25.10. DNS プロキシーモードでの egress ルーター Pod のデプロイ
クラスター管理者は、トラフィックを指定された DNS 名および IP アドレスにプロキシーするように設定された egress ルーター Pod をデプロイできます。
25.10.1. DNS モードの egress ルーター Pod 仕様
Pod
オブジェクトで egress ルーター Pod の設定を定義します。以下の YAML は、DNS モードでの egress ルーター Pod の設定のフィールドについて説明しています。
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: egress-1 labels: name: egress-1 annotations: pod.network.openshift.io/assign-macvlan: "true" 1 spec: initContainers: - name: egress-router image: registry.redhat.io/openshift4/ose-egress-router securityContext: privileged: true env: - name: EGRESS_SOURCE 2 value: <egress-router> - name: EGRESS_GATEWAY 3 value: <egress-gateway> - name: EGRESS_ROUTER_MODE value: dns-proxy containers: - name: egress-router-pod image: registry.redhat.io/openshift4/ose-egress-dns-proxy securityContext: privileged: true env: - name: EGRESS_DNS_PROXY_DESTINATION 4 value: |- ... - name: EGRESS_DNS_PROXY_DEBUG 5 value: "1" ...
- 1
- このアノテーションは、OpenShift Container Platform に対して、プライマリーネットワークインターフェイスコントローラー (NIC) に macvlan ネットワークインターフェイスを作成し、その macvlan インターフェイスを Pod ネットワークの namespace に移動するよう指示します。引用符を
"true"
値の周囲に含める必要があります。OpenShift Container Platform が別の NIC インターフェイスに macvlan インターフェイスを作成するには、アノテーションの値をそのインターフェイスの名前に設定します。たとえば、eth1
を使用します。 - 2
- ノードが置かれている物理ネットワークの IP アドレスは egress ルーター Pod で使用するために予約されます。オプション: サブネットの長さ
/24
接尾辞を組み込み、ローカルサブネットへの適切なルートがセットアップされるようにできます。サブネットの長さを指定しない場合、egress ルーターはEGRESS_GATEWAY
変数で指定されたホストにのみアクセスでき、サブネットの他のホストにはアクセスできません。 - 3
- ノードで使用されるデフォルトゲートウェイと同じ値です。
- 4
- 1 つ以上のプロキシー宛先の一覧を指定します。
- 5
- オプション: DNS プロキシーログ出力を
stdout
に出力するために指定します。
25.10.2. egress 宛先設定形式
ルーターが DNS プロキシーモードでデプロイされる場合、ポートおよび宛先マッピングの一覧を指定します。宛先には、IP アドレスまたは DNS 名のいずれかを使用できます。
egress ルーター Pod は、ポートおよび宛先マッピングを指定するために以下の形式をサポートします。
- ポートおよびリモートアドレス
-
送信元ポートおよび宛先ホストは、2 つのフィールド形式 (
<port> <remote_address>
) を使用して指定できます。
ホストには、IP アドレスまたは DNS 名を指定できます。DNS 名を指定すると、DNS 解決が起動時に行われます。特定のホストについては、プロキシーは、宛先ホスト IP アドレスへの接続時に、宛先ホストの指定された送信元ポートに接続されます。
ポートとリモートアドレスペアの例
80 172.16.12.11 100 example.com
- ポート、リモートアドレス、およびリモートポート
-
送信元ポート、宛先ホスト、および宛先ポートは、
<port> <remote_address> <remote_port>
の 3 つのフィールドからなる形式を使用して指定できます。
3 つのフィールド形式は、2 つのフィールドバージョンと同じように動作しますが、宛先ポートが送信元ポートとは異なる場合があります。
ポート、リモートアドレス、およびリモートポートの例
8080 192.168.60.252 80 8443 web.example.com 443
25.10.3. DNS プロキシーモードでの egress ルーター Pod のデプロイ
DNS プロキシーモード では、egress ルーター Pod は、トラフィックを独自の IP アドレスから 1 つ以上の宛先 IP アドレスに送信する TCP ベースのサービスの DNS プロキシーとして機能します。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとしてログインしている。
手順
- egress ルーター Pod の作成
egress ルーター Pod のサービスを作成します。
以下の YAML 定義が含まれる
egress-router-service.yaml
という名前のファイルを作成します。spec.ports
を、EGRESS_DNS_PROXY_DESTINATION
環境変数に先に定義したポートの一覧に設定します。apiVersion: v1 kind: Service metadata: name: egress-dns-svc spec: ports: ... type: ClusterIP selector: name: egress-dns-proxy
以下に例を示します。
apiVersion: v1 kind: Service metadata: name: egress-dns-svc spec: ports: - name: con1 protocol: TCP port: 80 targetPort: 80 - name: con2 protocol: TCP port: 100 targetPort: 100 type: ClusterIP selector: name: egress-dns-proxy
サービスを作成するには、以下のコマンドを入力します。
$ oc create -f egress-router-service.yaml
Pod がこのサービスに接続できるようになります。これらの接続は、予約された egress IP アドレスを使用して外部サーバーの対応するポートにプロキシー送信されます。