19.2. クライアントアプリケーションの作成
XTSの利用に際してクライアントアプリケーションには、トランザクション宣言とビジネスロジックといった2つの側面があります。ビジネスロジックには、Web Services の呼出しが含まれています。
トランザクション宣言については自動的にXTS クライアントAPIで処理されます。このAPI は、
begin
、commit
、 rollback
などの単純なトランザクション命令を提供するため、クライアントアプリケーションはトランザクションを初期化、管理、終了する際に利用できます。内部では、コーディネータを作成しトランザクションを完了させるために、このAPIがSOAPを使って様々なWS-C、WS-AT、WS-BAのサービス上で操作を呼び出します。
19.2.1. ユーザトランザクション
クライアントは、
UserTransactionFactory
と UserTransaction
クラスを使い、WS-ATトランザクションを作成、管理します。これらのクラスは、JTA API と似た方法で機能するシンプルなAPI を提供します。UserTransaction
クラスのbegin
メソッドを呼び出すことでWS-ATトランザクションを開始し、クライアントスレッドと関連付けます。commit
メソッドを呼び出すことでトランザクションをコミットでき、rollback
メソッドでロールバックが可能です。
トランザクションの停止や再開など、より複雑なトランザクション管理は
TransactionManagerFactory
や TransactionManager
クラスによりサポートされています。
WS-AT APIに関する完全な詳細は、21章XTS APIに提供されています。