第2章 アップストリームの OpenJDK 8 との相違点

Red Hat Enterprise Linux (RHEL) の OpenJDK には、OpenJDK のアップストリームディストリビューションの構造上の変更が数多く含まれています。Microsoft Windows バージョンの OpenJDK は、RHEL の更新にできる限り従います。

以下は、Red Hat OpenJDK 8 における最も注目すべき変更の一覧です。

  • FIPS のサポート。Red Hat OpenJDK 8 は、RHEL が FIPS モードであるかどうかを自動的に検出し、そのモードで動作するように OpenJDK 8 を自動的に設定します。この変更は、Microsoft Windows 向けの OpenJDK ビルドには適用されません。
  • 暗号化ポリシーのサポート。Red Hat Open JDK 8 は、有効な暗号化アルゴリズムとキーサイズ制約のリストを RHEL システム設定から取得します。これらの設定コンポーネントは、トランスポート層セキュリティー (TLS) 暗号化プロトコル、証明書パス検証、および署名された JAR によって使用されます。さまざまなセキュリティープロファイルを設定して、安全性と互換性のバランスをとることができます。この変更は、Microsoft Windows 向けの OpenJDK ビルドには適用されません。
  • Red Hat OpenJDK on RHEL は、アーカイブ形式のサポート用の zlib、イメージのサポート用の libjpeg-turbolibpnggiflib などのネイティブライブラリーと動的にリンクします。また、RHEL はフォントのレンダリングと管理のために、Harfbuzz および Freetype に対して動的にリンクします。この変更は、Microsoft Windows 向けの OpenJDK ビルドには適用されません。
  • src.zip ファイルには、OpenJDK に同梱されるすべての JAR ライブラリーのソースが含まれます。
  • Red Hat OpenJDK on RHEL は、タイムゾーン情報のソースとして、システム全体のタイムゾーンデータファイルを使用します。
  • Red Hat OpenJDK on RHEL は、システム全体の CA 証明書を使用します。
  • Red Hat OpenJDK on Microsoft Windows には、RHEL で利用可能な最新のタイムゾーンデータが含まれています。
  • Red Hat OpenJDK on Microsoft Windows は、RHEL から入手可能な最新の CA 証明書を使用します。

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