1.3. 主な技術上の変更点

OpenShift Container Platform 4.3 では、主に以下のような技術的な変更点が加えられています。

Operator SDK v0.12.0

OpenShift Container Platform 4.3 は Operator SDK v0.12.0 以降をサポートします。

Operator テストツーリング (scorecard v2) には、以下の拡張機能が含まれるようになりました。

  • Operator テストの必須/オプションとしての分類。
  • テストの選択および pass/fail 動作の設定。
  • カスタムテストの送付。

Helm ベースの Operator の場合、改善点には以下が含まれます。

  • Helm v3 のサポート (Operator SDK 0.14.0 以降)。
  • ロールベースアクセス制御 (RBAC) の生成。

Ansible ベースの Operator の拡張機能には、以下が含まれます。

  • Prometheus メトリクスのサポート。
  • Red Hat Universal Base Image (UBI) の使用。
  • Molecule ベースのエンドツーエンドのテスト。

最後に、Golang ベースの Operator の拡張機能には以下が含まれます。

  • OpenAPI 仕様の生成。
  • Kubernetes 1.14 のサポート。
  • dep ベースプロジェクトの削除。すべての Go プロジェクトが、Go モジュールを使用できるようにスキャフォールディングされます。operator-sdk new コマンドの --dep-manager フラグが削除されました。
  • 必要な Go バージョンの v1.10 から v1.13 への更新。
  • Prometheus メトリクスのサポート。
クラスターロギング Fluent forward 設定の変更

新規のログ転送 API によって導入された変更により、OpenShift Container Platform 4.3 リリース以降の Fluentd forward プロトコルのサポートが変更されました。4.3 リリースでは、テクノロジープレビューの新規のログ転送機能を使用せずに、Fluentd forward プロトコル を依然として使用できます。

Fluentd forward プロトコルを使用するには、 fluentd ConfigMap の secure-forward.conf セクションを編集する代わりに、ConfigMap オブジェクトを作成して out_forward を設定する必要があります。さらに、設定で必要になる証明書を、Fluentd Pod にマウントされるシークレットに追加できます。Fluentd Forward プラグインを使用した外部デバイスへのログ送信について参照してください。

4.3 では、Fluentd forward メソッドは非推奨となり、今後のリリースで削除されます。

OpenShift Container Platform 4.3 の更新時に、fluentd ConfigMap の secure-forward.conf セクションへの既存の変更が削除されます。現在の secure-forward.conf セクションをコピーしてから更新し、secure-forward ConfigMap オブジェクトの作成時にコピーしたデータを使用することができます。

1.3.1. サポートされない機能

クラスターロギングで、Fluentd Daemonset を編集してログを転送できなくなる

新規ログ転送 API で導入された変更により、Fluentd DaemonSet を編集してログを外部 Elasticsearch インスタンスに転送できなくなりました。

以前のバージョンでは、fluentd Daemonset を使用して ES_HOST および OPS_HOST 環境変数を使用したり、fluent-plugin-remote-syslog プラグインを使用したりすることができました。

新規のログ転送 API 機能や Fluentd forward プロトコルを使用して、ログを外部 Elasticsearch インスタンスおよび他のエンドポイントに転送できます。この変更を反映するために、ドキュメントが更新されています。

1.3.1.1. ローカルストレージプロビジョナー

以前に非推奨とされた ose-local-storage-provisioner コンテナーのテクノロジープレビューが削除されました。OLM ベースのローカルストレージ Operator(ose-local-storage-operator)を使用することが推奨されています。

1.3.1.2. 永続ボリュームスナップショット

永続ボリュームスナップショットは OpenShift Container Platform 4.2 で非推奨となり、OpenShift Container Platform 4.3 で削除されました。

1.3.2. 非推奨の機能

1.3.2.1. Pipeline ビルドストラテジー

Pipeline ビルドストラテジーが非推奨になりました。OpenShift Pipeline を代わりに使用します。

1.3.2.2. ベータ版のワークロードアラート

apps/v1beta1apps/v1beta2、および extensions/v1beta1 ワークロードアラートは、Kubernetes 1.16 の導入により非推奨になりました。

非推奨の API のいずれかを使用すると、 UsingDeprecatedAPIExtensionsV1Beta1 アラートのプロンプトが出されます。これらの非推奨の API は OpenShift Container Platform の次のバージョンで削除されるので、サポートされている API に移行する必要があります。

1.3.2.3. サービスカタログ、テンプレートサービスブローカー、Ansible Service Broker、およびそれらの Operator

サービスカタログ、テンプレートサービスブローカー、Ansible Service Broker およびそれらの関連付けられた Operator は OpenShift Container Platform 4.2 で非推奨となり、今後の OpenShift Container Platform リリースで削除されます。これらが 4.3 で有効にされている場合、Web コンソールは、これらの機能が依然として有効にされていることをユーザーに警告するようになりました。

以下のアラートは MonitoringAlerts ページから表示でき、アラートには Warning の重大度が設定されています。

  • ServiceCatalogAPIServerEnabled
  • ServiceCatalogControllerManagerEnabled
  • TemplateServiceBrokerEnabled
  • AnsibleServiceBrokerEnabled

以下の関連する API は今後のリリースで削除されます。

  • .servicecatalog.k8s.io/v1beta1
  • .automationbroker.io/v1alpha1
  • .osb.openshift.io/v1

1.3.2.4. OperatorSource および CatalogSourceConfig が非推奨になる

OperatorSources および CatalogSourceConfig は OperatorHub から非推奨になりました。以下の関連する API は今後のリリースで削除されます。

  • operatorsources.operators.coreos.com/v1
  • catalogsourceconfigs.operators.coreos.com/v2
  • catalogsourceconfigs.operators.coreos.com/v1

1.3.2.5. CodeReady コンテナーの VirtualBox サポート

CodeReady Container (CRC) で VirtualBox の使用についてのサポートが非推奨になりました。