第5章 Red Hat のロギングサブシステムを理解する
クラスター管理者は、ロギングシステムをデプロイし、ノードシステムの監査ログ、アプリケーションコンテナーログ、およびインフラストラクチャーログなどの OpenShift Container Platform クラスターからのすべてのログを集計できます。ロギングサブシステムは、クラスター全体からこれらのログを集約し、デフォルトのログストアに保存します。Kibana Web コンソールを使用して、ログデータを可視化 できます。
ロギングサブシステムは、次のタイプのログを集約します。
-
application
: クラスターで実行される、インフラストラクチャーコンテナーアプリケーションを除くユーザーアプリケーションによって生成されるコンテナーログ。 -
infrastructure
: ジャーナルログなどの、クラスターで実行されるインフラストラクチャーコンポーネントおよび OpenShift Container Platform ノードで生成されるログ。インフラストラクチャーコンポーネントは、openshift*
、kube*
、またはdefault
プロジェクトで実行される Pod です。 -
audit
: ノード監査システム (auditd) で生成されるログ (/var/log/audit/audit.log ファイルに保存される)、および Kubernetes apiserver および OpenShift apiserver の監査ログ。
内部 OpenShift Container Platform Elasticsearch ログストアは監査ログのセキュアなストレージを提供しないため、デフォルトで監査ログは内部 Elasticsearch インスタンスに保存されません。監査ログをデフォルトの内部 Elasticsearch ログストアに送信する必要がある場合 (Kibana で監査ログを表示するなど)、Forward audit logs to the log store で説明されているようにログ転送 API を使用する必要があります。
5.1. ロギングのサポートに関する考慮事項
ロギングは、コアの OpenShift Container Platform とは異なるリリースサイクルで、インストール可能なコンポーネントとして提供されます。Red Hat OpenShift Container Platform Life Cycle Policy はリリースの互換性を概説しています。
Red Hat OpenShift のロギングサブシステムを設定するためにサポートされている方法は、このドキュメントで説明されているオプションを使用して設定することです。サポートされていない他の設定は使用しないでください。設定のパラダイムが OpenShift Container Platform リリース間で変更される可能性があり、このような変更は、設定のすべての可能性が制御されている場合のみ適切に対応できます。このドキュメントで説明されている以外の設定を使用すると、Operator が相違点を調整するため、変更内容は失われます。Operator はデフォルトで定義された状態にすべて戻します。
OpenShift Container Platform ドキュメントで説明されていない設定を実行する 必要がある 場合は、Red Hat OpenShift Logging Operator を Unmanaged
に設定する必要があります。マネージド外の OpenShift ロギング環境はサポートされておらず、OpenShift ロギングを Managed
に戻すまで更新を受け取りません。
以下の変更は明示的にサポートされていません。
- ドキュメントで指定されていない namespace へのロギングのデプロイ。
- OpenShift Container Platform へのカスタム Elasticsearch、Kibana、Fluentd、または Loki インスタンスのインストール。
- Kibana カスタムリソース (CR) または Elasticsearch CR への変更。
- ドキュメントで指定されていないシークレットまたは config map への変更。
Red Hat OpenShift のロギングサブシステムは、アプリケーション、インフラストラクチャー、および監査ログの独自のコレクターおよびノーマライザーです。これは、サポートされているさまざまなシステムにログを転送するために使用することを目的としています。
Red Hat OpenShift のロギングサブシステムは次のとおりではありません。
- 大規模なログ収集システム
- セキュリティー情報およびイベント監視 (SIEM) に準拠
- 履歴または長期のログの保持または保管
- 保証されたログシンク
- 安全なストレージ - 監査ログはデフォルトでは保存されません