3. 新機能
以下の新機能が JBoss EAP 6.3 に追加されました。
- PicketLink の改良
- JBoss EAP の PicketLink コンポーネントが大幅に改良され、以下が導入されました。
- IDP およびフェデレーションの管理サブシステム
- セキュリティー設定の CDI インジェクション
- IDP を用いた証明書ベースのログイン
- IDP を用いた Kerberos ベースの承認
- IDP を示す SSO 機能
- サービスプロバイダーにおける動的アカウント選択機能
picketlink.xml
へのカスタムパス
- ドメインリカバリーの改良
- JBoss EAP ドメインコントローラーのバックアップ IP アドレスを用いて JBoss EAP 6.3 ホストコントローラーを設定できるようになりました。この機能により、管理者はホストコントローラーのバックアップドメインコントローラーへの自動フェイルオーバーを設定できるため、管理ドメインを確実に利用可能にします。しかし、フェイルオーバーが発生する前に、管理者は手動でバックアップホストコントローラーを昇格し、新しいドメインコントローラーとして動作するようにする必要があります。
- PKCS11 キーストアのサポート
- JBoss EAP セキュリティードメインと JMS サブシステム (HornetQ) が改良され、以前のバージョンでサポートされた Java キーストアに加えて、PKCS11 キーストアの承認もサポートするようになりました。
- Web 管理コンソールでのパッチ利用
- JBoss EAP 6.2 で導入され、JBoss EAP 6.2 の管理 API より公開されたパッチ機能が、JBoss EAP 6.3 では Web 管理コンソールで使用できるようになりました。パッチのインストールとロールバックが可能で、パッチ状態とパッチ履歴も表示できます。
- Web 管理コンソールの新しい「ホームページ」
- JBoss EAP の Web 管理コンソールを開始すると、一般的な管理機能へのリンクが記載されているホームページが表示されるようになりました。そのため、このコンソールを使用して簡単かつ迅速に管理機能へ移動できるようになりました。
- Web 管理コンソールでのデータソースのテスト
- Web 管理コンソールでデータソースをテストできるようになったため、適切なアクセス権利を持つ管理者は、アプリケーションの作成後またはデプロイ前にデータソースを確実に接続できるようになりました。
- トップレベルの名前変更
- トップレベルのナビゲーションラベルが、スタンドアロンとドメインモードの両方で統一されました。新しいラベルは次のとおりです。
- Configuration (設定)
- このタブは、プロファイルに関する永続設定を表示します。
- Runtime (ランタイム)
- このタブは、サーバーの起動時の情報を表示します。
- Administration (管理)
- このタブは、アクセス制御設定を表示します。
- Domain (ドメイン)
- このタブは、ドメイン設定を表示します (ドメインモードの場合のみ)。
- 分析収集
- Web 管理コンソールに、使用度を Red Hat に報告できる機能が追加されました。Red Hat はこのデータを使用して、今後のバージョンの JBoss EAP で使いやすさを向上する予定です。この機能はデフォルトで無効になっていますが、コンソール設定で有効にできます。分析データの収集を有効にすることが推奨されます。
- デプロイメントオーバーレイの改良
- デプロイされたアプリケーションのデプロイメント記述子を仮想的に置き換える機能を提供するデプロイメントオーバーレイが改良され、デプロイメントのバイナリーを上書きする機能が追加されました。この改良機能により、システム管理者はアプリケーションアーカイブを変更せずにアプリケーションの挙動を変更できます。
- Microsoft Windows Server 2012 R2 のサポート
- Microsoft Windows Server 2012 R2 がテストされ、サポートされる構成に追加されました。
- Red Hat Enterprise Linux 7 のサポート
- Red Hat Enterprise Linux 7 がテストされ、サポートされる構成に追加されました。
- PowerPC アーキテクチャー上の Red Hat Enterprise Linux のサポート
- PPC64 アーキテクチャー上の Red Hat Enterprise Linux 6 および Red Hat Enterprise Linux 7 で JBoss EAP 6.3.0 がテストされ、両方の構成でサポートされるようになりました。
- WSI-Basic Security 1.1
- WSI-Basic Security 1.1 プロファイルへの準拠を確認するため、JBoss Web Services がテストされました。
- Hibernate
- バイトコードが改良および拡張されました。
- WS-Atomic トランザクション/XA Bridge
- WS-AT/XA トランザクションブリッジ機能が、技術プレビューから完全サポートに変更されました。このブリッジは、WebServices と Java EE トランザクションドメインとの間の双方向リンクを提供します。
- 復元された ServiceMBean ヘルパークラス
- ユーザーによる MBean の作成を手助けし、以前のバージョンの JBoss EAP で使用できたヘルパークラスを復元するため、
org.jboss.as.system-jmx
モジュールが導入されました。 - EJB および MDB でのプロパティーの置き換え
- JBoss EAP では、
@ActivationConfigProperty
および@Resource
アノテーションを使用した EJB および MDB でのプロパティーの置き換えが可能になりました。 - ガベッジコレクションのロギング
- ガベッジコレクションのロギングが、
standalone
モードではデフォルトで有効になりました。今回の変更により、ガベッジコレクションのロギングを有効にしてから問題が再発するまで待機する必要がなくなり、必要に応じてログファイルを使用できるようになったため、診断が改善されます。 - Web デプロイメントのアノテーション
- アノテーションが付けられたサーブレットコンポーネントは共有モジュールで定義できます。その後、サーブレットコンテナによってピックアップされ、そのモジュールの定義された依存関係を用いてすべての Web デプロイメントに適用されます。これにより、すべてのサーブレットの依存関係を
web.xml
ファイルに定義する必要性が少なくなります。たとえば、アノテーションが付けられた Web フィルターやリスナーを共有モジュールに追加でき、すべてのアプリケーションによる自動ピックアップが可能になりました。 - ロギング
- デフォルトでロギングモジュールがデプロイメントに追加されないよう、JBoss EAP を設定できるようになりました。
- トランザクションマネージャーの改良
- 最終リソースコミット最適化 (LRCO: Last Resource Commit Optimization) のサポートに加え、コミットマーク可能リソース (CMR: Commit Markable Resource) のトランザクション最適化が利用できるようになりました。
- CORBA リレーの IOR 設定
- CORBA リレーに対して IOR を設定できるようになりました。
- Java EE
- Java EE サブシステムが、グローバルモジュールの XML 設定で
annotation
フラグをサポートするようになりました。true
に設定すると、グローバルモジュールはアノテーションインデックスをサーバー上のすべての Java EE デプロイメントにエクスポートします。 - mod_cluster sessionDrainingStrategy の設定
- 本リリースの JBoss EAP 6 では、セッションドレインストラテジー (session-draining-strategy 属性) を設定できるようになりました。mod_cluster 自体はこの設定をサポートしていましたが、これまで設定が不可能でした。