第1章 Migration Toolkit for Virtualization について

Migration Toolkit for Virtualization (MTV) を使用して、仮想マシンを VMware vSphere または Red Hat Virtualization から OpenShift Virtualization に移行できます。

1.1. コールド移行とウォーム移行

MTV は、Red Hat Virtualization からのコールド移行と、VMware vSphere からのウォーム移行をサポートしています。

1.1.1. コールド移行

コールド移行は、デフォルトの移行タイプです。ソース仮想マシンは、データのコピー中にシャットダウンします。

1.1.2. ウォーム移行

ほとんどのデータは、ソース仮想マシン (VM) の実行中にプレコピー段階でコピーされます。

次に、VM がシャットダウンされ、残りのデータはカットオーバー段階でコピーされます。

プレコピー段階

仮想マシンはプレコピー段階ではシャットダウンされません。

仮想マシンディスクは、変更ブロックのトラッキング (CBT) スナップショットを使用して増分がコピーされます。スナップショットは、デフォルトでは 1 時間間隔で作成されます。forklift-controller デプロイメントを更新して、スナップショットの間隔を変更できます。

重要

各 ソース VM および各 VM ディスクに対して CBT を有効にする必要があります。

仮想マシンは、最大 28 CBT スナップショットをサポートします。ソース VM の CBT スナップショットが多すぎて、Migration Controller サービスが新規スナップショットを作成できない場合、ウォーム移行に失敗する可能性があります。スナップショットが不要になると、Migration Controller サービスは各スナップショットを削除します。

プレコピー段階は、カットオーバー段階を手動で開始するか、開始がスケジュールされるまで実行されます。

カットオーバー段階

カットオーバーの段階で仮想マシンはシャットダウンされ、残りのデータは移行されます。RAM に格納されたデータは移行されません。

MTV コンソールを使用してカットオーバー段階を手動で開始するか、Migration マニフェストでカットオーバー時間をスケジュールできます。