16.4.2. TCP を使用するよう JGroups サブシステムを設定

デフォルトでは、JGroups サブシステムはマルチキャスト UDP を使用して通信します。次の手順を用いて JGroups サブシステムがユニキャスト TCP を使用するように設定します。
mod_cluster サブシステムが TCP も使用するように設定するには、mod_cluster サブシステムのアドバタイズの無効化」を参照してください。
  1. Management CLI を実行します。

    EAP_HOME/bin/jboss-cli.sh コマンド (Linux の場合) または EAP_HOME\bin\jboss-cli.bat コマンド (Microsoft Windows Server の場合) を使用して管理 CLI を起動します。connect と入力して localhost 上のドメインコントローラーに接続するか、connect IP_ADDRESS と入力してリモートサーバー上のドメインコントローラーに接続します。
  2. お使いの環境に合わせて以下のスクリプトを変更します。

    以下のスクリプトをテキストエディターにコピーします。管理対象ドメインで異なるプロファイルを使用する場合は、プロファイル名を変更します。スタンドアロンサーバーを使用する場合は、コマンドの /profile=full-ha 部分を削除します。以下のように、コマンドの最下部にリストされたプロパティーを変更します。これらの各プロパティーはオプションです。
    initial_hosts
    既知と見なされたホストのカンマ区切りのリストであり、初期メンバーシップを検索するために使用できます。
    port_range
    必要な場合は、ポート範囲を割り当てることができます。2 のポート範囲を割り当て、初期ポートが 7600 である場合は、TCPPING がポート 7600 〜 7601 の各ホストに通信しようとします。このプロパティーはオプションです。
    timeout
    クラスターメンバーのオプションタイムアウト値 (ミリ秒単位)
    num_initial_members
    クラスターが完了したと見なされるまでのノード数。このプロパティーはオプションです。
    cd /profile=full-ha/subsystem=jgroups
    ./stack=tcpping:add
    cd stack=tcpping
    ./transport=TRANSPORT:add(type=TCP,socket-binding=jgroups-tcp)
    :add-protocol(type=TCPPING)
    :add-protocol(type=MERGE2)
    :add-protocol(type=FD_SOCK,socket-binding=jgroups-tcp-fd)
    :add-protocol(type=FD)
    :add-protocol(type=VERIFY_SUSPECT)
    :add-protocol(type=BARRIER)
    :add-protocol(type=pbcast.NAKACK)
    :add-protocol(type=UNICAST2)
    :add-protocol(type=pbcast.STABLE)
    :add-protocol(type=pbcast.GMS)
    :add-protocol(type=UFC)
    :add-protocol(type=MFC)
    :add-protocol(type=FRAG2)
    :add-protocol(type=RSVP)
    cd protocol=TCPPING
    ./property=initial_hosts/:add(value="HostA[7600],HostB[7600]")
    ./property=port_range/:add(value=0)
    ./property=timeout/:add(value=3000)
    ./property=num_initial_members/:add(value=3) 
    cd ../..
    :write-attribute(name=default-stack,value=tcpping)
    
  3. スクリプトをバッチモードで実行します。

    警告

    バッチファイルを実行する前に、プロファイルを実行しているサーバーをシャットダウンする必要があります。
    管理 CLI プロンプトで、batch と入力し、Enter キーを押します。プロンプトはハッシュ (#) 記号を含むよう変更され、バッチモードであることが示されます。これにより、一連のコマンドを入力できるようになります。これらのいずれかが失敗した場合は、操作全体がロールバックされます。
    以前の手順の変更されたスクリプトを貼り付け、最後に新しい行を追加します。run-batch と入力してバッチを実行します。すべてのコマンドが実行されたら、メッセージ「The batch executed successfully」が表示されます。
結果

TCPPING スタックが JGroups サブシステムで利用できるようになります。JGroups サブシステムは、すべてのネットワーク通信に TCP を使用します。mod_cluster サブシステムが TCP も使用するよう設定するには、mod_cluster サブシステムのアドバタイズの無効化」を参照してください。