第17章 Java Connector Architecture (JCA)

17.1. はじめに

17.1.1. Java EE Connector API (JCA) について

JBoss Enterprise Application Platform 6 は、Java EE Connector API (JCA) 1.6 仕様の完全なサポートを提供します。JCA 仕様の詳細は JSR 322: Java EE Connector Architecture 1.6 を参照してください。
リソースアダプターは Java EE Connector API アーキテクチャーを実装するコンポーネントです。リソースアダプターはデータソースオブジェクトと似ていますが、データベース、メッセージングシステム、トランザクション処理、エンタープライズリソースプランニング (ERP) システムなどの幅広い異種システムへエンタープライズ情報システム (EIS) から接続を提供します。

17.1.2. Java Connector Architecture (JCA)

Java EE Connector Architecture (JCA) は外部にある異種の企業情報システム (EIS: Enterprise Information System) に対して Java EE システムの標準アーキテクチャーを定義しています。EIS の例として、 Enterprise Resource Planning (ERP) システム、Mainframe Transaction Processing (TP)、データベース、メッセージングシステムが挙げられます。
JCA 1.6 は以下の管理機能を提供します。
  • 接続
  • トランザクション
  • セキュリティ
  • ライフサイクル
  • 作業インスタンス
  • トランザクションインフロー
  • メッセージインフロー
JCA 1.6 は Java Community Process で JSR-322 (http://jcp.org/en/jsr/detail?id=313) として開発されました。

17.1.3. リソースアダプター

リソースアダプターは、 Java Connector Architecture (JCA) 仕様を使用して Java EE アプリケーションとエンタープライズ情報システム (EIS) との間の通信を提供するデプロイ可能な Java EE コンポーネントです。通常、リソースアダプターは EIS のベンダーによって提供されるため、ベンダーの製品と Java EE アプリケーションとの統合は容易になります。
エンタープライズ情報システムは、組織内における他のあらゆるソフトウェアシステムのことです。例としては、エンタープライズリソースプランニング (ERP) システム、データベースシステム、電子メールサーバー、商用メッセージングシステムなどが挙げられます。
リソースアダプターは、JBoss Enterprise Application Platform 6 にデプロイできる Resource Adapter Archive (RAR) ファイルでパッケージ化されます。また、RAR ファイルは、Enterprise Archive (EAR) デプロイメントにも含まれていることがあります。