードされた Octavia API 機能をサポートしません。この場合、ユーザーはこれらの機能を使用するためにサービスを再作成する必要があります。

重要

OpenShift Container Platform が UDP の負荷分散をサポートする新規の Octavia バージョンを検出する場合、これは DNS サービスを自動的に再作成します。サービスの再作成により、サービスのデフォルトが UDP の負荷分散をサポートするようになります。

再作成により、DNS サービスに約 1 分間のダウンタイムが発生します。