スケーラビリティーおよびパフォーマンス

OpenShift Container Platform 4.2

実稼働環境における OpenShift Container Platform 4.2 クラスターのスケーリングおよびパフォーマンスチューニング

Red Hat OpenShift Documentation Team

概要

本書では、クラスターをスケーリングし、OpenShift Container Platform 環境のパフォーマンスを最適化する方法について説明します。

第2章 Node Tuning Operator の使用

Node Tuning Operator について説明し、この Operator を使用し、Tuned デーモンのオーケストレーションを実行してノードレベルのチューニングを管理する方法について説明します。

2.1. Node Tuning Operator について

Node Tuning Operator は、Tuned デーモンのオーケストレーションによるノードレベルのチューニングの管理に役立ちます。ほとんどの高パフォーマンスアプリケーションでは、一定レベルのカーネルのチューニングが必要です。Node Tuning Operator は、ノードレベルの sysctl の統一された管理インターフェースをユーザーに提供し、ユーザーが指定するカスタムチューニングを追加できるよう柔軟性を提供します。Operator は、コンテナー化された OpenShift Container Platform の Tuned デーモンを Kubernetes DaemonSet として管理します。これにより、カスタムチューニング仕様が、デーモンが認識する形式でクラスターで実行されるすべてのコンテナー化された Tuned デーモンに渡されます。デーモンは、ノードごとに 1 つずつ、クラスターのすべてのノードで実行されます。

コンテナー化された Tuned デーモンによって適用されるノードレベルの設定は、プロファイルの変更をトリガーするイベントで、または終了シグナルの受信および処理によってコンテナー化された Tuned デーモンが正常に終了する際にロールバックされます。

Node Tuning Operator は、バージョン 4.1 以降における標準的な OpenShift Container Platform インストールの一部となっています。

2.2. Node Tuning Operator 仕様サンプルへのアクセス

このプロセスを使用して Node Tuning Operator 仕様サンプルにアクセスします。

手順

  1. 以下を実行します。

    $ oc get Tuned/default -o yaml -n openshift-cluster-node-tuning-operator

デフォルトの CR は、OpenShift Container Platform プラットフォームの標準的なノードレベルのチューニングを提供することを目的としており、デフォルト CR へのカスタム変更は Operator よって上書きされます。カスタムチューニングの場合は、独自のチューニングされた CR を作成します。新規に作成された CR は、ノード/Pod ラベルおよびプロファイルの優先順位に基づいて OpenShift Container Platform ノードに適用されるデフォルトの CR およびカスタムチューニングと組み合わされます。

2.3. クラスターに設定されるデフォルトのプロファイル

以下は、クラスターに設定されるデフォルトのプロファイルです。

apiVersion: tuned.openshift.io/v1alpha1
kind: Tuned
metadata:
  name: default
  namespace: openshift-cluster-node-tuning-operator
spec:
  profile:
  - name: "openshift"
    data: |
      [main]
      summary=Optimize systems running OpenShift (parent profile)
      include=${f:virt_check:virtual-guest:throughput-performance}
      [selinux]
      avc_cache_threshold=8192
      [net]
      nf_conntrack_hashsize=131072
      [sysctl]
      net.ipv4.ip_forward=1
      kernel.pid_max=>131072
      net.netfilter.nf_conntrack_max=1048576
      net.ipv4.neigh.default.gc_thresh1=8192
      net.ipv4.neigh.default.gc_thresh2=32768
      net.ipv4.neigh.default.gc_thresh3=65536
      net.ipv6.neigh.default.gc_thresh1=8192
      net.ipv6.neigh.default.gc_thresh2=32768
      net.ipv6.neigh.default.gc_thresh3=65536
      [sysfs]
      /sys/module/nvme_core/parameters/io_timeout=4294967295
      /sys/module/nvme_core/parameters/max_retries=10
  - name: "openshift-control-plane"
    data: |
      [main]
      summary=Optimize systems running OpenShift control plane
      include=openshift
      [sysctl]
      # ktune sysctl settings, maximizing i/o throughput
      #
      # Minimal preemption granularity for CPU-bound tasks:
      # (default: 1 msec#  (1 + ilog(ncpus)), units: nanoseconds)
      kernel.sched_min_granularity_ns=10000000
      # The total time the scheduler will consider a migrated process
      # "cache hot" and thus less likely to be re-migrated
      # (system default is 500000, i.e. 0.5 ms)
      kernel.sched_migration_cost_ns=5000000
      # SCHED_OTHER wake-up granularity.
      #
      # Preemption granularity when tasks wake up.  Lower the value to
      # improve wake-up latency and throughput for latency critical tasks.
      kernel.sched_wakeup_granularity_ns=4000000
  - name: "openshift-node"
    data: |
      [main]
      summary=Optimize systems running OpenShift nodes
      include=openshift
      [sysctl]
      net.ipv4.tcp_fastopen=3
      fs.inotify.max_user_watches=65536
  - name: "openshift-control-plane-es"
    data: |
      [main]
      summary=Optimize systems running ES on OpenShift control-plane
      include=openshift-control-plane
      [sysctl]
      vm.max_map_count=262144
  - name: "openshift-node-es"
    data: |
      [main]
      summary=Optimize systems running ES on OpenShift nodes
      include=openshift-node
      [sysctl]
      vm.max_map_count=262144
  recommend:
  - profile: "openshift-control-plane-es"
    priority: 10
    match:
    - label: "tuned.openshift.io/elasticsearch"
      type: "pod"
      match:
      - label: "node-role.kubernetes.io/master"
      - label: "node-role.kubernetes.io/infra"

  - profile: "openshift-node-es"
    priority: 20
    match:
    - label: "tuned.openshift.io/elasticsearch"
      type: "pod"

  - profile: "openshift-control-plane"
    priority: 30
    match:
    - label: "node-role.kubernetes.io/master"
    - label: "node-role.kubernetes.io/infra"

  - profile: "openshift-node"
priority: 40
重要

カスタムチューニング仕様のカスタムプロファイルはテクノロジープレビュー機能としてのみ利用可能です。テクノロジープレビュー機能は Red Hat の実稼働環境でのサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされていないため、Red Hat では実稼働環境での使用を推奨していません。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。これらの機能は、近々発表予定の製品機能をリリースに先駆けてご提供することにより、お客様は機能性をテストし、開発プロセス中にフィードバックをお寄せいただくことができます。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲についての詳細は、https://access.redhat.com/ja/support/offerings/techpreview/ を参照してください。

2.4. カスタムチューニング仕様

Operator のカスタムリソース (CR) には 2 つの重要なセクションがあります。1 つ目のセクションの profile: はチューニングされたプロファイルおよびそれらの名前の一覧です。2 つ目の recommend: は、プロファイル選択ロジックを定義します。

複数のカスタムチューニング仕様は、Operator の namespace に複数の CR として共存できます。新規 CR の存在または古い CR の削除は Operator によって検出されます。既存のカスタムチューニング仕様はすべてマージされ、コンテナー化された Tuned デーモンの適切なオブジェクトは更新されます。

プロファイルデータ

profile: セクションは、Tuned プロファイルおよびそれらの名前を一覧表示します。

profile:
- name: tuned_profile_1
  data: |
    # Tuned profile specification
    [main]
    summary=Description of tuned_profile_1 profile

    [sysctl]
    net.ipv4.ip_forward=1
    # ... other sysctl's or other tuned daemon plugins supported by the containerized tuned

# ...

- name: tuned_profile_n
  data: |
    # Tuned profile specification
    [main]
    summary=Description of tuned_profile_n profile

    # tuned_profile_n profile settings

推奨プロファイル

profile: 選択ロジックは、CR の recommend: セクションによって定義されます。

recommend:
- match:                              # optional; if omitted, profile match is assumed unless a profile with a higher matches first
  <match>                             # an optional array
  priority: <priority>                # profile ordering priority, lower numbers mean higher priority (0 is the highest priority)
  profile: <tuned_profile_name>       # e.g. tuned_profile_1

# ...

- match:
  <match>
  priority: <priority>
  profile: <tuned_profile_name>       # e.g. tuned_profile_n

<match> が省略されている場合は、プロファイルの一致 (例: true) があることが想定されます。

<match> は、以下のように再帰的に定義されるオプションの配列です。

- label: <label_name>     # node or pod label name
  value: <label_value>    # optional node or pod label value; if omitted, the presence of <label_name> is enough to match
  type: <label_type>      # optional node or pod type ("node" or "pod"); if omitted, "node" is assumed
  <match>                 # an optional <match> array

<match> が省略されない場合、ネストされたすべての <match> セクションが true に評価される必要もあります。そうでない場合には false が想定され、それぞれの <match> セクションのあるプロファイルは適用されず、推奨されません。そのため、ネスト化 (子の <match> セクション) は論理 AND 演算子として機能します。これとは逆に、<match> 配列のいずれかの項目が一致する場合、<match> の全体の配列が true に評価されます。そのため、配列は論理 OR 演算子として機能します。

- match:
  - label: tuned.openshift.io/elasticsearch
    match:
    - label: node-role.kubernetes.io/master
    - label: node-role.kubernetes.io/infra
    type: pod
  priority: 10
  profile: openshift-control-plane-es
- match:
  - label: node-role.kubernetes.io/master
  - label: node-role.kubernetes.io/infra
  priority: 20
  profile: openshift-control-plane
- priority: 30
  profile: openshift-node

上記のコンテナー化された Tuned デーモンの CR は、プロファイルの優先順位に基づいてその recommend.conf ファイルに変換されます。最も高い優先順位 (10) を持つプロファイルは openshift-control-plane-es であるため、これが最初に考慮されます。指定されたノードで実行されるコンテナー化された Tuned デーモンは、同じノードに tuned.openshift.io/elasticsearch ラベルを持つ Pod が実行されているかどうかを確認します。これがない場合、 <match> セクション全体が false として評価されます。このラベルを持つこのような Pod がある場合、 <match> セクションが true に評価されるようにするには、ノードラベルは node-role.kubernetes.io/master または node-role.kubernetes.io/infra である必要もあります。

優先順位が 10 のプロファイルのラベルが一致した場合、openshift-control-plane-es プロファイルが適用され、その他のプロファイルは考慮されません。ノード/Pod ラベルの組み合わせが一致しない場合、2 番目に高い優先順位プロファイル (openshift-control-plane) が考慮されます。このプロファイルは、コンテナー化されたチューニング済み Pod が node-role.kubernetes.io/master または node-role.kubernetes.io/infra ラベルを持つノードで実行される場合に適用されます。

最後に、プロファイル openshift-node には最低の優先順位である 30 が設定されます。これには <match> セクションがないため、常に一致します。これは、より高い優先順位の他のプロファイルが指定されたノードで一致しない場合に openshift-node プロファイルを設定するために、最低の優先順位のノードが適用される汎用的な (catch-all) プロファイルとして機能します。

意志決定ワークフロー

2.5. カスタムチューニングの例

以下の CR は、ラベルtuned.openshift.io/ingress-pod-label=ingress-pod-label-value で、Ingress Pod を実行する OpenShift Container Platform ノードのカスタムノードレベルのチューニングを適用します。管理者として、以下のコマンドを使用してカスタムのチューニングされた CR を作成します。

oc create -f- <<_EOF_
apiVersion: tuned.openshift.io/v1
kind: Tuned
metadata:
  name: ingress
  namespace: openshift-cluster-node-tuning-operator
spec:
  profile:
  - data: |
      [main]
      summary=A custom OpenShift ingress profile
      include=openshift-control-plane
      [sysctl]
      net.ipv4.ip_local_port_range="1024 65535"
      net.ipv4.tcp_tw_reuse=1
    name: openshift-ingress
  recommend:
  - match:
    - label: tuned.openshift.io/ingress-pod-label
      value: "ingress-pod-label-value"
      type: pod
    priority: 10
    profile: openshift-ingress
_EOF_

2.6. サポートされている Tuned デーモンプラグイン

[main] セクションを除き、以下の Tuned プラグインは、Tuned CR の profile: セクションで定義されたカスタムプロファイルを使用する場合にサポートされます。

  • audio
  • cpu
  • disk
  • eeepc_she
  • modules
  • mounts
  • net
  • scheduler
  • scsi_host
  • selinux
  • sysctl
  • sysfs
  • usb
  • video
  • vm

これらのプラグインの一部によって提供される動的チューニング機能の中に、サポートされていない機能があります。以下の Tuned プラグインは現時点でサポートされていません。

  • bootloader
  • script
  • systemd

詳細は、「Available Tuned Plug-ins」および「Getting Started with Tuned」を参照してください。

第3章 クラスターローダーの使用

クラスターローダーとは、クラスターに対してさまざまなオブジェクトを多数デプロイするツールであり、ユーザー定義のクラスターオブジェクトを作成します。クラスターローダーをビルド、設定、実行して、さまざまなクラスターの状態にある OpenShift Container Platform デプロイメントのパフォーマンスメトリクスを測定します。

3.1. クラスターローダーのインストール

クラスターローダーは origin-tests コンテナーイメージに組み込まれています。

手順

  1. origin-tests コンテナーイメージをプルするには、以下を実行します。

    $ sudo podman pull quay.io/openshift/origin-tests:4.2

3.2. クラスターローダーの実行

手順

  1. 組み込まれているテスト設定を使用してクラスターローダーを実行し、5 つのテンプレートビルドをデプロイして、デプロイメントが完了するまで待ちます。

    $ sudo podman run -v ${LOCAL_KUBECONFIG}:/root/.kube/config:z -i \
    quay.io/openshift/origin-tests:4.2 /bin/bash -c 'export KUBECONFIG=/root/.kube/config && \
    openshift-tests run-test "[Feature:Performance][Serial][Slow] Load cluster should load the \
    cluster [Suite:openshift]"'

    または、VIPERCONFIG の環境変数を設定して、ユーザー定義の設定でクラスターローダーを実行します。

    $ sudo podman run -v ${LOCAL_KUBECONFIG}:/root/.kube/config:z \
    -v ${LOCAL_CONFIG_FILE_PATH}:/root/configs/:z \
    -i quay.io/openshift/origin-tests:4.2 \
    /bin/bash -c 'KUBECONFIG=/root/.kube/config VIPERCONFIG=/root/configs/test.yaml \
    openshift-tests run-test "[Feature:Performance][Serial][Slow] Load cluster should \
    load the cluster [Suite:openshift]"'

    この例では、 ${LOCAL_KUBECONFIG} はローカルファイルシステムの kubeconfig のパスを参照します。さらに、${LOCAL_CONFIG_FILE_PATH}, というディレクトリーがあり、これは test.yaml という設定ファイルが含まれるコンテナーにマウントされます。また、test.yaml が外部テンプレートファイルや podspec ファイルを参照する場合、これらもコンテナーにマウントされる必要があります。

3.3. クラスターローダーの設定

このツールは、複数のテンプレートや Pod を含む namespace (プロジェクト) を複数作成します。

3.3.1. クラスターローダー設定ファイルの例

クラスターローダーの設定ファイルは基本的な YAML ファイルです。

provider: local 1
ClusterLoader:
  cleanup: true
  projects:
    - num: 1
      basename: clusterloader-cakephp-mysql
      tuning: default
      ifexists: reuse
      templates:
        - num: 1
          file: cakephp-mysql.json

    - num: 1
      basename: clusterloader-dancer-mysql
      tuning: default
      ifexists: reuse
      templates:
        - num: 1
          file: dancer-mysql.json

    - num: 1
      basename: clusterloader-django-postgresql
      tuning: default
      ifexists: reuse
      templates:
        - num: 1
          file: django-postgresql.json

    - num: 1
      basename: clusterloader-nodejs-mongodb
      tuning: default
      ifexists: reuse
      templates:
        - num: 1
          file: quickstarts/nodejs-mongodb.json

    - num: 1
      basename: clusterloader-rails-postgresql
      tuning: default
      templates:
        - num: 1
          file: rails-postgresql.json

  tuningsets: 2
    - name: default
      pods:
        stepping: 3
          stepsize: 5
          pause: 0 s
        rate_limit: 4
          delay: 0 ms
1
エンドツーエンドテストのオプション設定。local に設定して、過剰に長いログメッセージを回避します。
2
このチューニングセットでは、速度制限やステップ設定、複数の Pod バッチ作成、セット間での一時停止などが可能になります。クラスターローダーは、以前のステップが完了したことをモニタリングしてから、続行します。
3
ステップ設定では、オブジェクトが N 個作成されてから、M 秒間一時停止します。
4
速度制限は、次のオブジェクトを作成するまで M ミリ秒間待機します。

この例では、外部テンプレートファイルや podspec ファイルへの参照もコンテナーにマウントされていることを前提とします。

重要

Microsoft Azure でクラスターローダーを実行している場合、AZURE_AUTH_LOCATION 変数を、インストーラーディレクトリーにある terraform.azure.auto.tfvars.json の出力が含まれるファイルに設定する必要があります。

3.3.2. 設定フィールド

表3.1 クラスターローダーの最上位のフィールド

フィールドDescription

cleanup

true または false に設定します。設定ごとに 1 つの定義を設定します。true に設定すると、cleanup は、テストの最後にクラスターローダーが作成した namespaces (プロジェクト) すべてを削除します。

projects

1 つまたは多数の定義が指定されたサブオブジェクト。projects の下に、作成する各 namespace が定義され、projects には必須のサブヘッダーが複数指定されます。

tuningsets

設定ごとに 1 つの定義が指定されたサブオブジェクト。 tuningsets では、チューニングセットを定義して、プロジェクトやオブジェクト作成に対して設定可能なタイミングを追加することができます (Pod、テンプレートなど)。

sync

設定ごとに 1 つの定義が指定されたオプションのサブオブジェクト。オブジェクト作成時に同期できるかどうかについて追加します。

表3.2 projects の下にあるフィールド

フィールドDescription

num

整数。作成するプロジェクト数の 1つの定義。

basename

文字列。プロジェクトのベース名の定義。競合が発生しないように、同一の namespace の数が Basename に追加されます。

tuning

文字列。オブジェクトに適用するチューニングセットの 1 つの定義。 これは対象の namespace にデプロイします。

ifexists

reuse または delete のいずれかが含まれる文字列。ツールが実行時に作成するプロジェクトまたは namespace の名前と同じプロジェクトまたは namespace を見つける場合のツールの機能を定義します。

configmaps

キーと値のペア一覧。キーは ConfigMap の名前で、値はこの ConfigMap の作成元のファイルへのパスです。

secrets

キーと値のペア一覧。キーはシークレットの名前で、値はこのシークレットの作成元のファイルへのパスです。

pods

デプロイする Pod の 1 つまたは多数の定義を持つサブオブジェクト

templates

デプロイするテンプレートの 1 つまたは多数の定義を持つサブオブジェクト

表3.3 pods および templates のフィールド

フィールドDescription

num

整数。デプロイする Pod またはテンプレート数。

image

文字列。プルが可能なリポジトリーに対する Docker イメージの URL

basename

文字列。作成するテンプレート (または Pod) のベース名の 1 つの定義。

file

文字列。ローカルファイルへのパス。 作成する PodSpec またはテンプレートのいずれかです。

parameters

キーと値のペア。parameters の下で、Pod またはテンプレートでオーバーライドする値の一覧を指定できます。

表3.4 tuningsets の下にあるフィールド

フィールドDescription

name

文字列。チューニングセットの名前。 プロジェクトのチューニングを定義する時に指定した名前と一致します。

pods

Pod に適用される tuningsets を特定するサブオブジェクト

templates

テンプレートに適用される tuningsets を特定するサブオブジェクト

表3.5 tuningsets pods または tuningsets templates の下にあるフィールド

フィールドDescription

stepping

サブオブジェクト。ステップ作成パターンでオブジェクトを作成する場合に使用するステップ設定。

rate_limit

サブオブジェクト。オブジェクト作成速度を制限するための速度制限チューニングセットの設定。

表3.6 tuningsets pods または tuningsets templatesstepping の下にあるフィールド

フィールドDescription

stepsize

整数。オブジェクト作成を一時停止するまでに作成するオブジェクト数。

pause

整数。stepsize で定義したオブジェクト数を作成後に一時停止する秒数。

timeout

整数。オブジェクト作成に成功しなかった場合に失敗するまで待機する秒数。

delay

整数。次の作成要求まで待機する時間 (ミリ秒)。

表3.7 sync の下にあるフィールド

フィールドDescription

server

enabled および port フィールドを持つサブオブジェクト。ブール値 enabled を指定すると、Pod を同期するために HTTP サーバーを起動するかどうか定義します。port の整数はリッスンする HTTP サーバーポートを定義します (デフォルトでは 9090)。

running

ブール値。selectors に一致するラベルが指定された Pod が Running の状態になるまで待機します。

succeeded

ブール値。selectors に一致するラベルが指定された Pod が Completed の状態になるまで待機します。

selectors

Running または Completed の状態の Pod に一致するセレクター一覧。

timeout

文字列。Running または Completed の状態の Pod を待機してから同期をタイムアウトするまでの時間。0 以外の値は、単位 [ns|us|ms|s|m|h] を使用してください。

3.4. 既知の問題

  • クラスターローダーは設定なしで呼び出される場合に失敗します。(BZ#1761925)
  • IDENTIFIER パラメーターがユーザーテンプレートで定義されていない場合には、テンプレートの作成は error: unknown parameter name "IDENTIFIER" エラーを出して失敗します。テンプレートをデプロイする場合は、このエラーが発生しないように、以下のパラメーターをテンプレートに追加してください。

    {
      "name": "IDENTIFIER",
      "description": "Number to append to the name of resources",
      "value": "1"
    }

    Pod をデプロイする場合は、このパラメーターを追加する必要はありません。

第4章 CPU マネージャーの使用

CPU マネージャーは、CPU グループを管理して、ワークロードを特定の CPU に制限します。

CPU マネージャーは、以下のような属性が含まれるワークロードに有用です。

  • できるだけ長い CPU 時間が必要な場合
  • プロセッサーのキャッシュミスの影響を受ける場合
  • レイテンシーが低いネットワークアプリケーションの場合
  • 他のプロセスと連携し、単一のプロセッサーキャッシュを共有することに利点がある場合

4.1. CPU マネージャーの設定

手順

  1. オプション: ノードにラベルを指定します。

    # oc label node perf-node.example.com cpumanager=true
  2. CPU マネージャーを有効にする必要のあるノードの MachineConfigPool を編集します。この例では、すべてのワーカーで CPU マネージャーが有効にされています。

    # oc edit machineconfigpool worker
  3. ラベルをワーカー MachineConfigPool に追加します。

    metadata:
      creationTimestamp: 2019-xx-xxx
      generation: 3
      labels:
        custom-kubelet: cpumanager-enabled
  4. KubeletConfigcpumanager-kubeletconfig.yaml、カスタムリソース (CR) を作成します。直前の手順で作成したラベルを参照し、適切なノードを新規の KubeletConfig で更新します。machineConfigPoolSelector セクションを参照してください。

    apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1
    kind: KubeletConfig
    metadata:
      name: cpumanager-enabled
    spec:
      machineConfigPoolSelector:
        matchLabels:
          custom-kubelet: cpumanager-enabled
      kubeletConfig:
         cpuManagerPolicy: static
         cpuManagerReconcilePeriod: 5s
  5. 動的な KubeletConfig を作成します。

    # oc create -f cpumanager-kubeletconfig.yaml

    これにより、CPU マネージャー機能が KubeletConfig に追加され、必要な場合には Machine Config Operator (MCO) がノードを再起動します。CPU マネージャーを有効にするために再起動する必要はありません。

  6. マージされた KubeletConfig を確認します。

    # oc get machineconfig 99-worker-XXXXXX-XXXXX-XXXX-XXXXX-kubelet -o json | grep ownerReference -A7
    
           "ownerReferences": [
                {
                    "apiVersion": "machineconfiguration.openshift.io/v1",
                    "kind": "KubeletConfig",
                    "name": "cpumanager-enabled",
                    "uid": "7ed5616d-6b72-11e9-aae1-021e1ce18878"
                }
            ],
  7. ワーカーで更新された kubelet.conf を確認します。

    # oc debug node/perf-node.example.com
    sh-4.4# cat /host/etc/kubernetes/kubelet.conf | grep cpuManager
    cpuManagerPolicy: static        1
    cpuManagerReconcilePeriod: 5s   2
    1 2
    これらの設定は、KubeletConfig CR を作成する際に定義されたものです。
  8. 1 つまたは複数のコアを要求する Pod を作成します。制限および要求の CPU の値は整数にする必要があります。これは、対象の Pod 専用のコアの数になります。

    # cat cpumanager-pod.yaml
    apiVersion: v1
    kind: Pod
    metadata:
      generateName: cpumanager-
    spec:
      containers:
      - name: cpumanager
        image: gcr.io/google_containers/pause-amd64:3.0
        resources:
          requests:
            cpu: 1
            memory: "1G"
          limits:
            cpu: 1
            memory: "1G"
      nodeSelector:
        cpumanager: "true"
  9. Pod を作成します。

    # oc create -f cpumanager-pod.yaml
  10. Pod がラベル指定されたノードにスケジュールされていることを確認します。

    # oc describe pod cpumanager
    Name:               cpumanager-6cqz7
    Namespace:          default
    Priority:           0
    PriorityClassName:  <none>
    Node:  perf-node.example.com/xxx.xx.xx.xxx
    ...
     Limits:
          cpu:     1
          memory:  1G
        Requests:
          cpu:        1
          memory:     1G
    ...
    QoS Class:       Guaranteed
    Node-Selectors:  cpumanager=true
  11. cgroups が正しく設定されていることを確認します。pause プロセスのプロセス ID (PID) を取得します。

    # ├─init.scope
    │ └─1 /usr/lib/systemd/systemd --switched-root --system --deserialize 17
    └─kubepods.slice
      ├─kubepods-pod69c01f8e_6b74_11e9_ac0f_0a2b62178a22.slice
      │ ├─crio-b5437308f1a574c542bdf08563b865c0345c8f8c0b0a655612c.scope
      │ └─32706 /pause

    QoS 階層 (quality of service) Guaranteed の Pod は、kubepods.slice に配置されます。他の QoS の Pod は、kubepods の子である cgroups に配置されます。

    # cd /sys/fs/cgroup/cpuset/kubepods.slice/kubepods-pod69c01f8e_6b74_11e9_ac0f_0a2b62178a22.slice/crio-b5437308f1ad1a7db0574c542bdf08563b865c0345c86e9585f8c0b0a655612c.scope
    # for i in `ls cpuset.cpus tasks` ; do echo -n "$i "; cat $i ; done
    cpuset.cpus 1
    tasks 32706
  12. 対象のタスクで許可される CPU 一覧を確認します。

    # grep ^Cpus_allowed_list /proc/32706/status
     Cpus_allowed_list:    1
  13. システム上の別の Pod (この場合は burstable QoS 階層にあるPod) が、Guaranteed Pod に割り当てられたコアで実行できないことを確認します。

    # cat /sys/fs/cgroup/cpuset/kubepods.slice/kubepods-besteffort.slice/kubepods-besteffort-podc494a073_6b77_11e9_98c0_06bba5c387ea.slice/crio-c56982f57b75a2420947f0afc6cafe7534c5734efc34157525fa9abbf99e3849.scope/cpuset.cpus
    
    0
    # oc describe node perf-node.example.com
    ...
    Capacity:
     attachable-volumes-aws-ebs:  39
     cpu:                         2
     ephemeral-storage:           124768236Ki
     hugepages-1Gi:               0
     hugepages-2Mi:               0
     memory:                      8162900Ki
     pods:                        250
    Allocatable:
     attachable-volumes-aws-ebs:  39
     cpu:                         1500m
     ephemeral-storage:           124768236Ki
     hugepages-1Gi:               0
     hugepages-2Mi:               0
     memory:                      7548500Ki
     pods:                        250
    -------                               ----                           ------------  ----------  ---------------  -------------  ---
      default                                 cpumanager-6cqz7               1 (66%)       1 (66%)     1G (12%)         1G (12%)       29m
    
    Allocated resources:
      (Total limits may be over 100 percent, i.e., overcommitted.)
      Resource                    Requests          Limits
      --------                    --------          ------
      cpu                         1440m (96%)       1 (66%)

    この仮想マシンには、2 つの CPU コアがあります。kube-reserved は 500 ミリコアに設定して、Node Allocatable の数になるようにノードの全容量からコアの半分を引きます。ここで Allocatable CPU は 1500 ミリコアであることを確認できます。これは、それぞれがコアを 1 つ受け入れるので、CPU マネージャー Pod の 1 つを実行できることを意味します。1 つのコア全体は 1000 ミリコアに相当します。2 つ目の Pod をスケジュールしようとする場合、システムは Pod を受け入れますが、これがスケジュールされることはありません。

    NAME                    READY   STATUS    RESTARTS   AGE
    cpumanager-6cqz7        1/1     Running   0          33m
    cpumanager-7qc2t        0/1     Pending   0          11s

第5章 Cluster Monitoring Operator のスケーリング

OpenShift Container Platform は、Cluster Monitoring Operator が収集し、Prometheus ベースのモニタリングスタックに保存するメトリクスを公開します。管理者は、Grafana という 1 つのダッシュボードインターフェースでシステムリソース、コンテナーおよびコンポーネントのメトリクスを表示できます。

5.1. Prometheus データベースのストレージ要件

Red Hat では、異なるスケールサイズに応じて各種のテストが実行されました。

表5.1 クラスター内のノード/Pod の数に基づく Prometheus データベースのストレージ要件

ノード数Pod 数1 日あたりの Prometheus ストレージの増加量15 日ごとの Prometheus ストレージの増加量RAM 領域 (スケールサイズに基づく)ネットワーク (tsdb チャンクに基づく)

50

1800

6.3 GB

94 GB

6 GB

16 MB

100

3600

13 GB

195 GB

10 GB

26 MB

150

5400

19 GB

283 GB

12 GB

36 MB

200

7200

25 GB

375 GB

14 GB

46 MB

ストレージ要件が計算値を超過しないようにするために、オーバーヘッドとして予期されたサイズのおよそ 20% が追加されています。

上記の計算は、デフォルトの OpenShift Container Platform Cluster Monitoring Operator についての計算です。

注記

CPU の使用率による影響は大きくありません。比率については、およそ 50 ノードおよび 1800 Pod ごとに 1 コア (/40) になります。

ラボ環境

以前のリリースでは、すべての実験は OpenStack 環境の OpenShift Container Platform で実行されました。

  • インフラストラクチャーノード (VM) - 40 コア、157 GB RAM。
  • CNS ノード (VM) - 16 コア、62 GB RAM、NVMe ドライブ。
重要

現時点で、OpenStack 環境は OpenShift Container Platform 4.0 用にはサポートされていません。

OpenShift Container Platform についての推奨事項

  • 3 つ以上のインフラストラクチャー (infra) ノードを使用します。
  • NVMe (non-volatile memory express) ドライブを搭載した 3 つ以上の openshift-container-storage ノードを使用します。

5.2. クラスターモニタリングの設定

手順

Prometheus のストレージ容量を拡張するには、以下を実行します。

  1. YAML 設定ファイル cluster-monitoring-config.yml を作成します。例:

    apiVersion: v1
    kind: ConfigMap
    data:
      config.yaml: |
        prometheusOperator:
          baseImage: quay.io/coreos/prometheus-operator
          prometheusConfigReloaderBaseImage: quay.io/coreos/prometheus-config-reloader
          configReloaderBaseImage: quay.io/coreos/configmap-reload
          nodeSelector:
            node-role.kubernetes.io/infra: ""
        prometheusK8s:
          retention: {{PROMETHEUS_RETENTION_PERIOD}} 1
          baseImage: openshift/prometheus
          nodeSelector:
            node-role.kubernetes.io/infra: ""
          volumeClaimTemplate:
            spec:
              storageClassName: gp2
              resources:
                requests:
                  storage: {{PROMETHEUS_STORAGE_SIZE}} 2
        alertmanagerMain:
          baseImage: openshift/prometheus-alertmanager
          nodeSelector:
            node-role.kubernetes.io/infra: ""
          volumeClaimTemplate:
            spec:
              storageClassName: gp2
              resources:
                requests:
                  storage: {{ALERTMANAGER_STORAGE_SIZE}} 3
        nodeExporter:
          baseImage: openshift/prometheus-node-exporter
        kubeRbacProxy:
          baseImage: quay.io/coreos/kube-rbac-proxy
        kubeStateMetrics:
          baseImage: quay.io/coreos/kube-state-metrics
          nodeSelector:
            node-role.kubernetes.io/infra: ""
        grafana:
          baseImage: grafana/grafana
          nodeSelector:
            node-role.kubernetes.io/infra: ""
        auth:
          baseImage: openshift/oauth-proxy
        k8sPrometheusAdapter:
          nodeSelector:
            node-role.kubernetes.io/infra: ""
    metadata:
      name: cluster-monitoring-config
    namespace: openshift-monitoring
    1
    標準の値は PROMETHEUS_RETENTION_PERIOD=15d になります。時間は、サフィックス s、m、h、d のいずれかを使用する単位で測定されます。
    2
    標準の値は PROMETHEUS_STORAGE_SIZE=2000Gi です。ストレージの値には、サフィックス E、P、T、G、M、K のいずれかを使用した単純な整数または固定小数点整数を使用できます。 また、2 のべき乗の値 (Ei、Pi、Ti、Gi、Mi、Ki) を使用することもできます。
    3
    標準の値は ALERTMANAGER_STORAGE_SIZE=20Gi です。ストレージの値には、サフィックス E、P、T、G、M、K のいずれかを使用した単純な整数または固定小数点整数を使用できます。 また、2 のべき乗の値 (Ei、Pi、Ti、Gi、Mi、Ki) を使用することもできます。
  2. 保持期間とストレージサイズなどの値を設定します。
  3. 以下を実行して変更を適用します。

    $ oc create -f cluster-monitoring-config.yml

第6章 オブジェクトの最大値に合わせた環境計画

OpenShift Container Platform クラスターの計画時に以下のテスト済みのオブジェクトの最大値を考慮します。

これらのガイドラインは、最大規模のクラスターに基づいています。小規模なクラスターの場合、最大値はこれより低くなります。指定のしきい値に影響を与える要因には、etcd バージョンやストレージデータ形式などの多数の要因があります。

ほとんど場合、これらの制限値を超えると、パフォーマンスが全体的に低下します。ただし、これによって必ずしもクラスターに障害が発生する訳ではありません。

6.1. メジャーリリースについての OpenShift Container Platform のテスト済みクラスターの最大値

OpenShift Container Platform 3.x のテスト済みクラウドプラットフォーム: Red Hat OpenStack、Amazon Web Services および Microsoft AzureOpenShift Container Platform 4.x のテスト済み Cloud Platform : Amazon Web Services、Microsoft Azure および Google Cloud Platform

最大値のタイプ3.x テスト済みの最大値4.x テスト済みの最大値

ノード数

2,000

2,000

Pod 数:footnote:numberofpodsmajorrelease[ここに記載の Pod 数は、テスト用の Pod 数です。実際の Pod 数は、アプリケーションのメモリー、CPU、ストレージ要件により異なります。]

150,000

150,000

ノードあたりの Pod 数

250

500 footnote:podspernodemajorrelease[これは、ワーカーノードごとに 500 の Pod を持つ 100 ワーカーノードを含むクラスターでテストされています。デフォルトの maxPods は 250 です。500 maxPods を取得するには、クラスターはカスタム KubeletConfig を使用して install-config.yaml ファイルで hostPrefix22 に指定され、maxPods500 に設定された状態で作成される必要があります。Persistant Volume Claim(永続ボリューム要求、PVC) が割り当てられている Pod の最大数は、PVC の割り当て元のストレージバックエンドによって異なります。このテストでは、OpenShift Container Storage v4 (OCS v4) のみが本書で説明されているノードごとの Pod 数に対応することができました。]

コアあたりの Pod 数

デフォルト値はありません。

デフォルト値はありません。

namespace 数 footnote:numberofnamepacesmajorrelease[有効なプロジェクトが多数ある場合、キースペースが過剰に拡大し、スペースのクォータを超過すると、etcd はパフォーマンスの低下による影響を受ける可能性があります。etcd ストレージを解放するために、デフラグを含む etcd の定期的なメンテナンスを行うことを強くお勧めします。]

10,000

10,000

ビルド数

10,000(デフォルト Pod RAM 512 Mi)- Pipeline ストラテジー

10,000(デフォルト Pod RAM 512 Mi)- Source-to-Image (S2I) ビルドストラテジー

namespace ごとの Pod 数footnote:objectpernamespacemajorrelease[これは、状態の変更に対する対応として、特定の namespace にある全オブジェクトに対して反復する必要のある、システム内のコントロールループ数のことです。単一の namespace に特定タイプのオブジェクトの数が多くなると、ループのコストが上昇し、特定の状態変更を処理する速度が低下します。この制限については、アプリケーションの各種要件を満たすのに十分な CPU、メモリー、およびディスクがシステムにあることが前提となっています。]

25,000

25,000

サービス数footnote:servicesandendpointsmajorrelease[iptables では、各サービスポートと各サービスのバックエンドに対応するエントリーが含まれます。特定のサービスのバックエンド数は、エンドポイントのオブジェクトサイズに影響があり、その結果、システム全体に送信されるデータサイズにも影響を与えます。]

10,000

10,000

namespace ごとのサービス数

5,000

5,000

サービスごとのバックエンド数

5,000

5,000

namespace ごとのデプロイメント数 footnote:objectpernamespacemajorrelease[]

2,000

2,000

6.2. OpenShift Container Platform のテスト済みのクラスターの最大値

制限の種類3.10 テスト済みの最大値3.11 テスト済みの最大値4.1 テスト済みの最大値4.2 テスト済みの最大値

ノード数

2,000

2,000

2,000

2,000

Pod 数 footnote:numberofpods[ここに記載される Pod 数はテスト用の Pod 数です。実際の Pod 数は、アプリケーションのメモリー、CPU、ストレージ要件により異なります。]

150,000

150,000

150,000

150,000

ノードあたりの Pod 数

250

250

250

250

コアあたりの Pod 数

デフォルト値はありません。

デフォルト値はありません。

デフォルト値はありません。

デフォルト値はありません。

namespace 数 footnote:numberofnamepaces[有効なプロジェクトが多数ある場合、キースペースが過剰に拡大し、スペースのクォータを超過すると、etcd はパフォーマンスの低下による影響を受ける可能性があります。etcd ストレージを解放するために、デフラグを含む etcd の定期的なメンテナンスを行うことを強くお勧めします。]

10,000

10,000

10,000

10,000

ビルド数

10,000 (デフォルトの Pod RAM: 512 Mi)

10,000 (デフォルトの Pod RAM: 512 Mi)

10,000 (デフォルトの Pod RAM: 512 Mi)

10,000 (デフォルトの Pod RAM: 512 Mi)

namespace ごとの Pod 数 footnote:objectpernamespace[これは、状態の変更に対する対応として、特定の namespace にある全オブジェクトに対して反復する必要のある、システム内のコントロールループ数のことです。単一の namespace に特定タイプのオブジェクトの数が多くなると、ループのコストが上昇し、特定の状態変更を処理する速度が低下します。この制限については、アプリケーションの各種要件を満たすのに十分な CPU、メモリー、およびディスクがシステムにあることが前提となっています。]

3,000

25,000

25,000

25,000

サービス数 footnote:servicesandendpoints[iptables では、各サービスポートと各サービスのバックエンドに対応するエントリーが含まれます。特定のサービスのバックエンド数は、エンドポイントのオブジェクトサイズに影響があり、その結果、システム全体に送信されるデータサイズにも影響を与えます。]

10,000

10,000

10,000

10,000

namespace ごとのサービス数

5,000

5,000

5,000

5,000

サービスごとのバックエンド数

5,000

5,000

5,000

5,000

namespace ごとのデプロイメント数 footnote:objectpernamespace[]

2,000

2,000

2,000

2,000

OpenShift Container Platform 4.2 では、CPU コア(500 ミリコア)の半分がシステムによって予約されます(OpenShift Container Platform 3.11 以前のバージョンと比較)。

6.3. クラスターの最大値がテスト済みの OpenShift Container Platform 環境および設定

Google Cloud Platform:

ノードフレーバーvCPURAM(GiB)ディスクタイプディスクサイズ(GiB)/IOPSカウントリージョン

Master/Etcd

n1-highmem-16

16

104

地域/ゾーン SSD

220

3

us-east4

インフラ footnote:infranodesgcp[インフラストラクチャーノードは、モニタリング、Ingress およびレジストリーコンポーネントをホストするために使用され、これにより、それらが大規模に実行する場合に必要とするリソースを十分に確保することができます。]

n1-standard-64

64

240

地域/ゾーン SSD

100

3

us-east4

ワークロード footnote:workloadnodegcp[ワークロードノードは、パフォーマンスとスケーラビリティーのワークロードジェネレーターを実行するための専用ノードです。]

n1-standard-16

16

60

地域/ゾーン SSD

500 footnote:disksizegcp[パフォーマンスおよびスケーラビリティーのテストの実行中に収集される大容量のデータを保存するのに十分な領域を確保できるように、大きなディスクサイズが使用されます。]

1

us-east4

ワーカー

n1-standard-8

8

30

地域/ゾーン SSD

100

3/25/250 footnote:nodescalegcp[クラスターは反復的にスケーリングされ、パフォーマンスおよびスケーラビリティーテストは指定されたノード数で実行されます。]

us-east4

AWS クラウドプラットフォーム:

ノードフレーバーvCPURAM(GiB)ディスクタイプディスクサイズ(GiB)/IOPSカウントリージョン

マスター/etcd footnote:masteretcdnodeaws[3000 IOPS を持つ io1 ディスクは、etcd が I/O 集約型であり、かつレイテンシーの影響を受けやすいため、マスター/etcd ノードに使用されます。]

r5.4xlarge

16

128

io1

250

3

us-west-2

インフラ footnote:infranodesaws[インフラストラクチャーノードは、モニタリング、Ingress およびレジストリーコンポーネントをホストするために使用され、これにより、それらが大規模に実行する場合に必要とするリソースを十分に確保することができます。]

m5.12xlarge

48

192

gp2

100

3

us-west-2

ワークロード footnote:workloadnodeaws[ワークロードノードは、パフォーマンスとスケーラビリティーのワークロードジェネレーターを実行するための専用ノードです。]

m5.4xlarge

16

64

gp2

500 footnote:disksizeaws[パフォーマンスおよびスケーラビリティーのテストの実行中に収集される大容量のデータを保存するのに十分な領域を確保できるように、大きなディスクサイズが使用されます。]

1

us-west-2

ワーカー

m5.large

2

8

gp2

100

2000

us-west-2

6.4. テスト済みのクラスターの最大値に基づく環境計画

重要

ノード上で物理リソースを過剰にサブスクライブすると、Kubernetes スケジューラーが Pod の配置時に行うリソースの保証に影響が及びます。メモリースワップを防ぐために実行できる処置について確認してください。

一部のテスト済みの最大値については、単一の namespace/ユーザーが作成するオブジェクトでのみ変更されます。これらの制限はクラスター上で数多くのオブジェクトが実行されている場合には異なります。

本書に記載されている数は、Red Hat のテスト方法、セットアップ、設定、およびチューニングに基づいています。これらの数は、独自のセットアップおよび環境に応じて異なります。

環境の計画時に、ノードに配置できる Pod 数を判別します。

Required Pods per Cluster / Pods per Node = Total Number of Nodes Needed

ノードあたりの現在の Pod の最大数は 250 です。ただし、ノードに適合する Pod 数はアプリケーション自体によって異なります。「アプリケーション要件に合わせて環境計画を立てる方法」で説明されているように、アプリケーションのメモリー、CPU およびストレージの要件を検討してください。

シナリオ例

クラスターごとに 2200 の Pod のあるクラスターのスコープを設定する場合、ノードごとに最大 250 の Pod があることを前提として、最低でも 9 つのノードが必要になります。

2200 / 250 = 8.8

ノード数を 20 に増やす場合は、Pod 配分がノードごとに 110 の Pod に変わります。

2200 / 20 = 110

ここでは、以下のようになります。

Required Pods per Cluster / Total Number of Nodes = Expected Pods per Node

6.5. アプリケーション要件に合わせて環境計画を立てる方法

アプリケーション環境の例を考えてみましょう。

Pod タイプPod 数最大メモリーCPU コア数永続ストレージ

apache

100

500 MB

0.5

1 GB

node.js

200

1 GB

1

1 GB

postgresql

100

1 GB

2

10 GB

JBoss EAP

100

1 GB

1

1 GB

推定要件: CPU コア 550 個、メモリー 450GB およびストレージ 1.4TB

ノードのインスタンスサイズは、希望に応じて増減を調整できます。ノードのリソースはオーバーコミットされることが多く、デプロイメントシナリオでは、小さいノードで数を増やしたり、大きいノードで数を減らしたりして、同じリソース量を提供することもできます。このデプロイメントシナリオでは、小さいノードで数を増やしたり、大きいノードで数を減らしたりして、同じリソース量を提供することもできます。運用上の敏捷性やインスタンスごとのコストなどの要因を考慮する必要があります。

ノードのタイプ数量CPURAM (GB)

ノード (オプション 1)

100

4

16

ノード (オプション 2)

50

8

32

ノード (オプション 3)

25

16

64

アプリケーションによってはオーバーコミットの環境に適しているものもあれば、そうでないものもあります。たとえば、Java アプリケーションや Huge Page を使用するアプリケーションの多くは、オーバーコミットに対応できません。対象のメモリーは、他のアプリケーションに使用できません。上記の例では、環境は一般的な比率として約 30 % オーバーコミットされています。

第7章 ストレージの最適化

ストレージを最適化すると、すべてのリソースでストレージの使用を最小限に抑えることができます。管理者は、ストレージを最適化することで、既存のストレージリソースが効率的に機能できるようにすることができます。

7.1. 利用可能な永続ストレージオプション

永続ストレージオプションについて理解し、OpenShift Container Platform 環境を最適化できるようにします。

表7.1 利用可能なストレージオプション

ストレージタイプDescription

Block

  • ブロックデバイスとしてオペレーティングシステムに公開されます。
  • ストレージを完全に制御し、ファイルシステムを通過してファイルの低いレベルで操作する必要のあるアプリケーションに適しています。
  • ストレージエリアネットワーク (SAN) とも呼ばれます。
  • 共有できません。 一度に 1 つのクライアントだけがこのタイプのエンドポイントをマウントできるという意味です。

AWS EBS および VMware vSphere は、OpenShift Container Platform で永続ボリューム (PV) のネイティブプロビジョニングをサポートします。

File

  • マウントされるファイルシステムのエクスポートとして、OS に公開されます。
  • ネットワークアタッチストレージ (NAS) とも呼ばれます。
  • 同時実行、レイテンシー、ファイルロックのメカニズムその他の各種機能は、プロトコルおよび実装、ベンダー、スケールによって大きく異なります。

RHEL NFS、NetApp NFS footnoteref:netappnfs[NetApp NFS は Trident プラグインの使用時に動的な PV プロビジョニングをサポートします。]、および Vendor NFS

Object

  • REST API エンドポイント経由でアクセスできます。
  • OpenShift Container Platform レジストリーで使用するために設定できます。
  • アプリケーションは、ドライバーをアプリケーションやコンテナーに組み込む必要があります。

AWS S3

重要

現時点で、CNS は OpenShift Container Platform 4.2 ではサポートされていません。

第8章 ルーティングの最適化

OpenShift Container Platform HAProxy ルーターは、パフォーマンスを最適化するためにスケーリングします。

8.1. ベースラインのルーターパフォーマンス

OpenShift Container Platform ルーターは、宛先が OpenShift Container Platform サービスのすべての外部トラフィックに対する Ingress ポイントです。

1 秒に処理される HTTP 要求について、単一の HAProxy ルーターを評価する場合に、パフォーマンスは多くの要因により左右されます。特に以下が含まれます。

  • HTTP keep-alive/close モード
  • ルートタイプ
  • TLS セッション再開のクライアントサポート
  • ターゲットルートごとの同時接続数
  • ターゲットルート数
  • バックエンドサーバーのページサイズ
  • 基礎となるインフラストラクチャー (ネットワーク/SDN ソリューション、CPU など)

個別の環境でのパフォーマンスは異なりますが、Red Hat ラボは、サイズが 4 vCPU/16GB RAM のパブリッククラウドインスタンスでテストします。 ルート 100 個を処理し、1kB 静的ページに対応するバックエンドで終端される 100 ルートを処理する単一の HAProxy ルーターは、1 秒ごとに以下の数のトランザクションを処理できます。

HTTP keep-alive モードのシナリオの場合:

暗号化LoadBalancerServiceHostNetwork

なし

21515

29622

edge

16743

22913

passthrough

36786

53295

re-encrypt

21583

25198

HTTP close (keep-alive なし) のシナリオの場合:

暗号化LoadBalancerServiceHostNetwork

なし

5719

8273

edge

2729

4069

passthrough

4121

5344

re-encrypt

2320

2941

ROUTER_THREADS=4 が設定されたデフォルトのルート設定が使用され、2 つの異なるエンドポイントの公開ストラテジー (LoadBalancerService/HostNetwork) がテストされています。TLS セッション再開は暗号化ルートについて使用されています。HTTP keep-alive の場合は、単一の HAProxy ルーターがページサイズが 8kB でも、1 Gbit の NIC を飽和させることができます。

最新のプロセッサーが搭載されたベアメタルで実行する場合は、上記のパブリッククラウドインスタンスのパフォーマンスの約 2 倍のパフォーマンスになることを予想できます。このオーバーヘッドは、パブリッククラウドにある仮想化層により発生し、プライベートクラウドベースの仮想化にも多くの場合、該当します。以下の表は、ルーターの背後で使用するアプリケーション数についてのガイドです。

アプリケーション数アプリケーションタイプ

5-10

静的なファイル/Web サーバーまたはキャッシュプロキシー

100-1000

動的なコンテンツを生成するアプリケーション

通常、HAProxy は、使用されるて技術に応じて 5 から 1000 のアプリケーションのルーターをサポートします。ルーターのパフォーマンスは、言語や静的コンテンツと動的コンテンツの違いを含め、その背後にあるアプリケーションの機能およびパフォーマンスによって制限される可能性があります。

ルーターのシャード化は、アプリケーションに対してより多くのルートを提供するために使用され、ルーティング層の水平スケーリングに役立ちます。

8.2. ルーターパフォーマンスの最適化

OpenShift Container Platform では、環境変数 (ROUTER_THREADSROUTER_DEFAULT_TUNNEL_TIMEOUTROUTER_DEFAULT_CLIENT_TIMEOUTROUTER_DEFAULT_SERVER_TIMEOUT、および RELOAD_INTERVAL) を設定してルーターのデプロイメントを変更することをサポートしていません。

ルーターのデプロイメントは変更できますが、Ingress Operator が有効にされている場合、設定は上書きされます。

第9章 Huge Page の機能およびそれらがアプリケーションによって消費される仕組み

9.1. Huge Page の機能

メモリーは Page と呼ばれるブロックで管理されます。多くのシステムでは、1 ページは 4Ki です。メモリー 1Mi は 256 ページに、メモリー 1Gi は 256,000 ページに相当します。CPU には、内蔵のメモリー管理ユニットがあり、ハードウェアでこのようなページリストを管理します。トランスレーションルックアサイドバッファー (TLB: Translation Lookaside Buffer) は、仮想から物理へのページマッピングの小規模なハードウェアキャッシュのことです。ハードウェアの指示で渡された仮想アドレスが TLB にあれば、マッピングをすばやく決定できます。そうでない場合には、TLB ミスが発生し、システムは速度が遅く、ソフトウェアベースのアドレス変換にフォールバックされ、パフォーマンスの問題が発生します。TLB のサイズは固定されているので、TLB ミスの発生率を減らすには Page サイズを大きくする必要があります。

Huge Page とは、4Ki より大きいメモリーページのことです。x86_64 アーキテクチャーでは、2Mi と 1Gi の 2 つが一般的な Huge Page サイズです。別のアーキテクチャーではサイズは異なります。Huge Page を使用するには、アプリケーションが認識できるようにコードを書き込む必要があります。Transparent Huge Pages (THP) は、アプリケーションによる認識なしに、Huge Page の管理を自動化しようとしますが、制約があります。特に、ページサイズは 2Mi に制限されます。THP では、THP のデフラグが原因で、メモリー使用率が高くなり、断片化が起こり、パフォーマンスの低下につながり、メモリーページがロックされてしまう可能性があります。このような理由から、アプリケーションは THP ではなく、事前割り当て済みの Huge Page を使用するように設計 (また推奨) される場合があります。

OpenShift Container Platform では、Pod のアプリケーションが事前に割り当てられた Huge Page を割り当て、消費することができます。

9.2. Huge Page がアプリケーションによって消費される仕組み

ノードは、Huge Page の容量をレポートできるように Huge Page を事前に割り当てる必要があります。ノードは、単一サイズの Huge Page のみを事前に割り当てることができます。

Huge Page は、リソース名の hugepages-<size> を使用してコンテナーレベルのリソース要件で消費可能です。サイズは、特定のノードでサポートされる最もコンパクトなバイナリー表示 (整数値を使用) に置き換えます。たとえば、ノードが 2048KiB のページサイズをサポートする場合は、スケジュール可能なリソース hugepages-2Mi を公開します。 CPU やメモリーとは異なり、Huge Page はオーバーコミットをサポートしません。

apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
  generateName: hugepages-volume-
spec:
  containers:
  - securityContext:
      privileged: true
    image: rhel7:latest
    command:
    - sleep
    - inf
    name: example
    volumeMounts:
    - mountPath: /dev/hugepages
      name: hugepage
    resources:
      limits:
        hugepages-2Mi: 100Mi 1
        memory: "1Gi"
        cpu: "1"
  volumes:
  - name: hugepage
    emptyDir:
      medium: HugePages
1
hugepages のメモリー量は、実際に割り当てる量に指定します。この値は、ページサイズで乗算した hugepages のメモリー量に指定しないでください。たとえば、Huge Page サイズが 2MB と仮定し、アプリケーションに Huge Page でバックアップする RAM 100 MB を使用する場合には、Huge Page は 50 に指定します。OpenShift Container Platform により、計算処理が実行されます。上記の例にあるように、100MB を直接指定できます。

指定されたサイズの Huge Page の割り当て

プラットフォームによっては、複数の Huge Page サイズをサポートするものもあります。特定のサイズの Huge Page を割り当てるには、Huge Page の起動コマンドパラメーターの前に、Huge Page サイズの選択パラメーター hugepagesz=<size> を指定してください。<size> の値は、バイトで指定する必要があります。その際、オプションでスケールサフィックス [kKmMgG] を指定できます。 デフォルトの Huge Page サイズは、default_hugepagesz=<size> の起動パラメーターで定義できます。

Huge page requirements

  • Huge Page 要求は制限と同じでなければなりません。制限が指定されているにもかかわらず、要求が指定されていない場合には、これがデフォルトになります。
  • Huge Page は、Pod のスコープで分割されます。コンテナーの分割は、今後のバージョンで予定されています。
  • Huge Page がサポートする EmptyDir ボリュームは、Pod 要求よりも多くの Huge Page メモリーを消費することはできません。
  • shmget()SHM_HUGETLB を使用して Huge Page を消費するアプリケーションは、proc/sys/vm/hugetlb_shm_group に一致する補助グループで実行する必要があります。

9.3. Huge Page の設定

ノードは、OpenShift Container Platform クラスターで使用される Huge Page を事前に割り当てる必要があります。Node Tuning Operator を使用し、特定のノードで Huge Page を割り当てます。

手順

  1. ノードにタグを付け、割り当てる必要のある Huge Page を記述した Tuned プロファイルを適用するノードを Node Tuning Operator が識別できるようにします。

    $ oc label node <node_using_hugepages> hugepages=true
  2. 以下の内容でファイルを作成し、これに hugepages_tuning.yamlという名前を付けます。

    apiVersion: tuned.openshift.io/v1
    kind: Tuned
    metadata:
      name: hugepages 1
      namespace: openshift-cluster-node-tuning-operator
    spec:
      profile: 2
      - data: |
          [main]
          summary=Configuration for hugepages
          include=openshift-node
    
          [vm]
          transparent_hugepages=never
    
          [sysctl]
          vm.nr_hugepages=1024
        name: node-hugepages
      recommend:
      - match: 3
        - label: hugepages
        priority: 30
        profile: node-hugepages
    1
    name パラメーターの値を hugepagesに設定します。
    2
    Huge Page を割り当てる profile セクションを設定します。
    3
    プロファイルを hugepages ラベルのあるノードに関連付けるには、 match セクションを設定します。
  3. hugepages_tuning.yaml ファイルを使用して、カスタム hugepages Tuned プロファイルを作成します。

    $ oc create -f hugepages_tuning.yaml
  4. プロファイルの作成後、Operator は新規プロファイルを正確なノードに適用し、Huge Page を割り当てます。Huge Page を使用してノードでチューニングされた Pod のログをチェックして、以下を確認します。

    $ oc logs <tuned_pod_on_node_using_hugepages> \
        -n openshift-cluster-node-tuning-operator | grep 'applied$' | tail -n1
    
    2019-08-08 07:20:41,286 INFO     tuned.daemon.daemon: static tuning from profile 'node-hugepages' applied

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