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第6章 一時ストレージの最適化

6.1. 概要

注記

このトピックは、OpenShift Container Platform 3.10 で一時ストレージのテクノロジープレビューを有効化した場合にのみ適用されます。この機能は、デフォルトでは無効になっています。この機能を有効にするには、「一時ストレージの設定」を参照してください。

注記

テクノロジープレビューリリースは、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされておらず、機能的に完全でない可能性があり、Red Hat では実稼働環境での使用を推奨しません。テクノロジープレビュー機能は、近々発表予定の製品機能をリリースに先駆けてご提供することにより、お客様に機能性をテストしていただき、開発プロセス中にフィードバックをお寄せいただくことを目的としています。Red Hat テクノロジープレビュー機能のサポート対象範囲に関する詳しい情報は、「テクノロジプレビュー機能のサポート範囲」を参照してください。

Pod は、一時ファイルの保存などの内部操作に一時ストレージを使用します。この一時ストレージは、個別の Pod の有効期間より長くなることはなく、一時ストレージは Pod 全体で共有できません。

OpenShift Container Platform 3.10 よりも前のバージョンでは、一時ローカルストレージは、コンテナーの書き込み可能な階層、logs ディレクトリー、EmptyDir ボリュームを使用して Pod に公開されていました。ローカルストレージのアカウントや分離がないことに関連する問題として、以下の問題が含まれます。

  • Pod は利用可能なローカルストレージのサイズを認識しない。
  • Pod がローカルストレージを要求しても確実に割り当てられない可能性がある。
  • ローカルストレージは Best Effort (ベストエフォート) のリソースである。
  • Pod は他の Pod でローカルストレージが一杯になるとエビクトされる可能性があり、十分なストレージが回収されるまで新しい Pod は許可されない。

一時ストレージは同様に Pod に公開されていますが、Pod の一時ストレージの使用に対する要求や制限を実装する新たな方法が追加されています。

注記

CRI-O をコンテナーランタイムとして使用し、ファイルベースロギングをロギングに使用している場合にのみ、コンテナーログの管理は該当します。

一時ストレージはシステム内の Pod すべてで共有され、OpenShift Container Platform には管理者およびユーザーが確立した要求や制限を超えるサービスを保証する仕組みはない点を理解することが重要です。たとえば、一時ストレージでは、スループット、秒ごとの I/O 操作またはストレージパフォーマンスについての保証は一切ありません。

6.2. 一般的なストレージガイドライン

ノードのローカルストレージは、プライマリーパーティションとセカンダリーパーティションに分割できます。一時ローカルストレージには、プライマリーパーティションのみが使用できます。プライマリーパーティションでは、root とランタイムの 2 つがサポートされています。

  • Root

    Root パーティションは、デフォルトで kubelet の root ディレクトリー /var/lib/kubelet//var/log/ ディレクトリーを保持します。このパーティションを Pod、オペレーティングシステム、OpenShift Container Platform システムデーモンの間で共有できます。Pod は、EmptyDir ボリューム、コンテナーログ、イメージ階層、コンテナーの書き込み可能階層を使用してこのパーティションにアクセスできます。OpenShift Container Platform は、このパーティションの共有アクセスと分離を管理します。

  • ランタイム

    ランタイムパーティションは、オーバーレイファイルシステムに使用可能なオプションのパーティションです。OpenShift Container Platform は、このパーティションの分離および共有アクセスを特定して提供します。このパーティションには、コンテナーイメージ階層と書き込み可能な階層が含まれます。ランタイムパーティションが存在する場合は、root パーティションにはイメージ階層も書き込み可能階層も含まれません。