第1章 OpenShift Container Platform インストールの概要

1.1. OpenShift Container Platform のインストール

OpenShift Container Platform インストールプログラムは、クラスターをデプロイするための 4 つの方法を提供します。

  • インタラクティブ: Web ベースの Assisted Installer を使用してクラスターをデプロイできます。これは、ネットワークがインターネットに接続されているクラスターに推奨されるアプローチです。Assisted Installer は、OpenShift Container Platform をインストールする最も簡単な方法であり、スマートなデフォルトを提供し、クラスターをインストールする前に事前検証を実行します。また、自動化および高度な設定シナリオのための RESTful API も提供します。
  • ローカルエージェントベース: エアギャップまたは制限されたネットワーク用のエージェントベースのインストーラーを使用して、クラスターをローカルにデプロイできます。Assisted Installer の多くの利点を提供しますが、最初に エージェントベースのインストーラー をダウンロードして設定する必要があります。設定はコマンドラインインターフェイスで行います。このアプローチは、エアギャップまたは制限されたネットワークに最適です。
  • 自動化: インストーラーによってプロビジョニングされたインフラストラクチャーとそれが維持するクラスターにクラスターをデプロイできます。インストーラーは、各クラスターホストのベースボード管理コントローラー (BMC) をプロビジョニングに使用します。接続されたネットワーク、エアギャップされたネットワーク、または制限されたネットワークの両方でクラスターをデプロイできます。
  • 完全な制御: お客様が準備および保守するインフラストラクチャーにクラスターをデプロイメントできます。これにより、最大限のカスタマイズ性が提供されます。接続されたネットワーク、エアギャップされたネットワーク、または制限されたネットワークの両方でクラスターをデプロイできます。

クラスターには次の特徴があります。

  • 単一障害点のない高可用性インフラストラクチャーがデフォルトで利用可能である。
  • 管理者は適用される更新内容および更新タイミングを制御できる。

1.1.1. インストールプログラムについて

インストールプログラムを使用して、各タイプのクラスターをデプロイメントできます。インストールプログラムは、ブートストラップ、コントロールプレーン (マスター)、およびワーカーマシンの Ignition 設定ファイルなどの主要なアセットを生成します。これらの 3 つの設定および適切に設定されたインフラストラクチャーを使用して、OpenShift Container Platform クラスターを起動することができます。

OpenShift Container Platform インストールプログラムは、クラスターのインストールを管理するために一連のターゲットおよび依存関係を使用します。インストールプログラムには、達成する必要のある一連のターゲットが設定され、それぞれのターゲットには一連の依存関係が含まれます。各ターゲットはそれぞれの依存関係の条件が満たされ次第、別個に解決されるため、インストールプログラムは複数のターゲットを並行して達成できるように動作し、最終的にクラスターが実行するようにします。インストールプログラムは、プログラムが依存関係を満たしているため、コマンドを実行してコンポーネントを再作成する代わりに、既存のコンポーネントを認識して使用します。

図1.1 OpenShift Container Platform インストールのターゲットおよび依存関係

OpenShift Container Platform インストールのターゲットおよび依存関係

1.1.2. Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) について

インストール後に、各クラスターマシンは Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) をオペレーティングマシンとして使用します。RHCOS は Red Hat Enterprise Linux (RHEL) の不変のコンテナーホストのバージョンであり、デフォルトで SELinux が有効になった RHEL カーネルを特長としています。これには、Kubernetes ノードエージェントである kubelet や、Kubernetes に対して最適化される CRI-O コンテナーランタイムが含まれます。

OpenShift Container Platform 4.13 クラスターのすべてのコントロールプレーンは、Ignition と呼ばれる最初の起動時に使用される重要なプロビジョニングツールが含まれる RHCOS を使用する必要があります。このツールは、クラスターのマシンの設定を可能にします。オペレーティングシステムの更新は、OSTree をバックエンドとして使用する起動可能なコンテナーイメージとして配信され、Machine Config Operator によりクラスター全体にデプロイされます。実際のオペレーティングシステムの変更は、rpm-ostree を使用することにより、atomic 操作として各マシン上でインプレースで行われます。これらのテクノロジーを組み合わせることで、OpenShift Container Platform は、プラットフォーム全体を最新の状態に保つインプレースアップグレードによって、クラスター上の他のアプリケーションを管理するのと同じようにオペレーティングシステムを管理できるようになります。これらのインプレースアップグレードにより、オペレーションチームの負担を軽減できます。

すべてのクラスターマシンのオペレーティングシステムとして RHCOS を使用する場合、クラスターはオペレーティングシステムを含むコンポーネントとマシンのあらゆる側面を管理します。このため、マシンを変更できるのは、インストールプログラムと Machine Config Operator だけです。インストールプログラムは、Ignition 設定ファイルを使用して各マシンの正確な状態を設定し、インストール後に Machine Config Operator が新しい証明書やキーの適用などのマシンへの追加の変更を完了します。

1.1.3. OpenShift Container Platform のインストールに関する一般的な用語集

この用語集では、インストールコンテンツで使用される一般的な用語を定義しています。これらの用語は、インストールを効果的に理解する上で役立ちます。

Assisted Installer
クラスター設定を作成するための Web ユーザーインターフェイスまたは RESTful API を提供する、console.redhat.com でホスティングされるインストーラー。Assisted Installer は検出イメージを生成します。クラスターマシンは、RHCOS とエージェントをインストールする検出イメージで起動します。Assisted Installer とエージェントは、ともにインストール前の検証とクラスターのインストールを提供します。
エージェントベースのインストーラー
Assisted Installer に類似するインストーラーですが、最初に エージェントベースのインストーラー をダウンロードする必要があります。エージェントベースのインストーラーは、エアギャップのある/制限されたネットワークに最適です。
ブートストラップノード
OpenShift Container Platform コントロールプレーンをデプロイするために最小限の Kubernetes 設定を実行する一時的なマシン。
コントロールプレーン
コンテナーのライフサイクルを定義、デプロイ、および管理するための API とインターフェイスを公開するコンテナーオーケストレーションレイヤー。コントロールプレーンマシンとも呼ばれます。
コンピュートノード
クラスターユーザーのワークロードを実行するノード。ワーカーノードとしても知られています。
非接続インストール
プロキシーサーバーを介しても、データセンターの一部がインターネットにアクセスできない場合があります。このような環境でも OpenShift Container Platform をインストールできますが、必要なソフトウェアおよびイメージをダウンロードし、これらを非接続環境で利用できる状態にする必要があります。
OpenShift Container Platform インストールプログラム
インフラストラクチャーをプロビジョニングし、クラスターをデプロイするプログラム。
インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャー
インストールプログラムは、クラスターを実行するインフラストラクチャーをデプロイして設定します。
Ignition 設定ファイル
オペレーティングシステムの初期化中に Ignition が Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を設定するために使用するファイル。インストールプログラムは、ブートストラップ、コントロールプレーン、およびワーカーノードを初期化するために、さまざまな Ignition 設定ファイルを生成します。
Kubernetes マニフェスト
JSON または YAML 形式の Kubernetes API オブジェクトの仕様。設定ファイルには、デプロイメント、設定マップ、シークレット、デーモンセットなどを含めることができます。
Kubelet
コンテナーが Pod で実行していることを確認するために、クラスター内の各ノードで実行される プライマリーノード エージェント。
ロードバランサー
ロードバランサーは、クライアントに対する単一の通信先として機能します。API のロードバランサーは、着信トラフィックをコントロールプレーンノード全体に分散します。
Machine Config Operator
クラスター内のノードのカーネルと kubelet との間にあるすべてのものを含む、基本オペレーティングシステムとコンテナーランタイムの設定と更新を管理および適用する Operator。
Operator
OpenShift Container Platform クラスターで Kubernetes アプリケーションをパッケージ化、デプロイ、および管理するための推奨される方法。Operator は、人間の操作に関する知識を取り入れて、簡単にパッケージ化してお客様と共有できるソフトウェアにエンコードします。
ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャー
OpenShift Container Platform は、ユーザーが独自にプロビジョニングするインフラストラクチャーにインストールできます。インストールプログラムを使用すると、クラスターインフラストラクチャーのプロビジョニングに必要なアセットを生成し、クラスターインフラストラクチャーを作成して、提供したインフラストラクチャーにクラスターをデプロイできます。

1.1.4. インストールプロセス

Assisted Installer を除き、OpenShift Container Platform クラスターをインストールする場合は、OpenShift Cluster Manager サイトの適切な Infrastructure Provider ページからインストールプログラムをダウンロードします。このサイトでは以下を管理しています。

  • アカウントの REST API
  • 必要なコンポーネントを取得するために使用するプルシークレットであるレジストリートークン
  • クラスターのアイデンティティーを Red Hat アカウントに関連付けて使用状況のメトリクスの収集を容易にするクラスター登録

OpenShift Container Platform 4.13 では、インストールプログラムは、一連のアセットに対して一連のファイル変換を実行する Go バイナリーファイルです。インストールプログラムと対話する方法は、インストールタイプによって異なります。

  • Assisted Installer を使用してクラスターをデプロイメントするには、Assisted Installer を使用してクラスター設定を設定します。ダウンロードして設定するインストーラーはありません。設定が完了したら、検出 ISO をダウンロードし、そのイメージを使用してクラスターマシンを起動します。Assisted Installer を使用して、完全に統合された Nutanix、vSphere、およびベアメタル、ならびに統合されていないその他のプラットフォームにクラスターをインストールできます。ベアメタルにインストールする場合は、ネットワーク、負荷分散、ストレージ、個々のクラスターマシンなど、すべてのクラスターインフラストラクチャーとリソースを提供する必要があります。
  • エージェントベースのインストーラーを使用してクラスターをデプロイするには、最初に エージェントベースのインストーラー をダウンロードします。次に、クラスターを設定して、検出イメージを生成します。検出イメージを使用してクラスターマシンを起動します。これにより、インストールプログラムと通信してプロビジョニングを処理するエージェントがインストールされます。インストールプログラムとを操作したりプロビジョナーマシンを自分で設定したりする必要はありません。ネットワーク、負荷分散、ストレージ、個々のクラスターマシンなど、すべてのクラスターインフラストラクチャーとリソースを提供する必要があります。このアプローチは、エアギャップまたは制限されたネットワーク環境に最適です。
  • インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーのクラスターの場合、インフラストラクチャーのブートストラップおよびプロビジョニングは、ユーザーが独自に行うのではなくインストールプログラムが代行します。インストールプログラムは、ベアメタルにインストールする場合を除き、クラスターをサポートするために必要なすべてのネットワーク、マシン、およびオペレーティングシステムを作成します。ベアメタルにインストールする場合は、ブートストラップマシン、ネットワーク、負荷分散、ストレージ、個々のクラスターマシンなど、すべてのクラスターインフラストラクチャーとリソースを提供する必要があります。
  • クラスターのインフラストラクチャーを独自にプロビジョニングし、管理する場合には、ブートストラップマシン、ネットワーク、負荷分散、ストレージ、および個々のクラスターマシンを含む、すべてのクラスターインフラストラクチャーおよびリソースを指定する必要があります。

インストーラーは、インストール中に 3 つのファイルセットを使用します。それは、install-config.yaml という名前のインストール設定ファイル、Kubernetes マニフェスト、およびマシンタイプの Ignition 設定ファイルです。

重要

インストール時に、Kubernetes および基礎となる RHCOS オペレーティングシステムを制御する Ignition 設定ファイルを変更することができます。ただし、これらのオブジェクトに対して加える変更の適合性を確認するための検証の方法はなく、これらのオブジェクトを変更するとクラスターが機能しなくなる可能性があります。これらのオブジェクトを変更する場合、クラスターが機能しなくなる可能性があります。このリスクがあるために、変更方法についての文書化された手順に従っているか、Red Hat サポートが変更することを指示した場合を除き、Kubernetes および Ignition 設定ファイルの変更はサポートされていません。

インストール設定ファイルは Kubernetes マニフェストに変換され、その後マニフェストは Ignition 設定にラップされます。インストールプログラムはこれらの Ignition 設定ファイルを使用してクラスターを作成します。

インストール設定ファイルはインストールプログラムの実行時にすべてプルーニングされるため、再び使用する必要のあるすべての設定ファイルをバックアップしてください。

重要

インストール時に設定したパラメーターを変更することはできませんが、インストール後に数多くのクラスター属性を変更することができます。

Assisted Installer を使用したインストールプロセス

Assisted Installer を使用したインストールでは、Web ベースのユーザーインターフェイスまたは RESTful API を使用して対話的にクラスター設定を作成します。Assisted Installer ユーザーインターフェイスは、ユーザーインターフェイスまたは API で変更しない限り、必要な値の入力を求め、残りのパラメーターに適切な既定値を提供します。Assisted Installer は検出イメージを生成します。このイメージをダウンロードして、クラスターマシンの起動に使用します。イメージによって RHCOS とエージェントがインストールされ、エージェントがプロビジョニングを処理します。Assisted Installer を使用して OpenShift Container Platform をインストールし、Nutanix、vSphere、ベアメタル、および統合なしの他のプラットフォームに完全に統合できます。

OpenShift Container Platform は、オペレーティングシステム自体を含む、クラスターのすべての側面を管理します。各マシンは、それが参加するクラスターでホストされるリソースを参照する設定に基づいて起動します。この設定により、クラスターは更新の適用時に自己管理できます。

可能であれば、この機能を使用して、エージェントベースのインストーラーをダウンロードして設定する必要がないようにしてください。

エージェントベースのインフラストラクチャーを使用したインストールプロセス

エージェントベースのインストールは、最初に エージェントベースのインストーラをダウンロードしてインストールすることを除いて、アシストインストーラ を使用する場合と似ています。Assisted Installer のすべての利便性が必要であるが、エアギャップまたは切断されたネットワークでインストールする必要がある場合は、エージェントベースのインストールを推奨します。

可能であれば、この機能を使用して、ブートストラップ VM を使用してプロビジョナーマシンを作成し、クラスターインフラストラクチャーをプロビジョニングして維持する必要がないようにしてください。

インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーでのインストールプロセス

デフォルトのインストールタイプは、インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーです。デフォルトで、インストールプログラムはインストールウィザードとして機能し、独自に判別できない値の入力を求めるプロンプトを出し、残りのパラメーターに妥当なデフォルト値を提供します。インストールプロセスは、高度なインフラストラクチャーシナリオに対応するようカスタマイズすることもできます。インストールプログラムは、クラスターの基盤となるインフラストラクチャーをプロビジョニングします。

標準クラスターまたはカスタマイズされたクラスターのいずれかをインストールすることができます。標準クラスターの場合、クラスターをインストールするために必要な最小限の詳細情報を指定します。カスタマイズされたクラスターの場合、コントロールプレーンが使用するマシン数、クラスターがデプロイする仮想マシンのタイプ、または Kubernetes サービスネットワークの CIDR 範囲などのプラットフォームについての詳細を指定することができます。

可能な場合は、この機能を使用してクラスターインフラストラクチャーのプロビジョニングと保守の手間を省くようにしてください。他のすべての環境の場合には、インストールプログラムを使用してクラスターインフラストラクチャーをプロビジョニングするために必要なアセットを生成できます。

インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャークラスターの場合、OpenShift Container Platform は、オペレーティングシステム自体を含むクラスターのすべての側面を管理します。各マシンは、それが参加するクラスターでホストされるリソースを参照する設定に基づいて起動します。この設定により、クラスターは更新の適用時に自己管理できます。

ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーを使用したインストールプロセス

OpenShift Container Platform はユーザーが独自にプロビジョニングするインフラストラクチャーにインストールすることもできます。インストールプログラムを使用してクラスターインフラストラクチャーのプロビジョニングに必要なアセットを生成し、クラスターインフラストラクチャーを作成し、その後にクラスターをプロビジョニングしたインフラストラクチャーにデプロイします。

インストールプログラムがプロビジョニングするインフラストラクチャーを使用しない場合、以下を含むクラスターリソースを管理し、維持する必要があります。

  • クラスターを設定するコントロールプレーンおよびコンピュートマシンの基礎となるインフラストラクチャー
  • ロードバランサー
  • DNS レコードおよび必要なサブネットを含むクラスターネットワーク
  • クラスターインフラストラクチャーおよびアプリケーションのストレージ

クラスターでユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーを使用する場合には、RHEL コンピュートマシンをクラスターに追加するオプションを使用できます。

インストールプロセスの詳細

クラスターの各マシンにはプロビジョニング時にクラスターについての情報が必要になるため、OpenShift Container Platform は初期設定時に一時的な bootstrap マシンを使用し、必要な情報を永続的なコントロールマシンに提供します。これは、クラスターの作成方法を記述する Ignition 設定ファイルを使用して起動されます。ブートストラップマシンは、コントロールプレーンを設定するコントロールプレーンマシンを作成します。その後、コントロールプレーンマシンはコンピュートマシン (ワーカーマシンとしても知られる) を作成します。以下の図はこのプロセスを示しています。

図1.2 ブートストラップ、コントロールプレーンおよびコンピュートマシンの作成

ブートストラップの作成

クラスターマシンを初期化した後、ブートストラップマシンは破棄されます。すべてのクラスターがこのブートストラッププロセスを使用してクラスターを初期化しますが、ユーザーがクラスターのインフラストラクチャーをプロビジョニングする場合には、多くの手順を手動で実行する必要があります。

重要
  • インストールプログラムが生成する Ignition 設定ファイルには、24 時間が経過すると期限切れになり、その後に更新される証明書が含まれます。証明書を更新する前にクラスターが停止し、24 時間経過した後にクラスターを再起動すると、クラスターは期限切れの証明書を自動的に復元します。例外として、kubelet 証明書を回復するために保留状態の node-bootstrapper 証明書署名要求 (CSR) を手動で承認する必要があります。詳細は、コントロールプレーン証明書の期限切れの状態からのリカバリー についてのドキュメントを参照してください。
  • 24 時間証明書はクラスターのインストール後 16 時間から 22 時間にローテーションするため、Ignition 設定ファイルは、生成後 12 時間以内に使用することをお勧めします。12 時間以内に Ignition 設定ファイルを使用することにより、インストール中に証明書の更新が実行された場合のインストールの失敗を回避できます。

クラスターのブートストラップには、以下のステップが関係します。

  1. ブートストラップマシンが起動し、コントロールプレーンマシンの起動に必要なリモートリソースのホスティングを開始します。(ユーザーがインフラストラクチャーをプロビジョニングする場合には手動の介入が必要になります)。
  2. ブートストラップマシンは、単一ノードの etcd クラスターと一時的な Kubernetes コントロールプレーンを起動します。
  3. コントロールプレーンマシンは、ブートストラップマシンからリモートリソースをフェッチし、起動を終了します。(ユーザーがインフラストラクチャーをプロビジョニングする場合には手動の介入が必要になります)。
  4. 一時的なコントロールプレーンは、実稼働コントロールプレーンマシンに対して実稼働コントロールプレーンをスケジュールします。
  5. Cluster Version Operator (CVO) はオンラインになり、etcd Operator をインストールします。etcd Operator はすべてのコントロールプレーンノードで etcd をスケールアップします。
  6. 一時的なコントロールプレーンはシャットダウンし、コントロールを実稼働コントロールプレーンに渡します。
  7. ブートストラップマシンは OpenShift Container Platform コンポーネントを実稼働コントロールプレーンに挿入します。
  8. インストールプログラムはブートストラップマシンをシャットダウンします。(ユーザーがインフラストラクチャーをプロビジョニングする場合には手動の介入が必要になります)。
  9. コントロールプレーンはコンピュートノードを設定します。
  10. コントロールプレーンは一連の Operator の形式で追加のサービスをインストールします。

このブートストラッププロセスの結果として、OpenShift Container Platform クラスターが実行されます。次に、クラスターはサポートされる環境でのコンピュートマシンの作成など、日常の操作に必要な残りのコンポーネントをダウンロードし、設定します。

1.1.5. インストール後のノード状態の確認

以下のインストールヘルスチェックが正常に行われると、OpenShift Container Platform のインストールが完了します。

  • プロビジョナーは、OpenShift Container Platform Web コンソールにアクセスできます。
  • すべてのコントロールプレーンノードが準備状態にある。
  • すべてのクラスター Operator が利用可能です。
注記

インストールが完了すると、ワーカーノードを実行する特定のクラスター Operator が継続的にすべてのワーカーノードのプロビジョニングを試みます。すべてのワーカーノードが READY と報告されるまでに時間がかかる場合があります。ベアメタルへのインストールの場合、ワーカーノードのトラブルシューティングを行う前に、少なくとも 60 分間待機してください。他のすべてのプラットフォームへのインストールの場合は、ワーカーノードのトラブルシューティングを行う前に、少なくとも 40 分間待機してください。ワーカーノードを実行するクラスター Operator の DEGRADED 状態は、ノードの状態ではなく、Operator 自体のリソースに依存します。

インストールが完了したら、以下の手順を使用してクラスター内のノードの状態を監視し続けることができます。

前提条件

  • インストールプログラムはターミナルで正常に解決されます。

手順

  1. すべてのワーカーノードのステータスを表示します。

    $ oc get nodes

    出力例

    NAME                           STATUS   ROLES    AGE   VERSION
    example-compute1.example.com   Ready    worker   13m   v1.21.6+bb8d50a
    example-compute2.example.com   Ready    worker   13m   v1.21.6+bb8d50a
    example-compute4.example.com   Ready    worker   14m   v1.21.6+bb8d50a
    example-control1.example.com   Ready    master   52m   v1.21.6+bb8d50a
    example-control2.example.com   Ready    master   55m   v1.21.6+bb8d50a
    example-control3.example.com   Ready    master   55m   v1.21.6+bb8d50a

  2. すべてのワーカーマシンノードのフェーズを表示します。

    $ oc get machines -A

    出力例

    NAMESPACE               NAME                           PHASE         TYPE   REGION   ZONE   AGE
    openshift-machine-api   example-zbbt6-master-0         Running                              95m
    openshift-machine-api   example-zbbt6-master-1         Running                              95m
    openshift-machine-api   example-zbbt6-master-2         Running                              95m
    openshift-machine-api   example-zbbt6-worker-0-25bhp   Running                              49m
    openshift-machine-api   example-zbbt6-worker-0-8b4c2   Running                              49m
    openshift-machine-api   example-zbbt6-worker-0-jkbqt   Running                              49m
    openshift-machine-api   example-zbbt6-worker-0-qrl5b   Running                              49m

インストールのスコープ

OpenShift Container Platform インストールプログラムのスコープは意図的に狭められています。単純さを確保し、確実にインストールを実行できるように設計されているためです。インストールが完了した後に数多くの設定タスクを実行することができます。

関連情報

1.1.6. OpenShift Local の概要

OpenShift Local は、OpenShift Container Platform クラスターのビルドを開始するための迅速なアプリケーション開発をサポートします。OpenShift Local は、ローカルのコンピューターで実行し、セットアップおよびテストをシンプル化し、コンテナーベースのアプリケーションを開発するのに必要なすべてのツールと共にクラウド開発環境をローカルにエミュレートすることを目的として設計されています。

OpenShift Local は、使用するプログラミング言語にかかわらずアプリケーションをホストし、事前に設定された最小限の Red Hat OpenShift Container Platform クラスターをローカル PC に提供します。その際に、サーバーベースのインフラストラクチャーは必要ありません。

ホストされる環境では、OpenShift Local はマイクロサービスを作成してイメージに変換し、Linux、macOS、または Windows 10 以降を実行するノートパソコンまたはデスクトップ上の Kubernetes がホストするコンテナーで直接それらを実行できます。

OpenShift Local の詳細は、Red Hat OpenShift Local の概要 を参照してください。