1.5. 管理対象ドメイン

管理対象ドメインは、JBoss EAP インスタンスの 2 つある操作モードの 1 つです。このモードは、単一の制御点より JBoss EAP の複数のインスタンスを管理するモードです。
集中管理された複数のサーバーはドメインのメンバーと呼ばれます。ドメインの JBoss EAP インスタンスはすべて共通の管理ポリシーを共有します。各ドメインは 1 つの ドメインコントローラー、1 つ以上の ホストコントローラー、およびホスト毎に 0 個以上のサーバーグループによって構成されます。
ドメインコントローラーはドメインが制御される中心点で、ドメインの管理ポリシーに従って各サーバーが確実に設定されるようにします。また、ドメインコントローラーはホストコントローラーでもあります。ホストコントローラーは、domain.sh または domain.bat スクリプトが実行される物理または仮想ホストのことです。ホストコントローラーはドメインコントローラーとは異なり、ドメイン管理タスクを委譲します。各ホスト上のホストコントローラーはドメインコントローラーと対話して、ホスト上で実行されているアプリケーションサーバーインスタンスのライフサイクルを制御し、ドメインコントローラーがこれらのインスタンスを管理できるようにします。各ホストに複数のサーバーグループが含まれるようにすることが可能です。サーバーグループはサーバーインスタンスのセットで、JBoss EAP がインストールされ、一体で管理および設定されます。ドメインコントローラーがサーバーグループにデプロイされた設定とアプリケーションを管理するため、サーバーグループの各サーバーは同じ設定とデプロイメントを共有します。
同じ物理システム上の同じ JBoss EAP 6 インスタンス内で、ドメインコントローラー、単一のホストコントローラー、および複数のサーバーを実行することが可能です。ホストコントローラーは特定の物理 (または仮想) ホストと関係します。ポートと他のリソースが競合しないため、異なる設定を使用する場合は複数のホストコントローラーを同じハードウェア上で実行できます。
ドメインコントローラーを 1 つ、ホストコントローラーを 3 つ、サーバーグループを 3 つ持つ管理対象ドメイン。サーバーはサーバーグループのメンバーで、このドメイン内のホストコントローラーのいずれかにあります。

図1.1 管理対象ドメインの図解