28.7. NodePort を使用した ingress クラスタートラフィックの設定

OpenShift Container Platform は、クラスター内で実行されるサービスを使用してクラスター外からの通信を可能にする方法を提供します。この方法は NodePort を使用します。

28.7.1. NodePort を使用したトラフィックのクラスターへの送信

NodePort タイプの Service リソースを使用して、クラスター内のすべてのノードの特定のポートでサービスを公開します。ポートは Service リソースの .spec.ports[*].nodePort フィールドで指定されます。

重要

ノードポートを使用するには、追加のポートリソースが必要です。

NodePort は、ノードの IP アドレスの静的ポートでサービスを公開します。NodePort はデフォルトで 30000 から 32767 の範囲に置かれます。つまり、NodePort はサービスの意図されるポートに一致しないことが予想されます。たとえば、ポート 8080 はノードのポート 31020 として公開できます。

管理者は、外部 IP アドレスがノードにルーティングされることを確認する必要があります。

NodePort および外部 IP は独立しており、両方を同時に使用できます。

注記

このセクションの手順では、クラスターの管理者が事前に行っておく必要のある前提条件があります。

28.7.2. 前提条件

以下の手順を開始する前に、管理者は以下の条件を満たしていることを確認する必要があります。

  • 要求がクラスターに到達できるように、クラスターネットワーク環境に対して外部ポートをセットアップします。
  • クラスター管理者ロールを持つユーザーが 1 名以上いることを確認します。このロールをユーザーに追加するには、以下のコマンドを実行します。

    $ oc adm policy add-cluster-role-to-user cluster-admin <user_name>
  • OpenShift Container Platform クラスターを、1 つ以上のマスターと 1 つ以上のノード、およびクラスターへのネットワークアクセスのあるクラスター外のシステムと共に用意します。この手順では、外部システムがクラスターと同じサブセットにあることを前提とします。別のサブセットの外部システムに必要な追加のネットワーク設定については、このトピックでは扱いません。

28.7.3. プロジェクトおよびサービスの作成

公開するプロジェクトおよびサービスが存在しない場合、最初にプロジェクトを作成し、次にサービスを作成します。

プロジェクトおよびサービスがすでに存在する場合は、サービスを公開してルートを作成する手順に進みます。

前提条件

  • クラスター管理者として oc CLI をインストールし、ログインします。

手順

  1. oc new-project コマンドを実行して、サービス用の新しいプロジェクトを作成します。

    $ oc new-project myproject
  2. oc new-app コマンドを使用してサービスを作成します。

    $ oc new-app nodejs:12~https://github.com/sclorg/nodejs-ex.git
  3. サービスが作成されたことを確認するには、以下のコマンドを実行します。

    $ oc get svc -n myproject

    出力例

    NAME        TYPE        CLUSTER-IP       EXTERNAL-IP   PORT(S)    AGE
    nodejs-ex   ClusterIP   172.30.197.157   <none>        8080/TCP   70s

    デフォルトで、新規サービスには外部 IP アドレスがありません。

28.7.4. ルートの作成によるサービスの公開

oc expose コマンドを使用して、サービスをルートとして公開することができます。

手順

サービスを公開するには、以下を実行します。

  1. OpenShift Container Platform にログインします。
  2. 公開するサービスが置かれているプロジェクトにログインします。

    $ oc project myproject
  3. アプリケーションのノードポートを公開するには、次のコマンドを入力して、サービスのカスタムリソース定義 (CRD) を変更します。

    $ oc edit svc <service_name>

    出力例

    spec:
      ports:
      - name: 8443-tcp
        nodePort: 30327 1
        port: 8443
        protocol: TCP
        targetPort: 8443
      sessionAffinity: None
      type: NodePort 2

    1
    オプション: アプリケーションのノードポート範囲を指定します。デフォルトでは、OpenShift Container Platform は 30000-32767 範囲で使用可能なポートを選択します。
    2
    サービスタイプを定義します。
  4. オプション: サービスが公開されるノードポートで利用可能なことを確認するには、以下のコマンドを入力します。

    $ oc get svc -n myproject

    出力例

    NAME                TYPE        CLUSTER-IP       EXTERNAL-IP   PORT(S)          AGE
    nodejs-ex           ClusterIP   172.30.217.127   <none>        3306/TCP         9m44s
    nodejs-ex-ingress   NodePort    172.30.107.72    <none>        3306:31345/TCP   39s

  5. オプション: oc new-app コマンドによって自動的に作成されたサービスを削除するには、以下のコマンドを入力します。

    $ oc delete svc nodejs-ex

検証

  • サービスノードポートが 30000 ~ 32767 の範囲のポートで更新されていることを確認するには、次のコマンドを入力します。

    $ oc get svc

    次の出力例では、更新されたポートは 30327 です。

    出力例

    NAME    TYPE       CLUSTER-IP      EXTERNAL-IP   PORT(S)          AGE
    httpd   NodePort   172.xx.xx.xx    <none>        8443:30327/TCP   109s

28.7.5. 関連情報