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第7章 モジュールの設定
7.1. はじめに
7.1.1. モジュール
モジュールは、クラスのロードと依存関係の管理に使用される、クラスの論理的なグループです。JBoss Enterprise Application Platform 6 では、静的モジュールと動的モジュールと呼ばれる 2 種類のモジュールが存在します。ただし、この 2 種類のモジュールの違いは、パッケージ化の方法のみです。すべてのモジュールは同じ機能を提供します。
- 静的モジュール
- 静的モジュールは、アプリケーションサーバーの
EAP_HOME/modules/
ディレクトリに事前定義されます。各サブディレクトリは 1 つのモジュールを表し、1 つまたは複数の JAR ファイルと設定ファイル (module.xml
) が含まれます。モジュールの名前は、module.xml
ファイルで定義されます。アプリケーションサーバーで提供されるすべての API (Java EE API や JBoss Logging などの他の API を含む) は、静的モジュールとして提供されます。カスタム静的モジュールの作成は、同じサードパーティーライブラリを使用する同じサーバー上に多くのアプリケーションがデプロイされる場合に役立ちます。これらのライブラリを各アプリケーションとバンドルする代わりに、JBoss 管理者はこれらのライブラリが含まれるモジュールを作成およびインストールできます。アプリケーションは、カスタム静的モジュールで明示的な依存関係を宣言できます。 - 動的モジュール
- 動的モジュールは、各 JAR または WAR デプロイメント (または、EAR 内のサブデプロイメント) に対してアプリケーションサーバーによって作成およびロードされます。動的モジュールの名前は、デプロイされたアーカイブの名前から派生されます。デプロイメントはモジュールとしてロードされるため、依存関係を設定でき、他のデプロイメントが依存関係として使用できます。
モジュールは必要なときのみロードされます。通常、明示的または暗黙的な依存関係があるアプリケーションがデプロイされるときのみ、モジュールがロードされます。
7.1.2. グローバルモジュール
グローバルモジュールは JBoss Enterprise Application Platform 6 が各アプリケーションへの依存関係として提供するモジュールです。アプリケーションサーバーのグローバルモジュールリストに追加すれば、どのモジュールもグローバルモジュールとなります。モジュールの変更は必要ありません。
7.1.3. モジュールの依存関係
モジュール依存関係とは、あるモジュールが機能するには別のモジュールのクラスを必要とする宣言のことです。モジュールはいくつでも他のモジュールの依存関係を宣言することができます。アプリケーションサーバーがモジュールをロードする時、モジュールクラスローダーがモジュールの依存関係を解析し、各依存関係のクラスをクラスパスに追加します。指定の依存関係が見つからない場合、モジュールはロードできません。
デプロイされたアプリケーション (JAR および WAR) は動的モジュールとしてロードされ、依存関係を用いて JBoss Enterprise Application Platform 6 によって提供される API へアクセスします。
依存関係には明示的と暗黙的の 2 つのタイプがあります。
明示的な依存関係は開発者によって設定に宣言されます。静的モジュールは依存関係を modules.xml ファイルに宣言することができます。動的モジュールはデプロイメントの MANIFEST.MF または jboss-deployment-structure.xml 記述子に依存関係を宣言することができます。
暗示的な依存関係は任意として指定することができます。任意の依存関係をロードできなくても、モジュールのロードに失敗する原因にはなりません。しかし、依存関係が後で使用できるようになっても、モジュールのクラスパスには追加されません。モジュールがロードされる時に依存関係が使用できなければなりません。
暗黙的な依存関係は、特定の条件やメタデータがデプロイメントで見つかった場合に自動的に追加されます。JBoss Enterprise Application Platform に含まれる Java EE 6 API は、デプロイメントに暗黙的な依存関係が検出された時に追加されるモジュールの例になります。
デプロイメントを設定して特定の暗黙的な依存関係を除外することも可能です。この設定は jboss-deployment-structure.xml デプロイメント記述子ファイルで行います。これは、アプリケーションサーバーが暗黙的な依存関係として追加しようとする特定バージョンのライブラリをアプリケーションがバンドルする場合に一般的に用いられます。
モジュールのクラスパスには独自のクラスとその直接の依存関係のみが含まれます。モジュールは 1 つの依存関係の依存関係クラスにはアクセスできませんが、暗示的な依存関係がエクスポートされたことを指定することができます。エクスポートされた依存関係は、エクスポートするモジュールに依存するモジュールへ提供されます。
例7.1 モジュールの依存関係
モジュール A はモジュール B に依存し、モジュール B はモジュール C に依存します。モジュール A はモジュール B のクラスにアクセスでき、モジュール B はモジュール C のクラスにアクセスできます。以下の場合を除き、モジュール A はモジュール C のクラスにはアクセスできません。
- モジュール A がモジュール C への明示的な依存関係を宣言する場合。
- または、モジュール B がモジュール B の依存関係をモジュール C でエクスポートする場合。
7.1.4. サブデプロイメントクラスローダーの分離
エンタープライズアーカイブ (EAR) の各サブデプロイメントは独自のクラスローダーを持つ動的モジュールで、他のサブデプロイメントのリソースにはアクセスすることはできません。これがサブデプロイメントクラスローダーの分離と呼ばれます。
JBoss Enterprise Application Platform 6 では、厳密なサブデプロイメントクラスローダーの分離がデフォルトで無効になっています。必要な場合は有効にできます。
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