2.9. ファイルシステムパス
2.9.1. ファイルシステムパス
JBoss Enterprise Application Platform 6 では、ファイルシステムパスに論理名を使用します。
domain.xml
、host.xml
、および standalone.xml
の設定には、パスを宣言できるセクションが含まれます。設定の他のセクションは、各インスタンスの絶対パスを宣言せず論理名を使用することにより、これらのパスを参照できます。これにより、特定のホスト設定をユニバーサルな論理名に解決できるため、設定や管理がしやすくなります。
たとえば、ロギングサブシステム設定には、サーバーの
log
ディレクトリーを参照する jboss.server.log.dir
パスの参照が含まれます。
例2.8 ロギングディレクトリーの相対パス例
<file relative-to="jboss.server.log.dir" path="server.log"/>
JBoss Enterprise Application Platform 6 では、複数の標準的なパスが自動的に提供されるため、ユーザーが設定ファイルでこれらのパスを設定する必要はありません。
表2.7 標準的なパス
値 | 説明 |
---|---|
jboss.home | JBoss EAP 6 ディストリビューションのルートディレクトリー。 |
user.home | ユーザーホームディレクトリー。 |
user.dir | ユーザーのカレントワーキングディレクトリ。 |
java.home | Java インストールディレクトリー。 |
jboss.server.base.dir | 各サーバーインスタンスのルートディレクトリー。 |
jboss.server.data.dir | サーバーが永続データファイルストレージに使用するディレクトリー。 |
jboss.server.log.dir | サーバーがファイルストレージに使用するディレクトリー。 |
jboss.server.tmp.dir | サーバーが一時ファイルストレージに使用するディレクトリー。 |
jboss.domain.servers.dir | ホストコントロールが管理対象ドメインの各サーバーインスタンスに対して作業領域を作成するディレクトリー。 |
ユーザーは、
path
要素を設定ファイルに追加することにより、独自のパスを追加したり、上記の最初の 5 つを除くすべてをオーバーライドしたりできます。次の例は、各サーバーインスタンスのルートディレクトリーに対する新しい相対パス宣言を示しています。
例2.9 相対パスの形式
<path name="examplename" path="example/path" relative-to="jboss.server.data.dir"/>
パス宣言の構造では以下の属性が使用されます。
表2.8 パス属性
属性 | 説明 |
---|---|
name | パスの名前。 |
path | 実際のファイルシステムパス。relative-to 属性が指定されない限り、絶対パスとして処理され、値はそのパスの相対パスとして処理されます。 |
relative-to | 以前に指定された別のパスの名前を示すオプション属性、またはシステムにより提供される標準的ないずれかのパス。 |
domain.xml
設定ファイルの path
要素には、name 属性のみが必要です。以下の例のとおり、実際のファイルシステムパスを示す情報を含める必要はありません。
例2.10 ドメインパスの例
<path name="example"/>
この設定は、
domain.xml
設定の他の部分が参照できる example
という名前のパスがあることを宣言します。example
で宣言された実際のファイルシステムの場所は、ドメイングループに参加しているホストインスタンスの各 host.xml
設定ファイルに固有です。この方法が使用された場合は、実際のファイルシステムパスを指定する各マシンの host.xml
にパス要素が含まれる必要があります。
例2.11 ホストパスの例
<path name="example" path="path/to/example" />
standalone.xml
内の path
要素には、実際のファイルシステムパスの指定を含める必要があります。