2.2. JBoss Enterprise Application Platform 6 の新機能と変更内容
はじめに
JBoss Enterprise Application Platform 6 が以前のリリースと顕著に異なる点は次のとおりです。
- モジュールベースのクラスローディング
- JBoss Enterprise Application Platform 5 ではクラスローディングのアーキテクチャーは階層的でした。JBoss Enterprise Application Platform 6 ではクラスローディングが JBoss モジュールベースとなりました。これにより、正確にアプリケーションを分離できるようになったため、サーバー実装クラスを隠し、アプリケーションが必要なクラスのみをロードできるようになりました。より良いパフォーマンスを実現するため、クラスローディングは平行して実行されます。JBoss Enterprise Application Platform 5 向けに書かれたアプリケーションはモジュールの依存関係を指定するために変更する必要があります。場合によってはアーカイブを再パッケージ化する必要があることもあります。詳細については、https://access.redhat.com/site/documentation/JBoss_Enterprise_Application_Platform/ にある JBoss Enterprise Application Platform 6 向け『開発ガイド』『』の章「クラスローディングとモジュール『』」の「クラスローディングとモジュールの概要『』」を参照してください。
- ドメイン管理
- JBoss Enterprise Application Platform 6 ではサーバーをスタンドアロンサーバーとして実行したり、管理ドメインで実行することが可能です。管理ドメインではサーバーグループ全体を一度に設定できるため、サーバーのネットワーク全体で設定を同期化することが可能です。これにより前リリース向けに構築されたアプリケーションが影響を受けることはありませんが、複数サーバーへのデプロイメントの管理を簡素化することができます。詳細については、https://access.redhat.com/site/documentation/JBoss_Enterprise_Application_Platform/ にある JBoss Enterprise Application Platform 6 向け『管理および設定ガイド』『』の「管理対象ドメインについて『』」を参照してください。
注記
ドメインモードは次の Boss Enterprise 製品ではサポートされていません。- JBoss Portal Platform 6
- デプロイメント設定
- スタンドアロンサーバーと管理ドメイン
- JBoss Enterprise Application Platform 5 ではプロファイルベースのデプロイメント設定を使用し、これらのプロファイルは
EAP_HOME/server/
ディレクトリーにありました。多くのアプリケーションにはセキュリティーやデータベース、リソースアダプターなどの設定に対する複数の設定ファイルが含まれていました。JBoss Enterprise Application Platform 6 では 1 つのファイルを使用してデプロイメントを設定できるようになりました。このファイルはデプロイメントに使用されるすべてのサービスやサブシステムを設定するために使用されます。スタンドアロンサーバーはEAP_HOME/standalone/configuration/standalone.xml
ファイルを使用して設定されます。管理対象ドメインで実行されているサーバーではサーバーはEAP_HOME/domain/configuration/domain.xml
ファイルを使用して設定されます。JBoss Enterprise Platform 5 の複数の設定ファイルに含まれる情報は新しい単一の設定ファイルへ移行する必要があります。 - デプロイメントの順序付け
- JBoss Enterprise Application Platform 6 はデプロイメントに対して高速で平行した初期化を実行するため、パフォーマンスと効率性が向上します。ほとんどの場合でアプリケーションサーバーは自動的に依存関係を事前判断し、最も効率的なデプロイメントストラテジーを選択します。しかし、EAR としてデプロイされた複数のモジュールで構成され、CDI 挿入やリソース参照エントリーの代わりにレガシーの JNDI ルックアップを使用する JBoss Enterprise Application Platform 5 のアプリケーションは、設定の変更が必要になります。
- ディレクトリー構造とスクリプト
- 前述のとおり、JBoss Enterprise Application Platform 6 はプロファイルベースのデプロイメント設定を使用しません。そのため、
EAP_HOME/server/
ディレクトリーは存在しません。スタンドアロンサーバーの設定ファイルはEAP_HOME/standalone/configuration/
ディレクトリー、デプロイメントはEAP_HOME/standalone/deployments/
ディレクトリーにあります。管理対象ドメインで実行されているサーバーの設定ファイルはEAP_HOME/domain/configuration/
ディレクトリー、デプロイメントはEAP_HOME/domain/deployments/
ディレクトリーにあります。JBoss Enterprise Application Platform 5 では、Linux スクリプトEAP_HOME/bin/run.sh
または Windows スクリプトEAP_HOME/bin/run.bat
を使用してサーバーを起動しました。JBoss Enterprise Application Platform 6 では、サーバーの起動方法によってサーバー起動スクリプトが異なります。 スタンドアロンサーバーを使用する場合は、Linux スクリプトEAP_HOME/bin/standalone.sh
または Windows スクリプトEAP_HOME/bin/standalone.bat
を使用します。 管理ドメインを起動する場合は、Linux スクリプトEAP_HOME/bin/domain.sh
または Windows スクリプトEAP_HOME/bin/domain.bat
を使用します。 - JNDI ルックアップ
- JBoss Enterprise Application Platform 6 は標準化された移植可能な JNDI 名前空間を使用するようになりました。JBoss Enterprise Application Platform 5 向けに書かれた JNDI ルックアップを使用するアプリケーションは、新しい JNDI 名前空間の慣習に従って変更する必要があります。JNDI のネーミング構文についての詳細については、「移植可能な JNDI ネーミング構文」を参照してください。
詳細については、https://access.redhat.com/site/documentation/JBoss_Enterprise_Application_Platform/ にある JBoss Enterprise Application Platform 6 向け『開発ガイド『』』の章「アプリケーションの開発『』」の「JBoss Enterprise Application Platform 6 の新しい機能と変更された機能『』」を参照してください。