Azure へのインストール

OpenShift Container Platform 4.4

OpenShift Container Platform Azure クラスターのインストール

概要

本書では、Microsoft Azure に OpenShift Container Platform クラスターをインストールし、アンインストールする方法について説明します。

第1章 Azure へのインストール

1.1. Azure アカウントの設定

OpenShift Container Platform をインストールする前に、Microsoft Azure アカウントを設定する必要があります。

重要

パブリックエンドポイントで利用可能なすべての Azure リソースはリソース名の制限を受けるため、特定の用語を使用するリソースを作成することはできません。Azure が制限する語の一覧は、Azure ドキュメントの Resolve reserved resource name errors を参照してください。

1.1.1. Azure アカウントの制限

OpenShift Container Platform クラスターは数多くの Microsoft Azure コンポーネントを使用し、デフォルトの Azure サブスクリプションおよびサービス制限、クォータ、および制約 は、OpenShift Container Platform クラスターをインストールする機能に影響を与えます。

重要

デフォルトの制限は、Free Trial や Pay-As-You-Go、および DV2、F、および G などのシリーズといったカテゴリータイプによって異なります。たとえば、Enterprise Agreement サブスクリプションのデフォルトは 350 コアです。

サブスクリプションタイプの制限を確認し、必要に応じて、デフォルトのクラスターを Azure にインストールする前にアカウントのクォータ制限を引き上げます。

以下の表は、OpenShift Container Platform クラスターのインストールおよび実行機能に影響を与える可能性のある Azure コンポーネントの制限を要約しています。

コンポーネントデフォルトで必要なコンポーネントの数デフォルトの Azure 制限説明

vCPU

40

リージョンごとに 20

デフォルトのクラスターには 40 の vCPU が必要であるため、アカウントの上限を引き上げる必要があります。

デフォルトで、各クラスターは以下のインスタンスを作成します。

  • 1 つのブートストラップマシン。これはインストール後に削除されます。
  • 3 つのコントロールプレーンマシン
  • 3 つのコンピュートマシン

ブートストラップマシンは 4 vCPUS を使用する Standard_D4s_v3 マシンを使用し、コントロールプレーンマシンは 8 vCPU を使用する Standard_D8s_v3 仮想マシンを使用し、さらにワーカーマシンは、4 vCPU を使用する Standard_D4s_v3 仮想マシンを使用するため、デフォルトクラスターには 40 の vCPU が必要になります。4 vCPU を使用するブートストラップノードの仮想マシンは、インストール時にのみ使用されます。

追加のワーカーノードをデプロイし、自動スケーリングを有効にし、大規模なワークロードをデプロイするか、または異なるインスタンスタイプを使用するには、アカウントの vCPU 制限をさらに引き上げ、クラスターが必要なマシンをデプロイできるようにする必要があります。

デフォルトで、インストールプログラムはコントロールプレーンおよびコンピュートマシンを、リージョン 内の すべてのアベイラビリティーゾーン に分散します。クラスターの高可用性を確保するには、少なくとも 3 つ以上のアベイラビリティーゾーンのあるリージョンを選択します。リージョンに含まれるアベイラビリティーゾーンが 3 つ未満の場合、インストールプログラムは複数のコントロールプレーンマシンを利用可能なゾーンに配置します。

VNet

1

リージョンごとに 1000

各デフォルトクラスターには、2 つのサブネットを含む 1 つの Virtual Network (VNet) が必要です。

ネットワークインターフェイス

6

リージョンごとに 65,536

各デフォルトクラスターには、6 つのネットワークインターフェイスが必要です。さらに多くのマシンを作成したり、デプロイしたワークロードでロードバランサーを作成する場合、クラスターは追加のネットワークインターフェイスを使用します。

ネットワークセキュリティーグループ

2

5000

各デフォルトクラスター。各クラスターは VNet の各サブネットにネットワークセキュリティーグループを作成します。デフォルトのクラスターは、コントロールプレーンおよびコンピュートノードのサブネットにネットワークセキュリティーグループを作成します。

controlplane

任意の場所からコントロールプレーンマシンにポート 6443 でアクセスできるようにします。

node

インターネットからワーカーノードにポート 80 および 443 でアクセスできるようにします。

ネットワークロードバランサー

3

リージョンごとに 1000

各クラスターは以下の ロードバランサー を作成します。

default

ワーカーマシン間でポート 80 および 443 での要求の負荷分散を行うパブリック IP アドレス

internal

コントロールプレーンマシン間でポート 6443 および 22623 での要求の負荷分散を行うプライベート IP アドレス

external

コントロールプレーンマシン間でポート 6443 での要求の負荷分散を行うパブリック IP アドレス

アプリケーションが追加の Kubernetes LoadBalancer サービスオブジェクトを作成すると、クラスターは追加のロードバランサーを使用します。

パブリック IP アドレス

3

 

2 つのパブリックロードバランサーのそれぞれはパブリック IP アドレスを使用します。ブートストラップマシンは、インストール時のトラブルシューティングのためにマシンに SSH を実行できるようにパブリック IP アドレスも使用します。ブートストラップノードの IP アドレスは、インストール時にのみ使用されます。

プライベート IP アドレス

7

 

内部ロードバランサー、3 つのコントロールプレーンマシンのそれぞれ、および 3 つのワーカーマシンのそれぞれはプライベート IP アドレスを使用します。

1.1.2. Azure でのパブリック DNS ゾーンの設定

OpenShift Container Platform をインストールするには、使用する Microsoft Azure アカウントに、専用のパブリックホスト DNS ゾーンが必要になります。このゾーンはドメインに対する権威を持っている必要があります。このサービスは、クラスターへの外部接続のためのクラスター DNS 解決および名前検索を提供します。

手順

  1. ドメイン、またはサブドメイン、およびレジストラーを特定します。既存のドメインおよびレジストラーを移行するか、Azure または別のソースから新規のものを取得できます。

    注記

    Azure 経由でドメインを購入する方法についての詳細は、Azure ドキュメントの Buy a custom domain name for Azure App Service を参照してください。

  2. 既存のドメインおよびレジストラーを使用している場合、その DNS を Azure に移行します。Azure ドキュメントの Migrate an active DNS name to Azure App Service を参照してください。
  3. ドメインの DNS を設定します。Azure ドキュメントの Tutorial: Host your domain in Azure DNS の手順に従い、ドメインまたはサブドメインのパブリックホストゾーンを作成し、 新規の権威ネームサーバーを抽出し、ドメインが使用するネームサーバーのレジストラーレコードを更新します。

    openshiftcorp.com などのルートドメインや、 clusters.openshiftcorp.com などのサブドメインを使用します。

  4. サブドメインを使用する場合は、所属する会社の手順に従ってその委任レコードを親ドメインに追加します。

1.1.3. Azure アカウント制限の拡張

アカウントの制限を引き上げるには、Azure ポータルでサポートをリクエストします。

注記

サポートリクエストごとに 1 つの種類のクォータのみを増やすことができます。

手順

  1. Azure ポータルの左端で Help + support をクリックします。
  2. New support request をクリックしてから必要な値を選択します。

    1. Issue type 一覧から、Service and subscription limits (quotas) を選択します。
    2. Subscription 一覧から、変更するサブスクリプションを選択します。
    3. Quota type 一覧から、引き上げるクォータを選択します。たとえば、Compute-VM (cores-vCPUs) subscription limit increases を選択し、クラスターのインストールに必要な vCPU の数を増やします。
    4. Next: Solutions をクリックします。
  3. Problem Detailsページで、クォータの引き上げについての必要な情報を指定します。

    1. Provide detailsをクリックし、Quota detailsウィンドウに必要な詳細情報を指定します。
    2. SUPPORT METHOD and CONTACT INFO セクションに、問題の重大度および問い合わせ先の詳細を指定します。
  4. Next: Review + create をクリックしてから Create をクリックします。

1.1.4. 必要な Azure ロール

Microsoft Azure アカウントには、使用するサブスクリプションについて以下のロールが必要です。

  • User Access Administrator

Azure ポータルでロールを設定するには、Azure ドキュメントの Manage access to Azure resources using RBAC and the Azure portal を参照します。

1.1.5. サービスプリンシパルの作成

OpenShift Container Platform およびそのインストールプログラムは Azure Resource Manager 経由で Microsoft Azure リソースを作成する必要があるため、これを表すサービスプリンシパルを作成する必要があります。

前提条件

  • Azure CLI のインストールまたは更新を実行します。
  • jq パッケージをインストールします。
  • Azure アカウントには、使用するサブスクリプションに必要なロールがなければなりません。

手順

  1. Azure CLI にログインします。

    $ az login

    認証情報を使用して Web コンソールで Azure にログインします。

  2. Azure アカウントでサブスクリプションを使用している場合は、適切なサブスクリプションを使用していることを確認してください。

    1. 利用可能なアカウントの一覧を表示し、クラスターに使用するサブスクリプションの tenantId の値を記録します。

      $ az account list --refresh
      [
        {
          "cloudName": "AzureCloud",
          "id": "9bab1460-96d5-40b3-a78e-17b15e978a80",
          "isDefault": true,
          "name": "Subscription Name",
          "state": "Enabled",
          "tenantId": "6057c7e9-b3ae-489d-a54e-de3f6bf6a8ee",
          "user": {
            "name": "you@example.com",
            "type": "user"
          }
        }
      ]
    2. アクティブなアカウントの詳細を表示し、tenantId 値が使用するサブスクリプションと一致することを確認します。

      $ az account show
      {
        "environmentName": "AzureCloud",
        "id": "9bab1460-96d5-40b3-a78e-17b15e978a80",
        "isDefault": true,
        "name": "Subscription Name",
        "state": "Enabled",
        "tenantId": "6057c7e9-b3ae-489d-a54e-de3f6bf6a8ee", 1
        "user": {
          "name": "you@example.com",
          "type": "user"
        }
      }
      1
      tenantId パラメーターの値が適切なサブスクリプションの UUID であることを確認します。
    3. 適切なサブスクリプションを使用していない場合には、アクティブなサブスクリプションを変更します。

      $ az account set -s <id> 1
      1
      使用する必要のあるサブスクリプションの id の値を <id> の代わりに使用します。
    4. アクティブなサブスクリプションを変更したら、アカウント情報を再度表示します。

      $ az account show
      
      {
        "environmentName": "AzureCloud",
        "id": "33212d16-bdf6-45cb-b038-f6565b61edda",
        "isDefault": true,
        "name": "Subscription Name",
        "state": "Enabled",
        "tenantId": "8049c7e9-c3de-762d-a54e-dc3f6be6a7ee",
        "user": {
          "name": "you@example.com",
          "type": "user"
        }
      }
  3. 直前の出力の tenantId および id パラメーターの値を記録します。OpenShift Container Platform のインストール時にこれらの値が必要になります。
  4. アカウントのサービスプリンシパルを作成します。

    $ az ad sp create-for-rbac --role Contributor --name <service_principal> 1
    Changing "<service_principal>" to a valid URI of "http://<service_principal>", which is the required format used for service principal names
    Retrying role assignment creation: 1/36
    Retrying role assignment creation: 2/36
    Retrying role assignment creation: 3/36
    Retrying role assignment creation: 4/36
    {
      "appId": "8bd0d04d-0ac2-43a8-928d-705c598c6956",
      "displayName": "<service_principal>",
      "name": "http://<service_principal>",
      "password": "ac461d78-bf4b-4387-ad16-7e32e328aec6",
      "tenant": "6048c7e9-b2ad-488d-a54e-dc3f6be6a7ee"
    }
    1
    <service_principal> を、サービスプリンシパルに割り当てる名前に置き換えます。
  5. 直前の出力の appId および password パラメーターの値を記録します。OpenShift Container Platform のインストール時にこれらの値が必要になります。
  6. サービスプリンシパルに追加パーミッションを付与します。サービスプリンシパルには、クラスターでそのコンポーネントの認証情報を割り当てられるようにレガシーの Azure Active Directory Graph → Application.ReadWrite.OwnedBy パーミッションおよび User Access Administrator ロールが必要です。

    1. User Access Administrator ロールを割り当てるには、以下のコマンドを実行します。

      $ az role assignment create --role "User Access Administrator" \
          --assignee-object-id $(az ad sp list --filter "appId eq '<appId>'" \ 1
             | jq '.[0].objectId' -r)
      1
      <appId> を、サービスプリンシパルの appId パラメーター値に置き換えます。
    2. Azure Active Directory Graph パーミッションを割り当てるには、以下のコマンドを実行します。

      $ az ad app permission add --id <appId> \ 1
           --api 00000002-0000-0000-c000-000000000000 \
           --api-permissions 824c81eb-e3f8-4ee6-8f6d-de7f50d565b7=Role
      
           Invoking "az ad app permission grant --id 46d33abc-b8a3-46d8-8c84-f0fd58177435 --api 00000002-0000-0000-c000-000000000000" is needed to make the change effective
      1
      <appId> を、サービスプリンシパルの appId パラメーター値に置き換えます。

      このコマンドで付与する特定のパーミッションについての詳細は、GUID Table for Windows Azure Active Directory Permissions を参照してください。

    3. パーミッション要求を承認します。アカウントに Azure Active Directory テナント管理者ロールがない場合は、所属する組織のガイドラインに従い、テナント管理者にパーミッション要求を承認するようにリクエストしてください。

      $ az ad app permission grant --id <appId> \ 1
           --api 00000002-0000-0000-c000-000000000000
      1
      <appId> を、サービスプリンシパルの appId パラメーター値に置き換えます。

1.1.6. サポート対象の Azure リージョン

インストールプログラムは、サブスクリプションに基づいて利用可能な Microsoft Azure リージョンの一覧を動的に生成します。以下の Azure リージョンは OpenShift Container Platform バージョン 4.4.0 でテストされ、検証されています。

  • australiacentral (Australia Central)
  • australiaeast (Australia East)
  • australiasoutheast (Australia South East)
  • brazilsouth (Brazil South)
  • canadacentral (Canada Central)
  • canadaeast (Canada East)
  • centralindia (Central India)
  • centralus (Central US)
  • eastasia (East Asia)
  • eastus (East US)
  • eastus2 (East US 2)
  • francecentral (France Central)
  • germanywestcentral (Germany West Central)
  • japaneast (Japan East)
  • japanwest (Japan West)
  • koreacentral (Korea Central)
  • koreasouth (Korea South)
  • northcentralus (North Central US)
  • northeurope (North Europe)
  • southafricanorth (South Africa North)
  • southcentralus (South Central US)
  • southeastasia (Southeast Asia)
  • southindia (South India)
  • switzerlandnorth (Switzerland North)
  • uaenorth (UAE North)
  • uksouth (UK South)
  • ukwest (UK West)
  • westcentralus (West Central US)
  • westeurope (West Europe)
  • westindia (West India)
  • westus (West US)
  • westus2 (West US 2)

1.1.7. 次のステップ

1.2. クラスターの Azure へのクイックインストール

OpenShift Container Platform バージョン 4.4 では、デフォルトの設定オプションを使用してクラスターを Microsoft Azure にインストールできます。

1.2.1. 前提条件

1.2.2. OpenShift Container Platform のインターネットアクセスおよび Telemetry アクセス

OpenShift Container Platform 4.4 では、クラスターをインストールするためにインターネットアクセスが必要になります。クラスターの健全性および正常に実行された更新についてのメトリクスを提供するためにデフォルトで実行される Telemetry サービスにもインターネットアクセスが必要です。クラスターがインターネットに接続されている場合、Telemetry は自動的に実行され、クラスターは Red Hat OpenShift Cluster Manager (OCM) に登録されます。

Red Hat OpenShift Cluster Manager インベントリーが Telemetry によって自動的に維持されるか、または OCM を手動で使用しているかのいずれによって正常であることを確認した後に、subscription watch を使用して、アカウントまたはマルチクラスターレベルで OpenShift Container Platform サブスクリプションを追跡します。

インターネットへのアクセスは以下を実行するために必要です。

  • Red Hat OpenShift Cluster Manager ページにアクセスし、インストールプログラムをダウンロードし、サブスクリプション管理を実行します。クラスターにインターネットアクセスがあり、Telemetry を無効にしない場合、そのサービスは有効なサブスクリプションでクラスターを自動的に使用します。
  • クラスターのインストールに必要なパッケージを取得するために Quay.io にアクセスします。
  • クラスターの更新を実行するために必要なパッケージを取得します。
重要

クラスターでインターネットに直接アクセスできない場合、プロビジョニングする一部のタイプのインフラストラクチャーでネットワークが制限されたインストールを実行できます。このプロセスで、必要なコンテンツをダウンロードし、これを使用してミラーレジストリーにクラスターのインストールおよびインストールプログラムの生成に必要なパッケージを設定します。インストールタイプによっては、クラスターのインストール環境でインターネットアクセスが不要となる場合があります。クラスターを更新する前に、ミラーレジストリーのコンテンツを更新します。

1.2.3. SSH プライベートキーの生成およびエージェントへの追加

クラスターでインストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要がある場合、ssh-agent とインストールプログラムの両方に SSH キーを指定する必要があります。このキーを使用してパブリッククラスターのブートストラップマシンにアクセスし、インストールの問題をトラブルシューティングできます。

注記

実稼働環境では、障害復旧およびデバッグが必要です。

このキーを使用して、ユーザー core としてマスターノードに対して SSH を実行できます。クラスターをデプロイする際に、キーは core ユーザーの ~/.ssh/authorized_keys 一覧に追加されます。

注記

AWS キーペア などのプラットフォームに固有の方法で設定したキーではなく、ローカルキーを使用する必要があります。

手順

  1. パスワードなしの認証に設定されている SSH キーがコンピューター上にない場合は、これを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。

    $ ssh-keygen -t ed25519 -N '' \
        -f <path>/<file_name> 1
    1
    ~/.ssh/id_rsa などの、SSH キーのパスおよびファイル名を指定します。既存の SSH キーは上書きされるため、指定しないでください。

    このコマンドを実行すると、指定した場所にパスワードを必要としない SSH キーが生成されます。

  2. ssh-agent プロセスをバックグラウンドタスクとして開始します。

    $ eval "$(ssh-agent -s)"
    
    Agent pid 31874
  3. SSH プライベートキーを ssh-agent に追加します。

    $ ssh-add <path>/<file_name> 1
    
    Identity added: /home/<you>/<path>/<file_name> (<computer_name>)
    1
    ~/.ssh/id_rsa などの、SSH プライベートキーのパスおよびファイル名を指定します。

次のステップ

  • OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定します。

1.2.4. インストールプログラムの取得

OpenShift Container Platform をインストールする前に、インストールファイルをローカルコンピューターにダウンロードします。

前提条件

  • Linux または macOS を使用するコンピューターからクラスターをインストールする必要があります。
  • インストールプログラムをダウンロードするには、500 MB のローカルディスク領域が必要です。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページにアクセスします。Red Hat アカウントがある場合は、認証情報を使ってログインします。アカウントがない場合はこれを作成します。
  2. 選択するインストールタイプのページに移動し、オペレーティングシステムのインストールプログラムをダウンロードし、ファイルをインストール設定ファイルを保存するディレクトリーに配置します。

    重要

    インストールプログラムは、クラスターのインストールに使用するコンピューターにいくつかのファイルを作成します。クラスターインストールの完了後は、インストールプログラムおよびインストールプログラムが作成するファイルの両方を保持する必要があります。

    重要

    インストールプログラムで作成されたファイルを削除しても、クラスターがインストール時に失敗した場合でもクラスターは削除されません。特定のクラウドプロバイダー用に記載された OpenShift Container Platform のアンインストール手順を完了して、クラスターを完全に削除する必要があります。

  3. インストールプログラムを展開します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。

    $ tar xvf <installation_program>.tar.gz
  4. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Pull Secret ページから、インストールプルシークレットを .txt ファイルとしてダウンロードします。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する Quay.io など、組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。

1.2.5. クラスターのデプロイ

互換性のあるクラウドプラットフォームに OpenShift Container Platform をインストールできます。

重要

インストールプログラムの create cluster コマンドは、初期インストール時に 1 回だけ実行できます。

前提条件

  • クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを設定します。
  • OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得します。

手順

  1. インストールプログラムを実行します。

    $ ./openshift-install create cluster --dir=<installation_directory> \ 1
        --log-level=info 2
    1
    <installation_directory> の場合、インストールプログラムが作成するファイルを保存するためにディレクトリー名を指定します。
    2
    異なるインストールの詳細情報を表示するには、info ではなく、warndebug、または error を指定します。
    重要

    空のディレクトリーを指定します。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットの有効期限は短く設定されているため、インストールディレクトリーを再利用することができません。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。

    プロンプト時に値を指定します。

    1. オプション: クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キーを選択します。

      注記

      インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

    2. ターゲットに設定するプラットフォームとして azure を選択します。
    3. お使いのコンピューターに Microsoft Azure プロファイルが保存されていない場合は、サブスクリプションとサービスプリンシパルに以下の Azure パラメーター値を指定します。

      • azure subscription id: クラスターに使用するサブスクリプション ID。アカウント出力に id 値を指定します。
      • azure tenant id: テナント ID。アカウント出力に tenantId 値を指定します。
      • azure service principal client id: サービスプリンシパルの appId パラメーターの値。
      • azure service principal client secret: サービスプリンシパルの password パラメーターの値。
    4. クラスターをデプロイするリージョンを選択します。
    5. クラスターをデプロイするベースドメインを選択します。ベースドメインは、クラスターに作成した Azure DNS ゾーンに対応します。
    6. クラスターの記述名を入力します。

      重要

      パブリックエンドポイントで利用可能なすべての Azure リソースはリソース名の制限を受けるため、特定の用語を使用するリソースを作成することはできません。Azure が制限する語の一覧は、Azure ドキュメントの Resolve reserved resource name errors を参照してください。

    7. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Pull Secret ページから取得したプルシークレットを貼り付けます。
    注記

    ホストに設定した AWS アカウントにクラスターをデプロイするための十分なパーミッションがない場合、インストールプログラムは停止し、不足しているパーミッションが表示されます。

    クラスターのデプロイメントが完了すると、Web コンソールへのリンクや kubeadmin ユーザーの認証情報を含む、クラスターにアクセスするための指示がターミナルに表示されます。

    重要

    インストールプログラムが生成する Ignition 設定ファイルには、24 時間が経過すると期限切れになり、その後に更新される証明書が含まれます。証明書を更新する前にクラスターが停止し、24 時間経過した後にクラスターを再起動すると、クラスターは期限切れの証明書を自動的に復元します。例外として、kubelet 証明書を回復するために保留状態の node-bootstrapper 証明書署名要求 (CSR) を手動で承認する必要があります。詳細は、コントロールプレーン証明書の期限切れの状態からのリカバリー についてのドキュメントを参照してください。

    重要

    インストールプログラム、またはインストールプログラムが作成するファイルを削除することはできません。これらはいずれもクラスターを削除するために必要になります。

1.2.6. バイナリーのダウンロードによる CLI のインストール

コマンドラインインターフェイスを使用して OpenShift Container Platform と対話するために CLI (oc) をインストールすることができます。oc は Linux、Windows、または macOS にインストールできます。

重要

以前のバージョンの oc をインストールしている場合、これを使用して OpenShift Container Platform 4.4 のすべてのコマンドを実行することはできません。新規バージョンの oc をダウンロードし、インストールします。

1.2.6.1. Linux への CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを Linux にインストールできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページに移動します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
  3. Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの Linux を選択し、Download command-line tools をクリックします。
  4. アーカイブを展開します。

    $ tar xvzf <file>
  5. oc バイナリーを、PATH にあるディレクトリーに配置します。

    PATH を確認するには、以下のコマンドを実行します。

    $ echo $PATH

CLI のインストール後は、oc コマンドを使用して利用できます。

$ oc <command>

1.2.6.2. Windows での CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを Windows にインストールできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページに移動します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
  3. Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの Windows を選択し、Download command-line tools をクリックします。
  4. ZIP プログラムでアーカイブを解凍します。
  5. oc バイナリーを、PATH にあるディレクトリーに移動します。

    PATH を確認するには、コマンドプロンプトを開いて以下のコマンドを実行します。

    C:\> path

CLI のインストール後は、oc コマンドを使用して利用できます。

C:\> oc <command>

1.2.6.3. macOS への CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを macOS にインストールできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページに移動します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
  3. Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの MacOS を選択し、Download command-line tools をクリックします。
  4. アーカイブを展開し、解凍します。
  5. oc バイナリーをパスにあるディレクトリーに移動します。

    PATH を確認するには、ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。

    $ echo $PATH

CLI のインストール後は、oc コマンドを使用して利用できます。

$ oc <command>

1.2.7. クラスターへのログイン

クラスター kubeconfig ファイルをエクスポートし、デフォルトシステムユーザーとしてクラスターにログインできます。kubeconfig ファイルには、クライアントを正しいクラスターおよび API サーバーに接続するために CLI で使用されるクラスターについての情報が含まれます。このファイルはクラスターに固有のファイルであり、OpenShift Container Platform のインストール時に作成されます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform クラスターをデプロイします。
  • oc CLI をインストールします。

手順

  1. kubeadmin 認証情報をエクスポートします。

    $ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig 1
    1
    <installation_directory> には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
  2. エクスポートされた設定を使用して、oc コマンドを正常に実行できることを確認します。

    $ oc whoami
    system:admin

1.2.8. 次のステップ

1.3. カスタマイズによる Azure へのクラスターのインストール

OpenShift Container Platform バージョン 4.4 では、インストールプログラムが Microsoft Azure にプロビジョニングするインフラストラクチャーにカスタマイズされたクラスターをインストールできます。インストールをカスタマイズするには、クラスターをインストールする前に、install-config.yaml ファイルでパラメーターを変更します。

1.3.1. 前提条件

1.3.2. OpenShift Container Platform のインターネットアクセスおよび Telemetry アクセス

OpenShift Container Platform 4.4 では、クラスターをインストールするためにインターネットアクセスが必要になります。クラスターの健全性および正常に実行された更新についてのメトリクスを提供するためにデフォルトで実行される Telemetry サービスにもインターネットアクセスが必要です。クラスターがインターネットに接続されている場合、Telemetry は自動的に実行され、クラスターは Red Hat OpenShift Cluster Manager (OCM) に登録されます。

Red Hat OpenShift Cluster Manager インベントリーが Telemetry によって自動的に維持されるか、または OCM を手動で使用しているかのいずれによって正常であることを確認した後に、subscription watch を使用して、アカウントまたはマルチクラスターレベルで OpenShift Container Platform サブスクリプションを追跡します。

インターネットへのアクセスは以下を実行するために必要です。

  • Red Hat OpenShift Cluster Manager ページにアクセスし、インストールプログラムをダウンロードし、サブスクリプション管理を実行します。クラスターにインターネットアクセスがあり、Telemetry を無効にしない場合、そのサービスは有効なサブスクリプションでクラスターを自動的に使用します。
  • クラスターのインストールに必要なパッケージを取得するために Quay.io にアクセスします。
  • クラスターの更新を実行するために必要なパッケージを取得します。
重要

クラスターでインターネットに直接アクセスできない場合、プロビジョニングする一部のタイプのインフラストラクチャーでネットワークが制限されたインストールを実行できます。このプロセスで、必要なコンテンツをダウンロードし、これを使用してミラーレジストリーにクラスターのインストールおよびインストールプログラムの生成に必要なパッケージを設定します。インストールタイプによっては、クラスターのインストール環境でインターネットアクセスが不要となる場合があります。クラスターを更新する前に、ミラーレジストリーのコンテンツを更新します。

1.3.3. SSH プライベートキーの生成およびエージェントへの追加

クラスターでインストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要がある場合、ssh-agent とインストールプログラムの両方に SSH キーを指定する必要があります。このキーを使用してパブリッククラスターのブートストラップマシンにアクセスし、インストールの問題をトラブルシューティングできます。

注記

実稼働環境では、障害復旧およびデバッグが必要です。

このキーを使用して、ユーザー core としてマスターノードに対して SSH を実行できます。クラスターをデプロイする際に、キーは core ユーザーの ~/.ssh/authorized_keys 一覧に追加されます。

注記

AWS キーペア などのプラットフォームに固有の方法で設定したキーではなく、ローカルキーを使用する必要があります。

手順

  1. パスワードなしの認証に設定されている SSH キーがコンピューター上にない場合は、これを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。

    $ ssh-keygen -t ed25519 -N '' \
        -f <path>/<file_name> 1
    1
    ~/.ssh/id_rsa などの、SSH キーのパスおよびファイル名を指定します。既存の SSH キーは上書きされるため、指定しないでください。

    このコマンドを実行すると、指定した場所にパスワードを必要としない SSH キーが生成されます。

  2. ssh-agent プロセスをバックグラウンドタスクとして開始します。

    $ eval "$(ssh-agent -s)"
    
    Agent pid 31874
  3. SSH プライベートキーを ssh-agent に追加します。

    $ ssh-add <path>/<file_name> 1
    
    Identity added: /home/<you>/<path>/<file_name> (<computer_name>)
    1
    ~/.ssh/id_rsa などの、SSH プライベートキーのパスおよびファイル名を指定します。

次のステップ

  • OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定します。

1.3.4. インストールプログラムの取得

OpenShift Container Platform をインストールする前に、インストールファイルをローカルコンピューターにダウンロードします。

前提条件

  • Linux または macOS を使用するコンピューターからクラスターをインストールする必要があります。
  • インストールプログラムをダウンロードするには、500 MB のローカルディスク領域が必要です。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページにアクセスします。Red Hat アカウントがある場合は、認証情報を使ってログインします。アカウントがない場合はこれを作成します。
  2. 選択するインストールタイプのページに移動し、オペレーティングシステムのインストールプログラムをダウンロードし、ファイルをインストール設定ファイルを保存するディレクトリーに配置します。

    重要

    インストールプログラムは、クラスターのインストールに使用するコンピューターにいくつかのファイルを作成します。クラスターインストールの完了後は、インストールプログラムおよびインストールプログラムが作成するファイルの両方を保持する必要があります。

    重要

    インストールプログラムで作成されたファイルを削除しても、クラスターがインストール時に失敗した場合でもクラスターは削除されません。特定のクラウドプロバイダー用に記載された OpenShift Container Platform のアンインストール手順を完了して、クラスターを完全に削除する必要があります。

  3. インストールプログラムを展開します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。

    $ tar xvf <installation_program>.tar.gz
  4. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Pull Secret ページから、インストールプルシークレットを .txt ファイルとしてダウンロードします。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する Quay.io など、組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。

1.3.5. インストール設定ファイルの作成

Microsoft Azure にインストールする OpenShift Container Platform クラスターをカスタマイズできます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得します。

手順

  1. install-config.yaml ファイルを作成します。

    1. 以下のコマンドを実行します。

      $ ./openshift-install create install-config --dir=<installation_directory> 1
      1
      <installation_directory> の場合、インストールプログラムが作成するファイルを保存するためにディレクトリー名を指定します。
      重要

      空のディレクトリーを指定します。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットの有効期限は短く設定されているため、インストールディレクトリーを再利用することができません。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。

    2. プロンプト時に、クラウドの設定の詳細情報を指定します。

      1. オプション: クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キーを選択します。

        注記

        インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

      2. ターゲットに設定するプラットフォームとして azure を選択します。
      3. お使いのコンピューターに Microsoft Azure プロファイルが保存されていない場合は、サブスクリプションとサービスプリンシパルに以下の Azure パラメーター値を指定します。

        • azure subscription id: クラスターに使用するサブスクリプション ID。アカウント出力に id 値を指定します。
        • azure tenant id: テナント ID。アカウント出力に tenantId 値を指定します。
        • azure service principal client id: サービスプリンシパルの appId パラメーターの値。
        • azure service principal client secret: サービスプリンシパルの password パラメーターの値。
      4. クラスターをデプロイするリージョンを選択します。
      5. クラスターをデプロイするベースドメインを選択します。ベースドメインは、クラスターに作成した Azure DNS ゾーンに対応します。
      6. クラスターの記述名を入力します。

        重要

        パブリックエンドポイントで利用可能なすべての Azure リソースはリソース名の制限を受けるため、特定の用語を使用するリソースを作成することはできません。Azure が制限する語の一覧は、Azure ドキュメントの Resolve reserved resource name errors を参照してください。

      7. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Pull Secret ページから取得したプルシークレットを貼り付けます。
  2. install-config.yaml ファイルを変更します。利用可能なパラメーターの詳細については、インストール設定パラメーターセクションを参照してください。
  3. install-config.yaml ファイルをバックアップし、複数のクラスターをインストールするのに使用できるようにします。

    重要

    install-config.yaml ファイルはインストールプロセス時に使用されます。このファイルを再利用する必要がある場合は、この段階でこれをバックアップしてください。

1.3.5.1. インストール設定パラメーター

OpenShift Container Platform クラスターをデプロイする前に、クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを記述し、クラスターのプラットフォームをオプションでカスタマイズするためにパラメーターの値を指定します。install-config.yaml インストール設定ファイルを作成する際に、コマンドラインで必要なパラメーターの値を指定します。クラスターをカスタマイズする場合、install-config.yaml ファイルを変更して、プラットフォームについての詳細情報を指定できます。

注記

インストール後は、install-config.yaml ファイルでこれらのパラメーターを変更することはできません。

表1.1 必須パラメーター

パラメーター説明

baseDomain

クラウドプロバイダーのベースドメイン。この値は、OpenShift Container Platform クラスターコンポーネントへのルートを作成するために使用されます。クラスターの完全な DNS 名は、baseDomain<metadata.name>.<baseDomain> 形式を使用する metadata.name パラメーターの値の組み合わせです。

example.com などの完全修飾ドメインまたはサブドメイン名。

controlPlane.platform

コントロールプレーンマシンをホストするためのクラウドプロバイダー。このパラメーターの値は compute.platform パラメーターの値に一致する必要があります。

awsazuregcpopenstack、または {}

compute.platform

ワーカーマシンをホストするためのクラウドプロバイダー。このパラメーターの値は controlPlane.platform パラメーターの値に一致する必要があります。

awsazuregcpopenstack、または {}

metadata.name

クラスターの名前。

dev などの大文字または小文字を含む文字列。

platform.<platform>.region

クラスターをデプロイするリージョン。

AWS の us-east-1 または Azure の centralus などの、クラウドの有効なリージョン。Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) はこのパラメーターを使用しません。

pullSecret

Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Pull Secret ページから取得したプルシークレット。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する、Quay.io などの組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。

{
   "auths":{
      "cloud.openshift.com":{
         "auth":"b3Blb=",
         "email":"you@example.com"
      },
      "quay.io":{
         "auth":"b3Blb=",
         "email":"you@example.com"
      }
   }
}

表1.2 オプションのパラメーター

パラメーター説明

sshKey

クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キー。

注記

インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

ssh-agent プロセスに追加した、有効なローカルのパブリック SSH キー。

FIPS

FIPS モードを有効または無効にするかどうか。デフォルトでは、FIPS モードは有効にされません。FIPS モードが有効にされている場合、OpenShift Container Platform が実行される Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンがデフォルトの Kubernetes 暗号スイートをバイパスし、代わりに RHCOS で提供される暗号モジュールを使用します。

false または true

publish

クラスターのユーザーに表示されるエンドポイントを公開する方法。

Internal または External。プライベートクラスターをデプロイするには、publishInternal に設定します。これはインターネットからアクセスできません。デフォルト値は External です。

compute.hyperthreading

コンピュートマシンで同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。

重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。

Enabled または Disabled

compute.replicas

プロビジョニングするコンピュートマシン (ワーカーマシンとしても知られる) の数。

2 以上の正の整数。デフォルト値は 3 です。

controlPlane.hyperthreading

コントロールプレーンマシンで同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。

重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。

Enabled または Disabled

controlPlane.replicas

プロビジョニングするコントロールプレーンマシンの数。

サポートされる値は 3 のみです (これはデフォルト値です)。

表1.3 追加の Azure パラメーター

パラメーター説明

machines.platform.azure.type

Azure VM インスタンスタイプ。

Windows または Linux をオペレーティングシステムとして使用する仮想マシン。Azure ドキュメントの Guest operating systems supported on Azure Stack Hub を参照してください。

machines.platform.azure.osDisk.diskSizeGB

VM の Azure ディスクのサイズ。

GB 単位でディスクのサイズ (例: 512) を表す整数。サポートされる最小のディスクサイズは 120 です。

platform.azure.baseDomainResourceGroupName

ベースドメインの DNS ゾーンが含まれるリソースグループの名前。

文字列 (例: production_cluster)。

platform.azure.region

クラスターをホストする Azure リージョンの名前。

有効なリージョン名。

platform.azure.zone

マシンを配置するアベイラビリティーゾーンの一覧。高可用性を確保するには、少なくとも 2 つのゾーンを指定します。

ゾーンの一覧 (例: ["1", "2", "3"])。

platform.azure.networkResourceGroupName

クラスターをデプロイする既存の VNet を含むリソースグループの名前。この名前は platform.azure.baseDomainResourceGroupName と同じにすることはできません。

文字列。

platform.azure.virtualNetwork

クラスターをデプロイする既存 VNet の名前。

文字列。

platform.azure.controlPlaneSubnet

コントロールプレーンマシンをデプロイする VNet 内の既存サブネットの名前。

有効な CIDR (例: 10.0.0.0/16)。

platform.azure.computeSubnet

コンピュートマシンをデプロイする VNet 内の既存サブネットの名前。

有効な CIDR (例: 10.0.0.0/16)。

注記

Azure クラスターで、Azure アベイラビリティーゾーン のカスタマイズや タグを使用した Azure リソースの編成 を実行することはできません。

1.3.5.2. Azure のカスタマイズされた install-config.yaml ファイルのサンプル

install-config.yaml ファイルをカスタマイズして、OpenShift Container Platform クラスターのプラットフォームについての詳細を指定するか、または必要なパラメーターの値を変更することができます。

重要

このサンプルの YAML ファイルは参照用にのみ提供されます。インストールプログラムを使用して install-config.yaml ファイルを取得し、これを変更する必要があります。

apiVersion: v1
baseDomain: example.com 1
controlPlane: 2
  hyperthreading: Enabled 3 4
  name: master
  platform:
    azure:
      osDisk:
        diskSizeGB: 1024 5
      type: Standard_D8s_v3
  replicas: 3
compute: 6
- hyperthreading: Enabled 7
  name: worker
  platform:
    azure:
      type: Standard_D2s_v3
      osDisk:
        diskSizeGB: 512 8
      zones: 9
      - "1"
      - "2"
      - "3"
  replicas: 5
metadata:
  name: test-cluster 10
networking:
  clusterNetwork:
  - cidr: 10.128.0.0/14
    hostPrefix: 23
  machineNetwork:
  - cidr: 10.0.0.0/16
  networkType: OpenShiftSDN
  serviceNetwork:
  - 172.30.0.0/16
platform:
  azure:
    region: centralus 11
    baseDomainResourceGroupName: resource_group 12
pullSecret: '{"auths": ...}' 13
fips: false 14
sshKey: ssh-ed25519 AAAA... 15
1 10 11 13
必須。インストールプログラムはこの値の入力を求めるプロンプトを出します。
2 6
これらのパラメーターおよび値を指定しない場合、インストールプログラムはデフォルトの値を指定します。
3 7
controlPlane セクションは単一マッピングですが、コンピュートセクションはマッピングのシーケンスになります。複数の異なるデータ構造の要件を満たすには、 compute セクションの最初の行はハイフン - で始め、controlPlane セクションの最初の行はハイフンで始めることができません。どちらのセクションも、現時点では単一のマシンプールを定義しますが、OpenShift Container Platform の今後のバージョンでは、インストール時の複数のコンピュートプールの定義をサポートする可能性があります。1 つのコントロールプレーンプールのみが使用されます。
4
同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。パラメーター値を Disabled に設定するとこれを無効にすることができます。一部のクラスターマシンで同時マルチスレッドを無効にする場合は、これをすべてのクラスターマシンで無効にする必要があります。
重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。同時マルチスレッドを無効にする場合は、マシンに対して Standard_D8s_v3 などの大規模な仮想マシンタイプを使用します。

5 8
使用するディスクのサイズは、GB 単位で指定できます。マスターノードの最小推奨値は 1024 GB です。
9
マシンをデプロイするゾーンの一覧を指定します。高可用性を確保するには、少なくとも 2 つのゾーンを指定します。
12
ベースドメインの DNS ゾーンが含まれるリソースグループの名前を指定します。
14
FIPS モードを有効または無効にするかどうか。デフォルトでは、FIPS モードは有効にされません。FIPS モードが有効にされている場合、OpenShift Container Platform が実行される Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンがデフォルトの Kubernetes 暗号スイートをバイパスし、代わりに RHCOS で提供される暗号モジュールを使用します。
15
クラスター内のマシンにアクセスするために使用する sshKey 値をオプションで指定できます。
注記

インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

1.3.6. クラスターのデプロイ

互換性のあるクラウドプラットフォームに OpenShift Container Platform をインストールできます。

重要

インストールプログラムの create cluster コマンドは、初期インストール時に 1 回だけ実行できます。

前提条件

  • クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを設定します。
  • OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得します。

手順

  1. インストールプログラムを実行します。

    $ ./openshift-install create cluster --dir=<installation_directory> \ 1
        --log-level=info 2
    1
    <installation_directory> については、カスタマイズした ./install-config.yaml ファイルの場所を指定します。
    2
    異なるインストールの詳細情報を表示するには、info ではなく、warndebug、または error を指定します。
    注記

    ホストに設定した AWS アカウントにクラスターをデプロイするための十分なパーミッションがない場合、インストールプログラムは停止し、不足しているパーミッションが表示されます。

    クラスターのデプロイメントが完了すると、Web コンソールへのリンクや kubeadmin ユーザーの認証情報を含む、クラスターにアクセスするための指示がターミナルに表示されます。

    重要

    インストールプログラムが生成する Ignition 設定ファイルには、24 時間が経過すると期限切れになり、その後に更新される証明書が含まれます。証明書を更新する前にクラスターが停止し、24 時間経過した後にクラスターを再起動すると、クラスターは期限切れの証明書を自動的に復元します。例外として、kubelet 証明書を回復するために保留状態の node-bootstrapper 証明書署名要求 (CSR) を手動で承認する必要があります。詳細は、コントロールプレーン証明書の期限切れの状態からのリカバリー についてのドキュメントを参照してください。

    重要

    インストールプログラム、またはインストールプログラムが作成するファイルを削除することはできません。これらはいずれもクラスターを削除するために必要になります。

1.3.7. バイナリーのダウンロードによる CLI のインストール

コマンドラインインターフェイスを使用して OpenShift Container Platform と対話するために CLI (oc) をインストールすることができます。oc は Linux、Windows、または macOS にインストールできます。

重要

以前のバージョンの oc をインストールしている場合、これを使用して OpenShift Container Platform 4.4 のすべてのコマンドを実行することはできません。新規バージョンの oc をダウンロードし、インストールします。

1.3.7.1. Linux への CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを Linux にインストールできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページに移動します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
  3. Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの Linux を選択し、Download command-line tools をクリックします。
  4. アーカイブを展開します。

    $ tar xvzf <file>
  5. oc バイナリーを、PATH にあるディレクトリーに配置します。

    PATH を確認するには、以下のコマンドを実行します。

    $ echo $PATH

CLI のインストール後は、oc コマンドを使用して利用できます。

$ oc <command>

1.3.7.2. Windows での CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを Windows にインストールできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページに移動します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
  3. Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの Windows を選択し、Download command-line tools をクリックします。
  4. ZIP プログラムでアーカイブを解凍します。
  5. oc バイナリーを、PATH にあるディレクトリーに移動します。

    PATH を確認するには、コマンドプロンプトを開いて以下のコマンドを実行します。

    C:\> path

CLI のインストール後は、oc コマンドを使用して利用できます。

C:\> oc <command>

1.3.7.3. macOS への CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを macOS にインストールできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページに移動します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
  3. Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの MacOS を選択し、Download command-line tools をクリックします。
  4. アーカイブを展開し、解凍します。
  5. oc バイナリーをパスにあるディレクトリーに移動します。

    PATH を確認するには、ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。

    $ echo $PATH

CLI のインストール後は、oc コマンドを使用して利用できます。

$ oc <command>

1.3.8. クラスターへのログイン

クラスター kubeconfig ファイルをエクスポートし、デフォルトシステムユーザーとしてクラスターにログインできます。kubeconfig ファイルには、クライアントを正しいクラスターおよび API サーバーに接続するために CLI で使用されるクラスターについての情報が含まれます。このファイルはクラスターに固有のファイルであり、OpenShift Container Platform のインストール時に作成されます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform クラスターをデプロイします。
  • oc CLI をインストールします。

手順

  1. kubeadmin 認証情報をエクスポートします。

    $ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig 1
    1
    <installation_directory> には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
  2. エクスポートされた設定を使用して、oc コマンドを正常に実行できることを確認します。

    $ oc whoami
    system:admin

1.3.9. 次のステップ

1.4. ネットワークのカスタマイズによる Azure へのクラスターのインストール

OpenShift Container Platform バージョン 4.4 では、インストールプログラムが Microsoft Azure にプロビジョニングするインフラストラクチャーにカスタマイズされたネットワーク設定でクラスターをインストールできます。ネットワーク設定をカスタマイズすることにより、クラスターは環境内の既存の IP アドレスの割り当てと共存でき、既存の MTU および VXLAN 設定と統合できます。

大半のネットワーク設定パラメーターはインストール時に設定する必要があり、実行中のクラスターで変更できるのは kubeProxy 設定パラメーターのみになります。

1.4.1. 前提条件

1.4.2. OpenShift Container Platform のインターネットアクセスおよび Telemetry アクセス

OpenShift Container Platform 4.4 では、クラスターをインストールするためにインターネットアクセスが必要になります。クラスターの健全性および正常に実行された更新についてのメトリクスを提供するためにデフォルトで実行される Telemetry サービスにもインターネットアクセスが必要です。クラスターがインターネットに接続されている場合、Telemetry は自動的に実行され、クラスターは Red Hat OpenShift Cluster Manager (OCM) に登録されます。

Red Hat OpenShift Cluster Manager インベントリーが Telemetry によって自動的に維持されるか、または OCM を手動で使用しているかのいずれによって正常であることを確認した後に、subscription watch を使用して、アカウントまたはマルチクラスターレベルで OpenShift Container Platform サブスクリプションを追跡します。

インターネットへのアクセスは以下を実行するために必要です。

  • Red Hat OpenShift Cluster Manager ページにアクセスし、インストールプログラムをダウンロードし、サブスクリプション管理を実行します。クラスターにインターネットアクセスがあり、Telemetry を無効にしない場合、そのサービスは有効なサブスクリプションでクラスターを自動的に使用します。
  • クラスターのインストールに必要なパッケージを取得するために Quay.io にアクセスします。
  • クラスターの更新を実行するために必要なパッケージを取得します。
重要

クラスターでインターネットに直接アクセスできない場合、プロビジョニングする一部のタイプのインフラストラクチャーでネットワークが制限されたインストールを実行できます。このプロセスで、必要なコンテンツをダウンロードし、これを使用してミラーレジストリーにクラスターのインストールおよびインストールプログラムの生成に必要なパッケージを設定します。インストールタイプによっては、クラスターのインストール環境でインターネットアクセスが不要となる場合があります。クラスターを更新する前に、ミラーレジストリーのコンテンツを更新します。

1.4.3. SSH プライベートキーの生成およびエージェントへの追加

クラスターでインストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要がある場合、ssh-agent とインストールプログラムの両方に SSH キーを指定する必要があります。このキーを使用してパブリッククラスターのブートストラップマシンにアクセスし、インストールの問題をトラブルシューティングできます。

注記

実稼働環境では、障害復旧およびデバッグが必要です。

このキーを使用して、ユーザー core としてマスターノードに対して SSH を実行できます。クラスターをデプロイする際に、キーは core ユーザーの ~/.ssh/authorized_keys 一覧に追加されます。

注記

AWS キーペア などのプラットフォームに固有の方法で設定したキーではなく、ローカルキーを使用する必要があります。

手順

  1. パスワードなしの認証に設定されている SSH キーがコンピューター上にない場合は、これを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。

    $ ssh-keygen -t ed25519 -N '' \
        -f <path>/<file_name> 1
    1
    ~/.ssh/id_rsa などの、SSH キーのパスおよびファイル名を指定します。既存の SSH キーは上書きされるため、指定しないでください。

    このコマンドを実行すると、指定した場所にパスワードを必要としない SSH キーが生成されます。

  2. ssh-agent プロセスをバックグラウンドタスクとして開始します。

    $ eval "$(ssh-agent -s)"
    
    Agent pid 31874
  3. SSH プライベートキーを ssh-agent に追加します。

    $ ssh-add <path>/<file_name> 1
    
    Identity added: /home/<you>/<path>/<file_name> (<computer_name>)
    1
    ~/.ssh/id_rsa などの、SSH プライベートキーのパスおよびファイル名を指定します。

次のステップ

  • OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定します。

1.4.4. インストールプログラムの取得

OpenShift Container Platform をインストールする前に、インストールファイルをローカルコンピューターにダウンロードします。

前提条件

  • Linux または macOS を使用するコンピューターからクラスターをインストールする必要があります。
  • インストールプログラムをダウンロードするには、500 MB のローカルディスク領域が必要です。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページにアクセスします。Red Hat アカウントがある場合は、認証情報を使ってログインします。アカウントがない場合はこれを作成します。
  2. 選択するインストールタイプのページに移動し、オペレーティングシステムのインストールプログラムをダウンロードし、ファイルをインストール設定ファイルを保存するディレクトリーに配置します。

    重要

    インストールプログラムは、クラスターのインストールに使用するコンピューターにいくつかのファイルを作成します。クラスターインストールの完了後は、インストールプログラムおよびインストールプログラムが作成するファイルの両方を保持する必要があります。

    重要

    インストールプログラムで作成されたファイルを削除しても、クラスターがインストール時に失敗した場合でもクラスターは削除されません。特定のクラウドプロバイダー用に記載された OpenShift Container Platform のアンインストール手順を完了して、クラスターを完全に削除する必要があります。

  3. インストールプログラムを展開します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。

    $ tar xvf <installation_program>.tar.gz
  4. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Pull Secret ページから、インストールプルシークレットを .txt ファイルとしてダウンロードします。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する Quay.io など、組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。

1.4.5. インストール設定ファイルの作成

Microsoft Azure にインストールする OpenShift Container Platform クラスターをカスタマイズできます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得します。

手順

  1. install-config.yaml ファイルを作成します。

    1. 以下のコマンドを実行します。

      $ ./openshift-install create install-config --dir=<installation_directory> 1
      1
      <installation_directory> の場合、インストールプログラムが作成するファイルを保存するためにディレクトリー名を指定します。
      重要

      空のディレクトリーを指定します。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットの有効期限は短く設定されているため、インストールディレクトリーを再利用することができません。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。

    2. プロンプト時に、クラウドの設定の詳細情報を指定します。

      1. オプション: クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キーを選択します。

        注記

        インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

      2. ターゲットに設定するプラットフォームとして azure を選択します。
      3. お使いのコンピューターに Microsoft Azure プロファイルが保存されていない場合は、サブスクリプションとサービスプリンシパルに以下の Azure パラメーター値を指定します。

        • azure subscription id: クラスターに使用するサブスクリプション ID。アカウント出力に id 値を指定します。
        • azure tenant id: テナント ID。アカウント出力に tenantId 値を指定します。
        • azure service principal client id: サービスプリンシパルの appId パラメーターの値。
        • azure service principal client secret: サービスプリンシパルの password パラメーターの値。
      4. クラスターをデプロイするリージョンを選択します。
      5. クラスターをデプロイするベースドメインを選択します。ベースドメインは、クラスターに作成した Azure DNS ゾーンに対応します。
      6. クラスターの記述名を入力します。

        重要

        パブリックエンドポイントで利用可能なすべての Azure リソースはリソース名の制限を受けるため、特定の用語を使用するリソースを作成することはできません。Azure が制限する語の一覧は、Azure ドキュメントの Resolve reserved resource name errors を参照してください。

      7. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Pull Secret ページから取得したプルシークレットを貼り付けます。
  2. install-config.yaml ファイルを変更します。利用可能なパラメーターの詳細については、インストール設定パラメーターセクションを参照してください。
  3. install-config.yaml ファイルをバックアップし、複数のクラスターをインストールするのに使用できるようにします。

    重要

    install-config.yaml ファイルはインストールプロセス時に使用されます。このファイルを再利用する必要がある場合は、この段階でこれをバックアップしてください。

1.4.5.1. インストール設定パラメーター

OpenShift Container Platform クラスターをデプロイする前に、クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを記述し、クラスターのプラットフォームをオプションでカスタマイズするためにパラメーターの値を指定します。install-config.yaml インストール設定ファイルを作成する際に、コマンドラインで必要なパラメーターの値を指定します。クラスターをカスタマイズする場合、install-config.yaml ファイルを変更して、プラットフォームについての詳細情報を指定できます。

注記

インストール後は、install-config.yaml ファイルでこれらのパラメーターを変更することはできません。

表1.4 必須パラメーター

パラメーター説明

baseDomain

クラウドプロバイダーのベースドメイン。この値は、OpenShift Container Platform クラスターコンポーネントへのルートを作成するために使用されます。クラスターの完全な DNS 名は、baseDomain<metadata.name>.<baseDomain> 形式を使用する metadata.name パラメーターの値の組み合わせです。

example.com などの完全修飾ドメインまたはサブドメイン名。

controlPlane.platform

コントロールプレーンマシンをホストするためのクラウドプロバイダー。このパラメーターの値は compute.platform パラメーターの値に一致する必要があります。

awsazuregcpopenstack、または {}

compute.platform

ワーカーマシンをホストするためのクラウドプロバイダー。このパラメーターの値は controlPlane.platform パラメーターの値に一致する必要があります。

awsazuregcpopenstack、または {}

metadata.name

クラスターの名前。

dev などの大文字または小文字を含む文字列。

platform.<platform>.region

クラスターをデプロイするリージョン。

AWS の us-east-1 または Azure の centralus などの、クラウドの有効なリージョン。Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) はこのパラメーターを使用しません。

pullSecret

Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Pull Secret ページから取得したプルシークレット。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する、Quay.io などの組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。

{
   "auths":{
      "cloud.openshift.com":{
         "auth":"b3Blb=",
         "email":"you@example.com"
      },
      "quay.io":{
         "auth":"b3Blb=",
         "email":"you@example.com"
      }
   }
}

表1.5 オプションのパラメーター

パラメーター説明

sshKey

クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キー。

注記

インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

ssh-agent プロセスに追加した、有効なローカルのパブリック SSH キー。

FIPS

FIPS モードを有効または無効にするかどうか。デフォルトでは、FIPS モードは有効にされません。FIPS モードが有効にされている場合、OpenShift Container Platform が実行される Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンがデフォルトの Kubernetes 暗号スイートをバイパスし、代わりに RHCOS で提供される暗号モジュールを使用します。

false または true

publish

クラスターのユーザーに表示されるエンドポイントを公開する方法。

Internal または External。プライベートクラスターをデプロイするには、publishInternal に設定します。これはインターネットからアクセスできません。デフォルト値は External です。

compute.hyperthreading

コンピュートマシンで同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。

重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。

Enabled または Disabled

compute.replicas

プロビジョニングするコンピュートマシン (ワーカーマシンとしても知られる) の数。

2 以上の正の整数。デフォルト値は 3 です。

controlPlane.hyperthreading

コントロールプレーンマシンで同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。

重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。

Enabled または Disabled

controlPlane.replicas

プロビジョニングするコントロールプレーンマシンの数。

サポートされる値は 3 のみです (これはデフォルト値です)。

表1.6 追加の Azure パラメーター

パラメーター説明

machines.platform.azure.type

Azure VM インスタンスタイプ。

Windows または Linux をオペレーティングシステムとして使用する仮想マシン。Azure ドキュメントの Guest operating systems supported on Azure Stack Hub を参照してください。

machines.platform.azure.osDisk.diskSizeGB

VM の Azure ディスクのサイズ。

GB 単位でディスクのサイズ (例: 512) を表す整数。サポートされる最小のディスクサイズは 120 です。

platform.azure.baseDomainResourceGroupName

ベースドメインの DNS ゾーンが含まれるリソースグループの名前。

文字列 (例: production_cluster)。

platform.azure.region

クラスターをホストする Azure リージョンの名前。

有効なリージョン名。

platform.azure.zone

マシンを配置するアベイラビリティーゾーンの一覧。高可用性を確保するには、少なくとも 2 つのゾーンを指定します。

ゾーンの一覧 (例: ["1", "2", "3"])。

platform.azure.networkResourceGroupName

クラスターをデプロイする既存の VNet を含むリソースグループの名前。この名前は platform.azure.baseDomainResourceGroupName と同じにすることはできません。

文字列。

platform.azure.virtualNetwork

クラスターをデプロイする既存 VNet の名前。

文字列。

platform.azure.controlPlaneSubnet

コントロールプレーンマシンをデプロイする VNet 内の既存サブネットの名前。

有効な CIDR (例: 10.0.0.0/16)。

platform.azure.computeSubnet

コンピュートマシンをデプロイする VNet 内の既存サブネットの名前。

有効な CIDR (例: 10.0.0.0/16)。

注記

Azure クラスターで、Azure アベイラビリティーゾーン のカスタマイズや タグを使用した Azure リソースの編成 を実行することはできません。

重要

Open Virtual Networking (OVN) Kubernetes ネットワークプラグインは、テクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は Red Hat の実稼働環境でのサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされていないため、Red Hat では実稼働環境での使用を推奨していません。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。これらの機能は、近々発表予定の製品機能をリリースに先駆けてご提供することにより、お客様は機能性をテストし、開発プロセス中にフィードバックをお寄せいただくことができます。

OVN テクノロジープレビュー機能のサポート範囲についての詳細は、https://access.redhat.com/articles/4380121 を参照してください。

1.4.5.2. ネットワーク設定パラメーター

クラスターのネットワーク設定パラメーターは install-config.yaml 設定ファイルで変更できます。以下の表では、これらのパラメーターについて説明しています。

注記

インストール後は、install-config.yaml ファイルでこれらのパラメーターを変更することはできません。

表1.7 必要なネットワークパラメーター

パラメーター説明

networking.networkType

デプロイするデフォルトの Container Network Interface (CNI) ネットワークプロバイダープラグイン。OpenShiftSDN プラグインのみが OpenShift Container Platform 4.4 でサポートされているプラグインです。OVNKubernetes プラグインは、OpenShift Container Platform 4.4 でテクノロジープレビューとしてご利用いただけます。

OpenShiftSDN または OVNKubernetes のいずれか。デフォルト値は OpenShiftSDN です。

networking.clusterNetwork[].cidr

Pod IP アドレスの割り当てに使用する IP アドレスのブロック。OpenShiftSDN ネットワークプラグインは複数のクラスターネットワークをサポートします。複数のクラスターネットワークのアドレスブロックには重複が許可されません。予想されるワークロードに適したサイズのアドレスプールを選択してください。

CIDR 形式の IP アドレスの割り当て。デフォルト値は 10.128.0.0/14 です。

networking.clusterNetwork[].hostPrefix

それぞれの個別ノードに割り当てるサブネット接頭辞の長さ。たとえば、hostPrefix23 に設定される場合、各ノードに指定の cidr から /23 サブネットが割り当てられます (510 (2^(32 - 23) - 2) Pod IP アドレスが許可されます)。

サブネット接頭辞。デフォルト値は 23 です。

networking.serviceNetwork[]

サービスの IP アドレスのブロック。OpenShiftSDN は 1 つの serviceNetwork ブロックのみを許可します。このアドレスブロックは他のネットワークブロックと重複できません。

CIDR 形式の IP アドレスの割り当て。デフォルト値は 172.30.0.0/16 です。

networking.machineNetwork[].cidr

クラスターのインストール中に OpenShift Container Platform インストールプログラムによって使用されるノードに割り当てられる IP アドレスのブロック。このアドレスブロックは他のネットワークブロックと重複できません。複数の CIDR 範囲を指定できます。

CIDR 形式の IP アドレスの割り当て。デフォルト値は 10.0.0.0/16 です。

1.4.5.3. Azure のカスタマイズされた install-config.yaml ファイルのサンプル

install-config.yaml ファイルをカスタマイズして、OpenShift Container Platform クラスターのプラットフォームについての詳細を指定するか、または必要なパラメーターの値を変更することができます。

重要

このサンプルの YAML ファイルは参照用にのみ提供されます。インストールプログラムを使用して install-config.yaml ファイルを取得し、これを変更する必要があります。

apiVersion: v1
baseDomain: example.com 1
controlPlane: 2
  hyperthreading: Enabled 3 4
  name: master
  platform:
    azure:
      osDisk:
        diskSizeGB: 1024 5
      type: Standard_D8s_v3
  replicas: 3
compute: 6
- hyperthreading: Enabled 7
  name: worker
  platform:
    azure:
      type: Standard_D2s_v3
      osDisk:
        diskSizeGB: 512 8
      zones: 9
      - "1"
      - "2"
      - "3"
  replicas: 5
metadata:
  name: test-cluster 10
networking: 11
  clusterNetwork:
  - cidr: 10.128.0.0/14
    hostPrefix: 23
  machineNetwork:
  - cidr: 10.0.0.0/16
  networkType: OpenShiftSDN
  serviceNetwork:
  - 172.30.0.0/16
platform:
  azure:
    region: centralus 12
    baseDomainResourceGroupName: resource_group 13
pullSecret: '{"auths": ...}' 14
fips: false 15
sshKey: ssh-ed25519 AAAA... 16
1 10 12 14
必須。インストールプログラムはこの値の入力を求めるプロンプトを出します。
2 6 11
これらのパラメーターおよび値を指定しない場合、インストールプログラムはデフォルトの値を指定します。
3 7
controlPlane セクションは単一マッピングですが、コンピュートセクションはマッピングのシーケンスになります。複数の異なるデータ構造の要件を満たすには、 compute セクションの最初の行はハイフン - で始め、controlPlane セクションの最初の行はハイフンで始めることができません。どちらのセクションも、現時点では単一のマシンプールを定義しますが、OpenShift Container Platform の今後のバージョンでは、インストール時の複数のコンピュートプールの定義をサポートする可能性があります。1 つのコントロールプレーンプールのみが使用されます。
4
同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。パラメーター値を Disabled に設定するとこれを無効にすることができます。一部のクラスターマシンで同時マルチスレッドを無効にする場合は、これをすべてのクラスターマシンで無効にする必要があります。
重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。同時マルチスレッドを無効にする場合は、マシンに対して Standard_D8s_v3 などの大規模な仮想マシンタイプを使用します。

5 8
使用するディスクのサイズは、GB 単位で指定できます。マスターノードの最小推奨値は 1024 GB です。
9
マシンをデプロイするゾーンの一覧を指定します。高可用性を確保するには、少なくとも 2 つのゾーンを指定します。
13
ベースドメインの DNS ゾーンが含まれるリソースグループの名前を指定します。
15
FIPS モードを有効または無効にするかどうか。デフォルトでは、FIPS モードは有効にされません。FIPS モードが有効にされている場合、OpenShift Container Platform が実行される Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンがデフォルトの Kubernetes 暗号スイートをバイパスし、代わりに RHCOS で提供される暗号モジュールを使用します。
16
クラスター内のマシンにアクセスするために使用する sshKey 値をオプションで指定できます。
注記

インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

1.4.6. 高度なネットワーク設定パラメーターの変更

高度なネットワーク設定パラメーターは、クラスターのインストール前にのみ変更することができます。高度な設定のカスタマイズにより、クラスターを既存のネットワーク環境に統合させることができます。 これを実行するには、MTU または VXLAN ポートを指定し、kube-proxy 設定のカスタマイズを許可し、openshiftSDNConfig パラメーターに異なる mode を指定します。

重要

OpenShift Container Platform マニフェストファイルの直接の変更はサポートされていません。

前提条件

  • install-config.yaml ファイルを作成し、これに対する変更を完了します。

手順

  1. 以下のコマンドを使用してマニフェストを作成します。

    $ ./openshift-install create manifests --dir=<installation_directory> 1
    1
    <installation_directory> については、クラスターの install-config.yaml ファイルが含まれるディレクトリーの名前を指定します。
  2. cluster-network-03-config.yml という名前のファイルを <installation_directory>/manifests/ ディレクトリーに作成します。

    $ touch <installation_directory>/manifests/cluster-network-03-config.yml 1
    1
    <installation_directory> については、クラスターの manifests/ ディレクトリーが含まれるディレクトリー名を指定します。

    ファイルの作成後は、以下のようにいくつかのネットワーク設定ファイルが manifests/ ディレクトリーに置かれます。

    $ ls <installation_directory>/manifests/cluster-network-*

    出力例

    cluster-network-01-crd.yml
    cluster-network-02-config.yml
    cluster-network-03-config.yml

  3. エディターで cluster-network-03-config.yml ファイルを開き、必要な Operator 設定を記述する CR を入力します。

    apiVersion: operator.openshift.io/v1
    kind: Network
    metadata:
      name: cluster
    spec: 1
      clusterNetwork:
      - cidr: 10.128.0.0/14
        hostPrefix: 23
      serviceNetwork:
      - 172.30.0.0/16
      defaultNetwork:
        type: OpenShiftSDN
        openshiftSDNConfig:
          mode: NetworkPolicy
          mtu: 1450
          vxlanPort: 4789
    1
    spec パラメーターのパラメーターは例です。CR に Cluster Network Operator の設定を指定します。

    CNO は CR にパラメーターのデフォルト値を提供するため、変更が必要なパラメーターのみを指定する必要があります。

  4. cluster-network-03-config.yml ファイルを保存し、テキストエディターを終了します。
  5. オプション: manifests/cluster-network-03-config.yml ファイルをバックアップします。インストールプログラムは、クラスターの作成時に manifests/ ディレクトリーを削除します。

1.4.7. Cluster Network Operator (CNO) の設定

クラスターネットワークの設定は、Cluster Network Operator (CNO) 設定の一部として指定され、cluster という名前の CR オブジェクトに保存されます。CR は operator.openshift.io API グループの Network API のパラメーターを指定します。

defaultNetwork パラメーターのパラメーター値を CNO CR に設定することにより、OpenShift Container Platform クラスターのクラスターネットワーク設定を指定できます。以下の CR は、CNO のデフォルト設定を表示し、設定可能なパラメーターと有効なパラメーターの値の両方について説明しています。

Cluster Network Operator CR

apiVersion: operator.openshift.io/v1
kind: Network
metadata:
  name: cluster
spec:
  clusterNetwork: 1
  - cidr: 10.128.0.0/14
    hostPrefix: 23
  serviceNetwork: 2
  - 172.30.0.0/16
  defaultNetwork: 3
    ...
  kubeProxyConfig: 4
    iptablesSyncPeriod: 30s 5
    proxyArguments:
      iptables-min-sync-period: 6
      - 0s

1 2
install-config.yaml ファイルに指定されます。
3
クラスターネットワークのデフォルトの Container Network Interface (CNI) ネットワークプロバイダーを設定します。
4
このオブジェクトのパラメーターは、kube-proxy 設定を指定します。パラメーターの値を指定しない場合、クラスターネットワーク Operator は表示されるデフォルトのパラメーター値を適用します。OVN-Kubernetes デフォルト CNI ネットワークプロバイダーを使用している場合、kube-proxy 設定は機能しません。
5
iptables ルールの更新期間。デフォルト値は 30s です。有効な接尾辞には、sm、および h などが含まれ、これらについては、Go Package time ドキュメントで説明されています。
注記

OpenShift Container Platform 4.3 以降で強化されたパフォーマンスの向上により、iptablesSyncPeriod パラメーターを調整する必要はなくなりました。

6
iptables ルールを更新する前の最小期間。このパラメーターにより、更新の頻度が高くなり過ぎないようにできます。有効な接尾辞には、sm、および h などが含まれ、これらについては、Go Package time で説明されています。

1.4.7.1. OpenShift SDN デフォルト CNI ネットワークプロバイダーの設定パラメーター

以下の YAML オブジェクトは、OpenShift SDN デフォルト Container Network Interface (CNI) ネットワークプロバイダーの設定パラメーターについて説明しています。

defaultNetwork:
  type: OpenShiftSDN 1
  openshiftSDNConfig: 2
    mode: NetworkPolicy 3
    mtu: 1450 4
    vxlanPort: 4789 5
1
install-config.yaml ファイルに指定されます。
2
OpenShift SDN 設定の一部を上書きする必要がある場合にのみ指定します。
3
OpenShift SDN のネットワーク分離モードを設定します。許可される値は MultitenantSubnet、または NetworkPolicy です。デフォルト値は NetworkPolicy です。
4
VXLAN オーバーレイネットワークの maximum transmission unit (MTU)。この値は通常は自動的に設定されますが、クラスターにあるノードすべてが同じ MTU を使用しない場合、これを最小のノード MTU 値よりも 50 小さくする必要があります。
5
すべての VXLAN パケットに使用するポート。デフォルト値は 4789 です。別の VXLAN ネットワークの一部である既存ノードと共に仮想化環境で実行している場合は、これを変更する必要がある可能性があります。たとえば、OpenShift SDN オーバーレイを VMware NSX-T 上で実行する場合は、両方の SDN が同じデフォルトの VXLAN ポート番号を使用するため、VXLAN の別のポートを選択する必要があります。

Amazon Web Services (AWS) では、VXLAN にポート 9000 とポート 9999 間の代替ポートを選択できます。

1.4.7.2. OVN-Kubernetes デフォルト CNI ネットワークプロバイダーの設定パラメーター

以下の YAML オブジェクトは OVN-Kubernetes デフォルト CNI ネットワークプロバイダーの設定パラメーターについて説明しています。

defaultNetwork:
  type: OVNKubernetes 1
  ovnKubernetesConfig: 2
    mtu: 1400 3
    genevePort: 6081 4
1
install-config.yaml ファイルに指定されます。
2
OVN-Kubernetes 設定の一部を上書きする必要がある場合にのみ指定します。
3
Geneve (Generic Network Virtualization Encapsulation) オーバーレイネットワークの MTU。この値は通常は自動的に設定されますが、クラスターにあるノードすべてが同じ MTU を使用しない場合、これを最小のノード MTU 値よりも 100 小さくする必要があります。
4
Geneve オーバーレイネットワークの UDP ポート。

1.4.7.3. Cluster Network Operator の設定例

以下の例のように、CNO の完全な CR オブジェクトが表示されます。

Cluster Network Operator のサンプル CR

apiVersion: operator.openshift.io/v1
kind: Network
metadata:
  name: cluster
spec:
  clusterNetwork:
  - cidr: 10.128.0.0/14
    hostPrefix: 23
  serviceNetwork:
  - 172.30.0.0/16
  defaultNetwork:
    type: OpenShiftSDN
    openshiftSDNConfig:
      mode: NetworkPolicy
      mtu: 1450
      vxlanPort: 4789
  kubeProxyConfig:
    iptablesSyncPeriod: 30s
    proxyArguments:
      iptables-min-sync-period:
      - 0s

1.4.8. クラスターのデプロイ

互換性のあるクラウドプラットフォームに OpenShift Container Platform をインストールできます。

重要

インストールプログラムの create cluster コマンドは、初期インストール時に 1 回だけ実行できます。

前提条件

  • クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを設定します。
  • OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得します。

手順

  1. インストールプログラムを実行します。

    $ ./openshift-install create cluster --dir=<installation_directory> \ 1
        --log-level=info 2
    1
    <installation_directory> については、カスタマイズした ./install-config.yaml ファイルの場所を指定します。
    2
    異なるインストールの詳細情報を表示するには、info ではなく、warndebug、または error を指定します。
    注記

    ホストに設定した AWS アカウントにクラスターをデプロイするための十分なパーミッションがない場合、インストールプログラムは停止し、不足しているパーミッションが表示されます。

    クラスターのデプロイメントが完了すると、Web コンソールへのリンクや kubeadmin ユーザーの認証情報を含む、クラスターにアクセスするための指示がターミナルに表示されます。

    重要

    インストールプログラムが生成する Ignition 設定ファイルには、24 時間が経過すると期限切れになり、その後に更新される証明書が含まれます。証明書を更新する前にクラスターが停止し、24 時間経過した後にクラスターを再起動すると、クラスターは期限切れの証明書を自動的に復元します。例外として、kubelet 証明書を回復するために保留状態の node-bootstrapper 証明書署名要求 (CSR) を手動で承認する必要があります。詳細は、コントロールプレーン証明書の期限切れの状態からのリカバリー についてのドキュメントを参照してください。

    重要

    インストールプログラム、またはインストールプログラムが作成するファイルを削除することはできません。これらはいずれもクラスターを削除するために必要になります。

1.4.9. バイナリーのダウンロードによる CLI のインストール

コマンドラインインターフェイスを使用して OpenShift Container Platform と対話するために CLI (oc) をインストールすることができます。oc は Linux、Windows、または macOS にインストールできます。

重要

以前のバージョンの oc をインストールしている場合、これを使用して OpenShift Container Platform 4.4 のすべてのコマンドを実行することはできません。新規バージョンの oc をダウンロードし、インストールします。

1.4.9.1. Linux への CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを Linux にインストールできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページに移動します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
  3. Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの Linux を選択し、Download command-line tools をクリックします。
  4. アーカイブを展開します。

    $ tar xvzf <file>
  5. oc バイナリーを、PATH にあるディレクトリーに配置します。

    PATH を確認するには、以下のコマンドを実行します。

    $ echo $PATH

CLI のインストール後は、oc コマンドを使用して利用できます。

$ oc <command>

1.4.9.2. Windows での CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを Windows にインストールできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページに移動します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
  3. Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの Windows を選択し、Download command-line tools をクリックします。
  4. ZIP プログラムでアーカイブを解凍します。
  5. oc バイナリーを、PATH にあるディレクトリーに移動します。

    PATH を確認するには、コマンドプロンプトを開いて以下のコマンドを実行します。

    C:\> path

CLI のインストール後は、oc コマンドを使用して利用できます。

C:\> oc <command>

1.4.9.3. macOS への CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを macOS にインストールできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページに移動します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
  3. Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの MacOS を選択し、Download command-line tools をクリックします。
  4. アーカイブを展開し、解凍します。
  5. oc バイナリーをパスにあるディレクトリーに移動します。

    PATH を確認するには、ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。

    $ echo $PATH

CLI のインストール後は、oc コマンドを使用して利用できます。

$ oc <command>

1.4.10. クラスターへのログイン

クラスター kubeconfig ファイルをエクスポートし、デフォルトシステムユーザーとしてクラスターにログインできます。kubeconfig ファイルには、クライアントを正しいクラスターおよび API サーバーに接続するために CLI で使用されるクラスターについての情報が含まれます。このファイルはクラスターに固有のファイルであり、OpenShift Container Platform のインストール時に作成されます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform クラスターをデプロイします。
  • oc CLI をインストールします。

手順

  1. kubeadmin 認証情報をエクスポートします。

    $ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig 1
    1
    <installation_directory> には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
  2. エクスポートされた設定を使用して、oc コマンドを正常に実行できることを確認します。

    $ oc whoami
    system:admin

1.4.11. 次のステップ

1.5. Azure のクラスターの既存 VNet へのインストール

OpenShift Container Platform バージョン 4.4 では、クラスターを Microsoft Azure の既存の Azure Virtual Network (VNet) にインストールできます。インストールプログラムは、カスタマイズ可能な残りの必要なインフラストラクチャーをプロビジョニングします。インストールをカスタマイズするには、クラスターをインストールする前に、install-config.yaml ファイルでパラメーターを変更します。

1.5.1. 前提条件

1.5.2. OpenShift Container Platform クラスターでの VNet の再利用について

OpenShift Container Platform 4.4 では、クラスターを Microsoft Azure の既存の Azure Virtual Network (VNet) にデプロイできます。これを実行する場合、VNet 内の既存のサブネットおよびルーティングルールも使用する必要があります。

OpenShift Container Platform を既存の Azure VNet にデプロイすることで、新規アカウントでのサービス制限の制約を回避したり、会社のガイドラインによる運用上の制約をより容易に遵守することが可能になる場合があります。VNet の作成に必要なインフラストラクチャーの作成パーミッションを取得できない場合には、このオプションを使用できます。

重要

既存の VNet を使用するには、更新された Azure Private DNS (プレビュー) 機能を使用する必要があります。この機能の制限についての詳細は、Announcing Preview Refresh for Azure DNS Private Zones を参照してください。

1.5.2.1. VNet を使用するための要件

既存の VNet を使用してクラスターをデプロイする場合、クラスターをインストールする前に追加のネットワーク設定を実行する必要があります。インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャークラスターでは、インストーラーは通常以下のコンポーネントを作成しますが、既存の VNet にインストールする場合にはこれらを作成しません。

  • サブネット
  • ルートテーブル
  • VNets
  • ネットワークセキュリティーグループ

カスタム VNet を使用する場合、インストールプログラムおよびクラスターで使用できるようにカスタム VNet およびそのサブネットを適切に設定する必要があります。インストールプログラムは、使用するクラスターのネットワーク範囲を細分化できず、サブネットのルートテーブルを設定するか、または DHCP などの VNet オプションを設定します。これは、クラスターのインストール前に設定する必要があります。

クラスターは、既存の VNet およびサブネットを含むリソースグループにアクセスできる必要があります。クラスターが作成するすべてのリソースは、作成される別個のリソースグループに配置され、一部のネットワークリソースが別個のグループから使用されます。一部のクラスター Operator は両方のリソースグループのリソースにアクセスできる必要があります。たとえば マシン API コントローラーは、ネットワークリソースグループから、作成される仮想マシンの NIC をサブネットに割り当てます。

VNet には以下の特徴が確認される必要があります。

  • VNet の CIDR ブロックには、クラスターマシンの IP アドレスプールである Networking.MachineCIDR 範囲が含まれる必要があります。
  • VNet およびそのサブネットは同じリソースグループに属する必要があり、サブネットは静的 IP アドレスではなく、Azure で割り当てられた DHCP IP アドレスを使用するように設定される必要があります。

コントロールプレーンマシンのサブネットおよびコンピュートマシン用のサブネットの 2 つのサブネットを VNet 内に指定する必要があります。Azure はマシンを指定するリージョン内の複数の異なるアベイラビリティーゾーンに分散するため、デフォルトのクラスターには高可用性があります。

指定するサブネットが適切であることを確認するには、インストールプログラムが以下のデータを確認します。

  • 指定したサブネットすべてが存在します。
  • それぞれのアベイラビリティーゾーンに 2 つのプライベートサブネットを指定します。
  • サブネットの CIDR は指定されたマシン CIDR に属します。マシンは、プライベートサブネットを指定しないアベイラビリティーゾーンにはプロビジョニングされません。必要な場合に、インストールプログラムはコントロールプレーンおよびワーカーノードを管理するパブリックロードバランサーを作成し、Azure はパブリック IP アドレスをそれらに割り当てます。

既存の VNet を使用するクラスターを破棄しても、VNet は削除されません。

1.5.2.1.1. ネットワークセキュリティーグループの要件

コンピュートマシンおよびコントロールプレーンマシンをホストするサブネットのネットワークセキュリティーグループには、クラスターの通信が正しいことを確認するための特定のアクセスが必要です。必要なクラスター通信ポートへのアクセスを許可するルールを作成する必要があります。

重要

ネットワークセキュリティーグループルールは、クラスターのインストール前に有効にされている必要があります。必要なアクセスなしにクラスターのインストールを試行しても、インストールプログラムは Azure API に到達できず、インストールに失敗します。

表1.8 必須ポート

ポート説明コントロールプレーンコンピュート

80

HTTP トラフィックを許可します。

x

 

443

HTTPS トラフィックを許可します

x

 

6443

コントロールプレーンマシンとの通信を許可します。

x

x

22623

マシン設定サーバーとの通信を許可します。

x

x

1.5.2.2. パーミッションの区分

OpenShift Container Platform 4.3 以降、クラスターのデプロイに、インストールプログラムがプロビジョニングするインフラストラクチャークラスターに必要なすべてのパーミッションを必要としなくなりました。この変更は、ある会社で個人がクラウドで他とは異なるリソースを作成できるようにパーミッションが区分された状態に類似するものです。たとえば、インスタンス、ストレージ、ロードバランサーなどのアプリケーション固有のアイテムを作成することはできますが、VNet、サブネット、または Ingress ルールなどのネットワーク関連のコンポーネントは作成できない可能性があります。

クラスターの作成時に使用する Azure の認証情報には、VNet、およびサブネット、ルーティングテーブル、インターネットゲートウェイ、NAT、VPN などの VNet 内のコアとなるネットワークコンポーネントの作成に必要なネットワークのパーミッションは必要ありません。ELB、セキュリティーグループ、S3 バケットおよびノードなどの、クラスター内でマシンに必要なアプリケーションリソースを作成するパーミッションは依然として必要になります。

1.5.2.3. クラスター間の分離

クラスターは既存のサブネットのネットワークセキュリティーグループを変更できないため、VNet でクラスターを相互に分離する方法はありません。

1.5.3. OpenShift Container Platform のインターネットアクセスおよび Telemetry アクセス

OpenShift Container Platform 4.4 では、クラスターをインストールするためにインターネットアクセスが必要になります。クラスターの健全性および正常に実行された更新についてのメトリクスを提供するためにデフォルトで実行される Telemetry サービスにもインターネットアクセスが必要です。クラスターがインターネットに接続されている場合、Telemetry は自動的に実行され、クラスターは Red Hat OpenShift Cluster Manager (OCM) に登録されます。

Red Hat OpenShift Cluster Manager インベントリーが Telemetry によって自動的に維持されるか、または OCM を手動で使用しているかのいずれによって正常であることを確認した後に、subscription watch を使用して、アカウントまたはマルチクラスターレベルで OpenShift Container Platform サブスクリプションを追跡します。

インターネットへのアクセスは以下を実行するために必要です。

  • Red Hat OpenShift Cluster Manager ページにアクセスし、インストールプログラムをダウンロードし、サブスクリプション管理を実行します。クラスターにインターネットアクセスがあり、Telemetry を無効にしない場合、そのサービスは有効なサブスクリプションでクラスターを自動的に使用します。
  • クラスターのインストールに必要なパッケージを取得するために Quay.io にアクセスします。
  • クラスターの更新を実行するために必要なパッケージを取得します。
重要

クラスターでインターネットに直接アクセスできない場合、プロビジョニングする一部のタイプのインフラストラクチャーでネットワークが制限されたインストールを実行できます。このプロセスで、必要なコンテンツをダウンロードし、これを使用してミラーレジストリーにクラスターのインストールおよびインストールプログラムの生成に必要なパッケージを設定します。インストールタイプによっては、クラスターのインストール環境でインターネットアクセスが不要となる場合があります。クラスターを更新する前に、ミラーレジストリーのコンテンツを更新します。

1.5.4. SSH プライベートキーの生成およびエージェントへの追加

クラスターでインストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要がある場合、ssh-agent とインストールプログラムの両方に SSH キーを指定する必要があります。このキーを使用してパブリッククラスターのブートストラップマシンにアクセスし、インストールの問題をトラブルシューティングできます。

注記

実稼働環境では、障害復旧およびデバッグが必要です。

このキーを使用して、ユーザー core としてマスターノードに対して SSH を実行できます。クラスターをデプロイする際に、キーは core ユーザーの ~/.ssh/authorized_keys 一覧に追加されます。

注記

AWS キーペア などのプラットフォームに固有の方法で設定したキーではなく、ローカルキーを使用する必要があります。

手順

  1. パスワードなしの認証に設定されている SSH キーがコンピューター上にない場合は、これを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。

    $ ssh-keygen -t ed25519 -N '' \
        -f <path>/<file_name> 1
    1
    ~/.ssh/id_rsa などの、SSH キーのパスおよびファイル名を指定します。既存の SSH キーは上書きされるため、指定しないでください。

    このコマンドを実行すると、指定した場所にパスワードを必要としない SSH キーが生成されます。

  2. ssh-agent プロセスをバックグラウンドタスクとして開始します。

    $ eval "$(ssh-agent -s)"
    
    Agent pid 31874
  3. SSH プライベートキーを ssh-agent に追加します。

    $ ssh-add <path>/<file_name> 1
    
    Identity added: /home/<you>/<path>/<file_name> (<computer_name>)
    1
    ~/.ssh/id_rsa などの、SSH プライベートキーのパスおよびファイル名を指定します。

次のステップ

  • OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定します。

1.5.5. インストールプログラムの取得

OpenShift Container Platform をインストールする前に、インストールファイルをローカルコンピューターにダウンロードします。

前提条件

  • Linux または macOS を使用するコンピューターからクラスターをインストールする必要があります。
  • インストールプログラムをダウンロードするには、500 MB のローカルディスク領域が必要です。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページにアクセスします。Red Hat アカウントがある場合は、認証情報を使ってログインします。アカウントがない場合はこれを作成します。
  2. 選択するインストールタイプのページに移動し、オペレーティングシステムのインストールプログラムをダウンロードし、ファイルをインストール設定ファイルを保存するディレクトリーに配置します。

    重要

    インストールプログラムは、クラスターのインストールに使用するコンピューターにいくつかのファイルを作成します。クラスターインストールの完了後は、インストールプログラムおよびインストールプログラムが作成するファイルの両方を保持する必要があります。

    重要

    インストールプログラムで作成されたファイルを削除しても、クラスターがインストール時に失敗した場合でもクラスターは削除されません。特定のクラウドプロバイダー用に記載された OpenShift Container Platform のアンインストール手順を完了して、クラスターを完全に削除する必要があります。

  3. インストールプログラムを展開します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。

    $ tar xvf <installation_program>.tar.gz
  4. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Pull Secret ページから、インストールプルシークレットを .txt ファイルとしてダウンロードします。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する Quay.io など、組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。

1.5.6. インストール設定ファイルの作成

Microsoft Azure にインストールする OpenShift Container Platform クラスターをカスタマイズできます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得します。

手順

  1. install-config.yaml ファイルを作成します。

    1. 以下のコマンドを実行します。

      $ ./openshift-install create install-config --dir=<installation_directory> 1
      1
      <installation_directory> の場合、インストールプログラムが作成するファイルを保存するためにディレクトリー名を指定します。
      重要

      空のディレクトリーを指定します。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットの有効期限は短く設定されているため、インストールディレクトリーを再利用することができません。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。

    2. プロンプト時に、クラウドの設定の詳細情報を指定します。

      1. オプション: クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キーを選択します。

        注記

        インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

      2. ターゲットに設定するプラットフォームとして azure を選択します。
      3. お使いのコンピューターに Microsoft Azure プロファイルが保存されていない場合は、サブスクリプションとサービスプリンシパルに以下の Azure パラメーター値を指定します。

        • azure subscription id: クラスターに使用するサブスクリプション ID。アカウント出力に id 値を指定します。
        • azure tenant id: テナント ID。アカウント出力に tenantId 値を指定します。
        • azure service principal client id: サービスプリンシパルの appId パラメーターの値。
        • azure service principal client secret: サービスプリンシパルの password パラメーターの値。
      4. クラスターをデプロイするリージョンを選択します。
      5. クラスターをデプロイするベースドメインを選択します。ベースドメインは、クラスターに作成した Azure DNS ゾーンに対応します。
      6. クラスターの記述名を入力します。

        重要

        パブリックエンドポイントで利用可能なすべての Azure リソースはリソース名の制限を受けるため、特定の用語を使用するリソースを作成することはできません。Azure が制限する語の一覧は、Azure ドキュメントの Resolve reserved resource name errors を参照してください。

      7. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Pull Secret ページから取得したプルシークレットを貼り付けます。
  2. install-config.yaml ファイルを変更します。利用可能なパラメーターの詳細については、インストール設定パラメーターセクションを参照してください。
  3. install-config.yaml ファイルをバックアップし、複数のクラスターをインストールするのに使用できるようにします。

    重要

    install-config.yaml ファイルはインストールプロセス時に使用されます。このファイルを再利用する必要がある場合は、この段階でこれをバックアップしてください。

1.5.6.1. インストール設定パラメーター

OpenShift Container Platform クラスターをデプロイする前に、クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを記述し、クラスターのプラットフォームをオプションでカスタマイズするためにパラメーターの値を指定します。install-config.yaml インストール設定ファイルを作成する際に、コマンドラインで必要なパラメーターの値を指定します。クラスターをカスタマイズする場合、install-config.yaml ファイルを変更して、プラットフォームについての詳細情報を指定できます。

注記

インストール後は、install-config.yaml ファイルでこれらのパラメーターを変更することはできません。

表1.9 必須パラメーター

パラメーター説明

baseDomain

クラウドプロバイダーのベースドメイン。この値は、OpenShift Container Platform クラスターコンポーネントへのルートを作成するために使用されます。クラスターの完全な DNS 名は、baseDomain<metadata.name>.<baseDomain> 形式を使用する metadata.name パラメーターの値の組み合わせです。

example.com などの完全修飾ドメインまたはサブドメイン名。

controlPlane.platform

コントロールプレーンマシンをホストするためのクラウドプロバイダー。このパラメーターの値は compute.platform パラメーターの値に一致する必要があります。

awsazuregcpopenstack、または {}

compute.platform

ワーカーマシンをホストするためのクラウドプロバイダー。このパラメーターの値は controlPlane.platform パラメーターの値に一致する必要があります。

awsazuregcpopenstack、または {}

metadata.name

クラスターの名前。

dev などの大文字または小文字を含む文字列。

platform.<platform>.region

クラスターをデプロイするリージョン。

AWS の us-east-1 または Azure の centralus などの、クラウドの有効なリージョン。Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) はこのパラメーターを使用しません。

pullSecret

Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Pull Secret ページから取得したプルシークレット。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する、Quay.io などの組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。

{
   "auths":{
      "cloud.openshift.com":{
         "auth":"b3Blb=",
         "email":"you@example.com"
      },
      "quay.io":{
         "auth":"b3Blb=",
         "email":"you@example.com"
      }
   }
}

表1.10 オプションのパラメーター

パラメーター説明

sshKey

クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キー。

注記

インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

ssh-agent プロセスに追加した、有効なローカルのパブリック SSH キー。

FIPS

FIPS モードを有効または無効にするかどうか。デフォルトでは、FIPS モードは有効にされません。FIPS モードが有効にされている場合、OpenShift Container Platform が実行される Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンがデフォルトの Kubernetes 暗号スイートをバイパスし、代わりに RHCOS で提供される暗号モジュールを使用します。

false または true

publish

クラスターのユーザーに表示されるエンドポイントを公開する方法。

Internal または External。プライベートクラスターをデプロイするには、publishInternal に設定します。これはインターネットからアクセスできません。デフォルト値は External です。

compute.hyperthreading

コンピュートマシンで同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。

重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。

Enabled または Disabled

compute.replicas

プロビジョニングするコンピュートマシン (ワーカーマシンとしても知られる) の数。

2 以上の正の整数。デフォルト値は 3 です。

controlPlane.hyperthreading

コントロールプレーンマシンで同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。

重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。

Enabled または Disabled

controlPlane.replicas

プロビジョニングするコントロールプレーンマシンの数。

サポートされる値は 3 のみです (これはデフォルト値です)。

表1.11 追加の Azure パラメーター

パラメーター説明

machines.platform.azure.type

Azure VM インスタンスタイプ。

Windows または Linux をオペレーティングシステムとして使用する仮想マシン。Azure ドキュメントの Guest operating systems supported on Azure Stack Hub を参照してください。

machines.platform.azure.osDisk.diskSizeGB

VM の Azure ディスクのサイズ。

GB 単位でディスクのサイズ (例: 512) を表す整数。サポートされる最小のディスクサイズは 120 です。

platform.azure.baseDomainResourceGroupName

ベースドメインの DNS ゾーンが含まれるリソースグループの名前。

文字列 (例: production_cluster)。

platform.azure.region

クラスターをホストする Azure リージョンの名前。

有効なリージョン名。

platform.azure.zone

マシンを配置するアベイラビリティーゾーンの一覧。高可用性を確保するには、少なくとも 2 つのゾーンを指定します。

ゾーンの一覧 (例: ["1", "2", "3"])。

platform.azure.networkResourceGroupName

クラスターをデプロイする既存の VNet を含むリソースグループの名前。この名前は platform.azure.baseDomainResourceGroupName と同じにすることはできません。

文字列。

platform.azure.virtualNetwork

クラスターをデプロイする既存 VNet の名前。

文字列。

platform.azure.controlPlaneSubnet

コントロールプレーンマシンをデプロイする VNet 内の既存サブネットの名前。

有効な CIDR (例: 10.0.0.0/16)。

platform.azure.computeSubnet

コンピュートマシンをデプロイする VNet 内の既存サブネットの名前。

有効な CIDR (例: 10.0.0.0/16)。

注記

Azure クラスターで、Azure アベイラビリティーゾーン のカスタマイズや タグを使用した Azure リソースの編成 を実行することはできません。

1.5.6.2. Azure のカスタマイズされた install-config.yaml ファイルのサンプル

install-config.yaml ファイルをカスタマイズして、OpenShift Container Platform クラスターのプラットフォームについての詳細を指定するか、または必要なパラメーターの値を変更することができます。

重要

このサンプルの YAML ファイルは参照用にのみ提供されます。インストールプログラムを使用して install-config.yaml ファイルを取得し、これを変更する必要があります。

apiVersion: v1
baseDomain: example.com 1
controlPlane: 2
  hyperthreading: Enabled 3 4
  name: master
  platform:
    azure:
      osDisk:
        diskSizeGB: 1024 5
      type: Standard_D8s_v3
  replicas: 3
compute: 6
- hyperthreading: Enabled 7
  name: worker
  platform:
    azure:
      type: Standard_D2s_v3
      osDisk:
        diskSizeGB: 512 8
      zones: 9
      - "1"
      - "2"
      - "3"
  replicas: 5
metadata:
  name: test-cluster 10
networking:
  clusterNetwork:
  - cidr: 10.128.0.0/14
    hostPrefix: 23
  machineNetwork:
  - cidr: 10.0.0.0/16
  networkType: OpenShiftSDN
  serviceNetwork:
  - 172.30.0.0/16
platform:
  azure:
    region: centralus 11
    baseDomainResourceGroupName: resource_group 12
    networkResourceGroupName: vnet_resource_group 13
    virtualNetwork: vnet 14
    controlPlaneSubnet: control_plane_subnet 15
    computeSubnet: compute_subnet 16
pullSecret: '{"auths": ...}' 17
fips: false 18
sshKey: ssh-ed25519 AAAA... 19
1 10 11 17
必須。インストールプログラムはこの値の入力を求めるプロンプトを出します。
2 6
これらのパラメーターおよび値を指定しない場合、インストールプログラムはデフォルトの値を指定します。
3 7
controlPlane セクションは単一マッピングですが、コンピュートセクションはマッピングのシーケンスになります。複数の異なるデータ構造の要件を満たすには、 compute セクションの最初の行はハイフン - で始め、controlPlane セクションの最初の行はハイフンで始めることができません。どちらのセクションも、現時点では単一のマシンプールを定義しますが、OpenShift Container Platform の今後のバージョンでは、インストール時の複数のコンピュートプールの定義をサポートする可能性があります。1 つのコントロールプレーンプールのみが使用されます。
4
同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。パラメーター値を Disabled に設定するとこれを無効にすることができます。一部のクラスターマシンで同時マルチスレッドを無効にする場合は、これをすべてのクラスターマシンで無効にする必要があります。
重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。同時マルチスレッドを無効にする場合は、マシンに対して Standard_D8s_v3 などの大規模な仮想マシンタイプを使用します。

5 8
使用するディスクのサイズは、GB 単位で指定できます。マスターノードの最小推奨値は 1024 GB です。
9
マシンをデプロイするゾーンの一覧を指定します。高可用性を確保するには、少なくとも 2 つのゾーンを指定します。
12
ベースドメインの DNS ゾーンが含まれるリソースグループの名前を指定します。
13
既存の VNet を使用する場合は、それが含まれるリソースグループの名前を指定します。
14
既存の VNet を使用する場合は、その名前を指定します。
15
既存の VNet を使用する場合は、コントロールプレーンマシンをホストするサブネットの名前を指定します。
16
既存の VNet を使用する場合は、コンピュートマシンをホストするサブネットの名前を指定します。
18
FIPS モードを有効または無効にするかどうか。デフォルトでは、FIPS モードは有効にされません。FIPS モードが有効にされている場合、OpenShift Container Platform が実行される Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンがデフォルトの Kubernetes 暗号スイートをバイパスし、代わりに RHCOS で提供される暗号モジュールを使用します。
19
クラスター内のマシンにアクセスするために使用する sshKey 値をオプションで指定できます。
注記

インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

1.5.6.3. インストール時のクラスター全体のプロキシーの設定

実稼働環境では、インターネットへの直接アクセスを拒否し、代わりに HTTP または HTTPS プロキシーを使用することができます。プロキシー設定を install-config.yaml ファイルで行うことにより、新規の OpenShift Container Platform クラスターをプロキシーを使用するように設定できます。

前提条件

  • 既存の install-config.yaml ファイルが必要です。
  • クラスターがアクセスする必要のあるサイトを確認し、プロキシーをバイパスする必要があるかどうかを判別します。デフォルトで、すべてのクラスター egress トラフィック (クラスターをホストするクラウドについてのクラウドプロバイダー API に対する呼び出しを含む) はプロキシーされます。Proxy オブジェクトの spec.noProxy フィールドにサイトを追加し、必要に応じてプロキシーをバイパスします。

    注記

    Proxy オブジェクトの status.noProxy フィールドには、インストール設定の networking.machineNetwork[].cidrnetworking.clusterNetwork[].cidr、および networking.serviceNetwork[] フィールドの値が設定されます。

    Amazon Web Services (AWS)、Google Cloud Platform (GCP)、Microsoft Azure、および Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) へのインストールの場合、Proxy オブジェクトの status.noProxy フィールドには、インスタンスメタデータのエンドポイント (169.254.169.254) も設定されます。

手順

  1. install-config.yaml ファイルを編集し、プロキシー設定を追加します。以下に例を示します。

    apiVersion: v1
    baseDomain: my.domain.com
    proxy:
      httpProxy: http://<username>:<pswd>@<ip>:<port> 1
      httpsProxy: http://<username>:<pswd>@<ip>:<port> 2
      noProxy: example.com 3
    additionalTrustBundle: | 4
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        <MY_TRUSTED_CA_CERT>
        -----END CERTIFICATE-----
    ...
    1
    クラスター外の HTTP 接続を作成するために使用するプロキシー URL。URL スキームは http である必要があります。追加のプロキシー設定が必要ではなく、追加の CA を必要とする MITM の透過的なプロキシーネットワークを使用する場合には、httpProxy 値を指定することはできません。
    2
    クラスター外で HTTPS 接続を作成するために使用するプロキシー URL。このフィールドが指定されていない場合、HTTP および HTTPS 接続の両方に httpProxy が使用されます。追加のプロキシー設定が必要ではなく、追加の CA を必要とする MITM の透過的なプロキシーネットワークを使用する場合には、httpsProxy 値を指定することはできません。
    3
    プロキシーを除外するための宛先ドメイン名、ドメイン、IP アドレス、または他のネットワーク CIDR のコンマ区切りの一覧。ドメインのすべてのサブドメインを組み込むために、ドメインの前に . を入力します。* を使用し、すべての宛先のプロキシーをバイパスします。
    4
    指定されている場合、インストールプログラムは HTTPS 接続のプロキシーに必要な 1 つ以上の追加の CA 証明書が含まれる user-ca-bundle という名前の設定マップを openshift-config namespace に生成します。次に Cluster Network Operator は、これらのコンテンツを Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) 信頼バンドルにマージする trusted-ca-bundle 設定マップを作成し、この設定マップは Proxy オブジェクトの trustedCA フィールドで参照されます。additionalTrustBundle フィールドは、プロキシーのアイデンティティー証明書が RHCOS 信頼バンドルからの認証局によって署名されない限り必要になります。追加のプロキシー設定が必要ではなく、追加の CA を必要とする MITM の透過的なプロキシーネットワークを使用する場合には、MITM CA 証明書を指定する必要があります。
    注記

    インストールプログラムは、プロキシーの readinessEndpoints フィールドをサポートしません。

  2. ファイルを保存し、OpenShift Container Platform のインストール時にこれを参照します。

インストールプログラムは、指定の install-config.yaml ファイルのプロキシー設定を使用する cluster という名前のクラスター全体のプロキシーを作成します。プロキシー設定が指定されていない場合、cluster Proxy オブジェクトが依然として作成されますが、これには spec がありません。

注記

cluster という名前の Proxy オブジェクトのみがサポートされ、追加のプロキシーを作成することはできません。

1.5.7. クラスターのデプロイ

互換性のあるクラウドプラットフォームに OpenShift Container Platform をインストールできます。

重要

インストールプログラムの create cluster コマンドは、初期インストール時に 1 回だけ実行できます。

前提条件

  • クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを設定します。
  • OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得します。

手順

  1. インストールプログラムを実行します。

    $ ./openshift-install create cluster --dir=<installation_directory> \ 1
        --log-level=info 2
    1
    <installation_directory> については、カスタマイズした ./install-config.yaml ファイルの場所を指定します。
    2
    異なるインストールの詳細情報を表示するには、info ではなく、warndebug、または error を指定します。
    注記

    ホストに設定した AWS アカウントにクラスターをデプロイするための十分なパーミッションがない場合、インストールプログラムは停止し、不足しているパーミッションが表示されます。

    クラスターのデプロイメントが完了すると、Web コンソールへのリンクや kubeadmin ユーザーの認証情報を含む、クラスターにアクセスするための指示がターミナルに表示されます。

    重要

    インストールプログラムが生成する Ignition 設定ファイルには、24 時間が経過すると期限切れになり、その後に更新される証明書が含まれます。証明書を更新する前にクラスターが停止し、24 時間経過した後にクラスターを再起動すると、クラスターは期限切れの証明書を自動的に復元します。例外として、kubelet 証明書を回復するために保留状態の node-bootstrapper 証明書署名要求 (CSR) を手動で承認する必要があります。詳細は、コントロールプレーン証明書の期限切れの状態からのリカバリー についてのドキュメントを参照してください。

    重要

    インストールプログラム、またはインストールプログラムが作成するファイルを削除することはできません。これらはいずれもクラスターを削除するために必要になります。

1.5.8. バイナリーのダウンロードによる CLI のインストール

コマンドラインインターフェイスを使用して OpenShift Container Platform と対話するために CLI (oc) をインストールすることができます。oc は Linux、Windows、または macOS にインストールできます。

重要

以前のバージョンの oc をインストールしている場合、これを使用して OpenShift Container Platform 4.4 のすべてのコマンドを実行することはできません。新規バージョンの oc をダウンロードし、インストールします。

1.5.8.1. Linux への CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを Linux にインストールできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページに移動します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
  3. Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの Linux を選択し、Download command-line tools をクリックします。
  4. アーカイブを展開します。

    $ tar xvzf <file>
  5. oc バイナリーを、PATH にあるディレクトリーに配置します。

    PATH を確認するには、以下のコマンドを実行します。

    $ echo $PATH

CLI のインストール後は、oc コマンドを使用して利用できます。

$ oc <command>

1.5.8.2. Windows での CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを Windows にインストールできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページに移動します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
  3. Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの Windows を選択し、Download command-line tools をクリックします。
  4. ZIP プログラムでアーカイブを解凍します。
  5. oc バイナリーを、PATH にあるディレクトリーに移動します。

    PATH を確認するには、コマンドプロンプトを開いて以下のコマンドを実行します。

    C:\> path

CLI のインストール後は、oc コマンドを使用して利用できます。

C:\> oc <command>

1.5.8.3. macOS への CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを macOS にインストールできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページに移動します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
  3. Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの MacOS を選択し、Download command-line tools をクリックします。
  4. アーカイブを展開し、解凍します。
  5. oc バイナリーをパスにあるディレクトリーに移動します。

    PATH を確認するには、ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。

    $ echo $PATH

CLI のインストール後は、oc コマンドを使用して利用できます。

$ oc <command>

1.5.9. クラスターへのログイン

クラスター kubeconfig ファイルをエクスポートし、デフォルトシステムユーザーとしてクラスターにログインできます。kubeconfig ファイルには、クライアントを正しいクラスターおよび API サーバーに接続するために CLI で使用されるクラスターについての情報が含まれます。このファイルはクラスターに固有のファイルであり、OpenShift Container Platform のインストール時に作成されます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform クラスターをデプロイします。
  • oc CLI をインストールします。

手順

  1. kubeadmin 認証情報をエクスポートします。

    $ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig 1
    1
    <installation_directory> には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
  2. エクスポートされた設定を使用して、oc コマンドを正常に実行できることを確認します。

    $ oc whoami
    system:admin

1.5.10. 次のステップ

1.6. プライベートクラスターの Azure へのインストール

OpenShift Container Platform バージョン 4.4 では、プライベートクラスターを Microsoft Azure の既存の Azure Virtual Network (VNet) にインストールできます。インストールプログラムは、カスタマイズ可能な残りの必要なインフラストラクチャーをプロビジョニングします。インストールをカスタマイズするには、クラスターをインストールする前に、install-config.yaml ファイルでパラメーターを変更します。

1.6.1. 前提条件

1.6.2. プライベートクラスター

お使いの環境で外部のインターネット接続を必要としない場合には、外部エンドポイントを公開しないプライベート OpenShift Container Platform クラスターをデプロイすることができます。プライベートクラスターは内部ネットワークからのみアクセス可能で、インターネット上では表示されません。

デフォルトで、OpenShift Container Platform はパブリックにアクセス可能な DNS およびエンドポイントを使用できるようにプロビジョニングされます。プライベートクラスターは、クラスターのデプロイ時に DNS、Ingress コントローラー、および API サーバーを private に設定します。つまり、クラスターリソースは内部ネットワークからのみアクセスでき、インターネット上では表示されません。

プライベートクラスターをデプロイするには、要件を満たす既存のネットワークを使用する必要があります。クラスターリソースはネットワーク上の他のクラスター間で共有される可能性があります。

さらに、プロビジョニングするクラウドの API サービスにアクセスできるマシンから、プロビジョニングするネットワーク上のホストおよびインストールメディアを取得するために使用するインターネットにプライベートクラスターをデプロイする必要があります。これらのアクセス要件を満たし、所属する会社のガイドラインに準拠したすべてのマシンを使用することができます。たとえば、このマシンには、クラウドネットワーク上の bastion ホスト、または VPN 経由でネットワークにアクセスできるマシンを使用できます。

1.6.2.1. Azure のプライベートクラスター

Microsoft Azure でプライベートクラスターを作成するには、クラスターをホストするために既存のプライベート VNet とサブネットを指定する必要があります。インストールプログラムは、クラスターが必要とする DNS レコードを解決できる必要もあります。インストールプログラムは、内部トラフィック用としてのみ Ingress Operator および API サーバーを設定します。

ネットワークがプライベート VNET に接続される方法によって、クラスターのプライベート DNS レコードを解決するために DNS フォワーダーを使用する必要がある場合があります。クラスターのマシンは、DNS 解決に 168.63.129.16 を内部で使用します。詳細は、Azure ドキュメントの What is Azure Private DNS? および What is IP address 168.63.129.16? を参照してください。

クラスターには、Azure API にアクセスするためにインターネットへのアクセスが依然として必要です。

以下のアイテムは、プライベートクラスターのインストール時に必要ではなく、作成されません。

  • BaseDomainResourceGroup (クラスターがパブリックレコードを作成しないため)
  • パブリック IP アドレス
  • パブリック DNS レコード
  • パブリックエンドポイント

    The cluster is configured so that the Operators do not create public records for the cluster and all cluster machines are placed in the private subnets that you specify.
1.6.2.1.1. 制限事項

Azure 上のプライベートクラスターは、既存の VNet の使用に関連する制限のみの制限を受けます。

1.6.3. OpenShift Container Platform クラスターでの VNet の再利用について

OpenShift Container Platform 4.4 では、クラスターを Microsoft Azure の既存の Azure Virtual Network (VNet) にデプロイできます。これを実行する場合、VNet 内の既存のサブネットおよびルーティングルールも使用する必要があります。

OpenShift Container Platform を既存の Azure VNet にデプロイすることで、新規アカウントでのサービス制限の制約を回避したり、会社のガイドラインによる運用上の制約をより容易に遵守することが可能になる場合があります。VNet の作成に必要なインフラストラクチャーの作成パーミッションを取得できない場合には、このオプションを使用できます。

重要

既存の VNet を使用するには、更新された Azure Private DNS (プレビュー) 機能を使用する必要があります。この機能の制限についての詳細は、Announcing Preview Refresh for Azure DNS Private Zones を参照してください。

1.6.3.1. VNet を使用するための要件

既存の VNet を使用してクラスターをデプロイする場合、クラスターをインストールする前に追加のネットワーク設定を実行する必要があります。インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャークラスターでは、インストーラーは通常以下のコンポーネントを作成しますが、既存の VNet にインストールする場合にはこれらを作成しません。

  • サブネット
  • ルートテーブル
  • VNets
  • ネットワークセキュリティーグループ

カスタム VNet を使用する場合、インストールプログラムおよびクラスターで使用できるようにカスタム VNet およびそのサブネットを適切に設定する必要があります。インストールプログラムは、使用するクラスターのネットワーク範囲を細分化できず、サブネットのルートテーブルを設定するか、または DHCP などの VNet オプションを設定します。これは、クラスターのインストール前に設定する必要があります。

クラスターは、既存の VNet およびサブネットを含むリソースグループにアクセスできる必要があります。クラスターが作成するすべてのリソースは、作成される別個のリソースグループに配置され、一部のネットワークリソースが別個のグループから使用されます。一部のクラスター Operator は両方のリソースグループのリソースにアクセスできる必要があります。たとえば マシン API コントローラーは、ネットワークリソースグループから、作成される仮想マシンの NIC をサブネットに割り当てます。

VNet には以下の特徴が確認される必要があります。

  • VNet の CIDR ブロックには、クラスターマシンの IP アドレスプールである Networking.MachineCIDR 範囲が含まれる必要があります。
  • VNet およびそのサブネットは同じリソースグループに属する必要があり、サブネットは静的 IP アドレスではなく、Azure で割り当てられた DHCP IP アドレスを使用するように設定される必要があります。

コントロールプレーンマシンのサブネットおよびコンピュートマシン用のサブネットの 2 つのサブネットを VNet 内に指定する必要があります。Azure はマシンを指定するリージョン内の複数の異なるアベイラビリティーゾーンに分散するため、デフォルトのクラスターには高可用性があります。

指定するサブネットが適切であることを確認するには、インストールプログラムが以下のデータを確認します。

  • 指定したサブネットすべてが存在します。
  • それぞれのアベイラビリティーゾーンに 2 つのプライベートサブネットを指定します。
  • サブネットの CIDR は指定されたマシン CIDR に属します。マシンは、プライベートサブネットを指定しないアベイラビリティーゾーンにはプロビジョニングされません。必要な場合に、インストールプログラムはコントロールプレーンおよびワーカーノードを管理するパブリックロードバランサーを作成し、Azure はパブリック IP アドレスをそれらに割り当てます。

既存の VNet を使用するクラスターを破棄しても、VNet は削除されません。

1.6.3.1.1. ネットワークセキュリティーグループの要件

コンピュートマシンおよびコントロールプレーンマシンをホストするサブネットのネットワークセキュリティーグループには、クラスターの通信が正しいことを確認するための特定のアクセスが必要です。必要なクラスター通信ポートへのアクセスを許可するルールを作成する必要があります。

重要

ネットワークセキュリティーグループルールは、クラスターのインストール前に有効にされている必要があります。必要なアクセスなしにクラスターのインストールを試行しても、インストールプログラムは Azure API に到達できず、インストールに失敗します。

表1.12 必須ポート

ポート説明コントロールプレーンコンピュート

80

HTTP トラフィックを許可します。

x

 

443

HTTPS トラフィックを許可します

x

 

6443

コントロールプレーンマシンとの通信を許可します。

x

x

22623

マシン設定サーバーとの通信を許可します。

x

x

1.6.3.2. パーミッションの区分

OpenShift Container Platform 4.3 以降、クラスターのデプロイに、インストールプログラムがプロビジョニングするインフラストラクチャークラスターに必要なすべてのパーミッションを必要としなくなりました。この変更は、ある会社で個人がクラウドで他とは異なるリソースを作成できるようにパーミッションが区分された状態に類似するものです。たとえば、インスタンス、ストレージ、ロードバランサーなどのアプリケーション固有のアイテムを作成することはできますが、VNet、サブネット、または Ingress ルールなどのネットワーク関連のコンポーネントは作成できない可能性があります。

クラスターの作成時に使用する Azure の認証情報には、VNet、およびサブネット、ルーティングテーブル、インターネットゲートウェイ、NAT、VPN などの VNet 内のコアとなるネットワークコンポーネントの作成に必要なネットワークのパーミッションは必要ありません。ELB、セキュリティーグループ、S3 バケットおよびノードなどの、クラスター内でマシンに必要なアプリケーションリソースを作成するパーミッションは依然として必要になります。

1.6.3.3. クラスター間の分離

クラスターは既存のサブネットのネットワークセキュリティーグループを変更できないため、VNet でクラスターを相互に分離する方法はありません。

1.6.4. OpenShift Container Platform のインターネットアクセスおよび Telemetry アクセス

OpenShift Container Platform 4.4 では、クラスターをインストールするためにインターネットアクセスが必要になります。クラスターの健全性および正常に実行された更新についてのメトリクスを提供するためにデフォルトで実行される Telemetry サービスにもインターネットアクセスが必要です。クラスターがインターネットに接続されている場合、Telemetry は自動的に実行され、クラスターは Red Hat OpenShift Cluster Manager (OCM) に登録されます。

Red Hat OpenShift Cluster Manager インベントリーが Telemetry によって自動的に維持されるか、または OCM を手動で使用しているかのいずれによって正常であることを確認した後に、subscription watch を使用して、アカウントまたはマルチクラスターレベルで OpenShift Container Platform サブスクリプションを追跡します。

インターネットへのアクセスは以下を実行するために必要です。

  • Red Hat OpenShift Cluster Manager ページにアクセスし、インストールプログラムをダウンロードし、サブスクリプション管理を実行します。クラスターにインターネットアクセスがあり、Telemetry を無効にしない場合、そのサービスは有効なサブスクリプションでクラスターを自動的に使用します。
  • クラスターのインストールに必要なパッケージを取得するために Quay.io にアクセスします。
  • クラスターの更新を実行するために必要なパッケージを取得します。
重要

クラスターでインターネットに直接アクセスできない場合、プロビジョニングする一部のタイプのインフラストラクチャーでネットワークが制限されたインストールを実行できます。このプロセスで、必要なコンテンツをダウンロードし、これを使用してミラーレジストリーにクラスターのインストールおよびインストールプログラムの生成に必要なパッケージを設定します。インストールタイプによっては、クラスターのインストール環境でインターネットアクセスが不要となる場合があります。クラスターを更新する前に、ミラーレジストリーのコンテンツを更新します。

1.6.5. SSH プライベートキーの生成およびエージェントへの追加

クラスターでインストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要がある場合、ssh-agent とインストールプログラムの両方に SSH キーを指定する必要があります。このキーを使用してパブリッククラスターのブートストラップマシンにアクセスし、インストールの問題をトラブルシューティングできます。

注記

実稼働環境では、障害復旧およびデバッグが必要です。

このキーを使用して、ユーザー core としてマスターノードに対して SSH を実行できます。クラスターをデプロイする際に、キーは core ユーザーの ~/.ssh/authorized_keys 一覧に追加されます。

注記

AWS キーペア などのプラットフォームに固有の方法で設定したキーではなく、ローカルキーを使用する必要があります。

手順

  1. パスワードなしの認証に設定されている SSH キーがコンピューター上にない場合は、これを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。

    $ ssh-keygen -t ed25519 -N '' \
        -f <path>/<file_name> 1
    1
    ~/.ssh/id_rsa などの、SSH キーのパスおよびファイル名を指定します。既存の SSH キーは上書きされるため、指定しないでください。

    このコマンドを実行すると、指定した場所にパスワードを必要としない SSH キーが生成されます。

  2. ssh-agent プロセスをバックグラウンドタスクとして開始します。

    $ eval "$(ssh-agent -s)"
    
    Agent pid 31874
  3. SSH プライベートキーを ssh-agent に追加します。

    $ ssh-add <path>/<file_name> 1
    
    Identity added: /home/<you>/<path>/<file_name> (<computer_name>)
    1
    ~/.ssh/id_rsa などの、SSH プライベートキーのパスおよびファイル名を指定します。

次のステップ

  • OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定します。

1.6.6. インストールプログラムの取得

OpenShift Container Platform をインストールする前に、インストールファイルをローカルコンピューターにダウンロードします。

前提条件

  • Linux または macOS を使用するコンピューターからクラスターをインストールする必要があります。
  • インストールプログラムをダウンロードするには、500 MB のローカルディスク領域が必要です。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページにアクセスします。Red Hat アカウントがある場合は、認証情報を使ってログインします。アカウントがない場合はこれを作成します。
  2. 選択するインストールタイプのページに移動し、オペレーティングシステムのインストールプログラムをダウンロードし、ファイルをインストール設定ファイルを保存するディレクトリーに配置します。

    重要

    インストールプログラムは、クラスターのインストールに使用するコンピューターにいくつかのファイルを作成します。クラスターインストールの完了後は、インストールプログラムおよびインストールプログラムが作成するファイルの両方を保持する必要があります。

    重要

    インストールプログラムで作成されたファイルを削除しても、クラスターがインストール時に失敗した場合でもクラスターは削除されません。特定のクラウドプロバイダー用に記載された OpenShift Container Platform のアンインストール手順を完了して、クラスターを完全に削除する必要があります。

  3. インストールプログラムを展開します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。

    $ tar xvf <installation_program>.tar.gz
  4. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Pull Secret ページから、インストールプルシークレットを .txt ファイルとしてダウンロードします。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する Quay.io など、組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。

1.6.7. インストール設定ファイルの手動作成

内部ネットワークからのみアクセスでき、インターネット上に表示されないプライベート OpenShift Container Platform クラスターのインストールの場合、インストール設定ファイルを手動で生成する必要があります。

前提条件

  • OpenShift Container Platform インストーラープログラムおよびクラスターのアクセストークンを取得します。

手順

  1. 必要なインストールアセットを保存するためのインストールディレクトリーを作成します。

    $ mkdir <installation_directory>
    重要

    ディレクトリーを作成する必要があります。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットの有効期限は短く設定されているため、インストールディレクトリーを再利用することができません。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。

  2. 以下の install-config.yaml ファイルテンプレートをカスタマイズし、これを <installation_directory> に保存します。

    注記

    この設定ファイル install-config.yaml に名前を付ける必要があります。

  3. install-config.yaml ファイルをバックアップし、複数のクラスターをインストールするのに使用できるようにします。

    重要

    install-config.yaml ファイルは、インストールプロセスの次の手順で使用されます。この時点でこれをバックアップする必要があります。

1.6.7.1. インストール設定パラメーター

OpenShift Container Platform クラスターをデプロイする前に、クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを記述し、クラスターのプラットフォームをオプションでカスタマイズするためにパラメーターの値を指定します。install-config.yaml インストール設定ファイルを作成する際に、コマンドラインで必要なパラメーターの値を指定します。クラスターをカスタマイズする場合、install-config.yaml ファイルを変更して、プラットフォームについての詳細情報を指定できます。

注記

インストール後は、install-config.yaml ファイルでこれらのパラメーターを変更することはできません。

表1.13 必須パラメーター

パラメーター説明

baseDomain

クラウドプロバイダーのベースドメイン。この値は、OpenShift Container Platform クラスターコンポーネントへのルートを作成するために使用されます。クラスターの完全な DNS 名は、baseDomain<metadata.name>.<baseDomain> 形式を使用する metadata.name パラメーターの値の組み合わせです。

example.com などの完全修飾ドメインまたはサブドメイン名。

controlPlane.platform

コントロールプレーンマシンをホストするためのクラウドプロバイダー。このパラメーターの値は compute.platform パラメーターの値に一致する必要があります。

awsazuregcpopenstack、または {}

compute.platform

ワーカーマシンをホストするためのクラウドプロバイダー。このパラメーターの値は controlPlane.platform パラメーターの値に一致する必要があります。

awsazuregcpopenstack、または {}

metadata.name

クラスターの名前。

dev などの大文字または小文字を含む文字列。

platform.<platform>.region

クラスターをデプロイするリージョン。

AWS の us-east-1 または Azure の centralus などの、クラウドの有効なリージョン。Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) はこのパラメーターを使用しません。

pullSecret

Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Pull Secret ページから取得したプルシークレット。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する、Quay.io などの組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。

{
   "auths":{
      "cloud.openshift.com":{
         "auth":"b3Blb=",
         "email":"you@example.com"
      },
      "quay.io":{
         "auth":"b3Blb=",
         "email":"you@example.com"
      }
   }
}

表1.14 オプションのパラメーター

パラメーター説明

sshKey

クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キー。

注記

インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

ssh-agent プロセスに追加した、有効なローカルのパブリック SSH キー。

FIPS

FIPS モードを有効または無効にするかどうか。デフォルトでは、FIPS モードは有効にされません。FIPS モードが有効にされている場合、OpenShift Container Platform が実行される Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンがデフォルトの Kubernetes 暗号スイートをバイパスし、代わりに RHCOS で提供される暗号モジュールを使用します。

false または true

publish

クラスターのユーザーに表示されるエンドポイントを公開する方法。

Internal または External。プライベートクラスターをデプロイするには、publishInternal に設定します。これはインターネットからアクセスできません。デフォルト値は External です。

compute.hyperthreading

コンピュートマシンで同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。

重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。

Enabled または Disabled

compute.replicas

プロビジョニングするコンピュートマシン (ワーカーマシンとしても知られる) の数。

2 以上の正の整数。デフォルト値は 3 です。

controlPlane.hyperthreading

コントロールプレーンマシンで同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。

重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。

Enabled または Disabled

controlPlane.replicas

プロビジョニングするコントロールプレーンマシンの数。

サポートされる値は 3 のみです (これはデフォルト値です)。

表1.15 追加の Azure パラメーター

パラメーター説明

machines.platform.azure.type

Azure VM インスタンスタイプ。

Windows または Linux をオペレーティングシステムとして使用する仮想マシン。Azure ドキュメントの Guest operating systems supported on Azure Stack Hub を参照してください。

machines.platform.azure.osDisk.diskSizeGB

VM の Azure ディスクのサイズ。

GB 単位でディスクのサイズ (例: 512) を表す整数。サポートされる最小のディスクサイズは 120 です。

platform.azure.baseDomainResourceGroupName

ベースドメインの DNS ゾーンが含まれるリソースグループの名前。

文字列 (例: production_cluster)。

platform.azure.region

クラスターをホストする Azure リージョンの名前。

有効なリージョン名。

platform.azure.zone

マシンを配置するアベイラビリティーゾーンの一覧。高可用性を確保するには、少なくとも 2 つのゾーンを指定します。

ゾーンの一覧 (例: ["1", "2", "3"])。

platform.azure.networkResourceGroupName

クラスターをデプロイする既存の VNet を含むリソースグループの名前。この名前は platform.azure.baseDomainResourceGroupName と同じにすることはできません。

文字列。

platform.azure.virtualNetwork

クラスターをデプロイする既存 VNet の名前。

文字列。

platform.azure.controlPlaneSubnet

コントロールプレーンマシンをデプロイする VNet 内の既存サブネットの名前。

有効な CIDR (例: 10.0.0.0/16)。

platform.azure.computeSubnet

コンピュートマシンをデプロイする VNet 内の既存サブネットの名前。

有効な CIDR (例: 10.0.0.0/16)。

注記

Azure クラスターで、Azure アベイラビリティーゾーン のカスタマイズや タグを使用した Azure リソースの編成 を実行することはできません。

1.6.7.2. Azure のカスタマイズされた install-config.yaml ファイルのサンプル

install-config.yaml ファイルをカスタマイズして、OpenShift Container Platform クラスターのプラットフォームについての詳細を指定するか、または必要なパラメーターの値を変更することができます。

重要

このサンプルの YAML ファイルは参照用にのみ提供されます。インストールプログラムを使用して install-config.yaml ファイルを取得し、これを変更する必要があります。

apiVersion: v1
baseDomain: example.com 1
controlPlane: 2
  hyperthreading: Enabled 3 4
  name: master
  platform:
    azure:
      osDisk:
        diskSizeGB: 1024 5
      type: Standard_D8s_v3
  replicas: 3
compute: 6
- hyperthreading: Enabled 7
  name: worker
  platform:
    azure:
      type: Standard_D2s_v3
      osDisk:
        diskSizeGB: 512 8
      zones: 9
      - "1"
      - "2"
      - "3"
  replicas: 5
metadata:
  name: test-cluster 10
networking:
  clusterNetwork:
  - cidr: 10.128.0.0/14
    hostPrefix: 23
  machineNetwork:
  - cidr: 10.0.0.0/16
  networkType: OpenShiftSDN
  serviceNetwork:
  - 172.30.0.0/16
platform:
  azure:
    region: centralus 11
    baseDomainResourceGroupName: resource_group 12
    networkResourceGroupName: vnet_resource_group 13
    virtualNetwork: vnet 14
    controlPlaneSubnet: control_plane_subnet 15
    computeSubnet: compute_subnet 16
pullSecret: '{"auths": ...}' 17
fips: false 18
sshKey: ssh-ed25519 AAAA... 19
publish: Internal 20
1 10 11 17
必須。インストールプログラムはこの値の入力を求めるプロンプトを出します。
2 6
これらのパラメーターおよび値を指定しない場合、インストールプログラムはデフォルトの値を指定します。
3 7
controlPlane セクションは単一マッピングですが、コンピュートセクションはマッピングのシーケンスになります。複数の異なるデータ構造の要件を満たすには、 compute セクションの最初の行はハイフン - で始め、controlPlane セクションの最初の行はハイフンで始めることができません。どちらのセクションも、現時点では単一のマシンプールを定義しますが、OpenShift Container Platform の今後のバージョンでは、インストール時の複数のコンピュートプールの定義をサポートする可能性があります。1 つのコントロールプレーンプールのみが使用されます。
4
同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。パラメーター値を Disabled に設定するとこれを無効にすることができます。一部のクラスターマシンで同時マルチスレッドを無効にする場合は、これをすべてのクラスターマシンで無効にする必要があります。
重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。同時マルチスレッドを無効にする場合は、マシンに対して Standard_D8s_v3 などの大規模な仮想マシンタイプを使用します。

5 8
使用するディスクのサイズは、GB 単位で指定できます。マスターノードの最小推奨値は 1024 GB です。
9
マシンをデプロイするゾーンの一覧を指定します。高可用性を確保するには、少なくとも 2 つのゾーンを指定します。
12
ベースドメインの DNS ゾーンが含まれるリソースグループの名前を指定します。
13
既存の VNet を使用する場合は、それが含まれるリソースグループの名前を指定します。
14
既存の VNet を使用する場合は、その名前を指定します。
15
既存の VNet を使用する場合は、コントロールプレーンマシンをホストするサブネットの名前を指定します。
16
既存の VNet を使用する場合は、コンピュートマシンをホストするサブネットの名前を指定します。
18
FIPS モードを有効または無効にするかどうか。デフォルトでは、FIPS モードは有効にされません。FIPS モードが有効にされている場合、OpenShift Container Platform が実行される Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンがデフォルトの Kubernetes 暗号スイートをバイパスし、代わりに RHCOS で提供される暗号モジュールを使用します。
19
クラスター内のマシンにアクセスするために使用する sshKey 値をオプションで指定できます。
注記

インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

20
クラスターのユーザーに表示されるエンドポイントをパブリッシュする方法。プライベートクラスターをデプロイするには、publishInternal に設定します。これはインターネットからアクセスできません。デフォルト値は External です。

1.6.7.3. インストール時のクラスター全体のプロキシーの設定

実稼働環境では、インターネットへの直接アクセスを拒否し、代わりに HTTP または HTTPS プロキシーを使用することができます。プロキシー設定を install-config.yaml ファイルで行うことにより、新規の OpenShift Container Platform クラスターをプロキシーを使用するように設定できます。

前提条件

  • 既存の install-config.yaml ファイルが必要です。
  • クラスターがアクセスする必要のあるサイトを確認し、プロキシーをバイパスする必要があるかどうかを判別します。デフォルトで、すべてのクラスター egress トラフィック (クラスターをホストするクラウドについてのクラウドプロバイダー API に対する呼び出しを含む) はプロキシーされます。Proxy オブジェクトの spec.noProxy フィールドにサイトを追加し、必要に応じてプロキシーをバイパスします。

    注記

    Proxy オブジェクトの status.noProxy フィールドには、インストール設定の networking.machineNetwork[].cidrnetworking.clusterNetwork[].cidr、および networking.serviceNetwork[] フィールドの値が設定されます。

    Amazon Web Services (AWS)、Google Cloud Platform (GCP)、Microsoft Azure、および Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) へのインストールの場合、Proxy オブジェクトの status.noProxy フィールドには、インスタンスメタデータのエンドポイント (169.254.169.254) も設定されます。

手順

  1. install-config.yaml ファイルを編集し、プロキシー設定を追加します。以下に例を示します。

    apiVersion: v1
    baseDomain: my.domain.com
    proxy:
      httpProxy: http://<username>:<pswd>@<ip>:<port> 1
      httpsProxy: http://<username>:<pswd>@<ip>:<port> 2
      noProxy: example.com 3
    additionalTrustBundle: | 4
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        <MY_TRUSTED_CA_CERT>
        -----END CERTIFICATE-----
    ...
    1
    クラスター外の HTTP 接続を作成するために使用するプロキシー URL。URL スキームは http である必要があります。追加のプロキシー設定が必要ではなく、追加の CA を必要とする MITM の透過的なプロキシーネットワークを使用する場合には、httpProxy 値を指定することはできません。
    2
    クラスター外で HTTPS 接続を作成するために使用するプロキシー URL。このフィールドが指定されていない場合、HTTP および HTTPS 接続の両方に httpProxy が使用されます。追加のプロキシー設定が必要ではなく、追加の CA を必要とする MITM の透過的なプロキシーネットワークを使用する場合には、httpsProxy 値を指定することはできません。
    3
    プロキシーを除外するための宛先ドメイン名、ドメイン、IP アドレス、または他のネットワーク CIDR のコンマ区切りの一覧。ドメインのすべてのサブドメインを組み込むために、ドメインの前に . を入力します。* を使用し、すべての宛先のプロキシーをバイパスします。
    4
    指定されている場合、インストールプログラムは HTTPS 接続のプロキシーに必要な 1 つ以上の追加の CA 証明書が含まれる user-ca-bundle という名前の設定マップを openshift-config namespace に生成します。次に Cluster Network Operator は、これらのコンテンツを Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) 信頼バンドルにマージする trusted-ca-bundle 設定マップを作成し、この設定マップは Proxy オブジェクトの trustedCA フィールドで参照されます。additionalTrustBundle フィールドは、プロキシーのアイデンティティー証明書が RHCOS 信頼バンドルからの認証局によって署名されない限り必要になります。追加のプロキシー設定が必要ではなく、追加の CA を必要とする MITM の透過的なプロキシーネットワークを使用する場合には、MITM CA 証明書を指定する必要があります。
    注記

    インストールプログラムは、プロキシーの readinessEndpoints フィールドをサポートしません。

  2. ファイルを保存し、OpenShift Container Platform のインストール時にこれを参照します。

インストールプログラムは、指定の install-config.yaml ファイルのプロキシー設定を使用する cluster という名前のクラスター全体のプロキシーを作成します。プロキシー設定が指定されていない場合、cluster Proxy オブジェクトが依然として作成されますが、これには spec がありません。

注記

cluster という名前の Proxy オブジェクトのみがサポートされ、追加のプロキシーを作成することはできません。

1.6.8. クラスターのデプロイ

互換性のあるクラウドプラットフォームに OpenShift Container Platform をインストールできます。

重要

インストールプログラムの create cluster コマンドは、初期インストール時に 1 回だけ実行できます。

前提条件

  • クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを設定します。
  • OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得します。

手順

  1. インストールプログラムを実行します。

    $ ./openshift-install create cluster --dir=<installation_directory> \ 1
        --log-level=info 2
    1
    <installation_directory> については、以下を指定します。
    2
    異なるインストールの詳細情報を表示するには、info ではなく、warndebug、または error を指定します。
    注記

    ホストに設定した AWS アカウントにクラスターをデプロイするための十分なパーミッションがない場合、インストールプログラムは停止し、不足しているパーミッションが表示されます。

    クラスターのデプロイメントが完了すると、Web コンソールへのリンクや kubeadmin ユーザーの認証情報を含む、クラスターにアクセスするための指示がターミナルに表示されます。

    重要

    インストールプログラムが生成する Ignition 設定ファイルには、24 時間が経過すると期限切れになり、その後に更新される証明書が含まれます。証明書を更新する前にクラスターが停止し、24 時間経過した後にクラスターを再起動すると、クラスターは期限切れの証明書を自動的に復元します。例外として、kubelet 証明書を回復するために保留状態の node-bootstrapper 証明書署名要求 (CSR) を手動で承認する必要があります。詳細は、コントロールプレーン証明書の期限切れの状態からのリカバリー についてのドキュメントを参照してください。

    重要

    インストールプログラム、またはインストールプログラムが作成するファイルを削除することはできません。これらはいずれもクラスターを削除するために必要になります。

1.6.9. バイナリーのダウンロードによる CLI のインストール

コマンドラインインターフェイスを使用して OpenShift Container Platform と対話するために CLI (oc) をインストールすることができます。oc は Linux、Windows、または macOS にインストールできます。

重要

以前のバージョンの oc をインストールしている場合、これを使用して OpenShift Container Platform 4.4 のすべてのコマンドを実行することはできません。新規バージョンの oc をダウンロードし、インストールします。

1.6.9.1. Linux への CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを Linux にインストールできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページに移動します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
  3. Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの Linux を選択し、Download command-line tools をクリックします。
  4. アーカイブを展開します。

    $ tar xvzf <file>
  5. oc バイナリーを、PATH にあるディレクトリーに配置します。

    PATH を確認するには、以下のコマンドを実行します。

    $ echo $PATH

CLI のインストール後は、oc コマンドを使用して利用できます。

$ oc <command>

1.6.9.2. Windows での CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを Windows にインストールできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページに移動します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
  3. Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの Windows を選択し、Download command-line tools をクリックします。
  4. ZIP プログラムでアーカイブを解凍します。
  5. oc バイナリーを、PATH にあるディレクトリーに移動します。

    PATH を確認するには、コマンドプロンプトを開いて以下のコマンドを実行します。

    C:\> path

CLI のインストール後は、oc コマンドを使用して利用できます。

C:\> oc <command>

1.6.9.3. macOS への CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを macOS にインストールできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページに移動します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
  3. Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの MacOS を選択し、Download command-line tools をクリックします。
  4. アーカイブを展開し、解凍します。
  5. oc バイナリーをパスにあるディレクトリーに移動します。

    PATH を確認するには、ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。

    $ echo $PATH

CLI のインストール後は、oc コマンドを使用して利用できます。

$ oc <command>

1.6.10. クラスターへのログイン

クラスター kubeconfig ファイルをエクスポートし、デフォルトシステムユーザーとしてクラスターにログインできます。kubeconfig ファイルには、クライアントを正しいクラスターおよび API サーバーに接続するために CLI で使用されるクラスターについての情報が含まれます。このファイルはクラスターに固有のファイルであり、OpenShift Container Platform のインストール時に作成されます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform クラスターをデプロイします。
  • oc CLI をインストールします。

手順

  1. kubeadmin 認証情報をエクスポートします。

    $ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig 1
    1
    <installation_directory> には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
  2. エクスポートされた設定を使用して、oc コマンドを正常に実行できることを確認します。

    $ oc whoami
    system:admin

1.6.11. 次のステップ

1.7. ARM テンプレートを使用したクラスターの Azure へのインストール

OpenShift Container Platform バージョン 4.4 では、独自にプロビジョニングするインフラストラクチャーを使用して、クラスターを Microsoft Azure にインストールできます。

これらの手順を実行するか、独自の手順を作成するのに役立つ複数の Azure Resource Manager (ARM) テンプレートが提供されます。他の方法を使用して必要なリソースを作成することもできます。これらのテンプレートはサンプルとしてのみ提供されます。

1.7.1. 前提条件

  • OpenShift Container Platform のインストールおよび更新 プロセスについての詳細を確認します。
  • Azure アカウントを設定 してクラスターをホストします。
  • AzureS CLI をダウンロードし、これをコンピューターにインストールします。Azure ドキュメントの Install the Azure CLI を参照してください。以下のドキュメントについては、直近で Azure CLI のバージョン 2.2.0 を使用してテストされていますAzure CLI コマンドは、使用するバージョンによって動作が異なる場合があります。
  • ファイアウォールを使用し、Telemetry を使用する予定がある場合は、クラスターがアクセスする必要のある サイトを許可するようにファイアウォールを設定 する必要があります。
  • システムが IAM(アイデンティティーおよびアクセス管理) を管理できない場合、クラスター管理者は IAM 認証情報を手動で作成し、維持 できます。手動モードは、クラウド IAM API に到達できない環境でも使用できます。

    注記

    プロキシーを設定する場合は、このサイト一覧も確認してください。

1.7.2. OpenShift Container Platform のインターネットアクセスおよび Telemetry アクセス

OpenShift Container Platform 4.4 では、クラスターをインストールするためにインターネットアクセスが必要になります。クラスターの健全性および正常に実行された更新についてのメトリクスを提供するためにデフォルトで実行される Telemetry サービスにもインターネットアクセスが必要です。クラスターがインターネットに接続されている場合、Telemetry は自動的に実行され、クラスターは Red Hat OpenShift Cluster Manager (OCM) に登録されます。

Red Hat OpenShift Cluster Manager インベントリーが Telemetry によって自動的に維持されるか、または OCM を手動で使用しているかのいずれによって正常であることを確認した後に、subscription watch を使用して、アカウントまたはマルチクラスターレベルで OpenShift Container Platform サブスクリプションを追跡します。

インターネットへのアクセスは以下を実行するために必要です。

  • Red Hat OpenShift Cluster Manager ページにアクセスし、インストールプログラムをダウンロードし、サブスクリプション管理を実行します。クラスターにインターネットアクセスがあり、Telemetry を無効にしない場合、そのサービスは有効なサブスクリプションでクラスターを自動的に使用します。
  • クラスターのインストールに必要なパッケージを取得するために Quay.io にアクセスします。
  • クラスターの更新を実行するために必要なパッケージを取得します。
重要

クラスターでインターネットに直接アクセスできない場合、プロビジョニングする一部のタイプのインフラストラクチャーでネットワークが制限されたインストールを実行できます。このプロセスで、必要なコンテンツをダウンロードし、これを使用してミラーレジストリーにクラスターのインストールおよびインストールプログラムの生成に必要なパッケージを設定します。インストールタイプによっては、クラスターのインストール環境でインターネットアクセスが不要となる場合があります。クラスターを更新する前に、ミラーレジストリーのコンテンツを更新します。

1.7.3. Azure プロジェクトの設定

OpenShift Container Platform をインストールする前に、これをホストするために Azure プロジェクトを設定する必要があります。

重要

パブリックエンドポイントで利用可能なすべての Azure リソースはリソース名の制限を受けるため、特定の用語を使用するリソースを作成することはできません。Azure が制限する語の一覧は、Azure ドキュメントの Resolve reserved resource name errors を参照してください。

1.7.3.1. Azure アカウントの制限

OpenShift Container Platform クラスターは数多くの Microsoft Azure コンポーネントを使用し、デフォルトの Azure サブスクリプションおよびサービス制限、クォータ、および制約 は、OpenShift Container Platform クラスターをインストールする機能に影響を与えます。

重要

デフォルトの制限は、Free Trial や Pay-As-You-Go、および DV2、F、および G などのシリーズといったカテゴリータイプによって異なります。たとえば、Enterprise Agreement サブスクリプションのデフォルトは 350 コアです。

サブスクリプションタイプの制限を確認し、必要に応じて、デフォルトのクラスターを Azure にインストールする前にアカウントのクォータ制限を引き上げます。

以下の表は、OpenShift Container Platform クラスターのインストールおよび実行機能に影響を与える可能性のある Azure コンポーネントの制限を要約しています。

コンポーネントデフォルトで必要なコンポーネントの数デフォルトの Azure 制限説明

vCPU

40

リージョンごとに 20

デフォルトのクラスターには 40 の vCPU が必要であるため、アカウントの上限を引き上げる必要があります。

デフォルトで、各クラスターは以下のインスタンスを作成します。

  • 1 つのブートストラップマシン。これはインストール後に削除されます。
  • 3 つのコントロールプレーンマシン
  • 3 つのコンピュートマシン

ブートストラップマシンは 4 vCPUS を使用する Standard_D4s_v3 マシンを使用し、コントロールプレーンマシンは 8 vCPU を使用する Standard_D8s_v3 仮想マシンを使用し、さらにワーカーマシンは、4 vCPU を使用する Standard_D4s_v3 仮想マシンを使用するため、デフォルトクラスターには 40 の vCPU が必要になります。4 vCPU を使用するブートストラップノードの仮想マシンは、インストール時にのみ使用されます。

追加のワーカーノードをデプロイし、自動スケーリングを有効にし、大規模なワークロードをデプロイするか、または異なるインスタンスタイプを使用するには、アカウントの vCPU 制限をさらに引き上げ、クラスターが必要なマシンをデプロイできるようにする必要があります。

デフォルトで、インストールプログラムはコントロールプレーンおよびコンピュートマシンを、リージョン 内の すべてのアベイラビリティーゾーン に分散します。クラスターの高可用性を確保するには、少なくとも 3 つ以上のアベイラビリティーゾーンのあるリージョンを選択します。リージョンに含まれるアベイラビリティーゾーンが 3 つ未満の場合、インストールプログラムは複数のコントロールプレーンマシンを利用可能なゾーンに配置します。

VNet

1

リージョンごとに 1000

各デフォルトクラスターには、2 つのサブネットを含む 1 つの Virtual Network (VNet) が必要です。

ネットワークインターフェイス

6

リージョンごとに 65,536

各デフォルトクラスターには、6 つのネットワークインターフェイスが必要です。さらに多くのマシンを作成したり、デプロイしたワークロードでロードバランサーを作成する場合、クラスターは追加のネットワークインターフェイスを使用します。

ネットワークセキュリティーグループ

2

5000

各デフォルトクラスター。各クラスターは VNet の各サブネットにネットワークセキュリティーグループを作成します。デフォルトのクラスターは、コントロールプレーンおよびコンピュートノードのサブネットにネットワークセキュリティーグループを作成します。

controlplane

任意の場所からコントロールプレーンマシンにポート 6443 でアクセスできるようにします。

node

インターネットからワーカーノードにポート 80 および 443 でアクセスできるようにします。

ネットワークロードバランサー

3

リージョンごとに 1000

各クラスターは以下の ロードバランサー を作成します。

default

ワーカーマシン間でポート 80 および 443 での要求の負荷分散を行うパブリック IP アドレス

internal

コントロールプレーンマシン間でポート 6443 および 22623 での要求の負荷分散を行うプライベート IP アドレス

external

コントロールプレーンマシン間でポート 6443 での要求の負荷分散を行うパブリック IP アドレス

アプリケーションが追加の Kubernetes LoadBalancer サービスオブジェクトを作成すると、クラスターは追加のロードバランサーを使用します。

パブリック IP アドレス

3

 

2 つのパブリックロードバランサーのそれぞれはパブリック IP アドレスを使用します。ブートストラップマシンは、インストール時のトラブルシューティングのためにマシンに SSH を実行できるようにパブリック IP アドレスも使用します。ブートストラップノードの IP アドレスは、インストール時にのみ使用されます。

プライベート IP アドレス

7

 

内部ロードバランサー、3 つのコントロールプレーンマシンのそれぞれ、および 3 つのワーカーマシンのそれぞれはプライベート IP アドレスを使用します。

1.7.3.2. Azure でのパブリック DNS ゾーンの設定

OpenShift Container Platform をインストールするには、使用する Microsoft Azure アカウントに、専用のパブリックホスト DNS ゾーンが必要になります。このゾーンはドメインに対する権威を持っている必要があります。このサービスは、クラスターへの外部接続のためのクラスター DNS 解決および名前検索を提供します。

手順

  1. ドメイン、またはサブドメイン、およびレジストラーを特定します。既存のドメインおよびレジストラーを移行するか、Azure または別のソースから新規のものを取得できます。

    注記

    Azure 経由でドメインを購入する方法についての詳細は、Azure ドキュメントの Buy a custom domain name for Azure App Service を参照してください。

  2. 既存のドメインおよびレジストラーを使用している場合、その DNS を Azure に移行します。Azure ドキュメントの Migrate an active DNS name to Azure App Service を参照してください。
  3. ドメインの DNS を設定します。Azure ドキュメントの Tutorial: Host your domain in Azure DNS の手順に従い、ドメインまたはサブドメインのパブリックホストゾーンを作成し、 新規の権威ネームサーバーを抽出し、ドメインが使用するネームサーバーのレジストラーレコードを更新します。

    openshiftcorp.com などのルートドメインや、 clusters.openshiftcorp.com などのサブドメインを使用します。

  4. サブドメインを使用する場合は、所属する会社の手順に従ってその委任レコードを親ドメインに追加します。

この DNS ゾーンの作成例 を参照し、Azure の DNS ソリューションを確認することができます。

1.7.3.3. Azure アカウント制限の拡張

アカウントの制限を引き上げるには、Azure ポータルでサポートをリクエストします。

注記

サポートリクエストごとに 1 つの種類のクォータのみを増やすことができます。

手順

  1. Azure ポータルの左端で Help + support をクリックします。
  2. New support request をクリックしてから必要な値を選択します。

    1. Issue type 一覧から、Service and subscription limits (quotas) を選択します。
    2. Subscription 一覧から、変更するサブスクリプションを選択します。
    3. Quota type 一覧から、引き上げるクォータを選択します。たとえば、Compute-VM (cores-vCPUs) subscription limit increases を選択し、クラスターのインストールに必要な vCPU の数を増やします。
    4. Next: Solutions をクリックします。
  3. Problem Detailsページで、クォータの引き上げについての必要な情報を指定します。

    1. Provide detailsをクリックし、Quota detailsウィンドウに必要な詳細情報を指定します。
    2. SUPPORT METHOD and CONTACT INFO セクションに、問題の重大度および問い合わせ先の詳細を指定します。
  4. Next: Review + create をクリックしてから Create をクリックします。

1.7.3.4. 証明書署名要求の管理

ユーザーがプロビジョニングするインフラストラクチャーを使用する場合、クラスターの自動マシン管理へのアクセスは制限されるため、インストール後にクラスターの証明書署名要求 (CSR) のメカニズムを提供する必要があります。kube-controller-manager は kubelet クライアント CSR のみを承認します。machine-approver は、kubelet 認証情報を使用して要求される提供証明書の有効性を保証できません。適切なマシンがこの要求を発行したかどうかを確認できないためです。kubelet 提供証明書の要求の有効性を検証し、それらを承認する方法を判別し、実装する必要があります。

1.7.3.5. 必要な Azure ロール

Microsoft Azure アカウントには、使用するサブスクリプションについて以下のロールが必要です。

  • User Access Administrator

Azure ポータルでロールを設定するには、Azure ドキュメントの Manage access to Azure resources using RBAC and the Azure portal を参照します。

1.7.3.6. サービスプリンシパルの作成

OpenShift Container Platform およびそのインストールプログラムは Azure Resource Manager 経由で Microsoft Azure リソースを作成する必要があるため、これを表すサービスプリンシパルを作成する必要があります。

前提条件

  • Azure CLI のインストールまたは更新を実行します。
  • jq パッケージをインストールします。
  • Azure アカウントには、使用するサブスクリプションに必要なロールがなければなりません。

手順

  1. Azure CLI にログインします。

    $ az login

    認証情報を使用して Web コンソールで Azure にログインします。

  2. Azure アカウントでサブスクリプションを使用している場合は、適切なサブスクリプションを使用していることを確認してください。

    1. 利用可能なアカウントの一覧を表示し、クラスターに使用するサブスクリプションの tenantId の値を記録します。

      $ az account list --refresh
      [
        {
          "cloudName": "AzureCloud",
          "id": "9bab1460-96d5-40b3-a78e-17b15e978a80",
          "isDefault": true,
          "name": "Subscription Name",
          "state": "Enabled",
          "tenantId": "6057c7e9-b3ae-489d-a54e-de3f6bf6a8ee",
          "user": {
            "name": "you@example.com",
            "type": "user"
          }
        }
      ]
    2. アクティブなアカウントの詳細を表示し、tenantId 値が使用するサブスクリプションと一致することを確認します。

      $ az account show
      {
        "environmentName": "AzureCloud",
        "id": "9bab1460-96d5-40b3-a78e-17b15e978a80",
        "isDefault": true,
        "name": "Subscription Name",
        "state": "Enabled",
        "tenantId": "6057c7e9-b3ae-489d-a54e-de3f6bf6a8ee", 1
        "user": {
          "name": "you@example.com",
          "type": "user"
        }
      }
      1
      tenantId パラメーターの値が適切なサブスクリプションの UUID であることを確認します。
    3. 適切なサブスクリプションを使用していない場合には、アクティブなサブスクリプションを変更します。

      $ az account set -s <id> 1
      1
      使用する必要のあるサブスクリプションの id の値を <id> の代わりに使用します。
    4. アクティブなサブスクリプションを変更したら、アカウント情報を再度表示します。

      $ az account show
      
      {
        "environmentName": "AzureCloud",
        "id": "33212d16-bdf6-45cb-b038-f6565b61edda",
        "isDefault": true,
        "name": "Subscription Name",
        "state": "Enabled",
        "tenantId": "8049c7e9-c3de-762d-a54e-dc3f6be6a7ee",
        "user": {
          "name": "you@example.com",
          "type": "user"
        }
      }
  3. 直前の出力の tenantId および id パラメーターの値を記録します。OpenShift Container Platform のインストール時にこれらの値が必要になります。
  4. アカウントのサービスプリンシパルを作成します。

    $ az ad sp create-for-rbac --role Contributor --name <service_principal> 1
    Changing "<service_principal>" to a valid URI of "http://<service_principal>", which is the required format used for service principal names
    Retrying role assignment creation: 1/36
    Retrying role assignment creation: 2/36
    Retrying role assignment creation: 3/36
    Retrying role assignment creation: 4/36
    {
      "appId": "8bd0d04d-0ac2-43a8-928d-705c598c6956",
      "displayName": "<service_principal>",
      "name": "http://<service_principal>",
      "password": "ac461d78-bf4b-4387-ad16-7e32e328aec6",
      "tenant": "6048c7e9-b2ad-488d-a54e-dc3f6be6a7ee"
    }
    1
    <service_principal> を、サービスプリンシパルに割り当てる名前に置き換えます。
  5. 直前の出力の appId および password パラメーターの値を記録します。OpenShift Container Platform のインストール時にこれらの値が必要になります。
  6. サービスプリンシパルに追加パーミッションを付与します。サービスプリンシパルには、クラスターでそのコンポーネントの認証情報を割り当てられるようにレガシーの Azure Active Directory Graph → Application.ReadWrite.OwnedBy パーミッションおよび User Access Administrator ロールが必要です。

    1. User Access Administrator ロールを割り当てるには、以下のコマンドを実行します。

      $ az role assignment create --role "User Access Administrator" \
          --assignee-object-id $(az ad sp list --filter "appId eq '<appId>'" \ 1
             | jq '.[0].objectId' -r)
      1
      <appId> を、サービスプリンシパルの appId パラメーター値に置き換えます。
    2. Azure Active Directory Graph パーミッションを割り当てるには、以下のコマンドを実行します。

      $ az ad app permission add --id <appId> \ 1
           --api 00000002-0000-0000-c000-000000000000 \
           --api-permissions 824c81eb-e3f8-4ee6-8f6d-de7f50d565b7=Role
      
           Invoking "az ad app permission grant --id 46d33abc-b8a3-46d8-8c84-f0fd58177435 --api 00000002-0000-0000-c000-000000000000" is needed to make the change effective
      1
      <appId> を、サービスプリンシパルの appId パラメーター値に置き換えます。

      このコマンドで付与する特定のパーミッションについての詳細は、GUID Table for Windows Azure Active Directory Permissions を参照してください。

    3. パーミッション要求を承認します。アカウントに Azure Active Directory テナント管理者ロールがない場合は、所属する組織のガイドラインに従い、テナント管理者にパーミッション要求を承認するようにリクエストしてください。

      $ az ad app permission grant --id <appId> \ 1
           --api 00000002-0000-0000-c000-000000000000
      1
      <appId> を、サービスプリンシパルの appId パラメーター値に置き換えます。

1.7.3.7. サポート対象の Azure リージョン

インストールプログラムは、サブスクリプションに基づいて利用可能な Microsoft Azure リージョンの一覧を動的に生成します。以下の Azure リージョンは OpenShift Container Platform バージョン 4.4.0 でテストされ、検証されています。

  • australiacentral (Australia Central)
  • australiaeast (Australia East)
  • australiasoutheast (Australia South East)
  • brazilsouth (Brazil South)
  • canadacentral (Canada Central)
  • canadaeast (Canada East)
  • centralindia (Central India)
  • centralus (Central US)
  • eastasia (East Asia)
  • eastus (East US)
  • eastus2 (East US 2)
  • francecentral (France Central)
  • germanywestcentral (Germany West Central)
  • japaneast (Japan East)
  • japanwest (Japan West)
  • koreacentral (Korea Central)
  • koreasouth (Korea South)
  • northcentralus (North Central US)
  • northeurope (North Europe)
  • southafricanorth (South Africa North)
  • southcentralus (South Central US)
  • southeastasia (Southeast Asia)
  • southindia (South India)
  • switzerlandnorth (Switzerland North)
  • uaenorth (UAE North)
  • uksouth (UK South)
  • ukwest (UK West)
  • westcentralus (West Central US)
  • westeurope (West Europe)
  • westindia (West India)
  • westus (West US)
  • westus2 (West US 2)

1.7.4. インストールプログラムの取得

OpenShift Container Platform をインストールする前に、インストールファイルをローカルコンピューターにダウンロードします。

前提条件

  • Linux または macOS を使用するコンピューターからクラスターをインストールする必要があります。
  • インストールプログラムをダウンロードするには、500 MB のローカルディスク領域が必要です。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページにアクセスします。Red Hat アカウントがある場合は、認証情報を使ってログインします。アカウントがない場合はこれを作成します。
  2. 選択するインストールタイプのページに移動し、オペレーティングシステムのインストールプログラムをダウンロードし、ファイルをインストール設定ファイルを保存するディレクトリーに配置します。

    重要

    インストールプログラムは、クラスターのインストールに使用するコンピューターにいくつかのファイルを作成します。クラスターインストールの完了後は、インストールプログラムおよびインストールプログラムが作成するファイルの両方を保持する必要があります。

    重要

    インストールプログラムで作成されたファイルを削除しても、クラスターがインストール時に失敗した場合でもクラスターは削除されません。特定のクラウドプロバイダー用に記載された OpenShift Container Platform のアンインストール手順を完了して、クラスターを完全に削除する必要があります。

  3. インストールプログラムを展開します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。

    $ tar xvf <installation_program>.tar.gz
  4. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Pull Secret ページから、インストールプルシークレットを .txt ファイルとしてダウンロードします。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する Quay.io など、組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。

1.7.5. SSH プライベートキーの生成およびエージェントへの追加

クラスターでインストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要がある場合、ssh-agent とインストールプログラムの両方に SSH キーを指定する必要があります。このキーを使用してパブリッククラスターのブートストラップマシンにアクセスし、インストールの問題をトラブルシューティングできます。

注記

実稼働環境では、障害復旧およびデバッグが必要です。

このキーを使用して、ユーザー core としてマスターノードに対して SSH を実行できます。クラスターをデプロイする際に、キーは core ユーザーの ~/.ssh/authorized_keys 一覧に追加されます。

注記

AWS キーペア などのプラットフォームに固有の方法で設定したキーではなく、ローカルキーを使用する必要があります。

手順

  1. パスワードなしの認証に設定されている SSH キーがコンピューター上にない場合は、これを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。

    $ ssh-keygen -t ed25519 -N '' \
        -f <path>/<file_name> 1
    1
    ~/.ssh/id_rsa などの、SSH キーのパスおよびファイル名を指定します。既存の SSH キーは上書きされるため、指定しないでください。

    このコマンドを実行すると、指定した場所にパスワードを必要としない SSH キーが生成されます。

  2. ssh-agent プロセスをバックグラウンドタスクとして開始します。

    $ eval "$(ssh-agent -s)"
    
    Agent pid 31874
  3. SSH プライベートキーを ssh-agent に追加します。

    $ ssh-add <path>/<file_name> 1
    
    Identity added: /home/<you>/<path>/<file_name> (<computer_name>)
    1
    ~/.ssh/id_rsa などの、SSH プライベートキーのパスおよびファイル名を指定します。

次のステップ

  • OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定します。クラスターを独自にプロビジョニングするインフラストラクチャーにインストールする場合は、このキーをクラスターのマシンに指定する必要があります。

1.7.6. AWS のインストールファイルの作成

ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャー を使用して OpenShift Container Platform を Microsoft Azure にインストールするには、インストールプログラムがクラスターをデプロイするために必要なファイルを生成し、クラスターが使用するマシンのみを作成するようにそれらのファイルを変更する必要があります。install-config.yaml ファイル、Kubernetes マニフェスト、および Ignition 設定ファイルを生成し、カスタマイズします。

1.7.6.1. インストール設定ファイルの作成

Microsoft Azure にインストールする OpenShift Container Platform クラスターをカスタマイズできます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得します。

手順

  1. install-config.yaml ファイルを作成します。

    1. 以下のコマンドを実行します。

      $ ./openshift-install create install-config --dir=<installation_directory> 1
      1
      <installation_directory> の場合、インストールプログラムが作成するファイルを保存するためにディレクトリー名を指定します。
      重要

      空のディレクトリーを指定します。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットの有効期限は短く設定されているため、インストールディレクトリーを再利用することができません。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。

    2. プロンプト時に、クラウドの設定の詳細情報を指定します。

      1. オプション: クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キーを選択します。

        注記

        インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

      2. ターゲットに設定するプラットフォームとして azure を選択します。
      3. お使いのコンピューターに Microsoft Azure プロファイルが保存されていない場合は、サブスクリプションとサービスプリンシパルに以下の Azure パラメーター値を指定します。

        • azure subscription id: クラスターに使用するサブスクリプション ID。アカウント出力に id 値を指定します。
        • azure tenant id: テナント ID。アカウント出力に tenantId 値を指定します。
        • azure service principal client id: サービスプリンシパルの appId パラメーターの値。
        • azure service principal client secret: サービスプリンシパルの password パラメーターの値。
      4. クラスターをデプロイするリージョンを選択します。
      5. クラスターをデプロイするベースドメインを選択します。ベースドメインは、クラスターに作成した Azure DNS ゾーンに対応します。
      6. クラスターの記述名を入力します。

        重要

        パブリックエンドポイントで利用可能なすべての Azure リソースはリソース名の制限を受けるため、特定の用語を使用するリソースを作成することはできません。Azure が制限する語の一覧は、Azure ドキュメントの Resolve reserved resource name errors を参照してください。

      7. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Pull Secret ページから取得したプルシークレットを貼り付けます。
  2. install-config.yaml ファイルを変更します。利用可能なパラメーターの詳細については、インストール設定パラメーターセクションを参照してください。
  3. install-config.yaml ファイルをバックアップし、複数のクラスターをインストールするのに使用できるようにします。

    重要

    install-config.yaml ファイルはインストールプロセス時に使用されます。このファイルを再利用する必要がある場合は、この段階でこれをバックアップしてください。

1.7.6.2. インストール時のクラスター全体のプロキシーの設定

実稼働環境では、インターネットへの直接アクセスを拒否し、代わりに HTTP または HTTPS プロキシーを使用することができます。プロキシー設定を install-config.yaml ファイルで行うことにより、新規の OpenShift Container Platform クラスターをプロキシーを使用するように設定できます。

前提条件

  • 既存の install-config.yaml ファイルが必要です。
  • クラスターがアクセスする必要のあるサイトを確認し、プロキシーをバイパスする必要があるかどうかを判別します。デフォルトで、すべてのクラスター egress トラフィック (クラスターをホストするクラウドについてのクラウドプロバイダー API に対する呼び出しを含む) はプロキシーされます。Proxy オブジェクトの spec.noProxy フィールドにサイトを追加し、必要に応じてプロキシーをバイパスします。

    注記

    Proxy オブジェクトの status.noProxy フィールドには、インストール設定の networking.machineNetwork[].cidrnetworking.clusterNetwork[].cidr、および networking.serviceNetwork[] フィールドの値が設定されます。

    Amazon Web Services (AWS)、Google Cloud Platform (GCP)、Microsoft Azure、および Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) へのインストールの場合、Proxy オブジェクトの status.noProxy フィールドには、インスタンスメタデータのエンドポイント (169.254.169.254) も設定されます。

手順

  1. install-config.yaml ファイルを編集し、プロキシー設定を追加します。以下に例を示します。

    apiVersion: v1
    baseDomain: my.domain.com
    proxy:
      httpProxy: http://<username>:<pswd>@<ip>:<port> 1
      httpsProxy: http://<username>:<pswd>@<ip>:<port> 2
      noProxy: example.com 3
    additionalTrustBundle: | 4
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        <MY_TRUSTED_CA_CERT>
        -----END CERTIFICATE-----
    ...
    1
    クラスター外の HTTP 接続を作成するために使用するプロキシー URL。URL スキームは http である必要があります。追加のプロキシー設定が必要ではなく、追加の CA を必要とする MITM の透過的なプロキシーネットワークを使用する場合には、httpProxy 値を指定することはできません。
    2
    クラスター外で HTTPS 接続を作成するために使用するプロキシー URL。このフィールドが指定されていない場合、HTTP および HTTPS 接続の両方に httpProxy が使用されます。追加のプロキシー設定が必要ではなく、追加の CA を必要とする MITM の透過的なプロキシーネットワークを使用する場合には、httpsProxy 値を指定することはできません。
    3
    プロキシーを除外するための宛先ドメイン名、ドメイン、IP アドレス、または他のネットワーク CIDR のコンマ区切りの一覧。ドメインのすべてのサブドメインを組み込むために、ドメインの前に . を入力します。* を使用し、すべての宛先のプロキシーをバイパスします。
    4
    指定されている場合、インストールプログラムは HTTPS 接続のプロキシーに必要な 1 つ以上の追加の CA 証明書が含まれる user-ca-bundle という名前の設定マップを openshift-config namespace に生成します。次に Cluster Network Operator は、これらのコンテンツを Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) 信頼バンドルにマージする trusted-ca-bundle 設定マップを作成し、この設定マップは Proxy オブジェクトの trustedCA フィールドで参照されます。additionalTrustBundle フィールドは、プロキシーのアイデンティティー証明書が RHCOS 信頼バンドルからの認証局によって署名されない限り必要になります。追加のプロキシー設定が必要ではなく、追加の CA を必要とする MITM の透過的なプロキシーネットワークを使用する場合には、MITM CA 証明書を指定する必要があります。
    注記

    インストールプログラムは、プロキシーの readinessEndpoints フィールドをサポートしません。

  2. ファイルを保存し、OpenShift Container Platform のインストール時にこれを参照します。

インストールプログラムは、指定の install-config.yaml ファイルのプロキシー設定を使用する cluster という名前のクラスター全体のプロキシーを作成します。プロキシー設定が指定されていない場合、cluster Proxy オブジェクトが依然として作成されますが、これには spec がありません。

注記

cluster という名前の Proxy オブジェクトのみがサポートされ、追加のプロキシーを作成することはできません。

1.7.6.3. ARM テンプレートの一般的な変数のエクスポート

ユーザーによって提供されるインフラストラクチャーのインストールを Microsoft Azure で実行するのに役立つ指定の Azure Resource Manager (ARM) テンプレートで使用される一般的な変数のセットをエクスポートする必要があります。

注記

特定の ARM テンプレートには、追加のエクスポートされる変数が必要になる場合があります。これについては、関連する手順で詳しく説明されています。

前提条件

  • OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得します。

手順

  1. 提供される ARM テンプレートで使用される install-config.yaml にある一般的な変数をエクスポートします。

    $ export CLUSTER_NAME=<cluster_name>1
    $ export AZURE_REGION=<azure_region>2
    $ export SSH_KEY=<ssh_key>3
    $ export BASE_DOMAIN=<base_domain>4
    $ export BASE_DOMAIN_RESOURCE_GROUP=<base_domain_resource_group>5
    1
    install-config.yaml ファイルからの .metadata.name 属性の値。
    2
    クラスターをデプロイするリージョン (例: centralus)。これは、install-config.yaml ファイルからの .platform.azure.region 属性の値です。
    3
    文字列としての SSH RSA 公開鍵ファイル。SSH キーは、スペースが含まれているために引用符で囲む必要があります。これは、install-config.yaml ファイルからの .sshKey 属性の値です。
    4
    クラスターをデプロイするベースドメイン。ベースドメインは、クラスターに作成したパブリック DNS ゾーンに対応します。これは、install-config.yaml からの .baseDomain 属性の値です。
    5
    パブリック DNS ゾーンが存在するリソースグループ。これは、install-config.yaml ファイルからの .platform.azure.baseDomainResourceGroupName 属性の値です。

    以下に例を示します。

    $ export CLUSTER_NAME=test-cluster
    $ export AZURE_REGION=centralus
    $ export SSH_KEY="ssh-rsa xxx/xxx/xxx= user@email.com"
    $ export BASE_DOMAIN=example.com
    $ export BASE_DOMAIN_RESOURCE_GROUP=ocp-cluster
  2. kubeadmin 認証情報をエクスポートします。

    $ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig 1
    1
    <installation_directory> には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。

1.7.6.4. Kubernetes マニフェストおよび Ignition 設定ファイルの作成

一部のクラスター定義ファイルを変更し、クラスターマシンを手動で起動する必要があるため、クラスターがマシンを作成するために必要な Kubernetes マニフェストと Ignition 設定ファイルを生成する必要があります。

重要

インストールプログラムが生成する Ignition 設定ファイルには、24 時間が経過すると期限切れになり、その後に更新される証明書が含まれます。証明書を更新する前にクラスターが停止し、24 時間経過した後にクラスターを再起動すると、クラスターは期限切れの証明書を自動的に復元します。例外として、kubelet 証明書を回復するために保留状態の node-bootstrapper 証明書署名要求 (CSR) を手動で承認する必要があります。詳細は、コントロールプレーン証明書の期限切れの状態からのリカバリー についてのドキュメントを参照してください。

前提条件

  • OpenShift Container Platform インストールプログラムを取得します。
  • install-config.yaml インストール設定ファイルを作成します。

手順

  1. クラスターの Kubernetes マニフェストを生成します。

    $ ./openshift-install create manifests --dir=<installation_directory> 1
    
    INFO Consuming Install Config from target directory
    WARNING Making control-plane schedulable by setting MastersSchedulable to true for Scheduler cluster settings
    1
    <installation_directory> については、作成した install-config.yaml ファイルが含まれるインストールディレクトリーを指定します。

    インストールプロセスの後の部分で独自のコンピュートマシンを作成するため、この警告を無視しても問題がありません。

  2. コントロールプレーンマシンを定義する Kubernetes マニフェストファイルを削除します。

    $ rm -f <installation_directory>/openshift/99_openshift-cluster-api_master-machines-*.yaml

    これらのファイルを削除することで、クラスターがコントロールプレーンマシンを自動的に生成するのを防ぐことができます。

  3. ワーカーマシンを定義する Kubernetes マニフェストファイルを削除します。

    $ rm -f <installation_directory>/openshift/99_openshift-cluster-api_worker-machineset-*.yaml

    ワーカーマシンは独自に作成し、管理するため、これらのマシンを初期化する必要はありません。

  4. <installation_directory>/manifests/cluster-scheduler-02-config.yml Kubernetes マニフェストファイルを変更し、Pod がコントロールプレーンマシンにスケジュールされないようにします。

    1. <installation_directory>/manifests/cluster-scheduler-02-config.yml ファイルを開きます。
    2. mastersSchedulable パラメーターを見つけ、その値を False に設定します。
    3. ファイルを保存し、終了します。
    注記

    現時点では、Kubernetes の制限 により、コントロールプレーンマシンで実行されるルーター Pod に Ingress ロードバランサーがアクセスすることができません。この手順は、OpenShift Container Platform の今後のマイナーバージョンで不要になる可能性があります。

  5. オプション: Ingress Operator を DNS レコードを作成するよう設定する必要がない場合は、<installation_directory>/manifests/cluster-dns-02-config.yml DNS 設定ファイルから privateZone および publicZone セクションを削除します。

    apiVersion: config.openshift.io/v1
    kind: DNS
    metadata:
      creationTimestamp: null
      name: cluster
    spec:
      baseDomain: example.openshift.com
      privateZone: 1
        id: mycluster-100419-private-zone
      publicZone: 2
        id: example.openshift.com
    status: {}
    1 2
    これらのセクションを完全に削除します。

    これを実行する場合、後のステップで Ingress DNS レコードを手動で追加する必要があります。

  6. ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーで Azure を設定する場合、Azure Resource Manager (ARM) テンプレートで後に使用するためにマニフェストファイルに定義された一般的な変数の一部をエクスポートする必要があります。

    $ export INFRA_ID=<infra_id>1
    $ export RESOURCE_GROUP=<resource_group>2
    1
    OpenShift Container Platform クラスターには、<cluster_name>-<random_string> の形式の識別子 (INFRA_ID) が割り当てられます。これは、提供される ARM テンプレートを使用して作成されるほとんどのリソースのベース名として使用されます。これは、manifests/cluster-infrastructure-02-config.yml ファイルからの .status.infrastructureName 属性の値です。
    2
    この Azure デプロイメントで作成されたすべてのリソースは、リソースグループ の一部として存在します。リソースグループ名は、<cluster_name>-<random_string>-rg 形式の INFRA_ID をベースとしています。これは、manifests/cluster-infrastructure-02-config.yml ファイルからの .status.platformStatus.azure.resourceGroupName 属性の値です。
  7. Ignition 設定ファイルを取得します。

    $ ./openshift-install create ignition-configs --dir=<installation_directory> 1
    1
    <installation_directory> については、同じインストールディレクトリーを指定します。

    以下のファイルはディレクトリーに生成されます。

    .
    ├── auth
    │   ├── kubeadmin-password
    │   └── kubeconfig
    ├── bootstrap.ign
    ├── master.ign
    ├── metadata.json
    └── worker.ign

1.7.7. Azure リソースグループおよびアイデンティティーの作成

Microsoft Azure リソースグループ およびリソースグループのアイデンティティーを作成する必要があります。これらはいずれも Azure での OpenShift Container Platform クラスターのインストール時に使用されます。

前提条件

  • Azure アカウントを設定します。
  • クラスターの Ignition 設定ファイルを生成します。

手順

  1. サポートされる Azure リージョンにリソースグループを作成します。

    $ az group create --name ${RESOURCE_GROUP} --location ${AZURE_REGION}
  2. リソースグループの Azure アイデンティティーを作成します。

    $ az identity create -g ${RESOURCE_GROUP} -n ${INFRA_ID}-identity

    これは、クラスター内の Operator に必要なアクセスを付与するために使用されます。たとえば、これにより Ingress Operator はパブリック IP およびそのロードバランサーを作成できます。Azure アイデンティティーをロールに割り当てる必要があります。

  3. Contributor ロールを Azure アイデンティティーに付与します。

    1. Azure ロールの割り当てで必要な以下の変数をエクスポートします。

      $ export PRINCIPAL_ID=`az identity show -g ${RESOURCE_GROUP} -n ${INFRA_ID}-identity --query principalId --out tsv`
      $ export RESOURCE_GROUP_ID=`az group show -g ${RESOURCE_GROUP} --query id --out tsv`
    2. Contributor ロールをアイデンティティーに割り当てます。

      $ az role assignment create --assignee "${PRINCIPAL_ID}" --role 'Contributor' --scope "${RESOURCE_GROUP_ID}"

1.7.8. RHCOS クラスターイメージおよびブートストラップ Ignition 設定ファイルのアップロード

Azure クライアントは、ローカルにあるファイルに基づくデプロイメントをサポートしないため、RHCOS 仮想ハードディスク (VHD) クラスターイメージおよびブートストラップ Ignition 設定ファイルをコピーし、それらをストレージコンテナーに保存し、それらをデプロイメント時にアクセスできるようにする必要があります。

前提条件

  • Azure アカウントを設定します。
  • クラスターの Ignition 設定ファイルを生成します。

手順

  1. VHD クラスターイメージを保存するために Azure ストレージアカウントを作成します。

    $ az storage account create -g ${RESOURCE_GROUP} --location ${AZURE_REGION} --name ${CLUSTER_NAME}sa --kind Storage --sku Standard_LRS
    警告

    Azure ストレージアカウント名は 3 文字から 24 文字の長さで、数字および小文字のみを使用する必要があります。CLUSTER_NAME 変数がこれらの制限に準拠しない場合、Azure ストレージアカウント名を手動で定義する必要があります。Azure ストレージアカウント名の制限についての詳細は、Azure ドキュメントの Resolve errors for storage account names を参照してください。

  2. ストレージアカウントキーを環境変数としてエクスポートします。

    $ export ACCOUNT_KEY=`az storage account keys list -g ${RESOURCE_GROUP} --account-name ${CLUSTER_NAME}sa --query "[0].value" -o tsv`
  3. 使用する RHCOS バージョンを選択し、その VHD の URL を環境変数にエクスポートします。

    $ export VHD_URL=`curl -s https://raw.githubusercontent.com/openshift/installer/release-4.4/data/data/rhcos.json | jq -r .azure.url`
    重要

    RHCOS イメージは OpenShift Container Platform の各リリースごとに変更されない可能性があります。インストールする OpenShift Container Platform バージョンと等しいか、それ以下のバージョンの内で最も新しいバージョンのイメージを指定する必要があります。利用可能な場合は、OpenShift Container Platform バージョンに一致するイメージのバージョンを使用します。

  4. 選択した VHD を blob にコピーします。

    $ az storage container create --name vhd --account-name ${CLUSTER_NAME}sa --account-key ${ACCOUNT_KEY}
    $ az storage blob copy start --account-name ${CLUSTER_NAME}sa --account-key ${ACCOUNT_KEY} --destination-blob "rhcos.vhd" --destination-container vhd --source-uri "${VHD_URL}"

    VHD コピータスクの進捗を追跡するには、以下のスクリプトを実行します。

    status="unknown"
    while [ "$status" != "success" ]
    do
      status=`az storage blob show --container-name vhd --name "rhcos.vhd" --account-name ${CLUSTER_NAME}sa --account-key ${ACCOUNT_KEY} -o tsv --query properties.copy.status`
      echo $status
    done
  5. blob ストレージコンテナーを作成し、生成された bootstrap.ign ファイルをアップロードします。

    $ az storage container create --name files --account-name ${CLUSTER_NAME}sa --account-key ${ACCOUNT_KEY} --public-access blob
    $ az storage blob upload --account-name ${CLUSTER_NAME}sa --account-key ${ACCOUNT_KEY} -c "files" -f "<installation_directory>/bootstrap.ign" -n "bootstrap.ign"

1.7.9. DNS ゾーンの作成例

DNS レコードは、ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーを使用するクラスターに必要です。シナリオに適した DNS ストラテジーを選択する必要があります。

この例の場合、Azure の DNS ソリューション が使用されるため、外部 (インターネット) の可視性のために新規パブリック DNS ゾーンと、内部クラスターの解決用にプライベート DNS ゾーンが作成されます。

注記

パブリック DNS ゾーンは、クラスターデプロイメントと同じリソースグループに存在している必要はなく、必要なベースドメイン用にすでに組織内に存在している可能性があります。その場合、パブリック DNS ゾーンの作成を省略できます。先に生成したインストール設定がこのシナリオに基づいていることを確認してください。

前提条件

  • Azure アカウントを設定します。
  • クラスターの Ignition 設定ファイルを生成します。

手順

  1. BASE_DOMAIN_RESOURCE_GROUP 環境変数でエクスポートされたリソースグループに、新規のパブリック DNS ゾーンを作成します。

    $ az network dns zone create -g ${BASE_DOMAIN_RESOURCE_GROUP} -n ${CLUSTER_NAME}.${BASE_DOMAIN}

    すでに存在するパブリック DNS ゾーンを使用している場合は、この手順を省略できます。

  2. このデプロイメントの残りの部分と同じリソースグループにプライベート DNS ゾーンを作成します。

    $ az network private-dns zone create -g ${RESOURCE_GROUP} -n ${CLUSTER_NAME}.${BASE_DOMAIN}

Azure でのパブリック DNS ゾーンの設定 についてのセクションを参照してください。

1.7.10. Azure での VNet の作成

OpenShift Container Platform クラスター用に Microsoft Azure で使用する仮想ネットワーク (VNet) を作成する必要があります。各種の要件を満たすように VPC をカスタマイズできます。VNet を作成する方法として、提供される Azure Resource Manager (ARM) テンプレートを変更することができます。

注記

提供される ARM テンプレートを使用して Azure インフラストラクチャーを使用しない場合、提供される情報を確認し、インフラストラクチャーを手動で作成する必要があります。クラスターが適切に初期化されない場合、インストールログを用意して Red Hat サポートに問い合わせする必要がある可能性があります。

前提条件

  • Azure アカウントを設定します。
  • クラスターの Ignition 設定ファイルを生成します。

手順

  1. 本トピックの VNet の ARM テンプレートセクションからテンプレートをコピーし、これを 01_vnet.json としてクラスターのインストールディレクトリーに保存します。このテンプレートは、クラスターに必要な VNet について記述しています。
  2. az CLI を使用してデプロイメントを作成します。

    $ az deployment group create -g ${RESOURCE_GROUP} \
      --template-file "<installation_directory>/01_vnet.json" \
      --parameters baseName="${INFRA_ID}"1
    1
    リソース名で使用されるベース名。これは通常クラスターのインフラストラクチャー ID です。
  3. VNet テンプレートをプライベート DNS ゾーンにリンクします。

    $ az network private-dns link vnet create -g ${RESOURCE_GROUP} -z ${CLUSTER_NAME}.${BASE_DOMAIN} -n ${INFRA_ID}-network-link -v "${INFRA_ID}-vnet" -e false

1.7.10.1. VNet の ARM テンプレート

以下の Azure Resource Manager (ARM) テンプレートを使用し、OpenShift Container Platform クラスターに必要な VNet をデプロイすることができます。

例1.1 01_vnet.json ARM テンプレート

{
  "$schema" : "https://schema.management.azure.com/schemas/2015-01-01/deploymentTemplate.json#",
  "contentVersion" : "1.0.0.0",
  "parameters" : {
    "baseName" : {
      "type" : "string",
      "minLength" : 1,
      "metadata" : {
        "description" : "Base name to be used in resource names (usually the cluster's Infra ID)"
      }
    }
  },
  "variables" : {
    "location" : "[resourceGroup().location]",
    "virtualNetworkName" : "[concat(parameters('baseName'), '-vnet')]",
    "addressPrefix" : "10.0.0.0/16",
    "masterSubnetName" : "[concat(parameters('baseName'), '-master-subnet')]",
    "masterSubnetPrefix" : "10.0.0.0/24",
    "nodeSubnetName" : "[concat(parameters('baseName'), '-worker-subnet')]",
    "nodeSubnetPrefix" : "10.0.1.0/24",
    "controlPlaneNsgName" : "[concat(parameters('baseName'), '-controlplane-nsg')]",
    "nodeNsgName" : "[concat(parameters('baseName'), '-node-nsg')]"
  },
  "resources" : [
    {
      "apiVersion" : "2018-12-01",
      "type" : "Microsoft.Network/virtualNetworks",
      "name" : "[variables('virtualNetworkName')]",
      "location" : "[variables('location')]",
      "dependsOn" : [
        "[concat('Microsoft.Network/networkSecurityGroups/', variables('controlPlaneNsgName'))]",
        "[concat('Microsoft.Network/networkSecurityGroups/', variables('nodeNsgName'))]"
      ],
      "properties" : {
        "addressSpace" : {
          "addressPrefixes" : [
            "[variables('addressPrefix')]"
          ]
        },
        "subnets" : [
          {
            "name" : "[variables('masterSubnetName')]",
            "properties" : {
              "addressPrefix" : "[variables('masterSubnetPrefix')]",
              "serviceEndpoints": [],
              "networkSecurityGroup" : {
                "id" : "[resourceId('Microsoft.Network/networkSecurityGroups', variables('controlPlaneNsgName'))]"
              }
            }
          },
          {
            "name" : "[variables('nodeSubnetName')]",
            "properties" : {
              "addressPrefix" : "[variables('nodeSubnetPrefix')]",
              "serviceEndpoints": [],
              "networkSecurityGroup" : {
                "id" : "[resourceId('Microsoft.Network/networkSecurityGroups', variables('nodeNsgName'))]"
              }
            }
          }
        ]
      }
    },
    {
      "type" : "Microsoft.Network/networkSecurityGroups",
      "name" : "[variables('controlPlaneNsgName')]",
      "apiVersion" : "2018-10-01",
      "location" : "[variables('location')]",
      "properties" : {
        "securityRules" : [
          {
            "name" : "apiserver_in",
            "properties" : {
              "protocol" : "Tcp",
              "sourcePortRange" : "*",
              "destinationPortRange" : "6443",
              "sourceAddressPrefix" : "*",
              "destinationAddressPrefix" : "*",
              "access" : "Allow",
              "priority" : 101,
              "direction" : "Inbound"
            }
          }
        ]
      }
    },
    {
      "type" : "Microsoft.Network/networkSecurityGroups",
      "name" : "[variables('nodeNsgName')]",
      "apiVersion" : "2018-10-01",
      "location" : "[variables('location')]",
      "properties" : {
        "securityRules" : [
          {
            "name" : "apiserver_in",
            "properties" : {
              "protocol" : "Tcp",
              "sourcePortRange" : "*",
              "destinationPortRange" : "6443",
              "sourceAddressPrefix" : "*",
              "destinationAddressPrefix" : "*",
              "access" : "Allow",
              "priority" : 101,
              "direction" : "Inbound"
            }
          }
        ]
      }
    }
  ]
}

1.7.11. Azure インフラストラクチャー用の RHCOS クラスターイメージのデプロイ

OpenShift Container Platform ノードに Microsoft Azure 用の有効な Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージを使用する必要があります。

前提条件

  • Azure アカウントを設定します。
  • クラスターの Ignition 設定ファイルを生成します。
  • RHCOS 仮想ハードディスク (VHD) クラスターイメージを Azure ストレージコンテナーに保存します。
  • ブートストラップ Ignition 設定ファイルを Azure ストレージコンテナーに保存します。

手順

  1. 本トピックの イメージストレージの ARM テンプレートセクションからテンプレートをコピーし、これを 02_storage.json としてクラスターのインストールディレクトリーに保存します。このテンプレートは、クラスターに必要なイメージストレージ について記述しています。
  2. RHCOS VHD blob URL を変数としてエクスポートします。

    $ export VHD_BLOB_URL=`az storage blob url --account-name ${CLUSTER_NAME}sa --account-key ${ACCOUNT_KEY} -c vhd -n "rhcos.vhd" -o tsv`
  3. クラスターイメージのデプロイ

    $ az deployment group create -g ${RESOURCE_GROUP} \
      --template-file "<installation_directory>/02_storage.json" \
      --parameters vhdBlobURL="${VHD_BLOB_URL}" \ 1
      --parameters baseName="${INFRA_ID}"2
    1
    マスターマシンおよびワーカーマシンを作成するために使用される RHCOS VHD の blob URL。
    2
    リソース名で使用されるベース名。これは通常クラスターのインフラストラクチャー ID です。

1.7.11.1. イメージストレージの ARM テンプレート

以下の Azure Resource Manager (ARM) テンプレートを使用し、OpenShift Container Platform クラスターに必要な保存された Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) をデプロイすることができます。

例1.2 02_storage.json ARM テンプレート

{
  "$schema" : "https://schema.management.azure.com/schemas/2015-01-01/deploymentTemplate.json#",
  "contentVersion" : "1.0.0.0",
  "parameters" : {
    "baseName" : {
      "type" : "string",
      "minLength" : 1,
      "metadata" : {
        "description" : "Base name to be used in resource names (usually the cluster's Infra ID)"
      }
    },
    "vhdBlobURL" : {
      "type" : "string",
      "metadata" : {
        "description" : "URL pointing to the blob where the VHD to be used to create master and worker machines is located"
      }
    }
  },
  "variables" : {
    "location" : "[resourceGroup().location]",
    "imageName" : "[concat(parameters('baseName'), '-image')]"
  },
  "resources" : [
    {
      "apiVersion" : "2018-06-01",
      "type": "Microsoft.Compute/images",
      "name": "[variables('imageName')]",
      "location" : "[variables('location')]",
      "properties": {
        "storageProfile": {
          "osDisk": {
            "osType": "Linux",
            "osState": "Generalized",
            "blobUri": "[parameters('vhdBlobURL')]",
            "storageAccountType": "Standard_LRS"
          }
        }
      }
    }
  ]
}

1.7.12. Azure でのネットワークおよび負荷分散コンポーネントの作成

OpenShift Container Platform クラスターで使用するネットワークおよび負荷分散を Microsoft Azure で設定する必要があります。これらのコンポーネントを作成する方法として、提供される Azure Resource Manager (ARM) テンプレートを変更することができます。

注記

提供される ARM テンプレートを使用して Azure インフラストラクチャーを使用しない場合、提供される情報を確認し、インフラストラクチャーを手動で作成する必要があります。クラスターが適切に初期化されない場合、インストールログを用意して Red Hat サポートに問い合わせする必要がある可能性があります。

前提条件

  • Azure アカウントを設定します。
  • クラスターの Ignition 設定ファイルを生成します。
  • Azure で VNet および関連するサブネットを作成し、設定します。

手順

  1. 本トピックの ネットワークおよびロードばランサーの ARM テンプレートセクションからテンプレートをコピーし、これを 03_infra.json としてクラスターのインストールディレクトリーに保存します。このテンプレートは、クラスターに必要なネットワークおよび負荷分散オブジェクトについて記述しています。
  2. az CLI を使用してデプロイメントを作成します。

    $ az deployment group create -g ${RESOURCE_GROUP} \
      --template-file "<installation_directory>/03_infra.json" \
      --parameters privateDNSZoneName="${CLUSTER_NAME}.${BASE_DOMAIN}" \ 1
      --parameters baseName="${INFRA_ID}"2
    1
    プライベート DNS ゾーンの名前。
    2
    リソース名で使用されるベース名。これは通常クラスターのインフラストラクチャー ID です。
  3. API パブリックロードバランサーのパブリックゾーンに api DNS レコードを作成します。${BASE_DOMAIN_RESOURCE_GROUP} 変数は、パブリック DNS ゾーンがあるリソースグループをポイントする必要があります。

    1. 以下の変数をエクスポートします。

      $ export PUBLIC_IP=`az network public-ip list -g ${RESOURCE_GROUP} --query "[?name=='${INFRA_ID}-master-pip'] | [0].ipAddress" -o tsv`
    2. 新しいパブリックゾーンに DNS レコードを作成します。

      $ az network dns record-set a add-record -g ${BASE_DOMAIN_RESOURCE_GROUP} -z ${CLUSTER_NAME}.${BASE_DOMAIN} -n api -a ${PUBLIC_IP} --ttl 60
    3. クラスターを既存のパブリックゾーンに追加する場合は、DNS レコードを代わりに作成できます。

      $ az network dns record-set a add-record -g ${BASE_DOMAIN_RESOURCE_GROUP} -z ${BASE_DOMAIN} -n api.${CLUSTER_NAME} -a ${PUBLIC_IP} --ttl 60

1.7.12.1. ネットワークおよびロードバランサーの ARM テンプレート

以下の Azure Resource Manager (ARM) テンプレートを使用して、OpenShift Container Platform クラスターに必要なネットワークオブジェクトおよびロードバランサーをデプロイすることができます。

例1.3 03_infra.json ARM テンプレート

{
  "$schema" : "https://schema.management.azure.com/schemas/2015-01-01/deploymentTemplate.json#",
  "contentVersion" : "1.0.0.0",
  "parameters" : {
    "baseName" : {
      "type" : "string",
      "minLength" : 1,
      "metadata" : {
        "description" : "Base name to be used in resource names (usually the cluster's Infra ID)"
      }
    },
    "privateDNSZoneName" : {
      "type" : "string",
      "metadata" : {
        "description" : "Name of the private DNS zone"
      }
    }
  },
  "variables" : {
    "location" : "[resourceGroup().location]",
    "virtualNetworkName" : "[concat(parameters('baseName'), '-vnet')]",
    "virtualNetworkID" : "[resourceId('Microsoft.Network/virtualNetworks', variables('virtualNetworkName'))]",
    "masterSubnetName" : "[concat(parameters('baseName'), '-master-subnet')]",
    "masterSubnetRef" : "[concat(variables('virtualNetworkID'), '/subnets/', variables('masterSubnetName'))]",
    "masterPublicIpAddressName" : "[concat(parameters('baseName'), '-master-pip')]",
    "masterPublicIpAddressID" : "[resourceId('Microsoft.Network/publicIPAddresses', variables('masterPublicIpAddressName'))]",
    "masterLoadBalancerName" : "[concat(parameters('baseName'), '-public-lb')]",
    "masterLoadBalancerID" : "[resourceId('Microsoft.Network/loadBalancers', variables('masterLoadBalancerName'))]",
    "internalLoadBalancerName" : "[concat(parameters('baseName'), '-internal-lb')]",
    "internalLoadBalancerID" : "[resourceId('Microsoft.Network/loadBalancers', variables('internalLoadBalancerName'))]",
    "skuName": "Standard"
  },
  "resources" : [
    {
      "apiVersion" : "2018-12-01",
      "type" : "Microsoft.Network/publicIPAddresses",
      "name" : "[variables('masterPublicIpAddressName')]",
      "location" : "[variables('location')]",
      "sku": {
        "name": "[variables('skuName')]"
      },
      "properties" : {
        "publicIPAllocationMethod" : "Static",
        "dnsSettings" : {
          "domainNameLabel" : "[variables('masterPublicIpAddressName')]"
        }
      }
    },
    {
      "apiVersion" : "2018-12-01",
      "type" : "Microsoft.Network/loadBalancers",
      "name" : "[variables('masterLoadBalancerName')]",
      "location" : "[variables('location')]",
      "sku": {
        "name": "[variables('skuName')]"
      },
      "dependsOn" : [
        "[concat('Microsoft.Network/publicIPAddresses/', variables('masterPublicIpAddressName'))]"
      ],
      "properties" : {
        "frontendIPConfigurations" : [
          {
            "name" : "public-lb-ip",
            "properties" : {
              "publicIPAddress" : {
                "id" : "[variables('masterPublicIpAddressID')]"
              }
            }
          }
        ],
        "backendAddressPools" : [
          {
            "name" : "public-lb-backend"
          }
        ],
        "loadBalancingRules" : [
          {
            "name" : "api-internal",
            "properties" : {
              "frontendIPConfiguration" : {
                "id" :"[concat(variables('masterLoadBalancerID'), '/frontendIPConfigurations/public-lb-ip')]"
              },
              "backendAddressPool" : {
                "id" : "[concat(variables('masterLoadBalancerID'), '/backendAddressPools/public-lb-backend')]"
              },
              "protocol" : "Tcp",
              "loadDistribution" : "Default",
              "idleTimeoutInMinutes" : 30,
              "frontendPort" : 6443,
              "backendPort" : 6443,
              "probe" : {
                "id" : "[concat(variables('masterLoadBalancerID'), '/probes/api-internal-probe')]"
              }
            }
          }
        ],
        "probes" : [
          {
            "name" : "api-internal-probe",
            "properties" : {
              "protocol" : "Https",
              "port" : 6443,
              "requestPath": "/readyz",
              "intervalInSeconds" : 10,
              "numberOfProbes" : 3
            }
          }
        ]
      }
    },
    {
      "apiVersion" : "2018-12-01",
      "type" : "Microsoft.Network/loadBalancers",
      "name" : "[variables('internalLoadBalancerName')]",
      "location" : "[variables('location')]",
      "sku": {
        "name": "[variables('skuName')]"
      },
      "properties" : {
        "frontendIPConfigurations" : [
          {
            "name" : "internal-lb-ip",
            "properties" : {
              "privateIPAllocationMethod" : "Dynamic",
              "subnet" : {
                "id" : "[variables('masterSubnetRef')]"
              },
              "privateIPAddressVersion" : "IPv4"
            }
          }
        ],
        "backendAddressPools" : [
          {
            "name" : "internal-lb-backend"
          }
        ],
        "loadBalancingRules" : [
          {
            "name" : "api-internal",
            "properties" : {
              "frontendIPConfiguration" : {
                "id" : "[concat(variables('internalLoadBalancerID'), '/frontendIPConfigurations/internal-lb-ip')]"
              },
              "frontendPort" : 6443,
              "backendPort" : 6443,
              "enableFloatingIP" : false,
              "idleTimeoutInMinutes" : 30,
              "protocol" : "Tcp",
              "enableTcpReset" : false,
              "loadDistribution" : "Default",
              "backendAddressPool" : {
                "id" : "[concat(variables('internalLoadBalancerID'), '/backendAddressPools/internal-lb-backend')]"
              },
              "probe" : {
                "id" : "[concat(variables('internalLoadBalancerID'), '/probes/api-internal-probe')]"
              }
            }
          },
          {
            "name" : "sint",
            "properties" : {
              "frontendIPConfiguration" : {
                "id" : "[concat(variables('internalLoadBalancerID'), '/frontendIPConfigurations/internal-lb-ip')]"
              },
              "frontendPort" : 22623,
              "backendPort" : 22623,
              "enableFloatingIP" : false,
              "idleTimeoutInMinutes" : 30,
              "protocol" : "Tcp",
              "enableTcpReset" : false,
              "loadDistribution" : "Default",
              "backendAddressPool" : {
                "id" : "[concat(variables('internalLoadBalancerID'), '/backendAddressPools/internal-lb-backend')]"
              },
              "probe" : {
                "id" : "[concat(variables('internalLoadBalancerID'), '/probes/sint-probe')]"
              }
            }
          }
        ],
        "probes" : [
          {
            "name" : "api-internal-probe",
            "properties" : {
              "protocol" : "Https",
              "port" : 6443,
              "requestPath": "/readyz",
              "intervalInSeconds" : 10,
              "numberOfProbes" : 3
            }
          },
          {
            "name" : "sint-probe",
            "properties" : {
              "protocol" : "Https",
              "port" : 22623,
              "requestPath": "/healthz",
              "intervalInSeconds" : 10,
              "numberOfProbes" : 3
            }
          }
        ]
      }
    },
    {
      "apiVersion": "2018-09-01",
      "type": "Microsoft.Network/privateDnsZones/A",
      "name": "[concat(parameters('privateDNSZoneName'), '/api')]",
      "location" : "[variables('location')]",
      "dependsOn" : [
        "[concat('Microsoft.Network/loadBalancers/', variables('internalLoadBalancerName'))]"
      ],
      "properties": {
        "ttl": 60,
        "aRecords": [
          {
            "ipv4Address": "[reference(variables('internalLoadBalancerName')).frontendIPConfigurations[0].properties.privateIPAddress]"
          }
        ]
      }
    },
    {
      "apiVersion": "2018-09-01",
      "type": "Microsoft.Network/privateDnsZones/A",
      "name": "[concat(parameters('privateDNSZoneName'), '/api-int')]",
      "location" : "[variables('location')]",
      "dependsOn" : [
        "[concat('Microsoft.Network/loadBalancers/', variables('internalLoadBalancerName'))]"
      ],
      "properties": {
        "ttl": 60,
        "aRecords": [
          {
            "ipv4Address": "[reference(variables('internalLoadBalancerName')).frontendIPConfigurations[0].properties.privateIPAddress]"
          }
        ]
      }
    }
  ]
}

1.7.13. Azure でのブートストラップマシンの作成

OpenShift Container Platform クラスターの初期化を実行する際に使用するブートストラップマシンを Microsoft Azure で作成する必要があります。このマシンを作成する方法として、提供される Azure Resource Manager (ARM) テンプレートを変更することができます。

注記

提供されている ARM テンプレートを使用してブートストラップマシンを作成しない場合、指定される情報を確認し、インフラストラクチャーを手動で作成する必要があります。クラスターが適切に初期化されない場合、インストールログを用意して Red Hat サポートに問い合わせする必要がある可能性があります。

前提条件

  • Azure アカウントを設定します。
  • クラスターの Ignition 設定ファイルを生成します。
  • Azure で VNet および関連するサブネットを作成し、設定します。
  • Azure でネットワークおよびロードバランサーを作成し、設定します。
  • コントロールプレーンおよびコンピュートロールを作成します。

手順

  1. 本トピックの ブートストラップマシンの ARM テンプレートセクションからテンプレートをコピーし、これを 04_bootstrap.json としてクラスターのインストールディレクトリーに保存します。このテンプレートは、クラスターに必要なブートストラップマシンについて記述しています。
  2. ブートストラップマシンのデプロイメントで必要な以下の変数をエクスポートします。

    $ export BOOTSTRAP_URL=`az storage blob url --account-name ${CLUSTER_NAME}sa --account-key ${ACCOUNT_KEY} -c "files" -n "bootstrap.ign" -o tsv`
    $ export BOOTSTRAP_IGNITION=`jq -rcnM --arg v "2.2.0" --arg url ${BOOTSTRAP_URL} '{ignition:{version:$v,config:{replace:{source:$url}}}}' | base64 -w0`
  3. az CLI を使用してデプロイメントを作成します。

    $ az deployment group create -g ${RESOURCE_GROUP} \
      --template-file "<installation_directory>/04_bootstrap.json" \
      --parameters bootstrapIgnition="${BOOTSTRAP_IGNITION}" \ 1
      --parameters sshKeyData="${SSH_KEY}" \ 2
      --parameters baseName="${INFRA_ID}" 3
    1
    ブートストラップクラスターのブートストラップ Ignition コンテンツ。
    2
    文字列としての SSH RSA 公開鍵ファイル。
    3
    リソース名で使用されるベース名。これは通常クラスターのインフラストラクチャー ID です。

1.7.13.1. ブートストラップマシンの ARM テンプレート

以下の Azure Resource Manager (ARM) テンプレートを使用し、OpenShift Container Platform クラスターに必要なブートストラップマシンをデプロイすることができます。

例1.4 04_bootstrap.json ARM テンプレート

{
  "$schema" : "https://schema.management.azure.com/schemas/2015-01-01/deploymentTemplate.json#",
  "contentVersion" : "1.0.0.0",
  "parameters" : {
    "baseName" : {
      "type" : "string",
      "minLength" : 1,
      "metadata" : {
        "description" : "Base name to be used in resource names (usually the cluster's Infra ID)"
      }
    },
    "bootstrapIgnition" : {
      "type" : "string",
      "minLength" : 1,
      "metadata" : {
        "description" : "Bootstrap ignition content for the bootstrap cluster"
      }
    },
    "sshKeyData" : {
      "type" : "securestring",
      "metadata" : {
        "description" : "SSH RSA public key file as a string."
      }
    },
    "bootstrapVMSize" : {
      "type" : "string",
      "defaultValue" : "Standard_D4s_v3",
      "allowedValues" : [
        "Standard_A2",
        "Standard_A3",
        "Standard_A4",
        "Standard_A5",
        "Standard_A6",
        "Standard_A7",
        "Standard_A8",
        "Standard_A9",
        "Standard_A10",
        "Standard_A11",
        "Standard_D2",
        "Standard_D3",
        "Standard_D4",
        "Standard_D11",
        "Standard_D12",
        "Standard_D13",
        "Standard_D14",
        "Standard_D2_v2",
        "Standard_D3_v2",
        "Standard_D4_v2",
        "Standard_D5_v2",
        "Standard_D8_v3",
        "Standard_D11_v2",
        "Standard_D12_v2",
        "Standard_D13_v2",
        "Standard_D14_v2",
        "Standard_E2_v3",
        "Standard_E4_v3",
        "Standard_E8_v3",
        "Standard_E16_v3",
        "Standard_E32_v3",
        "Standard_E64_v3",
        "Standard_E2s_v3",
        "Standard_E4s_v3",
        "Standard_E8s_v3",
        "Standard_E16s_v3",
        "Standard_E32s_v3",
        "Standard_E64s_v3",
        "Standard_G1",
        "Standard_G2",
        "Standard_G3",
        "Standard_G4",
        "Standard_G5",
        "Standard_DS2",
        "Standard_DS3",
        "Standard_DS4",
        "Standard_DS11",
        "Standard_DS12",
        "Standard_DS13",
        "Standard_DS14",
        "Standard_DS2_v2",
        "Standard_DS3_v2",
        "Standard_DS4_v2",
        "Standard_DS5_v2",
        "Standard_DS11_v2",
        "Standard_DS12_v2",
        "Standard_DS13_v2",
        "Standard_DS14_v2",
        "Standard_GS1",
        "Standard_GS2",
        "Standard_GS3",
        "Standard_GS4",
        "Standard_GS5",
        "Standard_D2s_v3",
        "Standard_D4s_v3",
        "Standard_D8s_v3"
      ],
      "metadata" : {
        "description" : "The size of the Bootstrap Virtual Machine"
      }
    }
  },
  "variables" : {
    "location" : "[resourceGroup().location]",
    "virtualNetworkName" : "[concat(parameters('baseName'), '-vnet')]",
    "virtualNetworkID" : "[resourceId('Microsoft.Network/virtualNetworks', variables('virtualNetworkName'))]",
    "masterSubnetName" : "[concat(parameters('baseName'), '-master-subnet')]",
    "masterSubnetRef" : "[concat(variables('virtualNetworkID'), '/subnets/', variables('masterSubnetName'))]",
    "masterLoadBalancerName" : "[concat(parameters('baseName'), '-public-lb')]",
    "internalLoadBalancerName" : "[concat(parameters('baseName'), '-internal-lb')]",
    "sshKeyPath" : "/home/core/.ssh/authorized_keys",
    "identityName" : "[concat(parameters('baseName'), '-identity')]",
    "vmName" : "[concat(parameters('baseName'), '-bootstrap')]",
    "nicName" : "[concat(variables('vmName'), '-nic')]",
    "imageName" : "[concat(parameters('baseName'), '-image')]",
    "controlPlaneNsgName" : "[concat(parameters('baseName'), '-controlplane-nsg')]",
    "sshPublicIpAddressName" : "[concat(variables('vmName'), '-ssh-pip')]"
  },
  "resources" : [
    {
      "apiVersion" : "2018-12-01",
      "type" : "Microsoft.Network/publicIPAddresses",
      "name" : "[variables('sshPublicIpAddressName')]",
      "location" : "[variables('location')]",
      "sku": {
        "name": "Standard"
      },
      "properties" : {
        "publicIPAllocationMethod" : "Static",
        "dnsSettings" : {
          "domainNameLabel" : "[variables('sshPublicIpAddressName')]"
        }
      }
    },
    {
      "apiVersion" : "2018-06-01",
      "type" : "Microsoft.Network/networkInterfaces",
      "name" : "[variables('nicName')]",
      "location" : "[variables('location')]",
      "dependsOn" : [
        "[resourceId('Microsoft.Network/publicIPAddresses', variables('sshPublicIpAddressName'))]"
      ],
      "properties" : {
        "ipConfigurations" : [
          {
            "name" : "pipConfig",
            "properties" : {
              "privateIPAllocationMethod" : "Dynamic",
              "publicIPAddress": {
                "id": "[resourceId('Microsoft.Network/publicIPAddresses', variables('sshPublicIpAddressName'))]"
              },
              "subnet" : {
                "id" : "[variables('masterSubnetRef')]"
              },
              "loadBalancerBackendAddressPools" : [
                {
                  "id" : "[concat('/subscriptions/', subscription().subscriptionId, '/resourceGroups/', resourceGroup().name, '/providers/Microsoft.Network/loadBalancers/', variables('masterLoadBalancerName'), '/backendAddressPools/public-lb-backend')]"
                },
                {
                  "id" : "[concat('/subscriptions/', subscription().subscriptionId, '/resourceGroups/', resourceGroup().name, '/providers/Microsoft.Network/loadBalancers/', variables('internalLoadBalancerName'), '/backendAddressPools/internal-lb-backend')]"
                }
              ]
            }
          }
        ]
      }
    },
    {
      "apiVersion" : "2018-06-01",
      "type" : "Microsoft.Compute/virtualMachines",
      "name" : "[variables('vmName')]",
      "location" : "[variables('location')]",
      "identity" : {
        "type" : "userAssigned",
        "userAssignedIdentities" : {
          "[resourceID('Microsoft.ManagedIdentity/userAssignedIdentities/', variables('identityName'))]" : {}
        }
      },
      "dependsOn" : [
        "[concat('Microsoft.Network/networkInterfaces/', variables('nicName'))]"
      ],
      "properties" : {
        "hardwareProfile" : {
          "vmSize" : "[parameters('bootstrapVMSize')]"
        },
        "osProfile" : {
          "computerName" : "[variables('vmName')]",
          "adminUsername" : "core",
          "customData" : "[parameters('bootstrapIgnition')]",
          "linuxConfiguration" : {
            "disablePasswordAuthentication" : true,
            "ssh" : {
              "publicKeys" : [
                {
                  "path" : "[variables('sshKeyPath')]",
                  "keyData" : "[parameters('sshKeyData')]"
                }
              ]
            }
          }
        },
        "storageProfile" : {
          "imageReference": {
            "id": "[resourceId('Microsoft.Compute/images', variables('imageName'))]"
          },
          "osDisk" : {
            "name": "[concat(variables('vmName'),'_OSDisk')]",
            "osType" : "Linux",
            "createOption" : "FromImage",
            "managedDisk": {
              "storageAccountType": "Premium_LRS"
            },
            "diskSizeGB" : 100
          }
        },
        "networkProfile" : {
          "networkInterfaces" : [
            {
              "id" : "[resourceId('Microsoft.Network/networkInterfaces', variables('nicName'))]"
            }
          ]
        }
      }
    },
    {
      "apiVersion" : "2018-06-01",
      "type": "Microsoft.Network/networkSecurityGroups/securityRules",
      "name" : "[concat(variables('controlPlaneNsgName'), '/bootstrap_ssh_in')]",
      "location" : "[variables('location')]",
      "dependsOn" : [
        "[resourceId('Microsoft.Compute/virtualMachines', variables('vmName'))]"
      ],
      "properties": {
        "protocol" : "Tcp",
        "sourcePortRange" : "*",
        "destinationPortRange" : "22",
        "sourceAddressPrefix" : "*",
        "destinationAddressPrefix" : "*",
        "access" : "Allow",
        "priority" : 100,
        "direction" : "Inbound"
      }
    }
  ]
}

1.7.14. Azure でのコントロールプレーンの作成

クラスターで使用するコントロールプレーンマシンを Microsoft Azure で作成する必要があります。これらのマシンを作成する方法として、提供される Azure Resource Manager (ARM) テンプレートを変更することができます。

注記

提供される ARM テンプレートを使用してコントロールプレーンマシンを使用しない場合、指定される情報を確認し、インフラストラクチャーを手動で作成する必要があります。クラスターが適切に初期化されない場合、インストールログを用意して Red Hat サポートに問い合わせする必要がある可能性があります。

前提条件

  • Azure アカウントを設定します。
  • クラスターの Ignition 設定ファイルを生成します。
  • Azure で VNet および関連するサブネットを作成し、設定します。
  • Azure でネットワークおよびロードバランサーを作成し、設定します。
  • コントロールプレーンおよびコンピュートロールを作成します。
  • ブートストラップマシンを作成します。

手順

  1. 本トピックの コントロールプレーンマシンの ARM テンプレートセクションからテンプレートをコピーし、これを 05_masters.json としてクラスターのインストールディレクトリーに保存します。このテンプレートは、クラスターに必要なコントロールプレーンのマシンについて記述しています。
  2. コントロールプレーンマシンのデプロイメントに必要な以下の変数をエクスポートします。

    $ export MASTER_IGNITION=`cat <installation_directory>/master.ign | base64`
  3. az CLI を使用してデプロイメントを作成します。

    $ az deployment group create -g ${RESOURCE_GROUP} \
      --template-file "<installation_directory>/05_masters.json" \
      --parameters masterIgnition="${MASTER_IGNITION}" \ 1
      --parameters sshKeyData="${SSH_KEY}" \ 2
      --parameters privateDNSZoneName="${CLUSTER_NAME}.${BASE_DOMAIN}"3
      --parameters baseName="${INFRA_ID}"4
    1
    マスターノードの Ignition コンテンツ。
    2
    文字列としての SSH RSA 公開鍵ファイル。
    3
    マスターノードが割り当てられているプライベート DNS ゾーンの名前。
    4
    リソース名で使用されるベース名。これは通常クラスターのインフラストラクチャー ID です。

1.7.14.1. コントロールプレーンマシンの ARM テンプレート

以下の Azure Resource Manager (ARM) テンプレートを使用し、OpenShift Container Platform クラスターに必要なコントロールプレーンマシンをデプロイすることができます。

例1.5 05_masters.json ARM テンプレート

{
  "$schema" : "https://schema.management.azure.com/schemas/2015-01-01/deploymentTemplate.json#",
  "contentVersion" : "1.0.0.0",
  "parameters" : {
    "baseName" : {
      "type" : "string",
      "minLength" : 1,
      "metadata" : {
        "description" : "Base name to be used in resource names (usually the cluster's Infra ID)"
      }
    },
    "masterIgnition" : {
      "type" : "string",
      "metadata" : {
        "description" : "Ignition content for the master nodes"
      }
    },
    "numberOfMasters" : {
      "type" : "int",
      "defaultValue" : 3,
      "minValue" : 2,
      "maxValue" : 30,
      "metadata" : {
        "description" : "Number of OpenShift masters to deploy"
      }
    },
    "sshKeyData" : {
      "type" : "securestring",
      "metadata" : {
        "description" : "SSH RSA public key file as a string"
      }
    },
    "privateDNSZoneName" : {
      "type" : "string",
      "metadata" : {
        "description" : "Name of the private DNS zone the master nodes are going to be attached to"
      }
    },
    "masterVMSize" : {
      "type" : "string",
      "defaultValue" : "Standard_D8s_v3",
      "allowedValues" : [
        "Standard_A2",
        "Standard_A3",
        "Standard_A4",
        "Standard_A5",
        "Standard_A6",
        "Standard_A7",
        "Standard_A8",
        "Standard_A9",
        "Standard_A10",
        "Standard_A11",
        "Standard_D2",
        "Standard_D3",
        "Standard_D4",
        "Standard_D11",
        "Standard_D12",
        "Standard_D13",
        "Standard_D14",
        "Standard_D2_v2",
        "Standard_D3_v2",
        "Standard_D4_v2",
        "Standard_D5_v2",
        "Standard_D8_v3",
        "Standard_D11_v2",
        "Standard_D12_v2",
        "Standard_D13_v2",
        "Standard_D14_v2",
        "Standard_E2_v3",
        "Standard_E4_v3",
        "Standard_E8_v3",
        "Standard_E16_v3",
        "Standard_E32_v3",
        "Standard_E64_v3",
        "Standard_E2s_v3",
        "Standard_E4s_v3",
        "Standard_E8s_v3",
        "Standard_E16s_v3",
        "Standard_E32s_v3",
        "Standard_E64s_v3",
        "Standard_G1",
        "Standard_G2",
        "Standard_G3",
        "Standard_G4",
        "Standard_G5",
        "Standard_DS2",
        "Standard_DS3",
        "Standard_DS4",
        "Standard_DS11",
        "Standard_DS12",
        "Standard_DS13",
        "Standard_DS14",
        "Standard_DS2_v2",
        "Standard_DS3_v2",
        "Standard_DS4_v2",
        "Standard_DS5_v2",
        "Standard_DS11_v2",
        "Standard_DS12_v2",
        "Standard_DS13_v2",
        "Standard_DS14_v2",
        "Standard_GS1",
        "Standard_GS2",
        "Standard_GS3",
        "Standard_GS4",
        "Standard_GS5",
        "Standard_D2s_v3",
        "Standard_D4s_v3",
        "Standard_D8s_v3"
      ],
      "metadata" : {
        "description" : "The size of the Master Virtual Machines"
      }
    },
    "diskSizeGB" : {
      "type" : "int",
      "defaultValue" : 1024,
      "metadata" : {
        "description" : "Size of the Master VM OS disk, in GB"
      }
    }
  },
  "variables" : {
    "location" : "[resourceGroup().location]",
    "virtualNetworkName" : "[concat(parameters('baseName'), '-vnet')]",
    "virtualNetworkID" : "[resourceId('Microsoft.Network/virtualNetworks', variables('virtualNetworkName'))]",
    "masterSubnetName" : "[concat(parameters('baseName'), '-master-subnet')]",
    "masterSubnetRef" : "[concat(variables('virtualNetworkID'), '/subnets/', variables('masterSubnetName'))]",
    "masterLoadBalancerName" : "[concat(parameters('baseName'), '-public-lb')]",
    "internalLoadBalancerName" : "[concat(parameters('baseName'), '-internal-lb')]",
    "sshKeyPath" : "/home/core/.ssh/authorized_keys",
    "identityName" : "[concat(parameters('baseName'), '-identity')]",
    "imageName" : "[concat(parameters('baseName'), '-image')]",
    "copy" : [
      {
        "name" : "vmNames",
        "count" :  "[parameters('numberOfMasters')]",
        "input" : "[concat(parameters('baseName'), '-master-', copyIndex('vmNames'))]"
      }
    ]
  },
  "resources" : [
    {
      "apiVersion" : "2018-06-01",
      "type" : "Microsoft.Network/networkInterfaces",
      "copy" : {
        "name" : "nicCopy",
        "count" : "[length(variables('vmNames'))]"
      },
      "name" : "[concat(variables('vmNames')[copyIndex()], '-nic')]",
      "location" : "[variables('location')]",
      "properties" : {
        "ipConfigurations" : [
          {
            "name" : "pipConfig",
            "properties" : {
              "privateIPAllocationMethod" : "Dynamic",
              "subnet" : {
                "id" : "[variables('masterSubnetRef')]"
              },
              "loadBalancerBackendAddressPools" : [
                {
                  "id" : "[concat('/subscriptions/', subscription().subscriptionId, '/resourceGroups/', resourceGroup().name, '/providers/Microsoft.Network/loadBalancers/', variables('masterLoadBalancerName'), '/backendAddressPools/public-lb-backend')]"
                },
                {
                  "id" : "[concat('/subscriptions/', subscription().subscriptionId, '/resourceGroups/', resourceGroup().name, '/providers/Microsoft.Network/loadBalancers/', variables('internalLoadBalancerName'), '/backendAddressPools/internal-lb-backend')]"
                }
              ]
            }
          }
        ]
      }
    },
    {
      "apiVersion": "2018-09-01",
      "type": "Microsoft.Network/privateDnsZones/SRV",
      "name": "[concat(parameters('privateDNSZoneName'), '/_etcd-server-ssl._tcp')]",
      "location" : "[variables('location')]",
      "properties": {
        "ttl": 60,
        "copy": [{
          "name": "srvRecords",
          "count": "[length(variables('vmNames'))]",
          "input": {
            "priority": 0,
            "weight" : 10,
            "port" : 2380,
            "target" : "[concat('etcd-', copyIndex('srvRecords'), '.', parameters('privateDNSZoneName'))]"
          }
        }]
      }
    },
    {
      "apiVersion": "2018-09-01",
      "type": "Microsoft.Network/privateDnsZones/A",
      "copy" : {
        "name" : "dnsCopy",
        "count" : "[length(variables('vmNames'))]"
      },
      "name": "[concat(parameters('privateDNSZoneName'), '/etcd-', copyIndex())]",
      "location" : "[variables('location')]",
      "dependsOn" : [
        "[concat('Microsoft.Network/networkInterfaces/', concat(variables('vmNames')[copyIndex()], '-nic'))]"
      ],
      "properties": {
        "ttl": 60,
        "aRecords": [
          {
            "ipv4Address": "[reference(concat(variables('vmNames')[copyIndex()], '-nic')).ipConfigurations[0].properties.privateIPAddress]"
          }
        ]
      }
    },
    {
      "apiVersion" : "2018-06-01",
      "type" : "Microsoft.Compute/virtualMachines",
      "copy" : {
        "name" : "vmCopy",
        "count" : "[length(variables('vmNames'))]"
      },
      "name" : "[variables('vmNames')[copyIndex()]]",
      "location" : "[variables('location')]",
      "identity" : {
        "type" : "userAssigned",
        "userAssignedIdentities" : {
          "[resourceID('Microsoft.ManagedIdentity/userAssignedIdentities/', variables('identityName'))]" : {}
        }
      },
      "dependsOn" : [
        "[concat('Microsoft.Network/networkInterfaces/', concat(variables('vmNames')[copyIndex()], '-nic'))]",
        "[concat('Microsoft.Network/privateDnsZones/', parameters('privateDNSZoneName'), '/A/etcd-', copyIndex())]",
        "[concat('Microsoft.Network/privateDnsZones/', parameters('privateDNSZoneName'), '/SRV/_etcd-server-ssl._tcp')]"
      ],
      "properties" : {
        "hardwareProfile" : {
          "vmSize" : "[parameters('masterVMSize')]"
        },
        "osProfile" : {
          "computerName" : "[variables('vmNames')[copyIndex()]]",
          "adminUsername" : "core",
          "customData" : "[parameters('masterIgnition')]",
          "linuxConfiguration" : {
            "disablePasswordAuthentication" : true,
            "ssh" : {
              "publicKeys" : [
                {
                  "path" : "[variables('sshKeyPath')]",
                  "keyData" : "[parameters('sshKeyData')]"
                }
              ]
            }
          }
        },
        "storageProfile" : {
          "imageReference": {
            "id": "[resourceId('Microsoft.Compute/images', variables('imageName'))]"
          },
          "osDisk" : {
            "name": "[concat(variables('vmNames')[copyIndex()], '_OSDisk')]",
            "osType" : "Linux",
            "createOption" : "FromImage",
            "caching": "ReadOnly",
            "writeAcceleratorEnabled": false,
            "managedDisk": {
              "storageAccountType": "Premium_LRS"
            },
            "diskSizeGB" : "[parameters('diskSizeGB')]"
          }
        },
        "networkProfile" : {
          "networkInterfaces" : [
            {
              "id" : "[resourceId('Microsoft.Network/networkInterfaces', concat(variables('vmNames')[copyIndex()], '-nic'))]",
              "properties": {
                "primary": false
              }
            }
          ]
        }
      }
    }
  ]
}

1.7.15. ブートストラップの完了を待機し、Azure のブートストラップリソースを削除する

Microsoft Azure ですべての必要なインフラストラクチャーを作成した後に、ブートストラッププロセスが、インストールプログラムで生成した Ignition 設定ファイルを使用してプロビジョニングしたマシンで完了するのを待機します。

前提条件

  • Azure アカウントを設定します。
  • クラスターの Ignition 設定ファイルを生成します。
  • Azure で VNet および関連するサブネットを作成し、設定します。
  • Azure でネットワークおよびロードバランサーを作成し、設定します。
  • コントロールプレーンおよびコンピュートロールを作成します。
  • ブートストラップマシンを作成します。
  • コントロールプレーンマシンを作成します。

手順

  1. インストールプログラムが含まれるディレクトリーに切り替え、以下のコマンドを実行します。

    $ ./openshift-install wait-for bootstrap-complete --dir=<installation_directory> \ 1
        --log-level info 2
    1
    <installation_directory> には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
    2
    異なるインストールの詳細情報を表示するには、info ではなく、warndebug、または error を指定します。

    コマンドが FATAL 警告を出さずに終了する場合、実稼働用のコントロールプレーンは初期化されています。

  2. ブートストラップリソースを削除します。

    $ az network nsg rule delete -g ${RESOURCE_GROUP} --nsg-name ${INFRA_ID}-nsg --name bootstrap_ssh_in
    $ az vm stop -g ${RESOURCE_GROUP} --name ${INFRA_ID}-bootstrap
    $ az vm deallocate -g ${RESOURCE_GROUP} --name ${INFRA_ID}-bootstrap
    $ az vm delete -g ${RESOURCE_GROUP} --name ${INFRA_ID}-bootstrap --yes
    $ az disk delete -g ${RESOURCE_GROUP} --name ${INFRA_ID}-bootstrap_OSDisk --no-wait --yes
    $ az network nic delete -g ${RESOURCE_GROUP} --name ${INFRA_ID}-bootstrap-nic --no-wait
    $ az storage blob delete --account-key ${ACCOUNT_KEY} --account-name ${CLUSTER_NAME}sa --container-name files --name bootstrap.ign
    $ az network public-ip delete -g ${RESOURCE_GROUP} --name ${INFRA_ID}-bootstrap-ssh-pip

1.7.16. Azure での追加のワーカーマシンの作成

Microsoft Azure でクラスターが使用するワーカーマシンを作成するには、それぞれのインスタンスを個別に起動するか、または自動スケーリンググループなどのクラスター外にある自動プロセスを実行します。OpenShift Container Platform の組み込まれたクラスタースケーリングメカニズムやマシン API を利用できます。

この例では、Azure Resource Manager (ARM) テンプレートを使用して 1 つのインスタンスを手動で起動します。追加のインスタンスは、ファイル内に 06_workers.json というタイプのリソースを追加して起動することができます。

注記

提供される ARM テンプレートを使用してワーカーマシンを使用しない場合、指定される情報を確認し、インフラストラクチャーを手動で作成する必要があります。クラスターが適切に初期化されない場合、インストールログを用意して Red Hat サポートに問い合わせする必要がある可能性があります。

前提条件

  • Azure アカウントを設定します。
  • クラスターの Ignition 設定ファイルを生成します。
  • Azure で VNet および関連するサブネットを作成し、設定します。
  • Azure でネットワークおよびロードバランサーを作成し、設定します。
  • コントロールプレーンおよびコンピュートロールを作成します。
  • ブートストラップマシンを作成します。
  • コントロールプレーンマシンを作成します。

手順

  1. 本トピックの ワーカーマシンの ARM テンプレートセクションからテンプレートをコピーし、これを 06_workers.json としてクラスターのインストールディレクトリーに保存します。このテンプレートは、クラスターに必要なワーカーマシンについて記述しています。
  2. ワーカーマシンのデプロイメントで必要な以下の変数をエクスポートします。

    $ export WORKER_IGNITION=`cat <installation_directory>/worker.ign | base64`
  3. az CLI を使用してデプロイメントを作成します。

    $ az deployment group create -g ${RESOURCE_GROUP} \
      --template-file "<installation_directory>/06_workers.json" \
      --parameters workerIgnition="${WORKER_IGNITION}" \ 1
      --parameters sshKeyData="${SSH_KEY}" \ 2
      --parameters baseName="${INFRA_ID}" 3
    1
    ワーカーノードの Ignition コンテンツ。
    2
    文字列としての SSH RSA 公開鍵ファイル。
    3
    リソース名で使用されるベース名。これは通常クラスターのインフラストラクチャー ID です。

1.7.16.1. ワーカーマシンの ARM テンプレート

以下の Azure Resource Manager (ARM) テンプレートを使用し、OpenShift Container Platform クラスターに必要なワーカーマシンをデプロイすることができます。

例1.6 06_workers.json ARM テンプレート

{
  "$schema" : "https://schema.management.azure.com/schemas/2015-01-01/deploymentTemplate.json#",
  "contentVersion" : "1.0.0.0",
  "parameters" : {
    "baseName" : {
      "type" : "string",
      "minLength" : 1,
      "metadata" : {
        "description" : "Base name to be used in resource names (usually the cluster's Infra ID)"
      }
    },
    "workerIgnition" : {
      "type" : "string",
      "metadata" : {
        "description" : "Ignition content for the worker nodes"
      }
    },
    "numberOfNodes" : {
      "type" : "int",
      "defaultValue" : 3,
      "minValue" : 2,
      "maxValue" : 30,
      "metadata" : {
        "description" : "Number of OpenShift compute nodes to deploy"
      }
    },
    "sshKeyData" : {
      "type" : "securestring",
      "metadata" : {
        "description" : "SSH RSA public key file as a string"
      }
    },
    "nodeVMSize" : {
      "type" : "string",
      "defaultValue" : "Standard_D4s_v3",
      "allowedValues" : [
        "Standard_A2",
        "Standard_A3",
        "Standard_A4",
        "Standard_A5",
        "Standard_A6",
        "Standard_A7",
        "Standard_A8",
        "Standard_A9",
        "Standard_A10",
        "Standard_A11",
        "Standard_D2",
        "Standard_D3",
        "Standard_D4",
        "Standard_D11",
        "Standard_D12",
        "Standard_D13",
        "Standard_D14",
        "Standard_D2_v2",
        "Standard_D3_v2",
        "Standard_D4_v2",
        "Standard_D5_v2",
        "Standard_D8_v3",
        "Standard_D11_v2",
        "Standard_D12_v2",
        "Standard_D13_v2",
        "Standard_D14_v2",
        "Standard_E2_v3",
        "Standard_E4_v3",
        "Standard_E8_v3",
        "Standard_E16_v3",
        "Standard_E32_v3",
        "Standard_E64_v3",
        "Standard_E2s_v3",
        "Standard_E4s_v3",
        "Standard_E8s_v3",
        "Standard_E16s_v3",
        "Standard_E32s_v3",
        "Standard_E64s_v3",
        "Standard_G1",
        "Standard_G2",
        "Standard_G3",
        "Standard_G4",
        "Standard_G5",
        "Standard_DS2",
        "Standard_DS3",
        "Standard_DS4",
        "Standard_DS11",
        "Standard_DS12",
        "Standard_DS13",
        "Standard_DS14",
        "Standard_DS2_v2",
        "Standard_DS3_v2",
        "Standard_DS4_v2",
        "Standard_DS5_v2",
        "Standard_DS11_v2",
        "Standard_DS12_v2",
        "Standard_DS13_v2",
        "Standard_DS14_v2",
        "Standard_GS1",
        "Standard_GS2",
        "Standard_GS3",
        "Standard_GS4",
        "Standard_GS5",
        "Standard_D2s_v3",
        "Standard_D4s_v3",
        "Standard_D8s_v3"
      ],
      "metadata" : {
        "description" : "The size of the each Node Virtual Machine"
      }
    }
  },
  "variables" : {
    "location" : "[resourceGroup().location]",
    "virtualNetworkName" : "[concat(parameters('baseName'), '-vnet')]",
    "virtualNetworkID" : "[resourceId('Microsoft.Network/virtualNetworks', variables('virtualNetworkName'))]",
    "nodeSubnetName" : "[concat(parameters('baseName'), '-worker-subnet')]",
    "nodeSubnetRef" : "[concat(variables('virtualNetworkID'), '/subnets/', variables('nodeSubnetName'))]",
    "infraLoadBalancerName" : "[parameters('baseName')]",
    "sshKeyPath" : "/home/capi/.ssh/authorized_keys",
    "identityName" : "[concat(parameters('baseName'), '-identity')]",
    "imageName" : "[concat(parameters('baseName'), '-image')]",
    "copy" : [
      {
        "name" : "vmNames",
        "count" :  "[parameters('numberOfNodes')]",
        "input" : "[concat(parameters('baseName'), '-worker-', variables('location'), '-', copyIndex('vmNames', 1))]"
      }
    ]
  },
  "resources" : [
    {
      "apiVersion" : "2019-05-01",
      "name" : "[concat('node', copyIndex())]",
      "type" : "Microsoft.Resources/deployments",
      "copy" : {
        "name" : "nodeCopy",
        "count" : "[length(variables('vmNames'))]"
      },
      "properties" : {
        "mode" : "Incremental",
        "template" : {
          "$schema" : "http://schema.management.azure.com/schemas/2015-01-01/deploymentTemplate.json#",
          "contentVersion" : "1.0.0.0",
          "resources" : [
            {
              "apiVersion" : "2018-06-01",
              "type" : "Microsoft.Network/networkInterfaces",
              "name" : "[concat(variables('vmNames')[copyIndex()], '-nic')]",
              "location" : "[variables('location')]",
              "properties" : {
                "ipConfigurations" : [
                  {
                    "name" : "pipConfig",
                    "properties" : {
                      "privateIPAllocationMethod" : "Dynamic",
                      "subnet" : {
                        "id" : "[variables('nodeSubnetRef')]"
                      },
                      "loadBalancerBackendAddressPools" : [
                        {
                          "id" : "[concat('/subscriptions/', subscription().subscriptionId, '/resourceGroups/', resourceGroup().name, '/providers/Microsoft.Network/loadBalancers/', variables('infraLoadBalancerName'), '/backendAddressPools/', parameters('baseName'))]"
                        }
                      ]
                    }
                  }
                ]
              }
            },
            {
              "apiVersion" : "2018-06-01",
              "type" : "Microsoft.Compute/virtualMachines",
              "name" : "[variables('vmNames')[copyIndex()]]",
              "location" : "[variables('location')]",
              "tags" : {
                "kubernetes.io-cluster-ffranzupi": "owned"
              },
              "identity" : {
                "type" : "userAssigned",
                "userAssignedIdentities" : {
                  "[resourceID('Microsoft.ManagedIdentity/userAssignedIdentities/', variables('identityName'))]" : {}
                }
              },
              "dependsOn" : [
                "[concat('Microsoft.Network/networkInterfaces/', concat(variables('vmNames')[copyIndex()], '-nic'))]"
              ],
              "properties" : {
                "hardwareProfile" : {
                  "vmSize" : "[parameters('nodeVMSize')]"
                },
                "osProfile" : {
                  "computerName" : "[variables('vmNames')[copyIndex()]]",
                  "adminUsername" : "capi",
                  "customData" : "[parameters('workerIgnition')]",
                  "linuxConfiguration" : {
                    "disablePasswordAuthentication" : true,
                    "ssh" : {
                      "publicKeys" : [
                        {
                          "path" : "[variables('sshKeyPath')]",
                          "keyData" : "[parameters('sshKeyData')]"
                        }
                      ]
                    }
                  }
                },
                "storageProfile" : {
                  "imageReference": {
                    "id": "[resourceId('Microsoft.Compute/images', variables('imageName'))]"
                  },
                  "osDisk" : {
                    "name": "[concat(variables('vmNames')[copyIndex()],'_OSDisk')]",
                    "osType" : "Linux",
                    "createOption" : "FromImage",
                    "managedDisk": {
                      "storageAccountType": "Premium_LRS"
                    },
                    "diskSizeGB": 128
                  }
                },
                "networkProfile" : {
                  "networkInterfaces" : [
                    {
                      "id" : "[resourceId('Microsoft.Network/networkInterfaces', concat(variables('vmNames')[copyIndex()], '-nic'))]",
                      "properties": {
                        "primary": true
                      }
                    }
                  ]
                }
              }
            }
          ]
        }
      }
    }
  ]
}

1.7.17. バイナリーのダウンロードによる CLI のインストール

コマンドラインインターフェイスを使用して OpenShift Container Platform と対話するために CLI (oc) をインストールすることができます。oc は Linux、Windows、または macOS にインストールできます。

重要

以前のバージョンの oc をインストールしている場合、これを使用して OpenShift Container Platform 4.4 のすべてのコマンドを実行することはできません。新規バージョンの oc をダウンロードし、インストールします。

1.7.17.1. Linux への CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを Linux にインストールできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページに移動します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
  3. Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの Linux を選択し、Download command-line tools をクリックします。
  4. アーカイブを展開します。

    $ tar xvzf <file>
  5. oc バイナリーを、PATH にあるディレクトリーに配置します。

    PATH を確認するには、以下のコマンドを実行します。

    $ echo $PATH

CLI のインストール後は、oc コマンドを使用して利用できます。

$ oc <command>

1.7.17.2. Windows での CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを Windows にインストールできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページに移動します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
  3. Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの Windows を選択し、Download command-line tools をクリックします。
  4. ZIP プログラムでアーカイブを解凍します。
  5. oc バイナリーを、PATH にあるディレクトリーに移動します。

    PATH を確認するには、コマンドプロンプトを開いて以下のコマンドを実行します。

    C:\> path

CLI のインストール後は、oc コマンドを使用して利用できます。

C:\> oc <command>

1.7.17.3. macOS への CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを macOS にインストールできます。

手順

  1. Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページに移動します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
  3. Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの MacOS を選択し、Download command-line tools をクリックします。
  4. アーカイブを展開し、解凍します。
  5. oc バイナリーをパスにあるディレクトリーに移動します。

    PATH を確認するには、ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。

    $ echo $PATH

CLI のインストール後は、oc コマンドを使用して利用できます。

$ oc <command>

1.7.18. クラスターへのログイン

クラスター kubeconfig ファイルをエクスポートし、デフォルトシステムユーザーとしてクラスターにログインできます。kubeconfig ファイルには、クライアントを正しいクラスターおよび API サーバーに接続するために CLI で使用されるクラスターについての情報が含まれます。このファイルはクラスターに固有のファイルであり、OpenShift Container Platform のインストール時に作成されます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform クラスターをデプロイします。
  • oc CLI をインストールします。

手順

  1. kubeadmin 認証情報をエクスポートします。

    $ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig 1
    1
    <installation_directory> には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
  2. エクスポートされた設定を使用して、oc コマンドを正常に実行できることを確認します。

    $ oc whoami
    system:admin

1.7.19. マシンの証明書署名要求の承認

マシンをクラスターに追加する際に、追加したそれぞれのマシンについて 2 つの保留状態の証明書署名要求 (CSR) が生成されます。これらの CSR が承認されていることを確認するか、または必要な場合はそれらを承認してください。最初にクライアント要求を承認し、次にサーバー要求を承認する必要があります。

前提条件

  • マシンがクラスターに追加されています。

手順

  1. クラスターがマシンを認識していることを確認します。

    # oc get nodes
    
    NAME                    STATUS   ROLES    AGE   VERSION
    master-01.example.com   Ready    master   40d   v1.17.1
    master-02.example.com   Ready    master   40d   v1.17.1
    master-03.example.com   Ready    master   40d   v1.17.1
    worker-01.example.com   Ready    worker   40d   v1.17.1
    worker-02.example.com   Ready    worker   40d   v1.17.1

    出力には作成したすべてのマシンが一覧表示されます。

  2. 保留中の証明書署名要求 (CSR) を確認し、クラスターに追加したそれぞれのマシンのクライアントおよびサーバー要求に Pending または Approved ステータスが表示されていることを確認します。

    $ oc get csr
    
    NAME        AGE     REQUESTOR                                                                   CONDITION
    csr-8b2br   15m     system:serviceaccount:openshift-machine-config-operator:node-bootstrapper   Pending
    csr-8vnps   15m     system:serviceaccount:openshift-machine-config-operator:node-bootstrapper   Pending
    ...

    この例では、2 つのマシンがクラスターに参加しています。この一覧にはさらに多くの承認された CSR が表示される可能性があります。

  3. 追加したマシンの保留中の CSR すべてが Pending ステータスになった後に CSR が承認されない場合には、クラスターマシンの CSR を承認します。

    注記

    CSR のローテーションは自動的に実行されるため、クラスターにマシンを追加後 1 時間以内に CSR を承認してください。1 時間以内に承認しない場合には、証明書のローテーションが行われ、各ノードに 3 つ以上の証明書が存在するようになります。これらの証明書すべてを承認する必要があります。最初の CSR の承認後、後続のノードクライアント CSR はクラスターの kube-controller-manger によって自動的に承認されます。kubelet 提供証明書の要求を自動的に承認する方法を実装する必要があります。

    • それらを個別に承認するには、それぞれの有効な CSR について以下のコマンドを実行します。

      $ oc adm certificate approve <csr_name> 1
      1
      <csr_name> は、現行の CSR の一覧からの CSR の名前です。
    • すべての保留中の CSR を承認するには、以下のコマンドを実行します。

      $ oc get csr -o go-template='{{range .items}}{{if not .status}}{{.metadata.name}}{{"\n"}}{{end}}{{end}}' | xargs oc adm certificate approve
  4. クライアント要求が承認されたら、クラスターに追加した各マシンのサーバー要求を確認する必要があります。

    $ oc get csr

    出力例

    NAME        AGE     REQUESTOR                                                                   CONDITION
    csr-bfd72   5m26s   system:node:ip-10-0-50-126.us-east-2.compute.internal                       Pending
    csr-c57lv   5m26s   system:node:ip-10-0-95-157.us-east-2.compute.internal                       Pending
    ...

  5. 残りの CSR が承認されず、それらが Pending ステータスにある場合、クラスターマシンの CSR を承認します。

    • それらを個別に承認するには、それぞれの有効な CSR について以下のコマンドを実行します。

      $ oc adm certificate approve <csr_name> 1
      1
      <csr_name> は、現行の CSR の一覧からの CSR の名前です。
    • すべての保留中の CSR を承認するには、以下のコマンドを実行します。

      $ oc get csr -o go-template='{{range .items}}{{if not .status}}{{.metadata.name}}{{"\n"}}{{end}}{{end}}' | xargs oc adm certificate approve
  6. すべてのクライアントおよびサーバーの CSR が承認された後に、マシンのステータスが Ready になります。以下のコマンドを実行して、これを確認します。

    $ oc get nodes

    出力例

    NAME      STATUS    ROLES   AGE  VERSION
    master-0  Ready     master  73m  v1.20.0
    master-1  Ready     master  73m  v1.20.0
    master-2  Ready     master  74m  v1.20.0
    worker-0  Ready     worker  11m  v1.20.0
    worker-1  Ready     worker  11m  v1.20.0

    注記

    サーバー CSR の承認後にマシンが Ready ステータスに移行するまでに数分の時間がかかる場合があります。

関連情報

1.7.20. Ingress DNS レコードの追加

Kubernetes マニフェストの作成および Ignition 設定の生成時に DNS ゾーン設定を削除した場合、Ingress ロードバランサーをポイントする DNS レコードを手動で作成する必要があります。ワイルドカード *.apps.{baseDomain}. または特定のレコードのいずれかを作成できます。要件に基づいて A、CNAME その他のレコードを使用できます。

前提条件

  • 独自にプロビジョニングしたインフラストラクチャーを使用して、OpenShift Container Platform クラスターを Microsoft Azure にデプロイしています。
  • OpenShift CLI (oc) をインストールします。
  • jq パッケージをインストールします。
  • Azure CLI のインストールまたは更新を実行します。

手順

  1. Ingress ルーターがロードバランサーを作成し、EXTERNAL-IP フィールドにデータを設定していることを確認します。

    $ oc -n openshift-ingress get service router-default
    NAME             TYPE           CLUSTER-IP      EXTERNAL-IP     PORT(S)                      AGE
    router-default   LoadBalancer   172.30.20.10   35.130.120.110   80:32288/TCP,443:31215/TCP   20
  2. Ingress ルーター IP を変数としてエクスポートします。

    $ export PUBLIC_IP_ROUTER=`oc -n openshift-ingress get service router-default --no-headers | awk '{print $4}'`
  3. パブリック DNS ゾーンに *.apps レコードを追加します。

    1. このクラスターを新しいパブリックゾーンに追加する場合は、以下を実行します。

      $ az network dns record-set a add-record -g ${BASE_DOMAIN_RESOURCE_GROUP} -z ${CLUSTER_NAME}.${BASE_DOMAIN} -n *.apps -a ${PUBLIC_IP_ROUTER} --ttl 300
    2. このクラスターを既存のパブリックゾーンに追加する場合は、以下を実行します。

      $ az network dns record-set a add-record -g ${BASE_DOMAIN_RESOURCE_GROUP} -z ${BASE_DOMAIN} -n *.apps.${CLUSTER_NAME} -a ${PUBLIC_IP_ROUTER} --ttl 300
  4. *.apps レコードをプライベート DNS ゾーンに追加します。

    $ az network private-dns record-set a create -g ${RESOURCE_GROUP} -z ${CLUSTER_NAME}.${BASE_DOMAIN} -n *.apps --ttl 300
    $ az network private-dns record-set a add-record -g ${RESOURCE_GROUP} -z ${CLUSTER_NAME}.${BASE_DOMAIN} -n *.apps -a ${PUBLIC_IP_ROUTER}

ワイルドカードを使用する代わりに明示的なドメインを追加する場合は、クラスターのそれぞれの現行ルートのエントリーを作成できます。

$ oc get --all-namespaces -o jsonpath='{range .items[*]}{range .status.ingress[*]}{.host}{"\n"}{end}{end}' routes
oauth-openshift.apps.cluster.basedomain.com
console-openshift-console.apps.cluster.basedomain.com
downloads-openshift-console.apps.cluster.basedomain.com
alertmanager-main-openshift-monitoring.apps.cluster.basedomain.com
grafana-openshift-monitoring.apps.cluster.basedomain.com
prometheus-k8s-openshift-monitoring.apps.cluster.basedomain.com

1.7.21. ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーでの Azure インストールの実行

Microsoft Azure のユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーで OpenShift Container Platform のインストールを開始した後は、クラスターが準備状態になるまでクラスターのイベントをモニターできます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform クラスターのブートストラップマシンを、ユーザーによってプロビジョニングされる Azure インフラストラクチャーにデプロイします。
  • oc CLI をインストールし、ログインします。

手順

  • クラスターのインストールを完了します。

    $ ./openshift-install --dir=<installation_directory> wait-for install-complete 1
    
    INFO Waiting up to 30m0s for the cluster to initialize...
    1
    <installation_directory> には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
    重要

    インストールプログラムが生成する Ignition 設定ファイルには、24 時間が経過すると期限切れになり、その後に更新される証明書が含まれます。証明書を更新する前にクラスターが停止し、24 時間経過した後にクラスターを再起動すると、クラスターは期限切れの証明書を自動的に復元します。例外として、kubelet 証明書を回復するために保留状態の node-bootstrapper 証明書署名要求 (CSR) を手動で承認する必要があります。詳細は、コントロールプレーン証明書の期限切れの状態からのリカバリー についてのドキュメントを参照してください。

1.8. Azure でのクラスターのアンインストール

Microsoft Azure にデプロイしたクラスターは削除することができます。

1.8.1. インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーを使用するクラスターの削除

インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーを使用するクラスターは、クラウドから削除できます。

前提条件

  • クラスターをデプロイするために使用したインストールプログラムのコピーがあります。
  • クラスター作成時にインストールプログラムが生成したファイルがあります。

手順

  1. クラスターをインストールするために使用したコンピューターから、以下のコマンドを実行します。

    $ ./openshift-install destroy cluster \
    --dir=<installation_directory> --log-level=info 1 2
    1
    <installation_directory> には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
    2
    異なる詳細情報を表示するには、 info ではなく、warndebug、または error を指定します。
    注記

    クラスターのクラスター定義ファイルが含まれるディレクトリーを指定する必要があります。クラスターを削除するには、インストールプログラムでこのディレクトリーにある metadata.json ファイルが必要になります。

  2. オプション: <installation_directory> ディレクトリーおよび OpenShift Container Platform インストールプログラムを削除します。