第2章 MTC (Migration Toolkit for Containers) リリースノート

MTC (Migration Toolkit for Containers) リリースノートでは、新機能および拡張機能、非推奨となった機能、および既知の問題について説明しています。

MTC を使用すると、namespace の粒度で OpenShift Container Platform クラスター間でアプリケーションワークロードを移行できます。

OpenShift Container Platform 3 から 4.12 および OpenShift Container Platform 4 クラスター間で移行できます。

MTC には、Web コンソールおよび API が同梱されており、Kubernetes カスタムリソースに基づいて移行を制御してアプリケーションのダウンタイムを最小限に抑えることができます。

MTC のサポートポリシーの詳細は、Red Hat OpenShift Container Platform ライフサイクルポリシー の一部である OpenShift Application and Cluster Migration Solutions を参照してください。

2.1. Migration Toolkit for Containers 1.8.3 リリースノート

2.1.1. 技術上の変更点

Migration Toolkit for Containers (MTC) 1.8.3 には、次の技術状の変更点があります。

{OADP-short} 1.3 がサポートされるようになりました

MTC 1.8.3 では、MTC 1.8.z の依存関係として OpenShift API for Data Protection (OADP) のサポートが追加されました。

2.1.2. 解決した問題

このリリースでは、次の主要な問題が解決されています。

CVE-2024-24786: Golang protobuf モジュールの不具合により、unmarshal 関数が無限ループに入ります

MTC の以前のリリースで、Golang の protobuf モジュールに脆弱性が発見されました。この脆弱性では、unmarshal 関数が、特定の無効な入力を処理する際に無限ループに入っていました。その結果、攻撃者が慎重に構築した無効な入力を提供することで、関数が無限ループに入っていました。

この更新により、unmarshal 関数は期待どおりに動作するようになりました。

詳細は、CVE-2024-24786 を参照してください。

CVE-2023-45857: Axios のクロスサイトリクエストフォージェリーの脆弱性

MTC の以前のリリースで、Axios 1.5.1 に脆弱性が発見されました。この脆弱性により、ホストに対するすべてのリクエストの HTTP ヘッダー X-XSRF-TOKEN で、cookie に保存されている機密の XSRF-TOKEN が誤って公開されていました。結果として、攻撃者が機密情報を閲覧できる状態になっていました。

詳細は、CVE-2023-45857 を参照してください。

ソースワークロードが休止していない場合、Restic バックアップが正常に動作しません

MTC の以前のリリースでは、ルートを使用してアプリケーションをデプロイするときに、一部のファイルが移行されませんでした。ソースワークロードの休止オプションがオフになっている場合、Restic バックアップは期待どおりに機能しませんでした。

この問題は MTC 1.8.3 で解決されました。

詳細は、BZ#2242064 を参照してください。

Velero でサポートされていない値のエラーにより、Migration Controller のインストールに失敗します

Velero でサポートされていない値のエラーにより、MigrationController のインストールに失敗していました。{oadp-short} 1.3.0 から {oadp-short} 1.3.1 に更新すると、この問題が解決されます。詳細は、BZ#2267018 を参照してください。

この問題は MTC 1.8.3 で解決されました。

解決されたすべての問題の完全なリストは、Jira の MTC 1.8.3 resolved issues のリストを参照してください。

2.1.3. 既知の問題

MTC には、次の既知の問題があります。

サービスアカウントに関連付けられた SCC は、OpenShift Container Platform 4.12 では移行できません

OpenShift Container Platform バージョン 4.12 のサービスアカウントに関連付けられた Security Context Constraints (SCC) は移行できません。この問題は、MTC の今後のリリースで解決される予定です。(MIG-1454)

すべての既知の問題の完全なリストは、Jira の MTC 1.8.3 known issues のリストを参照してください。