6.16. AWS Outposts のリモートワーカーを使用して AWS にクラスターをインストールする

OpenShift Container Platform バージョン 4.12 では、AWS Outposts で実行されているリモートワーカーを使用して、Amazon Web Services (AWS) にクラスターをインストールできます。これは、デフォルトの AWS インストールをカスタマイズし、いくつかの手動による手順を実行することで実現できます。

重要

AWS Outposts 上のリモートワーカーを使用して AWS にクラスターをインストールする機能は、テクノロジープレビューとしてのみ使用できます。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品サポートのサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではない場合があります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

AWS Outposts の詳細については、AWS Outposts のドキュメント を参照してください。

重要

AWS Outposts にリモートワーカーを使用してラスターをインストールするには、すべてのワーカーインスタンスを同じ Outpost インスタンス内に配置する必要があり、AWS リージョンに配置することはできません。クラスターが AWS Outposts と AWS リージョンの両方にインスタンスを持つことはできません。さらに、コントロールプレーンノードはスケジュール対象にすることはできません。

6.16.1. 前提条件

  • OpenShift Container Platform のインストールおよび更新 プロセスの詳細を確認している。
  • クラスターインストール方法の選択およびそのユーザー向けの準備 を確認している。
  • クラスターをホストするために AWS アカウントを設定 している。
  • 使用する AWS Outpost インスタンスでサポートされているインスタンスタイプを理解している。これは get-outpost-instance-types AWS CLI コマンド で検証できます
  • OutpostArn や AvailabilityZone などの AWS Outpost インスタンスの詳細に精通している。これは list-outposts AWS CLI コマンド で検証できます

    重要

    クラスターは提供された AWS 認証情報を使用してライフサイクル全体で AWS リソースを作成するため、認証情報はキーベースで長期間有効である必要があります。そのため、コンピューターに AWS プロファイルが保存されている場合、多要素認証デバイスの使用中に生成された一時的なセッショントークンを使用してはなりません。適切なキーの生成の詳細については、AWS ドキュメントの IAM ユーザーのアクセスキーの管理 を参照してください。インストールプログラムを実行するときにキーを指定できます。

  • Amazon Web Services (AWS) の既存の Amazon Virtual Private Cloud (VPC) にアクセスできます。詳細については、「カスタム VPC の使用について」のセクションを参照してください。
  • ファイアウォールが使用されている場合は、クラスターがアクセスを必要とする サイトを許可するように設定 されました。
  • お使いの環境でクラウドアイデンティティーおよびアクセス管理 (IAM) API にアクセスできない場合や、管理者レベルの認証情報シークレットを kube-system namespace に保存することを望まない場合は、IAM 認証情報を手動で作成および維持 することができます。

6.16.2. カスタム VPC の使用について

OpenShift Container Platform 4.12 インストーラーは、AWS Outposts に AWS サブネットを自動的にデプロイできないため、VPC を手動で設定する必要があります。したがって、Amazon Web Services (AWS) の既存の Amazon Virtual Private Cloud (VPC) 内の既存のサブネットに、クラスターをデプロイする必要があります。さらに、OpenShift Container Platform を既存の AWS VPC にデプロイすることで、新しいアカウントの制限の制約を回避したり、所属する企業のガイドラインが設定した運用上の制約をより簡単に順守したりできる場合があります。

インストールプログラムは既存のサブネットにある他のコンポーネントを把握できないため、ユーザーの代わりにサブネットの CIDR を選択することはできません。クラスターをインストールするサブネットのネットワークを独自に設定する必要があります。

6.16.2.1. VPC を使用するための要件

インストールプログラムは、以下のコンポーネントを作成しなくなりました。

  • インターネットゲートウェイ
  • NAT ゲートウェイ
  • サブネット
  • ルートテーブル
  • VPC
  • VPC DHCP オプション
  • VPC エンドポイント
注記

インストールプログラムでは、クラウド提供の DNS サーバーを使用する必要があります。カスタム DNS サーバーの使用はサポートされていないため、インストールが失敗します。

カスタム VPC を使用する場合は、そのカスタム VPC と使用するインストールプログラムおよびクラスターのサブネットを適切に設定する必要があります。AWS VPC の作成と管理の詳細は、AWS ドキュメントの Amazon VPC コンソールウィザードの設定VPC とサブネットの操作 を参照してください。

インストールプログラムには、以下の機能はありません。

  • 使用するクラスターのネットワーク範囲を細分化する。
  • サブネットのルートテーブルを設定する。
  • DHCP などの VPC オプションを設定する。

クラスターをインストールする前に、以下のタスクを完了する必要があります。AWS VPC でのネットワーキングの設定の詳細は、 VPC ネットワーキングコンポーネントVPC のルートテーブル を参照してください。

VPC は以下の特性を満たす必要があります。

注記

AWS Outposts でリモートワーカーを使用して OpenShift Container Platform を作成できるようにするには、ワークロードインスタンスの作成用に AWS Outpost インスタンスに少なくとも 1 つのプライベートサブネットを作成し、コントロールプレーンインスタンスの作成用に AWS リージョンに 1 つのプライベートサブネットを作成する必要があります。リージョンに複数のプライベートサブネットを指定すると、コントロールプレーンインスタンスはこれらのサブネット全体に分散されます。また、プライベートサブネットに使用される各アベイラビリティーゾーン (Outpost プライベートサブネットを含む) にパブリックサブネットを作成する必要があります。これは、クラスターインストールの一部として API サーバーと Ingress ネットワーク用の AWS リージョンにネットワークロードバランサーが作成されるためです。Outpost プライベートサブネットと同じアベイラビリティーゾーンに AWS リージョンプライベートサブネットを作成することができます。

  • コントロールプレーンが使用するアベイラビリティーゾーンごとに、AWS リージョンにパブリックサブネットとプライベートサブネットを作成します。各アベイラビリティーゾーンには、AWS リージョン内に複数のパブリックサブネットと 1 つのプライベートサブネットを含めることはできません。このタイプの設定の例は、AWS ドキュメントの パブリックサブネットとプライベートサブネット (NAT) を使用した VPC を参照してください。

    AWS Outposts にプライベートサブネットを作成するには、最初に Outpost インスタンスが目的のアベイラビリティーゾーンにあることを確認する必要があります。次に、Outpost ARN を追加することで、Outpost インスタンス内のそのアベイラビリティーゾーン内にプライベートサブネットを作成できます。同じアベイラビリティーゾーンで作成された AWS リージョンに別のパブリックサブネットがあることを確認してください。

    各サブネット ID を記録します。インストールを完了するには、AWS リージョンで作成されたすべてのサブネット ID を install-config.yaml ファイルの platform セクションに入力し、Outpost で作成されたプライベートサブネット ID を使用するようにワーカー machineset を変更する必要があります。AWS ドキュメントの サブネット ID の検索 を参照してください。

    重要

    AWS Outposts でパブリックサブネットを作成する必要がある場合は、このサブネットがネットワークロードバランサーまたは Classic LoadBalancer に使用されていないことを確認してください。そうしないと、LoadBalancer の作成は失敗します。これを実現するには、kubernetes.io/cluster/.*-outposts: owned 特殊タグをサブネットに含める必要があります。

  • VPC の CIDR ブロックには、クラスターマシンの IP アドレスプールである Networking.MachineCIDR 範囲が含まれている必要があります。サブネット CIDR ブロックは、指定したマシン CIDR に属している必要があります。
  • VPC には、パブリックインターネットゲートウェイが接続されている必要があります。アベイラビリティーゾーンごとに以下が必要です。

    • パブリックサブネットには、インターネットゲートウェイへのルートが必要です。
    • パブリックサブネットには、EIP アドレスが割り当てられた NAT ゲートウェイが必要です。
    • プライベートサブネットには、パブリックサブネットの NAT ゲートウェイへのルートが必要です。
    注記

    ローカルネットワーク経由でローカルクラスターにアクセスするには、VPC を Outpost のローカルゲートウェイルートテーブルに関連付ける必要があります。詳細については、AWS Outposts ユーザーガイドの VPC associations を参照してください。

  • VPC は kubernetes.io/cluster/.*: ownedNameopenshift.io/cluster タグを使用できません。

    インストールプログラムは kubernetes.io/cluster/.*: shared タグを追加するようにサブネットを変更するため、サブネットでは 1 つ以上の空のタグスロットが利用可能である必要があります。AWS ドキュメントで タグ制限 を確認し、インストールプログラムでタグを指定する各サブネットに追加できるようにします。Name タグは EC2 Name フィールドと重複し、その結果インストールが失敗するため、使用できません。

  • VPC で enableDnsSupport および enableDnsHostnames 属性を有効にし、クラスターが VPC に割り当てられている Route 53 ゾーンを使用してクラスターの内部 DNS レコードを解決できるようにする必要があります。AWS ドキュメントの DNS Support in Your VPC を参照してください。

    独自の Route 53 ホストプライベートゾーンを使用する場合、クラスターのインストール前に既存のホストゾーンを VPC に関連付ける必要があります。ホストゾーンは、install-config.yaml ファイルの platform.aws.hostedZone フィールドを使用して定義できます。

オプション 1: VPC エンドポイントを作成する

VPC エンドポイントを作成し、クラスターが使用しているサブネットにアタッチします。次のようにエンドポイントに名前を付けます。

  • ec2.<aws_region>.amazonaws.com
  • elasticloadbalancing.<aws_region>.amazonaws.com
  • s3.<aws_region>.amazonaws.com

このオプションを使用すると、VPC および必要な AWS サービスの間でネットワークトラフィックがプライベートのままになります。

オプション 2: VPC エンドポイントなしでプロキシーを作成する

インストールプロセスの一環として、HTTP または HTTPS プロキシーを設定できます。このオプションを使用すると、インターネットトラフィックはプロキシーを経由して、必要な AWS サービスに到達します。

オプション 3: VPC エンドポイントでプロキシーを作成する

インストールプロセスの一環として、VPC エンドポイントを使用して HTTP または HTTPS プロキシーを設定できます。VPC エンドポイントを作成し、クラスターが使用しているサブネットにアタッチします。次のようにエンドポイントに名前を付けます。

  • ec2.<aws_region>.amazonaws.com
  • elasticloadbalancing.<aws_region>.amazonaws.com
  • s3.<aws_region>.amazonaws.com

install-config.yaml ファイルでプロキシーを設定するときに、これらのエンドポイントを noProxy フィールドに追加します。このオプションを使用すると、プロキシーはクラスターがインターネットに直接アクセスするのを防ぎます。ただし、VPC と必要な AWS サービスの間のネットワークトラフィックはプライベートのままです。

必要な VPC コンポーネント

お使いのマシンとの通信を可能にする適切な VPC およびサブネットを指定する必要があります。

コンポーネントAWS タイプ説明

VPC

  • AWS::EC2::VPC
  • AWS::EC2::VPCEndpoint

使用するクラスターのパブリック VPC を指定する必要があります。VPC は、各サブネットのルートテーブルを参照するエンドポイントを使用して、S3 でホストされているレジストリーとの通信を強化します。

パブリックサブネット

  • AWS::EC2::Subnet
  • AWS::EC2::SubnetNetworkAclAssociation

VPC には 1 から 3 のアベイラビリティーゾーンのパブリックサブネットが必要であり、それらを適切な Ingress ルールに関連付ける必要があります。

インターネットゲートウェイ

  • AWS::EC2::InternetGateway
  • AWS::EC2::VPCGatewayAttachment
  • AWS::EC2::RouteTable
  • AWS::EC2::Route
  • AWS::EC2::SubnetRouteTableAssociation
  • AWS::EC2::NatGateway
  • AWS::EC2::EIP

VPC に割り当てられたパブリックルートを持つパブリックインターネットゲートウェイが必要です。提供されるテンプレートでは、各パブリックサブネットに EIP アドレスと NAT ゲートウェイがあります。これらの NAT ゲートウェイは、プライベートサブネットインスタンスなどのクラスターリソースがインターネットに到達できるようにするもので、一部のネットワークが制限された環境またはプロキシーのシナリオでは必要ありません。

ネットワークアクセス制御

  • AWS::EC2::NetworkAcl
  • AWS::EC2::NetworkAclEntry

VPC が以下のポートにアクセスできるようにする必要があります。

ポート

理由

80

インバウンド HTTP トラフィック

443

インバウンド HTTPS トラフィック

22

インバウンド SSH トラフィック

1024 - 65535

インバウンド一時 (ephemeral) トラフィック

0 - 65535

アウトバウンド一時 (ephemeral) トラフィック

プライベートサブネット

  • AWS::EC2::Subnet
  • AWS::EC2::RouteTable
  • AWS::EC2::SubnetRouteTableAssociation

VPC にはプライベートサブネットを使用できます。提供される CloudFormation テンプレートは 1 から 3 アベイラビリティーゾーンのプライベートサブネットを作成できます。Outpost でリモートワーカーを実行できるようにするには、対応する AWS リージョン内にあるプライベートサブネットに加えて、VPC に Outpost インスタンス内にあるプライベートサブネットを含める必要があります。プライベートサブネットを使用できる場合は、それらの適切なルートおよびテーブルを指定する必要があります。

6.16.2.2. VPC 検証

指定するサブネットが適切であることを確認するには、インストールプログラムが以下のデータを確認します。

  • 指定したサブネットすべてが存在します。
  • プライベートサブネットを指定します。
  • サブネットの CIDR は指定されたマシン CIDR に属します。
  • 各アベイラビリティーゾーンのサブネットを指定します。各アベイラビリティーゾーンには、AWS リージョン内に 1 つのパブリックサブネットと 1 つのプライベートサブネットが含まれます (Outpost インスタンスでは作成されません)。Outpost インスタンスがインストールされているアベイラビリティーゾーンには、Outpost インスタンスに 1 つの追加のプライベートサブネットが含まれている必要があります。
  • 各プライベートサブネットアベイラビリティーゾーンのパブリックサブネットを指定します。マシンは、プライベートサブネットを指定しないアベイラビリティーゾーンにはプロビジョニングされません。

既存の VPC を使用するクラスターを破棄しても、VPC は削除されません。VPC から OpenShift Container Platform クラスターを削除する場合、 kubernetes.io/cluster/.*: shared タグは、それが使用したサブネットから削除されます。

6.16.2.3. パーミッションの区分

OpenShift Container Platform 4.3 以降、クラスターのデプロイに、インストールプログラムがプロビジョニングするインフラストラクチャークラスターに必要なすべてのパーミッションを必要としなくなりました。この変更は、ある会社で個人がクラウドで他とは異なるリソースを作成できるようにパーミッションが区分された状態に類似するものです。たとえば、インスタンス、バケット、ロードバランサーなどのアプリケーション固有のアイテムを作成することはできますが、VPC、サブネット、または Ingress ルールなどのネットワーク関連のコンポーネントは作成できない可能性があります。

クラスターの作成時に使用する AWS の認証情報には、VPC、およびサブネット、ルーティングテーブル、インターネットゲートウェイ、NAT、VPN などの VPC 内のコアとなるネットワークコンポーネントの作成に必要なネットワークのパーミッションは必要ありません。ELB、セキュリティーグループ、S3 バケットおよびノードなどの、クラスター内でマシンに必要なアプリケーションリソースを作成するパーミッションは依然として必要になります。

6.16.2.4. クラスター間の分離

OpenShift Container Platform を既存のネットワークにデプロイする場合、クラスターサービスの分離の規模は以下の方法で縮小されます。

  • 複数の OpenShift Container Platform クラスターを同じ VPC にインストールできます。
  • ICMP Ingress はネットワーク全体から許可されます。
  • TCP 22 Ingress (SSH) はネットワーク全体に対して許可されます。
  • コントロールプレーンの TCP 6443 Ingress (Kubernetes API) はネットワーク全体に対して許可されます。
  • コントロールプレーンの TCP 22623 Ingress (MCS) はネットワーク全体に対して許可されます。

6.16.3. OpenShift Container Platform のインターネットアクセス

OpenShift Container Platform 4.12 では、クラスターをインストールするためにインターネットアクセスが必要になります。

インターネットへのアクセスは以下を実行するために必要です。

  • OpenShift Cluster Manager Hybrid Cloud Console にアクセスし、インストールプログラムをダウンロードし、サブスクリプション管理を実行します。クラスターにインターネットアクセスがあり、Telemetry を無効にしない場合、そのサービスは有効なサブスクリプションでクラスターを自動的に使用します。
  • クラスターのインストールに必要なパッケージを取得するために Quay.io にアクセスします。
  • クラスターの更新を実行するために必要なパッケージを取得します。
重要

クラスターでインターネットに直接アクセスできない場合、プロビジョニングする一部のタイプのインフラストラクチャーでネットワークが制限されたインストールを実行できます。このプロセスで、必要なコンテンツをダウンロードし、これを使用してミラーレジストリーにインストールパッケージを設定します。インストールタイプによっては、クラスターのインストール環境でインターネットアクセスが不要となる場合があります。クラスターを更新する前に、ミラーレジストリーのコンテンツを更新します。

6.16.4. クラスターノードの SSH アクセス用のキーペアの生成

OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定できます。キーは、Ignition 設定ファイルを介して Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) ノードに渡され、ノードへの SSH アクセスを認証するために使用されます。このキーは各ノードの core ユーザーの ~/.ssh/authorized_keys リストに追加され、パスワードなしの認証が可能になります。

キーがノードに渡されると、キーペアを使用して RHCOS ノードにユーザー core として SSH を実行できます。SSH 経由でノードにアクセスするには、秘密鍵のアイデンティティーをローカルユーザーの SSH で管理する必要があります。

インストールのデバッグまたは障害復旧を実行するためにクラスターノードに対して SSH を実行する場合は、インストールプロセスの間に SSH 公開鍵を指定する必要があります。 /openshift-install gather コマンドでは、SSH 公開鍵がクラスターノードに配置されている必要もあります。

重要

障害復旧およびデバッグが必要な実稼働環境では、この手順を省略しないでください。

注記

AWS キーペア などのプラットフォームに固有の方法で設定したキーではなく、ローカルキーを使用する必要があります。

手順

  1. クラスターノードへの認証に使用するローカルマシンに既存の SSH キーペアがない場合は、これを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。

    $ ssh-keygen -t ed25519 -N '' -f <path>/<file_name> 1
    1
    新しい SSH キーのパスとファイル名 (~/.ssh/id_ed25519 など) を指定します。既存のキーペアがある場合は、公開鍵が ~/.ssh ディレクトリーにあることを確認します。
    注記

    FIPS で検証済みまたは進行中のモジュール (Modules in Process) 暗号ライブラリーを使用する OpenShift Container Platform クラスターを x86_64ppc64le、および s390x アーキテクチャーにインストールする予定の場合は、ed25519 アルゴリズムを使用するキーは作成しないでください。代わりに、rsa アルゴリズムまたは ecdsa アルゴリズムを使用するキーを作成します。

  2. 公開 SSH キーを表示します。

    $ cat <path>/<file_name>.pub

    たとえば、次のコマンドを実行して ~/.ssh/id_ed25519.pub 公開鍵を表示します。

    $ cat ~/.ssh/id_ed25519.pub
  3. ローカルユーザーの SSH エージェントに SSH 秘密鍵 ID が追加されていない場合は、それを追加します。キーの SSH エージェント管理は、クラスターノードへのパスワードなしの SSH 認証、または ./openshift-install gather コマンドを使用する場合は必要になります。

    注記

    一部のディストリビューションでは、~/.ssh/id_rsa および ~/.ssh/id_dsa などのデフォルトの SSH 秘密鍵のアイデンティティーは自動的に管理されます。

    1. ssh-agent プロセスがローカルユーザーに対して実行されていない場合は、バックグラウンドタスクとして開始します。

      $ eval "$(ssh-agent -s)"

      出力例

      Agent pid 31874

      注記

      クラスターが FIPS モードにある場合は、FIPS 準拠のアルゴリズムのみを使用して SSH キーを生成します。鍵は RSA または ECDSA のいずれかである必要があります。

  4. SSH プライベートキーを ssh-agent に追加します。

    $ ssh-add <path>/<file_name> 1
    1
    ~/.ssh/id_ed25519 などの、SSH プライベートキーのパスおよびファイル名を指定します。

    出力例

    Identity added: /home/<you>/<path>/<file_name> (<computer_name>)

次のステップ

  • OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定します。

6.16.5. インストールプログラムの取得

OpenShift Container Platform をインストールする前に、インストールに使用しているホストにインストールファイルをダウンロードします。

前提条件

  • 500 MB のローカルディスク領域がある Linux または macOS を実行するコンピューターが必要です。

手順

  1. OpenShift Cluster Manager サイトの インフラストラクチャープロバイダー ページにアクセスします。Red Hat アカウントがある場合は、認証情報を使用してログインします。アカウントがない場合はこれを作成します。
  2. インフラストラクチャープロバイダーを選択します。
  3. インストールタイプのページに移動し、ホストオペレーティングシステムとアーキテクチャーに対応するインストールプログラムをダウンロードして、インストール設定ファイルを保存するディレクトリーにファイルを配置します。

    重要

    インストールプログラムは、クラスターのインストールに使用するコンピューターにいくつかのファイルを作成します。クラスターのインストール完了後は、インストールプログラムおよびインストールプログラムが作成するファイルを保持する必要があります。ファイルはいずれもクラスターを削除するために必要になります。

    重要

    インストールプログラムで作成されたファイルを削除しても、クラスターがインストール時に失敗した場合でもクラスターは削除されません。クラスターを削除するには、特定のクラウドプロバイダー用の OpenShift Container Platform のアンインストール手順を実行します。

  4. インストールプログラムを展開します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。

    $ tar -xvf openshift-install-linux.tar.gz
  5. Red Hat OpenShift Cluster Manager からインストールプルシークレット をダウンロードします。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する Quay.io など、組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。

6.16.6. クラスターインストールの最小リソース要件

それぞれのクラスターマシンは、以下の最小要件を満たしている必要があります。

表6.55 最小リソース要件

マシンオペレーティングシステムvCPU [1]仮想 RAMストレージ1 秒あたりの入出力 (IOPS) [2]

ブートストラップ

RHCOS

4

16 GB

100 GB

300

コントロールプレーン

RHCOS

4

16 GB

100 GB

300

Compute

RHCOS、RHEL 8.6 以降 [3]

2

8 GB

100 GB

300

  1. 1 vCPU は、同時マルチスレッド (SMT) またはハイパースレッディングが有効にされていない場合に 1 つの物理コアと同等です。これが有効にされている場合、以下の数式を使用して対応する比率を計算します: (コアごとのスレッド × コア数) × ソケット数 = vCPU
  2. OpenShift Container Platform および Kubernetes はディスクのパフォーマンスに敏感であり、特に 10 ms p99 fsync 期間を必要とするコントロールプレーンノード上の etcd については、高速ストレージが推奨されます。多くのクラウドプラットフォームでは、ストレージサイズと IOPS スケールが一緒にあるため、十分なパフォーマンスを得るためにストレージボリュームの割り当てが必要になる場合があります。
  3. ユーザーによってプロビジョニングされるすべてのインストールと同様に、クラスターで RHEL コンピュートマシンの使用を選択する場合は、システム更新の実行、パッチの適用、その他すべての必要なタスクの完了など、オペレーティングシステムのライフサイクルの管理と保守をすべて担当します。RHEL 7 コンピューティングマシンの使用は推奨されておらず、OpenShift Container Platform 4.10 以降では削除されています。

プラットフォームのインスタンスタイプがクラスターマシンの最小要件を満たす場合、これは OpenShift Container Platform で使用することがサポートされます。

6.16.7. AWS Outposts インスタンスタイプの特定

AWS Outposts ラックのカタログには、ローカルインスタンスストレージの有無にかかわらず、最新世代の Intel 搭載 EC2 インスタンスタイプをサポートするオプションが含まれています。AWS Outpost インスタンスで設定されているインスタンスタイプを特定します。インストールプロセスの一環として、インストールプログラムがワーカーノードのデプロイに使用するインスタンスタイプで install-config.yaml ファイルを更新する必要があります。

手順

AWS CLI を使用して、次のコマンドを実行して、サポートされているインスタンスタイプのリストを取得します。

$ aws outposts get-outpost-instance-types --outpost-id <outpost_id> 1
1
<outpost_id> の場合、ワーカーインスタンスの AWS アカウントで使用される Outpost ID を指定します。
重要

AWS Outpost インスタンスの容量を購入するときは、各サーバーが提供する EC2 容量レイアウトを指定します。各サーバーは、インスタンスタイプの 1 つのファミリーをサポートします。レイアウトは、単一のインスタンスタイプまたは複数のインスタンスタイプを提供できます。Dedicated Hosts を使用すると、その初期レイアウトに選択したものを変更できます。容量全体に対して単一のインスタンスタイプをサポートするようにホストを割り当てた場合、そのホストからは単一のインスタンスタイプしか起動できません。

AWS Outposts でサポートされているインスタンスタイプは変更される可能性があります。詳細については、AWS Outposts ドキュメントの コンピュートとストレージの ページを確認してください。

6.16.8. インストール設定ファイルの作成

Amazon Web Services (AWS) での OpenShift Container Platform のインストールをカスタマイズできます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得する。
  • サブスクリプションレベルでサービスプリンシパルのパーミッションを取得する。

手順

  1. install-config.yaml ファイルを作成します。

    1. インストールプログラムが含まれるディレクトリーに切り替え、以下のコマンドを実行します。

      $ ./openshift-install create install-config --dir <installation_directory> 1
      1
      <installation_directory> の場合、インストールプログラムが作成するファイルを保存するためにディレクトリー名を指定します。

      ディレクトリーを指定する場合:

      • ディレクトリーに execute 権限があることを確認します。この権限は、インストールディレクトリーで Terraform バイナリーを実行するために必要です。
      • 空のディレクトリーを使用します。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットは有効期限が短いため、インストールディレクトリーを再利用しないでください。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。
    2. プロンプト時に、クラウドの設定の詳細情報を指定します。

      1. オプション: クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キーを選択します。

        注記

        インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

      2. ターゲットに設定するプラットフォームとして AWS を選択します。
      3. Amazon Web Services (AWS) プロファイルをコンピューターに保存していない場合、インストールプログラムを実行するように設定したユーザーの AWS アクセスキー ID およびシークレットアクセスキーを入力します。
      4. クラスターのデプロイ先とする AWS リージョンを選択します。
      5. クラスターに設定した Route 53 サービスのベースドメインを選択します。
      6. クラスターの記述名を入力します。
      7. Red Hat OpenShift Cluster Manager からプルシークレット を貼り付けます。
  2. install-config.yaml ファイルを変更します。AWS Outposts のインストールには次の制限があり、install-config.yaml ファイルを手動で変更する必要があります。

    • ほぼ無限のスケールを提供する AWS リージョンとは異なり、AWS Outposts は、他のワークロードによってまだ消費されていないプロビジョニングされた容量、EC2 ファミリーと世代、設定されたインスタンスサイズ、およびコンピュート容量の可用性によって制限されます。したがって、新しい OpenShift Container Platform クラスターを作成する場合、設定ファイルの compute.platform.aws.type セクションでサポートされているインスタンスタイプを指定する必要があります。
    • AWS Outposts で実行されているリモートワーカーを使用して OpenShift Container Platform クラスターをデプロイする場合、コンピュートインスタンスに使用できるアベイラビリティーゾーンは 1 つ (Outpost インスタンスが作成されたアベイラビリティーゾーン) だけです 。したがって、新しい OpenShift Container Platform クラスターを作成する場合、コンピュートインスタンスをこのアベイラビリティーゾーンに制限するために、設定ファイルの compute.platform.aws.zones セクションに関連するアベイラビリティーゾーンを指定することが推奨されます。
    • Amazon Elastic Block Store (EBS) gp3 ボリュームは、AWS Outposts サービスではサポートされていません。このボリュームタイプは、OpenShift Container Platform クラスターで使用されるデフォルトのタイプです。したがって、新しい OpenShift Container Platform クラスターを作成するときは、compute.platform.aws.rootVolume.type セクションのボリュームタイプを gp2 に変更する必要があります。これらの値の変更方法については、以下を参照してください。
  3. install-config.yaml ファイルをバックアップし、複数のクラスターをインストールするのに使用できるようにします。

    重要

    install-config.yaml ファイルはインストールプロセス時に使用されます。このファイルを再利用する必要がある場合は、この段階でこれをバックアップしてください。

6.16.8.1. インストール設定パラメーター

OpenShift Container Platform クラスターをデプロイする前に、クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを記述し、クラスターのプラットフォームをオプションでカスタマイズするためにパラメーターの値を指定します。install-config.yaml インストール設定ファイルを作成する際に、コマンドラインで必要なパラメーターの値を指定します。クラスターをカスタマイズする場合、install-config.yaml ファイルを変更して、プラットフォームについての詳細情報を指定できます。

注記

インストール後は、これらのパラメーターを install-config.yaml ファイルで変更することはできません。

6.16.8.1.1. 必須設定パラメーター

必須のインストール設定パラメーターは、以下の表で説明されています。

表6.56 必須パラメーター

パラメーター説明

apiVersion

install-config.yaml コンテンツの API バージョン。現在のバージョンは v1 です。インストールプログラムは、古い API バージョンもサポートしている場合があります。

文字列

baseDomain

クラウドプロバイダーのベースドメイン。ベースドメインは、OpenShift Container Platform クラスターコンポーネントへのルートを作成するために使用されます。クラスターの完全な DNS 名は、baseDomain<metadata.name>.<baseDomain> 形式を使用する metadata.name パラメーターの値の組み合わせです。

example.com などの完全修飾ドメインまたはサブドメイン名。

metadata

Kubernetes リソース ObjectMeta。ここからは name パラメーターのみが消費されます。

オブジェクト

metadata.name

クラスターの名前。クラスターの DNS レコードはすべて {{.metadata.name}}.{{.baseDomain}} のサブドメインです。

dev などの小文字、ハイフン (-)、およびピリオド (.) が含まれる文字列。

platform

インストールを実行する特定のプラットフォームの設定: alibabacloudawsbaremetalazuregcpibmcloudnutanixopenstackovirtvsphere、または {}platform.<platform> パラメーターに関する追加情報は、以下の表で特定のプラットフォームを参照してください。

オブジェクト

pullSecret

Red Hat OpenShift Cluster Manager からプルシークレット を取得して、Quay.io などのサービスから OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージをダウンロードすることを認証します。

{
   "auths":{
      "cloud.openshift.com":{
         "auth":"b3Blb=",
         "email":"you@example.com"
      },
      "quay.io":{
         "auth":"b3Blb=",
         "email":"you@example.com"
      }
   }
}
6.16.8.1.2. ネットワーク設定パラメーター

既存のネットワークインフラストラクチャーの要件に基づいて、インストール設定をカスタマイズできます。たとえば、クラスターネットワークの IP アドレスブロックを拡張するか、デフォルトとは異なる IP アドレスブロックを指定できます。

IPv4 アドレスのみがサポートされます。

注記

Globalnet は、Red Hat OpenShift Data Foundation ディザスターリカバリーソリューションではサポートされていません。局地的なディザスターリカバリーのシナリオでは、各クラスター内のクラスターとサービスネットワークに重複しない範囲のプライベート IP アドレスを使用するようにしてください。

表6.57 ネットワークパラメーター

パラメーター説明

networking

クラスターのネットワークの設定。

オブジェクト

注記

インストール後に networking オブジェクトで指定したパラメーターを変更することはできません。

networking.networkType

インストールする Red Hat OpenShift Networking ネットワークプラグイン。

OpenShiftSDN または OVNKubernetes のいずれか。OpenShiftSDN は、全 Linux ネットワーク用の CNI プラグインです。OVNKubernetes は、Linux ネットワークと、Linux サーバーと Windows サーバーの両方を含む Linux ネットワークおよびハイブリッドネットワーク用の CNI プラグインです。デフォルトの値は OVNkubernetes です。

networking.clusterNetwork

Pod の IP アドレスブロック。

デフォルト値は 10.128.0.0/14 で、ホストの接頭辞は /23 です。

複数の IP アドレスブロックを指定する場合は、ブロックが重複しないようにしてください。

オブジェクトの配列。以下に例を示します。

networking:
  clusterNetwork:
  - cidr: 10.128.0.0/14
    hostPrefix: 23

networking.clusterNetwork.cidr

networking.clusterNetwork を使用する場合に必須です。IP アドレスブロック。

IPv4 ネットワーク

CIDR (Classless Inter-Domain Routing) 表記の IP アドレスブロック。IPv4 ブロックの接頭辞長は 0 から 32 の間になります。

networking.clusterNetwork.hostPrefix

それぞれの個別ノードに割り当てるサブネット接頭辞長。たとえば、hostPrefix23 に設定される場合、各ノードに指定の cidr から /23 サブネットが割り当てられます。hostPrefix 値の 23 は、510 (2^(32 - 23) - 2) Pod IP アドレスを提供します。

サブネット接頭辞。

デフォルト値は 23 です。

networking.serviceNetwork

サービスの IP アドレスブロック。デフォルト値は 172.30.0.0/16 です。

OpenShift SDN および OVN-Kubernetes ネットワークプラグインは、サービスネットワークの単一 IP アドレスブロックのみをサポートします。

CIDR 形式の IP アドレスブロックを持つ配列。以下に例を示します。

networking:
  serviceNetwork:
   - 172.30.0.0/16

networking.machineNetwork

マシンの IP アドレスブロック。

複数の IP アドレスブロックを指定する場合は、ブロックが重複しないようにしてください。

オブジェクトの配列。以下に例を示します。

networking:
  machineNetwork:
  - cidr: 10.0.0.0/16

networking.machineNetwork.cidr

networking.machineNetwork を使用する場合に必須です。IP アドレスブロック。libvirt 以外のすべてのプラットフォームでは、デフォルト値は 10.0.0.0/16 です。libvirt の場合、デフォルト値は 192.168.126.0/24 です。

CIDR 表記の IP ネットワークブロック。

例: 10.0.0.0/16

注記

優先される NIC が置かれている CIDR に一致する networking.machineNetwork を設定します。

6.16.8.1.3. オプションの設定パラメーター

オプションのインストール設定パラメーターは、以下の表で説明されています。

表6.58 オプションのパラメーター

パラメーター説明

additionalTrustBundle

ノードの信頼済み証明書ストアに追加される PEM でエンコードされた X.509 証明書バンドル。この信頼バンドルは、プロキシーが設定される際にも使用できます。

文字列

capabilities

オプションのコアクラスターコンポーネントのインストールを制御します。オプションのコンポーネントを無効にすることで、OpenShift Container Platform クラスターのフットプリントを削減できます。詳しくは、インストール の「クラスター機能ページ」を参照してください。

文字列配列

capabilities.baselineCapabilitySet

有効にするオプション機能の初期セットを選択します。有効な値は Nonev4.11v4.12vCurrent です。デフォルト値は vCurrent です。

文字列

capabilities.additionalEnabledCapabilities

オプションの機能のセットを、baselineCapabilitySet で指定したものを超えて拡張します。このパラメーターで複数の機能を指定できます。

文字列配列

compute

コンピュートノードを設定するマシンの設定。

MachinePool オブジェクトの配列。

compute.architecture

プール内のマシンの命令セットアーキテクチャーを決定します。現在、さまざまなアーキテクチャーのクラスターはサポートされていません。すべてのプールは同じアーキテクチャーを指定する必要があります。有効な値は amd64arm64 です。すべてのインストールオプションが 64 ビット ARM アーキテクチャーをサポートしているわけではありません。使用するインストールオプションがプラットフォームでサポートされているか確認するには、クラスターインストール方法の選択およびそのユーザー向けの準備各種プラットフォームでサポートされているインストール方法 参照してください。

文字列

compute.hyperthreading

コンピュートマシンで同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。

重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。

Enabled または Disabled

compute.name

compute を使用する場合に必須です。マシンプールの名前。

worker

compute.platform

compute を使用する場合に必須です。このパラメーターを使用して、ワーカーマシンをホストするクラウドプロバイダーを指定します。このパラメーターの値は controlPlane.platform パラメーターの値に一致する必要があります。

alibabacloudawsazure, gcpibmcloudnutanixopenstackovirtvsphere、または {}

compute.replicas

プロビジョニングするコンピュートマシン (ワーカーマシンとしても知られる) の数。

2 以上の正の整数。デフォルト値は 3 です。

featureSet

機能セットのクラスターを有効にします。機能セットは、デフォルトで有効にされない OpenShift Container Platform 機能のコレクションです。インストール中に機能セットを有効にする方法の詳細は、「機能ゲートの使用による各種機能の有効化」を参照してください。

文字列。TechPreviewNoUpgrade など、有効にする機能セットの名前。

controlPlane

コントロールプレーンを設定するマシンの設定。

MachinePool オブジェクトの配列。

controlPlane.architecture

プール内のマシンの命令セットアーキテクチャーを決定します。現在、さまざまなアーキテクチャーのクラスターはサポートされていません。すべてのプールは同じアーキテクチャーを指定する必要があります。有効な値は amd64arm64 です。すべてのインストールオプションが 64 ビット ARM アーキテクチャーをサポートしているわけではありません。使用するインストールオプションがプラットフォームでサポートされているか確認するには、クラスターインストール方法の選択およびそのユーザー向けの準備各種プラットフォームでサポートされているインストール方法 参照してください。

文字列

controlPlane.hyperthreading

コントロールプレーンマシンで同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。

重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。

Enabled または Disabled

controlPlane.name

controlPlane を使用する場合に必須です。マシンプールの名前。

master

controlPlane.platform

controlPlane を使用する場合に必須です。このパラメーターを使用して、コントロールプレーンマシンをホストするクラウドプロバイダーを指定します。このパラメーターの値は compute.platform パラメーターの値に一致する必要があります。

alibabacloudawsazure, gcpibmcloudnutanixopenstackovirtvsphere、または {}

controlPlane.replicas

プロビジョニングするコントロールプレーンマシンの数。

サポートされる値は 3 のみです (これはデフォルト値です)。

credentialsMode

Cloud Credential Operator (CCO) モード。モードを指定しないと、CCO は指定された認証情報の機能を動的に判別しようとします。この場合、複数のモードがサポートされるプラットフォームで Mint モードが優先されます。

注記

すべてのクラウドプロバイダーですべての CCO モードがサポートされているわけではありません。CCO モードの詳細は、Cluster Operators リファレンスCloud Credential Operator を参照してください。

注記

AWS アカウントでサービスコントロールポリシー (SCP) が有効になっている場合は、credentialsMode パラメーターを MintPassthrough または Manual に設定する必要があります。

MintPassthroughManual、または空の文字列 ("")。

fips

FIPS モードを有効または無効にします。デフォルトは false (無効) です。FIPS モードが有効にされている場合、OpenShift Container Platform が実行される Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンがデフォルトの Kubernetes 暗号スイートをバイパスし、代わりに RHCOS で提供される暗号モジュールを使用します。

重要

クラスターで FIPS モードを有効にするには、FIPS モードで動作するように設定された Red Hat Enterprise Linux (RHEL) コンピューターからインストールプログラムを実行する必要があります。RHEL での FIPS モードの設定の詳細は、FIPS モードでのシステムのインストール を参照してください。FIPS 検証済み/Modules In Process 暗号ライブラリーの使用は、x86_64ppc64le、および s390x アーキテクチャー上の OpenShift Container Platform デプロイメントでのみサポートされます。

注記

Azure File ストレージを使用している場合、FIPS モードを有効にすることはできません。

false または true

imageContentSources

release-image コンテンツのソースおよびリポジトリー。

オブジェクトの配列。この表の以下の行で説明されているように、source およびオプションで mirrors が含まれます。

imageContentSources.source

imageContentSources を使用する場合に必須です。ユーザーが参照するリポジトリーを指定します (例: イメージプル仕様)。

文字列

imageContentSources.mirrors

同じイメージが含まれる可能性のあるリポジトリーを 1 つ以上指定します。

文字列の配列。

platform.aws.lbType

AWS で NLB ロードバランサータイプを設定するために必要です。有効な値は Classic または NLB です。値が指定されていない場合、インストールプログラムはデフォルトで Classic になります。インストールプログラムは、ここで指定された値をイングレスクラスター設定オブジェクトに設定します。他の Ingress コントローラーのロードバランサータイプを指定しない場合、それらはこのパラメーターに設定されたタイプを使用します。

Classic または NLBデフォルト値は Classic です。

publish

Kubernetes API、OpenShift ルートなどのクラスターのユーザーに表示されるエンドポイントをパブリッシュまたは公開する方法。

Internal または External。プライベートクラスターをデプロイするには、publishInternal に設定します。これはインターネットからアクセスできません。デフォルト値は External です。

sshKey

クラスターマシンへのアクセスを認証するための SSH キー。

注記

インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

たとえば、sshKey: ssh-ed25519 AAAA.. です。

6.16.8.1.4. オプションの AWS 設定パラメーター

オプションの AWS 設定パラメーターは、以下の表で説明されています。

表6.59 オプションの AWS パラメーター

パラメーター説明

compute.platform.aws.amiID

クラスターのコンピュートマシンの起動に使用される AWS AMI。これは、カスタム RHCOS AMI を必要とするリージョンに必要です。

設定した AWS リージョンに属するパブリッシュ済みまたはカスタムの RHCOS AMI。利用可能な AMI ID については、AWS インフラストラクチャーの RHCOS AMI を参照してください。

compute.platform.aws.iamRole

コンピュートマシンプールインスタンスのプロファイルに適用される既存の AWS IAM ロール。これらのフィールドを使用して命名スキームに一致させ、IAM ロール用に事前に定義されたパーミッション境界を含めることができます。定義されていない場合は、インストールプログラムは新規の IAM ロールを作成します。

有効な AWS IAM ロール名。

compute.platform.aws.rootVolume.iops

ルートボリュームに予約される 1 秒あたりの入出力操作 (IOPS)。

整数 (例: 4000)。

compute.platform.aws.rootVolume.size

ルートボリュームのサイズ (GiB)。

整数 (例: 500)。

compute.platform.aws.rootVolume.type

root ボリュームのタイプです。

有効な AWS EBS ボリュームタイプ (例: io1)。

compute.platform.aws.rootVolume.kmsKeyARN

KMS キーの Amazon リソース名 (キー ARN)。これは、ワーカーノードのオペレーティングシステムボリュームを特定の KMS キーで暗号化するために必要です。

有効な キー ID またはキー ARN

compute.platform.aws.type

コンピュートマシンの EC2 インスタンスタイプ。

有効な AWS インスタンスタイプ (例: m4.2xlarge)。次の サポートされている AWS マシンタイプの 表を参照してください。

compute.platform.aws.zones

インストールプログラムがコンピュートマシンプールのマシンを作成するアベイラビリティーゾーン。独自の VPC を指定する場合は、そのアベイラビリティーゾーンにサブネットを指定する必要があります。

YAML シーケンスus-east-1c などの有効な AWS アベイラビリティーゾーンのリスト。

compute.aws.region

インストールプログラムがコンピュートリソースを作成する AWS リージョン。

有効な AWS リージョン (例: us-east-1)。AWS CLI を使用して、選択したインスタンスタイプに基づいて利用可能なリージョンにアクセスできます。以下に例を示します。

aws ec2 describe-instance-type-offerings --filters Name=instance-type,Values=c7g.xlarge
重要

ARM ベースの AWS インスタンスで実行する場合は、AWS Graviton プロセッサーが利用可能なリージョンを入力するようにしてください。AWS ドキュメントの グローバルアベイラビリティー マップを参照してください。現在、AWS Graviton3 プロセッサーは一部のリージョンでのみ利用できます。

controlPlane.platform.aws.amiID

クラスターのコントロールプレーンマシンを起動するために使用される AWS AMI。これは、カスタム RHCOS AMI を必要とするリージョンに必要です。

設定した AWS リージョンに属するパブリッシュ済みまたはカスタムの RHCOS AMI。利用可能な AMI ID については、AWS インフラストラクチャーの RHCOS AMI を参照してください。

controlPlane.platform.aws.iamRole

コントロールプレーンマシンプールインスタンスのプロファイルに適用される既存の AWS IAM ロール。これらのフィールドを使用して命名スキームに一致させ、IAM ロール用に事前に定義されたパーミッション境界を含めることができます。定義されていない場合は、インストールプログラムは新規の IAM ロールを作成します。

有効な AWS IAM ロール名。

controlPlane.platform.aws.rootVolume.kmsKeyARN

KMS キーの Amazon リソース名 (キー ARN)。これは、特定の KMS キーでコントロールプレーンノードのオペレーティングシステムボリュームを暗号化するために必要です。

有効な キー ID とキー ARN

controlPlane.platform.aws.type

コントロールプレーンマシンの EC2 インスタンスタイプ。

m6i.xlarge などの有効な AWS インスタンスタイプ。次の サポートされている AWS マシンタイプの 表を参照してください。

controlPlane.platform.aws.zones

インストールプログラムがコントロールプレーンマシンプールのマシンを作成するアベイラビリティーゾーン。

YAML シーケンスus-east-1c などの有効な AWS アベイラビリティーゾーンのリスト。

controlPlane.aws.region

インストールプログラムがコントロールプレーンのリソースを作成する AWS リージョン。

有効な AWS リージョン (例: us-east-1)。

platform.aws.amiID

クラスターのすべてのマシンを起動するために使用される AWS AMI。これが設定されている場合、AMI はクラスターと同じリージョンに属する必要があります。これは、カスタム RHCOS AMI を必要とするリージョンに必要です。

設定した AWS リージョンに属するパブリッシュ済みまたはカスタムの RHCOS AMI。利用可能な AMI ID については、AWS インフラストラクチャーの RHCOS AMI を参照してください。

platform.aws.hostedZone

クラスターの既存の Route 53 プライベートホストゾーン。独自の VPC を指定する場合も、既存のホストゾーンのみを使用できます。ホストゾーンは、インストール前にユーザーによって提供される VPC に関連付けられている必要があります。また、ホストゾーンのドメインはクラスタードメインまたはクラスタードメインの親である必要があります。定義されていない場合は、インストールプログラムは新規のホストゾーンを作成します。

文字列 (例: Z3URY6TWQ91KVV)

platform.aws.serviceEndpoints.name

AWS サービスエンドポイント名。カスタムエンドポイントは、FIPS などの AWS の代替エンドポイントを使用しなければならない場合にのみ必要です。カスタム API エンドポイントは、EC2、S3、IAM、Elastic Load Balancing、Tagging、Route 53、および STS AWS サービスに指定できます。

有効な AWS サービスエンドポイント 名。

platform.aws.serviceEndpoints.url

AWS サービスエンドポイント URL。URL には https プロトコルを使用し、ホストは証明書を信頼する必要があります。

有効な AWS サービスエンドポイント URL。

platform.aws.userTags

インストールプログラムが、作成するすべてのリソースに対するタグとして追加するキーと値のマップ。

<key>: <value> 形式のキー値ペアなどの有効な YAML マップ。AWS タグについての詳細は、AWS ドキュメントの Tagging Your Amazon EC2 Resources を参照してください。

注記

インストール時に、最大 25 個のユーザー定義タグを追加できます。残りの 25 個のタグは、OpenShift Container Platform 用に予約されています。

platform.aws.propagateUserTags

クラスター内 Operator に対し、Operator が作成する AWS リソースのタグに指定されたユーザータグを組み込むフラグ。

ブール値( true または false など)。

platform.aws.subnets

インストールプログラムによる VPC の作成を許可する代わりに VPC を指定する場合は、使用するクラスターのサブネットを指定します。サブネットは、指定する同じ machineNetwork[].cidr 範囲の一部である必要があります。標準クラスターの場合は、各アベイラビリティーゾーンのパブリックおよびプライベートサブネットを指定します。プライベートクラスターについては、各アベイラビリティーゾーンのプライベートサブネットを指定します。

有効なサブネット ID。

6.16.8.2. AWS のカスタマイズされた install-config.yaml ファイルのサンプル

インストール設定ファイル install-config.yaml をカスタマイズして、OpenShift Container Platform クラスターのプラットフォームについての詳細を指定するか、必要なパラメーターの値を変更することができます。

重要

このサンプルの YAML ファイルは参照用にのみ提供されます。インストールプログラムを使用して install-config.yaml ファイルを取得し、これを変更する必要があります。

apiVersion: v1
baseDomain: example.com 1
credentialsMode: Mint 2
controlPlane: 3 4
  hyperthreading: Enabled 5
  name: master
  platform: {}
  replicas: 3
compute: 6
- hyperthreading: Enabled 7
  name: worker
  platform:
    aws:
      type: m5.large 8
      zones:
        - us-east-1a 9
      rootVolume:
        type: gp2 10
        size: 120
  replicas: 3
metadata:
  name: test-cluster 11
networking:
  clusterNetwork:
  - cidr: 10.128.0.0/14
    hostPrefix: 23
  machineNetwork:
  - cidr: 10.0.0.0/16
  networkType: OVNKubernetes 12
  serviceNetwork:
  - 172.30.0.0/16
platform:
  aws:
    region: us-west-2 13
    propagateUserTags: true 14
    userTags:
      adminContact: jdoe
      costCenter: 7536
  subnets: 15
  - subnet-1
  - subnet-2
  - subnet-3
sshKey: ssh-ed25519 AAAA... 16
pullSecret: '{"auths": ...}' 17
1 11 13 17
必須。インストールプログラムはこの値の入力を求めるプロンプトを出します。
2
オプション: このパラメーターを追加して、Cloud Credential Operator (CCO) に認証情報の機能を動的に判別させようとするのではなく、CCO が指定されたモードを使用するように強制します。CCO モードの詳細は、Red Hat Operatorクラウド認証情報 Operatorを参照してください。
3 6 14
これらのパラメーターおよび値を指定しない場合、インストールプログラムはデフォルトの値を指定します。
4
controlPlane セクションは単一マッピングですが、compute セクションはマッピングのシーケンスになります。複数の異なるデータ構造の要件を満たすには、 compute セクションの最初の行はハイフン - で始め、controlPlane セクションの最初の行はハイフンで始めることができません。1 つのコントロールプレーンプールのみが使用されます。
5 7
同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。パラメーター値を Disabled に設定するとこれを無効にすることができます。一部のクラスターマシンで同時マルチスレッドを無効にする場合は、これをすべてのクラスターマシンで無効にする必要があります。
重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。同時マルチスレッドを無効にする場合は、マシンに対して m4.2xlarge または m5.2xlarge などの大規模なインスタンスタイプを使用します。

8
AWS Outpost インスタンスで実行されているコンピュートインスタンスの場合、AWS Outpost インスタンスでサポートされているインスタンスタイプを指定します。
9
AWS Outpost インスタンスで実行されているコンピュートインスタンスの場合、Outpost インスタンスが配置されているアベイラビリティーゾーンを指定します。
10
AWS Outpost インスタンスで実行されているコンピュートインスタンスの場合、サポートされていない gp3 ボリュームタイプの使用を避けるために、ボリュームタイプ gp2 を指定します。
12
インストールするクラスターネットワークプラグイン。サポートされている値は OVNKubernetesOpenShiftSDN です。デフォルトの値は OVNkubernetes です。
15
独自の VPC を指定する場合は、クラスターが使用する各アベイラビリティーゾーンのサブネットを指定します。
16
クラスター内のマシンにアクセスするために使用する sshKey 値をオプションで指定できます。
注記

インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

6.16.9. マニフェストファイルの生成

インストールプログラムを使用して、アセットディレクトリーにマニフェストファイルのセットを生成します。マニフェストファイルは、ワーカーマシンに使用する AWS Outposts サブネットを指定し、ネットワークプロバイダーが必要とする設定を指定するために必要です。

install-config.yaml ファイルを再利用する予定の場合は、マニフェストファイルを生成する前にバックアップファイルを作成します。

手順

  1. オプション: install-config.yaml ファイルのバックアップコピーを作成します。

    $ cp install-config.yaml install-config.yaml.backup
  2. アセットディレクトリーにマニフェストのセットを生成します。

    $ openshift-install create manifests --dir <installation_-_directory>

    このコマンドにより、以下の情報が表示されます。

    出力例

    INFO Consuming Install Config from target directory
    INFO Manifests created in: <installation_directory>/manifests and <installation_directory>/openshift

    このコマンドにより、以下のマニフェストファイルが生成されます。

    出力例

    $ tree
    .
    ├── manifests
    │   ├── cluster-config.yaml
    │   ├── cluster-dns-02-config.yml
    │   ├── cluster-infrastructure-02-config.yml
    │   ├── cluster-ingress-02-config.yml
    │   ├── cluster-network-01-crd.yml
    │   ├── cluster-network-02-config.yml
    │   ├── cluster-proxy-01-config.yaml
    │   ├── cluster-scheduler-02-config.yml
    │   ├── cvo-overrides.yaml
    │   ├── kube-cloud-config.yaml
    │   ├── kube-system-configmap-root-ca.yaml
    │   ├── machine-config-server-tls-secret.yaml
    │   └── openshift-config-secret-pull-secret.yaml
    └── openshift
        ├── 99_cloud-creds-secret.yaml
        ├── 99_kubeadmin-password-secret.yaml
        ├── 99_openshift-cluster-api_master-machines-0.yaml
        ├── 99_openshift-cluster-api_master-machines-1.yaml
        ├── 99_openshift-cluster-api_master-machines-2.yaml
        ├── 99_openshift-cluster-api_master-user-data-secret.yaml
        ├── 99_openshift-cluster-api_worker-machineset-0.yaml
        ├── 99_openshift-cluster-api_worker-user-data-secret.yaml
        ├── 99_openshift-machineconfig_99-master-ssh.yaml
        ├── 99_openshift-machineconfig_99-worker-ssh.yaml
        ├── 99_role-cloud-creds-secret-reader.yaml
        └── openshift-install-manifests.yaml

6.16.9.1. マニフェストファイルの変更

注記

AWS Outposts 環境には、マニフェスト生成ファイルの手動変更が必要な以下の制限があります。

  • ネットワーク接続の最大伝送単位 (MTU) は、接続を介して渡すことができる最大許容パケットのサイズ (バイト単位) です。Outpost サービスリンクは、最大 1300 バイトのパケットサイズをサポートします。サービスリンクの詳細については、AWS リージョンへの Outpost 接続 を参照してください。

これらの値の変更方法については、以下を参照してください。

  • ワーカーの machineset に Outpost Subnet を使用する

    <installation_directory>/openshift/99_openshift-cluster-api_worker-machineset-0.yaml ファイルを変更します。サブネット ID を見つけて、Outpost で作成されたプライベートサブネットの ID に置き換えます。その結果、すべてのワーカーマシンが Outpost に作成されます。

  • ネットワークプロバイダーの MTU 値を指定する

    Outpost サービスリンクは、最大 1300 バイトのパケットサイズをサポートします。この要件に従うには、ネットワークプロバイダーの MTU を変更する必要があります。マニフェストディレクトリーの下に、cluster-network-03-config.yml という名前の新しいファイルを作成します。

    OpenShift SDN ネットワークプロバイダーを使用する場合は、MTU 値を 1250 に設定します。

    apiVersion: operator.openshift.io/v1
    kind: Network
    metadata:
      name: cluster
    spec:
      defaultNetwork:
        openshiftSDNConfig:
          mtu: 1250

    OVN-Kubernetes ネットワークプロバイダーが使用される場合は、MTU の値を 1200 に設定します。

    apiVersion: operator.openshift.io/v1
    kind: Network
    metadata:
      name: cluster
    spec:
      defaultNetwork:
        ovnKubernetesConfig:
          mtu: 1200

6.16.10. クラスターのデプロイ

互換性のあるクラウドプラットフォームに OpenShift Container Platform をインストールできます。

重要

インストールプログラムの create cluster コマンドは、初期インストール時に 1 回だけ実行できます。

前提条件

  • クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを設定します。
  • OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得する。
  • ホスト上のクラウドプロバイダーアカウントに、クラスターをデプロイするための適切な権限があることを確認してください。アカウントの権限が正しくないと、インストールプロセスが失敗し、不足している権限を示すエラーメッセージが表示されます。

手順

  1. インストールプログラムが含まれるディレクトリーに切り替え、クラスターのデプロイメントを初期化します。

    $ ./openshift-install create cluster --dir <installation_directory> \ 1
        --log-level=info 2
    1
    <installation_directory> については、カスタマイズした ./install-config.yaml ファイルの場所を指定します。
    2
    異なるインストールの詳細情報を表示するには、info ではなく、warndebug、または error を指定します。
    注記

    ホストに設定したクラウドプロバイダーアカウントにクラスターをデプロイするための十分なパーミッションがない場合、インストールプロセスは停止し、不足しているパーミッションが表示されます。

  2. オプション: クラスターのインストールに使用した IAM アカウントから AdministratorAccess ポリシーを削除するか、または無効にします。

    注記

    AdministratorAccess ポリシーが提供する昇格したパーミッションはインストール時にのみ必要です。

検証

クラスターのデプロイが正常に完了すると、次のようになります。

  • ターミナルには、Web コンソールへのリンクや kubeadmin ユーザーの認証情報など、クラスターにアクセスするための指示が表示されます。
  • 認証情報は <installation_directory>/.openshift_install.log にも出力されます。
重要

インストールプログラム、またはインストールプログラムが作成するファイルを削除することはできません。これらはいずれもクラスターを削除するために必要になります。

出力例

...
INFO Install complete!
INFO To access the cluster as the system:admin user when using 'oc', run 'export KUBECONFIG=/home/myuser/install_dir/auth/kubeconfig'
INFO Access the OpenShift web-console here: https://console-openshift-console.apps.mycluster.example.com
INFO Login to the console with user: "kubeadmin", and password: "password"
INFO Time elapsed: 36m22s

重要
  • インストールプログラムが生成する Ignition 設定ファイルには、24 時間が経過すると期限切れになり、その後に更新される証明書が含まれます。証明書を更新する前にクラスターが停止し、24 時間経過した後にクラスターを再起動すると、クラスターは期限切れの証明書を自動的に復元します。例外として、kubelet 証明書を回復するために保留状態の node-bootstrapper 証明書署名要求 (CSR) を手動で承認する必要があります。詳細は、コントロールプレーン証明書の期限切れの状態からのリカバリー についてのドキュメントを参照してください。
  • 24 時間証明書はクラスターのインストール後 16 時間から 22 時間にローテーションするため、Ignition 設定ファイルは、生成後 12 時間以内に使用することを推奨します。12 時間以内に Ignition 設定ファイルを使用することにより、インストール中に証明書の更新が実行された場合のインストールの失敗を回避できます。

6.16.11. バイナリーのダウンロードによる OpenShift CLI のインストール

コマンドラインインターフェイスを使用して OpenShift Container Platform と対話するために CLI (oc) をインストールすることができます。oc は Linux、Windows、または macOS にインストールできます。

重要

以前のバージョンの oc をインストールしている場合、これを使用して OpenShift Container Platform 4.12 のすべてのコマンドを実行することはできません。新規バージョンの oc をダウンロードし、インストールします。

Linux への OpenShift CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを Linux にインストールできます。

手順

  1. Red Hat カスタマーポータルの OpenShift Container Platform ダウンロードページ に移動します。
  2. Product Variant ドロップダウンリストからアーキテクチャーを選択します。
  3. バージョン ドロップダウンリストから適切なバージョンを選択します。
  4. OpenShift v4.12 Linux Client エントリーの横にある Download Now をクリックして、ファイルを保存します。
  5. アーカイブを展開します。

    $ tar xvf <file>
  6. oc バイナリーを、PATH にあるディレクトリーに配置します。

    PATH を確認するには、以下のコマンドを実行します。

    $ echo $PATH

検証

  • OpenShift CLI のインストール後に、oc コマンドを使用して利用できます。

    $ oc <command>
Windows への OpenShift CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを Windows にインストールできます。

手順

  1. Red Hat カスタマーポータルの OpenShift Container Platform ダウンロードページ に移動します。
  2. バージョン ドロップダウンリストから適切なバージョンを選択します。
  3. OpenShift v4.12 Windows Client エントリーの横にある Download Now をクリックして、ファイルを保存します。
  4. ZIP プログラムでアーカイブを解凍します。
  5. oc バイナリーを、PATH にあるディレクトリーに移動します。

    PATH を確認するには、コマンドプロンプトを開いて以下のコマンドを実行します。

    C:\> path

検証

  • OpenShift CLI のインストール後に、oc コマンドを使用して利用できます。

    C:\> oc <command>
macOC への OpenShift CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを macOS にインストールできます。

手順

  1. Red Hat カスタマーポータルの OpenShift Container Platform ダウンロードページ に移動します。
  2. バージョン ドロップダウンリストから適切なバージョンを選択します。
  3. OpenShift v4.12 macOS Client エントリーの横にある Download Now をクリックして、ファイルを保存します。

    注記

    macOS arm64 の場合は、OpenShift v4.12 macOS arm64 Client エントリーを選択します。

  4. アーカイブを展開し、解凍します。
  5. oc バイナリーをパスにあるディレクトリーに移動します。

    PATH を確認するには、ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。

    $ echo $PATH

検証

  • OpenShift CLI のインストール後に、oc コマンドを使用して利用できます。

    $ oc <command>

6.16.12. CLI の使用によるクラスターへのログイン

クラスター kubeconfig ファイルをエクスポートし、デフォルトシステムユーザーとしてクラスターにログインできます。kubeconfig ファイルには、クライアントを正しいクラスターおよび API サーバーに接続するために CLI で使用されるクラスターについての情報が含まれます。このファイルはクラスターに固有のファイルであり、OpenShift Container Platform のインストール時に作成されます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform クラスターをデプロイしていること。
  • oc CLI をインストールしていること。

手順

  1. kubeadmin 認証情報をエクスポートします。

    $ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig 1
    1
    <installation_directory> には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
  2. エクスポートされた設定を使用して、oc コマンドを正常に実行できることを確認します。

    $ oc whoami

    出力例

    system:admin

6.16.13. Web コンソールを使用したクラスターへのログイン

kubeadmin ユーザーは、OpenShift Container Platform のインストール後はデフォルトで存在します。OpenShift Container Platform Web コンソールを使用し、kubeadmin ユーザーとしてクラスターにログインできます。

前提条件

  • インストールホストにアクセスできる。
  • クラスターのインストールを完了しており、すべてのクラスター Operator が利用可能である。

手順

  1. インストールホストで kubeadmin-password ファイルから kubeadmin ユーザーのパスワードを取得します。

    $ cat <installation_directory>/auth/kubeadmin-password
    注記

    または、インストールホストで <installation_directory>/.openshift_install.log ログファイルから kubeadmin パスワードを取得できます。

  2. OpenShift Container Platform Web コンソールルートをリスト表示します。

    $ oc get routes -n openshift-console | grep 'console-openshift'
    注記

    または、インストールホストで <installation_directory>/.openshift_install.log ログファイルからで OpenShift Container Platform ルートを取得できます。

    出力例

    console     console-openshift-console.apps.<cluster_name>.<base_domain>            console     https   reencrypt/Redirect   None

  3. Web ブラウザーで前述のコマンドの出力で詳細に説明されたルートに移動し、kubeadmin ユーザーとしてログインします。

6.16.14. OpenShift Container Platform の Telemetry アクセス

OpenShift Container Platform 4.12 では、クラスターの健全性および正常に実行された更新についてのメトリクスを提供するためにデフォルトで実行される Telemetry サービスにもインターネットアクセスが必要です。クラスターがインターネットに接続されている場合、Telemetry は自動的に実行され、クラスターは OpenShift Cluster Manager Hybrid Cloud Console に登録されます。

OpenShift Cluster Manager インベントリーが正常である (Telemetry によって自動的に維持、または OpenShift Cluster Manager Hybrid Cloud Console を使用して手動で維持) ことを確認した後に、subscription watch を使用 して、アカウントまたはマルチクラスターレベルで OpenShift Container Platform サブスクリプションを追跡します。

関連情報

6.16.15. クラスターの制限

重要

ネットワークロードバランサー (NLB) と Classic Load Balancer は、AWS Outposts ではサポートされていません。クラスターが作成されると、すべてのロードバランサーが AWS リージョンに作成されます。Outpost インスタンス内で作成されたロードバランサーを使用するには、Application Load Balancer を使用する必要があります。その目標を達成するために、AWS Load Balancer Operator を使用できます。

ALB の outpost インスタンスにあるパブリックサブネットを使用する場合は、VPC の作成時に追加された特別なタグ (kubernetes.io/cluster/.*-outposts: own) を削除する必要があります。これにより、LoadBalancer (ネットワークロードバランサー) タイプの新しいサービスを作成できなくなります。

詳細は、AWS Load Balancer Operator について を参照してください。

重要

AWS Elastic Block Store の制限を使用した永続ストレージ

  • AWS Outposts は、Amazon Elastic Block Store (EBS) gp3 ボリュームをサポートしていません。インストール後、クラスターには 2 つのストレージクラス (gp3-csi と gp2-csi) が含まれ、gp3-csi がデフォルトのストレージクラスになります。常に gp2-csi を使用することが重要です。以下の OpenShift CLI (oc) コマンドを使用して、デフォルトのストレージクラスを変更できます。

    $ oc annotate --overwrite storageclass gp3-csi storageclass.kubernetes.io/is-default-class=false
    $ oc annotate --overwrite storageclass gp2-csi storageclass.kubernetes.io/is-default-class=true
  • Outpost インスタンスでボリュームを作成するために、CSI ドライバーは、CSINode オブジェクトに格納されているトポロジーキーに基づいて Outpost ARN を決定します。CSI ドライバーが正しいトポロジー値を使用するようにするには、WaitForConsumer ボリュームバインドモードを使用し、作成された新しいストレージクラスに許可されたトポロジーを設定しないようにする必要があります。

6.16.16. 次のステップ