6.5. 仮想マシンコンソールへのアクセス

Container-native Virtualization は、異なる製品タスクを実現するために使用できる異なる仮想マシンコンソールを提供します。Web コンソールおよび CLI コマンドを使用してこれらのコンソールにアクセスできます。

6.5.1. 仮想マシンコンソールのセッション

Web コンソールの Virtual Machine Details 画面の Consoles タブから、実行中の仮想マシンの VNC およびシリアルコンソールに接続することができます。

グラフィカルな VNC コンソールシリアルコンソール の 2 つのコンソールを使用できます。VNC コンソール は、Consoles タブに移動する際には常にデフォルトで開きます。VNC ConsoleSerial Console リストを使用してコンソールを切り換えることができます。

コンソールのセッションは切断しない限り、バックグラウンドでアクティブな状態のままになります。Disconnect before switching チェックボックスがアクティブな場合にコンソールを切り替えると、現在のコンソールセッションは切断され、選択したコンソールの新規セッションが仮想マシンに接続されます。これにより、一度に 1 つのコンソールセッションのみが開かれます。

VNC コンソール のオプション

Send Key ボタンでは、仮想マシンに送信するキーの組み合わせを一覧表示します。

シリアルコンソール のオプション

Disconnect ボタンを使用して、仮想マシンから Serial Console セッションを手動で切断します。
Reconnect ボタンを使用して Serial Console セッションを仮想マシンに対して手動で開きます。

6.5.2. Web コンソールの使用による仮想マシンへの接続

6.5.2.1. ターミナルへの接続

Web コンソールを使用して仮想マシンに接続することができます。

手順

  1. 正しいプロジェクトを指定していることを確認します。そうでない場合は、Project 一覧をクリックして適切なプロジェクトを選択します。
  2. WorkloadsVirtual Machines をクリックして、プロジェクトに仮想マシンを表示します。
  3. 仮想マシンを選択します。
  4. Overview タブで、virt-launcher-<vm-name> Pod をクリックします。
  5. Terminal タブをクリックします。ターミナルが空白の場合、ターミナルをクリックし、任意のキーを押して接続を開始します。

6.5.2.2. シリアルコンソールへの接続

Web コンソールの Virtual Machine Details 画面の Consoles タブから、実行中の仮想マシンの Serial Console に接続します。

手順

  1. Container-native Virtualization コンソールで WorkloadsVirtual Machinesをクリックします。
  2. 仮想マシンを選択します。
  3. Consoles をクリックします。VNC コンソールがデフォルトで開きます。
  4. VNC Console ドロップダウンリストをクリックし、Serial Console を選択します。

6.5.2.3. VNC コンソールへの接続

Web コンソールの Virtual Machine Details 画面の Consoles タブから、実行中の仮想マシンの VNC コンソールに接続します。

手順

  1. Container-native Virtualization コンソールで WorkloadsVirtual Machinesをクリックします。
  2. 仮想マシンを選択します。
  3. Consoles をクリックします。VNC コンソールがデフォルトで開きます。

6.5.2.4. RDP コンソールへの接続

Remote Desktop Protocol (RDP) を使用するデスクトップビューアーコンソールは、Windows 仮想マシンに接続するためのより使いやすいコンソールを提供します。

RDP を使用して Windows 仮想マシンに接続するには、Web コンソールの Virtual Machine Details 画面の Consoles タブから仮想マシンの console.rdp ファイルをダウンロードし、これを優先する RDP クライアントに指定します。

前提条件

  • QEMU ゲストエージェントがインストールされた実行中の Windows 仮想マシン。qemu-guest-agent は VirtIO ドライバーに含まれています。
  • 仮想マシンに接続された layer-2 NIC。
  • Windows 仮想マシンと同じネットワーク上のマシンにインストールされた RDP クライアント。

手順

  1. Container-native Virtualization コンソールで WorkloadsVirtual Machinesをクリックします。
  2. Windows 仮想マシンを選択します。
  3. Consoles タブをクリックします。
  4. Consoles 一覧をクリックし、Desktop Viewer を選択します。
  5. Network Interface 一覧で、 layer-2 NIC を選択します。
  6. Launch Remote Desktop をクリックし、 console.rdp ファイルをダウンロードします。
  7. RDP クライアントを開き、console.rdp ファイルを参照します。たとえば、remmina を使用します。

    $ remmina --connect /path/to/console.rdp
  8. Administrator ユーザー名およびパスワードを入力して、Windows 仮想マシンに接続します。

6.5.3. CLI コマンドの使用による仮想マシンコンソールへのアクセス

6.5.3.1. SSH 経由での仮想マシンインスタンスへのアクセス

仮想マシンにポート 22 を公開した後に、SSH を使用して仮想マシンにアクセスできます。

virtctl expose コマンドは、仮想マシンインスタンスのポートをノードポートに転送し、有効にされたアクセスのサービスを作成します。以下の例では、fedora-vm-ssh サービスを作成します。 このサービスは、<fedora-vm> 仮想マシンのポート 22 をノード上のポートに転送します。

前提条件

  • アクセスする仮想マシンインスタンスは、masquerade バインディングメソッド方法を使用してデフォルトの Pod ネットワークに接続されている。
  • アクセスする仮想マシンインスタンスが実行中であること。
  • OpenShift CLI (oc) をインストールします。

手順

  1. 以下のコマンドを実行して fedora-vm-ssh サービスを作成します。

    $ virtctl expose vm <fedora-vm> --port=20022 --target-port=22 --name=fedora-vm-ssh --type=NodePort 1
    1
    <fedora-vm> は、fedora-vm-ssh サービスを実行する仮想マシンの名前です。
  2. サービスをチェックし、サービスが取得したポートを見つけます。

    $ oc get svc
    NAME            TYPE       CLUSTER-IP     EXTERNAL-IP   PORT(S)           AGE
    fedora-vm-ssh   NodePort   127.0.0.1      <none>        20022:32551/TCP   6s

    この例では、サービスは 32551 ポートを取得しています。

  3. SSH 経由で仮想マシンインスタンスにログインします。ノードの ipAddress および直前の手順で確認したポートを使用します。

    $ ssh username@<node_IP_address> -p 32551

6.5.3.2. 仮想マシンインスタンスのシリアルコンソールへのアクセス

virtctl console コマンドは、指定された仮想マシンインスタンスへのシリアルコンソールを開きます。

前提条件

  • virt-viewer パッケージがインストールされていること。
  • アクセスする仮想マシンインスタンスが実行中であること。

手順

  • virtctl でシリアルコンソールに接続します。

    $ virtctl console <VMI>

6.5.3.3. VNC を使用した仮想マシンインスタンスのグラフィカルコンソールへのアクセス

virtctl クライアントユーティリティーは remote-viewer 機能を使用し、実行中の仮想マシンインスタンスに対してグラフィカルコンソールを開くことができます。この機能は virt-viewer パッケージに組み込まれています。

前提条件

  • virt-viewer パッケージがインストールされていること。
  • アクセスする仮想マシンインスタンスが実行中であること。
注記

リモートマシンで SSH 経由で virtctl を使用する場合、X セッションをマシンに転送する必要があります。

手順

  1. virtctl ユーティリティーを使用してグラフィカルインターフェースに接続します。

    $ virtctl vnc <VMI>
  2. コマンドが失敗した場合には、トラブルシューティング情報を収集するために -v フラグの使用を試行します。

    $ virtctl vnc <VMI> -v 4

6.5.3.4. RDP コンソールの使用による Windows 仮想マシンへの接続

Remote Desktop Protocol (RDP) は、Windows 仮想マシンに接続するためのより使いやすいコンソールを提供します。

RDP を使用して Windows 仮想マシンに接続するには、割り当てられた L2 NIC の IP アドレスを RDP クライアントに対して指定します。

前提条件

  • QEMU ゲストエージェントがインストールされた実行中の Windows 仮想マシン。qemu-guest-agent は VirtIO ドライバーに含まれています。
  • 仮想マシンに接続された layer-2 NIC。
  • Windows 仮想マシンと同じネットワーク上のマシンにインストールされた RDP クライアント。

手順

  1. アクセストークンを持つユーザーとして、oc CLI ツールを使って Container-native Virtualization クラスターにログインします。

    $ oc login -u <user> https://<cluster.example.com>:8443
  2. oc describe vmi を使用して、実行中の Windows 仮想マシンの設定を表示します。

    $ oc describe vmi <windows-vmi-name>
    ...
    spec:
      networks:
      - name: default
        pod: {}
      - multus:
          networkName: cnv-bridge
        name: bridge-net
    ...
    status:
      interfaces:
      - interfaceName: eth0
        ipAddress: 198.51.100.0/24
        ipAddresses:
          198.51.100.0/24
        mac: a0:36:9f:0f:b1:70
        name: default
      - interfaceName: eth1
        ipAddress: 192.0.2.0/24
        ipAddresses:
          192.0.2.0/24
          2001:db8::/32
        mac: 00:17:a4:77:77:25
        name: bridge-net
    ...
  3. レイヤー 2 ネットワークインターフェースの IP アドレスを特定し、これをコピーします。これは直前の例では 192.0.2.0 であり、IPv6 を選択する場合は 2001:db8:: になります。
  4. RDP クライアントを開き、接続用に直前の手順でコピーした IP アドレスを使用します。
  5. Administrator ユーザー名およびパスワードを入力して、Windows 仮想マシンに接続します。