第17章 Web サブシステム

17.1. Web サブシステムの設定

Web ベース管理コンソールまたはコマンドライン管理 CLI を使用すると、Web サブシステムのほとんどの側面を設定できます。各設定は、管理コンソールに表示される順番で説明され、管理 CLI コマンドも提供されます。
管理コンソールを使用した Web サブシステムの表示

Web ベース管理コンソールを使用して Web サブシステムを設定するには、画面上部の Configuration タブをクリックします。Subsystems メニューを展開した後、Web メニューを展開します。Web サブシステムの設定可能な各部分が表示されます。

注記

mod_cluster コンポーネントは、プロファイルが管理対象ドメインで ha または full-ha である場合、または standalone-ha または standalone-full-ha プロファイルでスタンドアロンサーバーを起動する場合にのみ利用できます。mod_cluster 設定については mod_cluster サブシステムの設定」 を参照してください。
JSP コンテナー、HTTP コネクター、および仮想 HTTP サーバーの設定

JSP コンテナー、HTTP コネクター、および仮想 HTTP サーバーを設定するには、Servlet/HTTP メニューエントリーをクリックします。Edit ボタンをクリックして任意の値を変更します。Advanced ボタンをクリックして高度なオプションを表示します。これらのオプションについては以下で説明されています。HTTP コネクターおよび仮想サーバーのオプションは、別の表で示されます。

表17.1 サーブレット/HTTP 設定オプション

オプション説明CLI コマンド
Instance ID
負荷分散が使用される場合にセッションアフィニティーを有効にするため使用される ID。この ID はクラスターのすべての JBoss EAP サーバーで一意である必要があり、生成されたセッション ID の最後に追加されます。これにより、フロントエンドプロキシーによって特定のセッションが同じ JBoss EAP インスタンスへ転送されるようになります。インスタンス ID はデフォルトとして設定されていません。
/profile=full-ha/subsystem=web:write-attribute(name=instance-id,value=worker1)
Disabled?
true の場合は、Java ServerPages (JSP) コンテナーを無効にします。デフォルトで false に設定されます。これは、JSP を使用しない場合に役に立ちます。
/profile=full-ha/subsystem=web/configuration=jsp-configuration/:write-attribute(name=disabled,value=false)
Development?
true の場合は、Development Mode を有効にします。この場合、より冗長なデバッグ情報が生成されます。デフォルトで false に設定されます。
/profile=full-ha/subsystem=web/configuration=jsp-configuration/:write-attribute(name=development,value=false)
Keep Generated?
Advanced をクリックしてオプションを確認します (非表示である場合)。true の場合は、生成されたサーブレットを保持します。デフォルト値は true です。
/profile=full-ha/subsystem=web/configuration=jsp-configuration/:write-attribute(name=keep-generated,value=true)
Check Interval?
Advanced をクリックしてオプションを確認します (非表示である場合)。バックグラウンドプロセスを使用して JSP の更新をチェックする頻度を決める値 (秒単位)。デフォルトで 0 に設定されます。
/profile=full-ha/subsystem=web/configuration=jsp-configuration/:write-attribute(name=check-interval,value=0)
Display Source?
Advanced をクリックしてこのオプションを確認します (非表示である場合)。true の場合、ランタイムエラーが発生すると、JSP ソース断片が表示されます。デフォルトで true に設定されます。
/profile=full-ha/subsystem=web/configuration=jsp-configuration/:write-attribute(name=display-source-fragment,value=true)
AJP および HTTP コネクターは負荷分散と HA クラスタリングに mod_clustermod_jkmod_proxyISAPI、および NSAPI を使用します。コネクターを設定するには Connectors タブを選択し、Add をクリックします。コネクターを削除するには、エントリーを選択し Remove をクリックします。コネクターを編集するには、エントリーを選択し Edit をクリックします。
管理 CLI を使用して新しいコネクターを作成する場合、以下のコマンドなどでオプションがすべて設定されます。

例17.1 新しいコネクターの作成

/profile=full-ha/subsystem=web/connector=ajp/:add(socket-binding=ajp,scheme=http,protocol=AJP/1.3,secure=false,name=ajp,max-post-size=2097152,enabled=true,enable-lookups=false,redirect-port=8433,max-save-post-size=4096)

表17.2 コネクターオプション

オプション説明CLI コマンド
Name
表示目的のコネクターの一意な名前。
/profile=full-ha/subsystem=web/connector=ajp/:read-attribute(name=name)
Socket Binding
コネクターがバインドされる名前付きソケットバインディング。ソケットバインディングは、ソケット名とネットワークポート間のマッピングです。ソケットバインディングは、各スタンドアロンサーバーに対して設定されるか、管理対象ドメインのソケットバインディンググループを介して設定されます。ソケットバインディンググループはサーバーグループへ適用されます。
/profile=full-ha/subsystem=web/connector=ajp/:write-attribute(name=socket-binding,value=ajp)
Scheme
HTTP や HTTPS などの Web コネクタースキーム。
/profile=full-ha/subsystem=web/connector=ajp/:write-attribute(name=scheme,value=http)
Protocol
AJP や HTTP などの、使用する Web コネクタープロトコル。
/profile=full-ha/subsystem=web/connector=ajp/:write-attribute(name=protocol,value=AJP/1.3)
Enabled
Web コネクターが有効であるかどうか。
/profile=full-ha/subsystem=web/connector=ajp/:write-attribute(name=enabled,value=true)
Redirect Port
リダイレクトする場合に使用されるポート番号を指定するために使用されます。セキュア (https) または AJP コネクターが一般的です。
/profile=full-ha/subsystem=web/connector=http:write-attribute(name=redirect-port,value=8443)
Redirect Binding
バインディングのリダイレイトは挙動の面ではポートのリダイレクトと似ていますが、「value」にポート番号ではなくソケットバインディング名を指定する必要があります。事前定義されたソケットバインディング (http、AJP など) を使用できるため、redirect-binding を使用すると設定の柔軟性が高くなります。結果は redirect-port オプションと同じになります。
/profile=full-ha/subsystem=web/connector=http:write-attribute(name=redirect-binding,value=https)
仮想サーバーを設定するには、Virtual Servers タブをクリックします。Add ボタンを使用して新しい仮想サーバーを追加します。仮想サーバーを編集または削除するには、エントリーを選択し、Edit または Remove ボタンをクリックします。
管理 CLI を使用して新しい仮想サーバーを追加する場合、以下のコマンドのようにすべての必須オプションが一度に設定されます。

例17.2 新しい仮想サーバーの追加

/profile=full-ha/subsystem=web/virtual-server=default-host/:add(enable-welcome-root=true,default-web-module=ROOT.war,alias=["localhost","example.com"],name=default-host)

表17.3 仮想サーバーオプション

オプション説明CLI コマンド
Name
表示目的の仮想サーバーの一意な名前。
/profile=full-ha/subsystem=web/virtual-server=default-host/:read-attribute(name=name)
Alias
この仮想サーバーに一致する必要があるホスト名のリスト。管理コンソールで、1 行あたり 1 つのホスト名を使用します。
/profile=full-ha/subsystem=web/virtual-server=default-host/:write-attribute(name=alias,value=["localhost","example.com"])
Default Module
Web アプリケーションをこの仮想サーバーのルートノードにデプロイする必要があるモジュールであり、ディレクトリーが HTTP 要求で提供されない場合に表示されます。
/profile=full-ha/subsystem=web/virtual-server=default-host/:write-attribute(name=default-web-module,value=ROOT.war)