5.8.3. Microsoft Windows ドメインでの JBoss Negotiation の設定

本項では、Active Directory ドメインの一部である Microsoft Windows サーバー上で JBoss EAP が実行されている場合に、JBoss Negotiation で使用する必要があるアカウントの設定方法を説明します。
ここでは、サーバーへのアクセスに使用されるホスト名は {hostname}、レルムは {realm}、ドメインは {domain}、JBoss EAP インスタンスをホストするサーバーは {machine_name} を使用します。

手順5.6 Microsoft Windows ドメインでの JBoss Negotiation の設定

  1. 既存のサービスプリンシパルマッピングの消去

    Microsoft Windows ネットワークでは、一部のマッピングが自動作成されます。自動的に作成されたマッピングを削除し、ネゴシエーションが適切に行われるようにサーバーのアイデンティティーをサービスプリンシパルへマップします。マッピングにより、クライアントコンピューター上の Web ブラウザーがサーバーを信頼し、SPNEGO の実行を試みます。クライアントコンピューターは、HTTP{hostname} 形式のマッピングに対し、ドメインコントローラーを検証します。
    既存のマッピングを削除する手順は次のとおりです。
    • コマンド setspn -L {machine_name} を使用して、コンピューターに対してドメインに登録されたマッピングをリストします。
    • コマンド setspn -D HTTP/{hostname} {machine_name} および setspn -D host/{hostname} {machine_name} を使用して、既存のマッピングを削除します。
  2. ホストユーザーアカウントを作成します。

    注記

    必ず、ホストユーザー名が {machine_name} と異なるようにしてください。
    これ以降では、ホストユーザー名として {user_name} を使用します。
  3. {user_name}{hostname} の間のマッピングを定義します。

    • コマンド ktpass -princ HTTP/{hostname}@{realm} -pass * -mapuser {domain}\{user_name} を実行し、サービスプリンシパルマッピングを設定します。
    • 入力を要求されたら、ユーザー名のパスワードを入力します。

      注記

      ユーザー名のパスワードをリセットします。これはキータブをエクスポートするために必要です。
    • コマンド setspn -L {user_name} を実行し、マッピングを検証します。
  4. ユーザーのキータブを、JBoss EAP がインストールされているサーバーへエクスポートします。

    コマンド ktab -k service.keytab -a HTTP/{hostname}@{realm} を実行し、キータブをエクスポートします。

    注記

    このコマンドは、HTTP/{hostname} プリンシパルのチケットを、JBoss 上でホストセキュリティードメインを設定するために使用されるキータブ service.keytab へエクスポートします。
  5. セキュリティードメイン内のプリンシパルを次のように定義します。
    <module-option name="principal">HTTP/{hostname}@{realm}</module-option>