Serverless
OpenShift Serverless のインストール、使用法、およびリリースノート
概要
第1章 リリースノート
OpenShift Serverless のライフサイクルとサポートされるプラットフォームに関する追加情報は、プラットフォームライフサイクルポリシー を参照してください。
リリースノートには、新機能、非推奨機能、互換性を損なう変更、既知の問題に関する情報が記載されています。以下のリリースノートは、OpenShift Container Platform 上の最新の OpenShift Serverless リリースに適用されます。
OpenShift Serverless 機能の概要については、OpenShift Serverless について を参照してください。
OpenShift Serverless はオープンソースの Knative プロジェクトに基づいています。
最新の Knative コンポーネントリリースの詳細は、Knative ブログ を参照してください。
1.1. API バージョンについて
API バージョンは、OpenShift Serverless の特定の機能およびカスタムリソースの開発状況を示す重要な指標です。正しい API バージョンを使用していないリソースをクラスター上に作成すると、デプロイメントで問題が発生する可能性があります。
OpenShift Serverless Operator は、最新バージョンを使用するように非推奨の API を使用する古いリソースを自動的にアップグレードします。たとえば、v1beta1
などの古いバージョンの ApiServerSource
API を使用するクラスターにリソースを作成した場合、OpenShift Serverless Operator はこれらのリソースを自動的に更新し、これが利用可能な場合に API の v1
バージョンを使用するように、v1beta1
バージョンは非推奨になりました。
非推奨となった古いバージョンは、今後のリリースで削除される可能性があります。API の非推奨バージョンを使用すると、リソースが失敗することはありません。ただし、削除された API のバージョンを使用しようとすると、リソースが失敗します。問題を回避するために、マニフェストが最新バージョンを使用するように更新されていることを確認します。
1.2. 一般提供およびテクノロジープレビュー機能
一般提供 (GA) の機能は完全にサポートされており、実稼働での使用に適しています。テクノロジープレビュー (TP) 機能は実験的な機能であり、本番環境での使用を目的としたものではありません。TP 機能の詳細については、Red Hat Customer Portal の Technology Preview のサポート範囲 を参照してください。
次の表は、どの OpenShift Serverless 機能が GA であり、どの機能が TP であるかに関する情報を提供します。
表1.1 一般提供およびテクノロジープレビュー機能トラッカー
機能 | 1.26 | 1.27 | 1.28 |
---|---|---|---|
| GA | GA | GA |
Quarkus 関数 | GA | GA | GA |
Node.js 関数 | TP | TP | GA |
TypeScript 関数 | TP | TP | GA |
Python 関数 | - | - | TP |
Service Mesh mTLS | GA | GA | GA |
| GA | GA | GA |
HTTPS リダイレクト | GA | GA | GA |
Kafka ブローカー | GA | GA | GA |
Kafka シンク | GA | GA | GA |
Knative サービスの init コンテナーのサポート | GA | GA | GA |
Knative サービスの PVC サポート | GA | GA | GA |
内部トラフィックの TLS | TP | TP | TP |
namespace スコープのブローカー | - | TP | TP |
| - | - | TP |
1.3. 非推奨および削除された機能
以前のリリースで一般提供 (GA) またはテクノロジープレビュー (TP) であった一部の機能は、非推奨または削除されました。非推奨の機能は依然として OpenShift Serverless に含まれており、引き続きサポートされますが、本製品の今後のリリースで削除されるため、新規デプロイメントでの使用は推奨されません。
OpenShift Serverless で非推奨となり、削除された主な機能の最新の一覧については、以下の表を参照してください。
表1.2 非推奨および削除機能のトラッカー
機能 | 1.20 | 1.21 | 1.22 から 1.26 | 1.27 | 1.28 |
---|---|---|---|---|---|
| 非推奨 | 非推奨 | 廃止 | 廃止 | 廃止 |
| 非推奨 | 廃止 | 廃止 | 廃止 | 廃止 |
Serving および Eventing | - | - | - | 非推奨 | 非推奨 |
| - | - | - | - | 非推奨 |
1.4. Red Hat OpenShift Serverless 1.28 のリリースノート
OpenShift Serverless 1.28 が公開されました。以下では、OpenShift Container Platform 上の OpenShift Serverless に関連する新機能、変更点および既知の問題について説明します。
1.4.1. 新機能
- OpenShift Serverless は Knative Serving 1.7 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Knative Eventing 1.7 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Kourier 1.7 を使用するようになりました。
-
OpenShift Serverless は Knative (
kn
) CLI 1.7 を使用するようになりました。 - OpenShift Serverless は、Apache Kafka 1.7 に Knative ブローカー実装を使用するようになりました。
-
kn func
CLI プラグインはfunc
1.9.1 バージョンを使用するようになりました。 - OpenShift Serverless Functions の Node.js および TypeScript ランタイムが一般提供 (GA) になりました。
- OpenShift Serverless Functions の Python ランタイムがテクノロジープレビューとして利用可能になりました。
- Knative Serving のマルチコンテナーサポートがテクノロジープレビューとして利用可能になりました。この機能を使用すると、単一の Knative サービスを使用してマルチコンテナー Pod をデプロイできます。
OpenShift Serverless 1.29 以降では、Knative Eventing の以下のコンポーネントが 2 つの Pod から 1 つにスケールダウンされます。
-
imc-controller
-
imc-dispatcher
-
mt-broker-controller
-
mt-broker-filter
-
mt-broker-ingress
-
Serving CR の
serverless.openshift.io/enable-secret-informer-filtering
アノテーションが非推奨になりました。アノテーションは Istio に対してのみ有効ですが、Kourier では有効ではありません。OpenShift Serverless 1.28 では、OpenShift Serverless Operator は
net-istio
とnet-kourier
の両方の環境変数ENABLE_SECRET_INFORMER_FILTERING_BY_CERT_UID
を挿入できます。シークレットフィルタリングを有効にする場合は、すべてのシークレットに
networking.internal.knative.dev/certificate-uid: "<id>"
というラベルを付ける必要があります。そうしないと、Knative Serving がシークレットを検出しないため、障害が発生します。新規および既存のシークレットの両方にラベルを付ける必要があります。次の OpenShift サーバーレスリリースのいずれかでは、シークレットフィルタリングがデフォルトで有効になります。障害が発生しないように、事前にシークレットにラベルを付けます。
1.4.2. 既知の問題
現在、Python のランタイムは、IBM Power、IBM zSystems、および IBM® LinuxONE の OpenShift Serverless Functions ではサポートされません。
Node.js、TypeScript、および Quarkus 関数は、これらのアーキテクチャーでサポートされます。
Windows プラットフォームでは、
app.sh
ファイルのパーミッションが原因で、Source-to-Image ビルダーを使用して Python 関数をローカルで構築、実行、またはデプロイできません。この問題を回避するには、Windows Subsystem for Linux を使用します。
1.5. Red Hat OpenShift Serverless 1.27 のリリースノート
OpenShift Serverless 1.27 が公開されました。以下では、OpenShift Container Platform 上の OpenShift Serverless に関連する新機能、変更点および既知の問題について説明します。
OpenShift Serverless 1.26 は、OpenShift Container Platform 4.12 で完全にサポートされている最も古いリリースです。OpenShift Serverless 1.25 以前は、OpenShift Container Platform 4.12 にはデプロイされません。
このため、OpenShift Container Platform をバージョン 4.12 にアップグレードする前に、まず OpenShift Serverless をバージョン 1.26 または 1.27 にアップグレードしてください。
1.5.1. 新機能
- OpenShift Serverless は Knative Serving 1.6 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Knative Eventing 1.6 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Kourier 1.6 を使用するようになりました。
-
OpenShift Serverless は Knative (
kn
) CLI 1.6 を使用するようになりました。 - OpenShift Serverless は Knative Kafka 1.6 を使用するようになりました。
-
kn func
CLI プラグインはfunc
1.8.1 を使用するようになりました。 - namespace スコープのブローカーがテクノロジープレビューとして利用できるようになりました。このブローカーは、たとえば、ロールベースのアクセス制御 (RBAC) ポリシーを実装するために使用できます。
-
KafkaSink は、
デフォルトでCloudEvent
バイナリーコンテンツモードを使用するようになりました。バイナリーコンテンツモードは、CloudEvent
の代わりにボディーのヘッダーを使用するため、構造化モードよりも効率的です。たとえば、HTTP プロトコルの場合、HTTP ヘッダーを使用します。 - OpenShift Container Platform 4.10 以降で OpenShift Route を使用して、外部トラフィックに HTTP/2 プロトコルを介して gRPC フレームワークを使用できるようになりました。これにより、クライアントとサーバー間の通信の効率と速度が向上します。
-
Knative Operator Serving および Eventings CRD の API バージョン
v1alpha1
は、1.27 で非推奨になりました。これは今後のバージョンで削除される予定です。Red Hat は、代わりにv1beta1
バージョンを使用することを強く推奨しています。Serverless Operator のアップグレード時に CRD が自動的に更新されるため、これは既存のインストールには影響しません。 - 配信タイムアウト機能がデフォルトで有効になりました。これを使用すると、送信される HTTP リクエストごとにタイムアウトを指定できます。この機能は、引き続きテクノロジープレビューです。
1.5.2. 修正された問題
-
以前は、Knative サービスが
Ready
状態にならないことがあり、ロードバランサーの準備が整うのを待っていると報告されていました。この問題は修正されました。
1.5.3. 既知の問題
-
OpenShift Serverless を Red Hat OpenShift Service Mesh と統合すると、クラスターに存在するシークレットが多すぎると、起動時に
net-kourier
Pod がメモリー不足になります。 namespace スコープブローカーは、namespace スコープブローカーを削除した後でも、
ClusterRoleBindings
をユーザーの namespace に残す場合があります。これが発生した場合は、ユーザー namespace で
rbac-proxy-reviews-prom-rb-knative-kafka-broker-data-plane-{{.Namespace}}
という名前のClusterRoleBinding
を削除します。Ingress に
net-istio
を使用し、security.dataPlane.mtls: true
を使用して SMCP 経由で mTLS を有効にする場合、Service Mesh は*.local
ホストのDestinationRules
をデプロイしますが、これは OpenShift Serverless のDomainMapping
を許可しません。この問題を回避するには、
security.dataPlane.mtls: true
を使用する代わりにPeerAuthentication
をデプロイして mTLS を有効にします。
1.6. Red Hat OpenShift Serverless 1.26 のリリースノート
OpenShift Serverless 1.26 が公開されました。以下では、OpenShift Container Platform 上の OpenShift Serverless に関連する新機能、変更点および既知の問題について説明します。
1.6.1. 新機能
- Quarkus を使用した OpenShift Serverless Functions が GA になりました。
- OpenShift Serverless は Knative Serving 1.5 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Knative Eventing 1.5 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Kourier 1.5 を使用するようになりました。
-
OpenShift Serverless は Knative (
kn
) CLI 1.5 を使用するようになりました。 - OpenShift Serverless は Knative Kafka 1.5 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Knative Operator 1.3 を使用するようになりました。
-
kn func
CLI プラグインはfunc
1.8.1 を使用するようになりました。 - Persistent Volume Claims (PVC) が GA になりました。PVC は、Knative サービスに永続的なデータストレージを提供します。
新しいトリガーフィルター機能が開発者プレビューとして利用できるようになりました。これにより、ユーザーはフィルター式のセットを指定できます。各式は、イベントごとに true または false に評価されます。
新しいトリガーフィルターを有効にするには、Operator Config Map の
KnativeEventing
タイプのセクションにnew-trigger-filters: enabled
エントリーを追加します。apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeEventing ... ... spec: config: features: new-trigger-filters: enabled ...
Knative Operator 1.3 は、
operator.knative.dev
の更新されたv1beta1
バージョンの API を追加します。KnativeServing
およびKnativeEventing
カスタムリソース Config Map でv1alpha1
からv1beta1
に更新するには、apiVersion
キーを編集します。KnativeServing
カスタムリソース Config Map の例apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeServing ...
KnativeEventing
カスタムリソース Config Map の例apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeEventing ...
1.6.2. 修正された問題
- 以前、連邦情報処理標準 (FIPS) モードは、Kafka ブローカー、Kafka ソース、および Kafka シンクに対して無効になっていました。これは修正され、FIPS モードが利用できるようになりました。
1.6.3. 既知の問題
Ingress に
net-istio
を使用し、security.dataPlane.mtls: true
を使用して SMCP 経由で mTLS を有効にする場合、Service Mesh は*.local
ホストのDestinationRules
をデプロイしますが、これは OpenShift Serverless のDomainMapping
を許可しません。この問題を回避するには、
security.dataPlane.mtls: true
を使用する代わりにPeerAuthentication
をデプロイして mTLS を有効にします。
1.7. Red Hat OpenShift Serverless 1.25.0 のリリースノート
OpenShift Serverless 1.25.0 が公開されました。以下では、OpenShift Container Platform 上の OpenShift Serverless に関連する新機能、変更点および既知の問題について説明します。
1.7.1. 新機能
- OpenShift Serverless は Knative Serving 1.4 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Knative Eventing 1.4 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Kourier 1.4 を使用するようになりました。
-
OpenShift Serverless は Knative (
kn
) CLI 1.4 を使用するようになりました。 - OpenShift Serverless は Knative Kafka 1.4 を使用するようになりました。
-
kn func
CLI プラグインはfunc
1.7.0 を使用するようになりました。 - 関数を作成およびデプロイするための統合開発環境 (IDE) プラグインが、Visual Studio Code および IntelliJ で利用できるようになりました。
Knative Kafka ブローカーが一般提供されるようになりました。Knative Kafka ブローカーは、Apache Kafka を直接ターゲットとする、Knative ブローカー API の高性能な実装です。
MT-Channel-Broker ではなく、Knative Kafka ブローカーを使用することをお勧めします。
-
Knative Kafka シンクが一般提供されるようになりました。
KafkaSink
はCloudEvent
を取得し、Apache Kafka トピックに送信します。イベントは、構造化コンテンツモードまたはバイナリーコンテンツモードのいずれかで指定できます。 - 内部トラフィックの TLS の有効化がテクノロジープレビューとして利用可能になりました。
1.7.2. 修正された問題
- 以前のバージョンでは、Knative Serving には liveness プローブの失敗後にコンテナーが再起動された場合に readiness プローブが失敗する問題がありました。この問題は修正されました。
1.7.3. 既知の問題
- 連邦情報処理標準 (FIPS) モードは、Kafka ブローカー、Kafka ソース、および Kafka シンクに対して無効になっています。
-
SinkBinding
オブジェクトは、サービスのカスタムリビジョン名をサポートしません。 Knative Serving Controller Pod は、クラスター内のシークレットを監視するための新しいインフォーマーを追加します。インフォーマーはシークレットをキャッシュに含めるため、コントローラー Pod のメモリー消費量が増加します。
Pod のメモリーが不足している場合は、デプロイのメモリー制限を増やすことで問題を回避できます。
Ingress に
net-istio
を使用し、security.dataPlane.mtls: true
を使用して SMCP 経由で mTLS を有効にする場合、Service Mesh は*.local
ホストのDestinationRules
をデプロイしますが、これは OpenShift Serverless のDomainMapping
を許可しません。この問題を回避するには、
security.dataPlane.mtls: true
を使用する代わりにPeerAuthentication
をデプロイして mTLS を有効にします。
関連情報
1.8. Red Hat OpenShift Serverless 1.24.0 のリリースノート
OpenShift Serverless 1.24.0 が公開されました。以下では、OpenShift Container Platform 上の OpenShift Serverless に関連する新機能、変更点および既知の問題について説明します。
1.8.1. 新機能
- OpenShift Serverless は Knative Serving 1.3 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Knative Eventing 1.3 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Kourier 1.3 を使用するようになりました。
-
OpenShift Serverless は、Knative (
kn
) CLI 1.3 を使用するようになりました。 - OpenShift Serverless は Knative Kafka 1.3 を使用するようになりました。
-
kn func
CLI プラグインがfunc
0.24 を使用するようになりました。 - Knative サービスの初期化コンテナーのサポートが一般提供 (GA) になりました。
- OpenShift Serverless ロジックが開発者プレビューとして利用できるようになりました。これにより、サーバーレスアプリケーションを管理するための宣言型ワークフローモデルを定義できます。
- OpenShift Serverless で Cost Management Service を使用できるようになりました。
1.8.2. 修正された問題
OpenShift Serverless を Red Hat OpenShift Service Mesh と統合すると、クラスターに存在するシークレットが多すぎると、起動時に
net-istio-controller
Pod がメモリー不足になります。シークレットフィルタリングを有効にできるようになりました。これにより、
net-istio-controller
は、networking.internal.knative.dev/certificate-uid
ラベルを持つシークレットのみを考慮するようになり、必要なメモリー量が削減されます。- OpenShift Serverless Functions テクノロジープレビューは、デフォルトで Cloud Native Buildpacks を使用してコンテナーイメージをビルドするようになりました。
1.8.3. 既知の問題
- 連邦情報処理標準 (FIPS) モードは、Kafka ブローカー、Kafka ソース、および Kafka シンクに対して無効になっています。
OpenShift Serverless 1.23 では、KafkaBindings および kafka
-binding
Webhook のサポートが削除されました。ただし、既存のkafkabindings.webhook.kafka.sources.knative.dev MutatingWebhookConfiguration
が残り、もはや存在しないkafka-source-webhook
サービスを指している可能性があります。クラスター上の KafkaBindings の特定の仕様については、
kafkabindings.webhook.kafka.sources.knative.dev MutatingWebhookConfiguration
を設定して、Webhook を介して Deployment、Knative Services、または Jobs などのさまざまなリソースに作成および更新イベントを渡すことができます。その後失敗します。この問題を回避するには、OpenShift Serverless 1.23 にアップグレードした後、クラスターから
kafkabindings.webhook.kafka.sources.knative.dev MutatingWebhookConfiguration
を手動で削除します。$ oc delete mutatingwebhookconfiguration kafkabindings.webhook.kafka.sources.knative.dev
Ingress に
net-istio
を使用し、security.dataPlane.mtls: true
を使用して SMCP 経由で mTLS を有効にする場合、Service Mesh は*.local
ホストのDestinationRules
をデプロイしますが、これは OpenShift Serverless のDomainMapping
を許可しません。この問題を回避するには、
security.dataPlane.mtls: true
を使用する代わりにPeerAuthentication
をデプロイして mTLS を有効にします。
1.9. Red Hat OpenShift Serverless 1.23.0 のリリースノート
OpenShift Serverless 1.23.0 が公開されました。以下では、OpenShift Container Platform 上の OpenShift Serverless に関連する新機能、変更点および既知の問題について説明します。
1.9.1. 新機能
- OpenShift Serverless は Knative Serving 1.2 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Knative Eventing 1.2 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Kourier 1.2 を使用するようになりました。
-
OpenShift Serverless は Knative (
kn
) CLI 1.2 を使用するようになりました。 - OpenShift Serverless は Knative Kafka 1.2 を使用するようになりました。
-
kn func
CLI プラグインがfunc
0.24 を使用するようになりました。 -
Kafka ブローカーで
kafka.eventing.knative.dev/external.topic
アノテーションを使用できるようになりました。このアノテーションを使用すると、ブローカー自体の内部トピックを作成する代わりに、既存の外部管理トピックを使用できます。 -
kafka-ch-controller
およびkafka-webhook
Kafka コンポーネントが存在しなくなりました。これらのコンポーネントはkafka-webhook-eventing
コンポーネントに置き換えられました。 - OpenShift Serverless Functions テクノロジープレビューは、デフォルトで Source-to-Image (S2I) を使用してコンテナーイメージをビルドするようになりました。
1.9.2. 既知の問題
- 連邦情報処理標準 (FIPS) モードは、Kafka ブローカー、Kafka ソース、および Kafka シンクに対して無効になっています。
-
Kafka ブローカーを含む namespace を削除する場合、ブローカーの
auth.secret.ref.name
シークレットがブローカーの前に削除されると、namespace ファイナライザーが削除されない可能性があります。 多数の Knative サービスで OpenShift Serverless を実行すると、Knative アクティベーター Pod がデフォルトのメモリー制限である 600MB 近くで実行される可能性があります。これらの Pod は、メモリー消費がこの制限に達すると再起動される可能性があります。アクティベーターデプロイメントの要求と制限は、
KnativeServing
カスタムリソースを変更することで設定できます。apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeServing metadata: name: knative-serving namespace: knative-serving spec: deployments: - name: activator resources: - container: activator requests: cpu: 300m memory: 60Mi limits: cpu: 1000m memory: 1000Mi
-
関数のローカルビルド戦略として CloudNativeBuildpack を使用している場合、
kn func
は podman を自動的に起動したり、リモートデーモンへの SSH トンネルを使用したりすることはできません。これらの問題の回避策は、関数をデプロイする前に、ローカル開発コンピューターで Docker または podman デーモンを既に実行していることです。 - 現時点で、クラスター上の関数ビルドが Quarkus および Golang ランタイムで失敗します。これらは Node、Typescript、Python、および Springboot ランタイムで正常に機能します。
Ingress に
net-istio
を使用し、security.dataPlane.mtls: true
を使用して SMCP 経由で mTLS を有効にする場合、Service Mesh は*.local
ホストのDestinationRules
をデプロイしますが、これは OpenShift Serverless のDomainMapping
を許可しません。この問題を回避するには、
security.dataPlane.mtls: true
を使用する代わりにPeerAuthentication
をデプロイして mTLS を有効にします。
関連情報
1.10. Red Hat OpenShift Serverless 1.22.0 のリリースノート
OpenShift Serverless 1.22.0 が公開されました。以下では、OpenShift Container Platform 上の OpenShift Serverless に関連する新機能、変更点および既知の問題について説明します。
1.10.1. 新機能
- OpenShift Serverless は Knative Serving 1.1 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Knative Eventing 1.1 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Kourier 1.1 を使用するようになりました。
-
OpenShift Serverless は Knative (
kn
) CLI 1.1 を使用するようになりました。 - OpenShift Serverless は KnativeKafka1.1 を使用するようになりました。
-
kn func
CLI プラグインはfunc
0.23 を使用するようになりました。 - Knative サービスの初期コンテナーサポートがテクノロジープレビューとして利用できるようになりました。
- Knative サービスの永続ボリュームクレーム (PVC) サポートが、テクノロジープレビューとして利用できるようになりました。
-
knative-serving
、knative-serving-ingress
、knative-eventing
、およびknative-kafka
システムネームボックスに、デフォルトでknative.openshift.io/part-of:"openshift-serverless"
ラベルが付けられるようになりました。 - Knative Eventing-Kafka Broker/Trigger ダッシュボードが追加されました。これにより、Web コンソールで Kafka ブローカーとトリガーメトリックを視覚化できます。
- Knative Eventing-KafkaSink ダッシュボードが追加されました。これにより、Web コンソールで KafkaSink メトリックを視覚化できます。
- Knative Eventing-Broker/Trigger ダッシュボードは、Knative Eventing-Channel-based Broker/Trigger と呼ばれるようになりました。
-
knative.openshift.io/part-of: " openshift-serverless "
ラベルが、knative.openshift.io/system-namespace
ラベルに置き換わりました。 -
Knative Serving YAML 設定ファイルの命名スタイルがキャメルケース (
ExampleName
) からハイフンスタイル (example-name
) に変更されました。このリリース以降、Knative Serving YAML 設定ファイルを作成または編集するときは、ハイフンスタイルの表記を使用してください。
1.10.2. 既知の問題
- 連邦情報処理標準 (FIPS) モードは、Kafka ブローカー、Kafka ソース、および Kafka シンクに対して無効になっています。
1.11. Red Hat OpenShift Serverless 1.21.0 のリリースノート
OpenShift Serverless 1.21.0 が利用可能になりました。以下では、OpenShift Container Platform 上の OpenShift Serverless に関連する新機能、変更点および既知の問題について説明します。
1.11.1. 新機能
- OpenShift Serverless は Knative Serving 1.0 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Knative Eventing 1.0 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Kourier 1.0 を使用するようになりました。
-
OpenShift Serverless は、Knative (
kn
) CLI 1.0 を使用するようになりました。 - OpenShift Serverless は Knative Kafka 1.0 を使用するようになりました。
-
kn func
CLI プラグインがfunc
0.21 を使用するようになりました。 - Kafka シンクがテクノロジープレビューとして利用できるようになりました。
-
Knative オープンソースプロジェクトは、camel-cased 設定キーを廃止し、kebab-cased キーを一貫して使用することを支持し始めました。その結果、OpenShift Serverless 1.18.0 リリースノートで前述した
defaultExternalScheme
キーは非推奨になり、default-external-scheme
キーに置き換えられました。キーの使用方法は同じです。
1.11.2. 修正された問題
-
OpenShift Serverless 1.20.0 では、サービスにイベントを送信するための
kn event send
の使用に影響するイベント配信の問題がありました。この問題は修正されています。 -
OpenShift Serverless 1.20.0 (
func
0.20) では、http
テンプレートを使用して作成された TypeScript 関数をクラスターにデプロイできませんでした。この問題は修正されています。 -
OpenShift Serverless 1.20.0 (
func
0.20) では、gcr.io
レジストリーを使用した関数のデプロイがエラーで失敗しました。この問題は修正されています。 -
OpenShift Serverless 1.20.0 (
func
0.20) では、kn func create
コマンドを使用して Springboot 関数プロジェクトディレクトリーを作成してから、kn func build
コマンドを実行するとエラーメッセージが表示されて失敗しました。この問題は修正されています。 -
OpenShift Serverless 1.19.0 (
func
0.19) では、一部のランタイムが podman を使用して関数をビルドできませんでした。この問題は修正されています。
1.11.3. 既知の問題
現在、ドメインマッピングコントローラーは、現在サポートされていないパスを含むブローカーの URI を処理できません。
つまり、
DomainMapping
カスタムリソース (CR) を使用してカスタムドメインをブローカーにマップする場合は、ブローカーの入力サービスを使用してDomainMapping
CR を設定し、ブローカーの正確なパスをカスタムドメインに追加する必要があります。DomainMappingCR
の例apiVersion: serving.knative.dev/v1alpha1 kind: DomainMapping metadata: name: <domain-name> namespace: knative-eventing spec: ref: name: broker-ingress kind: Service apiVersion: v1
その場合、ブローカーの URI は
<domain-name>/<broker-namespace>/<broker-name>
になります。
1.12. Red Hat OpenShift Serverless 1.20.0 のリリースノート
OpenShift Serverless 1.20.0 が利用可能になりました。以下では、OpenShift Container Platform 上の OpenShift Serverless に関連する新機能、変更点および既知の問題について説明します。
1.12.1. 新機能
- OpenShift Serverless は Knative Serving 0.26 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Knative Eventing 0.26 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Kourier 0.26 を使用するようになりました。
-
OpenShift Serverless は、Knative (
kn
) CLI 0.26 を使用するようになりました。 - OpenShift Serverless は Knative Kafka 0.26 を使用するようになりました。
-
kn func
CLI プラグインがfunc
0.20 を使用するようになりました。 Kafka ブローカーがテクノロジープレビュー機能として利用可能になりました。
重要現在テクノロジープレビューにある Kafka ブローカーは、FIPS ではサポートされていません。
-
kn event
プラグインがテクノロジープレビューとして利用できるようになりました。 -
knservicecreate
コマンドの--min-scale
フラグと--max-scale
フラグは廃止されました。代わりに、-scale-min
フラグと--scale-max
フラグを使用してください。
1.12.2. 既知の問題
OpenShift Serverless は、HTTPS を使用するデフォルトアドレスで Knative サービスをデプロイします。クラスター内のリソースにイベントを送信する場合、送信側にはクラスターの認証局 (CA) が設定されていません。これにより、クラスターがグローバルに受け入れ可能な証明書を使用しない限り、イベント配信は失敗します。
たとえば、一般にアクセス可能なアドレスへのイベント配信は機能します。
$ kn event send --to-url https://ce-api.foo.example.com/
一方、サービスがカスタム CA によって発行された HTTPS 証明書でパブリックアドレスを使用する場合、この配信は失敗します。
$ kn event send --to Service:serving.knative.dev/v1:event-display
ブローカーやチャネルなどの他のアドレス指定可能なオブジェクトへのイベント送信は、この問題の影響を受けず、期待どおりに機能します。
- 現在、Kafka ブローカーは Federal Information Processing Standards (FIPS) モードが有効になっているクラスターでは動作しません。
kn func create
コマンドで Springboot 関数プロジェクトディレクトリーを作成する場合、それ以降のkn func build
コマンドの実行は、以下のエラーメッセージと共に失敗します。[analyzer] no stack metadata found at path '' [analyzer] ERROR: failed to : set API for buildpack 'paketo-buildpacks/ca-certificates@3.0.2': buildpack API version '0.7' is incompatible with the lifecycle
回避策として、関数設定ファイル
func.yaml
でbuilder
プロパティーをgcr.io/paketo-buildpacks/builder:base
に変更します。gcr.io
レジストリーを使用した関数のデプロイは、以下のエラーメッセージと共に失敗します。Error: failed to get credentials: failed to verify credentials: status code: 404
回避策として、
quay.io
またはdocker.io
などのgcr.io
以外のレジストリーを使用します。http
テンプレートで作成された Typescript 関数は、クラスターへのデプロイに失敗します。回避策として、
func.yaml
ファイルで以下のセクションを置き換えます。buildEnvs: []
上記を以下のように置き換えます。
buildEnvs: - name: BP_NODE_RUN_SCRIPTS value: build
func
バージョン 0.20 では、一部のランタイムが podman を使用して関数をビルドできない場合があります。以下のようなエラーメッセージが表示される場合があります。ERROR: failed to image: error during connect: Get "http://%2Fvar%2Frun%2Fdocker.sock/v1.40/info": EOF
この問題には、以下の回避策があります。
--time=0
をサービスExecStart
定義に追加して、podman サービスを更新します。サービス設定の例
ExecStart=/usr/bin/podman $LOGGING system service --time=0
以下のコマンドを実行して podman サービスを再起動します。
$ systemctl --user daemon-reload
$ systemctl restart --user podman.socket
または、TCP を使用して podman API を公開することもできます。
$ podman system service --time=0 tcp:127.0.0.1:5534 & export DOCKER_HOST=tcp://127.0.0.1:5534
1.13. Red Hat OpenShift Serverless 1.19.0 のリリースノート
OpenShift Serverless 1.19.0 が利用可能になりました。以下では、OpenShift Container Platform 上の OpenShift Serverless に関連する新機能、変更点および既知の問題について説明します。
1.13.1. 新機能
- OpenShift Serverless は Knative Serving 0.25 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Knative Eventing 0.25 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Kourier 0.25 を使用するようになりました。
-
OpenShift Serverless は Knative (
kn
) CLI 0.25 を使用するようになりました。 - OpenShift Serverless は Knative Kafka 0.25 を使用するようになりました。
-
kn func
CLI プラグインがfunc
0.19 を使用するようになりました。 -
KafkaBinding
API は OpenShift Serverless 1.19.0 で非推奨となり、今後のリリースで廃止される予定です。 - HTTPS リダイレクトがサポートされ、クラスターに対してグローバルに設定することも、各 Knative サービスごとに設定することもできるようになりました。
1.13.2. 修正された問題
- 以前のリリースでは、Kafka チャネルディスパッチャーは、ローカルコミットが成功するのを待ってからしか応答していませんでした。これにより、Apache Kafka ノードに障害が発生した場合に、イベントが失われる可能性がありました。Kafka チャネルディスパッチャーは、すべての同期レプリカがコミットするのを待ってから応答するようになりました。
1.13.3. 既知の問題
func
バージョン 0.19 では、一部のランタイムが podman を使用して関数をビルドできない場合があります。以下のようなエラーメッセージが表示される場合があります。ERROR: failed to image: error during connect: Get "http://%2Fvar%2Frun%2Fdocker.sock/v1.40/info": EOF
この問題には、以下の回避策があります。
--time=0
をサービスExecStart
定義に追加して、podman サービスを更新します。サービス設定の例
ExecStart=/usr/bin/podman $LOGGING system service --time=0
以下のコマンドを実行して podman サービスを再起動します。
$ systemctl --user daemon-reload
$ systemctl restart --user podman.socket
または、TCP を使用して podman API を公開することもできます。
$ podman system service --time=0 tcp:127.0.0.1:5534 & export DOCKER_HOST=tcp://127.0.0.1:5534
1.14. Red Hat OpenShift Serverless 1.18.0 のリリースノート
OpenShift Serverless 1.18.0 が利用可能になりました。以下では、OpenShift Container Platform 上の OpenShift Serverless に関連する新機能、変更点および既知の問題について説明します。
1.14.1. 新機能
- OpenShift Serverless は Knative Serving 0.24.0 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Knative Eventing 0.24.0 を使用するようになりました。
- OpenShift Serverless は Kourier 0.24.0 を使用するようになりました。
-
OpenShift Serverless は Knative (
kn
) CLI 0.24.0 を使用するようになりました。 - OpenShift Serverless は Knative Kafka 0.24.7 を使用するようになりました。
-
kn func
CLI プラグインがfunc
0.18.0 を使用するようになりました。 今後の OpenShift Serverless 1.19.0 リリースでは、外部ルートの URL スキームはデフォルトで HTTPS になり、セキュリティーが強化されます。
この変更をワークロードに適用する必要がない場合は、以下の YAML を
KnativeServing
カスタムリソース (CR) に追加してから 1.19.0 にアップグレードする前にデフォルト設定を上書きできます。... spec: config: network: defaultExternalScheme: "http" ...
変更を 1.18.0 ですでに適用する必要がある場合には、以下の YAML を追加します。
... spec: config: network: defaultExternalScheme: "https" ...
今後の OpenShift Serverless 1.19.0 リリースでは、Kourier ゲートウェイが公開されるデフォルトのサービスタイプは
ClusterIP
であり、LoadBalancer
ではありません。この変更をワークロードに適用する必要がない場合は、以下の YAML を
KnativeServing
カスタムリソース定義 (CRD) に追加してから 1.19.0 にアップグレードする前にデフォルト設定を上書きできます。... spec: ingress: kourier: service-type: LoadBalancer ...
-
OpenShift Serverless で
emptyDir
ボリュームを使用できるようになりました。詳細は、Knative Serving に関する OpenShift Serverless ドキュメントを参照してください。 -
kn func
を使用して関数を作成すると、Rust テンプレートが利用できるようになりました。
1.14.2. 修正された問題
- 以前の 1.4 バージョンの Camel-K は OpenShift Serverless 1.17.0 と互換性がありませんでした。Camel-K の問題が修正され、Camel-K バージョン 1.4.1 を OpenShift Serverless 1.17.0 で使用できます。
以前のバージョンでは、Kafka チャネルまたは新しい Kafka ソースの新しいサブスクリプションを作成する場合は、新しく作成されたサブスクリプションまたはシンクが準備完了ステータスを報告した後、Kafka データプレーンがメッセージをディスパッチする準備ができるまでに遅延が生じる可能性があります。
その結果、データプレーンが準備完了ステータスを報告していないときに送信されたメッセージは、サブスクライバーまたはシンクに配信されない可能性があります。
OpenShift Serverless 1.18.0 では、問題が修正され、初期メッセージが失われなくなりました。この問題の詳細は、ナレッジベースの記事 #6343981 を参照してください。
1.14.3. 既知の問題
Knative
kn
CLI の古いバージョンは、Knative Serving および Knative Eventing API の古いバージョンを使用する可能性があります。たとえば、kn
CLI のバージョン 0.23.2 はv1alpha1
API バージョンを使用します。一方、OpenShift Serverless の新しいリリースでは、古い API バージョンをサポートしない可能性があります。たとえば、OpenShift Serverless 1.18.0 は
kafkasources.sources.knative.dev
API のバージョンv1alpha1
をサポートしなくなりました。そのため、
kn
が古い API を検出できないため、新しい OpenShift Serverless で古いバージョンの Knativekn
CLI を使用するとエラーが発生する可能性がありました。たとえば、kn
CLI のバージョン 0.23.2 は OpenShift Serverless 1.18.0 では機能しません。問題を回避するには、OpenShift Serverless リリースで利用可能な最新の
kn
CLI バージョンを使用します。OpenShift Serverless 1.18.0 については、Knativekn
CLI 0.24.0 を使用します。
第2章 Serverless について
2.1. OpenShift Serverless の概要
OpenShift Serverless は、Kubernetes ネイティブなビルディングブロックを提供します。開発者はこれらを使用して、OpenShift Container Platform 上でサーバーレスのイベント駆動型アプリケーションを作成およびデプロイできます。OpenShift Serverless はオープンソースの Knative プロジェクト をベースとし、エンタープライズレベルのサーバーレスプラットフォームを有効にすることで、ハイブリッドおよびマルチクラウド環境に対して移植性と一貫性をもたらします。
OpenShift Serverless は OpenShift Container Platform とは異なる頻度でリリースされるため、OpenShift Serverless のドキュメントでは、製品のマイナーバージョン用に個別のドキュメントセットを維持していません。現在のドキュメントセットは、特定のトピックまたは特定の機能でバージョン固有の制限がない限り、現在サポートされている OpenShift Serverless のすべてのバージョンに適用されます。
OpenShift Serverless のライフサイクルとサポートされるプラットフォームに関する追加情報は、プラットフォームライフサイクルポリシー を参照してください。
2.1.1. 関連情報
2.2. Knative Serving
Knative Serving は、クラウドネイティブアプリケーション の作成、デプロイ、管理を希望する開発者をサポートします。これにより、オブジェクトのセットが OpenShift Container Platform クラスター上のサーバーレスワークロードの動作を定義し制御する Kubernetes カスタムリソース定義 (CRD) として提供されます。
開発者はこれらの CRD を使用して、複雑なユースケースに対応するためにビルディングブロックとして使用できるカスタムリソース (CR) インスタンスを作成します。以下に例を示します。
- サーバーレスコンテナーの迅速なデプロイ
- Pod の自動スケーリング
2.2.1. Knative Serving リソース
- サービス
-
service.serving.knative.dev
CRD はワークロードのライフサイクルを自動的に管理し、アプリケーションがネットワーク経由でデプロイされ、到達可能であることを確認します。これは、ユーザーが作成したサービスまたはカスタムリソースに対して加えられるそれぞれの変更についての ルート、設定、および新規リビジョンを作成します。Knative での開発者の対話のほとんどは、サービスを変更して実行されます。 - Revision
-
revision.serving.knative.dev
CRD は、ワークロードに対して加えられるそれぞれの変更についてのコードおよび設定の特定の時点におけるスナップショットです。Revision (リビジョン) はイミュータブル (変更不可) オブジェクトであり、必要な期間保持することができます。 - Route
-
route.serving.knative.dev
CRD は、ネットワークのエンドポイントを、1 つ以上のリビジョンにマップします。部分的なトラフィックや名前付きルートなどのトラフィックを複数の方法で管理することができます。 - Configuration
-
configuration.serving.knative.dev
CRD は、デプロイメントの必要な状態を維持します。これにより、コードと設定を明確に分離できます。設定を変更すると、新規リビジョンが作成されます。
2.3. Knative Eventing
OpenShift Container Platform 上の Knative Eventing を使用すると、開発者はサーバーレスアプリケーションと共に イベント駆動型のアーキテクチャー を使用できます。イベント駆動型のアーキテクチャーは、イベントプロデューサーとイベントコンシューマー間の関係を切り離すという概念に基づいています。
イベントプロデューサーはイベントを作成し、イベントシンクまたはコンシューマーはイベントを受信します。Knative Eventing は、標準の HTTP POST リクエストを使用してイベントプロデューサーとシンク間でイベントを送受信します。これらのイベントは CloudEvents 仕様 に準拠しており、すべてのプログラミング言語でのイベントの作成、解析、および送受信を可能にします。
Knative Eventing は以下のユースケースをサポートします。
- コンシューマーを作成せずにイベントを公開する
- イベントを HTTP POST としてブローカーに送信し、バインディングを使用してイベントを生成するアプリケーションから宛先設定を分離できます。
- パブリッシャーを作成せずにイベントを消費
- Trigger を使用して、イベント属性に基づいて Broker からイベントを消費できます。アプリケーションはイベントを HTTP POST として受信します。
複数のタイプのシンクへの配信を有効にするために、Knative Eventing は複数の Kubernetes リソースで実装できる以下の汎用インターフェイスを定義します。
- アドレス指定可能なリソース
-
HTTP 経由でイベントの
status.address.url
フィールドに定義されるアドレスに配信されるイベントを受信し、確認することができます。KubernetesService
リソースはアドレス指定可能なインターフェイスにも対応します。 - 呼び出し可能なリソース
-
HTTP 経由で配信されるイベントを受信し、これを変換できます。HTTP 応答ペイロードで
0
または1
の新規イベントを返します。返されるイベントは、外部イベントソースからのイベントが処理されるのと同じ方法で処理できます。
2.3.1. Apache Kafka の Knative ブローカーの使用
Apache Kafka の Knative ブローカー実装では、サポートされているバージョンの Apache Kafka メッセージストリーミングプラットフォームを OpenShift Serverless で使用できるように、統合オプションが提供されています。Kafka は、イベントソース、チャネル、ブローカー、およびイベントシンク機能のオプションを提供します。
Apache Kafka の Knative ブローカー実装は、現在 IBM Z および {ibmpowerProductName} ではサポートされていません。
Apache Kafka の Knative ブローカーは、以下のような追加オプションを提供します。
- Kafka ソース
- Kafka チャネル
- Kafka ブローカー
- Kafka シンク
2.3.2. 関連情報
2.4. OpenShift Serverless Functions について
OpenShift Serverless Functions により、開発者は OpenShift Container Platform で Knative サービスとしてステートレスでイベント駆動型の関数を作成およびデプロイできます。kn func CLI
は Knative kn
CLI のプラグインとして提供されます。kn func
CLI を使用して、クラスター上の Knative サービスとしてコンテナーイメージを作成、ビルド、デプロイできます。
2.4.1. 含まれるランタイム
OpenShift Serverless Functions は、以下のランタイムの基本機能を作成するために使用できるテンプレートを提供します。
2.4.2. 次のステップ
第3章 Serverless のインストール
3.1. OpenShift Serverless のインストールの準備
OpenShift Serverless をインストールする前に、サポートされる設定および前提条件についての以下の情報を確認してください。
- OpenShift Serverless は、ネットワークが制限された環境でのインストールに対してサポートされません。
- 現時点で、OpenShift Serverless は単一クラスター上でのマルチテナント設定で使用することはできません。
3.1.1. サポートされる構成
OpenShift Serverless(最新バージョンおよび以前のバージョン) のサポートされる機能、設定、および統合のセットは、サポートされる設定 についてのページで確認できます。
3.1.2. スケーラビリティーおよびパフォーマンス
OpenShift Serverless は、3 つのメインノードと 3 つのワーカーノードの設定でテストされています。各ノードには、64 個の CPU、457 GB のメモリー、および 394 GB のストレージがあります。
この設定を使用して作成できる Knative サービスの最大数は 3,000 です。これは、OpenShift Container Platform の Kubernetes サービスの制限である 10,000 に相当します。これは、1 つの Knative サービスが 3 つの Kubernetes サービスを作成するためです。
ゼロ応答時間からの平均スケールは約 3.4 秒で、最大応答時間は 8 秒で、単純な Quarkus アプリケーションの 99.9 パーセンタイルは 4.5 秒でした。これらの時間は、アプリケーションとアプリケーションの実行時間によって異なる場合があります。
3.1.3. クラスターサイズ要件の定義
OpenShift Serverless をインストールし、使用するには、OpenShift Container Platform クラスターのサイズを適切に設定する必要があります。
以下の要件は、OpenShift Container Platform クラスターのワーカーマシンのプールにのみ関連します。コントロールプレーンは一般的なスケジューリングには使用されず、要件から省略されます。
OpenShift Serverless を使用する最小要件は、10 CPU および 40GB メモリーを持つクラスターです。デフォルトで、各 Pod は CPU ~400m を要求し、推奨値のベースはこの値になります。
OpenShift Serverless を実行するために必要な総サイズは、インストールされているコンポーネントとデプロイされているアプリケーションに依存し、デプロイメントによって異なる場合があります。
3.1.4. コンピュートマシンセットを使用したクラスターのスケーリング
OpenShift Container Platform MachineSet
API を使用して、クラスターを必要なサイズに手動でスケールアップすることができます。最小要件は、通常 2 つのマシンを追加することによってデフォルトのコンピュートマシンセットのいずれかをスケールアップする必要があることを意味します。コンピューティングマシンセットの手動スケーリング を参照してください。
3.1.4.1. 高度なユースケースの追加要件
OpenShift Container Platform でのロギングまたはメータリングなどの高度なユースケースの場合は、追加のリソースをデプロイする必要があります。このようなユースケースで推奨される要件は 24 vCPU および 96GB メモリーです。
クラスターで高可用性 (HA) を有効にしている場合、これには Knative Serving コントロールプレーンの各レプリカについて 0.5 - 1.5 コアおよび 200MB - 2GB のメモリーが必要です。HA は、デフォルトで一部の Knative Serving コンポーネントについて有効にされます。「高可用性コンポーネントレプリカの設定」のドキュメントに従って HA を無効にできます。
3.1.5. 関連情報
3.2. OpenShift Serverless Operator のインストール
OpenShift Serverless Operator をインストールすると、OpenShift Container Platform クラスターに Knative Serving、Knative Eventing、および Apache Kafka 用の Knative ブローカーをインストールし、使用できます。OpenShift Serverless Operator は、クラスターの Knative カスタムリソース定義 (CRD) を管理し、各コンポーネントの個別の Config Map を直接修正することなくそれらを設定できるようにします。
3.2.1. Web コンソールからの OpenShift Serverless Operator のインストール
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して、OperatorHub から OpenShift Serverless Operator をインストールできます。この Operator をインストールすることで、Knative コンポーネントをインストールして使用することができます。
前提条件
- クラスター管理者のアクセスを持つ OpenShift Container Platform アカウントを使用できる。
- クラスターで Marketplace 機能が有効になっているか、Red Hat Operator カタログソースが手動で設定されています。
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールで、Operators → OperatorHub ページに移動します。
- スクロールするか、またはこれらのキーワード Serverless を Filter by keyword ボックス に入力して OpenShift Serverless Operator を検索します。
- Operator についての情報を確認してから、Install をクリックします。
Install Operator ページで以下を行います。
-
Installation Mode は All namespaces on the cluster (default) になります。このモードは、デフォルトの
openshift-serverless
namespace で Operator をインストールし、クラスターのすべての namespace を監視し、Operator をこれらの namespace に対して利用可能にします。 -
Installed Namespace は
openshift-serverless
です。 - Update Channel として stable チャネルを選択します。stable チャネルは、OpenShift Serverless Operator の最新の安定したリリースのインストールを可能にします。
- Automatic または Manual 承認ストラテジーを選択します。
-
Installation Mode は All namespaces on the cluster (default) になります。このモードは、デフォルトの
- Install をクリックし、Operator をこの OpenShift Container Platform クラスターの選択した namespace で利用可能にします。
Catalog → Operator Management ページから、OpenShift Serverless Operator サブスクリプションのインストールおよびアップグレードの進捗をモニターできます。
- 手動 の承認ストラテジーを選択している場合、サブスクリプションのアップグレードステータスは、その Install Plan を確認し、承認するまで Upgrading のままになります。Install Plan ページでの承認後に、サブスクリプションのアップグレードステータスは Up to date に移行します。
- 自動 の承認ストラテジーを選択している場合、アップグレードステータスは、介入なしに Up to date に解決するはずです。
検証
サブスクリプションのアップグレードステータスが Up to date に移行したら、Catalog → Installed Operators を選択して OpenShift Serverless Operator が表示され、その Status が最終的に関連する namespace で InstallSucceeded に解決することを確認します。
上記通りにならない場合:
- Catalog → Operator Management ページに切り替え、Operator Subscriptions および Install Plans タブで Status の下の失敗またはエラーの有無を確認します。
-
さらにトラブルシューティングの必要な問題を報告している Pod のログについては、Workloads → Pods ページの
openshift-serverless
プロジェクトの Pod のログで確認できます。
OpenShift Serverless で Red Hat 分散トレースを使用する 場合は、KnativeServing または KnativeEventing をインストールする前に、Red Hat 分散トレースをインストールして設定する必要があります。
3.2.2. CLI からの OpenShift Serverless Operator のインストール
CLI を使用して、OperatorHub から OpenShift Serverless Operator をインストールできます。この Operator をインストールすることで、Knative コンポーネントをインストールして使用することができます。
前提条件
- クラスター管理者のアクセスを持つ OpenShift Container Platform アカウントを使用できる。
- クラスターで Marketplace 機能が有効になっているか、Red Hat Operator カタログソースが手動で設定されています。
- OpenShift Container Platform クラスターにログインしている。
手順
Namespace
、OperatorGroup
、およびSubscription
オブジェクトを含む YAML ファイルを作成して、namespace を OpenShift Serverless Operator にサブスクライブします。たとえば、次の内容でファイルserverless-subscription.yaml
を作成します。Subscription の例
--- apiVersion: v1 kind: Namespace metadata: name: openshift-serverless --- apiVersion: operators.coreos.com/v1 kind: OperatorGroup metadata: name: serverless-operators namespace: openshift-serverless spec: {} --- apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1 kind: Subscription metadata: name: serverless-operator namespace: openshift-serverless spec: channel: stable 1 name: serverless-operator 2 source: redhat-operators 3 sourceNamespace: openshift-marketplace 4
- 1
- Operator のチャンネル名。
stable
チャネルを使用すると、OpenShift Serverless Operator の最新の安定したバージョンをインストールできます。 - 2
- サブスクライブする Operator の名前。OpenShift Serverless Operator の場合、これは常に
serverless-operator
です。 - 3
- Operator を提供する CatalogSource の名前。デフォルトの OperatorHub カタログソースには
redhat-operators
を使用します。 - 4
- CatalogSource の namespace。デフォルトの OperatorHub カタログソースには
openshift-marketplace
を使用します。
Subscription
オブジェクトを作成します。$ oc apply -f serverless-subscription.yaml
検証
クラスターサービスバージョン (CSV) が Succeeded
フェーズに達したことを確認します。
コマンドの例
$ oc get csv
出力例
NAME DISPLAY VERSION REPLACES PHASE serverless-operator.v1.25.0 Red Hat OpenShift Serverless 1.25.0 serverless-operator.v1.24.0 Succeeded
OpenShift Serverless で Red Hat 分散トレースを使用する 場合は、KnativeServing または KnativeEventing をインストールする前に、Red Hat 分散トレースをインストールして設定する必要があります。
3.2.3. グローバル設定
OpenShift Serverless Operator は、KnativeServing
および KnativeEventing
カスタムリソースからシステムの Config Map への値の反映を含む Knative インストールのグローバル設定を管理します。手動で適用される Config Map の更新は Operator によって上書きされます。ただし、Knative カスタムリソースを変更すると、これらの Config Map の値を設定できます。
Knative には、名前に接頭辞 config-
が付けられた複数の Config Map があります。すべての Knative Config Map は、適用するカスタムリソースと同じ namespace に作成されます。たとえば、KnativeServing
カスタムリソースが knative-serving
namespace に作成される場合、すべての Knative Serving Config Map もこの namespace に作成されます。
Knative カスタムリソースの spec.config
には、Config Map ごとに config-<name>
という名前の <name>
エントリーが 1 つあり、Config Map data
で使用される値を持ちます。
3.2.4. 関連情報
3.2.5. 次のステップ
- OpenShift Serverless Operator のインストール後に、Knative Serving をインストールするか、Knative Eventing をインストールする ことができます。
3.3. Knative CLI のインストール
Knative (kn
) CLI には、独自のログインメカニズムがありません。クラスターにログインするには、OpenShift (oc
) CLI をインストールし、oc login
コマンドを使用する必要があります。CLI のインストールオプションは、オペレーティングシステムによって異なる場合があります。
ご使用のオペレーティングシステム用に OpenShift CLI (oc
) をインストールする方法および oc
でのログイン方法についての詳細は、OpenShift CLI の使用開始 についてのドキュメントを参照してください。
Knative (kn
) CLI を使用して OpenShift Serverless をインストールすることはできません。クラスター管理者は、OpenShift Serverless Operator のインストール のドキュメントで説明されているように、OpenShift Serverless Operator をインストールし、Knative コンポーネントをセットアップする必要があります。
新しい OpenShift Serverless リリースで古いバージョンの Knative (kn
) CLI の使用を試行する場合は、API が見つからないとエラーが発生します。
たとえば、バージョン 1.2 を使用する Knative (kn
) CLI の 1.23.0 リリースと、Knative Serving および Knative Eventing API の 1.3 バージョンを使用する 1.24.0 OpenShift Serverless リリースを使用する場合、CLI は古い 1.2 API バージョンを探し続けるため、機能しません。
問題を回避するために、OpenShift Serverless リリースの最新の Knative (kn
) CLI バージョンを使用していることを確認してください。
3.3.1. OpenShift Container Platform Web コンソールを使用した Knative CLI のインストール
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用すると、Knative (kn
) CLI をインストールするための合理化された直感的なユーザーインターフェイスが提供されます。\OpenShift Serverless Operator をインストールすると、OpenShift Container PlatformWeb コンソールの コマンドラインツール ページから Linux (amd64、s390x、ppc64le)、macOS、または Windows 用の Knative (kn
) CLI をダウンロードするためのリンクが表示されます。
前提条件
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
OpenShift Serverless Operator および Knative Serving が OpenShift Container Platform クラスターにインストールされている。
重要libc が利用できない場合は、CLI コマンドの実行時に以下のエラーが表示される場合があります。
$ kn: No such file or directory
-
この手順の検証手順を使用する場合は、OpenShift (
oc
) CLI をインストールする必要があります。
手順
-
Command Line Tools ページから Knative (
kn
) CLI をダウンロードします。Command Line Tools ページには、Web コンソールの右上のアイコンをクリックし、リストの Command Line Tools を選択します。
アーカイブを展開します。
$ tar -xf <file>
-
kn
バイナリーをPATH
にあるディレクトリーに移動します。 PATH
を確認するには、以下を実行します。$ echo $PATH
検証
以下のコマンドを実行して、正しい Knative CLI リソースおよびルートが作成されていることを確認します。
$ oc get ConsoleCLIDownload
出力例
NAME DISPLAY NAME AGE kn kn - OpenShift Serverless Command Line Interface (CLI) 2022-09-20T08:41:18Z oc-cli-downloads oc - OpenShift Command Line Interface (CLI) 2022-09-20T08:00:20Z
$ oc get route -n openshift-serverless
出力例
NAME HOST/PORT PATH SERVICES PORT TERMINATION WILDCARD kn kn-openshift-serverless.apps.example.com knative-openshift-metrics-3 http-cli edge/Redirect None
3.3.2. RPM パッケージマネージャーを使用した Linux 用の Knative CLI のインストール
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) の場合、yum
や dnf
などのパッケージマネージャーを使用して、Knative (kn
) CLI を RPM としてインストールできます。これにより、Knative CLI バージョンをシステムで自動的に管理できます。たとえば、dnf upgrade
のようなコマンドを使用すると、新しいバージョンが利用可能な場合、kn
を含むすべてのパッケージがアップグレードされます。
前提条件
- お使いの Red Hat アカウントに有効な OpenShift Container Platform サブスクリプションがある。
手順
Red Hat Subscription Manager に登録します。
# subscription-manager register
最新のサブスクリプションデータをプルします。
# subscription-manager refresh
登録済みのシステムにサブスクリプションを添付します。
# subscription-manager attach --pool=<pool_id> 1
- 1
- 有効な OpenShift Container Platform サブスクリプションのプール ID
Knative (
kn
) CLI に必要なリポジトリーを有効にします。Linux (x86_64, amd64)
# subscription-manager repos --enable="openshift-serverless-1-for-rhel-8-x86_64-rpms"
Linux on IBM Z and LinuxONE (s390x)
# subscription-manager repos --enable="openshift-serverless-1-for-rhel-8-s390x-rpms"
Linux on IBM Power (ppc64le)
# subscription-manager repos --enable="openshift-serverless-1-for-rhel-8-ppc64le-rpms"
パッケージマネージャーを使用して、Knative (
kn
) CLI を RPM としてインストールします。yum
コマンドの例# yum install openshift-serverless-clients
3.3.3. Linux の Knative CLI のインストール
RPM または別のパッケージマネージャーがインストールされていない Linux ディストリビューションを使用している場合は、Knative (kn
) CLI をバイナリーファイルとしてインストールできます。これを行うには、tar.gz
アーカイブをダウンロードして解凍し、バイナリーを PATH
のディレクトリーに追加する必要があります。
前提条件
RHEL または Fedora を使用していない場合は、ライブラリーパスのディレクトリーに libc がインストールされていることを確認してください。
重要libc が利用できない場合は、CLI コマンドの実行時に以下のエラーが表示される場合があります。
$ kn: No such file or directory
手順
Knative (
kn
) CLI のtar.gz
アーカイブをダウンロードします。また、サーバーレスクライアントダウンロードミラー 内のそのバージョンに対応するディレクトリーに移動して、任意のバージョンの
kn
をダウンロードすることもできます。アーカイブを展開します。
$ tar -xf <filename>
-
kn
バイナリーをPATH
にあるディレクトリーに移動します。 PATH
を確認するには、以下を実行します。$ echo $PATH
3.3.4. macOS の Knative CLI のインストール
macOS を使用している場合は、Knative (kn
) CLI をバイナリーファイルとしてインストールできます。これを行うには、tar.gz
アーカイブをダウンロードして解凍し、バイナリーを PATH
のディレクトリーに追加する必要があります。
手順
Knative (
kn
)CLItar.gz
アーカイブ をダウンロードします。また、サーバーレスクライアントダウンロードミラー 内のそのバージョンに対応するディレクトリーに移動して、任意のバージョンの
kn
をダウンロードすることもできます。- アーカイブを解凍して解凍します。
-
kn
バイナリーをPATH
にあるディレクトリーに移動します。 PATH
を確認するには、ターミナルウィンドウを開き、以下を実行します。$ echo $PATH
3.3.5. Windows の Knative CLI のインストール
Windows を使用している場合は、Knative (kn
) CLI をバイナリーファイルとしてインストールできます。これを行うには、ZIP アーカイブをダウンロードして解凍し、バイナリーを PATH
のディレクトリーに追加する必要があります。
手順
Knative (
kn
) CLIZIP アーカイブ をダウンロードします。また、サーバーレスクライアントダウンロードミラー 内のそのバージョンに対応するディレクトリーに移動して、任意のバージョンの
kn
をダウンロードすることもできます。- ZIP プログラムでアーカイブを展開します。
-
kn
バイナリーをPATH
にあるディレクトリーに移動します。 PATH
を確認するには、コマンドプロンプトを開いて以下のコマンドを実行します。C:\> path
3.4. Knative Serving のインストール
Knative Serving をインストールすると、クラスター上で Knative サービスや関数を作成することができます。また、オートスケーリングやネットワークオプションなどの追加機能をアプリケーションに利用することも可能です。
OpenShift Serverless Operator をインストールした後、デフォルトの設定で Knative Serving をインストールするか、KnativeServing
カスタムリソース (CR) でより高度な設定を行うことが可能です。KnativeServing
CR の設定オプションの詳細については、グローバル設定を参照してください。
OpenShift Serverless で Red Hat 分散トレースを使用する 場合は、KnativeServing をインストールする前に、Red Hat 分散トレースをインストールして設定する必要があります。
3.4.1. Web コンソールを使用した Knative Serving のインストール
OpenShift Serverless Operator をインストールした後、OpenShift Container Platform の Web コンソールを使用して Knative Serving をインストールします。デフォルトの設定で Knative Serving をインストールするか、KnativeServing
カスタムリソース (CR) でより詳細な設定を行うことが可能です。
前提条件
- クラスター管理者のアクセスを持つ OpenShift Container Platform アカウントを使用できる。
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
- OpenShift Serverless Operator がインストールされている。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールの Administrator パースペクティブで、Operators → Installed Operators に移動します。
- ページ上部の Project ドロップダウンメニューが Project: knative-serving に設定されていることを確認します。
- OpenShift Serverless Operator の Provided API 一覧で Knative Serving をクリックし、Knative Serving タブに移動します。
- Create Knative Serving をクリックします。
Create Knative Serving ページで、Create をクリックしてデフォルト設定を使用し、Knative Serving をインストールできます。
また、Knative Serving インストールの設定を変更するには、提供されるフォームを使用するか、または YAML を編集して
KnativeServing
オブジェクトを編集します。-
KnativeServing
オブジェクト作成を完全に制御する必要がない単純な設定には、このフォームの使用が推奨されます。 KnativeServing
オブジェクトの作成を完全に制御する必要のあるより複雑な設定には、YAML の編集が推奨されます。YAML にアクセスするには、Create Knative Serving ページの右上にある edit YAML リンクをクリックします。フォームを完了するか、または YAML の変更が完了したら、Create をクリックします。
注記KnativeServing カスタムリソース定義の設定オプションについての詳細は、高度なインストール設定オプション についてのドキュメントを参照してください。
-
-
Knative Serving のインストール後に、
KnativeServing
オブジェクトが作成され、Knative Serving タブに自動的にダイレクトされます。リソースの一覧にknative-serving
カスタムリソースが表示されます。
検証
-
Knative Serving タブで
knative-serving
カスタムリソースをクリックします。 Knative Serving Overview ページに自動的にダイレクトされます。
- スクロールダウンして、Conditions の一覧を確認します。
ステータスが True の条件の一覧が表示されます (例のイメージを参照)。
注記Knative Serving リソースが作成されるまでに数分の時間がかかる場合があります。Resources タブでステータスを確認できます。
- 条件のステータスが Unknown または False である場合は、しばらく待ってから、リソースが作成されたことを再度確認します。
3.4.2. YAML を使用した Knative Serving のインストール
OpenShift Serverless Operator をインストールした後、デフォルトの設定で Knative Serving をインストールするか、KnativeServing
カスタムリソース (CR) でより高度な設定を行うことが可能です。YAML ファイルとoc
CLI を利用して、以下の手順で Knative Serving をインストールすることができます。
前提条件
- クラスター管理者のアクセスを持つ OpenShift Container Platform アカウントを使用できる。
- OpenShift Serverless Operator がインストールされている。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
serving.yaml
という名前のファイルを作成し、以下の YAML サンプルをこれにコピーします。apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeServing metadata: name: knative-serving namespace: knative-serving
serving.yaml
ファイルを適用します。$ oc apply -f serving.yaml
検証
インストールが完了したことを確認するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get knativeserving.operator.knative.dev/knative-serving -n knative-serving --template='{{range .status.conditions}}{{printf "%s=%s\n" .type .status}}{{end}}'
出力例
DependenciesInstalled=True DeploymentsAvailable=True InstallSucceeded=True Ready=True
注記Knative Serving リソースが作成されるまでに数分の時間がかかる場合があります。
条件のステータスが
Unknown
またはFalse
である場合は、しばらく待ってから、リソースが作成されたことを再度確認します。Knative Serving リソースが作成されていることを確認します。
$ oc get pods -n knative-serving
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE activator-67ddf8c9d7-p7rm5 2/2 Running 0 4m activator-67ddf8c9d7-q84fz 2/2 Running 0 4m autoscaler-5d87bc6dbf-6nqc6 2/2 Running 0 3m59s autoscaler-5d87bc6dbf-h64rl 2/2 Running 0 3m59s autoscaler-hpa-77f85f5cc4-lrts7 2/2 Running 0 3m57s autoscaler-hpa-77f85f5cc4-zx7hl 2/2 Running 0 3m56s controller-5cfc7cb8db-nlccl 2/2 Running 0 3m50s controller-5cfc7cb8db-rmv7r 2/2 Running 0 3m18s domain-mapping-86d84bb6b4-r746m 2/2 Running 0 3m58s domain-mapping-86d84bb6b4-v7nh8 2/2 Running 0 3m58s domainmapping-webhook-769d679d45-bkcnj 2/2 Running 0 3m58s domainmapping-webhook-769d679d45-fff68 2/2 Running 0 3m58s storage-version-migration-serving-serving-0.26.0--1-6qlkb 0/1 Completed 0 3m56s webhook-5fb774f8d8-6bqrt 2/2 Running 0 3m57s webhook-5fb774f8d8-b8lt5 2/2 Running 0 3m57s
必要なネットワークコンポーネントが、自動的に作成された
knative-serving-ingress
namespace にインストールされていることを確認します。$ oc get pods -n knative-serving-ingress
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE net-kourier-controller-7d4b6c5d95-62mkf 1/1 Running 0 76s net-kourier-controller-7d4b6c5d95-qmgm2 1/1 Running 0 76s 3scale-kourier-gateway-6688b49568-987qz 1/1 Running 0 75s 3scale-kourier-gateway-6688b49568-b5tnp 1/1 Running 0 75s
3.4.3. 次のステップ
- Knative イベント駆動型アーキテクチャーを使用する必要がある場合は、Knative Eventing をインストール できます。
3.5. Knative Eventing のインストール
クラスターでイベント駆動型アーキテクチャーを使用するには、Knative Eventing をインストールします。イベントソース、ブローカー、チャネルなどの Knative コンポーネントを作成し、それらを使用してアプリケーションや外部システムにイベントを送信することができます。
OpenShift Serverless Operator をインストールした後、デフォルトの設定で Knative Eventing をインストールするか、KnativeEventing
カスタムリソース (CR) でより高度な設定を行うことが可能です。KnativeEventing
CR の設定オプションの詳細については、グローバル設定 を参照してください。
OpenShift Serverless で Red Hat 分散トレースを使用する 場合は、Knative Eventing をインストールする前に、Red Hat 分散トレースをインストールして設定する必要があります。
3.5.1. Web コンソールを使用した Knative Eventing のインストール
OpenShift Serverless Operator をインストールした後、OpenShift Container Platform の Web コンソールを使用して Knative Eventing をインストールします。デフォルトの設定で Knative Eventing をインストールするか、KnativeEventing
カスタムリソース (CR) でより詳細な設定を行うことが可能です。
前提条件
- クラスター管理者のアクセスを持つ OpenShift Container Platform アカウントを使用できる。
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
- OpenShift Serverless Operator がインストールされている。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールの Administrator パースペクティブで、Operators → Installed Operators に移動します。
- ページ上部の Project ドロップダウンメニューが Project: knative-eventing に設定されていることを確認します。
- OpenShift Serverless Operator の Provided API 一覧で Knative Eventing をクリックし、Knative Eventing タブに移動します。
- Create Knative Eventing をクリックします。
Create Knative Eventing ページでは、提供されるデフォルトのフォームを使用するか、または YAML を編集して
KnativeEventing
オブジェクトを設定できます。KnativeEventing
オブジェクト作成を完全に制御する必要がない単純な設定には、このフォームの使用が推奨されます。オプション:フォームを使用して
KnativeEventing
オブジェクトを設定する場合は、Knative Eventing デプロイメントに対して実装する必要のある変更を加えます。
Create をクリックします。
KnativeEventing
オブジェクトの作成を完全に制御する必要のあるより複雑な設定には、YAML の編集が推奨されます。YAML にアクセスするには、Create Knative Eventing ページの右上にある edit YAML リンクをクリックします。オプション:YAML を編集して
KnativeEventing
オブジェクトを設定する場合は、Knative Eventing デプロイメントについて実装する必要のある変更を YAML に加えます。
- Create をクリックします。
-
Knative Eventing のインストール後に、
KnativeEventing
オブジェクトが作成され、Knative Eventing タブに自動的にダイレクトされます。リソースの一覧にknative-eventing
リソースが表示されます。
検証
-
Knative Eventing タブで
knative-eventing
カスタムリソースをクリックします。 Knative Eventing Overview ページに自動的にダイレクトされます。
- スクロールダウンして、Conditions の一覧を確認します。
ステータスが True の条件の一覧が表示されます (例のイメージを参照)。
注記Knative Eventing リソースが作成されるまでに数秒の時間がかかる場合があります。Resources タブでステータスを確認できます。
- 条件のステータスが Unknown または False である場合は、しばらく待ってから、リソースが作成されたことを再度確認します。
3.5.2. YAML を使用した Knative Eventing のインストール
OpenShift Serverless Operator をインストールした後、デフォルトの設定で Knative Eventing をインストールするか、KnativeEventing
カスタムリソース (CR) でより高度な設定を行うことが可能です。YAML ファイルと oc
CLI を利用して、以下の手順で Knative Eventing をインストールすることができます。
前提条件
- クラスター管理者のアクセスを持つ OpenShift Container Platform アカウントを使用できる。
- OpenShift Serverless Operator がインストールされている。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
-
eventing.yaml
という名前のファイルを作成します。 以下のサンプル YAML を
eventing.yaml
にコピーします。apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeEventing metadata: name: knative-eventing namespace: knative-eventing
- オプション:Knative Eventing デプロイメントについて実装する必要のある変更を YAML に加えます。
以下を入力して
eventing.yaml
ファイルを適用します。$ oc apply -f eventing.yaml
検証
以下のコマンドを入力して出力を確認し、インストールが完了したことを確認します。
$ oc get knativeeventing.operator.knative.dev/knative-eventing \ -n knative-eventing \ --template='{{range .status.conditions}}{{printf "%s=%s\n" .type .status}}{{end}}'
出力例
InstallSucceeded=True Ready=True
注記Knative Eventing リソースが作成されるまでに数秒の時間がかかる場合があります。
-
条件のステータスが
Unknown
またはFalse
である場合は、しばらく待ってから、リソースが作成されたことを再度確認します。 以下のコマンドを実行して Knative Eventing リソースが作成されていることを確認します。
$ oc get pods -n knative-eventing
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE broker-controller-58765d9d49-g9zp6 1/1 Running 0 7m21s eventing-controller-65fdd66b54-jw7bh 1/1 Running 0 7m31s eventing-webhook-57fd74b5bd-kvhlz 1/1 Running 0 7m31s imc-controller-5b75d458fc-ptvm2 1/1 Running 0 7m19s imc-dispatcher-64f6d5fccb-kkc4c 1/1 Running 0 7m18s
3.5.3. Apache Kafka の Knative ブローカーのインストール
Apache Kafka の Knative ブローカー実装では、サポートされているバージョンの Apache Kafka メッセージストリーミングプラットフォームを OpenShift Serverless で使用できるように、統合オプションが提供されています。KnativeKafka
カスタムリソースをインストールしている場合、Apache Kafka 機能の Knative ブローカーは OpenShift Serverless インストールで使用できます。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Eventing がクラスターにインストールされていること。
- Red Hat AMQ Streams クラスターにアクセスできる。
-
検証手順を使用する場合は、OpenShift CLI (
oc
) をインストールします。
- OpenShift Container Platform のクラスター管理者パーミッションがある。
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
手順
- Administrator パースペクティブで、Operators → Installed Operators に移動します。
- ページ上部の Project ドロップダウンメニューが Project: knative-eventing に設定されていることを確認します。
- OpenShift Serverless Operator の Provided APIs の一覧で Knative Kafka ボックスを見つけ、Create Instance をクリックします。
Create Knative Kafka ページで KnativeKafka オブジェクトを設定します。
重要クラスターで Kafka チャネル、ソース、ブローカー、またはシンクを使用するには、使用するオプションの 有効な スイッチを true に切り替える必要があります。これらのスイッチは、デフォルトで false に設定されます。さらに、Kafka チャネル、ブローカー、またはシンクを使用するには、ブートストラップサーバーを指定する必要があります。
KnativeKafka
カスタムリソースの例apiVersion: operator.serverless.openshift.io/v1alpha1 kind: KnativeKafka metadata: name: knative-kafka namespace: knative-eventing spec: channel: enabled: true 1 bootstrapServers: <bootstrap_servers> 2 source: enabled: true 3 broker: enabled: true 4 defaultConfig: bootstrapServers: <bootstrap_servers> 5 numPartitions: <num_partitions> 6 replicationFactor: <replication_factor> 7 sink: enabled: true 8
- 1
- 開発者はクラスターで
KafkaChannel
チャネルを使用できます。 - 2
- AMQ Streams クラスターからのブートストラップサーバーのコンマ区切りの一覧。
- 3
- 開発者はクラスターで
KafkaSource
イベントソースタイプを使用できます。 - 4
- 開発者はクラスターで Apache Kafka 用の Knative ブローカー実装を使用できます。
- 5
- Red Hat AMQ Streams クラスターからのブートストラップサーバーのコンマ区切りリスト。
- 6
Broker
オブジェクトでサポートされる Kafka トピックのパーティション数を定義します。デフォルトは10
です。- 7
Broker
オブジェクトでサポートされる Kafka トピックのレプリケーション係数を定義します。デフォルトは3
です。- 8
- 開発者がクラスター内で Kafka シンクを使用できるようにします。
注記replicationFactor
の値は、Red Hat AMQ Streams クラスターのノード数以下である必要があります。- KnativeKafka オブジェクトの作成を完全に制御する必要がない単純な設定に、このフォームの使用が推奨されます。
- KnativeKafka オブジェクトの作成を完全に制御する必要のあるより複雑な設定には、YAML の編集が推奨されます。YAML にアクセスするには、Create Knative Kafka ページの右上にある Edit YAML リンクをクリックします。
- Kafka のオプションの設定が完了したら、Create をクリックします。Knative Kafka タブに自動的にダイレクトされます。ここで、knative-kafka はリソースの一覧にあります。
検証
- Knative Kafka タブで knative-kafka リソースをクリックします。Knative Kafka Overview ページに自動的にダイレクトされます。
リソースの Conditions (状態) の一覧を表示し、それらのステータスが True であることを確認します。
状態のステータスが Unknown または False である場合は、ページを更新するためにしばらく待機します。
Apache Kafka リソースの Knative ブローカーが作成されたことを確認します。
$ oc get pods -n knative-eventing
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE kafka-broker-dispatcher-7769fbbcbb-xgffn 2/2 Running 0 44s kafka-broker-receiver-5fb56f7656-fhq8d 2/2 Running 0 44s kafka-channel-dispatcher-84fd6cb7f9-k2tjv 2/2 Running 0 44s kafka-channel-receiver-9b7f795d5-c76xr 2/2 Running 0 44s kafka-controller-6f95659bf6-trd6r 2/2 Running 0 44s kafka-source-dispatcher-6bf98bdfff-8bcsn 2/2 Running 0 44s kafka-webhook-eventing-68dc95d54b-825xs 2/2 Running 0 44s
3.5.4. 次のステップ
- Knative サービスを使用する場合は、Knative Serving をインストールできます。
3.6. Apache Kafka の Knative ブローカーの設定
Apache Kafka の Knative ブローカー実装では、サポートされているバージョンの Apache Kafka メッセージストリーミングプラットフォームを OpenShift Serverless で使用できるように、統合オプションが提供されています。Kafka は、イベントソース、チャネル、ブローカー、およびイベントシンク機能のオプションを提供します。
OpenShift Serverless のコアインストールの一部として提供される Knative Eventing コンポーネントの他に、クラスター管理者は KnativeKafka
カスタムリソース (CR) をインストールできます。
KnativeKafka
CR は、ユーザーに以下のような追加オプションを提供します。
- Kafka ソース
- Kafka チャネル
- Kafka ブローカー
- Kafka シンク
3.7. OpenShift Serverless Functions の設定
アプリケーションコードのデプロイプロセスを改善するために、OpenShift Serverless を使用して、ステートレスでイベント駆動型の関数を Knative サービスとして OpenShift Container Platform にデプロイできます。関数を開発する場合は、セットアップ手順を完了する必要があります。
3.7.1. 前提条件
クラスターで OpenShift Serverless Functions の使用を有効にするには、以下の手順を実行する必要があります。
OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされている。
注記関数は Knative サービスとしてデプロイされます。関数でイベント駆動型のアーキテクチャーを使用する必要がある場合は、Knative Eventing もインストールする必要があります。
-
oc
CLI CLI がインストールされている。 -
Knative (
kn
) CLI がインストールされている。Knative CLI をインストールすると、関数の作成および管理に使用できるkn func
コマンドを使用できます。 - Docker Container Engine または Podman バージョン 3.4.7 以降がインストールされている。
- OpenShift Container Registry などの利用可能なイメージレジストリーにアクセスできる。
- Quay.io をイメージレジストリーとして使用する場合は、リポジトリーがプライベートではないか確認するか、OpenShift Container Platform ドキュメント Pod が他のセキュアなレジストリーからイメージを参照できるようにする設定 に従っていることを確認する必要があります。
- OpenShift Container レジストリーを使用している場合には、クラスター管理者は レジストリーを公開する 必要があります。
3.7.2. Podman の設定
高度なコンテナー管理機能を使用するには、OpenShift Serverless Functions で Podman を使用することをお勧めします。そのためには、Podman サービスを開始し、それに接続するように Knative (kn
) CLI を設定する必要があります。
手順
${XDG_RUNTIME_DIR}/podman/podman.sock
で、UNIX ソケットで Docker API を提供する Podman サービスを起動します。$ systemctl start --user podman.socket
注記多くのシステムでは、このソケットは
/run/user/$(id -u)/podman/podman.sock
にあります。関数のビルドに使用する環境変数を確立します。
$ export DOCKER_HOST="unix://${XDG_RUNTIME_DIR}/podman/podman.sock"
-v
フラグを指定して、関数プロジェクトディレクトリー内で build コマンドを実行し、詳細な出力を表示します。ローカルの UNIX ソケットへの接続が表示されるはずです。$ kn func build -v
3.7.3. macOS での Podman のセットアップ
高度なコンテナー管理機能を使用するには、OpenShift Serverless Functions で Podman を使用することをお勧めします。macOS でこれを行うには、Podman マシンを起動し、それに接続するように Knative (kn
) CLI を設定する必要があります。
手順
Podman マシンを作成します。
$ podman machine init --memory=8192 --cpus=2 --disk-size=20
UNIX ソケットで Docker API を提供する Podman マシンを開始します。
$ podman machine start Starting machine "podman-machine-default" Waiting for VM ... Mounting volume... /Users/myuser:/Users/user [...truncated output...] You can still connect Docker API clients by setting DOCKER_HOST using the following command in your terminal session: export DOCKER_HOST='unix:///Users/myuser/.local/share/containers/podman/machine/podman-machine-default/podman.sock' Machine "podman-machine-default" started successfully
注記ほとんどの macOS システムでは、このソケットは
/Users/myuser/.local/share/containers/podman/machine/podman-machine-default/podman.sock
にあります。関数のビルドに使用する環境変数を確立します。
$ export DOCKER_HOST='unix:///Users/myuser/.local/share/containers/podman/machine/podman-machine-default/podman.sock'
-v
フラグを指定して、関数プロジェクトディレクトリー内で build コマンドを実行し、詳細な出力を表示します。ローカルの UNIX ソケットへの接続が表示されるはずです。$ kn func build -v
3.7.4. 次のステップ
- Docker Container Engine または Podman の詳細は、コンテナービルドツールのオプション を参照してください。
- 関数を使い始めるを参照してください。
3.8. Serverless のアップグレード
OpenShift Serverless は、リリースバージョンをスキップせずにアップグレードする必要があります。本セクションでは、アップグレードに関する問題を解決する方法を説明します。
3.8.1. OpenShift Serverless Operator のアップグレードの失敗の解決
たとえば、手動のアンインストールや再インストールの実行時に、OpenShift Serverless Operator のアップグレード時にエラーが発生する可能性があります。エラーが発生した場合は、OpenShift Serverless Operator を手動で再インストールする必要があります。
手順
最初に OpenShift Serverless リリースノートを検索してインストールされた OpenShift Serverless Operator のバージョンを特定します。
たとえば、アップグレードの試行時のエラーメッセージには以下の文字列が含まれる場合があります。
The installed KnativeServing version is v1.5.0.
この例では、KnativeServing
MAJOR.MINOR
バージョンは1.5
です。これは、OpenShift Serverless 1.26 のリリースノートで説明されています: OpenShift Serverless は Knative Serving 1.5 を使用するようになりました。- OpenShift Serverless Operator とそのすべてのインストール計画をアンインストールします。
最初の手順で検出された OpenShift Serverless Operator のバージョンを手動でインストールします。インストールするには、以下の例のように
serverless-subscription.yaml
ファイルを作成します。apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1 kind: Subscription metadata: name: serverless-operator namespace: openshift-serverless spec: channel: stable name: serverless-operator source: redhat-operators sourceNamespace: openshift-marketplace installPlanApproval: Manual startingCSV: serverless-operator.v1.26.0
次に、以下のコマンドを実行してサブスクリプションをインストールします。
$ oc apply -f serverless-subscription.yaml
- アップグレードインストールプランが表示される際に手動で承認してアップグレードします。
第4章 Serving
4.1. Knative Serving を使い始める
4.1.1. Serverless アプリケーション
サーバーレスアプリケーションは、ルートと設定で定義され、YAML ファイルに含まれる Kubernetes サービスとして作成およびデプロイされます。OpenShift Serverless を使用してサーバーレスアプリケーションをデプロイするには、Knative Service
オブジェクトを作成する必要があります。
Knative Service
オブジェクトの YAML ファイルの例
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: hello 1 namespace: default 2 spec: template: spec: containers: - image: docker.io/openshift/hello-openshift 3 env: - name: RESPONSE 4 value: "Hello Serverless!"
以下の方法のいずれかを使用してサーバーレスアプリケーションを作成できます。
OpenShift Container Platform Web コンソールからの Knative サービスの作成
詳細は、Creating applications using the Developer perspective を参照してください。
-
Knative (
kn
) CLI を使用して Knative サービスを作成します。 -
oc
CLI を使用して、KnativeService
オブジェクトを YAML ファイルとして作成し、適用します。
4.1.1.1. Knative CLI を使用したサーバーレスアプリケーションの作成
Knative (kn
) CLI を使用してサーバーレスアプリケーションを作成すると、YAML ファイルを直接修正するよりも合理的で直感的なユーザーインターフェイスが得られます。kn service create
コマンドを使用して、基本的なサーバーレスアプリケーションを作成できます。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされていること。
-
Knative (
kn
) CLI をインストールしている。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
手順
Knative サービスを作成します。
$ kn service create <service-name> --image <image> --tag <tag-value>
ここでは、以下のようになります。
-
--image
は、アプリケーションのイメージの URI です。 --tag
は、サービスで作成される初期リビジョンにタグを追加するために使用できるオプションのフラグです。コマンドの例
$ kn service create event-display \ --image quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display:latest
出力例
Creating service 'event-display' in namespace 'default': 0.271s The Route is still working to reflect the latest desired specification. 0.580s Configuration "event-display" is waiting for a Revision to become ready. 3.857s ... 3.861s Ingress has not yet been reconciled. 4.270s Ready to serve. Service 'event-display' created with latest revision 'event-display-bxshg-1' and URL: http://event-display-default.apps-crc.testing
-
4.1.1.2. YAML を使用したサーバーレスアプリケーションの作成
YAML ファイルを使用して Knative リソースを作成する場合、宣言的 API を使用するため、再現性の高い方法でアプリケーションを宣言的に記述することができます。YAML を使用してサーバーレスアプリケーションを作成するには、Knative Service
を定義する YAML ファイルを作成し、oc apply
を使用してこれを適用する必要があります。
サービスが作成され、アプリケーションがデプロイされると、Knative はこのバージョンのアプリケーションのイミュータブルなリビジョンを作成します。また、Knative はネットワークプログラミングを実行し、アプリケーションのルート、ingress、サービスおよびロードバランサーを作成し、Pod をトラフィックに基づいて自動的にスケールアップ/ダウンします。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされていること。
- OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
以下のサンプルコードを含む YAML ファイルを作成します。
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: event-delivery namespace: default spec: template: spec: containers: - image: quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display:latest env: - name: RESPONSE value: "Hello Serverless!"
YAML ファイルが含まれるディレクトリーに移動し、YAML ファイルを適用してアプリケーションをデプロイします。
$ oc apply -f <filename>
OpenShift Container Platform Web コンソールで Developer パースペクティブに切り替えたくない場合、または Knative (kn
) CLI または YAML ファイルを使用したくない場合は、OpenShift Container PlatformWeb コンソールの Administator パースペクティブを使用して Knative コンポーネントを作成できます。
4.1.1.3. Administrator パースペクティブを使用したサーバーレスアプリケーションの作成
サーバーレスアプリケーションは、ルートと設定で定義され、YAML ファイルに含まれる Kubernetes サービスとして作成およびデプロイされます。OpenShift Serverless を使用してサーバーレスアプリケーションをデプロイするには、Knative Service
オブジェクトを作成する必要があります。
Knative Service
オブジェクトの YAML ファイルの例
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: hello 1 namespace: default 2 spec: template: spec: containers: - image: docker.io/openshift/hello-openshift 3 env: - name: RESPONSE 4 value: "Hello Serverless!"
サービスが作成され、アプリケーションがデプロイされると、Knative はこのバージョンのアプリケーションのイミュータブルなリビジョンを作成します。また、Knative はネットワークプログラミングを実行し、アプリケーションのルート、ingress、サービスおよびロードバランサーを作成し、Pod をトラフィックに基づいて自動的にスケールアップ/ダウンします。
前提条件
Administrator パースペクティブを使用してサーバーレスアプリケーションを作成するには、以下の手順を完了していることを確認してください。
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がインストールされていること。
- Web コンソールにログインしており、Administrator パースペクティブを使用している。
手順
- Serverless → Serving ページに移動します。
- Create 一覧で、Service を選択します。
- YAML または JSON 定義を手動で入力するか、またはファイルをエディターにドラッグし、ドロップします。
- Create をクリックします。
4.1.1.4. オフラインモードを使用したサービスの作成
オフラインモードで kn service
コマンドを実行すると、クラスター上で変更は発生せず、代わりにサービス記述子ファイルがローカルマシンに作成されます。記述子ファイルを作成した後、クラスターに変更を伝播する前にファイルを変更することができます。
Knative CLI のオフラインモードはテクノロジープレビュー機能としてのみご利用いただけます。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされていること。
-
Knative (
kn
) CLI をインストールしている。
手順
オフラインモードでは、ローカルの Knative サービス記述子ファイルを作成します。
$ kn service create event-display \ --image quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display:latest \ --target ./ \ --namespace test
出力例
Service 'event-display' created in namespace 'test'.
--target ./
フラグはオフラインモードを有効にし、./
を新しいディレクトリーツリーを保存するディレクトリーとして指定します。既存のディレクトリーを指定せずに、
--target my-service.yaml
などのファイル名を使用すると、ディレクトリーツリーは作成されません。代わりに、サービス記述子ファイルmy-service.yaml
のみが現在のディレクトリーに作成されます。ファイル名には、
.yaml
、.yml
または.json
拡張子を使用できます。.json
を選択すると、JSON 形式でサービス記述子ファイルが作成されます。--namespace test
オプションは、新規サービスをテスト
namespace に配置します。--namespace
を使用せずに、OpenShift Container Platform クラスターにログインしている場合には、記述子ファイルが現在の namespace に作成されます。それ以外の場合は、記述子ファイルがdefault
の namespace に作成されます。
作成したディレクトリー構造を確認します。
$ tree ./
出力例
./ └── test └── ksvc └── event-display.yaml 2 directories, 1 file
-
--target
で指定する現在の./
ディレクトリーには新しいtest/
ディレクトリーが含まれます。このディレクトリーの名前は、指定の namespace をもとに付けられます。 -
test/
ディレクトリーには、リソースタイプの名前が付けられたksvc
ディレクトリーが含まれます。 -
ksvc
ディレクトリーには、指定のサービス名に従って命名される記述子ファイルevent-display.yaml
が含まれます。
-
生成されたサービス記述子ファイルを確認します。
$ cat test/ksvc/event-display.yaml
出力例
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: creationTimestamp: null name: event-display namespace: test spec: template: metadata: annotations: client.knative.dev/user-image: quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display:latest creationTimestamp: null spec: containers: - image: quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display:latest name: "" resources: {} status: {}
新しいサービスに関する情報を一覧表示します。
$ kn service describe event-display --target ./ --namespace test
出力例
Name: event-display Namespace: test Age: URL: Revisions: Conditions: OK TYPE AGE REASON
--target ./
オプションは、namespace サブディレクトリーを含むディレクトリー構造のルートディレクトリーを指定します。または、
--target
オプションで YAML または JSON ファイルを直接指定できます。使用可能なファイルの拡張子は、.yaml
、.yml
、および.json
です。--namespace
オプションは、namespace を指定し、この namespace は必要なサービス記述子ファイルを含むサブディレクトリーのkn
と通信します。--namespace
を使用せず、OpenShift Container Platform クラスターにログインしている場合には、kn
は現在の namespace をもとに名前が付けられたサブディレクトリーでサービスを検索します。それ以外の場合は、kn
はdefault/
サブディレクトリーで検索します。
サービス記述子ファイルを使用してクラスターでサービスを作成します。
$ kn service create -f test/ksvc/event-display.yaml
出力例
Creating service 'event-display' in namespace 'test': 0.058s The Route is still working to reflect the latest desired specification. 0.098s ... 0.168s Configuration "event-display" is waiting for a Revision to become ready. 23.377s ... 23.419s Ingress has not yet been reconciled. 23.534s Waiting for load balancer to be ready 23.723s Ready to serve. Service 'event-display' created to latest revision 'event-display-00001' is available at URL: http://event-display-test.apps.example.com
4.1.1.5. 関連情報
4.1.2. サーバーレスアプリケーションのデプロイメントの確認
サーバーレスアプリケーションが正常にデプロイされたことを確認するには、Knative によって作成されたアプリケーション URL を取得してから、その URL に要求を送信し、出力を確認する必要があります。OpenShift Serverless は HTTP および HTTPS URL の両方の使用をサポートしますが、oc get ksvc
からの出力は常に http://
形式を使用して URL を出力します。
4.1.2.1. サーバーレスアプリケーションのデプロイメントの確認
サーバーレスアプリケーションが正常にデプロイされたことを確認するには、Knative によって作成されたアプリケーション URL を取得してから、その URL に要求を送信し、出力を確認する必要があります。OpenShift Serverless は HTTP および HTTPS URL の両方の使用をサポートしますが、oc get ksvc
からの出力は常に http://
形式を使用して URL を出力します。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされていること。
-
oc
CLI がインストールされている。 - Knative サービスを作成している。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
アプリケーション URL を検索します。
$ oc get ksvc <service_name>
出力例
NAME URL LATESTCREATED LATESTREADY READY REASON event-delivery http://event-delivery-default.example.com event-delivery-4wsd2 event-delivery-4wsd2 True
クラスターに対して要求を実行し、出力を確認します。
HTTP 要求の例
$ curl http://event-delivery-default.example.com
HTTPS 要求の例
$ curl https://event-delivery-default.example.com
出力例
Hello Serverless!
オプション:証明書チェーンで自己署名証明書に関連するエラーが発生した場合は、curl コマンドに
--insecure
フラグを追加して、エラーを無視できます。$ curl https://event-delivery-default.example.com --insecure
出力例
Hello Serverless!
重要自己署名証明書は、実稼働デプロイメントでは使用しないでください。この方法は、テスト目的にのみ使用されます。
オプション:OpenShift Container Platform クラスターが認証局 (CA) で署名されているが、システムにグローバルに設定されていない証明書で設定されている場合、
curl
コマンドでこれを指定できます。証明書へのパスは、--cacert
フラグを使用して curl コマンドに渡すことができます。$ curl https://event-delivery-default.example.com --cacert <file>
出力例
Hello Serverless!
4.2. 自動スケーリング
4.2.1. 自動スケーリング
Knative Serving は、アプリケーションが受信要求に一致するように、自動スケーリング (autoscaling) を提供します。たとえば、アプリケーションがトラフィックを受信せず、scale-to-zero が有効にされている場合、Knative Serving はアプリケーションをゼロレプリカにスケールダウンします。scale-to-zero が無効になっている場合、アプリケーションはクラスターのアプリケーションに設定された最小のレプリカ数にスケールダウンされます。アプリケーションへのトラフィックが増加したら、要求を満たすようにレプリカをスケールアップすることもできます。
Knative サービスの自動スケーリング設定は、クラスター管理者によって設定されるグローバル設定とすることも、個別サービスに設定されるリビジョンごとの設定とすることもできます。
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して、サービスの YAML ファイルを変更するか、または Knative (kn
) CLI を使用して、サービスのリビジョンごとの設定を変更できます。
サービスに設定した制限またはターゲットは、アプリケーションの単一インスタンスに対して測定されます。たとえば、target
アノテーションを 50
に設定することにより、各リビジョンが一度に 50 の要求を処理できるようアプリケーションをスケーリングするように Autoscaler が設定されます。
4.2.2. スケーリング限度
スケーリング限度は、任意の時点でアプリケーションに対応できる最小および最大のレプリカ数を決定します。アプリケーションのスケーリング限度を設定して、コールドスタートを防止したり、コンピューティングコストを制御したりできます。
4.2.2.1. スケーリング下限
アプリケーションにサービスを提供できるレプリカの最小数は、最小 min-scale
のアノテーションによって決定されます。ゼロへのスケーリングが有効になっていない場合、min-Scale
値のデフォルトは 1
になります。
次の条件が満たされた場合、min-scale
値はデフォルトで 0
レプリカになります。
-
mi-scale
の注釈が設定されていません - ゼロへのスケーリングが有効にされている
-
KPA
クラスが使用されている
min-scale
アノテーションを使用したサービス仕様の例
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: example-service namespace: default spec: template: metadata: annotations: autoscaling.knative.dev/min-scale: "0" ...
4.2.2.1.1. Knative CLI を使用した最小スケール注釈の設定
minScale
アノテーションを設定するために Knative (kn
) CLI を使用すると、YAML ファイルを直接修正するよりも合理的で直感的なユーザーインターフェイスが提供されます。kn service
コマンドを --scale-min
フラグと共に使用して、サービスの --min-scale
値を作成または変更できます。
前提条件
- Knative Serving がクラスターにインストールされている。
-
Knative (
kn
) CLI をインストールしている。
手順
--scale-min
フラグを使用して、サービスのレプリカの最小数を設定します。$ kn service create <service_name> --image <image_uri> --scale-min <integer>
コマンドの例
$ kn service create example-service --image quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display:latest --scale-min 2
4.2.2.2. スケーリング上限
アプリケーションにサービスを提供できるレプリカの最大数は、max-scale
アノテーションによって決定されます。max-scale
アノテーションが設定されていない場合、作成されるレプリカの数に上限はありません。
max-scale
アノテーションを使用したサービス仕様の例
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: example-service namespace: default spec: template: metadata: annotations: autoscaling.knative.dev/max-scale: "10" ...
4.2.2.2.1. Knative CLI を使用した最大スケール注釈の設定
Knative (kn
) CLI を使用して max-scale
のアノテーションを設定すると、YAML ファイルを直接変更する場合に比べ、ユーザーインターフェイスがより合理的で直感的です。--scale-max
フラグを指定して knservice コマンドを使用すると、kn service
の max-scale
値を作成または変更できます。
前提条件
- Knative Serving がクラスターにインストールされている。
-
Knative (
kn
) CLI をインストールしている。
手順
--scale-max
フラグを使用して、サービスのレプリカの最大数を設定します。$ kn service create <service_name> --image <image_uri> --scale-max <integer>
コマンドの例
$ kn service create example-service --image quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display:latest --scale-max 10
4.2.3. 並行処理性
並行処理性は、特定の時点でアプリケーションの各レプリカが処理できる同時リクエストの数を決定します。並行処理性は、ソフトリミットまたはハードリミットのいずれかとして設定できます。
- ソフトリミットは、厳格に強制される限度ではなく、目標となるリクエストの限度です。たとえば、トラフィックの急増が発生した場合、ソフトリミットのターゲットを超過できます。
ハードリミットは、リクエストに対して厳密に適用される上限です。並行処理がハードリミットに達すると、それ以降のリクエストはバッファー処理され、リクエストを実行するのに十分な空き容量ができるまで待機する必要があります。
重要ハードリミット設定の使用は、アプリケーションに明確なユースケースがある場合にのみ推奨されます。ハードリミットを低い値に指定すると、アプリケーションのスループットとレイテンシーに悪影響を与える可能性があり、コールドスタートが発生する可能性があります。
ソフトターゲットとハードリミットを追加することは、Autoscaler は同時リクエストのソフトターゲット数を目標とするが、リクエストの最大数にハードリミット値のハードリミットを課すことを意味します。
ハードリミットの値がソフトリミットの値より小さい場合、実際に処理できる数よりも多くのリクエストを目標にする必要がないため、ソフトリミットの値が低減されます。
4.2.3.1. ソフト並行処理ターゲットの設定
ソフトリミットは、厳格に強制される限度ではなく、目標となるリクエストの限度です。たとえば、トラフィックの急増が発生した場合、ソフトリミットのターゲットを超過できます。autoscaling.knative.dev/target
アノテーションを仕様に設定するか、または正しいフラグを指定して kn service
コマンドを使用して、Knative サービスにソフト並行処理ターゲットを指定できます。
手順
オプション:
Service
カスタムリソースの仕様で Knative サービスにautoscaling.knative.dev/target
アノテーションを設定します。サービス仕様の例
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: example-service namespace: default spec: template: metadata: annotations: autoscaling.knative.dev/target: "200"
オプション:
kn service
コマンドを使用して--concurrency-target
フラグを指定します。$ kn service create <service_name> --image <image_uri> --concurrency-target <integer>
並行処理のターゲットを 50 リクエストに設定したサービスを作成するコマンドの例
$ kn service create example-service --image quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display:latest --concurrency-target 50
4.2.3.2. ハード並行処理リミットの設定
ハード並行処理リミットは、リクエストに対して厳密に適用される上限です。並行処理がハードリミットに達すると、それ以降のリクエストはバッファー処理され、リクエストを実行するのに十分な空き容量ができるまで待機する必要があります。containerConcurrency
仕様を変更するか、または正しいフラグを指定して kn service
コマンドを使用して、Knative サービスにハード並行処理リミットを指定できます。
手順
オプション:
Service
カスタムリソースの仕様で Knative サービスにcontainerConcurrency
仕様を設定します。サービス仕様の例
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: example-service namespace: default spec: template: spec: containerConcurrency: 50
デフォルト値は
0
です。これは、サービスの 1 つのレプリカに一度に流れることができる同時リクエストの数に制限がないことを意味します。0
より大きい値は、サービスの 1 つのレプリカに一度に流れることができるリクエストの正確な数を指定します。この例では、50 リクエストのハード並行処理リミットを有効にします。オプション:
kn service
コマンドを使用して--concurrency-limit
フラグを指定します。$ kn service create <service_name> --image <image_uri> --concurrency-limit <integer>
並行処理のリミットを 50 リクエストに設定したサービスを作成するコマンドの例
$ kn service create example-service --image quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display:latest --concurrency-limit 50
4.2.3.3. 並行処理ターゲットの使用率
この値は、Autoscaler が実際に目標とする並行処理リミットのパーセンテージを指定します。これは、レプリカが実行する ホット度 を指定することとも呼ばれます。これにより、Autoscaler は定義されたハードリミットに達する前にスケールアップできるようになります。
たとえば、containerConcurrency
値が 10 に設定され、target-utilization-percentage
値が 70% に設定されている場合、既存のすべてのレプリカの同時リクエストの平均数が 7 に達すると、オートスケーラーは新しいレプリカを作成します。7 から 10 の番号が付けられたリクエストは引き続き既存のレプリカに送信されますが、containerConcurrency
値に達した後、必要になることを見越して追加のレプリカが開始されます。
target-utilization-percentage アノテーションを使用して設定されたサービスの例
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: example-service namespace: default spec: template: metadata: annotations: autoscaling.knative.dev/target-utilization-percentage: "70" ...
4.2.4. Scale-to-zero
Knative Serving は、アプリケーションが受信要求に一致するように、自動スケーリング (autoscaling) を提供します。
4.2.4.1. scale-to-zero の有効化
enable-scale-to-zero
仕様を使用して、クラスター上のアプリケーションの scale-to-zero をグローバルに有効または無効にすることができます。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされている。
- クラスター管理者パーミッションがある。
- デフォルトの Knative Pod Autoscaler を使用している。Kubernetes Horizontal Pod Autoscaler を使用している場合は、ゼロにスケーリングすることはできません。
手順
KnativeServing
カスタムリソース (CR) のenable-scale-to-zero
仕様を変更します。KnativeServing CR の例
apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeServing metadata: name: knative-serving spec: config: autoscaler: enable-scale-to-zero: "false" 1
- 1
enable-scale-to-zero
仕様は、true
またはfalse
のいずれかです。true に設定すると、scale-to-zero が有効にされます。false に設定すると、アプリケーションは設定された スケーリング下限 にスケールダウンされます。デフォルト値は"true"
です。
4.2.4.2. scale-to-zero 猶予期間の設定
Knative Serving は、アプリケーションの Pod をゼロにスケールダウンします。scale-to-zero-grace-period
仕様を使用して、アプリケーションの最後のレプリカが削除される前に Knative が scale-to-zero 機構が配置されるのを待機する上限時間を定義できます。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされている。
- クラスター管理者パーミッションがある。
- デフォルトの Knative Pod Autoscaler を使用している。Kubernetes Horizontal Pod Autoscaler を使用している場合は、ゼロにスケーリングすることはできません。
手順
KnativeServing
カスタムリソース CR のscale-to-zero-grace-period
仕様を変更します。KnativeServing CR の例
apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeServing metadata: name: knative-serving spec: config: autoscaler: scale-to-zero-grace-period: "30s" 1
- 1
- 猶予期間 (秒単位)。デフォルト値は 30 秒です。
4.3. Serverless アプリケーションの設定
4.3.1. Knative Serving システムのデプロイメント設定のオーバーライド
KnativeServing
カスタムリソース (CR) の deployments
仕様を変更して、特定のデプロイメントのデフォルト設定を上書きできます。
デフォルトでデプロイメントに定義されているプローブのみをオーバーライドできます。
Knative Serving デプロイメントはすべて、以下の例外を除き、デフォルトで readiness および liveness プローブを定義します。
-
net-kourier-controller
および3scale-kourier-gateway
は readiness プローブのみを定義します。 -
net-istio-controller
およびnet-istio-webhook
はプローブを定義しません。
4.3.1.1. システムのデプロイメント設定の上書き
現在、resources
、replicas
、labels
、annotations
、nodeSelector
フィールド、およびプローブの readiness
と liveness
フィールドで、デフォルトの構成設定のオーバーライドがサポートされています。
以下の例では、KnativeServing
CR は webhook
デプロイメントをオーバーライドし、以下を確認します。
-
net-kourier-controller
のreadiness
プローブのタイムアウトは 10 秒に設定されています。 - デプロイメントには、CPU およびメモリーのリソース制限が指定されています。
- デプロイメントには 3 つのレプリカがあります。
-
example-label:labellabel
が追加されました。 -
example-annotation: annotation
が追加されます。 -
nodeSelector
フィールドは、disktype: hdd
ラベルを持つノードを選択するように設定されます。
KnativeServing
CR ラベルおよびアノテーション設定は、デプロイメント自体と結果として生成される Pod の両方のデプロイメントのラベルおよびアノテーションを上書きします。
KnativeServing CR の例
apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1
kind: KnativeServing
metadata:
name: ks
namespace: knative-serving
spec:
high-availability:
replicas: 2
deployments:
- name: net-kourier-controller
readinessProbes: 1
- container: controller
timeoutSeconds: 10
- name: webhook
resources:
- container: webhook
requests:
cpu: 300m
memory: 60Mi
limits:
cpu: 1000m
memory: 1000Mi
replicas: 3
labels:
example-label: label
annotations:
example-annotation: annotation
nodeSelector:
disktype: hdd
- 1
readiness
およびliveness
プローブオーバーライドを使用して、プローブハンドラーに関連するフィールド (exec
、grpc
、httpGet
、およびtcpSocket
) を除き、Kubernetes API で指定されているデプロイメントのコンテナー内のプローブのすべてのフィールドをオーバーライドできます。
4.3.2. Serving のマルチコンテナーサポート
単一の Knative サービスを使用してマルチコンテナー Pod をデプロイできます。この方法は、アプリケーションの役割を小さく特化した部分に分離する場合に便利です。
Serving のマルチコンテナーサポートは、テクノロジープレビュー機能のみとして提供しています。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
4.3.2.1. マルチコンテナーサービスの設定
マルチコンテナーのサポートはデフォルトで有効になっています。サービス内の複数のコンテナーを指定してマルチコンテナー Pod を作成できます。
手順
サービスを変更して、追加のコンテナーを追加します。リクエストを処理できるコンテナーは 1 つだけであるため、
ポート
は 1 つのコンテナーにのみ指定してください。以下は、2 つのコンテナーの設定例です。複数のコンテナー設定
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service ... spec: template: spec: containers: - name: first-container 1 image: gcr.io/knative-samples/helloworld-go ports: - containerPort: 8080 2 - name: second-container 3 image: gcr.io/knative-samples/helloworld-java
4.3.3. EmptyDir ボリューム
emptyDir
ボリュームは、Pod の作成時に作成される空のボリュームであり、一時的な作業ディスク領域を提供するために使用されます。emptyDir
ボリュームは、それらが作成された Pod が削除されると削除されます。
4.3.3.1. EmptyDir 拡張機能の設定
kubernetes.podspec-volumes-emptydir
の拡張は、emptyDir
ボリュームを Knative Serving で使用できるかどうかを制御します。emptyDir
ボリュームの使用を有効にするには、KnativeServing
カスタムリソース (CR) を変更して以下の YAML を追加する必要があります。
KnativeServing CR の例
apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeServing metadata: name: knative-serving spec: config: features: kubernetes.podspec-volumes-emptydir: enabled ...
4.3.4. 配信のための永続ボリューム要求
一部のサーバーレスアプリケーションには、永続的なデータストレージが必要です。これを実現するために、Knative サービスの永続ボリュームクレーム (PVC) を設定できます。
4.3.4.1. PVC サポートの有効化
手順
Knative Serving が PVC を使用して書き込むことができるようにするには、
KnativeServing
カスタムリソース (CR) を変更して次の YAML を含めます。書き込みアクセスで PVC を有効にする
... spec: config: features: "kubernetes.podspec-persistent-volume-claim": enabled "kubernetes.podspec-persistent-volume-write": enabled ...
-
kubernetes.podspec-persistent-volume-claim
拡張機能は、永続ボリューム (PV) を Knative Serving で使用できるかどうかを制御します。 -
kubernetes.podspec-persistent-volume-write
拡張機能は、書き込みアクセスで Knative Serving が PV を利用できるかどうかを制御します。
-
PV を要求するには、PV 設定を含めるようにサービスを変更します。たとえば、次の設定で永続的なボリュームクレームがある場合があります。
注記要求しているアクセスモードをサポートするストレージクラスを使用してください。たとえば、
ReadWriteMany
アクセスモードのocs-storagecluster-cephfs
クラスを使用できます。PersistentVolumeClaim 設定
apiVersion: v1 kind: PersistentVolumeClaim metadata: name: example-pv-claim namespace: my-ns spec: accessModes: - ReadWriteMany storageClassName: ocs-storagecluster-cephfs resources: requests: storage: 1Gi
この場合、書き込みアクセス権を持つ PV を要求するには、次のようにサービスを変更します。
ネイティブサービス PVC 設定
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: namespace: my-ns ... spec: template: spec: containers: ... volumeMounts: 1 - mountPath: /data name: mydata readOnly: false volumes: - name: mydata persistentVolumeClaim: 2 claimName: example-pv-claim readOnly: false 3
注記Knative サービスで永続ストレージを正常に使用するには、Knative コンテナーユーザーのユーザー権限などの追加の設定が必要です。
4.3.4.2. 関連情報
4.3.5. Init コンテナー
Init コンテナー は、Pod 内のアプリケーションコンテナーの前に実行される特殊なコンテナーです。これらは通常、アプリケーションの初期化ロジックを実装するために使用されます。これには、セットアップスクリプトの実行や、必要な設定のダウンロードが含まれる場合があります。KnativeServing
カスタムリソース (CR) を変更することにより、Knative サービスの init コンテナーの使用を有効にできます。
Init コンテナーを使用すると、アプリケーションの起動時間が長くなる可能性があるため、頻繁にスケールアップおよびスケールダウンすることが予想されるサーバーレスアプリケーションには注意して使用する必要があります。
4.3.5.1. init コンテナーの有効化
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされている。
- クラスター管理者パーミッションがある。
手順
KnativeServing
CR にkubernetes.podspec-init-containers
フラグを追加して、init コンテナーの使用を有効にします。KnativeServing CR の例
apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeServing metadata: name: knative-serving spec: config: features: kubernetes.podspec-init-containers: enabled ...
4.3.6. イメージタグのダイジェストへの解決
Knative Serving コントローラーがコンテナーレジストリーにアクセスできる場合、Knative Serving は、サービスのリビジョンを作成するときにイメージタグをダイジェストに解決します。これはタグからダイジェストへの解決と呼ばれ、デプロイメントの一貫性を提供するのに役立ちます。
4.3.6.1. タグからダイジェストへの解決
コントローラーに OpenShift Container Platform のコンテナーレジストリーへのアクセスを許可するには、シークレットを作成してから、コントローラーのカスタム証明書を設定する必要があります。KnativeServing
カスタムリソース (CR) の controller-custom-certs
仕様を変更することにより、コントローラーカスタム証明書を設定できます。シークレットは、KnativeServing
CR と同じ namespace に存在する必要があります。
シークレットが KnativeServing
CR に含まれていない場合、この設定はデフォルトで公開鍵インフラストラクチャー (PKI) を使用します。PKI を使用する場合、クラスター全体の証明書は、config-service-sa
Config Map を使用して KnativeServing コントローラーに自動的に挿入されます。OpenShift Serverless Operator は、config-service-sa
Config Map にクラスター全体の証明書を設定し、Config Map をボリュームとしてコントローラーにマウントします。
4.3.6.1.1. シークレットを使用したタグからダイジェストへの解決の設定
controller-custom-certs
仕様で Secret
タイプが使用されている場合、シークレットはシークレットボリュームとしてマウントされます。シークレットに必要な証明書があると仮定すると、ネイティブコンポーネントはシークレットを直接消費します。
前提条件
- OpenShift Container Platform のクラスター管理者パーミッションがある。
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされている。
手順
シークレットを作成します。
コマンドの例
$ oc -n knative-serving create secret generic custom-secret --from-file=<secret_name>.crt=<path_to_certificate>
Secret
タイプを使用するように、KnativeServing
カスタムリソース (CR) でcontroller-custom-certs
仕様を設定します。KnativeServing CR の例
apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeServing metadata: name: knative-serving namespace: knative-serving spec: controller-custom-certs: name: custom-secret type: Secret
4.3.7. TLS 認証の設定
Transport Layer Security (TLS) を使用して、Knative トラフィックを暗号化し、認証することができます。
TLS は、Knative Kafka のトラフィック暗号化でサポートされている唯一の方法です。Red Hat は、Apache Kafka リソースの Knative ブローカーに SASL と TLS の両方を併用することを推奨します。
Red Hat OpenShift Service Mesh 統合で内部 TLS を有効にする場合は、以下の手順で説明する内部暗号化の代わりに、mTLS で Service Mesh を有効にする必要があります。 mTLS で Service Mesh を使用する場合の Knative Serving メトリクスの有効化 に関するドキュメントを参照してください。
4.3.7.1. 内部トラフィックの TLS 認証を有効にする
OpenShift Serverless はデフォルトで TLS エッジターミネーションをサポートしているため、エンドユーザーからの HTTPS トラフィックは暗号化されます。ただし、OpenShift ルートの背後にある内部トラフィックは、プレーンデータを使用してアプリケーションに転送されます。内部トラフィックに対して TLS を有効にすることで、コンポーネント間で送信されるトラフィックが暗号化され、このトラフィックがより安全になります。
Red Hat OpenShift Service Mesh 統合で内部 TLS を有効にする場合は、以下の手順で説明する内部暗号化の代わりに、mTLS で Service Mesh を有効にする必要があります。
内部 TLS 暗号化のサポートは、テクノロジープレビュー機能のみです。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がインストールされていること。
-
OpenShift (
oc
) CLI がインストールされている。
手順
仕様に
internal-encryption: "true"
フィールドを含む Knative サービスを作成します。... spec: config: network: internal-encryption: "true" ...
knative-serving
namespace でアクティベーター Pod を再起動して、証明書を読み込みます。$ oc delete pod -n knative-serving --selector app=activator
4.3.8. 制限のあるネットワークポリシー
4.3.8.1. 制限のあるネットワークポリシーを持つクラスター
複数のユーザーがアクセスできるクラスターを使用している場合、クラスターはネットワークポリシーを使用してネットワーク経由で相互に通信できる Pod、サービス、および namespace を制御する可能性があります。クラスターで制限的なネットワークポリシーを使用する場合は、Knative システム Pod が Knative アプリケーションにアクセスできない可能性があります。たとえば、namespace に、すべての要求を拒否する以下のネットワークポリシーがある場合、Knative システム Pod は Knative アプリケーションにアクセスできません。
namespace へのすべての要求を拒否する NetworkPolicy オブジェクトの例
kind: NetworkPolicy apiVersion: networking.k8s.io/v1 metadata: name: deny-by-default namespace: example-namespace spec: podSelector: ingress: []
4.3.8.2. 制限のあるネットワークポリシーを持つクラスターでの Knative アプリケーションとの通信の有効化
Knative システム Pod からアプリケーションへのアクセスを許可するには、ラベルを各 Knative システム namespace に追加し、このラベルを持つ他の namespace の namespace へのアクセスを許可する アプリケーション namespace に NetworkPolicy
オブジェクトを作成する必要があります。
クラスターの非 Knative サービスへの要求を拒否するネットワークポリシーは、これらのサービスへのアクセスを防止するネットワークポリシーです。ただし、Knative システム namespace から Knative アプリケーションへのアクセスを許可することにより、クラスターのすべての namespace から Knative アプリケーションへのアクセスを許可する必要があります。
クラスターのすべての namespace から Knative アプリケーションへのアクセスを許可しない場合は、代わりに Knative サービスの JSON Web Token 認証 を使用するようにしてください。Knative サービスの JSON Web トークン認証にはサービスメッシュが必要です。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされていること。
手順
アプリケーションへのアクセスを必要とする各 Knative システム namespace に
knative.openshift.io/system-namespace=true
ラベルを追加します。knative-serving
namespace にラベルを付けます。$ oc label namespace knative-serving knative.openshift.io/system-namespace=true
knative-serving-ingress
namespace にラベルを付けます。$ oc label namespace knative-serving-ingress knative.openshift.io/system-namespace=true
knative-eventing namespace
にラベルを付けます。$ oc label namespace knative-eventing knative.openshift.io/system-namespace=true
knative-kafka namespace
にラベルを付けます。$ oc label namespace knative-kafka knative.openshift.io/system-namespace=true
アプリケーション namespace で
NetworkPolicy
オブジェクトを作成し、knative.openshift.io/system-namespace
ラベルのある namespace からのアクセスを許可します。サンプル
NetworkPolicy
オブジェクトapiVersion: networking.k8s.io/v1 kind: NetworkPolicy metadata: name: <network_policy_name> 1 namespace: <namespace> 2 spec: ingress: - from: - namespaceSelector: matchLabels: knative.openshift.io/system-namespace: "true" podSelector: {} policyTypes: - Ingress
4.4. トラフィック分割
4.4.1. トラフィック分割の概要
Knative アプリケーションでは、トラフィック分割を作成することでトラフィックを管理できます。トラフィック分割は、Knative サービスによって管理されるルートの一部として設定されます。

ルートを設定すると、サービスのさまざまなリビジョンにリクエストを送信できます。このルーティングは、Service
オブジェクトの traffic
仕様によって決定されます。
traffic
仕様宣言は、1 つ以上のリビジョンで設定され、それぞれがトラフィック全体の一部を処理する責任があります。各リビジョンにルーティングされるトラフィックの割合は、合計で 100% になる必要があります。これは、Knative 検証によって保証されます。
traffic
仕様で指定されたリビジョンは、固定の名前付きリビジョンにすることも、サービスのすべてのリビジョンのリストの先頭を追跡する最新のリビジョンを指すこともできます。最新のリビジョンは、新しいリビジョンが作成された場合に更新される一種のフローティング参照です。各リビジョンには、そのリビジョンの追加のアクセス URL を作成するタグを付けることができます。
traffic
仕様は次の方法で変更できます。
-
Service
オブジェクトの YAML を直接編集します。 -
Knative (
kn
) CLI--traffic
フラグを使用します。 - OpenShift Container Platform Web コンソールの使用
Knative サービスの作成時に、デフォルトの traffic
仕様設定は含まれません。
4.4.2. トラフィックスペックの例
以下の例は、トラフィックの 100% がサービスの最新リビジョンにルーティングされる traffic
仕様を示しています。status
では、latestRevision
が解決する最新リビジョンの名前を確認できます。
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: example-service namespace: default spec: ... traffic: - latestRevision: true percent: 100 status: ... traffic: - percent: 100 revisionName: example-service
以下の例は、トラフィックの 100% が current
としてタグ付けされたリビジョンにルーティングされ、そのリビジョンの名前が example-service
として指定される traffic
仕様を示しています。latest
とタグ付けされたリビジョンは、トラフィックが宛先にルーティングされない場合でも、利用可能な状態になります。
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: example-service namespace: default spec: ... traffic: - tag: current revisionName: example-service percent: 100 - tag: latest latestRevision: true percent: 0
以下の例は、トラフィックが複数のリビジョン間で分割されるように、traffic
仕様のリビジョンの一覧を拡張する方法を示しています。この例では、トラフィックの 50% を、current
としてタグ付けされたリビジョンに送信します。また、candidate
としてタグ付けされたリビジョンにトラフィックの 50% を送信します。latest
とタグ付けされたリビジョンは、トラフィックが宛先にルーティングされない場合でも、利用可能な状態になります。
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: example-service namespace: default spec: ... traffic: - tag: current revisionName: example-service-1 percent: 50 - tag: candidate revisionName: example-service-2 percent: 50 - tag: latest latestRevision: true percent: 0
4.4.3. Knative CLI を使用したトラフィック分割
Knative (kn
) CLI を使用してトラフィック分割を作成すると、YAML ファイルを直接変更するよりも合理的で直感的なユーザーインターフェイスが提供されます。kn service update
コマンドを使用して、サービスのリビジョン間でトラフィックを分割できます。
4.4.3.1. KnativeCLI を使用してトラフィック分割を作成する
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされている。
-
Knative (
kn
) CLI をインストールしている。 - Knative サービスを作成している。
手順
標準の
kn service update
コマンドで--traffic
タグを使用して、サービスのリビジョンとそれにルーティングするトラフィックの割合を指定します。コマンドの例
$ kn service update <service_name> --traffic <revision>=<percentage>
ここでは、以下のようになります。
-
<service_name>
は、トラフィックルーティングを設定する Knative サービスの名前です。 -
<revision>
は、一定の割合のトラフィックを受信するように設定するリビジョンです。リビジョンの名前、または--tag
フラグを使用してリビジョンに割り当てたタグのいずれかを指定できます。 -
<percentage>
は、指定されたリビジョンに送信するトラフィックのパーセンテージです。
-
オプション:
--traffic
フラグは、1 つのコマンドで複数回指定できます。たとえば、@latest
というタグの付いたリビジョンとstable
という名前のリビジョンがある場合、次のように各リビジョンに分割するトラフィックの割合を指定できます。コマンドの例
$ kn service update example-service --traffic @latest=20,stable=80
複数のリビジョンがあり、最後のリビジョンに分割する必要があるトラフィックの割合を指定しない場合、
-traffic
フラグはこれを自動的に計算できます。たとえば、example
という名前の 3 番目のリビジョンがあり、次のコマンドを使用する場合:コマンドの例
$ kn service update example-service --traffic @latest=10,stable=60
トラフィックの残りの 30% は、指定されていなくても、
example
リビジョンに分割されます。
4.4.4. トラフィック分割の CLI フラグ
Knative (kn
) CLI は kn service update
コマンドの一環として、サービスのトラフィックブロックでのトラフィック操作をサポートします。
4.4.4.1. Knative CLI トラフィック分割フラグ
以下の表は、トラフィック分割フラグ、値の形式、およびフラグが実行する操作の概要を表示しています。Repetition 列は、フラグの特定の値が kn service update
コマンドで許可されるかどうかを示します。
フラグ | 値 | 操作 | 繰り返し |
---|---|---|---|
|
|
| はい |
|
|
| はい |
|
|
| いいえ |
|
|
| はい |
|
|
| いいえ |
|
|
リビジョンから | はい |
4.4.4.1.1. 複数のフラグおよび順序の優先順位
すべてのトラフィック関連のフラグは、単一の kn service update
コマンドを使用して指定できます。kn
は、これらのフラグの優先順位を定義します。コマンドの使用時に指定されるフラグの順番は考慮に入れられません。
kn
で評価されるフラグの優先順位は以下のとおりです。
-
--untag
: このフラグで参照されるすべてのリビジョンはトラフィックブロックから削除されます。 -
--tag
: リビジョンはトラフィックブロックで指定されるようにタグ付けされます。 -
--traffic
: 参照されるリビジョンには、分割されたトラフィックの一部が割り当てられます。
タグをリビジョンに追加してから、設定したタグに応じてトラフィックを分割することができます。
4.4.4.1.2. リビジョンのカスタム URL
kn service update
コマンドを使用して --tag
フラグをサービスに割り当てると、サービスの更新時に作成されるリビジョンのカスタム URL が作成されます。カスタム URL は、https://<tag>-<service_name>-<namespace>.<domain>
パターンまたは http://<tag>-<service_name>-<namespace>.<domain>
パターンに従います。
--tag
フラグおよび --untag
フラグは以下の構文を使用します。
- 1 つの値が必要です。
- サービスのトラフィックブロックに一意のタグを示します。
- 1 つのコマンドで複数回指定できます。
4.4.4.1.2.1. 例: リビジョンへのタグの割り当て
以下の例では、タグ latest
を、example-revision
という名前のリビジョンに割り当てます。
$ kn service update <service_name> --tag @latest=example-tag
4.4.4.1.2.2. 例: リビジョンからのタグの削除
--untag
フラグを使用して、カスタム URL を削除するタグを削除できます。
リビジョンのタグが削除され、トラフィックの 0% が割り当てられる場合、リビジョンはトラフィックブロックから完全に削除されます。
以下のコマンドは、example-revision
という名前のリビジョンからすべてのタグを削除します。
$ kn service update <service_name> --untag example-tag
4.4.5. リビジョン間でのトラフィックの分割
サーバーレスアプリケーションの作成後、アプリケーションは OpenShift Container Platform Web コンソールの Developer パースペクティブの Topology ビューに表示されます。アプリケーションのリビジョンはノードによって表され、Knative サービスはノードの周りの四角形のマークが付けられます。
コードまたはサービス設定の新たな変更により、特定のタイミングでコードのスナップショットである新規リビジョンが作成されます。サービスの場合、必要に応じてこれを分割し、異なるリビジョンにルーティングして、サービスのリビジョン間のトラフィックを管理することができます。
4.4.5.1. OpenShift Container Platform Web コンソールを使用したリビジョン間のトラフィックの管理
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされている。
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
手順
Topology ビューでアプリケーションの複数のリビジョン間でトラフィックを分割するには、以下を行います。
- Knative サービスをクリックし、サイドパネルの概要を表示します。
Resources タブをクリックして、サービスの Revisions および Routes の一覧を表示します。
図4.1 Serverless アプリケーション
- サイドパネルの上部にある S アイコンで示されるサービスをクリックし、サービスの詳細の概要を確認します。
-
YAML タブをクリックし、YAML エディターでサービス設定を変更し、Save をクリックします。たとえば、
timeoutseconds
を 300 から 301 に変更します。この設定の変更により、新規リビジョンがトリガーされます。Topology ビューでは、最新のリビジョンが表示され、サービスの Resources タブに 2 つのリビジョンが表示されるようになります。 Resources タブで Set Traffic Distribution をクリックして、トラフィック分配ダイアログボックスを表示します。
- Splits フィールドに、2 つのリビジョンのそれぞれの分割されたトラフィックパーセンテージを追加します。
- 2 つのリビジョンのカスタム URL を作成するタグを追加します。
Save をクリックし、Topology ビューで 2 つのリビジョンを表す 2 つのノードを表示します。
図4.2 Serverless アプリケーションのリビジョン
4.4.6. ブルーグリーン戦略を使用したトラフィックの再ルーティング
Blue-green デプロイメントストラテジー を使用して、実稼働バージョンのアプリケーションから新規バージョンにトラフィックを安全に再ルーティングすることができます。
4.4.6.1. blue-green デプロイメントストラテジーを使用したトラフィックのルーティングおよび管理
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされている。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
- アプリケーションを Knative サービスとして作成し、デプロイします。
以下のコマンドから出力を表示して、サービスのデプロイ時に作成された最初のリビジョンの名前を検索します。
$ oc get ksvc <service_name> -o=jsonpath='{.status.latestCreatedRevisionName}'
コマンドの例
$ oc get ksvc example-service -o=jsonpath='{.status.latestCreatedRevisionName}'
出力例
$ example-service-00001
以下の YAML をサービスの
spec
に追加して、受信トラフィックをリビジョンに送信します。... spec: traffic: - revisionName: <first_revision_name> percent: 100 # All traffic goes to this revision ...
以下のコマンドを実行して、URL の出力でアプリケーションを表示できることを確認します。
$ oc get ksvc <service_name>
-
サービスの
template
仕様の少なくとも 1 つのフィールドを変更してアプリケーションの 2 番目のリビジョンをデプロイし、これを再デプロイします。たとえば、サービスのimage
やenv
環境変数を変更できます。サービスの再デプロイは、サービスの YAML ファイルを適用するか、Knative (kn
) CLI をインストールしている場合は、kn service update
コマンドを使用します。 以下のコマンドを実行して、サービスを再デプロイする際に作成された 2 番目の最新のリビジョンの名前を見つけます。
$ oc get ksvc <service_name> -o=jsonpath='{.status.latestCreatedRevisionName}'
この時点で、サービスの最初のバージョンと 2 番目のリビジョンの両方がデプロイされ、実行されます。
既存のサービスを更新して、2 番目のリビジョンの新規テストエンドポイントを作成し、他のすべてのトラフィックを最初のリビジョンに送信します。
テストエンドポイントのある更新されたサービス仕様の例
... spec: traffic: - revisionName: <first_revision_name> percent: 100 # All traffic is still being routed to the first revision - revisionName: <second_revision_name> percent: 0 # No traffic is routed to the second revision tag: v2 # A named route ...
YAML リソースを再適用してこのサービスを再デプロイすると、アプリケーションの 番目のリビジョンがステージングされます。トラフィックはメインの URL の 2 番目のリビジョンにルーティングされず、Knative は新たにデプロイされたリビジョンをテストするために
v2
という名前の新規サービスを作成します。以下のコマンドを実行して、2 番目のリビジョンの新規サービスの URL を取得します。
$ oc get ksvc <service_name> --output jsonpath="{.status.traffic[*].url}"
この URL を使用して、トラフィックをルーティングする前に、新しいバージョンのアプリケーションが予想通りに機能していることを検証できます。
既存のサービスを再度更新して、トラフィックの 50% が最初のリビジョンに送信され、50% が 2 番目のリビジョンに送信されます。
リビジョン間でトラフィックを 50/50 に分割する更新サービス仕様の例
... spec: traffic: - revisionName: <first_revision_name> percent: 50 - revisionName: <second_revision_name> percent: 50 tag: v2 ...
すべてのトラフィックを新しいバージョンのアプリケーションにルーティングできる状態になったら、再度サービスを更新して、100% のトラフィックを 2 番目のリビジョンに送信します。
すべてのトラフィックを 2 番目のリビジョンに送信する更新済みのサービス仕様の例
... spec: traffic: - revisionName: <first_revision_name> percent: 0 - revisionName: <second_revision_name> percent: 100 tag: v2 ...
ヒントリビジョンのロールバックを計画しない場合は、これを 0% に設定する代わりに最初のリビジョンを削除できます。その後、ルーティング不可能なリビジョンオブジェクトにはガベージコレクションが行われます。
- 最初のリビジョンの URL にアクセスして、アプリケーションの古いバージョンに送信されていないことを確認します。
4.5. 外部およびイングレスルーティング
4.5.1. ルーティングの概要
Knative は OpenShift Container Platform TLS 終端を使用して Knative サービスのルーティングを提供します。Knative サービスが作成されると、OpenShift Container Platform ルートがサービス用に自動的に作成されます。このルートは OpenShift Serverless Operator によって管理されます。OpenShift Container Platform ルートは、OpenShift Container Platform クラスターと同じドメインで Knative サービスを公開します。
OpenShift Container Platform ルーティングの Operator 制御を無効にすることで、Knative ルートを TLS 証明書を直接使用するように設定できます。
Knative ルートは OpenShift Container Platform ルートと共に使用し、トラフィック分割などの詳細なルーティング機能を提供します。
4.5.1.1. 関連情報
4.5.2. ラベルとアノテーションのカスタマイズ
OpenShift Container Platform ルートは、Knative サービスの metadata
仕様を変更して設定できるカスタムラベルおよびアノテーションの使用をサポートします。カスタムラベルおよびアノテーションはサービスから Knative ルートに伝番され、次に Knative ingress に、最後に OpenShift Container Platform ルートに伝播されます。
4.5.2.1. OpenShift Container Platform ルートのラベルおよびアノテーションのカスタマイズ
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving が OpenShift Container Platform クラスターにインストールされている必要があります。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
OpenShift Container Platform ルートに伝播するラベルまたはアノテーションが含まれる Knative サービスを作成します。
YAML を使用してサービスを作成するには、以下を実行します。
YAML を使用して作成されるサービスの例
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: <service_name> labels: <label_name>: <label_value> annotations: <annotation_name>: <annotation_value> ...
Knative (
kn
) CLI を使用してサービスを作成するには、次のように入力します。kn
コマンドを使用して作成されるサービスの例$ kn service create <service_name> \ --image=<image> \ --annotation <annotation_name>=<annotation_value> \ --label <label_value>=<label_value>
以下のコマンドからの出力を検査して、OpenShift Container Platform ルートが追加したアノテーションまたはラベルで作成されていることを確認します。
検証のコマンドの例
$ oc get routes.route.openshift.io \ -l serving.knative.openshift.io/ingressName=<service_name> \ 1 -l serving.knative.openshift.io/ingressNamespace=<service_namespace> \ 2 -n knative-serving-ingress -o yaml \ | grep -e "<label_name>: \"<label_value>\"" -e "<annotation_name>: <annotation_value>" 3
4.5.3. Knative サービスのルートの設定
Knative サービスを OpenShift Container Platform で TLS 証明書を使用するように設定するには、OpenShift Serverless Operator によるサービスのルートの自動作成を無効にし、代わりにサービスのルートを手動で作成する必要があります。
以下の手順を完了すると、knative-serving-ingress
namespace のデフォルトの OpenShift Container Platform ルートは作成されません。ただし、アプリケーションの Knative ルートはこの namespace に引き続き作成されます。
4.5.3.1. OpenShift Container Platform ルートでの Knative サービスの設定
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving コンポーネントが OpenShift Container Platform クラスターにインストールされている。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
serving.knative.openshift.io/disableRoute=true
アノテーションが含まれる Knative サービスを作成します。重要serving.knative.openshift.io/disableRoute=true
アノテーションは、OpenShift Serverless に対してルートを自動的に作成しないように指示します。ただし、サービスには URL が表示され、ステータスがReady
に達します。URL のホスト名と同じホスト名を使用して独自のルートを作成するまで、この URL は外部では機能しません。Service
サービスリソースを作成します。リソースの例
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: <service_name> annotations: serving.knative.openshift.io/disableRoute: "true" spec: template: spec: containers: - image: <image> ...
Service
リソースを適用します。$ oc apply -f <filename>
オプション:
kn service create
コマンドを使用して Knative サービスを作成します。kn
コマンドの例$ kn service create <service_name> \ --image=gcr.io/knative-samples/helloworld-go \ --annotation serving.knative.openshift.io/disableRoute=true
サービス用に OpenShift Container Platform ルートが作成されていないことを確認します。
コマンドの例
$ $ oc get routes.route.openshift.io \ -l serving.knative.openshift.io/ingressName=$KSERVICE_NAME \ -l serving.knative.openshift.io/ingressNamespace=$KSERVICE_NAMESPACE \ -n knative-serving-ingress
以下の出力が表示されるはずです。
No resources found in knative-serving-ingress namespace.
knative-serving-ingress
namespace でRoute
リソースを作成します。apiVersion: route.openshift.io/v1 kind: Route metadata: annotations: haproxy.router.openshift.io/timeout: 600s 1 name: <route_name> 2 namespace: knative-serving-ingress 3 spec: host: <service_host> 4 port: targetPort: http2 to: kind: Service name: kourier weight: 100 tls: insecureEdgeTerminationPolicy: Allow termination: edge 5 key: |- -----BEGIN PRIVATE KEY----- [...] -----END PRIVATE KEY----- certificate: |- -----BEGIN CERTIFICATE----- [...] -----END CERTIFICATE----- caCertificate: |- -----BEGIN CERTIFICATE----- [...] -----END CERTIFICATE---- wildcardPolicy: None
- 1
- OpenShift Container Platform ルートのタイムアウト値。
max-revision-timeout-seconds
設定と同じ値を設定する必要があります (デフォルトでは600s
)。 - 2
- OpenShift Container Platform ルートの名前。
- 3
- OpenShift Container Platform ルートの namespace。これは
knative-serving-ingress
である必要があります。 - 4
- 外部アクセスのホスト名。これを
<service_name>-<service_namespace>.<domain>
に設定できます。 - 5
- 使用する証明書。現時点で、
edge
termination のみがサポートされています。
Route
リソースを適用します。$ oc apply -f <filename>
4.5.4. グローバル HTTPS リダイレクト
HTTPS リダイレクトは、着信 HTTP リクエストのリダイレクトを提供します。これらのリダイレクトされた HTTP リクエストは暗号化されます。KnativeServing
カスタムリソース (CR) の httpProtocol
仕様を設定して、クラスターのすべてのサービスに対して HTTPS リダイレクトを有効にできます。
4.5.4.1. HTTPS リダイレクトのグローバル設定
HTTPS リダイレクトを有効にする KnativeServing
CR の例
apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeServing metadata: name: knative-serving spec: config: network: httpProtocol: "redirected" ...
4.5.5. 外部ルートの URL スキーム
セキュリティーを強化するために、外部ルートの URL スキームはデフォルトで HTTPS に設定されています。このスキームは、KnativeServing
カスタムリソース (CR) 仕様の default-external-scheme
キーによって決定されます。
4.5.5.1. 外部ルートの URL スキームの設定
デフォルト仕様
... spec: config: network: default-external-scheme: "https" ...
default-external-scheme
キーを変更することにより、HTTP を使用するようにデフォルトの仕様をオーバーライドできます。
HTTP オーバーライド仕様
... spec: config: network: default-external-scheme: "http" ...
4.5.6. サービスごとの HTTPS リダイレクト
networking.knative.dev/http-option
アノテーションを設定することにより、サービスの HTTPS リダイレクトを有効または無効にできます。
4.5.6.1. サービスの HTTPS のリダイレクト
次の例は、Knative Service
YAML オブジェクトでこのアノテーションを使用する方法を示しています。
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: example namespace: default annotations: networking.knative.dev/http-option: "redirected" spec: ...
4.5.7. クラスターローカルの可用性
デフォルトで、Knative サービスはパブリック IP アドレスに公開されます。パブリック IP アドレスに公開されているとは、Knative サービスがパブリックアプリケーションであり、一般にアクセス可能な URL があることを意味します。
一般にアクセス可能な URL は、クラスター外からアクセスできます。ただし、開発者は プライベートサービス と呼ばれるクラスター内からのみアクセス可能なバックエンドサービスをビルドする必要がある場合があります。開発者は、クラスター内の個々のサービスに networking.knative.dev/visibility=cluster-local
ラベルを使用してラベル付けし、それらをプライベートにすることができます。
OpenShift Serverless 1.15.0 以降のバージョンの場合には、serving.knative.dev/visibility
ラベルは利用できなくなりました。既存のサービスを更新して、代わりに networking.knative.dev/visibility
ラベルを使用する必要があります。
4.5.7.1. クラスターローカルへのクラスター可用性の設定
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされている。
- Knative サービスを作成している。
手順
networking.knative.dev/visibility=cluster-local
ラベルを追加して、サービスの可視性を設定します。$ oc label ksvc <service_name> networking.knative.dev/visibility=cluster-local
検証
以下のコマンドを入力して出力を確認し、サービスの URL の形式が
http://<service_name>.<namespace>.svc.cluster.local
であることを確認します。$ oc get ksvc
出力例
NAME URL LATESTCREATED LATESTREADY READY REASON hello http://hello.default.svc.cluster.local hello-tx2g7 hello-tx2g7 True
4.5.7.2. クラスターローカルサービスの TLS 認証の有効化
クラスターローカルサービスの場合、Kourier ローカルゲートウェイ kourier-internal
が使用されます。Kourier ローカルゲートウェイに対して TLS トラフィックを使用する場合は、ローカルゲートウェイで独自のサーバー証明書を設定する必要があります。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がインストールされていること。
- 管理者権限がある。
-
OpenShift (
oc
) CLI がインストールされている。
手順
サーバー証明書を
knative-serving-ingress
namespace にデプロイします。$ export san="knative"
注記これらの証明書が
<app_name>.<namespace>.svc.cluster.local
への要求を処理できるように、Subject Alternative Name (SAN) の検証が必要です。ルートキーと証明書を生成します。
$ openssl req -x509 -sha256 -nodes -days 365 -newkey rsa:2048 \ -subj '/O=Example/CN=Example' \ -keyout ca.key \ -out ca.crt
SAN 検証を使用するサーバーキーを生成します。
$ openssl req -out tls.csr -newkey rsa:2048 -nodes -keyout tls.key \ -subj "/CN=Example/O=Example" \ -addext "subjectAltName = DNS:$san"
サーバー証明書を作成します。
$ openssl x509 -req -extfile <(printf "subjectAltName=DNS:$san") \ -days 365 -in tls.csr \ -CA ca.crt -CAkey ca.key -CAcreateserial -out tls.crt
Courier ローカルゲートウェイのシークレットを設定します。
前の手順で作成した証明書から、
knative-serving-ingress
namespace にシークレットをデプロイします。$ oc create -n knative-serving-ingress secret tls server-certs \ --key=tls.key \ --cert=tls.crt --dry-run=client -o yaml | oc apply -f -
KnativeServing
カスタムリソース (CR) 仕様を更新して、Kourier ゲートウェイによって作成されたシークレットを使用します。KnativeServing CR の例
... spec: config: kourier: cluster-cert-secret: server-certs ...
Kourier コントローラーはサービスを再起動せずに証明書を設定するため、Pod を再起動する必要はありません。
クライアントから ca.crt
をマウントして使用することにより、ポート 443
経由で TLS を使用して Kourier 内部サービスにアクセスできます。
4.5.8. Kourier Gateway サービスタイプ
Kourier Gateway は、デフォルトで ClusterIP
サービスタイプとして公開されます。このサービスタイプは、KnativeServing
カスタムリソース (CR) の service-type
入力仕様によって決定されます。
デフォルト仕様
... spec: ingress: kourier: service-type: ClusterIP ...
4.5.8.1. Kourier Gateway サービスタイプの設定
service-type
仕様を変更することで、デフォルトのサービスタイプをオーバーライドして、代わりにロードバランサーサービスタイプを使用できます。
LoadBalancer オーバーライド仕様
... spec: ingress: kourier: service-type: LoadBalancer ...
4.5.9. HTTP2 と gRPC の使用
OpenShift Serverless はセキュアでないルートまたは edge termination ルートのみをサポートします。非セキュアなルートまたは edge termination ルートは OpenShift Container Platform で HTTP2 をサポートしません。gRPC は HTTP2 によって転送されるため、これらのルートは gRPC もサポートしません。アプリケーションでこれらのプロトコルを使用する場合は、Ingress ゲートウェイを使用してアプリケーションを直接呼び出す必要があります。これを実行するには、Ingress ゲートウェイのパブリックアドレスとアプリケーションの特定のホストを見つける必要があります。
4.5.9.1. HTTP2 および gRPC を使用したサーバーレスアプリケーションとの対話
この方法は、OpenShift Container Platform 4.10 以降が対象です。古いバージョンについては、以下のセクションを参照してください。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator と Knative Serving をクラスターにインストールしている。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - Knative サービスを作成する。
- OpenShift Container Platform 4.10 以降をアップグレードする。
- OpenShift Ingress コントローラーで HTTP/2 を有効にする。
手順
serverless.openshift.io/default-enable-http2=true
アノテーションをKnativeServing
カスタムリソースに追加します。$ oc annotate knativeserving <your_knative_CR> -n knative-serving serverless.openshift.io/default-enable-http2=true
アノテーションが追加されたら、Kourier サービスの
appProtocol
値がh2c
であることを確認できます。$ oc get svc -n knative-serving-ingress kourier -o jsonpath="{.spec.ports[0].appProtocol}"
出力例
h2c
以下のように、外部トラフィックに HTTP/2 プロトコルで gRPC フレームワークを使用できるようになりました。
import "google.golang.org/grpc" grpc.Dial( YOUR_URL, 1 grpc.WithTransportCredentials(insecure.NewCredentials())), 2 )
4.5.9.2. OpenShift Container Platform 4.9 以前での HTTP2 および gRPC を使用したサーバーレスアプリケーションとの対話
この方法は、LoadBalancer
サービスタイプを使用して Kourier Gateway を公開する必要があります。これは、以下の YAML を KnativeServing
カスタムリソース定義 (CRD) に追加して設定できます。
... spec: ingress: kourier: service-type: LoadBalancer ...
前提条件
- OpenShift Serverless Operator と Knative Serving をクラスターにインストールしている。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - Knative サービスを作成する。
手順
- アプリケーションホストを検索します。サーバーレスアプリケーションのデプロイメントの確認の説明を参照してください。
Ingress ゲートウェイのパブリックアドレスを見つけます。
$ oc -n knative-serving-ingress get svc kourier
出力例
NAME TYPE CLUSTER-IP EXTERNAL-IP PORT(S) AGE kourier LoadBalancer 172.30.51.103 a83e86291bcdd11e993af02b7a65e514-33544245.us-east-1.elb.amazonaws.com 80:31380/TCP,443:31390/TCP 67m
パブリックアドレスは
EXTERNAL-IP
フィールドで表示され、この場合はa83e86291bcdd11e993af02b7a65e514-33544245.us-east-1.elb.amazonaws.com
になります。HTTP 要求のホストヘッダーを手動でアプリケーションのホストに手動で設定しますが、Ingress ゲートウェイのパブリックアドレスに対して要求自体をダイレクトします。
$ curl -H "Host: hello-default.example.com" a83e86291bcdd11e993af02b7a65e514-33544245.us-east-1.elb.amazonaws.com
出力例
Hello Serverless!
Ingress ゲートウェイに対して直接 gRPC 要求を行うこともできます。
import "google.golang.org/grpc" grpc.Dial( "a83e86291bcdd11e993af02b7a65e514-33544245.us-east-1.elb.amazonaws.com:80", grpc.WithAuthority("hello-default.example.com:80"), grpc.WithInsecure(), )
注記直前の例のように、それぞれのポート (デフォルトでは 80) を両方のホストに追加します。
4.6. Knative サービスへのアクセスの設定
4.6.1. Knative サービスの JSON Web Token 認証の設定
OpenShift Serverless には現在、ユーザー定義の承認機能がありません。ユーザー定義の承認をデプロイメントに追加するには、OpenShift Serverless を Red Hat OpenShift Service Mesh と統合してから、Knative サービスの JSON Web Token (JWT) 認証とサイドカーインジェクションを設定する必要があります。
4.6.2. Service Mesh 2.x での JSON Web トークン認証の使用
Service Mesh 2.x と OpenShift Serverless を使用して、Knative サービスで JSON Web Token (JWT) 認証を使用できます。これを行うには、ServiceMeshMemberRoll
オブジェクトのメンバーであるアプリケーション namespace に認証要求とポリシーを作成する必要があります。サービスのサイドカーインジェクションも有効にする必要があります。
4.6.2.1. Service Mesh 2.x および OpenShift Serverless の JSON Web トークン認証の設定
knative-serving
および knative-serving-ingress
などのシステム namespace の Pod へのサイドカー挿入の追加は、Kourier が有効化されている場合はサポートされません。
これらの namespace の Pod にサイドカーの挿入が必要な場合は、サービスメッシュと OpenShift Serverless のネイティブに統合に関する OpenShift Serverless のドキュメントを参照してください。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator、Knative Serving、および Red Hat OpenShift Service Mesh をクラスターにインストールしました。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
手順
sidecar.istio.io/inject="true"
アノテーションをサービスに追加します。サービスの例
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: <service_name> spec: template: metadata: annotations: sidecar.istio.io/inject: "true" 1 sidecar.istio.io/rewriteAppHTTPProbers: "true" 2 ...
Service
リソースを適用します。$ oc apply -f <filename>
ServiceMeshMemberRoll
オブジェクトのメンバーである各サーバーレスアプリケーション namespace にRequestAuthentication
リソースを作成します。apiVersion: security.istio.io/v1beta1 kind: RequestAuthentication metadata: name: jwt-example namespace: <namespace> spec: jwtRules: - issuer: testing@secure.istio.io jwksUri: https://raw.githubusercontent.com/istio/istio/release-1.8/security/tools/jwt/samples/jwks.json
RequestAuthentication
リソースを適用します。$ oc apply -f <filename>
以下の
AuthorizationPolicy
リソースを作成して、ServiceMeshMemberRoll
オブジェクトのメンバーである各サーバーレスアプリケーション namespace のシステム Pod からのRequestAuthenticaton
リソースへのアクセスを許可します。apiVersion: security.istio.io/v1beta1 kind: AuthorizationPolicy metadata: name: allowlist-by-paths namespace: <namespace> spec: action: ALLOW rules: - to: - operation: paths: - /metrics 1 - /healthz 2
AuthorizationPolicy
リソースを適用します。$ oc apply -f <filename>
ServiceMeshMemberRoll
オブジェクトのメンバーであるサーバーレスアプリケーション namespace ごとに、以下のAuthorizationPolicy
リソースを作成します。apiVersion: security.istio.io/v1beta1 kind: AuthorizationPolicy metadata: name: require-jwt namespace: <namespace> spec: action: ALLOW rules: - from: - source: requestPrincipals: ["testing@secure.istio.io/testing@secure.istio.io"]
AuthorizationPolicy
リソースを適用します。$ oc apply -f <filename>
検証
curl
要求を使用して Knative サービス URL を取得しようとすると、これは拒否されます。コマンドの例
$ curl http://hello-example-1-default.apps.mycluster.example.com/
出力例
RBAC: access denied
有効な JWT で要求を確認します。
有効な JWT トークンを取得します。
$ TOKEN=$(curl https://raw.githubusercontent.com/istio/istio/release-1.8/security/tools/jwt/samples/demo.jwt -s) && echo "$TOKEN" | cut -d '.' -f2 - | base64 --decode -
curl
要求ヘッダーで有効なトークンを使用してサービスにアクセスします。$ curl -H "Authorization: Bearer $TOKEN" http://hello-example-1-default.apps.example.com
これで要求が許可されます。
出力例
Hello OpenShift!
4.6.3. Service Mesh 1.x での JSON Web トークン認証の使用
Service Mesh 1.x と OpenShift Serverless を使用して、Knative サービスで JSON Web Token (JWT) 認証を使用できます。これを行うには、ServiceMeshMemberRoll
オブジェクトのメンバーであるアプリケーション namespace にポリシーを作成する必要があります。サービスのサイドカーインジェクションも有効にする必要があります。
4.6.3.1. Service Mesh 1.x および OpenShift Serverless の JSON Web トークン認証の設定
knative-serving
および knative-serving-ingress
などのシステム namespace の Pod へのサイドカー挿入の追加は、Kourier が有効化されている場合はサポートされません。
これらの namespace の Pod にサイドカーの挿入が必要な場合は、サービスメッシュと OpenShift Serverless のネイティブに統合に関する OpenShift Serverless のドキュメントを参照してください。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator、Knative Serving、および Red Hat OpenShift Service Mesh をクラスターにインストールしました。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
手順
sidecar.istio.io/inject="true"
アノテーションをサービスに追加します。サービスの例
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: <service_name> spec: template: metadata: annotations: sidecar.istio.io/inject: "true" 1 sidecar.istio.io/rewriteAppHTTPProbers: "true" 2 ...
Service
リソースを適用します。$ oc apply -f <filename>
有効な JSON Web Tokens (JWT) の要求のみを許可する
ServiceMeshMemberRoll
オブジェクトのメンバーであるサーバーレスアプリケーション namespace でポリシーを作成します。重要パスの
/metrics
および/healthz
は、knative-serving
namespace のシステム Pod からアクセスされるため、excludedPaths
に組み込まれる必要があります。apiVersion: authentication.istio.io/v1alpha1 kind: Policy metadata: name: default namespace: <namespace> spec: origins: - jwt: issuer: testing@secure.istio.io jwksUri: "https://raw.githubusercontent.com/istio/istio/release-1.6/security/tools/jwt/samples/jwks.json" triggerRules: - excludedPaths: - prefix: /metrics 1 - prefix: /healthz 2 principalBinding: USE_ORIGIN
Policy
リソースを適用します。$ oc apply -f <filename>
検証
curl
要求を使用して Knative サービス URL を取得しようとすると、これは拒否されます。$ curl http://hello-example-default.apps.mycluster.example.com/
出力例
Origin authentication failed.
有効な JWT で要求を確認します。
有効な JWT トークンを取得します。
$ TOKEN=$(curl https://raw.githubusercontent.com/istio/istio/release-1.6/security/tools/jwt/samples/demo.jwt -s) && echo "$TOKEN" | cut -d '.' -f2 - | base64 --decode -
curl
要求ヘッダーで有効なトークンを使用してサービスにアクセスします。$ curl http://hello-example-default.apps.mycluster.example.com/ -H "Authorization: Bearer $TOKEN"
これで要求が許可されます。
出力例
Hello OpenShift!
4.7. Knative サービスのカスタムドメインの設定
4.7.1. Knative サービスのカスタムドメインの設定
Knative サービスには、クラスターの設定に基づいてデフォルトのドメイン名が自動的に割り当てられます。例: <service_name>-<namespace>.example.com
.所有するカスタムドメイン名を Knative サービスにマッピングすることで、Knative サービスのドメインをカスタマイズできます。
これを行うには、サービスの DomainMapping
リソースを作成します。複数の DomainMapping
を作成して、複数のドメインおよびサブドメインを単一サービスにマップすることもできます。
4.7.2. カスタムドメインマッピング
所有するカスタムドメイン名を Knative サービスにマッピングすることで、Knative サービスのドメインをカスタマイズできます。カスタムドメイン名をカスタムリソース (CR) にマッピングするには、Knative サービスまたは Knative ルートなどのアドレス指定可能なターゲット CR にマッピングする DomainMapping
CR を作成する必要があります。
4.7.2.1. カスタムドメインマッピングの作成
所有するカスタムドメイン名を Knative サービスにマッピングすることで、Knative サービスのドメインをカスタマイズできます。カスタムドメイン名をカスタムリソース (CR) にマッピングするには、Knative サービスまたは Knative ルートなどのアドレス指定可能なターゲット CR にマッピングする DomainMapping
CR を作成する必要があります。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされている。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
Knative サービスを作成し、そのサービスにマップするカスタムドメインを制御できる。
注記カスタムドメインは OpenShift Container Platform クラスターの IP アドレスを参照する必要があります。
手順
マップ先となるターゲット CR と同じ namespace に
DomainMapping
CR が含まれる YAML ファイルを作成します。apiVersion: serving.knative.dev/v1alpha1 kind: DomainMapping metadata: name: <domain_name> 1 namespace: <namespace> 2 spec: ref: name: <target_name> 3 kind: <target_type> 4 apiVersion: serving.knative.dev/v1
サービスドメインマッピングの例
apiVersion: serving.knative.dev/v1alpha1 kind: DomainMapping metadata: name: example-domain namespace: default spec: ref: name: example-service kind: Service apiVersion: serving.knative.dev/v1
ルートドメインマッピングの例
apiVersion: serving.knative.dev/v1alpha1 kind: DomainMapping metadata: name: example-domain namespace: default spec: ref: name: example-route kind: Route apiVersion: serving.knative.dev/v1
DomainMapping
CR を YAML ファイルとして適用します。$ oc apply -f <filename>
4.7.3. Knative CLI を使用した Knative サービスのカスタムドメイン
所有するカスタムドメイン名を Knative サービスにマッピングすることで、Knative サービスのドメインをカスタマイズできます。Knative (kn
) CLI を使用して、Knative サービスまたは Knative ルートなどのアドレス指定可能なターゲット CR にマップする DomainMapping
カスタムリソース (CR) を作成できます。
4.7.3.1. Knative CLI を使用したカスタムドメインマッピングの作成
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされている。
Knative サービスまたはルートを作成し、その CR にマップするカスタムドメインを制御している。
注記カスタムドメインは OpenShift Container Platform クラスターの DNS を参照する必要があります。
-
Knative (
kn
) CLI をインストールしている。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
手順
ドメインを現在の namespace の CR にマップします。
$ kn domain create <domain_mapping_name> --ref <target_name>
コマンドの例
$ kn domain create example-domain-map --ref example-service
--ref
フラグは、ドメインマッピング用のアドレス指定可能なターゲット CR を指定します。--ref
フラグの使用時に接頭辞が指定されていない場合、ターゲットが現在の namespace の Knative サービスであることを前提としています。ドメインを指定された namespace の Knative サービスにマップします。
$ kn domain create <domain_mapping_name> --ref <ksvc:service_name:service_namespace>
コマンドの例
$ kn domain create example-domain-map --ref ksvc:example-service:example-namespace
ドメインを Knative ルートにマップします。
$ kn domain create <domain_mapping_name> --ref <kroute:route_name>
コマンドの例
$ kn domain create example-domain-map --ref kroute:example-route
4.7.4. 開発者パースペクティブを使用したドメインマッピング
所有するカスタムドメイン名を Knative サービスにマッピングすることで、Knative サービスのドメインをカスタマイズできます。OpenShift Container Platform Web コンソールの Developer パースペクティブを使用して、DomainMapping
カスタムリソース (CR) を Knative サービスにマッピングできます。
4.7.4.1. 開発者パースペクティブを使用したカスタムドメインのサービスへのマッピング
前提条件
- Web コンソールにログインしている。
- Developer パースペクティブを使用している。
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされている。これはクラスター管理者が完了する必要があります。
- OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
Knative サービスを作成し、そのサービスにマップするカスタムドメインを制御できる。
注記カスタムドメインは OpenShift Container Platform クラスターの IP アドレスを参照する必要があります。
手順
- Topology ページに移動します。
-
ドメインにマッピングするサービスを右クリックし、サービス名が含まれる Edit オプションを選択します。たとえば、サービスの名前が
example-service
である場合は、Edit example-service オプションを選択します。 Advanced options セクションで、Show advanced Routing options をクリックします。
- サービスにマッピングするドメインマッピング CR がすでに存在する場合は、ドメインマッピング リストで選択できます。
-
新規ドメインマッピング CR を作成する場合は、ドメイン名をボックスに入力し、Create オプションを選択します。たとえば、
example.com
と入力すると、Create オプションは Create "example.com" になります。
- Save をクリックしてサービスへの変更を保存します。
検証
- Topology ページに移動します。
- 作成したサービスをクリックします。
- サービス情報ウィンドウの Resources タブで、Domain mappings セクションにサービスにマッピングしたドメインが表示されます。
4.7.5. Administrator パースペクティブを使用したドメインマッピング
OpenShift Container Platform Web コンソールで Developer パースペクティブに切り替えたり、Knative (kn
) CLI または YAML ファイルを使用しない場合は、OpenShift Container Platform Web コンソールの Administator パースペクティブを使用できます。
4.7.5.1. Administrator パースペクティブを使用したカスタムドメインのサービスへのマッピング
Knative サービスには、クラスターの設定に基づいてデフォルトのドメイン名が自動的に割り当てられます。例: <service_name>-<namespace>.example.com
.所有するカスタムドメイン名を Knative サービスにマッピングすることで、Knative サービスのドメインをカスタマイズできます。
これを行うには、サービスの DomainMapping
リソースを作成します。複数の DomainMapping
を作成して、複数のドメインおよびサブドメインを単一サービスにマップすることもできます。
クラスター管理者パーミッションを持つ場合、OpenShift Container Platform Web コンソールの Administrator パースペクティブを使用して DomainMapping
カスタムリソース (CR) を作成できます。
前提条件
- Web コンソールにログインしている。
- Administrator パースペクティブに切り替えられている。
- OpenShift Serverless Operator がインストールされている。
- Knative Serving がインストールされています。
- OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
Knative サービスを作成し、そのサービスにマップするカスタムドメインを制御できる。
注記カスタムドメインは OpenShift Container Platform クラスターの IP アドレスを参照する必要があります。
手順
- CustomResourceDefinitions に移動し、検索ボックスを使用して DomainMapping カスタムリソース定義 (CRD) を検索します。
- DomainMapping CRD をクリックしてから Instances タブに移動します。
- Create DomainMapping をクリックします。
インスタンスの以下の情報が含まれるように
DomainMapping
CR の YAML を変更します。apiVersion: serving.knative.dev/v1alpha1 kind: DomainMapping metadata: name: <domain_name> 1 namespace: <namespace> 2 spec: ref: name: <target_name> 3 kind: <target_type> 4 apiVersion: serving.knative.dev/v1
Knative サービスへのドメインマッピングの例
apiVersion: serving.knative.dev/v1alpha1 kind: DomainMapping metadata: name: custom-ksvc-domain.example.com namespace: default spec: ref: name: example-service kind: Service apiVersion: serving.knative.dev/v1
検証
curl
リクエストを使用してカスタムドメインにアクセスします。以下に例を示します。コマンドの例
$ curl custom-ksvc-domain.example.com
出力例
Hello OpenShift!
4.7.6. TLS 証明書を使用してマッピングされたサービスを保護する
4.7.6.1. TLS 証明書を使用してカスタムドメインでサービスを保護する
Knative サービスのカスタムドメインを設定したら、TLS 証明書を使用して、マップされたサービスを保護できます。これを行うには、Kubernetes TLS シークレットを作成してから、作成した TLS シークレットを使用するように DomainMapping
CR を更新する必要があります。
Ingress に net-istio
を使用し、security.dataPlane.mtls: true
を使用して SMCP 経由で mTLS を有効にする場合、Service Mesh は *.local
ホストの DestinationRules
をデプロイしますが、これは OpenShift Serverless の DomainMapping
を許可しません。
この問題を回避するには、security.dataPlane.mtls: true
を使用する代わりに PeerAuthentication
をデプロイして mTLS を有効にします。
前提条件
-
Knative サービスのカスタムドメインを設定し、有効な
DomainMapping
CR がある。 - 認証局プロバイダーからの TLS 証明書または自己署名証明書がある。
-
認証局プロバイダーまたは自己署名証明書から
cert
ファイルおよびkey
ファイルを取得している。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
Kubernetes TLS シークレットを作成します。
$ oc create secret tls <tls_secret_name> --cert=<path_to_certificate_file> --key=<path_to_key_file>
networking.internal.knative.dev/certificate-uid: <id>' ラベル
を Kubernetes TLS シークレットに追加します。$ oc label secret <tls_secret_name> networking.internal.knative.dev/certificate-uid="<id>"
cert-manager などのサードパーティーのシークレットプロバイダーを使用している場合は、Kubernetes TLS シークレットに自動的にラベルを付けるようにシークレットマネージャーを設定できます。Cert-manager ユーザーは、提供されたシークレットテンプレートを使用して、正しいラベルを持つシークレットを自動的に生成できます。この場合、シークレットのフィルタリングはキーのみに基づいて行われますが、この値には、シークレットに含まれる証明書 ID などの有用な情報が含まれている可能性があります。
注記Red Hat OpenShift の cert-manager Operator は、テクノロジープレビューの機能です。詳細は、Red Hat OpenShift ドキュメントの cert-manager Operator のインストール を参照してください。
作成した TLS シークレットを使用するように
DomainMapping
CR を更新します。apiVersion: serving.knative.dev/v1alpha1 kind: DomainMapping metadata: name: <domain_name> namespace: <namespace> spec: ref: name: <service_name> kind: Service apiVersion: serving.knative.dev/v1 # TLS block specifies the secret to be used tls: secretName: <tls_secret_name>
検証
DomainMapping
CR のステータスがTrue
であることを確認し、出力のURL
列に、マップされたドメインをスキームのhttps
で表示していることを確認します。$ oc get domainmapping <domain_name>
出力例
NAME URL READY REASON example.com https://example.com True
オプション: サービスが公開されている場合は、以下のコマンドを実行してこれが利用可能であることを確認します。
$ curl https://<domain_name>
証明書が自己署名されている場合は、
curl
コマンドに-k
フラグを追加して検証を省略します。
4.7.6.2. シークレットフィルタリングを使用した net-kourier のメモリー使用量の改善
デフォルトでは、Kubernetes client-go
ライブラリーの informers の実装は、特定のタイプのすべてのリソースをフェッチします。これにより、多くのリソースが使用可能な場合にかなりのオーバーヘッドが発生する可能性があり、メモリーリークが原因で大規模なクラスターで Knative net-kourier
Ingress コントローラーが失敗する可能性があります。ただし、Knative net-kourier
Ingress コントローラーではフィルタリングメカニズムを使用できます。これにより、コントローラーは Knative 関連のシークレットのみを取得できます。このメカニズムを有効にするには、環境変数を KnativeServing
カスタムリソース(CR)に設定します。
シークレットフィルタリングを有効にする場合は、すべてのシークレットに networking.internal.knative.dev/certificate-uid: "<id>"
というラベルを付ける必要があります。そうしないと、Knative Serving がシークレットを検出しないため、障害が発生します。新規および既存のシークレットの両方にラベルを付ける必要があります。
前提条件
- クラスター管理者のアクセスを持つ OpenShift Container Platform アカウントを使用できる。
- OpenShift Container Platform でアプリケーションやその他のワークロードを作成するために作成したプロジェクト、またはそのためのロールと権限を持っているプロジェクト。
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving をインストールしている。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
KnativeServing
CR のnet-kourier-controller
に対してENABLE_SECRET_INFORMER_FILTERING_BY_CERT_UID
変数をtrue
に設定します。KnativeServing CR の例
apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeServing metadata: name: knative-serving namespace: knative-serving spec: deployments: - env: - container: controller envVars: - name: ENABLE_SECRET_INFORMER_FILTERING_BY_CERT_UID value: 'true' name: net-kourier-controller
4.8. Knative サービスの高可用性の設定
4.8.1. Knative サービスの高可用性
高可用性 (HA) は Kubernetes API の標準的な機能で、中断が生じる場合に API が稼働を継続するのに役立ちます。HA デプロイメントでは、アクティブなコントローラーがクラッシュまたは削除された場合、別のコントローラーをすぐに使用できます。このコントローラーは、現在使用できないコントローラーによって処理されていた API の処理を引き継ぎます。
OpenShift Serverless の HA は、リーダーの選択によって利用できます。これは、Knative Serving または Eventing コントロールプレーンのインストール後にデフォルトで有効になります。リーダー選択の HA パターンを使用する場合、必要時に備えてコントローラーのインスタンスはスケジュールされ、クラスター内で実行されます。これらのコントローラーインスタンスは、共有リソースの使用に向けて競います。これは、リーダー選択ロックとして知られています。リーダー選択ロックのリソースにアクセスできるコントローラーのインスタンスはリーダーと呼ばれます。
4.8.2. Knative サービスの高可用性
高可用性 (HA) は、デフォルトで Knative Serving activator
、autoscaler
、autoscaler-hpa
、controller
、webhook
、kourier-control
、および kourier-gateway
コンポーネントで使用できます。これらのコンポーネントは、デフォルトでそれぞれ 2 つのレプリカを持つように設定されています。KnativeServing
カスタムリソース (CR) の spec.high-availability.replicas
値を変更して、これらのコンポーネントのレプリカ数を変更できます。
4.8.2.1. Knative Serving の高可用性レプリカの設定
適格なデプロイメントリソースに最小 3 つのレプリカを指定するには、カスタムリソースのフィールド spec.high-availability.replicas
の値を 3
に設定します。
前提条件
- クラスター管理者のアクセスを持つ OpenShift Container Platform アカウントを使用できる。
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされている。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールの Administrator パースペクティブで、OperatorHub → Installed Operators に移動します。
-
knative-serving
namespace を選択します。 - OpenShift Serverless Operator の Provided API 一覧で Knative Serving をクリックし、Knative Serving タブに移動します。
knative-serving をクリックしてから、knative-serving ページの YAML タブに移動します。
KnativeServing
CR のレプリカ数を変更します。サンプル YAML
apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeServing metadata: name: knative-serving namespace: knative-serving spec: high-availability: replicas: 3
第5章 イベンティング
5.1. Knative Eventing
OpenShift Container Platform 上の Knative Eventing を使用すると、開発者はサーバーレスアプリケーションと共に イベント駆動型のアーキテクチャー を使用できます。イベント駆動型のアーキテクチャーは、イベントプロデューサーとイベントコンシューマー間の関係を切り離すという概念に基づいています。
イベントプロデューサーはイベントを作成し、イベントシンクまたはコンシューマーはイベントを受信します。Knative Eventing は、標準の HTTP POST リクエストを使用してイベントプロデューサーとシンク間でイベントを送受信します。これらのイベントは CloudEvents 仕様 に準拠しており、すべてのプログラミング言語でのイベントの作成、解析、および送受信を可能にします。
Knative Eventing は以下のユースケースをサポートします。
- コンシューマーを作成せずにイベントを公開する
- イベントを HTTP POST としてブローカーに送信し、バインディングを使用してイベントを生成するアプリケーションから宛先設定を分離できます。
- パブリッシャーを作成せずにイベントを消費
- Trigger を使用して、イベント属性に基づいて Broker からイベントを消費できます。アプリケーションはイベントを HTTP POST として受信します。
複数のタイプのシンクへの配信を有効にするために、Knative Eventing は複数の Kubernetes リソースで実装できる以下の汎用インターフェイスを定義します。
- アドレス指定可能なリソース
-
HTTP 経由でイベントの
status.address.url
フィールドに定義されるアドレスに配信されるイベントを受信し、確認することができます。KubernetesService
リソースはアドレス指定可能なインターフェイスにも対応します。 - 呼び出し可能なリソース
-
HTTP 経由で配信されるイベントを受信し、これを変換できます。HTTP 応答ペイロードで
0
または1
の新規イベントを返します。返されるイベントは、外部イベントソースからのイベントが処理されるのと同じ方法で処理できます。
5.2. イベントソース
5.2.1. イベントソース
Knative イベントソース には、クラウドイベントの生成またはインポート、これらのイベントの別のエンドポイントへのリレー (sink とも呼ばれる) を行う Kubernetes オブジェクトを指定できます。イベントに対応する分散システムを開発するには、イベントのソースが重要になります。
OpenShift Container Platform Web コンソールの Developer パースペクティブ、Knative (kn
) CLI を使用するか、YAML ファイルを適用することで、Knative イベントソースを作成および管理できます。
現時点で、OpenShift Serverless は以下のイベントソースタイプをサポートします。
- API サーバーソース
- Kubernetes API サーバーイベントを Knative に送ります。API サーバーソースは、Kubernetes リソースが作成、更新、または削除されるたびに新規イベントを送信します。
- Ping ソース
- 指定された cron スケジュールに、固定ペイロードを使用してイベントを生成します。
- Kafka イベントソース
- Apache Kafka クラスターをイベントソースとしてシンクに接続します。
カスタムイベントソース を作成することもできます。
5.2.2. Administrator パースペクティブのイベントソース
イベントに対応する分散システムを開発するには、イベントのソースが重要になります。
5.2.2.1. Administrator パースペクティブを使用したイベントソースの作成
Knative イベントソース には、クラウドイベントの生成またはインポート、これらのイベントの別のエンドポイントへのリレー (sink とも呼ばれる) を行う Kubernetes オブジェクトを指定できます。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Eventing が OpenShift Container Platform クラスターにインストールされている。
- Web コンソールにログインしており、Administrator パースペクティブを使用している。
- OpenShift Container Platform のクラスター管理者パーミッションがある。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールの Administrator パースペクティブで、 Serverless → Eventing に移動します。
- Create 一覧で、Event Source を選択します。Event Sources ページに移動します。
- 作成するイベントソースタイプを選択します。
5.2.3. API サーバーソースの作成
API サーバーソースは、Knative サービスなどのイベントシンクを Kubernetes API サーバーに接続するために使用できるイベントソースです。API サーバーソースは Kubernetes イベントを監視し、それらを Knative Eventing ブローカーに転送します。
5.2.3.1. Web コンソールを使用した API サーバーソースの作成
Knative Eventing がクラスターにインストールされると、Web コンソールを使用して API サーバーソースを作成できます。OpenShift Container Platform Web コンソールを使用すると、イベントソースを作成するための合理的で直感的なユーザーインターフェイスが提供されます。
前提条件
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
- OpenShift Serverless Operator および Knative Eventing がクラスターにインストールされている。
- OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
既存のサービスアカウントを再利用する必要がある場合には、既存の ServiceAccount
リソースを変更して、新規リソースを作成せずに、必要なパーミッションを含めることができます。
イベントソースのサービスアカウント、ロールおよびロールバインディングを YAML ファイルとして作成します。
apiVersion: v1 kind: ServiceAccount metadata: name: events-sa namespace: default 1 --- apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1 kind: Role metadata: name: event-watcher namespace: default 2 rules: - apiGroups: - "" resources: - events verbs: - get - list - watch --- apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1 kind: RoleBinding metadata: name: k8s-ra-event-watcher namespace: default 3 roleRef: apiGroup: rbac.authorization.k8s.io kind: Role name: event-watcher subjects: - kind: ServiceAccount name: events-sa namespace: default 4
YAML ファイルを適用します。
$ oc apply -f <filename>
- Developer パースペクティブで、+Add → Event Source に移動します。Event Sources ページが表示されます。
- オプション: イベントソースに複数のプロバイダーがある場合は、Providers 一覧から必要なプロバイダーを選択し、プロバイダーから利用可能なイベントソースをフィルターします。
- ApiServerSource を選択してから Create Event Source をクリックします。Create Event Source ページが表示されます。
Form view または YAML view を使用して、ApiServerSource 設定を設定します。
注記Form view と YAML view 間で切り換えることができます。ビューの切り替え時に、データは永続化されます。
-
APIVERSION に
v1
を、KIND にEvent
を入力します。 - 作成したサービスアカウントの Service Account Name を選択します。
- イベントソースの Sink を選択します。Sink は、チャネル、ブローカー、またはサービスなどの Resource、または URI のいずれかになります。
-
APIVERSION に
- Create をクリックします。
検証
API サーバーソースの作成後、これが Topology ビューでシンクされるサービスに接続されていることを確認できます。
URI シンクが使用される場合、URI sink → Edit URI を右クリックして URI を変更します。
API サーバーソースの削除
- Topology ビューに移動します。
API サーバーソースを右クリックし、Delete ApiServerSource を選択します。
5.2.3.2. Knative CLI を使用した API サーバーソースの作成
kn source apiserver create
コマンドを使用し、kn
CLI を使用して API サーバーソースを作成できます。API サーバーソースを作成するために kn
CLI を使用すると、YAML ファイルを直接修正するよりも合理的で直感的なユーザーインターフェイスが得られます。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Eventing がクラスターにインストールされている。
- OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
Knative (
kn
) CLI をインストールしている。
既存のサービスアカウントを再利用する必要がある場合には、既存の ServiceAccount
リソースを変更して、新規リソースを作成せずに、必要なパーミッションを含めることができます。
イベントソースのサービスアカウント、ロールおよびロールバインディングを YAML ファイルとして作成します。
apiVersion: v1 kind: ServiceAccount metadata: name: events-sa namespace: default 1 --- apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1 kind: Role metadata: name: event-watcher namespace: default 2 rules: - apiGroups: - "" resources: - events verbs: - get - list - watch --- apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1 kind: RoleBinding metadata: name: k8s-ra-event-watcher namespace: default 3 roleRef: apiGroup: rbac.authorization.k8s.io kind: Role name: event-watcher subjects: - kind: ServiceAccount name: events-sa namespace: default 4
YAML ファイルを適用します。
$ oc apply -f <filename>
イベントシンクを持つ API サーバーソースを作成します。次の例では、シンクはブローカーです。
$ kn source apiserver create <event_source_name> --sink broker:<broker_name> --resource "event:v1" --service-account <service_account_name> --mode Resource
API サーバーソースが正しく設定されていることを確認するには、受信メッセージをログにダンプする Knative サービスを作成します。
$ kn service create <service_name> --image quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display:latest
ブローカーをイベントシンクとして使用した場合は、トリガーを作成して、
default
のブローカーからサービスへのイベントをフィルタリングします。$ kn trigger create <trigger_name> --sink ksvc:<service_name>
デフォルト namespace で Pod を起動してイベントを作成します。
$ oc create deployment hello-node --image quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display:latest
以下のコマンドを入力し、生成される出力を検査して、コントローラーが正しくマップされていることを確認します。
$ kn source apiserver describe <source_name>
出力例
Name: mysource Namespace: default Annotations: sources.knative.dev/creator=developer, sources.knative.dev/lastModifier=developer Age: 3m ServiceAccountName: events-sa Mode: Resource Sink: Name: default Namespace: default Kind: Broker (eventing.knative.dev/v1) Resources: Kind: event (v1) Controller: false Conditions: OK TYPE AGE REASON ++ Ready 3m ++ Deployed 3m ++ SinkProvided 3m ++ SufficientPermissions 3m ++ EventTypesProvided 3m
検証
メッセージダンパー機能ログを確認して、Kubernetes イベントが Knative に送信されていることを確認できます。
Pod を取得します。
$ oc get pods
Pod のメッセージダンパー機能ログを表示します。
$ oc logs $(oc get pod -o name | grep event-display) -c user-container
出力例
☁️ cloudevents.Event Validation: valid Context Attributes, specversion: 1.0 type: dev.knative.apiserver.resource.update datacontenttype: application/json ... Data, { "apiVersion": "v1", "involvedObject": { "apiVersion": "v1", "fieldPath": "spec.containers{hello-node}", "kind": "Pod", "name": "hello-node", "namespace": "default", ..... }, "kind": "Event", "message": "Started container", "metadata": { "name": "hello-node.159d7608e3a3572c", "namespace": "default", .... }, "reason": "Started", ... }
API サーバーソースの削除
トリガーを削除します。
$ kn trigger delete <trigger_name>
イベントソースを削除します。
$ kn source apiserver delete <source_name>
サービスアカウント、クラスターロール、およびクラスターバインディングを削除します。
$ oc delete -f authentication.yaml
5.2.3.2.1. Knative CLI シンクフラグ
Knative (kn
) CLI を使用してイベントソースを作成する場合、--sink
フラグを使用して、イベントがリソースから送信されるシンクを指定できます。シンクは、他のリソースから受信イベントを受信できる、アドレス指定可能または呼び出し可能な任意のリソースです。
以下の例では、サービスの http://event-display.svc.cluster.local
をシンクとして使用するシンクバインディングを作成します。
シンクフラグを使用したコマンドの例
$ kn source binding create bind-heartbeat \
--namespace sinkbinding-example \
--subject "Job:batch/v1:app=heartbeat-cron" \
--sink http://event-display.svc.cluster.local \ 1
--ce-override "sink=bound"
- 1
http://event-display.svc.cluster.local
のsvc
は、シンクが Knative サービスであることを判別します。他のデフォルトのシンクの接頭辞には、channel
およびbroker
が含まれます。
5.2.3.3. YAML ファイルを使用した API サーバーソースの作成
YAML ファイルを使用して Knative リソースを作成する場合、宣言的 API を使用するため、再現性の高い方法でイベントソースを宣言的に記述することができます。YAML を使用して API サーバーソースを作成するには、ApiServerSource
オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成し、oc apply
コマンドを使用してそれを適用する必要があります。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Eventing がクラスターにインストールされている。
- OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
-
API サーバーソース YAML ファイルで定義されるものと同じ namespace に
default
ブローカーを作成している。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
既存のサービスアカウントを再利用する必要がある場合には、既存の ServiceAccount
リソースを変更して、新規リソースを作成せずに、必要なパーミッションを含めることができます。
イベントソースのサービスアカウント、ロールおよびロールバインディングを YAML ファイルとして作成します。
apiVersion: v1 kind: ServiceAccount metadata: name: events-sa namespace: default 1 --- apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1 kind: Role metadata: name: event-watcher namespace: default 2 rules: - apiGroups: - "" resources: - events verbs: - get - list - watch --- apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1 kind: RoleBinding metadata: name: k8s-ra-event-watcher namespace: default 3 roleRef: apiGroup: rbac.authorization.k8s.io kind: Role name: event-watcher subjects: - kind: ServiceAccount name: events-sa namespace: default 4
YAML ファイルを適用します。
$ oc apply -f <filename>
API サーバーソースを YAML ファイルとして作成します。
apiVersion: sources.knative.dev/v1alpha1 kind: ApiServerSource metadata: name: testevents spec: serviceAccountName: events-sa mode: Resource resources: - apiVersion: v1 kind: Event sink: ref: apiVersion: eventing.knative.dev/v1 kind: Broker name: default
ApiServerSource
YAML ファイルを適用します。$ oc apply -f <filename>
API サーバーソースが正しく設定されていることを確認するには、受信メッセージをログにダンプする Knative サービスを YAML ファイルとして作成します。
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: event-display namespace: default spec: template: spec: containers: - image: quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display:latest
Service
YAML ファイルを適用します。$ oc apply -f <filename>
直接の手順で作成下サービスに、
default
ブローカーからイベントをフィルターするTrigger
オブジェクトを YAML ファイルとして作成します。apiVersion: eventing.knative.dev/v1 kind: Trigger metadata: name: event-display-trigger namespace: default spec: broker: default subscriber: ref: apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service name: event-display
Trigger
YAML ファイルを適用します。$ oc apply -f <filename>
デフォルト namespace で Pod を起動してイベントを作成します。
$ oc create deployment hello-node --image=quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display
以下のコマンドを入力し、出力を検査して、コントローラーが正しくマップされていることを確認します。
$ oc get apiserversource.sources.knative.dev testevents -o yaml
出力例
apiVersion: sources.knative.dev/v1alpha1 kind: ApiServerSource metadata: annotations: creationTimestamp: "2020-04-07T17:24:54Z" generation: 1 name: testevents namespace: default resourceVersion: "62868" selfLink: /apis/sources.knative.dev/v1alpha1/namespaces/default/apiserversources/testevents2 uid: 1603d863-bb06-4d1c-b371-f580b4db99fa spec: mode: Resource resources: - apiVersion: v1 controller: false controllerSelector: apiVersion: "" kind: "" name: "" uid: "" kind: Event labelSelector: {} serviceAccountName: events-sa sink: ref: apiVersion: eventing.knative.dev/v1 kind: Broker name: default
検証
Kubernetes イベントが Knative に送信されていることを確認するには、メッセージダンパー機能ログを確認します。
以下のコマンドを入力して Pod を取得します。
$ oc get pods
以下のコマンドを入力して、Pod のメッセージダンパー機能ログを表示します。
$ oc logs $(oc get pod -o name | grep event-display) -c user-container
出力例
☁️ cloudevents.Event Validation: valid Context Attributes, specversion: 1.0 type: dev.knative.apiserver.resource.update datacontenttype: application/json ... Data, { "apiVersion": "v1", "involvedObject": { "apiVersion": "v1", "fieldPath": "spec.containers{hello-node}", "kind": "Pod", "name": "hello-node", "namespace": "default", ..... }, "kind": "Event", "message": "Started container", "metadata": { "name": "hello-node.159d7608e3a3572c", "namespace": "default", .... }, "reason": "Started", ... }
API サーバーソースの削除
トリガーを削除します。
$ oc delete -f trigger.yaml
イベントソースを削除します。
$ oc delete -f k8s-events.yaml
サービスアカウント、クラスターロール、およびクラスターバインディングを削除します。
$ oc delete -f authentication.yaml
5.2.4. ping ソースの作成
ping ソースは、一定のペイロードを使用して ping イベントをイベントコンシューマーに定期的に送信するために使用されるイベントソースです。ping ソースを使用すると、タイマーと同様にイベントの送信をスケジュールできます。
5.2.4.1. Web コンソールを使用した ping ソースの作成
Knative Eventing がクラスターにインストールされると、Web コンソールを使用して ping ソースを作成できます。OpenShift Container Platform Web コンソールを使用すると、イベントソースを作成するための合理的で直感的なユーザーインターフェイスが提供されます。
前提条件
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
- OpenShift Serverless Operator、Knative Serving、および Knative Eventing がクラスターにインストールされている。
- OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
手順
PingSource が機能していることを確認するには、受信メッセージをサービスのログにダンプする単純な Knative サービスを作成します。
- Developer パースペクティブで、+Add → YAML に移動します。
サンプル YAML をコピーします。
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: event-display spec: template: spec: containers: - image: quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display:latest
- Create をクリックします。
直前の手順で作成したサービスと同じ namespace、またはイベントの送信先となる他のシンクと同じ namespace に ping ソースを作成します。
- Developer パースペクティブで、+Add → Event Source に移動します。Event Sources ページが表示されます。
- オプション: イベントソースに複数のプロバイダーがある場合は、Providers 一覧から必要なプロバイダーを選択し、プロバイダーから利用可能なイベントソースをフィルターします。
Ping Source を選択してから Create Event Source をクリックします。Create Event Source ページが表示されます。
注記Form view または YAML view を使用して PingSource 設定を設定し、これらのビューを切り換えることができます。ビューの切り替え時に、データは永続化されます。
-
Schedule の値を入力します。この例では、値は
*/2 * * * *
であり、2 分ごとにメッセージを送信する PingSource を作成します。 - オプション: Data の値を入力できます。これはメッセージのペイロードです。
-
Sink を選択します。これは Resource または URI のいずれかになります。この例では、直前の手順で作成された
event-display
サービスが Resources シンクとして使用されます。 - Create をクリックします。
検証
Topology ページを表示して、ping ソースが作成され、シンクに接続されていることを確認できます。
- Developer パースペクティブで、Topology に移動します。
ping ソースおよびシンクを表示します。
ping ソースの削除
- Topology ビューに移動します。
- API サーバーソースを右クリックし、Delete Ping Source を選択します。
5.2.4.2. Knative CLI を使用した ping ソースの作成
kn source ping create
コマンドを使用し、Knative (kn
) CLI を使用して ping ソースを作成できます。イベントソースを作成するために Knative CLI を使用すると、YAML ファイルを直接修正するよりも合理的で直感的なユーザーインターフェイスが得られます。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator、Knative Serving、および Knative Eventing がクラスターにインストールされている。
-
Knative (
kn
) CLI をインストールしている。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
-
オプション: この手順の検証手順を使用する場合は、OpenShift CLI (
oc
) をインストールします。
手順
ping ソースが機能していることを確認するには、受信メッセージをサービスのログにダンプする単純な Knative サービスを作成します。
$ kn service create event-display \ --image quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display:latest
要求する必要のある ping イベントのセットごとに、PingSource をイベントコンシューマーと同じ namespace に作成します。
$ kn source ping create test-ping-source \ --schedule "*/2 * * * *" \ --data '{"message": "Hello world!"}' \ --sink ksvc:event-display
以下のコマンドを入力し、出力を検査して、コントローラーが正しくマップされていることを確認します。
$ kn source ping describe test-ping-source
出力例
Name: test-ping-source Namespace: default Annotations: sources.knative.dev/creator=developer, sources.knative.dev/lastModifier=developer Age: 15s Schedule: */2 * * * * Data: {"message": "Hello world!"} Sink: Name: event-display Namespace: default Resource: Service (serving.knative.dev/v1) Conditions: OK TYPE AGE REASON ++ Ready 8s ++ Deployed 8s ++ SinkProvided 15s ++ ValidSchedule 15s ++ EventTypeProvided 15s ++ ResourcesCorrect 15s
検証
シンク Pod のログを確認して、Kubernetes イベントが Knative イベントに送信されていることを確認できます。
デフォルトで、Knative サービスは、トラフィックが 60 秒以内に受信されない場合に Pod を終了します。本書の例では、新たに作成される Pod で各メッセージが確認されるように 2 分ごとにメッセージを送信する ping ソースを作成します。
作成された新規 Pod を監視します。
$ watch oc get pods
Ctrl+C を使用して Pod の監視をキャンセルし、作成された Pod のログを確認します。
$ oc logs $(oc get pod -o name | grep event-display) -c user-container
出力例
☁️ cloudevents.Event Validation: valid Context Attributes, specversion: 1.0 type: dev.knative.sources.ping source: /apis/v1/namespaces/default/pingsources/test-ping-source id: 99e4f4f6-08ff-4bff-acf1-47f61ded68c9 time: 2020-04-07T16:16:00.000601161Z datacontenttype: application/json Data, { "message": "Hello world!" }
ping ソースの削除
ping ソースを削除します。
$ kn delete pingsources.sources.knative.dev <ping_source_name>
5.2.4.2.1. Knative CLI シンクフラグ
Knative (kn
) CLI を使用してイベントソースを作成する場合、--sink
フラグを使用して、イベントがリソースから送信されるシンクを指定できます。シンクは、他のリソースから受信イベントを受信できる、アドレス指定可能または呼び出し可能な任意のリソースです。
以下の例では、サービスの http://event-display.svc.cluster.local
をシンクとして使用するシンクバインディングを作成します。
シンクフラグを使用したコマンドの例
$ kn source binding create bind-heartbeat \
--namespace sinkbinding-example \
--subject "Job:batch/v1:app=heartbeat-cron" \
--sink http://event-display.svc.cluster.local \ 1
--ce-override "sink=bound"
- 1
http://event-display.svc.cluster.local
のsvc
は、シンクが Knative サービスであることを判別します。他のデフォルトのシンクの接頭辞には、channel
およびbroker
が含まれます。
5.2.4.3. YAML を使用した ping ソースの作成
YAML ファイルを使用して Knative リソースを作成する場合、宣言的 API を使用するため、再現性の高い方法でイベントソースを宣言的に記述することができます。YAML を使用してサーバーレス ping を作成するには、PingSource
オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成し、oc apply
を使用してこれを適用する必要があります。
PingSource
オブジェクトの例
apiVersion: sources.knative.dev/v1 kind: PingSource metadata: name: test-ping-source spec: schedule: "*/2 * * * *" 1 data: '{"message": "Hello world!"}' 2 sink: 3 ref: apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service name: event-display
前提条件
- OpenShift Serverless Operator、Knative Serving、および Knative Eventing がクラスターにインストールされている。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
手順
ping ソースが機能していることを確認するには、受信メッセージをサービスのログにダンプする単純な Knative サービスを作成します。
サービス YAML ファイルを作成します。
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: event-display spec: template: spec: containers: - image: quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display:latest
サービスを作成します。
$ oc apply -f <filename>
要求する必要のある ping イベントのセットごとに、ping ソースをイベントコンシューマーと同じ namespace に作成します。
ping ソースの YAML ファイルを作成します。
apiVersion: sources.knative.dev/v1 kind: PingSource metadata: name: test-ping-source spec: schedule: "*/2 * * * *" data: '{"message": "Hello world!"}' sink: ref: apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service name: event-display
ping ソースを作成します。
$ oc apply -f <filename>
以下のコマンドを入力し、コントローラーが正しくマップされていることを確認します。
$ oc get pingsource.sources.knative.dev <ping_source_name> -oyaml
出力例
apiVersion: sources.knative.dev/v1 kind: PingSource metadata: annotations: sources.knative.dev/creator: developer sources.knative.dev/lastModifier: developer creationTimestamp: "2020-04-07T16:11:14Z" generation: 1 name: test-ping-source namespace: default resourceVersion: "55257" selfLink: /apis/sources.knative.dev/v1/namespaces/default/pingsources/test-ping-source uid: 3d80d50b-f8c7-4c1b-99f7-3ec00e0a8164 spec: data: '{ value: "hello" }' schedule: '*/2 * * * *' sink: ref: apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service name: event-display namespace: default
検証
シンク Pod のログを確認して、Kubernetes イベントが Knative イベントに送信されていることを確認できます。
デフォルトで、Knative サービスは、トラフィックが 60 秒以内に受信されない場合に Pod を終了します。本書の例では、新たに作成される Pod で各メッセージが確認されるように 2 分ごとにメッセージを送信する PingSource を作成します。
作成された新規 Pod を監視します。
$ watch oc get pods
Ctrl+C を使用して Pod の監視をキャンセルし、作成された Pod のログを確認します。
$ oc logs $(oc get pod -o name | grep event-display) -c user-container
出力例
☁️ cloudevents.Event Validation: valid Context Attributes, specversion: 1.0 type: dev.knative.sources.ping source: /apis/v1/namespaces/default/pingsources/test-ping-source id: 042ff529-240e-45ee-b40c-3a908129853e time: 2020-04-07T16:22:00.000791674Z datacontenttype: application/json Data, { "message": "Hello world!" }
ping ソースの削除
ping ソースを削除します。
$ oc delete -f <filename>
コマンドの例
$ oc delete -f ping-source.yaml
5.2.5. Apache Kafka のソース
Apache Kafka クラスターからイベントを読み取り、これらのイベントをシンクに渡す Apache Kafka ソースを作成できます。Kafka ソースを作成するには、OpenShift Container Platform Web コンソールの Knative (kn
)CLI を使用するか、KafkaSource
オブジェクトを YAML ファイルとして直接作成し、OpenShift CLI (oc
) を使用して適用します。
Apache Kafka の Knative ブローカーのインストール のドキュメントを参照してください。
5.2.5.1. Web コンソールを使用した Apache Kafka イベントソースの作成
Apache Kafka の Knative ブローカー実装がクラスターにインストールされたら、Web コンソールを使用して Apache Kafka ソースを作成できます。OpenShift Container Platform Web コンソールを使用すると、Kafka ソースを作成するための合理的で直感的なユーザーインターフェイスが提供されます。
前提条件
-
OpenShift Serverless Operator、Knative Serving、および
KnativeKafka
カスタムリソースがクラスターにインストールされている。 - Web コンソールにログインしている。
- インポートする Kafka メッセージを生成する Red Hat AMQ Streams (Kafka) クラスターにアクセスできる。
- OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
手順
- Developer パースペクティブで、+Add ページに移動し、Event Source を選択します。
- Event Sources ページで、Type セクションの Kafka Source を選択します。
Kafka Source 設定を設定します。
- ブートストラップサーバー のコンマ区切りの一覧を追加します。
- トピック のコンマ区切りの一覧を追加します。
- コンシューマーグループ を追加します。
- 作成したサービスアカウントの Service Account Name を選択します。
- イベントソースの Sink を選択します。Sink は、チャネル、ブローカー、またはサービスなどの Resource、または URI のいずれかになります。
- Kafka イベントソースの Name を入力します。
- Create をクリックします。
検証
Topology ページを表示して、Kafka イベントソースが作成され、シンクに接続されていることを確認できます。
- Developer パースペクティブで、Topology に移動します。
Kafka イベントソースおよびシンクを表示します。
5.2.5.2. Knative CLI を使用した Apache Kafka イベントソースの作成
kn source kafka create
コマンドを使用し、Knative (kn
) CLI を使用して Kafka ソースを作成できます。イベントソースを作成するために Knative CLI を使用すると、YAML ファイルを直接修正するよりも合理的で直感的なユーザーインターフェイスが得られます。
前提条件
-
OpenShift Serverless Operator、Knative Eventing、Knative Serving、および
KnativeKafka
カスタムリソース (CR) がクラスターにインストールされている。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
- インポートする Kafka メッセージを生成する Red Hat AMQ Streams (Kafka) クラスターにアクセスできる。
-
Knative (
kn
) CLI をインストールしている。 -
オプション: この手順で検証ステップを使用する場合は、OpenShift CLI (
oc
) をインストールします。
手順
Kafka イベントソースが機能していることを確認するには、受信メッセージをサービスのログにダンプする Knative サービスを作成します。
$ kn service create event-display \ --image quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display
KafkaSource
CR を作成します。$ kn source kafka create <kafka_source_name> \ --servers <cluster_kafka_bootstrap>.kafka.svc:9092 \ --topics <topic_name> --consumergroup my-consumer-group \ --sink event-display
注記このコマンドのプレースホルダー値は、ソース名、ブートストラップサーバー、およびトピックの値に置き換えます。
--servers
、--topics
、および--consumergroup
オプションは、Kafka クラスターへの接続パラメーターを指定します。--consumergroup
オプションは任意です。オプション: 作成した
KafkaSource
CR の詳細を表示します。$ kn source kafka describe <kafka_source_name>
出力例
Name: example-kafka-source Namespace: kafka Age: 1h BootstrapServers: example-cluster-kafka-bootstrap.kafka.svc:9092 Topics: example-topic ConsumerGroup: example-consumer-group Sink: Name: event-display Namespace: default Resource: Service (serving.knative.dev/v1) Conditions: OK TYPE AGE REASON ++ Ready 1h ++ Deployed 1h ++ SinkProvided 1h
検証手順
Kafka インスタンスをトリガーし、メッセージをトピックに送信します。
$ oc -n kafka run kafka-producer \ -ti --image=quay.io/strimzi/kafka:latest-kafka-2.7.0 --rm=true \ --restart=Never -- bin/kafka-console-producer.sh \ --broker-list <cluster_kafka_bootstrap>:9092 --topic my-topic
プロンプトにメッセージを入力します。このコマンドは、以下を前提とします。
-
Kafka クラスターが
kafka
namespace にインストールされている。 -
KafkaSource
オブジェクトは、my-topic
トピックを使用するように設定されている。
-
Kafka クラスターが
ログを表示して、メッセージが到達していることを確認します。
$ oc logs $(oc get pod -o name | grep event-display) -c user-container
出力例
☁️ cloudevents.Event Validation: valid Context Attributes, specversion: 1.0 type: dev.knative.kafka.event source: /apis/v1/namespaces/default/kafkasources/example-kafka-source#example-topic subject: partition:46#0 id: partition:46/offset:0 time: 2021-03-10T11:21:49.4Z Extensions, traceparent: 00-161ff3815727d8755848ec01c866d1cd-7ff3916c44334678-00 Data, Hello!
5.2.5.2.1. Knative CLI シンクフラグ
Knative (kn
) CLI を使用してイベントソースを作成する場合、--sink
フラグを使用して、イベントがリソースから送信されるシンクを指定できます。シンクは、他のリソースから受信イベントを受信できる、アドレス指定可能または呼び出し可能な任意のリソースです。
以下の例では、サービスの http://event-display.svc.cluster.local
をシンクとして使用するシンクバインディングを作成します。
シンクフラグを使用したコマンドの例
$ kn source binding create bind-heartbeat \
--namespace sinkbinding-example \
--subject "Job:batch/v1:app=heartbeat-cron" \
--sink http://event-display.svc.cluster.local \ 1
--ce-override "sink=bound"
- 1
http://event-display.svc.cluster.local
のsvc
は、シンクが Knative サービスであることを判別します。他のデフォルトのシンクの接頭辞には、channel
およびbroker
が含まれます。
5.2.5.3. YAML を使用した Apache Kafka イベントソースの作成
YAML ファイルを使用して Knative リソースを作成する場合、宣言的 API を使用するため、再現性の高い方法でアプリケーションを宣言的に記述することができます。YAML を使用して Kafka ソースを作成するには、KafkaSource
オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成し、oc apply
コマンドを使用してそれを適用する必要があります。
前提条件
-
OpenShift Serverless Operator、Knative Serving、および
KnativeKafka
カスタムリソースがクラスターにインストールされている。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
- インポートする Kafka メッセージを生成する Red Hat AMQ Streams (Kafka) クラスターにアクセスできる。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
KafkaSource
オブジェクトを YAML ファイルとして作成します。apiVersion: sources.knative.dev/v1beta1 kind: KafkaSource metadata: name: <source_name> spec: consumerGroup: <group_name> 1 bootstrapServers: - <list_of_bootstrap_servers> topics: - <list_of_topics> 2 sink: - <list_of_sinks> 3
重要OpenShift Serverless 上の
KafkaSource
オブジェクトの API のv1beta1
バージョンのみがサポートされます。非推奨となったv1alpha1
バージョンの API は使用しないでください。KafkaSource
オブジェクトの例apiVersion: sources.knative.dev/v1beta1 kind: KafkaSource metadata: name: kafka-source spec: consumerGroup: knative-group bootstrapServers: - my-cluster-kafka-bootstrap.kafka:9092 topics: - knative-demo-topic sink: ref: apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service name: event-display
KafkaSource
YAML ファイルを適用します。$ oc apply -f <filename>
検証
以下のコマンドを入力して、Kafka イベントソースが作成されたことを確認します。
$ oc get pods
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE kafkasource-kafka-source-5ca0248f-... 1/1 Running 0 13m
5.2.5.4. Apache Kafka ソースの SASL 認証の設定
Simple Authentication and Security Layer (SASL) は、Apache Kafka が認証に使用します。クラスターで SASL 認証を使用する場合、ユーザーは Kafka クラスターと通信するために Knative に認証情報を提供する必要があります。そうしないと、イベントを生成または消費できません。
前提条件
- OpenShift Container Platform でクラスターまたは専用の管理者パーミッションを持っている。
-
OpenShift Serverless Operator、Knative Eventing、および
KnativeKafka
CR は、OpenShift Container Platform クラスターにインストールされている。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
- Kafka クラスターのユーザー名およびパスワードがある。
-
使用する SASL メカニズムを選択している (例:
PLAIN
、SCRAM-SHA-256
、またはSCRAM-SHA-512
)。 -
TLS が有効にされている場合、Kafka クラスターの
ca.crt
証明書ファイルも必要になります。 -
OpenShift (
oc
) CLI がインストールされている。
手順
選択された namespace にシークレットとして証明書ファイルを作成します。
$ oc create secret -n <namespace> generic <kafka_auth_secret> \ --from-file=ca.crt=caroot.pem \ --from-literal=password="SecretPassword" \ --from-literal=saslType="SCRAM-SHA-512" \ 1 --from-literal=user="my-sasl-user"
- 1
- SASL タイプは
PLAIN
、SCRAM-SHA-256
、またはSCRAM-SHA-512
です。
Kafka ソースを作成または変更して、次の
spec
設定が含まれるようにします。apiVersion: sources.knative.dev/v1beta1 kind: KafkaSource metadata: name: example-source spec: ... net: sasl: enable: true user: secretKeyRef: name: <kafka_auth_secret> key: user password: secretKeyRef: name: <kafka_auth_secret> key: password type: secretKeyRef: name: <kafka_auth_secret> key: saslType tls: enable: true caCert: 1 secretKeyRef: name: <kafka_auth_secret> key: ca.crt ...
- 1
- パブリッククラウドの Kafka サービスを使用している場合は、
caCert
仕様は必要ありません。
5.2.6. カスタムイベントソース
Knative に含まれていないイベントプロデューサーや、CloudEvent
形式ではないイベントを生成するプロデューサーからイベントを Ingress する必要がある場合は、カスタムイベントソースを使用してこれを実行できます。カスタムイベントソースは、次のいずれかの方法で作成できます。
-
シンクバインディングを作成して、
PodSpecable
オブジェクトをイベントソースとして使用します。 - コンテナーソースを作成して、コンテナーをイベントソースとして使用します。
5.2.6.1. シンクバインディング
SinkBinding
オブジェクトは、イベント生成を配信アドレス指定から切り離すことをサポートします。シンクバインディングは、イベントプロデューサー をイベントコンシューマーまたは シンク に接続するために使用されます。イベントプロデューサーは、PodSpec
テンプレートを組み込む Kubernetes リソースであり、イベントを生成します。シンクは、イベントを受信できるアドレス指定可能な Kubernetes オブジェクトです。
SinkBinding
オブジェクトは、環境変数をシンクの PodTemplateSpec
に挿入します。つまり、アプリケーションコードが Kubernetes API と直接対話してイベントの宛先を見つける必要はありません。これらの環境変数は以下のとおりです。
K_SINK
- 解決されたシンクの URL。
K_CE_OVERRIDES
- アウトバウンドイベントの上書きを指定する JSON オブジェクト。
現在、SinkBinding
オブジェクトはサービスのカスタムリビジョン名をサポートしません。
5.2.6.1.1. YAML を使用したシンクバインディングの作成
YAML ファイルを使用して Knative リソースを作成する場合、宣言的 API を使用するため、再現性の高い方法でイベントソースを宣言的に記述することができます。YAML を使用してシンクバインディングを作成するには、SinkBinding
オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成し、oc apply
コマンドを使用してそれを適用する必要があります。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator、Knative Serving、および Knative Eventing がクラスターにインストールされている。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
手順
シンクバインディングが正しく設定されていることを確認するには、受信メッセージをダンプする Knative イベント表示サービスまたはイベントシンクを作成します。
サービス YAML ファイルを作成します。
サービス YAML ファイルの例
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: event-display spec: template: spec: containers: - image: quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display:latest
サービスを作成します。
$ oc apply -f <filename>
イベントをサービスに転送するシンクバインディングインスタンスを作成します。
シンクバインディング YAML ファイルを作成します。
サービス YAML ファイルの例
apiVersion: sources.knative.dev/v1alpha1 kind: SinkBinding metadata: name: bind-heartbeat spec: subject: apiVersion: batch/v1 kind: Job 1 selector: matchLabels: app: heartbeat-cron sink: ref: apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service name: event-display
- 1
- この例では、ラベル
app: heartbeat-cron
を指定したジョブがイベントシンクにバインドされます。
シンクバインディングを作成します。
$ oc apply -f <filename>
CronJob
オブジェクトを作成します。cron ジョブの YAML ファイルを作成します。
cron ジョブの YAML ファイルの例
apiVersion: batch/v1 kind: CronJob metadata: name: heartbeat-cron spec: # Run every minute schedule: "* * * * *" jobTemplate: metadata: labels: app: heartbeat-cron bindings.knative.dev/include: "true" spec: template: spec: restartPolicy: Never containers: - name: single-heartbeat image: quay.io/openshift-knative/heartbeats:latest args: - --period=1 env: - name: ONE_SHOT value: "true" - name: POD_NAME valueFrom: fieldRef: fieldPath: metadata.name - name: POD_NAMESPACE valueFrom: fieldRef: fieldPath: metadata.namespace
重要シンクバインディングを使用するには、
bindings.knative.dev/include=true
ラベルを Knative リソースに手動で追加する必要があります。たとえば、このラベルを
CronJob
インスタンスに追加するには、以下の行をJob
リソースの YAML 定義に追加します。jobTemplate: metadata: labels: app: heartbeat-cron bindings.knative.dev/include: "true"
cron ジョブを作成します。
$ oc apply -f <filename>
以下のコマンドを入力し、出力を検査して、コントローラーが正しくマップされていることを確認します。
$ oc get sinkbindings.sources.knative.dev bind-heartbeat -oyaml
出力例
spec: sink: ref: apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service name: event-display namespace: default subject: apiVersion: batch/v1 kind: Job namespace: default selector: matchLabels: app: heartbeat-cron
検証
メッセージダンパー機能ログを確認して、Kubernetes イベントが Knative イベントシンクに送信されていることを確認できます。
コマンドを入力します。
$ oc get pods
コマンドを入力します。
$ oc logs $(oc get pod -o name | grep event-display) -c user-container
出力例
☁️ cloudevents.Event Validation: valid Context Attributes, specversion: 1.0 type: dev.knative.eventing.samples.heartbeat source: https://knative.dev/eventing-contrib/cmd/heartbeats/#event-test/mypod id: 2b72d7bf-c38f-4a98-a433-608fbcdd2596 time: 2019-10-18T15:23:20.809775386Z contenttype: application/json Extensions, beats: true heart: yes the: 42 Data, { "id": 1, "label": "" }
5.2.6.1.2. Knative CLI を使用したシンクバインディングの作成
kn source binding create
コマンドを使用し、Knative (kn
) を使用してシンクバインディングを作成できます。イベントソースを作成するために Knative CLI を使用すると、YAML ファイルを直接修正するよりも合理的で直感的なユーザーインターフェイスが得られます。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator、Knative Serving、および Knative Eventing がクラスターにインストールされている。
- OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
-
Knative (
kn
) CLI をインストールしている。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
以下の手順では、YAML ファイルを作成する必要があります。
サンプルで使用されたもので YAML ファイルの名前を変更する場合は、必ず対応する CLI コマンドを更新する必要があります。
手順
シンクバインディングが正しく設定されていることを確認するには、受信メッセージをダンプする Knative イベント表示サービスまたはイベントシンクを作成します。
$ kn service create event-display --image quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display:latest
イベントをサービスに転送するシンクバインディングインスタンスを作成します。
$ kn source binding create bind-heartbeat --subject Job:batch/v1:app=heartbeat-cron --sink ksvc:event-display
CronJob
オブジェクトを作成します。cron ジョブの YAML ファイルを作成します。
cron ジョブの YAML ファイルの例
apiVersion: batch/v1 kind: CronJob metadata: name: heartbeat-cron spec: # Run every minute schedule: "* * * * *" jobTemplate: metadata: labels: app: heartbeat-cron bindings.knative.dev/include: "true" spec: template: spec: restartPolicy: Never containers: - name: single-heartbeat image: quay.io/openshift-knative/heartbeats:latest args: - --period=1 env: - name: ONE_SHOT value: "true" - name: POD_NAME valueFrom: fieldRef: fieldPath: metadata.name - name: POD_NAMESPACE valueFrom: fieldRef: fieldPath: metadata.namespace
重要シンクバインディングを使用するには、
bindings.knative.dev/include=true
ラベルを Knative CR に手動で追加する必要があります。たとえば、このラベルを
CronJob
CR に追加するには、以下の行をJob
CR の YAML 定義に追加します。jobTemplate: metadata: labels: app: heartbeat-cron bindings.knative.dev/include: "true"
cron ジョブを作成します。
$ oc apply -f <filename>
以下のコマンドを入力し、出力を検査して、コントローラーが正しくマップされていることを確認します。
$ kn source binding describe bind-heartbeat
出力例
Name: bind-heartbeat Namespace: demo-2 Annotations: sources.knative.dev/creator=minikube-user, sources.knative.dev/lastModifier=minikub ... Age: 2m Subject: Resource: job (batch/v1) Selector: app: heartbeat-cron Sink: Name: event-display Resource: Service (serving.knative.dev/v1) Conditions: OK TYPE AGE REASON ++ Ready 2m
検証
メッセージダンパー機能ログを確認して、Kubernetes イベントが Knative イベントシンクに送信されていることを確認できます。
以下のコマンドを入力して、メッセージダンパー機能ログを表示します。
$ oc get pods
$ oc logs $(oc get pod -o name | grep event-display) -c user-container
出力例
☁️ cloudevents.Event Validation: valid Context Attributes, specversion: 1.0 type: dev.knative.eventing.samples.heartbeat source: https://knative.dev/eventing-contrib/cmd/heartbeats/#event-test/mypod id: 2b72d7bf-c38f-4a98-a433-608fbcdd2596 time: 2019-10-18T15:23:20.809775386Z contenttype: application/json Extensions, beats: true heart: yes the: 42 Data, { "id": 1, "label": "" }
5.2.6.1.2.1. Knative CLI シンクフラグ
Knative (kn
) CLI を使用してイベントソースを作成する場合、--sink
フラグを使用して、イベントがリソースから送信されるシンクを指定できます。シンクは、他のリソースから受信イベントを受信できる、アドレス指定可能または呼び出し可能な任意のリソースです。
以下の例では、サービスの http://event-display.svc.cluster.local
をシンクとして使用するシンクバインディングを作成します。
シンクフラグを使用したコマンドの例
$ kn source binding create bind-heartbeat \
--namespace sinkbinding-example \
--subject "Job:batch/v1:app=heartbeat-cron" \
--sink http://event-display.svc.cluster.local \ 1
--ce-override "sink=bound"
- 1
http://event-display.svc.cluster.local
のsvc
は、シンクが Knative サービスであることを判別します。他のデフォルトのシンクの接頭辞には、channel
およびbroker
が含まれます。
5.2.6.1.3. Web コンソールを使用したシンクバインディングの作成
Knative Eventing がクラスターにインストールされると、Web コンソールを使用して シンクバインディングを作成できます。OpenShift Container Platform Web コンソールを使用すると、イベントソースを作成するための合理的で直感的なユーザーインターフェイスが提供されます。
前提条件
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
- OpenShift Serverless Operator、Knative Serving、および Knative Eventing が OpenShift Container Platform クラスターにインストールされている。
- OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
手順
シンクとして使用する Knative サービスを作成します。
- Developer パースペクティブで、+Add → YAML に移動します。
サンプル YAML をコピーします。
apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service metadata: name: event-display spec: template: spec: containers: - image: quay.io/openshift-knative/knative-eventing-sources-event-display:latest
- Create をクリックします。
イベントソースとして使用される
CronJob
リソースを作成し、1 分ごとにイベントを送信します。- Developer パースペクティブで、+Add → YAML に移動します。
サンプル YAML をコピーします。
apiVersion: batch/v1 kind: CronJob metadata: name: heartbeat-cron spec: # Run every minute schedule: "*/1 * * * *" jobTemplate: metadata: labels: app: heartbeat-cron bindings.knative.dev/include: true 1 spec: template: spec: restartPolicy: Never containers: - name: single-heartbeat image: quay.io/openshift-knative/heartbeats args: - --period=1 env: - name: ONE_SHOT value: "true" - name: POD_NAME valueFrom: fieldRef: fieldPath: metadata.name - name: POD_NAMESPACE valueFrom: fieldRef: fieldPath: metadata.namespace
- 1
bindings.knative.dev/include: true
ラベルを含めるようにしてください。OpenShift Serverless のデフォルトの namespace 選択動作は包含モードを使用します。
- Create をクリックします。
直前の手順で作成したサービスと同じ namespace、またはイベントの送信先となる他のシンクと同じ namespace にシンクバインディングを作成します。
- Developer パースペクティブで、+Add → Event Source に移動します。Event Sources ページが表示されます。
- オプション: イベントソースに複数のプロバイダーがある場合は、Providers 一覧から必要なプロバイダーを選択し、プロバイダーから利用可能なイベントソースをフィルターします。
Sink Binding を選択し、Create Event Source をクリックします。Create Event Source ページが表示されます。
注記Form view または YAML view を使用して Sink Binding 設定を設定し、ビューを切り替えることができます。ビューの切り替え時に、データは永続化されます。
-
apiVersion フィールドに
batch/v1
を入力します。 Kind フィールドに
Job
と入力します。注記CronJob
の種類は OpenShift Serverless シンクバインディングで直接サポートされていないため、Kind フィールドは cron ジョブオブジェクト自体ではなく、cron ジョブで作成されるJob
オブジェクトをターゲットにする必要があります。-
Sink を選択します。これは Resource または URI のいずれかになります。この例では、直前の手順で作成された
event-display
サービスが Resources シンクとして使用されます。 Match labels セクションで以下を実行します。
-
Name フィールドに
app
と入力します。 Value フィールドに
heartbeat-cron
と入力します。注記ラベルセレクターは、リソース名ではなくシンクバインディングで cron ジョブを使用する場合に必要になります。これは、cron ジョブで作成されたジョブには予測可能な名前がなく、名前に無作為に生成される文字列が含まれているためです。たとえば、
hearthbeat-cron-1cc23f
になります。
-
Name フィールドに
- Create をクリックします。
検証
Topology ページおよび Pod ログを表示して、シンクバインディング、シンク、および cron ジョブが正常に作成され、機能していることを確認できます。
- Developer パースペクティブで、Topology に移動します。
シンクバインディング、シンク、およびハートビートの cron ジョブを表示します。
- シンクバインディングが追加されると、正常なジョブが cron ジョブによって登録されていることを確認します。つまり、シンクバインディングは cron ジョブで作成されたジョブが正常に再設定されることを意味します。
-
event-display
サービス Pod のログを参照し、ハートビート cron ジョブで生成されるイベントを表示します。
5.2.6.1.4. シンクバインディング参照
シンクバインディングを作成して、PodSpecable
オブジェクトをイベントソースとして使用できます。SinkBinding
オブジェクトを作成するときに、複数のパラメーターを設定できます。
SinkBinding
オブジェクトは以下のパラメーターをサポートします。
フィールド | 説明 | 必須またはオプション |
---|---|---|
|
API バージョンを指定します (例: | 必須 |
|
このリソースオブジェクトを | 必須 |
|
| 必須 |
|
この | 必須 |
| シンクとして使用する URI に解決するオブジェクトへの参照。 | 必須 |
| ランタイムコントラクトがバインディング実装によって拡張されるリソースを参照します。 | 必須 |
| 上書きを定義して、シンクに送信されたイベントへの出力形式および変更を制御します。 | 任意 |
5.2.6.1.4.1. Subject パラメーター
Subject
パラメーターは、ランタイムコントラクトがバインディング実装によって拡張されるリソースを参照します。Subject
定義に複数のフィールドを設定できます。
Subject
定義は、以下のフィールドをサポートします。
フィールド | 説明 | 必須またはオプション |
---|---|---|
| 参照先の API バージョン。 | 必須 |
| 参照先の種類。 | 必須 |
| 参照先の namespace。省略されている場合、デフォルトはオブジェクトの namespace に設定されます。 | 任意 |
| 参照先の名前。 |
|
| 参照先のセレクター。 |
|
| ラベルセレクターの要件の一覧です。 |
|
| セレクターが適用されるラベルキー。 |
|
|
キーと値のセットの関係を表します。有効な演算子は |
|
|
文字列値の配列。 |
|
|
キーと値のペアのマップ。 |
|
サブジェクトパラメーターの例
以下の YAML の場合は、default
namespace の mysubject
という名前の Deployment
オブジェクトが選択されます。
apiVersion: sources.knative.dev/v1 kind: SinkBinding metadata: name: bind-heartbeat spec: subject: apiVersion: apps/v1 kind: Deployment namespace: default name: mysubject ...
以下の YAML の場合、default
namespace にラベル working=example
が設定された Job
オブジェクトが選択されます。
apiVersion: sources.knative.dev/v1 kind: SinkBinding metadata: name: bind-heartbeat spec: subject: apiVersion: batch/v1 kind: Job namespace: default selector: matchLabels: working: example ...
以下の YAML の場合、default
namespace にラベル working=example
または working=sample
が含まれる Pod
オブジェクトが選択されます。
apiVersion: sources.knative.dev/v1 kind: SinkBinding metadata: name: bind-heartbeat spec: subject: apiVersion: v1 kind: Pod namespace: default selector: - matchExpression: key: working operator: In values: - example - sample ...
5.2.6.1.4.2. CloudEvent オーバーライド
ceOverrides
定義は、シンクに送信される CloudEvent の出力形式および変更を制御するオーバーライドを提供します。ceOverrides
定義に複数のフィールドを設定できます。
ceOverrides
の定義は、以下のフィールドをサポートします。
フィールド | 説明 | 必須またはオプション |
---|---|---|
|
アウトバウンドイベントで追加または上書きされる属性を指定します。各 | 任意 |
拡張子として許可されるのは、有効な CloudEvent
属性名のみです。拡張機能オーバーライド設定から仕様定義属性を設定することはできません。たとえば、type
属性を変更することはできません。
CloudEvent オーバーライドの例
apiVersion: sources.knative.dev/v1 kind: SinkBinding metadata: name: bind-heartbeat spec: ... ceOverrides: extensions: extra: this is an extra attribute additional: 42
これにより、subject
に K_CE_OVERRIDES
環境変数が設定されます。
出力例
{ "extensions": { "extra": "this is an extra attribute", "additional": "42" } }
5.2.6.1.4.3. include ラベル
シンクバインディングを使用するには、bindings.knative.dev/include: "true"
ラベルをリソースまたはリソースが含まれる namespace のいずれかに割り当てる必要があります。リソース定義にラベルが含まれていない場合には、クラスター管理者は以下を実行してこれを namespace に割り当てることができます。
$ oc label namespace <namespace> bindings.knative.dev/include=true
5.2.6.2. コンテナーソース
コンテナーソースは、イベントを生成し、イベントをシンクに送信するコンテナーイメージを作成します。コンテナーソースを使用して、イメージ URI を使用するコンテナーイメージおよび ContainerSource
オブジェクトを作成して、カスタムイベントソースを作成できます。
5.2.6.2.1. コンテナーイメージを作成するためのガイドライン
コンテナーソースコントローラーには、K_SINK
および K_CE_OVERRIDES
の 2 つの環境変数が注入されます。これらの変数は、それぞれ sink
および ceOverrides
仕様から解決されます。イベントは、K_SINK
環境変数で指定されたシンク URI に送信されます。メッセージは、CloudEvent
HTTP 形式を使用して POST
として送信する必要があります。
コンテナーイメージの例
以下は、ハートビートコンテナーイメージの例になります。
package main import ( "context" "encoding/json" "flag" "fmt" "log" "os" "strconv" "time" duckv1 "knative.dev/pkg/apis/duck/v1" cloudevents "github.com/cloudevents/sdk-go/v2" "github.com/kelseyhightower/envconfig" ) type Heartbeat struct { Sequence int `json:"id"` Label string `json:"label"` } var ( eventSource string eventType string sink string label string periodStr string ) func init() { flag.StringVar(&eventSource, "eventSource", "", "the event-source (CloudEvents)") flag.StringVar(&eventType, "eventType", "dev.knative.eventing.samples.heartbeat", "the event-type (CloudEvents)") flag.StringVar(&sink, "sink", "", "the host url to heartbeat to") flag.StringVar(&label, "label", "", "a special label") flag.StringVar(&periodStr, "period", "5", "the number of seconds between heartbeats") } type envConfig struct { // Sink URL where to send heartbeat cloud events Sink string `envconfig:"K_SINK"` // CEOverrides are the CloudEvents overrides to be applied to the outbound event. CEOverrides string `envconfig:"K_CE_OVERRIDES"` // Name of this pod. Name string `envconfig:"POD_NAME" required:"true"` // Namespace this pod exists in. Namespace string `envconfig:"POD_NAMESPACE" required:"true"` // Whether to run continuously or exit. OneShot bool `envconfig:"ONE_SHOT" default:"false"` } func main() { flag.Parse() var env envConfig if err := envconfig.Process("", &env); err != nil { log.Printf("[ERROR] Failed to process env var: %s", err) os.Exit(1) } if env.Sink != "" { sink = env.Sink } var ceOverrides *duckv1.CloudEventOverrides if len(env.CEOverrides) > 0 { overrides := duckv1.CloudEventOverrides{} err := json.Unmarshal([]byte(env.CEOverrides), &overrides) if err != nil { log.Printf("[ERROR] Unparseable CloudEvents overrides %s: %v", env.CEOverrides, err) os.Exit(1) } ceOverrides = &overrides } p, err := cloudevents.NewHTTP(cloudevents.WithTarget(sink)) if err != nil { log.Fatalf("failed to create http protocol: %s", err.Error()) } c, err := cloudevents.NewClient(p, cloudevents.WithUUIDs(), cloudevents.WithTimeNow()) if err != nil { log.Fatalf("failed to create client: %s", err.Error()) } var period time.Duration if p, err := strconv.Atoi(periodStr); err != nil { period = time.Duration(5) * time.Second } else { period = time.Duration(p) * time.Second } if eventSource == "" { eventSource = fmt.Sprintf("https://knative.dev/eventing-contrib/cmd/heartbeats/#%s/%s", env.Namespace, env.Name) log.Printf("Heartbeats Source: %s", eventSource) } if len(label) > 0 && label[0] == '"' { label, _ = strconv.Unquote(label) } hb := &Heartbeat{ Sequence: 0, Label: label, } ticker := time.NewTicker(period) for { hb.Sequence++ event := cloudevents.NewEvent("1.0") event.SetType(eventType) event.SetSource(eventSource) event.SetExtension("the", 42) event.SetExtension("heart", "yes") event.SetExtension("beats", true) if ceOverrides != nil && ceOverrides.Extensions != nil { for n, v := range ceOverrides.Extensions { event.SetExtension(n, v) } } if err := event.SetData(cloudevents.ApplicationJSON, hb); err != nil { log.Printf("failed to set cloudevents data: %s", err.Error()) } log.Printf("sending cloudevent to %s", sink) if res := c.Send(context.Background(), event); !cloudevents.IsACK(res) { log.Printf("failed to send cloudevent: %v", res) } if env.OneShot { return } // Wait for next tick <-ticker.C } }
以下は、以前のハートビートコンテナーイメージを参照するコンテナーソースの例です。
apiVersion: sources.knative.dev/v1 kind: ContainerSource metadata: name: test-heartbeats spec: template: spec: containers: # This corresponds to a heartbeats image URI that you have built and published - image: gcr.io/knative-releases/knative.dev/eventing/cmd/heartbeats name: heartbeats args: - --period=1 env: - name: POD_NAME value: "example-pod" - name: POD_NAMESPACE value: "event-test" sink: ref: apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service name: example-service ...
5.2.6.2.2. Knative CLI を使用したコンテナーソースの作成および管理
kn source container
コマンドを使用し、Knative (kn
) CLI を使用してコンテナーソースを作成および管理できます。イベントソースを作成するために Knative CLI を使用すると、YAML ファイルを直接修正するよりも合理的で直感的なユーザーインターフェイスが得られます。
コンテナーソースを作成します。
$ kn source container create <container_source_name> --image <image_uri> --sink <sink>
コンテナーソースの削除
$ kn source container delete <container_source_name>
コンテナーソースを記述します。
$ kn source container describe <container_source_name>
既存のコンテナーソースを一覧表示
$ kn source container list
既存のコンテナーソースを YAML 形式で一覧表示
$ kn source container list -o yaml
コンテナーソースを更新します。
このコマンドにより、既存のコンテナーソースのイメージ URI が更新されます。
$ kn source container update <container_source_name> --image <image_uri>
5.2.6.2.3. Web コンソールを使用したコンテナーソースの作成
Knative Eventing がクラスターにインストールされると、Web コンソールを使用してコンテナーソースを作成できます。OpenShift Container Platform Web コンソールを使用すると、イベントソースを作成するための合理的で直感的なユーザーインターフェイスが提供されます。
前提条件
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
- OpenShift Serverless Operator、Knative Serving、および Knative Eventing が OpenShift Container Platform クラスターにインストールされている。
- OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
手順
- Developer パースペクティブで、+Add → Event Source に移動します。Event Sources ページが表示されます。
- Container Source を選択してから Create Event Source をクリックします。Create Event Source ページが表示されます。
Form view または YAML view を使用して、Container Source 設定を設定します。
注記Form view と YAML view 間で切り換えることができます。ビューの切り替え時に、データは永続化されます。
- Image フィールドに、コンテナーソースが作成したコンテナーで実行するイメージの URI を入力します。
- Name フィールドにイメージの名前を入力します。
- オプション: Arguments フィールドで、コンテナーに渡す引数を入力します。
- オプション: Environment variables フィールドで、コンテナーに設定する環境変数を追加します。
Sink セクションで、コンテナーソースからのイベントがルーティングされるシンクを追加します。Form ビューを使用している場合は、以下のオプションから選択できます。
- Resource を選択して、チャネル、ブローカー、またはサービスをイベントソースのシンクとして使用します。
- URI を選択して、コンテナーソースからのイベントのルーティング先を指定します。
- コンテナーソースの設定が完了したら、Create をクリックします。
5.2.6.2.4. コンテナーソースのリファレンス
ContainerSource
オブジェクトを作成することにより、コンテナーをイベントソースとして使用できます。ContainerSource
オブジェクトを作成するときに、複数のパラメーターを設定できます。
ContainerSource
オブジェクトは以下のフィールドをサポートします。
フィールド | 説明 | 必須またはオプション |
---|---|---|
|
API バージョンを指定します (例: | 必須 |
|
このリソースオブジェクトを | 必須 |
|
| 必須 |
|
この | 必須 |
| シンクとして使用する URI に解決するオブジェクトへの参照。 | 必須 |
|
| 必須 |
| 上書きを定義して、シンクに送信されたイベントへの出力形式および変更を制御します。 | 任意 |
テンプレートパラメーターの例
apiVersion: sources.knative.dev/v1 kind: ContainerSource metadata: name: test-heartbeats spec: template: spec: containers: - image: quay.io/openshift-knative/heartbeats:latest name: heartbeats args: - --period=1 env: - name: POD_NAME value: "mypod" - name: POD_NAMESPACE value: "event-test" ...
5.2.6.2.4.1. CloudEvent オーバーライド
ceOverrides
定義は、シンクに送信される CloudEvent の出力形式および変更を制御するオーバーライドを提供します。ceOverrides
定義に複数のフィールドを設定できます。
ceOverrides
の定義は、以下のフィールドをサポートします。
フィールド | 説明 | 必須またはオプション |
---|---|---|
|
アウトバウンドイベントで追加または上書きされる属性を指定します。各 | 任意 |
拡張子として許可されるのは、有効な CloudEvent
属性名のみです。拡張機能オーバーライド設定から仕様定義属性を設定することはできません。たとえば、type
属性を変更することはできません。
CloudEvent オーバーライドの例
apiVersion: sources.knative.dev/v1 kind: ContainerSource metadata: name: test-heartbeats spec: ... ceOverrides: extensions: extra: this is an extra attribute additional: 42
これにより、subject
に K_CE_OVERRIDES
環境変数が設定されます。
出力例
{ "extensions": { "extra": "this is an extra attribute", "additional": "42" } }
5.2.7. 開発者パースペクティブを使用してイベントソースをシンクに接続する
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用してイベントソースを作成する場合、イベントがソースから送信されるシンクを指定できます。シンクは、他のリソースから受信イベントを受信できる、アドレス指定可能または呼び出し可能な任意のリソースです。
5.2.7.1. 開発者パースペクティブを使用してイベントソースをシンクに接続します。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator、Knative Serving、および Knative Eventing が OpenShift Container Platform クラスターにインストールされている。
- Web コンソールにログインしており、Developer パースペクティブを使用している。
- OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
- Knative サービス、チャネル、ブローカーなどのシンクを作成している。
手順
- +Add → Event Source に移動して任意のタイプのイベントソースを作成し、作成するイベントソースを選択します。
- イベントソースの作成 フォームビューの シンク セクションで、リソース リストからシンクを選択します。
- Create をクリックします。
検証
Topology ページを表示して、イベントソースが作成され、シンクに接続されていることを確認できます。
- Developer パースペクティブで、Topology に移動します。
- イベントソースを表示し、接続されたシンクをクリックして、右側のパネルにシンクの詳細を表示します。
5.3. イベントシンク
5.3.1. イベントシンク
イベントソースの作成時に、イベントがソースから送信されるシンクを指定できます。シンクは、他のリソースから受信イベントを受信できる、アドレス指定可能または呼び出し可能なリソースです。Knative サービス、チャネル、およびブローカーはすべてシンクのサンプルです。
アドレス指定可能なオブジェクトは、HTTP 経由で status.address.url
フィールドに定義されるアドレスに配信されるイベントを受信し、確認することができます。特別な場合として、コア Kubernetes Service
オブジェクトはアドレス指定可能なインターフェイスにも対応します。
呼び出し可能なオブジェクトは、HTTP 経由で配信されるイベントを受信し、そのイベントを変換できます。HTTP 応答で 0
または 1
の新規イベントを返します。返されるイベントは、外部イベントソースからのイベントが処理されるのと同じ方法で処理できます。
5.3.1.1. Knative CLI シンクフラグ
Knative (kn
) CLI を使用してイベントソースを作成する場合、--sink
フラグを使用して、イベントがリソースから送信されるシンクを指定できます。シンクは、他のリソースから受信イベントを受信できる、アドレス指定可能または呼び出し可能な任意のリソースです。
以下の例では、サービスの http://event-display.svc.cluster.local
をシンクとして使用するシンクバインディングを作成します。
シンクフラグを使用したコマンドの例
$ kn source binding create bind-heartbeat \
--namespace sinkbinding-example \
--subject "Job:batch/v1:app=heartbeat-cron" \
--sink http://event-display.svc.cluster.local \ 1
--ce-override "sink=bound"
- 1
http://event-display.svc.cluster.local
のsvc
は、シンクが Knative サービスであることを判別します。他のデフォルトのシンクの接頭辞には、channel
およびbroker
が含まれます。
kn
のカスタマイズ により、どの CR が Knative (kn
) CLI コマンドの --sink
フラグと併用できるかを設定できます。
5.3.2. Apache Kafka のシンク
Apache Kafka シンクは、クラスター管理者がクラスターで Apache Kafka を有効にした場合に使用できる イベントシンク の一種です。Kafka シンクを使用して、イベントソースから Kafka トピックにイベントを直接送信できます。
5.3.2.1. YAML を使用した Apache Kafka シンクの作成
Kafka トピックにイベントを送信する Kafka シンクと呼ばれるイベントシンクを作成できます。YAML ファイルを使用して Knative リソースを作成する場合、宣言的 API を使用するため、再現性の高い方法でアプリケーションを宣言的に記述することができます。デフォルトでは、Kafka シンクはバイナリーコンテンツモードを使用します。これは、構造化モードよりも効率的です。YAML を使用して Kafka シンクを作成するには、KafkaSink
オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成してから、ocapply
コマンドを使用してそれを適用する必要があります。
前提条件
-
OpenShift Serverless Operator、Knative Serving、および
KnativeKafka
カスタムリソース (CR) がクラスターにインストールされている。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
- インポートする Kafka メッセージを生成する Red Hat AMQ Streams (Kafka) クラスターにアクセスできる。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
KafkaSink
オブジェクト定義を YAML ファイルとして作成します。Kafka シンク YAML
apiVersion: eventing.knative.dev/v1alpha1 kind: KafkaSink metadata: name: <sink-name> namespace: <namespace> spec: topic: <topic-name> bootstrapServers: - <bootstrap-server>
Kafka シンクを作成するには、
KafkaSink
YAML ファイルを適用します。$ oc apply -f <filename>
シンクが仕様で指定されるようにイベントソースを設定します。
API サーバーソースに接続された Kafka シンクの例
apiVersion: sources.knative.dev/v1alpha2 kind: ApiServerSource metadata: name: <source-name> 1 namespace: <namespace> 2 spec: serviceAccountName: <service-account-name> 3 mode: Resource resources: - apiVersion: v1 kind: Event sink: ref: apiVersion: eventing.knative.dev/v1alpha1 kind: KafkaSink name: <sink-name> 4
5.3.2.2. Apache Kafka シンクのセキュリティーの設定
Transport Layer Security (TLS) は、Apache Kafka クライアントおよびサーバーによって、Knative と Kafka 間のトラフィックを暗号化するため、および認証のために使用されます。TLS は、Apache Kafka の Knative ブローカー実装でサポートされている唯一のトラフィック暗号化方式です。
Simple Authentication and Security Layer (SASL) は、Apache Kafka が認証に使用します。クラスターで SASL 認証を使用する場合、ユーザーは Kafka クラスターと通信するために Knative に認証情報を提供する必要があります。そうしないと、イベントを生成または消費できません。
前提条件
-
OpenShift Serverless Operator、Knative Eventing、および
KnativeKafka
カスタムリソース (CR) は OpenShift Container Platform クラスターにインストールされます。 -
Kafka シンクは
KnativeKafka
CR で有効になっています。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
-
.pem
ファイルとして Kafka クラスター CA 証明書が保存されている。 -
Kafka クラスタークライアント証明書とキーが
.pem
ファイルとして保存されている。 -
OpenShift (
oc
) CLI がインストールされている。 -
使用する SASL メカニズムを選択している (例:
PLAIN
、SCRAM-SHA-256
、またはSCRAM-SHA-512
)。
手順
KafkaSink
オブジェクトと同じ namespace に証明書ファイルをシークレットとして作成します。重要証明書とキーは PEM 形式である必要があります。
暗号化なしで SASL を使用した認証の場合:
$ oc create secret -n <namespace> generic <secret_name> \ --from-literal=protocol=SASL_PLAINTEXT \ --from-literal=sasl.mechanism=<sasl_mechanism> \ --from-literal=user=<username> \ --from-literal=password=<password>
SASL を使用した認証と TLS を使用した暗号化の場合:
$ oc create secret -n <namespace> generic <secret_name> \ --from-literal=protocol=SASL_SSL \ --from-literal=sasl.mechanism=<sasl_mechanism> \ --from-file=ca.crt=<my_caroot.pem_file_path> \ 1 --from-literal=user=<username> \ --from-literal=password=<password>
- 1
- パブリッククラウドで管理される Kafka サービスを使用している場合は、
ca.crt
を省略してシステムのルート CA セットを使用できます。
TLS を使用した認証と暗号化の場合:
$ oc create secret -n <namespace> generic <secret_name> \ --from-literal=protocol=SSL \ --from-file=ca.crt=<my_caroot.pem_file_path> \ 1 --from-file=user.crt=<my_cert.pem_file_path> \ --from-file=user.key=<my_key.pem_file_path>
- 1
- パブリッククラウドで管理される Kafka サービスを使用している場合は、
ca.crt
を省略してシステムのルート CA セットを使用できます。
KafkaSink
オブジェクトを作成または変更し、auth
仕様にシークレットへの参照を追加します。apiVersion: eventing.knative.dev/v1alpha1 kind: KafkaSink metadata: name: <sink_name> namespace: <namespace> spec: ... auth: secret: ref: name: <secret_name> ...
KafkaSink
オブジェクトを適用します。$ oc apply -f <filename>
5.4. ブローカー
5.4.1. ブローカー
ブローカーはトリガーと組み合わせて、イベントをイベントソースからイベントシンクに配信できます。イベントは、HTTP POST
リクエストとしてイベントソースからブローカーに送信されます。イベントがブローカーに送信された後に、それらはトリガーを使用して CloudEvent 属性 でフィルターされ、HTTP POST
リクエストとしてイベントシンクに送信できます。

5.4.2. ブローカータイプ
クラスター管理者は、クラスターのデフォルトブローカー実装を設定できます。ブローカーを作成する場合、Broker
オブジェクトで設定を指定しない限り、デフォルトのブローカー実装が使用されます。
5.4.2.1. 開発目的でのデフォルトブローカーの実装
Knative は、デフォルトのチャネルベースのブローカー実装を提供します。このチャネルベースのブローカーは、開発およびテストの目的で使用できますが、実稼働環境での適切なイベント配信の保証は提供しません。デフォルトのブローカーは、デフォルトで InMemoryChannel
チャネル実装によってサポートされています。
Apache Kafka を使用してネットワークホップを削減する場合は、Apache Kafka の Knative ブローカー実装を使用します。チャネルベースのブローカーが KafkaChannel
チャネル実装によってサポートされるように設定しないでください。
5.4.2.2. Apache Kafka の実稼働環境対応の Knative ブローカー実装
実稼働環境対応の Knative Eventing デプロイメントの場合、Red Hat は Apache Kafka に Knative ブローカー実装を使用することを推奨します。ブローカーは、Knative ブローカーの Apache Kafka ネイティブ実装であり、CloudEvents を Kafka インスタンスに直接送信します。
Kafka ブローカーは、イベントを保存してルーティングできるように Kafka とネイティブに統合されています。これにより、他のブローカータイプよりもブローカーとトリガーモデルの Kafka との統合性が向上し、ネットワークホップを削減することができます。Knative ブローカー実装のその他の利点は次のとおりです。
- 少なくとも 1 回の配信保証
- CloudEvents パーティショニング拡張機能に基づくイベントの順序付き配信
- コントロールプレーンの高可用性
- 水平方向にスケーラブルなデータプレーン
Apache Kafka の Knative ブローカー実装は、バイナリーコンテンツモードを使用して、受信した CloudEvent を Kafka レコードとして保存します。これは、CloudEvent のすべての属性と拡張機能が Kafka レコードのヘッダーとしてマップされ、CloudEvent の data
仕様が Kafka レコードの値に対応することを意味します。
5.4.3. ブローカーの作成
Knative は、デフォルトのチャネルベースのブローカー実装を提供します。このチャネルベースのブローカーは、開発およびテストの目的で使用できますが、実稼働環境での適切なイベント配信の保証は提供しません。
クラスター管理者がデフォルトのブローカータイプとして Apache Kafka を使用するように OpenShift サーバーレスデプロイメントを設定している場合は、デフォルト設定を使用してブローカーを作成すると、Apache Kafka の Knative ブローカーが作成されます。
OpenShift Serverless デプロイメントが Apache Kafka の Kafka ブローカーをデフォルトのブローカータイプとして使用するように設定されていない場合は、以下の手順でデフォルト設定を使用すると、チャネルベースのブローカーが作成されます。
5.4.3.1. Knative CLI を使用したブローカーの作成
ブローカーはトリガーと組み合わせて、イベントをイベントソースからイベントシンクに配信できます。ブローカーを作成するために Knative (kn
) CLI を使用すると、YAML ファイルを直接修正するよりも合理的で直感的なユーザーインターフェイスが得られます。kn broker create
コマンドを使用して、ブローカーを作成できます。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Eventing が OpenShift Container Platform クラスターにインストールされている。
-
Knative (
kn
) CLI をインストールしている。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
手順
ブローカーを作成します。
$ kn broker create <broker_name>
検証
kn
コマンドを使用して、既存のブローカーを一覧表示します。$ kn broker list
出力例
NAME URL AGE CONDITIONS READY REASON default http://broker-ingress.knative-eventing.svc.cluster.local/test/default 45s 5 OK / 5 True
オプション: OpenShift Container Platform Web コンソールを使用している場合、Developer パースペクティブの Topology ビューに移動し、ブローカーが存在することを確認できます。
5.4.3.2. トリガーのアノテーションによるブローカーの作成
ブローカーはトリガーと組み合わせて、イベントをイベントソースからイベントシンクに配信できます。eventing.knative.dev/injection: enabled
アノテーションを Trigger
オブジェクトに追加してブローカーを作成できます。
knative-eventing-injection: enabled
アノテーションを使用してブローカーを作成する場合、クラスター管理者パーミッションなしにこのブローカーを削除することはできません。クラスター管理者が最初にこのアノテーションを削除せずにブローカーを削除する場合、ブローカーは削除後に再び作成されます。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Eventing が OpenShift Container Platform クラスターにインストールされている。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
手順
Trigger
オブジェクトを、eventing.knative.dev/injection: enabled
アノテーションを付けて YAML ファイルとして作成します。apiVersion: eventing.knative.dev/v1 kind: Trigger metadata: annotations: eventing.knative.dev/injection: enabled name: <trigger_name> spec: broker: default subscriber: 1 ref: apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service name: <service_name>
- 1
- トリガーがイベントを送信するイベントシンクまたは サブスクライバー の詳細を指定します。
Trigger
YAML ファイルを適用します。$ oc apply -f <filename>
検証
oc
CLI を使用してブローカーが正常に作成されていることを確認するか、または Web コンソールの Topology ビューでこれを確認できます。
以下の
oc
コマンドを入力してブローカーを取得します。$ oc -n <namespace> get broker default
出力例
NAME READY REASON URL AGE default True http://broker-ingress.knative-eventing.svc.cluster.local/test/default 3m56s
オプション: OpenShift Container Platform Web コンソールを使用している場合、Developer パースペクティブの Topology ビューに移動し、ブローカーが存在することを確認できます。
5.4.3.3. namespace へのラベル付けによるブローカーの作成
ブローカーはトリガーと組み合わせて、イベントをイベントソースからイベントシンクに配信できます。所有しているか、または書き込みパーミッションのある namespace にラベルを付けて default
ブローカーを自動的に作成できます。
この方法を使用して作成されたブローカーは、ラベルを削除すると削除されません。これらは手動で削除する必要があります。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Eventing が OpenShift Container Platform クラスターにインストールされている。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
手順
eventing.knative.dev/injection=enabled
で namespace にラベルを付ける。$ oc label namespace <namespace> eventing.knative.dev/injection=enabled
検証
oc
CLI を使用してブローカーが正常に作成されていることを確認するか、または Web コンソールの Topology ビューでこれを確認できます。
oc
コマンドを使用してブローカーを取得します。$ oc -n <namespace> get broker <broker_name>
コマンドの例
$ oc -n default get broker default
出力例
NAME READY REASON URL AGE default True http://broker-ingress.knative-eventing.svc.cluster.local/test/default 3m56s
オプション: OpenShift Container Platform Web コンソールを使用している場合、Developer パースペクティブの Topology ビューに移動し、ブローカーが存在することを確認できます。
5.4.3.4. 挿入 (injection) によって作成されたブローカーの削除
挿入によりブローカーを作成し、後でそれを削除する必要がある場合は、手動で削除する必要があります。namespace ラベルまたはトリガーアノテーションを使用して作成されたブローカーは、ラベルまたはアノテーションを削除した場合に永続的に削除されません。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
eventing.knative.dev/injection=enabled
ラベルを namespace から削除します。$ oc label namespace <namespace> eventing.knative.dev/injection-
アノテーションを削除すると、Knative では削除後にブローカーを再作成できなくなります。
選択された namespace からブローカーを削除します。
$ oc -n <namespace> delete broker <broker_name>
検証
oc
コマンドを使用してブローカーを取得します。$ oc -n <namespace> get broker <broker_name>
コマンドの例
$ oc -n default get broker default
出力例
No resources found. Error from server (NotFound): brokers.eventing.knative.dev "default" not found
5.4.3.5. Web コンソールを使用してブローカーを作成する
Knative Eventing がクラスターにインストールされた後、Web コンソールを使用してブローカーを作成できます。OpenShift Container Platform Web コンソールを使用すると、ブローカーを作成するための合理的で直感的なユーザーインターフェイスが提供されます。
前提条件
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
- OpenShift Serverless Operator、Knative Serving、および Knative Eventing がクラスターにインストールされている。
- OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
手順
- Developer パースペクティブで、+Add → Broker に移動します。Broker ページが表示されます。
-
オプション:ブローカーの Name を更新します。名前を更新しない場合、生成されたブローカーの名前は
default
になります。 - Create をクリックします。
検証
トポロジー ページでブローカーコンポーネントを表示することにより、ブローカーが作成されたことを確認できます。
- Developer パースペクティブで、Topology に移動します。
mt-broker-ingress
、mt-broker-filter
、およびmt-broker-controller
コンポーネントを表示します。
5.4.3.6. Administrator パースペクティブを使用したブローカーの作成
ブローカーはトリガーと組み合わせて、イベントをイベントソースからイベントシンクに配信できます。イベントは、HTTP POST
リクエストとしてイベントソースからブローカーに送信されます。イベントがブローカーに送信された後に、それらはトリガーを使用して CloudEvent 属性 でフィルターされ、HTTP POST
リクエストとしてイベントシンクに送信できます。

前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Eventing が OpenShift Container Platform クラスターにインストールされている。
- Web コンソールにログインしており、Administrator パースペクティブを使用している。
- OpenShift Container Platform のクラスター管理者パーミッションがある。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールの Administrator パースペクティブで、 Serverless → Eventing に移動します。
- Create 一覧で、Broker を選択します。Create Broker ページに移動します。
- オプション: ブローカーの YAML 設定を変更します。
- Create をクリックします。
5.4.3.7. 次のステップ
- イベントがイベントシンクに配信されなかった場合に適用されるイベント配信パラメーターを設定します。イベント配信パラメーターの設定例 を参照してください。
5.4.3.8. 関連情報
5.4.4. デフォルトのブローカーバッキングチャネルの設定
チャネルベースのブローカーを使用している場合、ブローカーのデフォルトのバッキングチャネルタイプを InMemoryChannel
または KafkaChannel
に設定できます。
前提条件
- OpenShift Container Platform に対する管理者権限を持っている。
- OpenShift Serverless Operator および Knative Eventing がクラスターにインストールされていること。
-
OpenShift (
oc
) CLI がインストールされている。 -
Apache Kafka チャネルをデフォルトのバッキングチャネルタイプとして使用する場合は、クラスターに
KnativeKafka
CR もインストールする必要があります。
手順
KnativeEventing
カスタムリソース (CR) を変更して、config-br-default-channel
Config Map の設定の詳細を追加します。apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeEventing metadata: name: knative-eventing namespace: knative-eventing spec: config: 1 config-br-default-channel: channel-template-spec: | apiVersion: messaging.knative.dev/v1beta1 kind: KafkaChannel 2 spec: numPartitions: 6 3 replicationFactor: 3 4
更新された
KnativeEventing
CR を適用します。$ oc apply -f <filename>
5.4.5. デフォルトブローカークラスの設定
config-br-defaults
Config Map を使用して、Knative Eventing のデフォルトのブローカークラス設定を指定できます。クラスター全体または 1 つ以上の namespace に対して、デフォルトのブローカークラスを指定できます。現在、MTChannelBasedBroker
および Kafka
ブローカータイプがサポートされています。
前提条件
- OpenShift Container Platform に対する管理者権限を持っている。
- OpenShift Serverless Operator および Knative Eventing がクラスターにインストールされていること。
-
Apache Kafka の Knative ブローカーをデフォルトのブローカー実装として使用する場合は、クラスターに
KnativeKafka
CR もインストールする必要があります。
手順
KnativeEventing
カスタムリソースを変更して、config-br-defaults
Config Map の設定の詳細を追加します。apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeEventing metadata: name: knative-eventing namespace: knative-eventing spec: defaultBrokerClass: Kafka 1 config: 2 config-br-defaults: 3 default-br-config: | clusterDefault: 4 brokerClass: Kafka apiVersion: v1 kind: ConfigMap name: kafka-broker-config 5 namespace: knative-eventing 6 namespaceDefaults: 7 my-namespace: brokerClass: MTChannelBasedBroker apiVersion: v1 kind: ConfigMap name: config-br-default-channel 8 namespace: knative-eventing 9 ...
- 1
- Knative Eventing のデフォルトのブローカークラス。
- 2
spec.config
で、変更した設定を追加する Config Map を指定できます。- 3
config-br-defaults
Config Map は、spec.config
設定またはブローカークラスを指定しないブローカーのデフォルト設定を指定します。- 4
- クラスター全体のデフォルトのブローカークラス設定。この例では、クラスターのデフォルトのブローカークラスの実装は
Kafka
です。 - 5
kafka-broker-config
Config Map は、Kafka ブローカーのデフォルト設定を指定します。関連情報セクションの Apache Kafka 設定用の Knative ブローカーの設定を参照してください。- 6
kafka-broker-config
Config Map が存在する namespace。- 7
- namespace スコープのデフォルトブローカクラス設定。この例では、
my-namespace
namespace のデフォルトのブローカークラスの実装はMTChannelBasedBroker
です。複数の namespace に対してデフォルトのブローカークラスの実装を指定できます。 - 8
config-br-default-channel
Config Map は、ブローカーのデフォルトのバッキングチャネルを指定します。「関連情報」セクションの「デフォルトのブローカーバッキングチャネルの設定」を参照してください。- 9
config-br-default-channel
Config Map が存在する namespace。
重要namespace 固有のデフォルトを設定すると、クラスター全体の設定が上書きされます。
5.4.6. Apache Kafka の Knative ブローカー実装
実稼働環境対応の Knative Eventing デプロイメントの場合、Red Hat は Apache Kafka に Knative ブローカー実装を使用することを推奨します。ブローカーは、Knative ブローカーの Apache Kafka ネイティブ実装であり、CloudEvents を Kafka インスタンスに直接送信します。
Kafka ブローカーは、イベントを保存してルーティングできるように Kafka とネイティブに統合されています。これにより、他のブローカータイプよりもブローカーとトリガーモデルの Kafka との統合性が向上し、ネットワークホップを削減することができます。Knative ブローカー実装のその他の利点は次のとおりです。
- 少なくとも 1 回の配信保証
- CloudEvents パーティショニング拡張機能に基づくイベントの順序付き配信
- コントロールプレーンの高可用性
- 水平方向にスケーラブルなデータプレーン
Apache Kafka の Knative ブローカー実装は、バイナリーコンテンツモードを使用して、受信した CloudEvent を Kafka レコードとして保存します。これは、CloudEvent のすべての属性と拡張機能が Kafka レコードのヘッダーとしてマップされ、CloudEvent の data
仕様が Kafka レコードの値に対応することを意味します。
5.4.6.1. デフォルトのブローカータイプとして設定されていない場合の Apache Kafka ブローカーの作成
OpenShift Serverless デプロイメントがデフォルトのブローカータイプとして Kafka ブローカーを使用するように設定されていない場合は、以下の手順のいずれかを使用して、Kafka ベースのブローカーを作成できます。
5.4.6.1.1. YAML を使用した Apache Kafka ブローカーの作成
YAML ファイルを使用して Knative リソースを作成する場合、宣言的 API を使用するため、再現性の高い方法でアプリケーションを宣言的に記述することができます。YAML を使用して Kafka ブローカーを作成するには、Broker
オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成し、oc apply
コマンドを使用してそれを適用する必要があります。
前提条件
-
OpenShift Serverless Operator、Knative Eventing、および
KnativeKafka
カスタムリソースは OpenShift Container Platform クラスターにインストールされます。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
Kafka ベースのブローカーを YAML ファイルとして作成します。
apiVersion: eventing.knative.dev/v1 kind: Broker metadata: annotations: eventing.knative.dev/broker.class: Kafka 1 name: example-kafka-broker spec: config: apiVersion: v1 kind: ConfigMap name: kafka-broker-config 2 namespace: knative-eventing
Kafka ベースのブローカー YAML ファイルを適用します。
$ oc apply -f <filename>
5.4.6.1.2. 外部で管理される Kafka トピックを使用する Apache Kafka ブローカーの作成
独自の内部トピックの作成を許可せずに Kafka ブローカーを使用する場合は、代わりに外部で管理される Kafka トピックを使用できます。これを実行するには、kafka.eventing.knative.dev/external.topic
アノテーションを使用する Kafka Broker
オブジェクトを作成する必要があります。
前提条件
-
OpenShift Serverless Operator、Knative Eventing、および
KnativeKafka
カスタムリソースは OpenShift Container Platform クラスターにインストールされます。 - Red Hat AMQ Streams などの Kafka インスタンスにアクセスでき、Kafka トピックを作成しました。
- OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
Kafka ベースのブローカーを YAML ファイルとして作成します。
apiVersion: eventing.knative.dev/v1 kind: Broker metadata: annotations: eventing.knative.dev/broker.class: Kafka 1 kafka.eventing.knative.dev/external.topic: <topic_name> 2 ...
Kafka ベースのブローカー YAML ファイルを適用します。
$ oc apply -f <filename>
5.4.6.1.3. 分離されたデータプレーンのある Apache Kafka の Knative Broker 実装
分離されたデータプレーンを使用した Apache Kafka の Knative Broker 実装は、テクノロジープレビュー機能としてのみ提供されます。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
Apache Kafka の Knative Broker 実装には 2 つのプレーンがあります。
- コントロールプレーン
- Kubernetes API と通信し、カスタムオブジェクトを監視し、データプレーンを管理するコントローラーで設定されます。
- データプレーン
-
受信イベントをリッスンし、Apache Kafka と通信し、イベントをイベントシンクに送信するコンポーネントのコレクション。Apache Kafka データプレーンの Knative Broker 実装は、イベントが送信される場所です。この実装は、
kafka-broker-receiver
およびkafka-broker-dispatcher
デプロイメントで設定されます。
Kafka の Broker クラスを設定する場合、Apache Kafka
の Knative Broker 実装は共有データプレーンを使用します。つまり、knative-eventing
namespace の kafka-broker-receiver
および kafka-broker-dispatcher
デプロイメントがクラスター内のすべての Apache Kafka Broker に使用されます。
ただし、KafkaNamespaced
の Broker クラスを設定すると、Apache Kafka ブローカーコントローラーは、ブローカーが存在する namespace ごとに新しいデータプレーンを作成します。このデータプレーンは、その namespace のすべての KafkaNamespaced
ブローカーによって使用されます。これにより、データプレーンが分離されるため、ユーザーの namespace の kafka-broker-receiver
および kafka-broker-dispatcher
デプロイメントは、その namespace のブローカーに対してのみ使用されます。
データプレーンを分離した結果、このセキュリティー機能はより多くのデプロイメントを作成し、より多くのリソースを使用します。このような分離要件がない限り、Kafka
のクラスで 通常 の Broker を使用します。
5.4.6.1.4. 分離されたデータプレーンを使用する Apache Kafka の Knative ブローカーの作成
分離されたデータプレーンを使用した Apache Kafka の Knative Broker 実装は、テクノロジープレビュー機能としてのみ提供されます。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
KafkaNamespaced
ブローカーを作成するには、eventing.knative.dev/broker.class
アノテーションを KafkaNamespaced
に設定する必要があります。
前提条件
-
OpenShift Serverless Operator、Knative Eventing、および
KnativeKafka
カスタムリソースは OpenShift Container Platform クラスターにインストールされます。 - Red Hat AMQ Streams などの Apache Kafka インスタンスにアクセスでき、Kafka トピックを作成しました。
- OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
YAML ファイルを使用して Apache Kafka ベースのブローカーを作成します。
apiVersion: eventing.knative.dev/v1 kind: Broker metadata: annotations: eventing.knative.dev/broker.class: KafkaNamespaced 1 name: default namespace: my-namespace 2 spec: config: apiVersion: v1 kind: ConfigMap name: my-config 3 ...
Apache Kafka ベースのブローカー YAML ファイルを適用します。
$ oc apply -f <filename>
spec.config
の ConfigMap
オブジェクトは Broker
オブジェクトと同じ namespace にある必要があります。
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: my-config namespace: my-namespace data: ...
KafkaNamespaced
クラスで最初の Broker
オブジェクトを作成すると、kafka-broker-receiver
および kafka-broker-dispatcher
デプロイメントが namespace に作成されます。その後、同じ namespace 内で KafkaNamespaced
クラスが含まれる全ブローカーにより、同じデータプレーンが使用されます。KafkaNamespaced
クラスを持つブローカーが namespace に存在しない場合は、namespace のデータプレーンが削除されます。
5.4.6.2. Apache Kafka ブローカー設定
Config Map を作成し、Kafka Broker
オブジェクトでこの ConfigMap を参照することで、レプリケーション係数、ブートストラップサーバー、および Kafka ブローカーのトピックパーティションの数を設定できます。
前提条件
- OpenShift Container Platform でクラスターまたは専用の管理者パーミッションを持っている。
-
OpenShift Serverless Operator、Knative Eventing、および
KnativeKafka
カスタムリソース (CR) は OpenShift Container Platform クラスターにインストールされます。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
kafka-broker-config
ConfigMap を変更するか、以下の設定が含まれる独自の ConfigMap を作成します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: <config_map_name> 1 namespace: <namespace> 2 data: default.topic.partitions: <integer> 3 default.topic.replication.factor: <integer> 4 bootstrap.servers: <list_of_servers> 5
- 1
- ConfigMap 名。
- 2
- ConfigMap が存在する namespace。
- 3
- Kafka ブローカーのトピックパーティションの数。これは、イベントをブローカーに送信する速度を制御します。パーティションが多い場合には、コンピュートリソースが多く必要です。
- 4
- トピックメッセージのレプリケーション係数。これにより、データ損失を防ぐことができます。レプリケーション係数を増やすには、より多くのコンピュートリソースとストレージが必要になります。
- 5
- ブートストラップサーバーのコンマ区切りリスト。これは、OpenShift Container Platform クラスターの内部または外部にある可能性があり、ブローカーがイベントを受信してイベントを送信する Kafka クラスターのリストです。
重要default.topic.replication.factor
の値は、クラスター内の Kafka ブローカーインスタンスの数以下である必要があります。たとえば、Kafka ブローカーが 1 つしかない場合には、default.topic.replication.factor
の値は"1"
を超える値にすることはできません。Kafka ブローカーの ConfigMap の例
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: kafka-broker-config namespace: knative-eventing data: default.topic.partitions: "10" default.topic.replication.factor: "3" bootstrap.servers: "my-cluster-kafka-bootstrap.kafka:9092"
ConfigMap を適用します。
$ oc apply -f <config_map_filename>
Kafka
Broker
オブジェクトの ConfigMap を指定します。Broker オブジェクトの例
apiVersion: eventing.knative.dev/v1 kind: Broker metadata: name: <broker_name> 1 namespace: <namespace> 2 annotations: eventing.knative.dev/broker.class: Kafka 3 spec: config: apiVersion: v1 kind: ConfigMap name: <config_map_name> 4 namespace: <namespace> 5 ...
ブローカーを適用します。
$ oc apply -f <broker_filename>
5.4.6.3. Apache Kafka の Knative ブローカー実装のセキュリティー設定
Kafka クラスターは、通常、TLS または SASL 認証方法を使用して保護されます。TLS または SASL を使用して、保護された Red Hat AMQ Streams クラスターに対して動作するように Kafka ブローカーまたはチャネルを設定できます。
Red Hat は、SASL と TLS の両方を一緒に有効にすることをお勧めします。
5.4.6.3.1. Apache Kafka ブローカーの TLS 認証の設定
Transport Layer Security (TLS) は、Apache Kafka クライアントおよびサーバーによって、Knative と Kafka 間のトラフィックを暗号化するため、および認証のために使用されます。TLS は、Apache Kafka の Knative ブローカー実装でサポートされている唯一のトラフィック暗号化方式です。
前提条件
- OpenShift Container Platform でクラスターまたは専用の管理者パーミッションを持っている。
-
OpenShift Serverless Operator、Knative Eventing、および
KnativeKafka
CR は、OpenShift Container Platform クラスターにインストールされている。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
-
.pem
ファイルとして Kafka クラスター CA 証明書が保存されている。 -
Kafka クラスタークライアント証明書とキーが
.pem
ファイルとして保存されている。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
証明書ファイルを
knative-eventing
namespace にシークレットファイルとして作成します。$ oc create secret -n knative-eventing generic <secret_name> \ --from-literal=protocol=SSL \ --from-file=ca.crt=caroot.pem \ --from-file=user.crt=certificate.pem \ --from-file=user.key=key.pem
重要キー名に
ca.crt
、user.crt
、およびuser.key
を使用します。これらの値は変更しないでください。KnativeKafka
CR を編集し、broker
仕様にシークレットへの参照を追加します。apiVersion: operator.serverless.openshift.io/v1alpha1 kind: KnativeKafka metadata: namespace: knative-eventing name: knative-kafka spec: broker: enabled: true defaultConfig: authSecretName: <secret_name> ...
5.4.6.3.2. Apache Kafka ブローカーの SASL 認証の設定
Simple Authentication and Security Layer (SASL) は、Apache Kafka が認証に使用します。クラスターで SASL 認証を使用する場合、ユーザーは Kafka クラスターと通信するために Knative に認証情報を提供する必要があります。そうしないと、イベントを生成または消費できません。
前提条件
- OpenShift Container Platform でクラスターまたは専用の管理者パーミッションを持っている。
-
OpenShift Serverless Operator、Knative Eventing、および
KnativeKafka
CR は、OpenShift Container Platform クラスターにインストールされている。 - OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
- Kafka クラスターのユーザー名およびパスワードがある。
-
使用する SASL メカニズムを選択している (例:
PLAIN
、SCRAM-SHA-256
、またはSCRAM-SHA-512
)。 -
TLS が有効にされている場合、Kafka クラスターの
ca.crt
証明書ファイルも必要になります。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
証明書ファイルを
knative-eventing
namespace にシークレットファイルとして作成します。$ oc create secret -n knative-eventing generic <secret_name> \ --from-literal=protocol=SASL_SSL \ --from-literal=sasl.mechanism=<sasl_mechanism> \ --from-file=ca.crt=caroot.pem \ --from-literal=password="SecretPassword" \ --from-literal=user="my-sasl-user"
-
キー名に
ca.crt
、password
、およびsasl.mechanism
を使用します。これらの値は変更しないでください。 パブリック CA 証明書で SASL を使用する場合は、シークレットの作成時に
ca.crt
引数ではなくtls.enabled=true
フラグを使用する必要があります。以下に例を示します。$ oc create secret -n <namespace> generic <kafka_auth_secret> \ --from-literal=tls.enabled=true \ --from-literal=password="SecretPassword" \ --from-literal=saslType="SCRAM-SHA-512" \ --from-literal=user="my-sasl-user"
-
キー名に
KnativeKafka
CR を編集し、broker
仕様にシークレットへの参照を追加します。apiVersion: operator.serverless.openshift.io/v1alpha1 kind: KnativeKafka metadata: namespace: knative-eventing name: knative-kafka spec: broker: enabled: true defaultConfig: authSecretName: <secret_name> ...
5.4.6.4. 関連情報
5.4.7. ブローカーの管理
Knative (kn
) CLI は、既存のブローカーを記述およびリストするために使用できるコマンドを提供します。
5.4.7.1. Knative CLI を使用した既存ブローカーの一覧表示
Knative (kn
) CLI を使用してブローカーを一覧表示すると、合理的で直感的なユーザーインターフェイスが提供されます。kn broker list
コマンドを使用し、Knative CLI を使用してクラスター内の既存ブローカーを一覧表示できます。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Eventing が OpenShift Container Platform クラスターにインストールされている。
-
Knative (
kn
) CLI をインストールしている。
手順
既存ブローカーの一覧を表示します。
$ kn broker list
出力例
NAME URL AGE CONDITIONS READY REASON default http://broker-ingress.knative-eventing.svc.cluster.local/test/default 45s 5 OK / 5 True
5.4.7.2. Knative CLI を使用した既存ブローカーの記述
Knative (kn
) CLI を使用してブローカーを記述すると、合理的で直感的なユーザーインターフェイスが提供されます。kn broker describe
コマンドを使用し、Knative CLI を使用してクラスター内の既存ブローカーに関する情報を出力できます。
前提条件
- OpenShift Serverless Operator および Knative Eventing が OpenShift Container Platform クラスターにインストールされている。
-
Knative (
kn
) CLI をインストールしている。
手順
既存ブローカーを記述します。
$ kn broker describe <broker_name>
デフォルトブローカーを使用したコマンドの例
$ kn broker describe default
出力例
Name: default Namespace: default Annotations: eventing.knative.dev/broker.class=MTChannelBasedBroker, eventing.knative.dev/creato ... Age: 22s Address: URL: http://broker-ingress.knative-eventing.svc.cluster.local/default/default Conditions: OK TYPE AGE REASON ++ Ready 22s ++ Addressable 22s ++ FilterReady 22s ++ IngressReady 22s ++ TriggerChannelReady 22s
5.4.8. イベント配信
イベントがイベントシンクに配信されなかった場合に適用されるイベント配信パラメーターを設定できます。デッドレターシンクを含むイベント配信パラメーターを設定すると、イベントシンクへの配信に失敗したすべてのイベントが再試行されるようになります。それ以外の場合、未配信のイベントは破棄されます。
5.4.8.1. チャネルとブローカーのイベント配信動作パターン
さまざまなチャネルとブローカーのタイプには、イベント配信のために従う独自の動作パターンがあります。
5.4.8.1.1. Apache Kafka の Knative チャネルおよびブローカー
イベントが Kafka チャネルまたはブローカーレシーバーに正常に配信される場合、受信側は 202
ステータスコードで応答します。つまり、このイベントは Kafka トピック内に安全に保存され、失われることはありません。
受信側がその他のステータスコードを返す場合は、イベントは安全に保存されず、ユーザーがこの問題を解決するために手順を実行する必要があります。
5.4.8.2. 設定可能なイベント配信パラメーター
以下のパラメーターはイベント配信用に設定できます。
- dead letter sink
-
deadLetterSink
配信パラメーターを設定して、イベントが配信に失敗した場合にこれを指定されたイベントシンクに保存することができます。デッドレターシンクに格納されていない未配信のイベントは破棄されます。デッドレターシンクは、Knative サービス、Kubernetes サービス、または URI など、Knative Eventing シンクコントラクトに準拠する任意のアドレス指定可能なオブジェクトです。 - retries
-
retry
配信パラメーターを整数値で設定することで、イベントが dead letter sink に送信される前に配信を再試行する必要のある最小回数を設定できます。 - back off delay
-
backoffDelay
配信パラメーターを設定し、失敗後にイベント配信が再試行される前の遅延の時間を指定できます。backoffDelay
パラメーターの期間は ISO 8601 形式を使用して指定されます。たとえば、PT1S
は 1 秒の遅延を指定します。 - back off policy
-
backoffPolicy
配信パラメーターは再試行バックオフポリシーを指定するために使用できます。ポリシーはlinear
またはexponential
のいずれかとして指定できます。linear
バックオフポリシーを使用する場合、バックオフ遅延はbackoffDelay * <numberOfRetries>
に等しくなります。exponential
バックオフポリシーを使用する場合、バックオフ遅延はbackoffDelay*2^<numberOfRetries>
と等しくなります。
5.4.8.3. イベント配信パラメーターの設定例
Broker
、Trigger
、Channel
、および Subscription
オブジェクトのイベント配信パラメーターを設定できます。ブローカーまたはチャネルのイベント配信パラメーターを設定すると、これらのパラメーターは、それらのオブジェクト用に作成されたトリガーまたはサブスクリプションに伝播されます。トリガーまたはサブスクリプションのイベント配信パラメーターを設定して、ブローカーまたはチャネルの設定をオーバーライドすることもできます。
Broker
オブジェクトの例
apiVersion: eventing.knative.dev/v1 kind: Broker metadata: ... spec: delivery: deadLetterSink: ref: apiVersion: eventing.knative.dev/v1alpha1 kind: KafkaSink name: <sink_name> backoffDelay: <duration> backoffPolicy: <policy_type> retry: <integer> ...
Trigger
オブジェクトの例
apiVersion: eventing.knative.dev/v1 kind: Trigger metadata: ... spec: broker: <broker_name> delivery: deadLetterSink: ref: apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service name: <sink_name> backoffDelay: <duration> backoffPolicy: <policy_type> retry: <integer> ...
Channel
オブジェクトの例
apiVersion: messaging.knative.dev/v1 kind: Channel metadata: ... spec: delivery: deadLetterSink: ref: apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service name: <sink_name> backoffDelay: <duration> backoffPolicy: <policy_type> retry: <integer> ...
Subscription
オブジェクトの例
apiVersion: messaging.knative.dev/v1 kind: Subscription metadata: ... spec: channel: apiVersion: messaging.knative.dev/v1 kind: Channel name: <channel_name> delivery: deadLetterSink: ref: apiVersion: serving.knative.dev/v1 kind: Service name: <sink_name> backoffDelay: <duration> backoffPolicy: <policy_type> retry: <integer> ...
5.4.8.4. トリガーのイベント配信順序の設定
Kafka ブローカーを使用している場合は、トリガーからイベントシンクへのイベントの配信順序を設定できます。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスターに、OpenShift Serverless Operator、Knative Eventing、Apache Kafka 向け Knative ブローカー実装がインストールされている。
- Kafka ブローカーがクラスターで使用可能であり、Kafka ブローカーが作成されている。
- OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトを作成しているか、適切なロールおよびパーミッションを持つプロジェクトにアクセスできる。
-
OpenShift (
oc
) CLI がインストールされている。
手順
Trigger
オブジェクトを作成または変更し、kafka.eventing.knative.dev/delivery.order
アノテーションを設定します。apiVersion: eventing.knative.dev/v1 kind: Trigger metadata: name: <trigger_name> annotations: kafka.eventing.knative.dev/delivery.order: ordered ...
サポートされているコンシューマー配信保証は次のとおりです。
unordered
- 順序付けられていないコンシューマーは、適切なオフセット管理を維持しながら、メッセージを順序付けずに配信するノンブロッキングコンシューマーです。
ordered
順序付きコンシューマーは、CloudEvent サブスクライバーからの正常な応答を待ってから、パーティションの次のメッセージを配信する、パーティションごとのブロックコンシューマーです。
デフォルトの順序保証は
unordered
です。
Trigger
オブジェクトを適用します。$ oc apply -f <filename>
5.5. トリガー
5.5.1. トリガーの概要
ブローカーはトリガーと組み合わせて、イベントをイベントソースからイベントシンクに配信できます。イベントは、HTTP POST
リクエストとしてイベントソースからブローカーに送信されます。イベントがブローカーに送信された後に、それらはトリガーを使用して CloudEvent 属性 でフィルターされ、HTTP POST
リクエストとしてイベントシンクに送信できます。

Apache Kafka の Knative ブローカーを使用している場合は、トリガーからイベントシンクへのイベントの配信順序を設定できます。トリガーのイベント配信順序の設定 を参照してください。
5.5.1.1. トリガーのイベント配信順序の設定
Kafka ブローカーを使用している場合は、トリガーからイベントシンクへのイベントの配信順序を設定できます。
前提条件